JP2002014839A - 自己診断機能を備えた車両用制御装置及び記録媒体 - Google Patents

自己診断機能を備えた車両用制御装置及び記録媒体

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JP2002014839A
JP2002014839A JP2001000547A JP2001000547A JP2002014839A JP 2002014839 A JP2002014839 A JP 2002014839A JP 2001000547 A JP2001000547 A JP 2001000547A JP 2001000547 A JP2001000547 A JP 2001000547A JP 2002014839 A JP2002014839 A JP 2002014839A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ダイアグ対象の構成にのみ変更が生じた場合
や故障情報にのみ増減が生じた場合における自己診断プ
ログラムの再利用性を向上させ、しかも、自己診断プロ
グラムをコンパクトにすると共に自己診断プログラムの
作成工数を削減する。 【解決手段】 自己診断プログラムが、オブジェクト指
向設計される前提の下、故障検出処理毎に設けられて故
障を検出する故障検出オブジェクト100と、故障項目
毎に設けられてダイアグ故障情報を記憶する故障情報保
存オブジェクト300と、FFDを記憶するFFD保存
オブジェクト500とを備える構成にする。このとき、
故障情報管理オブジェクト200、FFD管理オブジェ
クト400がそれぞれ、該当するオブジェクト300,
500にダイアグ故障情報、FFDを記憶させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両を制御する車
両用制御装置の自己診断機能に関し、さらに、当該自己
診断機能をオブジェクト指向プログラミングにて実現す
る技術に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、高性能マイクロプロセッサの出現
などエレクトロニクス技術の進歩を背景として、機械技
術と電子技術とが結びついたメカトロニクス技術の進歩
が著しい。メカトロニクスの進歩の一部として、自動車
等の車両にも多くのコンピュータシステムが採用されて
きている。このような車載用のコンピュータシステム
は、省資源、省エネルギー、走行性能、安全性、快適性
等を追求するものであり、車両内のエンジン・駆動系、
走行・安全系、エンターテイメント系、及びその他の随
所に搭載されている。
【0003】その中でも特に高い信頼性を要求される車
両制御用のコンピュータシステムは、システム内の各部
位の故障検出を的確に行わないと、走行上の不具合を引
き起こす可能性があり、場合によっては走行不能となる
こともある。そのため、コンピュータシステムに自己診
断機能を備えることにより、信頼性の向上が図られてい
る。すなわち、コンピュータ部やセンサ類の動作状態を
適当な周期で自動的にチェックし、故障時には、ユーザ
などに故障を知らせるための警告灯(MIL)を点灯し
たり、その故障内容が修理担当者などに分かるよう故障
コード(DTC)を記憶したりするダイアグノーシス
(以下「ダイアグ」という。)処理を可能にしている。
このダイアグ処理の対象は、クランク角センサ、カム角
センサ、水温センサなどの各センサをはじめ、現在では
約200にもおよぶ。以下、ダイアグ処理の対象を「ダ
イアグ対象」と呼ぶ。
【0004】そして、このようなダイアグ処理を実現す
るための自己診断プログラムの設計では、上述したダイ
アグ対象が、車種やグレードあるいはモデルチェンジの
タイミングで変わるということを考慮しなければならな
い。そのため、再利用性という観点から、オブジェクト
指向設計することが望ましい。つまり、ダイアグ対象に
依存する処理とダイアグ対象に依存しない処理を別のオ
ブジェクトが実行するようにして、ダイアグ対象に依存
しない処理を実行するオブジェクトはダイアグ対象が変
わってもそのまま利用できるようにし、過去に作成した
自己診断プログラムを部分的に用いて新たな自己診断プ
ログラムを作成できるようにするのである。
【0005】このような技術について本願出願人は、特
願平10−264830号で既に提案している。この技
術は、ダイアグ対象に依存する処理を実行するオブジェ
クトを異常検出オブジェクトとして自己診断プログラム
上で分離し、ダイアグ対象が変更された場合にはこの異
常検出オブジェクトだけを変更し、他のオブジェクトに
関して再利用を図ったものである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
技術においても、次の点では改良の余地がある。それ
は、異常検出オブジェクトが、故障を検出するだけでな
く、処理結果としての故障情報を記憶する点である。
【0007】(1)「ダイアグ対象が変わる」場合は、
大別して2つに分けられる。ダイアグ対象の構成が変わ
る場合と、ダイアグ対象が増減する場合である。例えば
ある車種では水温センサAを用い、別の車種では水温セ
ンサBを用いるという場合が前者に相当する。また例え
ば、ある車種ではセンサCを用いず、別の車種ではセン
サCを用いるという場合が後者に相当する。
【0008】車種・グレードが違っても同様の車両制御
を行う場合には、同様の機能を有するセンサ等を用いる
ことになるため、前者のようにダイアグ対象の構成が変
わる場合が多い。そして、ダイアグ対象の構成のみが変
わる場合、故障検出処理(検出ロジック)の変更を迫ら
れるが、故障情報についてはそのままでよいことにな
る。
【0009】一方、故障情報は、法規やメーカによって
予め定められるものである。したがって、メーカからの
要求などにより故障項目の増減が生じると、故障情報を
変更する必要が生じるが、故障検出処理については何等
変更する必要がないことがある。
【0010】つまり、上述の技術では、ダイアグ対象に
依存する処理を分離してダイアグ対象毎の単位でオブジ
ェクト化を図ったのであるが、ダイアグ対象等の変更状
況によっては、異常検出オブジェクト内に再利用できる
部分が存在することになってしまう。
【0011】(2)また、従来のように、ダイアグ対象
毎にオブジェクト化すると、2以上の異常検出オブジェ
クトで故障検出処理が重複する場合があった。ダイアグ
対象が異なっていても故障検出処理が同一になる場合が
あるためである。これは自己診断プログラムのコンパク
ト化を阻害する原因となる。
【0012】(3)さらに、自己診断プログラムの作成
