JP4449220B2 - 自己診断機能を備えた車両用制御装置及び記録媒体 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両を制御する車両用制御装置の自己診断機能に関し、さらに、当該自己診断機能をオブジェクト指向プログラミングにて実現する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、高性能マイクロプロセッサの出現などエレクトロニクス技術の進歩を背景として、機械技術と電子技術とが結びついたメカトロニクス技術の進歩が著しい。メカトロニクスの進歩の一部として、自動車等の車両にも多くのコンピュータシステムが採用されてきている。このような車載用のコンピュータシステムは、省資源、省エネルギー、走行性能、安全性、快適性等を追求するものであり、車両内のエンジン・駆動系、走行・安全系、エンターテイメント系、及びその他の随所に搭載されている。
【0003】
その中でも特に高い信頼性を要求される車両制御用のコンピュータシステムは、システム内の各部位の故障検出を的確に行わないと、走行上の不具合を引き起こす可能性があり、場合によっては走行不能となることもある。そのため、コンピュータシステムに自己診断機能を備えることにより、信頼性の向上が図られている。すなわち、コンピュータ部やセンサ類の動作状態を適当な周期で自動的にチェックし、故障時には、ユーザなどに故障を知らせるための警告灯(MIL)を点灯したり、その故障内容が修理担当者などに分かるよう故障コード(DTC)を記憶したりするダイアグノーシス(以下「ダイアグ」という。)処理を可能にしている。このダイアグ処理の対象は、クランク角センサ、カム角センサ、水温センサなどの各センサをはじめ、現在では約200にもおよぶ。以下、ダイアグ処理の対象を「ダイアグ対象」と呼ぶ。
【0004】
そして、このようなダイアグ処理を実現するための自己診断プログラムの設計では、上述したダイアグ対象が、車種やグレードあるいはモデルチェンジのタイミングで変わるということを考慮しなければならない。そのため、再利用性という観点から、オブジェクト指向設計することが望ましい。つまり、ダイアグ対象に依存する処理とダイアグ対象に依存しない処理を別のオブジェクトが実行するようにして、ダイアグ対象に依存しない処理を実行するオブジェクトはダイアグ対象が変わってもそのまま利用できるようにし、過去に作成した自己診断プログラムを部分的に用いて新たな自己診断プログラムを作成できるようにするのである。
【0005】
このような技術について本願出願人は、特願平10−264830号で既に提案している。この技術は、ダイアグ対象に依存する処理を実行するオブジェクトを異常検出オブジェクトとして自己診断プログラム上で分離し、ダイアグ対象が変更された場合にはこの異常検出オブジェクトだけを変更し、他のオブジェクトに関して再利用を図ったものである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述の技術においても、次の点では改良の余地がある。それは、異常検出オブジェクトが、故障を検出するだけでなく、処理結果としての故障情報を記憶する点である。
【0007】
(1)「ダイアグ対象が変わる」場合は、大別して2つに分けられる。ダイアグ対象の構成が変わる場合と、ダイアグ対象が増減する場合である。例えばある車種では水温センサAを用い、別の車種では水温センサBを用いるという場合が前者に相当する。また例えば、ある車種ではセンサCを用いず、別の車種ではセンサCを用いるという場合が後者に相当する。
【0008】
車種・グレードが違っても同様の車両制御を行う場合には、同様の機能を有するセンサ等を用いることになるため、前者のようにダイアグ対象の構成が変わる場合が多い。そして、ダイアグ対象の構成のみが変わる場合、故障検出処理(検出ロジック)の変更を迫られるが、故障情報についてはそのままでよいことになる。
【0009】
一方、故障情報は、法規やメーカによって予め定められるものである。したがって、メーカからの要求などにより故障項目の増減が生じると、故障情報を変更する必要が生じるが、故障検出処理については何等変更する必要がないことがある。
【0010】
つまり、上述の技術では、ダイアグ対象に依存する処理を分離してダイアグ対象毎の単位でオブジェクト化を図ったのであるが、ダイアグ対象等の変更状況によっては、異常検出オブジェクト内に再利用できる部分が存在することになってしまう。
【0011】
(2)また、従来のように、ダイアグ対象毎にオブジェクト化すると、2以上の異常検出オブジェクトで故障検出処理が重複する場合があった。ダイアグ対象が異なっていても故障検出処理が同一になる場合があるためである。これは自己診断プログラムのコンパクト化を阻害する原因となる。
【0012】
(3)さらに、自己診断プログラムの作成段階において、故障情報は最初に決定されることが多く開発途中ではほとんど変更されないが、故障検出処理は、センサの変更に従い、また、ロジック(アルゴリズム)の改良によって、開発途中で何度も変更される可能性がある。しかし、従来の構成では、同一オブジェクト内に故障情報の記述があるため、故障検出処理だけを変更しようとしても故障情報との関連を考慮する必要が生じ、結果として、プログラム作成工数を増大させてしまっていた。
【0013】
(4)また、故障情報の中には、ダイアグ対象の故障項目に対応するダイアグ故障情報と、故障時の車両状態を含むフリーズ情報が存在する。フリーズ情報を記憶するのは、故障原因の究明などに利用できるためである。このようなフリーズ情報は、ダイアグ故障情報と異なり、故障項目に対応させて記憶することは通常行わない。故障項目に対応させて記憶しようとすれば、例えば200という故障項目に対応するフリーズ情報の記憶領域が必要になり、記憶容量などが問題となるためである。したがって、永続的な又は重要な故障と判断された場合に、その付帯情報として記憶するのが一般的である。
【0014】
したがって、故障情報の変更と一口に言っても、故障項目の増減によって変更される情報はダイアグ故障情報であり、フリーズ情報は変更されない場合が考えられる。逆に、フリーズ情報のみが変更され、ダイアグ故障情報は変更されない場合が考えられる。つまり、故障情報を一まとめにして記憶する構成を採れば、故障情報の変更状況に合わせて、再利用できる部分が存在することになる。
【0015】
本発明は、上述した問題を解決するためになされたものであり、自己診断プログラムの再利用性を向上させることを第1の目的とし、自己診断プログラムをコンパクトにすると共に自己診断プログラムの作成工数を削減することを第2の目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段及び発明の効果】
上述した目的を達成するためになされた請求項1に記載の車両用制御装置の自己診断機能を実現する自己診断プログラムは、オブジェクト指向設計され、再利用が可能なオブジェクトの単位で構成されている。
【0017】
そして、本発明では特に、自己診断プログラムが、故障検出オブジェクトと、故障情報保存オブジェクトとを備える。故障検出オブジェクトは、ダイアグ対象に依存する故障検出処理毎に対応させて用意される。そして、所定の故障検出処理を実行する。一方、故障情報保存オブジェクトは、上述した故障項目に対応させて複数用意される。そして、故障項目に対応するダイアグ故障情報を記憶するための故障情報記憶処理を実行する。
【0018】
つまり、故障検出処理を実行するオブジェクトと、ダイアグ故障情報を記憶するオブジェクトとを別個のオブジェクトとしたのである。これによって、ダイアグ対象の構成が変わった場合には故障検出オブジェクトだけを変更し、故障情報保存オブジェクトについてはそのまま再利用することができる。また、故障情報保存オブジェクトが故障項目毎に用意されるため、メーカからの要求などにより故障項目の増減が生じた場合には、故障情報保存オブジェクトだけを変更し(即ち、故障項目の追加・変更がオブジェクトの単位で可能になり)、故障検出オブジェクトについてはそのまま再利用することができる。その結果、ダイアグ対象の構成のみに変更が生じた場合やダイアグ故障情報のみに増減が生じた場合における自己診断プログラムの再利用性が図られる。すなわち、上記(1)に示した問題が解決される。
【0019】
また、従来はダイアグ対象毎にオブジェクト化がなされていたため、複数のオブジェクトで故障検出処理が重複することがあった。これに対して、本発明では、故障検出処理に対応させて故障検出オブジェクトを用意したため、ダイアグ対象が異なっている場合であっても故障検出処理が共通であれば、それは一つの故障検出オブジェクトとして実現される。したがって、自己診断プログラムがコンパクトになる。すなわち、上記(2)に示した問題が解決される。
【0020】
さらに、従来の構成では同一オブジェクト内にダイアグ故障情報の記述があるため、故障検出処理だけを変更しようとしてもダイアグ故障情報との関連を考慮する必要が生じ、自己診断プログラムの作成工数を増大させてしまっていた。これに対して本発明では、故障情報保存オブジェクトがダイアグ故障情報を記憶するため、故障検出処理を変更する場合に、故障情報保存オブジェクトについては手直しする必要がなく、ダイアグ故障情報との関連を考慮する必要がない。その結果、自己診断プログラムの作成工数を削減することができる。すなわち、上記(3)に示した問題が解決される。
【0021】
以上のように本発明によれば、上記第1及び第2の目的が達成される。
