JP5459023B2 - 動力伝達装置の制御装置 - Google Patents

動力伝達装置の制御装置 Download PDF

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Description

本発明は、車両に備えられる動力伝達装置の制御装置に関する。
この種の技術として、以下の特許文献1には、内燃機関とダンパーおよび/またはトルクリミッタと電動機とを含む駆動系への共振現象の発生が検出された場合において、共振現象の発生を検出した回数や時間を積算した積算値が所定値を越えた場合に、内燃機関のモータリングを停止する技術が記載されている。特許文献2には、こもり音の発生に伴い、ベルトの挟圧力を上昇させる技術が記載されている。特許文献3には、機械式ポンプの吐出圧が所定値未満のときに電動ポンプの吐出オイルを自動変速機へ供給する技術が記載されている。特許文献4にも本発明の関連のある技術が記載されている。
特開2005−233160号公報 特開2008−95848号公報 特開2000−46165号公報 特開平11−257476号公報
ところで、特許文献1に記載の技術では、共振を抑制する際に、クラッチの係合圧を上昇させてトルクリミッタを滑らせるが、油圧が不足すると所望の係合圧を得ることができず、クラッチにおける互いに係合される2つの部材間で連続すべりが発生して、当該クラッチの耐久性が低下してしまう恐れがある。特に、モータ走行中では、油圧の供給源として電動オイルポンプが用いられるため、油圧不足の恐れがあった。この点について、特許文献2乃至4には何ら記載されていない。
本発明は、上記の点に鑑みてなされたものであり、動力伝達装置において、クラッチやプーリ等の挟圧手段の耐久性の低下を防止することを課題とする。
本発明の1つの観点では、挟圧手段と、前記挟圧手段の油圧源たる電動オイルポンプとを備えた、動力源から出力された動力を伝達する動力伝達装置に適用される動力伝達装置の制御装置であって、共振時、前記挟圧手段の挟圧力を上昇させる制御手段を備え、前記制御手段は、所定時間の間、前記電動オイルポンプの駆動電流の値を定格値よりも大きくし、前記動力伝達装置は、エンジンおよび電動機を前記動力源とし、前記エンジンの回転数に応じて油圧を変化させる機械式オイルポンプを備え、前記制御手段は、前記電動オイルポンプの駆動電流の値を定格値よりも大きくした後、前記挟圧手段のトルク容量がトルクリミッタ付きダンパーのトルクリミッタのリミットトルク以下になっていることに基づき共振による振動が発生している否か判定し、共振による振動が発生している場合に、前記エンジンを始動させることにより前記機械式オイルポンプを始動させる。
上記の動力伝達装置の制御装置は、エンジンなどの動力源から出力された動力を駆動輪などに伝達する動力伝達装置に適用される。動力伝達装置は、挟圧手段を備える。挟圧手段としては、例えば、摩擦係合装置やプーリなどが挙げられる。動力伝達装置の制御装置は、例えばECU(Electronic Controlled Unit)により実現され、制御手段を備える。制御手段は、共振時、電動オイルポンプの駆動電流を制御することにより、挟圧手段の挟圧力を上昇させる。制御手段は、例えば、挟圧手段が摩擦係合装置の場合には、摩擦係合装置の油圧を上昇させて係合圧を上昇させる。ここで、制御手段は、所定時間の間、電動オイルポンプの駆動電流の値を定格値よりも大きくする。このようにすることで、挟圧手段の耐久性の低下を防止することができる。
また、上記動力伝達装置は、エンジンおよび電動機を前記動力源とし、前記エンジンの回転数に応じて油圧を変化させる機械式オイルポンプを備え、前記制御手段は、前記エンジンを始動させることにより前記機械式オイルポンプを始動させる。電動オイルポンプの駆動電流の値が定格値よりも大きいにもかかわらず、係合圧不足が生じた場合であっても、このようにすることで、挟圧手段の耐久性の低下を防止することができる。
挟圧手段と、前記挟圧手段の油圧源たる電動オイルポンプとを備えた、動力源から出力された動力を伝達する動力伝達装置に適用される動力伝達装置の制御装置は、共振時、前記電動オイルポンプの駆動電流を制御することにより、前記挟圧手段の挟圧力を上昇させる制御手段を備え、前記制御手段は、所定時間の間、前記電動オイルポンプの駆動電流の値を定格値よりも大きくする。このようにすることで、挟圧手段の耐久性の低下を防止することができる。
本実施形態に係る動力伝達装置の構成図である。 摩擦係合装置における係合作動表を示す図である。 動力伝達装置における各回転要素の回転速度の相対関係を示す共線図である。 ECUに入力される信号およびECUから出力される信号の一例である。 機械的変速部の変速制御で使用される変速線図である。 シフトポジションの配列を示す図である。 本実施形態に係る動力伝達装置の制御方法の一例を示すタイムチャートである。 本実施形態に係る動力伝達装置の制御処理を示すフローチャートである。
以下、図面を参照して本発明の好適な実施の形態について説明する。
[装置構成]
まず、本実施形態に係る車両の動力伝達装置10の構成の一例について図1を用いて説明する。