段階において、故障情報は最初に決定されることが多く
開発途中ではほとんど変更されないが、故障検出処理
は、センサの変更に従い、また、ロジック(アルゴリズ
ム)の改良によって、開発途中で何度も変更される可能
性がある。しかし、従来の構成では、同一オブジェクト
内に故障情報の記述があるため、故障検出処理だけを変
更しようとしても故障情報との関連を考慮する必要が生
じ、結果として、プログラム作成工数を増大させてしま
っていた。
【0013】(4)また、故障情報の中には、ダイアグ
対象の故障項目に対応するダイアグ故障情報と、故障時
の車両状態を含むフリーズ情報が存在する。フリーズ情
報を記憶するのは、故障原因の究明などに利用できるた
めである。このようなフリーズ情報は、ダイアグ故障情
報と異なり、故障項目に対応させて記憶することは通常
行わない。故障項目に対応させて記憶しようとすれば、
例えば200という故障項目に対応するフリーズ情報の
記憶領域が必要になり、記憶容量などが問題となるため
である。したがって、永続的な又は重要な故障と判断さ
れた場合に、その付帯情報として記憶するのが一般的で
ある。
【0014】したがって、故障情報の変更と一口に言っ
ても、故障項目の増減によって変更される情報はダイア
グ故障情報であり、フリーズ情報は変更されない場合が
考えられる。逆に、フリーズ情報のみが変更され、ダイ
アグ故障情報は変更されない場合が考えられる。つま
り、故障情報を一まとめにして記憶する構成を採れば、
故障情報の変更状況に合わせて、再利用できる部分が存
在することになる。
【0015】本発明は、上述した問題を解決するために
なされたものであり、自己診断プログラムの再利用性を
向上させることを第1の目的とし、自己診断プログラム
をコンパクトにすると共に自己診断プログラムの作成工
数を削減することを第2の目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段及び発明の効果】上述した
目的を達成するためになされた請求項1に記載の車両用
制御装置の自己診断機能を実現する自己診断プログラム
は、オブジェクト指向設計され、再利用が可能なオブジ
ェクトの単位で構成されている。
【0017】そして、本発明では特に、自己診断プログ
ラムが、故障検出オブジェクトと、故障情報保存オブジ
ェクトとを備える。故障検出オブジェクトは、ダイアグ
対象に依存する故障検出処理に対応させて用意される。
そして、所定の故障検出処理を実行する。一方、故障情
報保存オブジェクトは、上述した故障項目に対応させて
用意される。そして、故障項目に対応するダイアグ故障
情報を記憶する。
【0018】つまり、故障検出処理を実行するオブジェ
クトと、ダイアグ故障情報を記憶するオブジェクトとを
別個のオブジェクトとしたのである。これによって、ダ
イアグ対象の構成が変わった場合には故障検出オブジェ
クトだけを変更し、故障情報保存オブジェクトについて
はそのまま再利用することができる。また、メーカから
の要求などにより故障項目の増減が生じた場合には、故
障情報保存オブジェクトだけを変更し、故障検出オブジ
ェクトについてはそのまま再利用することができる。そ
の結果、ダイアグ対象の構成のみに変更が生じた場合や
ダイアグ故障情報のみに増減が生じた場合における自己
診断プログラムの再利用性が図られる。すなわち、上記
(1)に示した問題が解決される。
【0019】また、従来はダイアグ対象毎にオブジェク
ト化がなされていたため、複数のオブジェクトで故障検
出処理が重複することがあった。これに対して、本発明
では、故障検出処理に対応させて故障検出オブジェクト
を用意したため、ダイアグ対象が異なっている場合であ
っても故障検出処理が共通であれば、それは一つの故障
検出オブジェクトとして実現される。したがって、自己
診断プログラムがコンパクトになる。すなわち、上記
(2)に示した問題が解決される。
【0020】さらに、従来の構成では同一オブジェクト
内にダイアグ故障情報の記述があるため、故障検出処理
だけを変更しようとしてもダイアグ故障情報との関連を
考慮する必要が生じ、自己診断プログラムの作成工数を
増大させてしまっていた。これに対して本発明では、故
障情報保存オブジェクトがダイアグ故障情報を記憶する
ため、故障検出処理を変更する場合に、故障情報保存オ
ブジェクトについては手直しする必要がなく、ダイアグ
故障情報との関連を考慮する必要がない。その結果、自
己診断プログラムの作成工数を削減することができる。
すなわち、上記(3)に示した問題が解決される。
【0021】以上のように本発明によれば、上記第1及
び第2の目的が達成される。ところで、故障検出オブジ
ェクトや故障情報保存オブジェクトの再利用という観点
からは、請求項2に示すように、自己診断プログラムが
さらに、故障情報管理オブジェクトを備える構成にする
とよい。故障情報管理オブジェクトは、故障検出オブジ
ェクトから故障検出結果を受け取り、対応する故障情報
保存オブジェクトを判断する。そして、当該故障情報保
存オブジェクトに受け取った故障検出結果に基づくダイ
アグ故障情報を記憶させる。
【0022】故障検出オブジェクトは故障検出処理毎に
用意されるものであり、故障情報保存オブジェクトは故
障項目毎に用意されるものであるため、それらオブジェ
クト間の対応をとる必要がある。その対応関係を有する
のが、故障情報管理オブジェクトである。このようなイ
ンターフェース的オブジェクトを用意することによっ
て、故障検出オブジェクトと故障情報保存オブジェクト
とが相互に存在を意識する必要がなくなり、両オブジェ
クトの独立性が向上する。例えば、故障検出オブジェク
トを再利用する場合に、対応する故障情報保存オブジェ
クトがどれであるかということを意識する必要がなくな
るからである。これによって、故障検出オブジェクト及
び故障情報保存オブジェクトの再利用が容易になる。
【0023】なお、自己診断プログラムによる自己診断
機能は、ただ単にダイアグ対象の作動状態を単発的にチ
ェックして「故障」を判定するものではない。「故障」
にもレベルがあるからである。例えば、センサからの入
力信号系の「故障」を例に挙げた場合、コネクタ等にお
ける一時的な接触不良も「故障」であるし、完全な断線
も「故障」である。前者の場合は、その後良好な作動状
態を維持することがあり、特に部品交換の必要性が認め
られないことがある。したがって、従来より、このよう
な接触不良などの一時的な故障を「仮異常」、完全な断
線などの永続的な故障を「確定異常」などとして、故障
のレベルを判定することが行われている。このような判
定は、故障検出オブジェクトがそれぞれの処理で行って
もよいが、数パターンに分けられるため、請求項3に示
すように、故障情報管理オブジェクトが行うようにする