ところで、故障検出オブジェクトや故障情報保存オブジェクトの再利用という観点からは、自己診断プログラムがさらに、故障情報管理オブジェクトを備える構成にする。故障情報管理オブジェクトは、故障検出オブジェクトから故障検出結果を受け取り、対応する故障情報保存オブジェクトを判断する。そして、当該故障情報保存オブジェクトに受け取った故障検出結果に基づくダイアグ故障情報を記憶させるための通知を行う。なお、故障情報保存オブジェクトは、故障情報管理オブジェクトからの通知に基づき、故障情報記憶処理を実行すると共に、故障情報管理オブジェクトにその故障情報記憶処理の終了を示す通知を行う。
【0022】
故障検出オブジェクトは故障検出処理毎に用意されるものであり、故障情報保存オブジェクトは故障項目毎に用意されるものであるため、それらオブジェクト間の対応をとる必要がある。その対応関係を有するのが、故障情報管理オブジェクトである。このようなインターフェース的オブジェクトを用意することによって、故障検出オブジェクトと故障情報保存オブジェクトとが相互に存在を意識する必要がなくなり、両オブジェクトの独立性が向上する。例えば、故障検出オブジェクトを再利用する場合に、対応する故障情報保存オブジェクトがどれであるかということを意識する必要がなくなるからである。これによって、故障検出オブジェクト及び故障情報保存オブジェクトの再利用が容易になる。
【0023】
なお、自己診断プログラムによる自己診断機能は、ただ単にダイアグ対象の作動状態を単発的にチェックして「故障」を判定するものではない。「故障」にもレベルがあるからである。例えば、センサからの入力信号系の「故障」を例に挙げた場合、コネクタ等における一時的な接触不良も「故障」であるし、完全な断線も「故障」である。前者の場合は、その後良好な作動状態を維持することがあり、特に部品交換の必要性が認められないことがある。したがって、従来より、このような接触不良などの一時的な故障を「仮異常」、完全な断線などの永続的な故障を「確定異常」などとして、故障のレベルを判定することが行われている。このような判定は、故障検出オブジェクトがそれぞれの処理で行ってもよいが、数パターンに分けられるため、請求項2に示すように、故障情報管理オブジェクトが行うようにするとよい。この場合、故障情報管理オブジェクトは、故障検出オブジェクトから故障検出結果を受け取ると、故障のレベルを判定するための、当該故障検出オブジェクトに応じた故障レベル判定処理を実行し、当該故障レベル判定処理による結果に従いダイアグ故障情報を故障情報保存オブジェクトに記憶させる。このようにすれば、故障検出オブジェクトが故障のレベルを判定するよりも効率的であり、自己診断プログラムのさらなるコンパクト化に寄与できる。
そして、請求項3に示すように、請求項1又は2に示した構成に加え、後述する故障時状態保存オブジェクトを備える構成にすることも考えられる。このようにすれば、自己診断プログラムの再利用性のさらなる向上に寄与できる。
また、故障時状態保存オブジェクトを備える構成を前提とすれば、請求項4に示すように、さらに、後述する故障時状態管理オブジェクトを備える構成とすることが考えられる。故障時状態管理オブジェクトは、故障項目と故障時状態保存オブジェクトとの対応関係に基づき、該当する故障時状態保存オブジェクトにフリーズ情報を記憶させるための通知を行う。このようにすれば、故障時状態保存オブジェクトは故障項目との対応を意識する必要がなくなり、故障時状態保存オブジェクトの追加や削除が容易になるという点で有利である。
【0024】
ところで、上述したように、自己診断機能では、故障時における車両状態を含むフリーズ情報を記憶するのが一般的である。そして、フリーズ情報は、故障項目毎に記憶されるものではなく、永続的な又は重要な故障と判断された場合に、ダイアグ故障情報の付帯情報として記憶される。
【0025】
したがって、自己診断プログラムの再利用性を向上させるという観点からは、請求項5に示す構成を採用することが考えられる。
すなわち、ダイアグ故障情報の付帯情報である、故障時における車両状態を含むフリーズ情報を記憶することを前提として、ダイアグ故障情報を記憶する故障情報保存オブジェクトとは別に、フリーズ情報を記憶するためのFFD記憶処理を実行する故障時状態保存オブジェクトとを備えるものとすることが考えられる。もちろん、この場合も、故障情報保存オブジェクトは、故障項目毎に用意される。故障項目の追加・変更がオブジェクトの単位で可能になるためである。
【0026】
この場合、ダイアグ故障情報のみに変更が生じた場合、すなわちフリーズ情報の変更がなければ、故障時状態保存オブジェクトはそのまま再利用することができる。また、フリーズ情報のみに変更が生じた場合、すなわちダイアグ故障情報に変更がなければ、故障情報保存オブジェクトはそのまま再利用することができる。すなわち、上記(4)に示す問題が解決される。その結果、このような構成を採用しても、自己診断プログラムの再利用性を向上させるという第1の目的が達成される。
さらに、故障時状態管理オブジェクトを備え、故障時状態管理オブジェクトは、故障項目と故障時状態保存オブジェクトとの対応関係に基づき、該当する故障時状態保存オブジェクトにフリーズ情報を記憶させるための通知を行う。そして、故障時状態保存オブジェクトは、故障時状態管理オブジェクトからの通知に基づき、FFD記憶処理を実行すると共に、故障時状態管理オブジェクトに該FFD記憶処理の終了を示す通知を行う。このようにすれば、故障時状態保存オブジェクトは故障項目との対応を意識する必要がなくなり、故障時状態保存オブジェクトの追加や削除が容易になるという点で有利である。
【0027】
なお、フリーズ情報は、所定のデータ群であり、最も重要な故障に対して記憶しておくことが考えられる。したがってこのときは、故障時状態保存オブジェクトは1つだけ用意すればよい。しかしながら、近年では、メモリの記憶容量が増加しているため、故障項目によって異なるフリーズ情報を記憶することもある。このようなときは、要求されるフリーズ情報に合わせて複数の故障時状態保存オブジェクトを用意することで対応することが考えられる。このようにすれば、フリーズ情報の変更にオブジェクト単位の変更で対応できる。また、請求項6に記載のように、同一内容のフリーズ情報を複数の故障項目に対応させて記憶する構成にすることもできる。すなわち、メモリに余裕があれば、故障時状態保存オブジェクトを追加してフリーズ情報の記憶領域を増やすことができ、逆にメモリに余裕がなければ、故障時状態保存オブジェクトを削除することによってフリーズ情報の記憶領域を減らすことができる。つまり、限られたメモリをどのように使用するかを、故障時状態保存オブジェクトの追加/削除によって変更することができる。
【0029】
そして、故障項目と故障時状態保存オブジェクトとの対応関係は、故障項目の変更に伴って変更されるため、請求項7に示すように、故障項目毎にダイアグ故障情報を保存する故障情報保存オブジェクトに記憶しておくことが望ましい。故障項目の変更に伴う変更部分をまとめておくことによって、その変更作業が簡単になるからである。また、故障項目に依存する情報を故障情報保存オブジェクトに記憶しておけば、故障項目の変更があっても、故障時状態管理オブジェクトを変更する必要はなくなるからである。
【0030】
また、フリーズ情報は、永続的な又は重要な故障と判断された場合に、その付帯情報として記憶されることは既に述べた。したがって、限られた記憶領域に有用なフリーズ情報を記憶するため、請求項8に示すように、故障時状態管理オブジェクトは、故障項目毎のフリーズ情報の保存必要性である優先度情報に基づいて、故障時状態保存オブジェクトに記憶させたフリーズ情報を更新するようにしてもよい。これによって、優先度情報に基づくフリーズ情報の更新がなされるため、より有用なフリーズ情報を記憶することができる。この優先度情報も、故障項目毎に設けられるものであることを考えると、請求項9に示すように、故障情報保存オブジェクトに記憶しておくことが望ましい。故障情報保存オブジェクトに上述した対応関係を記憶しておくのと同様に、故障項目の変更に伴う変更部分をまとめておくことによって、その変更作業が簡単になるからである。また、故障項目に依存する情報を故障情報保存オブジェクトに記憶しておけば、故障項目の変更があっても、故障時状態管理オブジェクトを変更する必要はなくなるからである。
【0031】
ところで、故障時状態管理オブジェクトは、請求項10に示すように、フリーズ情報の保存依頼があると、フリーズ情報の一部となる車両情報を取得し、故障時状態保存オブジェクトにフリーズ情報を記憶させることが考えられる。フリーズ情報の保存依頼は、例えば故障情報管理オブジェクトを備える構成であれば、故障情報管理オブジェクトが行うという具合である。また、請求項11に示すように、フリーズ情報の無効依頼があると、故障時状態保存オブジェクトに記憶させたフリーズ情報を無効にすることが考えられる。「無効にする」場合、故障時状態保存オブジェクトにフリーズ情報を消去させることが考えられる。また、例えばフリーズ情報を通常操作では読み出せないようにマスクをかけることが考えられる。後者のようにする理由は、一度記憶されたフリーズ情報を、無効になった後でも、必要に応じて参照できるようにするためである。
【0032】
なお、このような車両用制御装置の自己診断プログラムは、例えば、フロッピーディスク、光磁気ディスク、DVD、CD−ROM、ハードディスク等のコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録し、必要に応じてコンピュータシステムにロードして起動することにより用いることができる。この他、ROMやバックアップRAMをコンピュータ読み取り可能な記録媒体として前記プログラムを記録しておき、このROMあるいはバックアップRAMをコンピュータシステムに組み込んで用いてもよい。
【0033】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を具体化した実施例を図面を参照して説明する。
[第1実施例]