図1は、車両の動力伝達装置10の構成図である。動力伝達装置10は、主に、入力軸14と、トルクリミッタ付きダンパー51と、無段変速部11と、機械的変速部20と、出力軸22とを直列に備えている。この動力伝達装置10は、例えばハイブリッド車両において縦置きされるFR(フロントエンジン・リヤドライブ)型車両に好適に用いられるものである。動力伝達装置10は、走行用の駆動力源たるエンジン8と一対の駆動輪(図示せず)との間に設けられている。エンジン8は、例えばガソリンエンジンやディーゼルエンジン等の内燃機関であり、入力軸14に連結されている。駆動輪は出力軸22に連結されている。動力伝達装置10はその軸心に対して対称的に構成されているため、図1においてはその下側が省略されている。入力軸14は、車体に取り付けられる非回転部材としてのトランスミッションケース12(以下、ケース12という)内において共通の軸心上に配設された入力回転部材である。無段変速部11は、この入力軸14に対し、トルクリミッタ付きダンパー51を介して間接に連結された電気的な変速部である。機械的変速部20は、その無段変速部11と駆動輪(図示せず)との間の動力伝達経路で伝達部材(伝動軸)18を介して直列に連結されている有段式の変速機として機能する変速部である。出力軸22は、この機械的変速部20に連結されている出力回転部材である。
無段変速部11は、第1電動機M1と、動力分配機構16と、第2電動機M2と、を備える。動力分配機構16は、入力軸14に入力されたエンジン8の出力を機械的に分配する機械的機構であってエンジン8の出力を第1電動機M1および伝達部材18に分配する差動機構として機能する。第2電動機M2は、伝達部材18と一体的に回転するように設けられている。なお、この第2電動機M2は伝達部材18から駆動輪までの間の動力伝達経路を構成するいずれの部分に設けられてもよい。第1電動機M1および第2電動機M2は発電機能をも有するいわゆるモータジェネレータであるが、第1電動機M1は反力を発生させるためのジェネレータ(発電)機能を少なくとも備え、第2電動機M2は走行用の駆動力源として駆動力を出力するためのモータ(電動機)機能を少なくとも備える。
動力分配機構16は、例えば「0.418」程度の所定のギヤ比ρ1を有するシングルピニオン型の第1遊星歯車装置24を主体として構成されている。この第1遊星歯車装置24は、第1サンギヤS1、第1遊星歯車P1、その第1遊星歯車P1を自転および公転可能に支持する第1キャリヤCA1、第1遊星歯車P1を介して第1サンギヤS1と噛み合う第1リングギヤR1を回転要素(要素)として備えている。第1サンギヤS1の歯数をZS1、第1リングギヤR1の歯数をZR1とすると、上記ギヤ比ρ1はZS1/ZR
1である。
この動力分配機構16においては、第1キャリヤCA1は、トルクリミッタ付きダンパー51を介して入力軸14に連結され、第1サンギヤS1は、第1電動機M1に連結され、第1リングギヤR1は、伝達部材18に連結されている。動力分配機構16は、第1遊星歯車装置24の3要素である第1サンギヤS1、第1キャリヤCA1、第1リングギヤR1がそれぞれ相互に相対回転可能とされて差動作用が働く差動状態とされる。そのため、エンジン8の出力が第1電動機M1と伝達部材18とに分配されるとともに、分配されたエンジン8の出力の一部で第1電動機M1から発生させられた電気エネルギが蓄電され、または、第2電動機M2が回転駆動される。これにより、無段変速部11(動力分配機構16)は、いわゆる無段変速状態(電気的CVT状態)とされ、エンジン8の所定回転に拘わらず伝達部材18の回転を連続的に変化させることが可能となる。
機械的変速部20は、シングルピニオン型の第2遊星歯車装置26、シングルピニオン型の第3遊星歯車装置28、および、シングルピニオン型の第4遊星歯車装置30を備えている。第2遊星歯車装置26は、第2サンギヤS2、第2遊星歯車P2、その第2遊星歯車P2を自転および公転可能に支持する第2キャリヤCA2、および、第2遊星歯車P2を介して第2サンギヤS2と噛み合う第2リングギヤR2を備えており、例えば「0.562」程度の所定のギヤ比ρ2を有している。第3遊星歯車装置28は、第3サンギヤS3、第3遊星歯車P3、その第3遊星歯車P3を自転および公転可能に支持する第3キャリヤCA3、第3遊星歯車P3を介して第3サンギヤS3と噛み合う第3リングギヤR3を備えており、例えば「0.425」程度の所定のギヤ比ρ3を有している。第4遊星歯車装置30は、第4サンギヤS4、第4遊星歯車P4、その第4遊星歯車P4を自転および公転可能に支持する第4キャリヤCA4、第4遊星歯車P4を介して第4サンギヤS4と噛み合う第4リングギヤR4を備えており、例えば「0.421」程度の所定のギヤ比ρ4を有している。第2サンギヤS2の歯数をZS2、第2リングギヤR2の歯数をZR2、第3サンギヤS3の歯数をZS3、第3リングギヤR3の歯数をZR3、第4サンギヤS4の歯数をZS4、第4リングギヤR4の歯数をZR4とすると、上記ギヤ比ρ2はZS2/ZR2、上記ギヤ比ρ3はZS3/ZR3、上記ギヤ比ρ4はZS4/ZR4である。