とよい。この場合、故障情報管理オブジェクトは、故障
検出オブジェクトから故障検出結果を受け取ると、故障
のレベルを判定するための、当該故障検出オブジェクト
に応じた故障レベル判定処理を実行し、当該故障レベル
判定処理による結果に従いダイアグ故障情報を故障情報
保存オブジェクトに記憶させる。このようにすれば、故
障検出オブジェクトが故障のレベルを判定するよりも効
率的であり、自己診断プログラムのさらなるコンパクト
化に寄与できる。
【0024】ところで、上述したように、自己診断機能
では、故障時における車両状態を含むフリーズ情報を記
憶するのが一般的である。そして、フリーズ情報は、故
障項目毎に記憶されるものではなく、永続的な又は重要
な故障と判断された場合に、ダイアグ故障情報の付帯情
報として記憶される。
【0025】したがって、自己診断プログラムの再利用
性を向上させるという観点からは、請求項4に示す構成
を採用することが考えられる。すなわち、ダイアグ故障
情報の付帯情報である、故障時における車両状態を含む
フリーズ情報を記憶することを前提として、ダイアグ故
障情報を記憶する故障情報保存オブジェクトとは別に、
フリーズ情報を記憶する故障時状態保存オブジェクトと
を備えるものとすることが考えられる。もちろん、この
場合も、請求項5に示すように、故障情報保存オブジェ
クトは、故障項目毎に用意することが望ましい。故障項
目の追加・変更がオブジェクトの単位で可能になるため
である。
【0026】この場合、ダイアグ故障情報のみに変更が
生じた場合、すなわちフリーズ情報の変更がなければ、
故障時状態保存オブジェクトはそのまま再利用すること
ができる。また、フリーズ情報のみに変更が生じた場
合、すなわちダイアグ故障情報に変更がなければ、故障
情報保存オブジェクトはそのまま再利用することができ
る。すなわち、上記(4)に示す問題が解決される。そ
の結果、このような構成を採用しても、自己診断プログ
ラムの再利用性を向上させるという第1の目的が達成さ
れる。
【0027】なお、請求項6に示すように、請求項1〜
3に示した構成に加え、故障時状態保存オブジェクトを
備える構成にすることも考えられる。このようにすれ
ば、自己診断プログラムの再利用性のさらなる向上に寄
与できる。フリーズ情報は、所定のデータ群であり、最
も重要な故障に対して記憶しておくことが考えられる。
したがってこのときは、故障時状態保存オブジェクトは
1つだけ用意すればよい。しかしながら、近年では、メ
モリの記憶容量が増加しているため、故障項目によって
異なるフリーズ情報を記憶することもある。このような
ときは、要求されるフリーズ情報に合わせて複数の故障
時状態保存オブジェクトを用意することで対応すること
が考えられる。このようにすれば、フリーズ情報の変更
にオブジェクト単位の変更で対応できる。また、同一内
容のフリーズ情報を複数の故障項目に対応させて記憶す
る構成にすることもできる。すなわち、メモリに余裕が
あれば、故障時状態保存オブジェクトを追加してフリー
ズ情報の記憶領域を増やすことができ、逆にメモリに余
裕がなければ、故障時状態保存オブジェクトを削除する
ことによってフリーズ情報の記憶領域を減らすことがで
きる。つまり、限られたメモリをどのように使用するか
を、故障時状態保存オブジェクトの追加/削除によって
変更することができる。
【0028】故障時状態保存オブジェクトを備える構成
を前提とすれば、請求項7に示すように、さらに、故障
時状態管理オブジェクトを備える構成とすることが考え
られる。故障時状態管理オブジェクトは、故障項目と故
障時状態保存オブジェクトとの対応関係に基づき、該当
する故障時状態保存オブジェクトにフリーズ情報を記憶
させる。このようにすれば、故障時状態保存オブジェク
トは故障項目との対応を意識する必要がなくなり、故障
時状態保存オブジェクトの追加や削除が用意になるとい
う点で有利である。
【0029】そして、この対応関係は、故障項目の変更
に伴って変更されるため、請求項8に示すように、故障
項目毎にダイアグ故障情報を保存する故障情報保存オブ
ジェクトに記憶しておくことが望ましい。故障項目の変
更に伴う変更部分をまとめておくことによって、その変
更作業が簡単になるからである。また、故障項目に依存
する情報を故障情報保存オブジェクトに記憶しておけ
ば、故障項目の変更があっても、故障時状態管理オブジ
ェクトを変更する必要はなくなるからである。
【0030】また、フリーズ情報は、永続的な又は重要
な故障と判断された場合に、その付帯情報として記憶さ
れることは既に述べた。したがって、限られた記憶領域
に有用なフリーズ情報を記憶するため、請求項9に示す
ように、故障時状態管理オブジェクトは、故障項目毎の
フリーズ情報の保存必要性である優先度情報に基づい
て、故障時状態保存オブジェクトに記憶させたフリーズ
情報を更新するようにしてもよい。これによって、優先
度情報に基づくフリーズ情報の更新がなされるため、よ
り有用なフリーズ情報を記憶することができる。この優
先度情報も、故障項目毎に設けられるものであることを
考えると、請求項11に示すように、故障情報保存オブ
ジェクトに記憶しておくことが望ましい。故障情報保存
オブジェクトに上述した対応関係を記憶しておくのと同
様に、故障項目の変更に伴う変更部分をまとめておくこ
とによって、その変更作業が簡単になるからである。ま
た、故障項目に依存する情報を故障情報保存オブジェク
トに記憶しておけば、故障項目の変更があっても、故障
時状態管理オブジェクトを変更する必要はなくなるから
である。
【0031】ところで、故障時状態管理オブジェクト
は、請求項12に示すように、フリーズ情報の保存依頼
があると、フリーズ情報の一部となる車両情報を取得
し、故障時状態保存オブジェクトにフリーズ情報を記憶
させることが考えられる。フリーズ情報の保存依頼は、
例えば故障情報管理オブジェクトを備える構成であれ
ば、故障情報管理オブジェクトが行うという具合であ
る。また、請求項13に示すように、フリーズ情報の無
効依頼があると、故障時状態保存オブジェクトに記憶さ
せたフリーズ情報を無効にすることが考えられる。「無
効にする」場合、故障時状態保存オブジェクトにフリー
ズ情報を消去させることが考えられる。また、例えばフ
リーズ情報を通常操作では読み出せないようにマスクを
かけることが考えられる。後者のようにする理由は、一
度記憶されたフリーズ情報を、無効になった後でも、必
要に応じて参照できるようにするためである。
【0032】なお、このような車両用制御装置の自己診
断プログラムは、例えば、フロッピー(登録商標)ディ
スク、光磁気ディスク、DVD、CD−ROM、ハード