図1は、エンジン制御システムの全体を示す構成図である。このエンジン制御システムは、エンジン11及び、このエンジン11を制御するエンジン制御ユニット16を中心に構成されている。このエンジン制御ユニット16が「車両用制御装置」に相当する。
【0034】
エンジン11には、エアクリーナからの吸入空気が吸気管12を経て供給されている。この吸気管12には、吸入空気量を測定するエアフローセンサ13と、吸気温度を検出する吸気温センサ14が配置され、さらに、アクセルペダルによって駆動されるスロットル弁15が配置されている。
【0035】
エンジン制御ユニット16には、エンジン11の状態を示す各種信号が入力される。この信号を列挙すれば、エアフローセンサ13からの吸入空気量検出信号、スロットルセンサ17からのスロットル弁15の開度検出信号、排出ガス中に含まれる酸素濃度を検出する空燃比センサ18からの信号、バッテリ19からのバッテリ電圧信号、水温センサ20からの検出信号、エンジン11によって駆動されるディストリビュータ21からの回転信号、さらに気筒判別信号等である。
【0036】
また、エンジン制御ユニット16では、これらの各種検出信号に基づいてエンジン11の運転状態に対応した燃料噴射量等を演算し、エンジン11の複数の気筒それぞれに設定されるインジェクタ22a,22b,22c,22dに対して燃料噴射指令を出力し、また、イグナイタ23に対して点火指令信号を出力して、エンジン11の運転制御を実行する。
【0037】
さらに、エンジン制御ユニット16は、車両の各部位の診断も各センサ群からの検出信号に基づいて実行する。このため、エンジン制御ユニット16に対しては、異常検出結果の出力のための診断モードを設定するテストスイッチ24が配置され、さらに、そのテスト結果であるダイアグノーシスの結果表示等を行う警告灯25が接続されている。
【0038】
スイッチ26はバッテリ19をエンジン制御ユニット16に対して接続するイグニッションスイッチであり、このイグニッションスイッチ26に連動するようにしてスタータモータ27を制御するスタータスイッチ28が設けられている。
次に、エンジン制御ユニット16について説明する。図2は、図1に示したエンジン制御ユニット16の構成を示すブロック図である。エンジン制御ユニット16は、コンピュータシステムを構成するCPU31を備える。このCPU31にはアナログ入力回路32及びディジタル入力回路33からのデータが入力され、アナログ入力回路32からのアナログ入力データは、A/D変換器34でディジタルデータに変換されてCPU31に入力される。
【0039】
アナログ入力回路32には、エアフローセンサ13からの検出信号Us、水温センサ20からの検出信号Thw、吸気温センサ14からの検出信号Tha、及びバッテリ19の電圧+Bが入力される。一方、ディジタル入力回路33には、ディストリビュータ21からの気筒判別信号G1と回転角信号Ne、空燃比センサ18からの酸素濃度に対応したリーン・リッチ信号Ox、スロットルセンサ17からのスロットル弁15の開度を示す信号STO、スタータスイッチ28からのスタート信号STA、及びテストスイッチ24からの診断モードを設定する信号Tが入力される。
【0040】
A/D変換器34は、アナログ入力回路32に入力される各種の検出信号をCPU31からの指令に従い順次選択して読み取り、ディジタルデータに変換するマルチプレクサ機能を有する。
また、電源回路35は、イグニッションスイッチ26を経てバッテリ19の電圧+BをCPU31に供給し、また、常時バックアップ用電源Battを供給している。
【0041】
CPU31からの出力データは、出力回路36、37及び38に供給され、エンジン制御ユニット16からの出力信号として取り出される。すなわち、出力回路36からはイグナイタ23に対して点火指令信号IGtを出力する。また、出力回路37からは診断結果を表す信号Wを出力して警告灯25を点灯制御する。出力回路38からの出力信号τqは、エンジン11の運転状態に対応した燃料噴射量を指示するもので、インジェクタ22a〜22dに出力されて、これらインジェクタ22a〜22dの噴射量を変える。
【0042】
さらにCPU(エンジン制御ユニット)31内には、後述する自己診断プログラムを格納するメモリ39が設けられている。このメモリ39は、ROM及び、イグニッションスイッチ26がオフされているときにも電源供給されてデータを保持するスタンバイRAM又は不揮発性のEEPROMとで構成されている。自己診断プログラムは、ROM内に格納されている。そして後述するように、スタンバイRAM又はEEPROMには、自己診断プログラムによって「ダイアグ故障情報」としての故障情報及び、故障時における車両状態を含む「フリーズ情報」としてのフリーズ・フレーム・データ(以下「FFD」と記述する。)が記憶される。
【0043】
本第1実施例は、メモリ39のROM内に格納された自己診断プログラムに特徴を有するものである。そこで次に、自己診断プログラムについて説明する。
図3は、自己診断プログラムの構造(アーキテクチャ)を概念的に示した説明図である。自己診断プログラムは、オブジェクト指向設計された複数のプログラムで構成される。既に知られるように、オブジェクト指向設計とは、従来のソフトウェアが処理(例えば、燃料噴射という処理)に着目したものに対し、モノを基本単位にモデル化し、そのモノの特性や振る舞い(動作)で処理を記述するものである。この基本単位を「オブジェクト」と称し、オブジェクト指向設計されたプログラムは、このオブジェクトを最小構成単位として記述される。プログラム全体としては、オブジェクトからオブジェクトへの通知(メッセージ)によりオブジェクト間を結合することで一連の処理が実行される。オブジェクトは、データ(属性)とデータに対するメソッド(手続き)とを備え、他のオブジェクトからのメッセージによってメソッドを実行する。なお、本明細書中では、「オブジェクトが・・・する。」というオブジェクトを主体とした表現を用いるが、実際には、CPU31が処理プログラムを実行することで実現されることは言うまでもない。
【0044】
図3には、本第1実施例を説明するために必要なオブジェクトのみを示した。つまり、本第1実施例における自己診断プログラムは少なくとも、故障検出オブジェクト100と、故障情報管理オブジェクト200と、故障情報保存オブジェクト300と、FFD管理オブジェクト400と、FFD保存オブジェクト500とを備えている。
【0045】
これらのオブジェクト100〜500は、プラットフォーム(以下「PF」という。)600上のプログラムであり、PF600との間で適宜情報交換を行いながら動作する。
故障検出オブジェクト100は、エンジン制御ユニット16に入力された各センサ群などの情報に基づき、自己診断の対象となるダイアグ対象の故障を検出する。この故障検出オブジェクト100は、故障検出処理毎に用意されている。つまり、ダイアグ対象が異なっている場合でも、故障検出方法が同一であれば、故障検出オブジェクト100は同一のものとなる。
【0046】
故障情報管理オブジェクト200は、各故障検出オブジェクト100からの正常/異常の通知を受け、故障情報保存通知及びMIL駆動通知を行う。このMIL駆動通知はPF600に対して行われ、これによって、上述した警告灯25が点灯される。
【0047】
故障情報保存オブジェクト300は、故障情報管理オブジェクト200からの故障情報保存の通知があると、故障情報を保存する。この故障情報保存オブジェクト300は、予め定められた故障項目毎に用意されている。
また、FFD管理オブジェクト400は、故障情報管理オブジェクト200からのFFD保存依頼の通知があると、車両状態をPF600から取得し、FFD保存通知を発行する。
【0048】
FFD保存オブジェクト500は、FFD管理オブジェクト400からFFD保存通知が発行されると、FFD管理オブジェクト400が取得した車両状態を含むFFDを記憶する。
各オブジェクト100〜500は、上述したように各種の通知(メッセージ)によって結合されて一連の処理を実行する。そこで次に、メッセージシーケンスチャート(以下「MSC」という。)を参照して各オブジェクト100〜500の結合をさらに詳しく説明する。
【0049】
図4は、故障情報の保存手順を示すMSCである。
まずPF600が故障検出オブジェクト100に診断の開始を通知する。この診断開始の通知は、個々の故障検出オブジェクト100に対し、それぞれのタイミングで行われる。PF600からの診断開始の指示を受けた故障検出オブジェクト100は、故障検出処理S1を実行する。この故障検出処理S1にて、故障情報管理オブジェクト200への正常又は異常が通知される。
【0050】
正常又は異常が通知されると、故障情報管理オブジェクト200は、故障レベル判定処理S2を実行し、対応する故障情報保存オブジェクト300へ故障情報保存通知を発行する。したがって、故障情報管理オブジェクト200が、故障検出オブジェクト100と故障情報保存オブジェクト300との対応関係を有している。これについては後述する。
【0051】
故障情報保存オブジェクト300は、故障情報保存の通知があると、故障情報記憶処理S3を実行する。この故障情報記憶処理S3では、故障レベル判定処理S2にて決定された故障情報を記憶し、その後、保存終了を通知する。本第1実施例では、故障情報として、一時的な故障を示す「仮異常」、永続的な故障を示す「確定異常」、そしてさらに、故障していない状態を示す「正常」が記憶される。
【0052】
故障情報管理オブジェクト200における故障レベル判定処理S2では、故障情報保存オブジェクト300から保存終了の通知がなされると、FFDの保存タイミングであるか否かを判断し、保存タイミングでなければ、正常/異常通知に対する処理の完了を示す通知完了を故障検出オブジェクト100に対して出力する。