機械的変速部20では、第2サンギヤS2と第3サンギヤS3とが一体的に連結されて第2クラッチC2を介して伝達部材18に選択的に連結されるとともに第1ブレーキB1を介してケース12に選択的に連結されている。第2キャリヤCA2は第2ブレーキB2を介してケース12に選択的に連結され、第4リングギヤR4は第3ブレーキB3を介してケース12に選択的に連結されている。第2リングギヤR2と第3キャリヤCA3と第4キャリヤCA4とは一体的に連結されて出力軸22に連結され、第3リングギヤR3と第4サンギヤS4とは一体的に連結されて第1クラッチC1を介して伝達部材18に選択的に連結されている。
第1クラッチC1、第2クラッチC2、第1ブレーキB1、第2ブレーキB2、および第3ブレーキB3は従来の車両用自動変速機においてよく用いられている油圧式摩擦係合装置である。これらの油圧式摩擦係合装置は、油圧を加えることにより、2つの部材(例えばクラッチ)間の間に摩擦力を発生させ、当該2つの部材を互いに係合する装置である。油圧式摩擦係合装置としては、例えば、互いに重ねられた複数枚の摩擦板が油圧アクチュエータにより押圧される湿式多板型や、回転するドラムの外周面に巻き付けられた1本または2本のバンドの一端が油圧アクチュエータによって引き締められるバンドブレーキなどを有し、それが介挿されている両側の部材を選択的に連結するためのものである。
また、車両は、第1コントローラ31と、第2コントローラ32と、蓄電装置33と、油圧制御装置34と、ECU(Electronic Controlled Unit)40と備える。
第1コントローラ31は、第1電動機M1を制御するためのものであり、第2コントローラ32は、第2電動機M2を制御するためのものである。これらのコントローラ31、32は、例えばインバータを主体として構成され、それぞれに対応する電動機M1、M2とを電動機として機能させ、あるいは発電機として機能させるように制御し、併せてそれぞれの場合における回転数やトルクを制御するように構成されている。また、各電動機M1、M2は、各コントローラ31、32を介して蓄電装置33に接続されている。この蓄電装置33は、各電動機M1、M2に電力を供給し、また各電動機M1、M2が発電機として機能した場合に、その電力を充電して蓄える装置であって、二次電池(バッテリ)およびキャパシタから構成されている。
油圧制御装置34は、各クラッチやブレーキの係合圧や解放圧を制御するためのものである。油圧制御装置34は、オイルポンプ(図示せず)で発生した油圧をライン圧に調圧するとともに、そのライン圧を元圧として各摩擦係合装置の係合圧を制御し、あるいは摩擦係合装置を解放させる際の解放圧を制御する。この油圧制御装置34としては、具体的には従来の自動変速機で使用されている油圧制御装置を採用することができる。
ECU40は、後に詳しく説明するが、CPU、R0M、RAMおよび入出カインターフェースなどを有し、各コントローラ31、32や油圧制御装置34を電気信号によって制御することにより、動力伝達装置10の全体を制御する。
以上のように構成された動力伝達装置10では、第1クラッチC1、第2クラッチC2、第1ブレーキB1、第2ブレーキB2、および第3ブレーキB3が選択的に係合作動させられることにより、第1速ギヤ段(第1変速段:1st)ないし第4速ギヤ段(第4変速段:4th)のいずれかあるいは後進ギヤ段(後進変速段:R)あるいはニュートラル(N)が選択的に成立し、ほぼ等比的に変化する変速比Y(=入力軸回転速度NIN/出力軸回転速度N0UT)が各ギヤ段毎に得られるようになっている。図2において、これらの係合作動表を示している。図2に示す係合作動表において、丸印は係合状態になることを示し、無印は解放状態になることを示している。
図2の係合作動表に示すように、第1クラッチC1および第3ブレーキB3の係合により第1速ギヤ段(1st)が成立し、第1クラッチC1および第2ブレーキB2の係合により第2速ギヤ段(2nd)が成立し、第1クラッチC1および第1ブレーキB1の係合により第3速ギヤ段(3rd)が成立する。また、第1クラッチC1および第2クラッチC2の係合により第4速ギヤ段(4th)が成立し、第2クラッチC2および第3ブレーキB3の係合により後進ギヤ段(変速機によるRev)が成立させられる。ここで、図2に示すように、車両を後進させるモードとしては、上述の機械的変速部20に後進ギヤ段よるモードの他、第2電動機M2によるモード(M2によるRev)もある。この場合には、第1クラッチC1および第3ブレーキB3の係合が成立した状態で、車両が後進するように第2電動機M2を逆回転させる。なお、ニュートラル「N」状態とする場合には、全ての係合機構が解放される。
図3は、動力伝達装置10における各回転要素の回転速度の相対関係を示す共線図である。この図3の共線図は、各遊星歯車装置24、26、28、30のギヤ比ρの関係を示す横軸と、相対的回転速度を示す縦軸とから成る二次元座標である。図3において、3本の横線のうちの下側の横線X1が回転速度「0」を示し、上側の横線X2が回転速度「1.0」すなわち入力軸14に連結されたエンジン8の回転速度Neを示し、横線XGが伝達部材18の回転速度を示している。