ディスク等のコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記
録し、必要に応じてコンピュータシステムにロードして
起動することにより用いることができる。この他、RO
MやバックアップRAMをコンピュータ読み取り可能な
記録媒体として前記プログラムを記録しておき、このR
OMあるいはバックアップRAMをコンピュータシステ
ムに組み込んで用いてもよい。
【0033】
【発明の実施の形態】以下、本発明を具体化した実施例
を図面を参照して説明する。 [第1実施例]図1は、エンジン制御システムの全体を
示す構成図である。このエンジン制御システムは、エン
ジン11及び、このエンジン11を制御するエンジン制
御ユニット16を中心に構成されている。このエンジン
制御ユニット16が「車両用制御装置」に相当する。
【0034】エンジン11には、エアクリーナからの吸
入空気が吸気管12を経て供給されている。この吸気管
12には、吸入空気量を測定するエアフローセンサ13
と、吸気温度を検出する吸気温センサ14が配置され、
さらに、アクセルペダルによって駆動されるスロットル
弁15が配置されている。
【0035】エンジン制御ユニット16には、エンジン
11の状態を示す各種信号が入力される。この信号を列
挙すれば、エアフローセンサ13からの吸入空気量検出
信号、スロットルセンサ17からのスロットル弁15の
開度検出信号、排出ガス中に含まれる酸素濃度を検出す
る空燃比センサ18からの信号、バッテリ19からのバ
ッテリ電圧信号、水温センサ20からの検出信号、エン
ジン11によって駆動されるディストリビュータ21か
らの回転信号、さらに気筒判別信号等である。
【0036】また、エンジン制御ユニット16では、こ
れらの各種検出信号に基づいてエンジン11の運転状態
に対応した燃料噴射量等を演算し、エンジン11の複数
の気筒それぞれに設定されるインジェクタ22a,22
b,22c,22dに対して燃料噴射指令を出力し、ま
た、イグナイタ23に対して点火指令信号を出力して、
エンジン11の運転制御を実行する。
【0037】さらに、エンジン制御ユニット16は、車
両の各部位の診断も各センサ群からの検出信号に基づい
て実行する。このため、エンジン制御ユニット16に対
しては、異常検出結果の出力のための診断モードを設定
するテストスイッチ24が配置され、さらに、そのテス
ト結果であるダイアグノーシスの結果表示等を行う警告
灯25が接続されている。
【0038】スイッチ26はバッテリ19をエンジン制
御ユニット16に対して接続するイグニッションスイッ
チであり、このイグニッションスイッチ26に連動する
ようにしてスタータモータ27を制御するスタータスイ
ッチ28が設けられている。次に、エンジン制御ユニッ
ト16について説明する。図2は、図1に示したエンジ
ン制御ユニット16の構成を示すブロック図である。エ
ンジン制御ユニット16は、コンピュータシステムを構
成するCPU31を備える。このCPU31にはアナロ
グ入力回路32及びディジタル入力回路33からのデー
タが入力され、アナログ入力回路32からのアナログ入
力データは、A/D変換器34でディジタルデータに変
換されてCPU31に入力される。
【0039】アナログ入力回路32には、エアフローセ
ンサ13からの検出信号Us、水温センサ20からの検
出信号Thw、吸気温センサ14からの検出信号Th
a、及びバッテリ19の電圧+Bが入力される。一方、
ディジタル入力回路33には、ディストリビュータ21
からの気筒判別信号G1と回転角信号Ne、空燃比セン
サ18からの酸素濃度に対応したリーン・リッチ信号O
x、スロットルセンサ17からのスロットル弁15の開
度を示す信号STO、スタータスイッチ28からのスタ
ート信号STA、及びテストスイッチ24からの診断モ
ードを設定する信号Tが入力される。
【0040】A/D変換器34は、アナログ入力回路3
2に入力される各種の検出信号をCPU31からの指令
に従い順次選択して読み取り、ディジタルデータに変換
するマルチプレクサ機能を有する。また、電源回路35
は、イグニッションスイッチ26を経てバッテリ19の
電圧+BをCPU31に供給し、また、常時バックアッ
プ用電源Battを供給している。
【0041】CPU31からの出力データは、出力回路
36、37及び38に供給され、エンジン制御ユニット
16からの出力信号として取り出される。すなわち、出
力回路36からはイグナイタ23に対して点火指令信号
IGtを出力する。また、出力回路37からは診断結果
を表す信号Wを出力して警告灯25を点灯制御する。出
力回路38からの出力信号τqは、エンジン11の運転
状態に対応した燃料噴射量を指示するもので、インジェ
クタ22a〜22dに出力されて、これらインジェクタ
22a〜22dの噴射量を変える。
【0042】さらにCPU(エンジン制御ユニット)3
1内には、後述する自己診断プログラムを格納するメモ
リ39が設けられている。このメモリ39は、ROM及
び、イグニッションスイッチ26がオフされているとき
にも電源供給されてデータを保持するスタンバイRAM
又は不揮発性のEEPROMとで構成されている。自己
診断プログラムは、ROM内に格納されている。そして
後述するように、スタンバイRAM又はEEPROMに
は、自己診断プログラムによって「ダイアグ故障情報」
としての故障情報及び、故障時における車両状態を含む
「フリーズ情報」としてのフリーズ・フレーム・データ
(以下「FFD」と記述する。)が記憶される。
【0043】本第1実施例は、メモリ39のROM内に
格納された自己診断プログラムに特徴を有するものであ
る。そこで次に、自己診断プログラムについて説明す
る。図3は、自己診断プログラムの構造(アーキテクチ
ャ)を概念的に示した説明図である。自己診断プログラ
ムは、オブジェクト指向設計された複数のプログラムで
構成される。既に知られるように、オブジェクト指向設
計とは、従来のソフトウェアが処理(例えば、燃料噴射
という処理)に着目したものに対し、モノを基本単位に
モデル化し、そのモノの特性や振る舞い(動作)で処理
を記述するものである。この基本単位を「オブジェク
ト」と称し、オブジェクト指向設計されたプログラム
は、このオブジェクトを最小構成単位として記述され
る。プログラム全体としては、オブジェクトからオブジ
ェクトへの通知(メッセージ)によりオブジェクト間を
結合することで一連の処理が実行される。オブジェクト
は、データ(属性)とデータに対するメソッド(手続
き)とを備え、他のオブジェクトからのメッセージによ
ってメソッドを実行する。なお、本明細書中では、「オ
ブジェクトが・・・する。」というオブジェクトを主体
とした表現を用いるが、実際には、CPU31が処理プ