【0053】
この通知完了出力があると、故障検出オブジェクト100は、PF600に対して終了を通知する。これによって、1つの故障検出オブジェクト100に係る診断処理が終了する。
上述した故障情報管理オブジェクト200における故障レベル判定処理S2で、FFDの保存タイミングであると判断された場合、図5に示す如くとなる。
【0054】
すなわち、故障情報保存オブジェクト300から保存終了が通知された後、故障レベル判定処理S2では、FFD管理オブジェクト400に対するFFD保存依頼を通知する。
すると、FFD管理オブジェクト400は、FFD保存通知発行処理S4を実行する。このFFD保存通知発行処理S4では、車両状態をPF600から取得し、FFD保存通知を発行する。
【0055】
これによって、FFD保存オブジェクト500は、FFD記憶処理S5を実行する。FFD記憶処理S5では、FFD管理オブジェクト400にて取得された車両状態を含むFFDを記憶し、その後、保存終了を通知する。この保存終了通知がなされると、FFD管理オブジェクト400は、故障情報管理オブジェクト200に対し、FFD保存依頼に対する依頼完了の通知を行う。
【0056】
そして、上述したような通知完了が故障情報管理オブジェクト200によって出力され、故障検出オブジェクト100がPF600に対して診断終了を通知することによって、診断処理が終了する。
FFDの保存タイミングであるか否かは、故障検出オブジェクト100毎に、詳しくは故障検出内容毎に異なっており、後述するように、異常が確定的になった時点でFFDを保存する場合もあれば、異常と判断された時点でFFDを保存する場合もある。
【0057】
次に、図6に基づいて、故障検出オブジェクト100と故障情報保存オブジェクト300との対応関係を説明する。
故障検出オブジェクト100が故障検出処理毎に用意されていることは、既に述べた。例えば、図6では、エアフローセンサ13の故障検出処理に対応させて故障検出オブジェクト110が用意され、水温センサ20の故障検出処理に対応させて故障検出オブジェクト120が用意され、同様に、吸気温センサ14に対応させて故障検出オブジェクト130、スロットルセンサ17に対応させて故障検出オブジェクト140が用意されている。すなわち、故障検出オブジェクト110〜140では、それぞれエアフローセンサ診断、水温センサ診断、吸気温センサ診断、スロットルセンサ診断を行う。ここで4つの故障検出オブジェクト110〜140を区別するため、以下では適宜、A故障検出オブジェクト110、B故障検出オブジェクト120、C故障検出オブジェクト130及びD故障検出オブジェクト140と記述する。
【0058】
このとき、A〜Dの各故障検出オブジェクト110〜140にはそれぞれユニークなダイアグIDが割り振られており、A〜Dの各故障検出オブジェクト110〜140は、故障情報管理オブジェクト200に対し、正常/異常の通知と共に、このダイアグIDを出力する。
【0059】
一方、故障情報保存オブジェクト300は、上述したように故障項目毎に用意されている。本第1実施例では、故障情報保存名がこの故障項目に1対1に対応している。すなわち、故障情報保存オブジェクト300には、それぞれユニークな故障情報保存名が付けられている。例えば図6で言えば、故障情報保存オブジェクト310には故障情報保存名として「エアフローシート」が付けられ、故障情報保存オブジェクト320には故障情報保存名として「水温シート」が付けられている。同様に、故障情報保存オブジェクト330には「吸気温シート」、故障情報保存オブジェクト340には「スロットルHighシート」、故障情報保存オブジェクト350には「スロットルLowシート」という故障情報保存名が付けられている。なお、故障検出オブジェクト100と同様に、5つの故障情報保存オブジェクト310〜350を区別するため、以下では適宜、E故障情報保存オブジェクト310、F故障情報保存オブジェクト320、G故障情報保存オブジェクト330、H故障情報保存オブジェクト340及びI故障情報保存オブジェクト350と記述する。
【0060】
そして、故障情報管理オブジェクト200は、故障検出オブジェクト100のダイアグIDと、故障情報保存オブジェクト300の故障情報保存名との対応関係を有している。図6では、ダイアグID「1」に対して故障情報保存名「エアフローシート」が対応し、同様に、「2」に対して「水温シート」が、「3」に対して「吸気温シート」が、「4」に対して「スロットルHighシート」が、「5」に対して「スロットルLowシート」が対応している様子を示した。
【0061】
これによって、故障情報管理オブジェクト200は、例えばA故障検出オブジェクト110からの正常/異常通知があると、共に通知されるダイアグID「1」に基づき、対応する故障情報保存オブジェクト300がE故障情報保存オブジェクト310であると判断することができる。したがって、E故障情報保存オブジェクト310に故障情報保存の通知をしたり、あるいは、E故障情報保存オブジェクト310に記憶された故障情報を参照したりすることができる。
【0062】
また、D故障検出オブジェクト140における故障検出処理では、正常/異常通知と共にダイアグID「4」又はダイアグID「5」を出力する。このとき、ダイアグID「4」が出力されれば、対応する故障情報保存オブジェクト300がH故障情報保存オブジェクト340と判断される。一方、ダイアグID「5」が出力されれば、対応する故障情報保存オブジェクト300がI故障情報保存オブジェクト350と判断される。このようにして、故障検出処理に対応して設けられるD故障検出オブジェクト140と、故障項目に対応して設けられるH及びIの故障情報保存オブジェクト340,350との対応付けもなされる。
【0063】
次に、各オブジェクト100〜500でそれぞれ実行される、故障検出処理S1、故障レベル判定処理S2、故障情報記憶処理S3、FFD保存発行処理S4及びFFD記憶処理S5を具体的に説明し、各オブジェクト100〜500の動作に対する理解を深める。
【0064】
まず故障検出処理S1について、図7及び図8に基づき説明する。
図7は、B故障検出オブジェクト120にて実行される故障検出処理S1を示すフローチャートである。この故障検出処理S1は、PF600から診断開始の通知があると実行される。
【0065】
最初のステップ(以下、ステップを単に記号Sで示す。)1000において、水温センサ値を読み込む。ここでいう水温センサ値は、水温センサ20からの検出信号Thwの電圧値である。
続くS1010では、水温センサ値が所定範囲内か否かを判断する。例えば水温センサ値が、0.1V〜4.9Vの範囲で得られる構成では、0.1Vを下回っていたり、4.9Vを上回っていたりする場合、断線などによって水温センサ値が固着していることが考えられる。ここで所定範囲内であると判断された場合(S1010:YES)、S1020にて正常通知を故障情報管理オブジェクト200へ発行し、その後、故障情報管理オブジェクト200からの通知完了出力を待って、S1040へ移行する。一方、所定範囲内でないと判断された場合(S1010:NO)、S1030にて異常通知を故障情報管理オブジェクト200へ発行し、その後、故障情報管理オブジェクト200からの通知完了出力を待って、S1040へ移行する。
【0066】
S1040ではPF600に対する終了通知を行い、その後、本故障検出処理S1を終了する。
なお、S1020及びS1030では、正常/異常通知の発行と共にダイアグID「2」を出力する。これによって、故障情報管理オブジェクト200では、対応する故障情報保存オブジェクト300であるF故障情報保存オブジェクト320を判断できることになる(図6参照)。
【0067】
一方、図8(a)は、D故障検出オブジェクト140にて実行される故障検出処理S1を示すフローチャートである。この故障検出処理S1も、PF600から診断開始の通知があると実行される。上述した水温センサ20の場合と同様に、例えばスロットルセンサ値が、0.1V〜4.9Vの範囲で得られる構成では、0.1Vを下回っていたり、4.9Vを上回っていたりする場合、断線などによってスロットルセンサ値が固着していることが考えられる。ただし、スロットルセンサ値が4.9Vを上回っている場合と0.1Vを下回っている場合とでは、故障原因が異なる可能性がある。そこでここでは、4.9Vを上回っている場合をHigh故障とし、0.1Vを下回っている場合をLow故障として区別する。図8(b)に示す如くである。
【0068】
図8(a)のS1100において、スロットルセンサ値を読み込む。ここでいうスロットルセンサ値は、スロットルセンサ17からの検出信号STOの電圧値である。
続くS1110では、スロットルセンサ値に基づき、High故障であるか否かを判断する。ここでHigh故障であると判断された場合(S1110:YES)、すなわち4.9Vを上回っていた場合には、S1120にてHigh故障異常通知を発行する。一方、High故障でないと判断された場合(S1110:NO)、S1130にてHigh故障正常通知を発行する。S1120及びS1130においては、ダイアグID「4」が出力される。S1120又はS1130の処理終了後、故障情報管理オブジェクト200からの通知完了出力を待って、S1140へ移行する。
【0069】
S1140では、Low故障であるか否かを判断する。ここでLow故障であると判断された場合(S1140:YES)、すなわち0.1Vを下回っていた場合には、S1150にてLow故障異常通知を発行する。一方、Low故障でないと判断された場合(S1140:NO)、S1160にてLow故障正常通知を発行する。S1150及びS1160においては、ダイアグID「5」が出力される。S1150又はS1160の処理終了後、故障情報管理オブジェクト200からの通知完了出力を待って、S1170へ移行する。