また、無段変速部11を構成する動力分配機構16の3つの要素に対応する3本の縦線Y1、Y2、Y3は、左側から順に第2回転要素RE2に対応する第1サンギヤS1、第1回転要素RE1に対応する第1キャリヤCA1、第3回転要素RE3に対応する第1リングギヤR1の相対回転速度を示すものである。縦線Y1、Y2、Y3の間隔は第1遊星歯車装置24のギヤ比ρ1に応じて定められている。さらに、機械的変速部20の5本の縦線Y4、Y5、Y6、Y7、Y8は、左から順に、第4回転要素RE4、第5回転要素RE5、第6回転要素RE6、第7回転要素RE7、第8回転要素RE8を示している。ここで、第4回転要素RE4は、相互に連結された第2サンギヤS2および第3サンギヤS3であり、第5回転要素RE5は、第2キャリヤCA2であり、第6回転要素RE6は、第4リングギヤR4である。また、第7回転要素RE7は、相互に連結された第2リングギヤR2、第3キャリヤCA3、第4キャリヤCA4であり、第8回転要素RE8は、相互に連結された第3リングギヤR3、第4サンギヤS4である。縦線Y4、Y5、Y6、Y7、Y8の間隔は第2、第3、第4遊星歯車装置26、28、30のギヤ比ρ2、ρ3、ρ4に応じてそれぞれ定められている。共線図の縦軸間の関係においてサンギヤとキャリヤとの間が「1」に対応する間隔とするとキャリヤとリングギヤとの間が遊星歯車装置のギヤ比ρに対応する間隔となる。すなわち、無段変速部11では縦線Y1とY2との縦線間が「1」に対応する間隔に設定され、縦線Y2とY3との間隔はギヤ比ρ1に対応する間隔に設定される。また、機械的変速部20では各第2、第3、第4遊星歯車装置26、28、30毎にそのサンギヤとキャリヤとの間が「1」に対応する間隔に設定され、キャリヤとリングギヤとの間がギヤ比ρに対応する間隔に設定される。
上記図3の共線図を用いて表現すれば、動力伝達装置10は、動力分配機構16(無段変速部11)において、第1遊星歯車装置24の第1回転要素RE1(第1キャリヤC A1)が入力軸14すなわちエンジン8に連結され、第2回転要素RE2が第1電動機M1に連結され、第3回転要素(第1リングギヤR1)RE3が伝達部材18および第2電動機M2に連結されている。これにより、入力軸14の回転は、伝達部材18を介して機械的変速部20へ伝達される。このとき、Y2とX2の交点を通る斜めの直線L0により第1サンギヤS1の回転速度と第1リングギヤR1の回転速度との関係が示される。
また、第1電動機M1の発電による反力を制御することによって直線L0と縦線Y1との交点で示される第1サンギヤS1の回転速度を上昇あるいは下降させると、直線L0と縦線Y3との交点で示される第1リングギヤR1の回転速度が下降あるいは上昇する。
また、機械的変速部20において、第4回転要素RE4は、第2クラッチC2を介して伝達部材18に選択的に連結されるとともに第1ブレーキB1を介してケース12に選択的に連結されている。第5回転要素RE5は、第2ブレーキB2を介してケース12に選択的に連結され、第6回転要素RE6は、第3ブレーキB3を介してケース12に選択的に連結されている。第7回転要素RE7は、出力軸22に連結され、第8回転要素RE8は、第1クラッチC1を介して伝達部材18に選択的に連結されている。
機械的変速部20では、先にも述べたように、第1クラッチC1および第3ブレーキB3の係合により第1速ギヤ段(1st)が成立する。このとき、第6回転要素RE6の回転速度は「0」となり、第8回転要素RE8の回転速度は第3回転要素RE3の回転速度と等しくなる。従って、図3でいうと、縦線Y8と横線XGとの交点と、縦線Y6と横線X1との交点とを通る斜めの直線L1が、第1速ギヤ段の共線図となる。なお、直線L1と縦線Y7との交点が第1速ギヤ段のときの出力軸22の回転速度を示している。
第1クラッチC1および第2ブレーキB2の係合により第2速ギヤ段(2nd)が成立する。このとき、第5回転要素RE5は「0」となり、第8回転要素RE8の回転速度は第3回転要素RE3の回転速度と等しくなる。従って、図3でいうと、縦線Y8と横線XGとの交点と、縦線Y5と横線X1との交点とを通る斜めの直線L2が、第2速ギヤ段の共線図となる。なお、直線L2と縦線Y7との交点が第2速ギヤ段のときの出力軸22の回転速度を示している。
第1クラッチC1および第3ブレーキB3の係合により第3速ギヤ段(3rd)が成立する。このとき、第4回転要素RE4は「0」となり、第8回転要素RE8の回転速度は第3回転要素RE3の回転速度と等しくなる。従って、図3でいうと、縦線Y8と横線XGとの交点と、縦線Y4と横線X1との交点とを通る斜めの直線L3が、第3速ギヤ段の共線図となる。なお、直線L3と縦線Y7との交点が第3速ギヤ段のときの出力軸22の回転速度を示している。
第1クラッチC1および第2クラッチC2の係合により第4速ギヤ段(4th)が成立する。このとき、第4回転要素RE4および第8回転要素RE8の回転速度は第3回転要素RE3の回転速度と等しくなる。従って、図3でいうと、横線XGに沿った直線L4が、第4速ギヤ段の共線図となる。なお、直線L4と縦線Y7との交点が第4速ギヤ段のときの出力軸22の回転速度を示している。
第2クラッチC2および第3ブレーキB3の係合により変速機による後進ギヤ段(Rev)が成立する。このとき、第4回転要素RE4の回転速度は第3回転要素RE3の回転速度と等しくなり、第6回転要素RE6の回転速度は「0」となる。従って、図3でいうと、縦線Y4と横線XGとの交点と、縦線Y6と横線X1との交点とを通る斜めの直線LRが、後進ギヤ段の共線図となる。なお、直線LRと縦線Y7との交点が後進ギヤ段のときの出力軸22の回転速度を示している。