ログラムを実行することで実現されることは言うまでも
ない。
【0044】図3には、本第1実施例を説明するために
必要なオブジェクトのみを示した。つまり、本第1実施
例における自己診断プログラムは少なくとも、故障検出
オブジェクト100と、故障情報管理オブジェクト20
0と、故障情報保存オブジェクト300と、FFD管理
オブジェクト400と、FFD保存オブジェクト500
とを備えている。
【0045】これらのオブジェクト100〜500は、
プラットフォーム(以下「PF」という。)600上の
プログラムであり、PF600との間で適宜情報交換を
行いながら動作する。故障検出オブジェクト100は、
エンジン制御ユニット16に入力された各センサ群など
の情報に基づき、自己診断の対象となるダイアグ対象の
故障を検出する。この故障検出オブジェクト100は、
故障検出処理毎に用意されている。つまり、ダイアグ対
象が異なっている場合でも、故障検出方法が同一であれ
ば、故障検出オブジェクト100は同一のものとなる。
【0046】故障情報管理オブジェクト200は、各故
障検出オブジェクト100からの正常/異常の通知を受
け、故障情報保存通知及びMIL駆動通知を行う。この
MIL駆動通知はPF600に対して行われ、これによ
って、上述した警告灯25が点灯される。
【0047】故障情報保存オブジェクト300は、故障
情報管理オブジェクト200からの故障情報保存の通知
があると、故障情報を保存する。この故障情報保存オブ
ジェクト300は、予め定められた故障項目毎に用意さ
れている。また、FFD管理オブジェクト400は、故
障情報管理オブジェクト200からのFFD保存依頼の
通知があると、車両状態をPF600から取得し、FF
D保存通知を発行する。
【0048】FFD保存オブジェクト500は、FFD
管理オブジェクト400からFFD保存通知が発行され
ると、FFD管理オブジェクト400が取得した車両状
態を含むFFD記憶する。各オブジェクト100〜50
0は、上述したように各種の通知(メッセージ)によっ
て結合されて一連の処理を実行する。そこで次に、メッ
セージシーケンスチャート(以下「MSC」という。)
を参照して各オブジェクト100〜500の結合をさら
に詳しく説明する。
【0049】図4は、故障情報の保存手順を示すMSC
である。まずPF600が故障検出オブジェクト100
に診断の開始を通知する。この診断開始の通知は、個々
の故障検出オブジェクト100に対し、それぞれのタイ
ミングで行われる。PF600からの診断開始の指示を
受けた故障検出オブジェクト100は、故障検出処理S
1を実行する。この故障検出処理S1にて、故障情報管
理オブジェクト200への正常又は異常が通知される。
【0050】正常又は異常が通知されると、故障情報管
理オブジェクト200は、故障レベル判定処理S2を実
行し、対応する故障情報保存オブジェクト300へ故障
情報保存通知を発行する。したがって、故障情報管理オ
ブジェクト200が、故障検出オブジェクト100と故
障情報保存オブジェクト300との対応関係を有してい
る。これについては後述する。
【0051】故障情報保存オブジェクト300は、故障
情報保存の通知があると、故障情報記憶処理S3を実行
する。この故障情報記憶処理S3では、故障レベル判定
処理S2にて決定された故障情報を記憶し、その後、保
存終了を通知する。本第1実施例では、故障情報とし
て、一時的な故障を示す「仮異常」、永続的な故障を示
す「確定異常」、そしてさらに、故障していない状態を
示す「正常」が記憶される。
【0052】故障情報管理オブジェクト200における
故障レベル判定処理S2では、故障情報保存オブジェク
ト300から保存終了の通知がなされると、FFDの保
存タイミングであるか否かを判断し、保存タイミングで
なければ、正常/異常通知に対する処理の完了を示す通
知完了を故障検出オブジェクト100に対して出力す
る。
【0053】この通知完了出力があると、故障検出オブ
ジェクト100は、PF600に対して終了を通知す
る。これによって、1つの故障検出オブジェクト100
に係る診断処理が終了する。上述した故障情報管理オブ
ジェクト200における故障レベル判定処理S2で、F
FDの保存タイミングであると判断された場合、図5に
示す如くとなる。
【0054】すなわち、故障情報保存オブジェクト30
0から保存終了が通知された後、故障レベル判定処理S
2では、FFD管理オブジェクト400に対するFFD
保存依頼を通知する。すると、FFD管理オブジェクト
400は、FFD保存通知発行処理S4を実行する。こ
のFFD保存通知発行処理S4では、車両状態をPF6
00から取得し、FFD保存通知を発行する。
【0055】これによって、FFD保存オブジェクト5
00は、FFD記憶処理S5を実行する。FFD記憶処
理S5では、FFD管理オブジェクト400にて取得さ
れた車両状態を含むFFDを記憶し、その後、保存終了
を通知する。この保存終了通知がなされると、FFD管
理オブジェクト400は、故障情報管理オブジェクト2
00に対し、FFD保存依頼に対する依頼完了の通知を
行う。
【0056】そして、上述したような通知完了が故障情
報管理オブジェクト200によって出力され、故障検出
オブジェクト100がPF600に対して診断終了を通
知することによって、診断処理が終了する。FFDの保
存タイミングであるか否かは、故障検出オブジェクト1
00毎に、詳しくは故障検出内容毎に異なっており、後
述するように、異常が確定的になった時点でFFDを保
存する場合もあれば、異常と判断された時点でFFDを
保存する場合もある。
【0057】次に、図6に基づいて、故障検出オブジェ
クト100と故障情報保存オブジェクト300との対応
関係を説明する。故障検出オブジェクト100が故障検
出処理毎に用意されていることは、既に述べた。例え
ば、図6では、エアフローセンサ13の故障検出処理に
対応させて故障検出オブジェクト110が用意され、水
温センサ20の故障検出処理に対応させて故障検出オブ
ジェクト120が用意され、同様に、吸気温センサ14
に対応させて故障検出オブジェクト130、スロットル
センサ17に対応させて故障検出オブジェクト140が
用意されている。すなわち、故障検出オブジェクト11
0〜140では、それぞれエアフローセンサ診断、水温
センサ診断、吸気温センサ診断、スロットルセンサ診断
を行う。ここで4つの故障検出オブジェクト110〜1
40を区別するため、以下では適宜、A故障検出オブジ
ェクト110、B故障検出オブジェクト120、C故障
検出オブジェクト130及びD故障検出オブジェクト1
40と記述する。
【0058】このとき、A〜Dの各故障検出オブジェク