【0070】
S1170ではPF600への終了通知を行い、その後、本故障検出処理を終了する。
この場合のMSCは、図9に示す如くとなる。
D故障検出オブジェクト140からHigh故障に関する正常/異常の通知があると(S1120,S1130)、出力されるダイアグID「4」に基づき、故障情報管理オブジェクト200は、H故障情報保存オブジェクト340へ故障情報保存を通知する。その後、故障情報管理オブジェクト200からの通知完了出力を待って、Low故障に関する正常/異常通知を行い(S1150,S1160)、ダイアグID「5」を出力する。これによって、故障情報管理オブジェクト200は、I故障情報保存オブジェクト350へ故障情報保存を通知する。
【0071】
続いて、図10に基づき、故障レベル判定処理S2について説明する。
図10は、故障情報管理オブジェクト200にて実行される故障レベル判定処理S2を示すフローチャートである。この故障レベル判定処理S2は、故障検出オブジェクト100からの正常/異常の通知があると実行される。
【0072】
最初のS2000において、正常通知か否かを判断する。ここで正常通知であると判断された場合(S2000:YES)、S2010へ移行する。一方、正常通知でないと判断された場合(S2000:NO)、すなわち異常通知である場合には、S2060へ移行する。
【0073】
S2010では、現在の故障情報が「正常」であるか否かを判断する。この判断は、対応する故障情報保存オブジェクト300に記憶されている故障情報を参照することによってなされる。以下において、現在の故障情報が「仮異常」であるか又は「確定異常」であるかの判断を行う場合も同様である。ここで現在の故障情報が「正常」であると判断された場合(S2010:YES)、すなわち、正常状態のときに正常通知がなされた場合には、S2030へ移行する。一方、現在の故障情報が「正常」でないと判断された場合(S2010:NO)、すなわち異常状態のときに正常通知がなされた場合には、S2020へ移行する。
【0074】
S2020では、正常復帰条件が成立したか否かを判断する。正常復帰とは、一度「異常」となった後、例えば20トリップや40トリップといった所定期間に連続して正常通知がされた場合、故障情報を「正常」に復帰させることをいう。なお、1トリップはイグニッションキーのオンからオフまでの期間である。ここで正常復帰条件が成立したと判断された場合(S2020:YES)、S2030へ移行する。一方、正常復帰条件が成立しない場合は(S2020:NO)、S2050へ移行する。
【0075】
S2030では、故障情報を「正常」とする。そして続くS2040にて、故障情報保存通知を発行する。この通知は、上述したように故障情報保存オブジェクト300に対して発行される。そして、故障情報保存オブジェクト300からの保存終了通知を待って、故障検出オブジェクト100への通知完了の出力を行い(S2170)、本故障レベル判定処理S2を終了する。
【0076】
上述したS2020で正常復帰条件が成立しなかった場合に移行するS2050では、現在の故障情報が「仮異常」であるか否かを判断する。ここで現在の故障情報が「仮異常」であると判断された場合(S2050:YES)、S2080へ移行する。一方、現在の故障情報が「仮異常」でない場合(S2050:NO)、すなわち「確定異常」である場合には、S2120へ移行する。なお、S2080及びS2120の処理については後述する。
【0077】
最初のS2000において否定判断された場合に移行するS2060では、現在の故障情報が「正常」であるか否かを判断する。ここで現在の故障情報が「正常」であると判断された場合(S2060:YES)、すなわち正常状態のときに異常通知がなされた場合には、S2070へ移行する。一方、現在の故障情報が「正常」でないと判断された場合(S2060:NO)、すなわち異常状態のときに異常通知がなされた場合には、S2100へ移行する。
【0078】
S2070では、仮異常条件が成立したか否かを判断する。仮異常とは、上述したように、一時的な異常の可能性が高い状態を示す。ここで仮異常条件が成立したと判断された場合(S2070)、S2080へ移行する。一方、仮異常条件が成立しない場合(S2070)、上述したS2030からの処理を実行する。この場合は、故障情報は「正常」となる。
【0079】
S2080では、故障情報を「仮異常」とする。そして続くS2090にて、故障情報保存オブジェクト300へ故障情報保存通知を発行する。その後、故障情報保存オブジェクト300からの保存終了通知を待って、S2140へ移行する。
【0080】
S2060において否定判断された場合に移行するS2100では、現在の故障情報が「仮異常」であるか否かを判断する。ここで現在の故障情報が「仮異常」であると判断された場合(S2100:YES)、すなわち仮異常状態のときに異常通知がなされた場合には、S2110へ移行する。一方、現在の故障情報が「仮異常」でない場合(S2100:NO)、すなわち確定異常であるときに異常通知がなされた場合には、S2120へ移行する。
【0081】
S2110では、確定異常条件が成立したか否かを判断する。確定異常とは、上述したように、永続的な異常の可能性が高い状態を示す。ここで確定異常条件が成立したと判断された場合(S2110:YES)、S2120へ移行する。一方、確定異常条件が成立しない場合(S2110:NO)、上述したS2080へ移行する。この場合は、故障情報は「仮異常」となる。
【0082】
S2120では、故障情報を「確定異常」とする。そして続くS2130にて、故障情報保存オブジェクト300へ故障情報保存通知を発行する。その後、故障情報保存オブジェクト300からの保存終了通知を待って、S2140へ移行する。
【0083】
S2090又はS2130から移行するS2140では、MIL駆動通知を行う。この通知は、PF600に対して発行される。既に述べたが、これによってPF600は出力回路37を介して警告灯25の点灯を行う。
続くS2150では、FFDの保存条件が成立したか否かを判断する。FFDデータの保存条件成立は、故障検出オブジェクト100からのダイアグIDに基づいて判断する。例えば、ダイアグIDが「2」である場合(図6参照)、すなわち、水温センサ診断を行うB故障検出オブジェクト120から異常通知があった場合には、仮異常となった時点でFFD保存条件が成立したと判断される。また例えば、ダイアグIDが「3」である場合(図6参照)、すなわち、吸気温センサ診断を行うC故障検出オブジェクト130から異常通知があった場合には、確定異常となった時点でFFD保存条件が成立したと判断される。ここでFFD保存条件が成立したと判断された場合(S2150:YES)、S2160へ移行する。一方、FFD保存条件が成立していないと判断された場合(S2150:NO)、S2180へ移行する。
【0084】
S2160では、FFD優先度が以前に記憶したものよりも高いか否かを判断する。
ここでFFD優先度について説明する。故障情報が故障項目毎に用意された故障情報保存オブジェクト300に保存されるのに対し、FFDは、1つのFFD保存オブジェクト500に保存される。したがって、2以上の故障項目に対するFFDを保存することはできない。そのため、各故障項目に対応するFFD優先度が、各故障情報保存オブジェクト300毎に設定されている。図6で言えば、E故障情報保存オブジェクト310には、FFD優先度が「3」として設定されている。同様に、F〜Iの故障情報保存オブジェクト320〜350にはそれぞれ、「2」,「1」,「3」,「2」という具合に、FFD優先度が設定されている。本第1実施例では、この数字が小さくなるほど優先度が高い。このFFD優先度が「優先度情報」に相当する。
【0085】
したがって、S2160では、故障情報保存オブジェクト300のFFD優先度を参照し、FFD優先度の数字が以前記憶したFFDに対応するFFD優先度よりも小さい場合に肯定判断される。ここでFFD優先度が高いと判断された場合(S2160:YES)、FFD管理オブジェクト400へFFD保存依頼通知を発行し(S2170)、FFD管理オブジェクト400からの依頼完了の通知を待って、故障検出オブジェクト100への通知完了出力を行い(S2180)、本故障レベル判定処理S2を終了する。一方、FFD優先度が高くない、すなわち同じかあるいは低い場合には、S2170の処理を実行せず、故障検出オブジェクト100への通知完了出力を行い(S2180)、本故障レベル判定処理S2を終了する。
【0086】
続いて、図11に基づき、故障情報記憶処理S3、FFD保存発行処理S4、及びFFD記憶処理S5を説明する。
図11(a)は、故障情報保存オブジェクト300にて実行される故障情報記憶処理S3を示すフローチャートである。この故障情報記憶処理S3は、故障情報管理オブジェクト200からの故障情報保存通知があると実行される。
【0087】
処理が開始されると、故障情報を記憶する(S3000)。そして、故障情報管理オブジェクト200に対する保存終了通知を行い(S3010)、その後、本故障情報記憶処理を終了する。
故障情報は、故障情報保存オブジェクト300のデータとしてメモリ39に記憶される。なお、故障情報は故障レベル判定処理S2にて設定される(図10中のS2030,S2080,S2120)。このとき故障情報が、例えば予め定められたグローバル変数に代入される構成であれば、このグローバル変数から故障情報を読み出して記憶することが考えられる。また、故障情報が故障情報管理オブジェクト200の内部データ(ローカル変数)となっていれば、故障情報管理オブジェクト200内のデータを参照して、詳しくは故障情報管理オブジェクト200にデータ参照を要求するメッセージを出力することで参照して、故障情報を記憶することが考えられる。さらに、故障情報管理オブジェクト200が故障情報保存通知と共に故障情報を出力するようにし、出力された故障情報を記憶するようにしてもよい。