次に、ECU40の制御について図4を用いて説明する。図4は、ECU40に入力される信号およびECU40から出力される信号を例示している。
ECU40は、CPU、R0M、RAM、および入出カインターフェースなどから成るいわゆるマイクロコンピュータを含んで構成されている。ECU40は、RAMの一時記憶機能を利用しつつR0Mに予め記憶されたプログラムに従って信号処理を行うことによりエンジン8、電動機M1、M2に関するハイブリッド駆動制御、機械的変速部20の変速制御等の駆動制御を実行するものである。ECU40は、図4左側に示すような各センサやスイッチなどから信号を受信し、受信した信号に基づいて、図4右側に示すような制御信号を各装置に送信する。
ECU40は、図4左側に示すような各センサやスイッチなどから信号を受信する。例えば、ECU40は、エンジン水温センサよりエンジン水温を示す信号を受信し、Pb1油圧センサより第1ブレーキB1の油圧を示す信号を受信し、Pb2油圧センサより第2ブレーキB2の油圧を示す信号を受信し、Pb3油圧センサより第3ブレーキB3の油圧を示す信号を受信する。ECU40は、M1回転速度センサより第1電動機の回転速度を示す信号を受信し、M2回転速度センサより第2電動機の回転速度を示す信号を受信し、クランク角センサよりエンジン回転数Neを示す信号を受信する。ECU40は、トーイングスイッチよりトーイングモードを指示する信号を受信し、M(モータ走行)モードスイッチよりMモードを指示する信号を受信し、エアコンスイッチよりエアコンの作動を示すエアコン信号を受信し、車速センサより出力軸22の回転速度に対応する車速を示す信号を受信する。
また、ECU40は、AT油温センサより機械的変速部20の作動油温(AT油温)を示す油温信号を受信し、ECTスイッチよりECT(Electronic Controlled Transmission)モード設定を示す設定信号を受信し、サイドブレーキスイッチよりサイドブレーキ操作を示す信号を受信し、フットブレーキスイッチよりフットブレーキ操作を示す信号を受信し、触媒温度センサより触媒温度を示す触媒温度信号を受信し、アクセル開度センサより運転者の出力要求量に対応するアクセルペダルの操作量を示すアクセル開度信号を受信する。ECU40は、EVスイッチより電気走行モードを示す信号を受信し、スノーモードスイッチよりスノーモード設定を示すスノーモード設定信号を受信し、車両加速度センサより車両の前後加速度を示す加速度信号を受信する。ECU40は、オートクルーズ設定スイッチよりオートクルーズ走行を示すオートクルーズ信号を受信し、パワーモード設定スイッチよりパワーモード設定を示す設定信号を受信し、シフトポジションセンサよりシフトポジションを表す信号を受信する。
ECU40は、図4右側に示すような各装置に対して制御信号を送信する。例えば、ECU40は、電子スロットル弁の開度を操作するための制御信号をスロットルアクチュエータに送信し、過給圧を調整するための制御信号をターボチャージャへ送信し、電動エアコンを作動させるための制御信号を電動エアコンに送信し、エンジン8の点火時期を指令する制御信号を点火装置に送信する。ECU40は、電動機M1、M2の作動を指令する制御信号を第1及び第2コントローラに送信し、蓄電可能な及び放電可能な電力量を調整するための制御信号を蓄電装置に送信し、ギヤ比を表示させるためのギヤ比表示信号をギヤ比インジケータに送信し、スノーモードであることを表示させるためのスノーモード表示信号をスノーモードインジケータに送信する。ECU40は、油圧を調整するための制御信号をATライン圧コントロールソレノイド、ATソレノイドに送信し、制動時の車輸のスリップを防止するためのABS作動信号をABSアクチュエータに送信し、Mモードが選択されていることを表示させるMモード表示信号をMモードインジケータに送信する。ECU40は、油圧制御装置34の油圧源である機械式オイルポンプおよび電動オイルポンプを作動させるための制御信号を機械式オイルポンプおよび電動オイルポンプに送信する。ECU40は、電動ヒータを駆動するための制御信号を電動ヒータに送信し、クルーズコントロールのための制御信号をクルーズコントロール制御用コンピュータに送信し、エンジン8の気筒内に供給される燃料噴射量を調整するための制御信号を燃料噴射装置に供給する。
図5は、機械的変速部20の変速制御で使用される変速線図を示しており、車速を横軸にとり、アウトプットトルクを縦軸にとって、これら車速およびアウトプットトルクをパラメータとして変速段領域が定められている。
図5における実線は、アップシフト線を示し、アップシフトする際の各変速段領域の境界となっている。また、図5における破線は、ダウンシフト線を示し、ダウンシフトする際の各変速段領域の境界となっている。また、一点鎖線で囲まれる領域は、モータ走行(EV走行)領域となっており、エンジン8が作動していない状態で、例えば電動機M2により走行が行われる。これらの変速段の全ては、ドライブレンジ(ドライブポジション)が選択されている場合に設定可能であるが、手動変速モード(マニュアルモード)では高速側の変速段が制限されるようになっている。