ト110〜140にはそれぞれユニークなダイアグID
が割り振られており、A〜Dの各故障検出オブジェクト
110〜140は、故障情報管理オブジェクト200に
対し、正常/異常の通知と共に、このダイアグIDを出
力する。
【0059】一方、故障情報保存オブジェクト300
は、上述したように故障項目毎に用意されている。本第
1実施例では、故障情報保存名がこの故障項目に1対1
に対応している。すなわち、故障情報保存オブジェクト
300には、それぞれユニークな故障情報保存名が付け
られている。例えば図6で言えば、故障情報保存オブジ
ェクト310には故障情報保存名として「エアフローシ
ート」が付けられ、故障情報保存オブジェクト320に
は故障情報保存名として「水温シート」が付けられてい
る。同様に、故障情報保存オブジェクト330には「吸
気温シート」、故障情報保存オブジェクト340には
「スロットルHighシート」、故障情報保存オブジェ
クト350には「スロットルLowシート」という故障
情報保存名が付けられている。なお、故障検出オブジェ
クト100と同様に、5つの故障情報保存オブジェクト
310〜350を区別するため、以下では適宜、E故障
情報保存オブジェクト310、F故障情報保存オブジェ
クト320、G故障情報保存オブジェクト330、H故
障情報保存オブジェクト340及びI故障情報保存オブ
ジェクト350と記述する。
【0060】そして、故障情報管理オブジェクト200
は、故障検出オブジェクト100のダイアグIDと、故
障情報保存オブジェクト300の故障情報保存名との対
応関係を有している。図6では、ダイアグID「1」に
対して故障情報保存名「エアフローシート」が対応し、
同様に、「2」に対して「水温シート」が、「3」に対
して「吸気温シート」が、「4」に対して「スロットル
Highシート」が、「5」に対して「スロットルLo
wシート」が対応している様子を示した。
【0061】これによって、故障情報管理オブジェクト
200は、例えばA故障検出オブジェクト110からの
正常/異常通知があると、共に通知されるダイアグID
「1」に基づき、対応する故障情報保存オブジェクト3
00がE故障情報保存オブジェクト310であると判断
することができる。したがって、E故障情報保存オブジ
ェクト310に故障情報保存の通知をしたり、あるい
は、E故障情報保存オブジェクト310に記憶された故
障情報を参照したりすることができる。
【0062】また、D故障検出オブジェクト140にお
ける故障検出処理では、正常/異常通知と共にダイアグ
ID「4」又はダイアグID「5」を出力する。このと
き、ダイアグID「4」が出力されれば、対応する故障
情報保存オブジェクト300がH故障情報保存オブジェ
クト340と判断される。一方、ダイアグID「5」が
出力されれば、対応する故障情報保存オブジェクト30
0がI故障情報保存オブジェクト350と判断される。
このようにして、故障検出処理に対応して設けられるD
故障検出オブジェクト140と、故障項目に対応して設
けられるH及びIの故障情報保存オブジェクト340,
350との対応付けもなされる。
【0063】次に、各オブジェクト100〜500でそ
れぞれ実行される、故障検出処理S1、故障レベル判定
処理S2、故障情報記憶処理S3、FFD保存発行処理
S4及びFFD記憶処理S5を具体的に説明し、各オブ
ジェクト100〜500の動作に対する理解を深める。
【0064】まず故障検出処理S1について、図7及び
図8に基づき説明する。図7は、B故障検出オブジェク
ト120にて実行される故障検出処理S1を示すフロー
チャートである。この故障検出処理S1は、PF600
から診断開始の通知があると実行される。
【0065】最初のステップ(以下、ステップを単に記
号Sで示す。)1000において、水温センサ値を読み
込む。ここでいう水温センサ値は、水温センサ20から
の検出信号Thwの電圧値である。続くS1010で
は、水温センサ値が所定範囲内か否かを判断する。例え
ば水温センサ値が、0.1V〜4.9Vの範囲で得られ
る構成では、0.1Vを下回っていたり、4.9Vを上
回っていたりする場合、断線などによって水温センサ値
が固着していることが考えられる。ここで所定範囲内で
あると判断された場合(S1010:YES)、S10
20にて正常通知を故障情報管理オブジェクト200へ
発行し、その後、故障情報管理オブジェクト200から
の通知完了出力を待って、S1040へ移行する。一
方、所定範囲内でないと判断された場合(S1010:
NO)、S1030にて異常通知を故障情報管理オブジ
ェクト200へ発行し、その後、故障情報管理オブジェ
クト200からの通知完了出力を待って、S1040へ
移行する。
【0066】S1040ではPF600に対する終了通
知を行い、その後、本故障検出処理S1を終了する。な
お、S1020及びS1030では、正常/異常通知の
発行と共にダイアグID「2」を出力する。これによっ
て、故障情報管理オブジェクト200では、対応する故
障情報保存オブジェクト300であるF故障情報保存オ
ブジェクト320を判断できることになる(図6参
照)。
【0067】一方、図8(a)は、D故障検出オブジェ
クト140にて実行される故障検出処理S1を示すフロ
ーチャートである。この故障検出処理S1も、PF60
0から診断開始の通知があると実行される。上述した水
温センサ20の場合と同様に、例えばスロットルセンサ
値が、0.1V〜4.9Vの範囲で得られる構成では、
0.1Vを下回っていたり、4.9Vを上回っていたり
する場合、断線などによってスロットルセンサ値が固着
していることが考えられる。ただし、スロットルセンサ
値が4.9Vを上回っている場合と0.1Vを下回って
いる場合とでは、故障原因が異なる可能性がある。そこ
でここでは、4.9Vを上回っている場合をHigh故
障とし、0.1Vを下回っている場合をLow故障とし
て区別する。図8(b)に示す如くである。
【0068】図8(a)のS1100において、スロッ
トルセンサ値を読み込む。ここでいうスロットルセンサ
値は、スロットルセンサ17からの検出信号STOの電
圧値である。続くS1110では、スロットルセンサ値
に基づき、High故障であるか否かを判断する。ここ
でHigh故障であると判断された場合(S1110:
YES)、すなわち4.9Vを上回っていた場合には、
S1120にてHigh故障異常通知を発行する。一
方、High故障でないと判断された場合(S111
0:NO)、S1130にてHigh故障正常通知を発
行する。S1120及びS1130においては、ダイア
グID「4」が出力される。S1120又はS1130
の処理終了後、故障情報管理オブジェクト200からの