【0088】
図11(b)は、FFD管理オブジェクト400にて実行されるFFD保存通知発行処理S4を示すフローチャートである。このFFD保存通知発行処理S4は、故障情報管理オブジェクト200からのFFD保存依頼通知があると実行される。
【0089】
処理が開始されると、FFDの一部となる車両状態を取得する(S4000)。そして、FFD保存オブジェクト500へFFD保存通知を発行し(S4010)、FFD保存オブジェクト500からの保存終了通知を待って、故障情報管理オブジェクト200に対する依頼完了通知を行う(S4020)。その後、本FFD保存通知発行処理S4を終了する。
【0090】
このとき、FFD保存オブジェクトにて実行されるFFD記憶処理S5が、図11(c)に示すものである。
ここでは、まずFFDを記憶する(S5000)。FFDは、故障時における車両状態を含むデータである。そして、FFD管理オブジェクト400への保存終了通知を行い(S5010)、その後、FFD記憶処理S5を終了する。
【0091】
なお、本第1実施例では、FFDを図12に示すデータ群としている。すなわち、PIDサポートデータ、故障コード、空燃比F/B制御状態、負荷値、水温、空燃比F/B補正係数、空燃比学習補正係数、吸気管絶対圧、エンジン回転数及び車速からなっている。PIDサポートデータとは、どのFFDを使っているかをまとめた識別子であり、また、故障コードは、図6に示す故障情報保存名となっている。空燃比F/B制御状態は、空燃比F/B制御のオン/オフなどの情報であり、負荷値とは、エンジンに係る負荷を示す値である。このようなFFDの項目は、法規によって、また、メーカ毎の仕様によって定められるものであり、これらには限定されない。このようなFFDは、修理などの際に故障原因を究明する手助けとなる。
【0092】
FFDは、上述したFFD優先度に従い、FFD優先度の高い故障項目に対応するものが優先的に記憶される。つまり、故障情報管理オブジェクト200からのFFD保存依頼の通知があった場合(図10中のS2170)、既にFFDが保存されているときには、上書きされることになる(図11(c)中のS5000)。
【0093】
また、上述した故障情報と同様に、FFD管理オブジェクト400にて取得される車両状態が、例えば予め定められたグローバル変数に代入される構成であれば、FFD保存オブジェクト500は、このグローバル変数から車両状態を読み出してFFDを記憶する。また、取得した車両状態がFFD管理オブジェクト400の内部データ(ローカル変数)となっていれば、FFD保存オブジェクト500は、FFD管理オブジェクト400内のデータを参照してFFDを記憶する。さらに、FFD管理オブジェクト400がFFD保存通知と共に車両状態を出力する場合、FFD保存オブジェクト500は、出力された車両状態を用いてFFDを記憶する。
【0094】
以上のように各オブジェクト100〜500を構成したことによる効果を次に述べる。
本第1実施例では、自己診断プログラムに、故障検出処理S1を実行する故障検出オブジェクト100と、故障情報記憶処理S3を実行して故障情報を記憶する故障情報保存オブジェクト300とを備える構成とした。これによって、ダイアグ対象の構成が変わった場合には故障検出オブジェクト100だけを変更し、故障情報保存オブジェクト300についてはそのまま再利用することができる。また、メーカからの要求などにより故障項目の増減が生じた場合には、故障情報保存オブジェクト300だけを変更し、故障検出オブジェクト100についてはそのまま再利用することができる。すなわち、ダイアグ対象の構成のみに変更が生じた場合や故障情報のみに増減が生じた場合における自己診断プログラムの再利用性が図られる。
【0095】
また、従来はダイアグ対象毎にオブジェクト化がなされていたため、複数のオブジェクトで故障検出処理が重複することがあった。これに対して、本第1実施例では、故障検出処理毎に故障検出オブジェクト100を用意したため、ダイアグ対象が異なっている場合であっても故障検出処理が共通であれば、それは一つの故障検出オブジェクト100として実現される。したがって、自己診断プログラムがコンパクトになる。
【0096】
さらに、従来の構成では同一オブジェクト内に故障情報の記述があるため、故障検出処理だけを変更しようとしても故障情報との関連を考慮する必要が生じ、自己診断プログラムの作成工数を増大させてしまっていた。これに対しても、本第1実施例では、故障情報保存オブジェクト300が故障情報を記憶するため、故障検出処理を変更する場合に、故障情報保存オブジェクト300については何等手直しする必要がなく、故障情報との関連を考慮する必要がない。その結果、自己診断プログラムの作成工数を削減することができる。
【0097】
また、本第1実施例では、故障情報管理オブジェクト200が、故障検出オブジェクト100のダイアグIDと、故障情報保存オブジェクト300の故障情報保存名との対応関係を有している(図6参照)。これによって、故障情報管理オブジェクト200が、故障検出オブジェクト100からの正常/異常通知があると、共に通知されるダイアグIDに基づき、対応する故障情報保存オブジェクト300を判断する。つまり、故障検出オブジェクト100は故障情報保存オブジェクト300との対応を、また、故障情報保存オブジェクト300は故障検出オブジェクト100との対応を何等意識する必要がない。例えば図6においてA故障検出オブジェクト110を交換するような場合、新たな故障検出オブジェクト100のダイアグIDを「1」とすればよく、対応するE故障情報保存オブジェクト310には何等手を加える必要がない。すなわち、故障情報管理オブジェクト200を設けたことによって、故障検出オブジェクト100及び故障情報保存オブジェクト300の再利用が容易になる。
【0098】
そして、各故障検出オブジェクト100に共通する故障レベル判定処理S2を、この故障情報管理オブジェクト200が実行するようにした。これは、自己診断プログラムのさらなるコンパクト化に寄与している。
さらに、この故障レベル判定処理S2において、FFDを保存するか否かを判断しており(図10中のS2150,S2160)、故障情報管理オブジェクト200からのFFD保存依頼の通知に基づき、FFD管理オブジェクト400がFFDの一部となる車両状態を取得し(図11(b)中のS4000)、FFD管理オブジェクト400からの通知によりFFD保存オブジェクト500がFFDを記憶する(図11(c)中のS5000)。このように故障情報に直接的に依存しないFFD管理オブジェクト400及びFFD保存オブジェクト500を他のオブジェクト100〜300とは別個に用意することによって、自己診断プログラムの再利用性を向上させることができる。
【0099】
具体的には、故障項目毎に記憶される「ダイアグ故障情報」としての故障情報にのみ変更があった場合には、故障情報保存オブジェクト300を変更することで対応でき、FFD保存オブジェクト500はそのまま再利用することができる。逆に、付帯情報として記憶される「フリーズ情報」としてのFFDにのみ変更があった場合には、FFD保存オブジェクト500を変更することで対応でき、故障情報保存オブジェクト300はそのまま再利用することができる。
【0100】
また、FFDは、FFD優先度に基づいて更新される(図6参照)。これによって、より有用なFFDを記憶することができる。このFFD優先度は、故障情報保存オブジェクト300に記憶するようにした。その結果、故障項目の変更に伴う変更部分がまとまっており、その変更作業が簡単になる。また、故障項目に依存するFFD優先度を故障情報保存オブジェクト300に記憶しているため、故障項目の変更があっても、FFD管理オブジェクト400を変更する必要がない。
【0101】
なお、上述した故障レベル判定処理S2は図10に示した1つのパターンであるとしたが、例えば故障項目によって数パターンある場合も考えられる。このときは、故障レベル判定処理の最初に例えばダイアグIDによる分岐処理を設けて、それぞれのパターンで故障のレベルを判定するようにすればよい。
【0102】
なお、本第1実施例の故障検出オブジェクト100が「故障検出オブジェクト」に相当し、故障情報管理オブジェクト200が「故障情報管理オブジェクト」に相当し、故障情報保存オブジェクト300が「故障情報保存オブジェクト」に相当する。また、FFD管理オブジェクト400が「故障時状態管理オブジェクト」に相当し、FFD保存オブジェクト500が「故障時状態保存オブジェクト」に相当する。
[第2実施例]
上記第1実施例においては、1つのFFD保存オブジェクト500を用意しており、FFD優先度を故障情報管理オブジェクト200が判断して(図10中のS2160)、FFD保存依頼をFFD管理オブジェクト400へ通知していた(S2170)。
【0103】
ただし、故障項目に対し、要求されるFFDが変わることもある。この場合、要求されるFFDに合わせ、FFD管理オブジェクト400及びFFD保存オブジェクト500をセットで用意して対応することが考えられる。このようにしたときは、故障情報管理オブジェクト200が、対応するFFD管理オブジェクト400を判断し、該当するFFD管理オブジェクト400へFFD保存依頼を通知する。
【0104】
しかし、FFDの変更があった場合に、故障情報管理オブジェクト200の変更を極力抑えるためには、すなわちFFD保存機能を実現するプログラムの独立性を高めるためには、複数のFFD保存オブジェクト500をFFDに合わせて用意し、FFD管理オブジェクト400が、対応するFFD保存オブジェクト500を判断するようにすることが望ましい。