図6は上記のECU40に対してシフトポジション信号を出力するシフト装置42におけるシフトポジションの配列を示しており、車両を停止状態に維持するパーキング(P)、後進段(R:リバース)、ニュートラル(N)、ドライブ(D)の各ポジションがほぼ直線的に配列されている。この配列方向は、例えば車両の前後方向に沿う方向である。そのドライブポジションに対して車両の幅方向で隣接する位置にマニュアルポジション(M)が設けられ、そのマニュアルポジションを挟んで車両の前後方向での両側にアップシフトポジション(+)とダウンシフトポジション(−)とが設けられている。これらの各シフトポジションは、シフトレバー43を案内するガイド溝44によって連結されており、したがってシフトレバー43をガイド溝44に沿って移動させることにより適宜のシフトポジションが選択され、その選択されたシフトポジション信号がECU40に入力されるようになっている。
そして、ドライブポジションが選択された場合には、機械的変速部20での第1速ギヤ段から第4速ギヤ段の全ての前進段が走行状態に応じて設定されるようになっている。これに対して、ドライブポジションからマニュアルポジションにシフトレバー43を移動させた状態ではドライブポジションが維持され、第4速ギヤ段までの変速が可能であるが、この状態から1回ダウンシフトポジションにシフトレバー43を移動する都度、ダウンシフト信号(ダウンレンジ信号)が出力され、第4速ギヤ段以上が禁止された3レンジ、第3速ギヤ段以上が禁止された3レンジ、第1速ギヤ段に固定されるLレンジに切り替えられるようになっている。なお、アップシフトポジションを選択する都度、アップシフト信号(アップレンジ信号)が出力されて、順次、高速側のレンジに切り替えられるようになっている。
上述した動力伝達装置10を搭載した車両が走行する場合、例えば路面の凹凸などにより駆動輪から周期的に変動するトルクが入力される。その周波数が動力伝達装置10もしくは車両に固有の共振周波数に一致すると共振が生じて振動が大きくなる。このとき、摩擦係合装置において、互いに係合される2つの部材間で連続すべりが発生して、当該摩擦係合装置の耐久性が低下してしまう恐れがある。そこで、本実施形態に係る動力伝達装置の制御方法では、共振が生じた場合において、摩擦係合装置の係合圧を上昇させ、ダンパー51のトルクリミッタの上限トルク、即ち、リミットトルクよりも当該摩擦係合装置のトルク容量を大きくすることとする。
例えば、第1速ギヤ段に設定されている場合には、第1クラッチC1および第3ブレーキB3が係合されている。従って、この場合には、第1クラッチC1および第3ブレーキB3のうち、少なくともいずれか一方の摩擦係合装置の油圧を上昇させることにより係合圧を上昇させ、当該摩擦係合装置のトルク容量をトルクリミッタのリミットトルクよりも大きくする。また、第2速ギヤ段に設定されている場合には、第1クラッチC1および第2ブレーキB2が係合されている。従って、この場合には、第1クラッチC1および第2ブレーキB2のうち、少なくともいずれか一方の摩擦係合装置の油圧を上昇させることにより係合圧を上昇させ、当該摩擦係合装置のトルク容量をトルクリミッタのリミットトルクよりも大きくする。
また、第3速ギヤ段に設定されている場合には、第1クラッチC1および第1ブレーキB1が係合されている。従って、この場合には、第1クラッチC1および第1ブレーキB1のうち、少なくともいずれか一方の摩擦係合装置の油圧を上昇させることにより係合圧を上昇させ、当該摩擦係合装置のトルク容量をトルクリミッタのリミットトルクよりも大きくする。後進ギヤ段に設定されている場合には、第2クラッチC2および第3ブレーキB3が係合されている。従って、この場合には、第2クラッチC2および第3ブレーキB3のうち、少なくともいずれか一方の摩擦係合装置の油圧を上昇させることにより係合圧を上昇させ、当該摩擦係合装置のトルク容量をトルクリミッタのリミットトルクよりも大きくする。
このようにすることで、共振が生じた場合において、摩擦係合装置における互いに係合される2つの部材間における連続すべりの発生を抑えることができ、当該摩擦係合装置の耐久性を向上させることができる。なお、共振が生じない場合には、摩擦係合装置のトルク容量は、トルクリミッタのリミットトルク以下とされる。このようにすることで、トルクリミッタのリミットトルクよりも摩擦係合装置のトルク容量を常に大きくする場合と比較して、燃費を向上させることができる。
ここで、動力伝達装置10を搭載した車両がEV走行している場合には、摩擦係合装置の油圧源として、電動オイルポンプが用いられる。つまり、EV走行時には、電動オイルポンプの油圧を上昇させることにより、摩擦係合装置の係合圧を上昇させる。
しかしながら、電動オイルポンプに供給する駆動電流の値を定格値まで上げて油圧を上昇させた場合であっても、係合圧が不足して、摩擦係合装置のトルク容量がトルクリミッタのリミットトルク以下となる場合がある。従って、この場合には、摩擦係合装置において、互いに係合される2つの部材間で連続すべりが発生して、当該摩擦係合装置の耐久性が低下してしまう恐れがある。