通知完了出力を待って、S1140へ移行する。
【0069】S1140では、Low故障であるか否か
を判断する。ここでLow故障であると判断された場合
(S1140:YES)、すなわち0.1Vを下回って
いた場合には、S1150にてLow故障異常通知を発
行する。一方、Low故障でないと判断された場合(S
1140:NO)、S1160にてLow故障正常通知
を発行する。S1150及びS1160においては、ダ
イアグID「5」が出力される。S1150又はS11
60の処理終了後、故障情報管理オブジェクト200か
らの通知完了出力を待って、S1170へ移行する。
【0070】S1170ではPF600への終了通知を
行い、その後、本故障検出処理を終了する。この場合の
MSCは、図9に示す如くとなる。D故障検出オブジェ
クト140からHigh故障に関する正常/異常の通知
があると(S1120,S1130)、出力されるダイ
アグID「4」に基づき、故障情報管理オブジェクト2
00は、H故障情報保存オブジェクト340へ故障情報
保存を通知する。その後、故障情報管理オブジェクト2
00からの通知完了出力を待って、Low故障に関する
正常/異常通知を行い(S1150,S1160)、ダ
イアグID「5」を出力する。これによって、故障情報
管理オブジェクト200は、I故障情報保存オブジェク
ト350へ故障情報保存を通知する。
【0071】続いて、図10に基づき、故障レベル判定
処理S2について説明する。図10は、故障情報管理オ
ブジェクト200にて実行される故障レベル判定処理S
2を示すフローチャートである。この故障レベル判定処
理S2は、故障検出オブジェクト100からの正常/異
常の通知があると実行される。
【0072】最初のS2000において、正常通知か否
かを判断する。ここで正常通知であると判断された場合
(S2000:YES)、S2010へ移行する。一
方、正常通知でないと判断された場合(S2000:N
O)、すなわち異常通知である場合には、S2060へ
移行する。
【0073】S2010では、現在の故障情報が「正
常」であるか否かを判断する。この判断は、対応する故
障情報保存オブジェクト300に記憶されている故障情
報を参照することによってなされる。以下において、現
在の故障情報が「仮異常」であるか又は「確定異常」で
あるかの判断を行う場合も同様である。ここで現在の故
障情報が「正常」であると判断された場合(S201
0:YES)、すなわち、正常状態のときに正常通知が
なされた場合には、S2030へ移行する。一方、現在
の故障情報が「正常」でないと判断された場合(S20
10:NO)、すなわち異常状態のときに正常通知がな
された場合には、S2020へ移行する。
【0074】S2020では、正常復帰条件が成立した
か否かを判断する。正常復帰とは、一度「異常」となっ
た後、例えば20トリップや40トリップといった所定
期間に連続して正常通知がされた場合、故障情報を「正
常」に復帰させることをいう。なお、1トリップはイグ
ニッションキーのオンからオフまでの期間である。ここ
で正常復帰条件が成立したと判断された場合(S202
0:YES)、S2030へ移行する。一方、正常復帰
条件が成立しない場合は(S2020:NO)、S20
50へ移行する。
【0075】S2030では、故障情報を「正常」とす
る。そして続くS2040にて、故障情報保存通知を発
行する。この通知は、上述したように故障情報保存オブ
ジェクト300に対して発行される。そして、故障情報
保存オブジェクト300からの保存終了通知を待って、
故障検出オブジェクト100への通知完了の出力を行い
(S2170)、本故障レベル判定処理S2を終了す
る。
【0076】上述したS2020で正常復帰条件が成立
しなかった場合に移行するS2050では、現在の故障
情報が「仮異常」であるか否かを判断する。ここで現在
の故障情報が「仮異常」であると判断された場合(S2
050:YES)、S2080へ移行する。一方、現在
の故障情報が「仮異常」でない場合(S2050:N
O)、すなわち「確定異常」である場合には、S212
0へ移行する。なお、S2080及びS2120の処理
については後述する。
【0077】最初のS2000において否定判断された
場合に移行するS2060では、現在の故障情報が「正
常」であるか否かを判断する。ここで現在の故障情報が
「正常」であると判断された場合(S2060:YE
S)、すなわち正常状態のときに異常通知がなされた場
合には、S2070へ移行する。一方、現在の故障情報
が「正常」でないと判断された場合(S2060:N
O)、すなわち異常状態のときに異常通知がなされた場
合には、S2100へ移行する。
【0078】S2070では、仮異常条件が成立したか
否かを判断する。仮異常とは、上述したように、一時的
な異常の可能性が高い状態を示す。ここで仮異常条件が
成立したと判断された場合(S2070)、S2080
へ移行する。一方、仮異常条件が成立しない場合(S2
070)、上述したS2030からの処理を実行する。
この場合は、故障情報は「正常」となる。
【0079】S2080では、故障情報を「仮異常」と
する。そして続くS2090にて、故障情報保存オブジ
ェクト300へ故障情報保存通知を発行する。その後、
故障情報保存オブジェクト300からの保存終了通知を
待って、S2140へ移行する。
【0080】S2060において否定判断された場合に
移行するS2100では、現在の故障情報が「仮異常」
であるか否かを判断する。ここで現在の故障情報が「仮
異常」であると判断された場合(S2100:YE
S)、すなわち仮異常状態のときに異常通知がなされた
場合には、S2110へ移行する。一方、現在の故障情
報が「仮異常」でない場合(S2100:NO)、すな
わち確定異常であるときに異常通知がなされた場合に
は、S2120へ移行する。
【0081】S2110では、確定異常条件が成立した
か否かを判断する。確定異常とは、上述したように、永
続的な異常の可能性が高い状態を示す。ここで確定異常
条件が成立したと判断された場合(S2110:YE
S)、S2120へ移行する。一方、確定異常条件が成
立しない場合(S2110:NO)、上述したS208
0へ移行する。この場合は、故障情報は「仮異常」とな
る。
【0082】S2120では、故障情報を「確定異常」
とする。そして続くS2130にて、故障情報保存オブ
ジェクト300へ故障情報保存通知を発行する。その
後、故障情報保存オブジェクト300からの保存終了通
知を待って、S2140へ移行する。
【0083】S2090又はS2130から移行するS
2140では、MIL駆動通知を行う。この通知は、P
F600に対して発行される。既に述べたが、これによ