【0105】
そこで、本第2実施例では、複数のFFD保存オブジェクト500が存在する場合を例示する。
この場合の自己診断プログラムの構造(アーキテクチャ)を概念的に示すのが図13の説明図である。ここでは、FFD保存オブジェクト500が複数用意されているため、FFD管理オブジェクト400は、故障情報管理オブジェクト200からのFFD保存依頼の通知があると、対応するFFD保存オブジェクト500を判断し、FFD保存の通知を行う。
【0106】
具体的には、故障管理オブジェクト200が実行する故障レベル判定処理S2及びFFD管理オブジェクト400が実行するFFD保存通知発行処理S4が、上記第1実施例と異なってくる。本第2実施例におけるMSCを、図14に示した。ここでは、故障情報管理オブジェクト200による故障レベル判定処理をS2’とし、FFD管理オブジェクト400による保存通知発行処理をS4’として上記第1実施例と区別した。
【0107】
上記第1実施例では、1つのFFD保存オブジェクト500を備える構成であったため、FFD優先度だけが故障情報保存オブジェクト300に記憶されていた。これに対して本第2実施例では、各故障項目とFFD保存オブジェクト500とを対応付けるための対応関係も、故障情報保存オブジェクト300に記憶しておく。
【0108】
例えば図15に示す如くである。ここではE故障情報保存オブジェクト310に記憶される故障情報、すなわち故障情報保存名「エアフローシート」に対応するFFDが、シートβに記憶されることが示されている。同様に、故障情報保存名「水温シート」、「吸気温シート」、「スロットルHighシート」及び「スロットルLowシート」に対応するFFDがそれぞれ、シートα又はシートβに記憶されることが示されている。
【0109】
FFDは上述したように、法規によって、また、メーカ毎の仕様によって定められるものである。本第2実施例では、シートαに図12に示すデータ群、すなわちPIDサポートデータ、故障コード、空燃比F/B制御状態、負荷値、水温、空燃比F/B補正係数、空燃比学習補正係数、吸気管絶対圧、エンジン回転数及び車速が記憶され、一方、シートβに、これらのデータ群にさらに他の情報を付加したデータ群が記憶される(図16参照)。
【0110】
故障情報管理オブジェクト200は、故障レベル判定処理S2’において、図15に示すように、FFD保存依頼と共に、故障情報に対応するFFD優先度及びシートの情報をFFD管理オブジェクト400へ通知する。
一方、上述したシート毎に、FFD保存オブジェクト500が用意されている。図17(a)には、シートαに対応するFFD保存オブジェクト(以下「αFFD保存オブジェクト」という。)510と、シートβに対応するFFD保存オブジェクト(以下「βFFD保存オブジェクト」という。)520とを示した。FFD管理オブジェクト400は、シートの情報からFFD保存オブジェクト500を特定する。また、FFD保存オブジェクト500に記憶されているFFDのFFD優先度を管理している。
【0111】
このような構成を前提として、上記第1実施例と異なる、故障レベル判定処理S2’及びFFD保存通知発行処理S4’を次に説明する。
図18は、故障レベル判定処理S2’を示すフローチャートである。ここでS2200〜S2340は、上記第1実施例の故障レベル判定処理S2中のS2000〜S2140(図10参照)と同様であるため、説明は割愛する。
【0112】
故障情報が「仮異常」又は「確定異常」とされ(S2280,S2320)、故障情報保存通知(S2290,S2330)がなされ、さらにMIL駆動通知(S2340)が行われた後に移行するS2350では、FFDの保存条件が成立したか否かを判断する。FFDデータの保存条件成立は、上記第1実施例と同様に、故障検出オブジェクト100からのダイアグIDに基づいて判断する。ここでFFD保存条件が成立したと判断された場合(S2350:YES)、S2360へ移行する。一方、FFD保存条件が成立していないと判断された場合(S2350:NO)、S2360の処理を実行せずに、S2390へ移行する。
【0113】
S2360ではFFD管理オブジェクト400へFFD保存依頼通知を発行し、その後、S2390において、FFD管理オブジェクト400からの依頼完了の通知を待って、故障検出オブジェクト100への通知完了出力を行い、本故障レベル判定処理S2’を終了する。S2360におけるFFD保存依頼通知には、上述したように、FFD優先度及びシートの情報が付加される。
【0114】
一方、上記第1実施例ではFFDの保存依頼のみを故障レベル判定処理S2で行っていたが、本第2実施例では、正常復帰した場合には、FFDを無効にするためのFFDの無効依頼を行う。
つまり、故障情報が「正常」とされ(S2230)、故障情報保存通知(S2240)がなされた後に移行するS2370では、FFDの無効条件が成立したか否かを判断する。FFDの無効条件成立も、保存条件と同様に、故障検出オブジェクト100からのダイアグIDに基づいて判断する。ここでFFD無効条件が成立したと判断された場合(S2370:YES)、S2380にてFFD無効依頼通知を発行し、その後、S2390へ移行する。一方、FFD無効条件が成立していないと判断された場合(S2370:NO)、S2380の処理を実行せず、S2390へ移行する。
【0115】
S2390では、FFD管理オブジェクト400からの依頼完了の通知を待って、故障検出オブジェクト100への通知完了出力を行い、本故障レベル判定処理S2’を終了する。
続けてFFD保存通知発行処理S4’を、図19のフローチャートに基づいて説明する。
【0116】
まず最初のS4100では、保存依頼か否かを判断する。ここで保存依頼であると判断された場合(S4100:YES)、S4110へ移行する。一方、保存依頼でないと判断された場合(S4100:NO)、すなわち無効依頼であった場合には、S4160へ移行する。
【0117】
S4110では、FFDの一部となる車両状態を取得する。続くS4120では、シートを決定する。この処理は、保存先のFFD保存オブジェクト500を判断するものである。ここでは、αFFD保存オブジェクト510又はβFFD保存オブジェクト520のいずれか一方が、該当するFFD保存オブジェクト500として決定される。
【0118】
そして、S4130では、取得したFFD優先度が、該当するFFD保存オブジェクト500に既に記憶されているFFDのFFD優先度よりも高いか否かを判断する。ここで優先度が高いと判断された場合(S4130:YES)、S4140にて該当するFFD保存オブジェクト500に対してFFD保存を発行し、S4150へ移行する。一方、優先度が高くないと判断された場合(S4130:NO)、S4140の処理を実行せずに、S4150へ移行する。
【0119】
上述したS4100にて否定判断された場合に移行するS4160では、上述したS4120と同様に、シートを決定する。この処理は、FFDを無効にするFFD保存オブジェクト500を判断するものである。ここでαFFD保存オブジェクト510又はβFFD保存オブジェクト520のいずれか一方が、該当するFFD保存オブジェクト500として決定される。続くS4170では、該当するFFD保存オブジェクト500に対してFFD無効を発行し、S4150へ移行する。なお、FFD無効の通知がなされた場合、FFD保存オブジェクト500は、記憶されているFFDを抹消することが考えられる。また、無効フラグをセットするなどして、マスクをかけることが考えられる。後者のようにすれば、無効になった後でも、必要に応じてFFDを参照することができる。
【0120】
S4150では、FFD保存オブジェクト500からの保存/無効の終了通知を待って、故障情報管理オブジェクト200に対する依頼完了通知を行う。その後、本FFD保存通知発行処理S4’を終了する。
以上のように各オブジェクト100〜500を構成した本第2実施例においても、上記第1実施例と同様の効果が得られることは言うまでもない。そしてさらに、以下に示すような効果が得られる。
【0121】
ここでは、FFD管理オブジェクト400が、図19に示したFFD保存通知発行処理において、FFDに合わせて容易されるFFD保存オブジェクト500を判断して(S4120,S4160)FFD保存/無効の要求を発行する(S4140,4170)。また、FFD保存の要求を発行してFFDを更新するときには、FFD優先度を判断している(S4130)。
【0122】
したがって、図18に示した故障レベル判定処理S2’では、保存条件又は無効条件の成立を判断して(S2350,S2370)、FFD保存依頼又はFFD無効依頼を通知するだけとなっている(S2360,S2380)。
つまり、本第2実施例の場合、故障情報管理オブジェクト200は所定タイミングでFFD保存/無効依頼を通知するだけであり、上記第1実施例と比較して、FFD変更時における故障情報管理オブジェクト200の再利用性が向上している。
【0123】
さらに、故障項目とシートとの対応関係は、FFD優先度と同様、故障情報保存オブジェクト300に記憶するようにした。その結果、故障項目の変更に伴う変更部分がまとまっており、その変更作業が簡単になる。また、故障項目に依存する対応関係を故障情報保存オブジェクト300に記憶しているため、故障項目の変更があっても、FFD管理オブジェクト400を変更する必要がない。
【0124】
なお、本第2実施例においても、故障検出オブジェクト100が「故障検出オブジェクト」に相当し、故障情報管理オブジェクト200が「故障情報管理オブジェクト」に相当し、故障情報保存オブジェクト300が「故障情報保存オブジェクト」に相当する。また、FFD管理オブジェクト400が「故障時状態管理オブジェクト」に相当し、FFD保存オブジェクト500が「故障時状態保存オブジェクト」に相当する。