そこで、本実施形態に係る制御方法では、このような場合には、共振による振動は一時的なものであるとの見込みから、所定時間の間、電動オイルポンプに供給する駆動電流の値を定格値よりも大きくすることで、電動オイルポンプの油圧をさらに上昇させることとする。ここで、定格値とは、電動オイルポンプが安定動作可能な駆動電流の最大値である。このようにすることで、不足分の係合圧を補うことができ、摩擦係合装置において、互いに係合される2つの部材間で連続すべりが発生するのを抑えることができる。なお、このようにする代わりに、機械式オイルポンプを始動させて、不足分の係合圧を補うとしても良いが、クランクシャフトを動力源としている機械式オイルポンプを始動させるにはエンジン8を始動させる必要がある。つまり、機械式オイルポンプを始動させて、不足分の係合圧を補うとするよりも、電動オイルポンプに供給する駆動電流の値を定格値よりも大きくした方が、EV走行を継続することができ、燃費の低下を防ぐことができるので好適である。ただし、所定時間経過しても、共振による振動が収まらない場合には、エンジン8を始動させて機械式オイルポンプを始動させることとする。このように、電動オイルポンプの駆動電流の値が定格値よりも大きいにもかかわらず、係合圧不足が生じる場合であっても、機械式オイルポンプを始動させるとすることにより、係合圧の不足分を補うことができ、摩擦係合装置において、互いに係合される2つの部材間で連続すべりが発生するのを抑えることができる。
上述の本実施形態に係る動力伝達装置の制御方法の一例について、図7のタイムチャートを用いて説明する。図7のタイムチャートでは、時間を横軸にとり、第2電動機M2のトルク、電動オイルポンプ(EOP)駆動電流、トルクリミッタのリミットトルク、アウトプットトルク、機械的変速部20の係合圧、機械的変速部20における摩擦係合装置の油圧たる変速部油圧、第1電動機M1の回転数および車速を縦軸にとっている。
図7において、共振が発生した時刻をt1とし、共振が発生していると判断、即ち、共振を検出した時刻をt2としている。共振の検出方法としては、例えば、予め、車両をベンチテストすることにより、共振の発生する車速などの運転状態を計測しておき、ECU40は、実際の運転状態を基に、その計測データを用いて、共振を検出する。なお、共振の検出は、トルクや回転数の変動から直接検出するとしても良い。
変速部油圧において、実線は、共振を検出した場合の油圧制御を示し、破線は、共振を検出しなかった場合の油圧制御を示している。なお、ここで、「Pb3」は第3ブレーキB3の油圧を示し、「Pb2」は第2ブレーキB2の油圧を示している。図6のタイムチャートを見ると分かるように、ECU40は、共振を検出しなかった場合には、第3ブレーキB3の油圧を低下させるとともに、第2ブレーキB2の油圧を上昇させる。つまり、ECU40は、共振を検出しなかった場合には、第3ブレーキB3を解放させるとともに第2ブレーキB2を係合することにより、第1速ギヤ段から第2速ギヤ段へと切り替える。
これに対し、ECU40は、共振を検出した場合には、変速を禁止し、EOP駆動電流の値を上昇させることにより、第3ブレーキB3の油圧Pb3を上昇させて係合圧を上昇させる。なお、ここで、変速が禁止されているため、車速は一定のままとなっている。変速を禁止する理由は、係合圧が変速中に低下することにより、摩擦係合装置における連続すべりが発生して当該摩擦係合装置の耐久性が低下するのを防ぐためである。
時刻t3において、EOP駆動電流の値を定格値まで上昇させたものの、係合圧不足のため、即ち、摩擦係合装置のトルク容量がトルクリミッタのリミットトルク以下となっているため、共振による振動は抑えられていない。そこで、ECU40は、所定時間の間、EOP駆動電流の値を定格値よりも大きくして、第3ブレーキB3の油圧Pb3をさらに上昇させて係合圧を上昇させる。このようにすることで、係合圧不足を補うことができ、摩擦係合装置において、互いに係合される2つの部材間で連続すべりが発生するのを抑えることができる。時刻t4において、第3ブレーキB3のトルク容量がダンパー51のトルクリミッタのリミットトルクを超えたので、共振による振動がトルクリミッタにより吸収されている。従って、時刻t4以後、ECU40は、第3ブレーキB3の係合圧をこのまま保持する。時刻t4において、ECU40は、運転状態に基づいて、共振が収まったと判定したので、第3ブレーキB3の油圧を低下させることにより係合圧を低下させる。
以上に述べたようにすることで、共振が発生した場合に、摩擦係合装置において、互いに係合される2つの部材間における連続すべりの発生が抑えられる。
ここで、EOP駆動電流の値を定格値よりも大きくする所定時間は、予め実験などにより決定される適合値である。例えば、図7のタイムチャートでは、当該所定時間は、時刻t3から時刻t6までの間の時間に設定されている。もし、ECU40は、時刻t6においても、共振による振動が収まらない、即ち、係合圧不足になっていると判定した場合には、エンジン8を始動させ、機械式オイルポンプを始動させることとする。電動オイルポンプの駆動電流の値が定格値よりも大きいにもかかわらず、係合圧不足が生じ、共振の振動が収まらない場合であっても、このようにすることで、摩擦係合装置において、互いに係合される2つの部材間で連続すべりが発生するのを抑えることができる。
次に、上述の本実施形態に係る動力伝達装置の制御処理について、図8のフローチャートを用いて説明する。