[その他]
上記第2実施例では、異なるFFDそれぞれに対応させて、αFFD保存オブジェクト510及びβFFD保存オブジェクト520をそれぞれ1つずつ用意した。一方、同一のFFDに対応させて複数のFFD保存オブジェクト500を用意することも考えられる。例えば図17(b)に示すように、複数のαFFD保存オブジェクト510や複数のβFFD保存オブジェクト520を用意するという具合である。メモリ39のスタンバイRAM又はEEPROMに余裕があれば故障項目に対応させてより多くのFFDを記憶させることが望ましいためである。この場合、FFD管理オブジェクト400は、シートの情報から特定されるオブジェクト510,520にFFDを記憶していないものがある内は、そのオブジェクト510,520にFFDを記憶させる。そして、シート情報に対応するオブジェクト510,520の全てにFFDが記憶されると、FFD優先度に基づき、最もFFD優先度の低いFFDを更新していく。
【0125】
このようにすれば、限りあるスタンバイRAM又はEEPROMにより多くのFFDを記憶させることができる。言い換えると、メモリに余裕があればFFD保存オブジェクト500を追加してFFDの記憶領域を増やすことができ、逆に、メモリに余裕がなければFFD保存オブジェクト500を削除することによってFFDの記憶領域を減らすことができる。つまり、限られたメモリをどのように使用するかをFFD保存オブジェクト500の追加/削除によって変更することができ、効率的なメモリ39の使用を容易に実現できる。
【0126】
以上、本発明はこのような実施例に何等限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲において種々なる形態で実施し得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例のエンジン制御システムを示す構成図である。
【図2】実施例のエンジン制御ユニットの構成を示すブロック図である。
【図3】第1実施例の自己診断プログラムの構造を概念的に示した説明図である。
【図4】故障情報の記憶手順を示すMSCである。
【図5】第1実施例における故障情報及びFFDの記憶手順を示すMSCである。
【図6】故障情報管理オブジェクトの有する対応関係を示す説明図である。
【図7】水温センサの故障検出処理を示すフローチャートである。
【図8】スロットルセンサの故障検出処理を示すフローチャートである。
【図9】スロットルセンサにおける故障情報記憶手順を示すMSCである。
【図10】第1実施例の故障レベル判定処理を示すフローチャートである。
【図11】(a)は故障情報記憶処理を示すフローチャートであり、(b)はFFD保存通知発行処理を示すフローチャートであり、(c)はFFD記憶処理を示すフローチャートである。
【図12】FFDを例示する説明図である。
【図13】第2実施例の自己診断プログラムの構造を概念的に示した説明図である。
【図14】第2実施例における故障情報及びFFDの記憶手順を示すMSCである。
【図15】第2実施例の故障情報保存オブジェクトの有する情報を示す説明図である。
【図16】2種類のFFDを例示する説明図である。
【図17】FFD管理オブジェクトとFFD保存オブジェクトとの対応を示す説明図である。
【図18】第2実施例の故障レベル判定処理を示すフローチャートである。
【図19】第2実施例のFFD保存通知発行処理を示すフローチャートである。
【符号の説明】
11…エンジン
12…吸気管
13…エアフローセンサ
14…吸気温センサ
15…スロットル弁
16…エンジン制御ユニット
17…スロットルセンサ
18…空燃比センサ
19…バッテリ
20…水温センサ
21…ディストリビュータ
22a,22b,22c,22d
…インジェクタ
23…イグナイタ
24…テストスイッチ
25…警告灯
26…イグニッションスイッチ
27…スタータモータ
28…スタータスイッチ
32…アナログ入力回路
33…ディジタル入力回路
34…A/D変換器
35…電源回路
36,37,38
…出力回路
39…メモリ
100,110,120,130,140
…故障検出オブジェクト
200…故障情報管理オブジェクト
300,310,320,330,340,350
…故障情報保存オブジェクト
400…FFD管理オブジェクト
500,510,520…FFD保存オブジェクト
Claims (12)
- ダイアグ対象の故障検出結果に基づき、予め設定された故障項目に対するダイアグ故障情報を記憶する自己診断機能を備えた車両制御装置において、
前記自己診断機能を実現するための自己診断プログラムは、
オブジェクト指向設計され、再利用が可能なオブジェクトの単位で構成されており、
ダイアグ対象に依存する故障検出処理毎に対応させて用意され、所定の故障検出処理を実行して故障検出を行う故障検出オブジェクトと、
前記故障項目に対応させて複数用意され、前記ダイアグ故障情報を記憶するための故障情報記憶処理を実行する故障情報保存オブジェクトと、
前記故障検出オブジェクトから前記故障検出結果を受け取り、対応する前記故障情報保存オブジェクトを判断し、当該故障情報保存オブジェクトに前記故障検出結果に基づくダイアグ故障情報を記憶させるための通知を行う故障情報管理オブジェクトとを備え、
前記故障情報保存オブジェクトは、前記故障情報管理オブジェクトからの通知に基づき、前記故障情報記憶処理を実行すると共に、前記故障情報管理オブジェクトに該故障情報記憶処理の終了を示す通知を行うこと
を特徴とする自己診断機能を備えた車両用制御装置。 - 請求項1に記載の車両用制御装置において、
前記故障情報管理オブジェクトは、前記故障検出オブジェクトから前記故障検出結果を受け取ると、故障のレベルを判定するための、当該故障検出オブジェクトに応じた故障レベル判定処理を実行し、当該故障レベル判定処理による結果に従い前記ダイアグ故障情報を記憶させること
を特徴とする自己診断機能を備えた車両用制御装置。 - 請求項1又は2のいずれかに記載の車両用制御装置において、
前記ダイアグ故障情報の付帯情報である、故障時における車両状態を含むフリーズ情報を記憶することを前提として、
前記自己診断プログラムは、さらに、前記フリーズ情報を記憶するためのFFD記憶処理を実行する故障時状態保存オブジェクトを備えていること
を特徴とする自己診断機能を備えた車両用制御装置。 - 請求項3に記載の車両用制御装置において、
前記自己診断プログラムは、さらに、前記故障項目と前記故障時状態保存オブジェクトとの対応関係に基づき、該当する故障時状態保存オブジェクトに前記フリーズ情報を記憶させるための通知を行う故障時状態管理オブジェクトを備えていること
を特徴とする自己診断機能を備えた車両用制御装置。 - ダイアグ対象の故障検出結果に基づき、予め設定された故障項目に対するダイアグ故障情報を記憶する自己診断機能を備えた車両制御装置において、
前記自己診断機能を実現するための自己診断プログラムは、
オブジェクト指向設計され、再利用が可能なオブジェクトの単位で構成されており、
前記ダイアグ故障情報の付帯情報である、故障時における車両状態を含むフリーズ情報を記憶することを前提として、
前記故障項目に対応させて複数用意され、前記ダイアグ故障情報を記憶する故障情報保存オブジェクトと、
前記フリーズ情報を記憶するためのFFD記憶処理を実行する故障時状態保存オブジェクトと、
前記故障項目と前記故障時状態保存オブジェクトとの対応関係に基づき、該当する故障時状態保存オブジェクトに前記フリーズ情報を記憶させるための通知を行う故障時状態管理オブジェクトとを備え、
前記故障時状態保存オブジェクトは、前記故障時状態管理オブジェクトからの通知に基づき、前記FFD記憶処理を実行すると共に、前記故障時状態管理オブジェクトに該FFD記憶処理の終了を示す通知を行うこと
を特徴とする自己診断機能を備えた車両用制御装置。 - 請求項4又は5のいずれかに記載の車両用制御装置において、
前記故障時状態保存オブジェクトは、同一内容の前記フリーズ情報を前記故障項目に対応させて記憶するように複数用意されていること
を特徴とする自己診断機能を備えた車両用制御装置。 - 請求項4〜6のいずれかに記載の車両用制御装置において、
前記故障情報保存オブジェクトが前記対応関係を記憶していること
を特徴とする自己診断機能を備えた車両用制御装置。 - 請求項4〜7のいずれかに記載の車両用制御装置において、
前記故障時状態管理オブジェクトは、前記故障項目毎の前記フリーズ情報の保存必要性である優先度情報に基づいて、前記故障時状態保存オブジェクトに記憶させたフリーズ情報を更新すること
を特徴とする自己診断機能を備えた車両用制御装置。 - 請求項8に記載の車両用制御装置において、
前記故障情報保存オブジェクトが前記優先度情報を記憶していること
を特徴とする自己診断機能を備えた車両用制御装置。 - 請求項4〜9のいずれかに記載の車両用制御装置において、
前記故障時状態管理オブジェクトは、前記フリーズ情報の保存依頼があると、前記フリーズ情報の一部となる車両情報を取得し、前記故障時状態保存オブジェクトに前記フリーズ情報を記憶させること
を特徴とする自己診断機能を備えた車両用制御装置。 - 請求項4〜10のいずれかに記載の車両用制御装置において、
前記故障時状態管理オブジェクトは、前記フリーズ情報の無効依頼があると、前記故障時状態保存オブジェクトに記憶させた前記フリーズ情報を無効にすること
を特徴とする自己診断機能を備えた車両用制御装置。 - 請求項1〜11のいずれかに記載の車両用制御装置の前記自己診断プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
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