まず、ステップS101において、ECU40は、共振が発生しているか否かを検出する。例えば、ECU40は、共振の発生する車速などの運転状態が計測された計測データを用いて、実際の運転状態を基に、共振を検出する。ECU40は、共振を検出した場合には(ステップS101:Yes)、ステップS102の処理へ進み、共振を検出しない場合には(ステップS101:No)、本制御処理をリターンする。
ステップS102において、ECU40は、変速を禁止するとともに、油圧制御装置34を制御して、係合状態にある摩擦係合装置の係合圧を上昇させる。この後、ECU40は、ステップS103の処理へ進む。
ステップS103において、ECU40は、EOP駆動電流の値を定格値まで上昇させた場合において、係合圧不足となっているか否か、即ち、摩擦係合装置のトルク容量がトルクリミッタのリミットトルク以下になっているか否かについて判定する。具体的には、ECU40は、運転状態に基づいて、共振による振動が発生しているか否かを判定する。ECU40は、共振による振動が発生していると判定した場合には、係合圧不足であるとして(ステップS103:Yes)、ステップS104の処理へ進む。一方、ECU40は、共振による振動が発生していないと判定した場合には、係合圧不足でないと判定して(ステップS103:No)、本制御処理を終了する。
ステップS104において、ECU40は、EOP駆動電流の値を一時的に定格値よりも大きく設定することにより、摩擦係合装置の係合圧を上昇させる。このようにすることで、係合圧の不足分を補うことができる。この後、ECU40は、ステップS105の処理へ進む。
ステップS105において、ECU40は、所定時間経過後、係合圧不足となっているか否か、具体的には、運転状態に基づいて、共振による振動が発生しているか否かを判定する。ECU40は、共振による振動が発生していると判定した場合には、係合圧不足であるとして(ステップS105:Yes)、ステップS106の処理へ進む。一方、ECU40は、共振による振動が発生していないと判定した場合には、係合圧不足でないとして(ステップS105:No)、このときの係合圧を共振による振動が収まるまで保持し、本制御処理をリターンする。
ステップS106において、ECU40は、エンジン8を始動して、機械式オイルポンプを始動させる。電動オイルポンプの駆動電流の値が定格値よりも大きいにもかかわらず、係合圧不足が生じ、共振の振動が収まらない場合であっても、このようにすることで、摩擦係合装置において、互いに係合される2つの部材間で連続すべりが発生するのを抑えることができる。この後、ECU40は、本制御処理をリターンする。
以上に述べたことから分かるように、本実施形態に係る動力伝達装置の駆動方法では、EV走行中に共振が生じた場合において、ECU40は、電動オイルポンプの駆動電流を制御して、ダンパー51のトルクリミッタのリミットトルクよりも摩擦係合装置のトルク容量を大きくすることとする。ここで、ECU40は、駆動電流の値を一時的に定格値よりも大きく設定することにより、摩擦係合装置の係合圧を上昇させる。このようにすることで、摩擦係合装置のトルク容量をトルクリミッタの上限トルクによりも大きくする際における係合圧の不足分を補うことができる。これにより、摩擦係合装置において、互いに係合される2つの部材間における連続すべりの発生が抑えられ、当該摩擦係合装置の耐久性を向上させることができる。
なお、本発明は上述の実施形態に限定されず、本発明の要旨の範囲内において種々の形態にて実施できる。例えば、上述の実施形態では、摩擦係合装置を備えた動力伝達装置に本発明を適用する例について説明したが、本発明の適用可能な動力伝達装置としては、これに限られない。このようにする代わりに、プーリなどの摩擦係合装置以外の他の挟圧手段を備える動力伝達装置であっても、本発明を適用可能である。即ち、電動オイルポンプの駆動電流を制御することにより、当該挟圧手段の挟圧力を上昇させて、当該挟圧手段のトルク容量をトルクリミッタのリミットトルクよりも大きくするとすれば、上述したのと同様の効果を得ることができる。
8 エンジン
10 動力伝達装置
11 無段変速部
20 機械的変速部
51 トルクリミッタ付きダンパー
34 油圧制御装置
40 ECU
M1、M2 電動機
C1、C2、B1、B2、B3 摩擦係合装置

Claims (1)

  1. 挟圧手段と、前記挟圧手段の油圧源たる電動オイルポンプとを備えた、動力源から出力された動力を伝達する動力伝達装置に適用される動力伝達装置の制御装置であって、
    共振時、前記挟圧手段の挟圧力を上昇させる制御手段を備え、
    前記制御手段は、所定時間の間、前記電動オイルポンプの駆動電流の値を定格値よりも大きくし、
    前記動力伝達装置は、エンジンおよび電動機を前記動力源とし、前記エンジンの回転数に応じて油圧を変化させる機械式オイルポンプを備え、
    前記制御手段は、前記電動オイルポンプの駆動電流の値を定格値よりも大きくした後、前記挟圧手段のトルク容量がトルクリミッタ付きダンパーのトルクリミッタのリミットトルク以下になっていることに基づき共振による振動が発生している否か判定し、共振による振動が発生している場合に、前記エンジンを始動させることにより前記機械式オイルポンプを始動させる
    ことを特徴とする車両の制御装置。
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