ってPF600は出力回路37を介して警告灯25の点
灯を行う。続くS2150では、FFDの保存条件が成
立したか否かを判断する。FFDデータの保存条件成立
は、故障検出オブジェクト100からのダイアグIDに
基づいて判断する。例えば、ダイアグIDが「2」であ
る場合(図6参照)、すなわち、水温センサ診断を行う
B故障検出オブジェクト120から異常通知があった場
合には、仮異常となった時点でFFD保存条件が成立し
たと判断される。また例えば、ダイアグIDが「3」で
ある場合(図6参照)、すなわち、吸気温センサ診断を
行うC故障検出オブジェクト130から異常通知があっ
た場合には、確定異常となった時点でFFD保存条件が
成立したと判断される。ここでFFD保存条件が成立し
たと判断された場合(S2150:YES)、S216
0へ移行する。一方、FFD保存条件が成立していない
と判断された場合(S2150:NO)、S2180へ
移行する。
【0084】S2160では、FFD優先度が以前に記
憶したものよりも高いか否かを判断する。ここでFFD
優先度について説明する。故障情報が故障項目毎に用意
された故障情報保存オブジェクト300に保存されるの
に対し、FFDは、1つのFFD保存オブジェクト50
0に保存される。したがって、2以上の故障項目に対す
るFFDを保存することはできない。そのため、各故障
項目に対応するFFD優先度が、各故障情報保存オブジ
ェクト300毎に設定されている。図6で言えば、E故
障情報保存オブジェクト310には、FFD優先度が
「3」として設定されている。同様に、F〜Iの故障情
報保存オブジェクト320〜350にはそれぞれ、
「2」,「1」,「3」,「2」という具合に、FFD
優先度が設定されている。本第1実施例では、この数字
が小さくなるほど優先度が高い。このFFD優先度が
「優先度情報」に相当する。
【0085】したがって、S2160では、故障情報保
存オブジェクト300のFFD優先度を参照し、FFD
優先度の数字が以前記憶したFFDに対応するFFD優
先度よりも小さい場合に肯定判断される。ここでFFD
優先度が高いと判断された場合(S2160:YE
S)、FFD管理オブジェクト400へFFD保存依頼
通知を発行し(S2170)、FFD管理オブジェクト
400からの依頼完了の通知を待って、故障検出オブジ
ェクト100への通知完了出力を行い(S2180)、
本故障レベル判定処理S2を終了する。一方、FFD優
先度が高くない、すなわち同じかあるいは低い場合に
は、S2170の処理を実行せず、故障検出オブジェク
ト100への通知完了出力を行い(S2180)、本故
障レベル判定処理S2を終了する。
【0086】続いて、図11に基づき、故障情報記憶処
理S3、FFD保存発行処理S4、及びFFD記憶処理
S5を説明する。図11(a)は、故障情報保存オブジ
ェクト300にて実行される故障情報記憶処理S3を示
すフローチャートである。この故障情報記憶処理S3
は、故障情報管理オブジェクト200からの故障情報保
存通知があると実行される。
【0087】処理が開始されると、故障情報を記憶する
(S3000)。そして、故障情報管理オブジェクト2
00に対する保存終了通知を行い(S3010)、その
後、本故障情報記憶処理を終了する。故障情報は、故障
情報保存オブジェクト300のデータとしてメモリ39
に記憶される。なお、故障情報は故障レベル判定処理S
2にて設定される(図10中のS2030,S208
0,S2120)。このとき故障情報が、例えば予め定
められたグローバル変数に代入される構成であれば、こ
のグローバル変数から故障情報を読み出して記憶するこ
とが考えられる。また、故障情報が故障情報管理オブジ
ェクト200の内部データ(ローカル変数)となってい
れば、故障情報管理オブジェクト200内のデータを参
照して、詳しくは故障情報管理オブジェクト200にデ
ータ参照を要求するメッセージを出力することで参照し
て、故障情報を記憶することが考えられる。さらに、故
障情報管理オブジェクト200が故障情報保存通知と共
に故障情報を出力するようにし、出力された故障情報を
記憶するようにしてもよい。
【0088】図11(b)は、FFD管理オブジェクト
400にて実行されるFFD保存通知発行処理S4を示
すフローチャートである。このFFD保存通知発行処理
S4は、故障情報管理オブジェクト200からのFFD
保存依頼通知があると実行される。
【0089】処理が開始されると、FFDの一部となる
車両状態を取得する(S4000)。そして、FFD保
存オブジェクト500へFFD保存通知を発行し(S4
010)、FFD保存オブジェクト500からの保存終
了通知を待って、故障情報管理オブジェクト200に対
する依頼完了通知を行う(S4020)。その後、本F
FD保存通知発行処理S4を終了する。
【0090】このとき、FFD保存オブジェクトにて実
行されるFFD記憶処理S5が、図11(c)に示すも
のである。ここでは、まずFFDを記憶する(S500
0)。FFDは、故障時における車両状態を含むデータ
である。そして、FFD管理オブジェクト400への保
存終了通知を行い(S5010)、その後、FFD記憶
処理S5を終了する。
【0091】なお、本第1実施例では、FFDを図12
に示すデータ群としている。すなわち、PIDサポート
データ、故障コード、空燃比F/B制御状態、負荷値、
水温、空燃比F/B補正係数、空燃比学習補正係数、吸
気管絶対圧、エンジン回転数及び車速からなっている。
PIDサポートデータとは、どのFFDを使っているか
をまとめた識別子であり、また、故障コードは、図6に
示す故障情報保存名となっている。空燃比F/B制御状
態は、空燃比F/B制御のオン/オフなどの情報であ
り、負荷値とは、エンジンに係る負荷を示す値である。
このようなFFDの項目は、法規によって、また、メー
カ毎の仕様によって定められるものであり、これらには
限定されない。このようなFFDは、修理などの際に故
障原因を究明する手助けとなる。
【0092】FFDは、上述したFFD優先度に従い、
FFD優先度の高い故障項目に対応するものが優先的に
記憶される。つまり、故障情報管理オブジェクト200
からのFFD保存依頼の通知があった場合(図10中の
S2170)、既にFFDが保存されているときには、
上書きされることになる(図11(c)中のS500
0)。
【0093】また、上述した故障情報と同様に、FFD
管理オブジェクト400にて取得される車両状態が、例
えば予め定められたグローバル変数に代入される構成で
あれば、FFD保存オブジェクト500は、このグロー
バル変数から車両状態を読み出してFFDを記憶する。
また、取得した車両状態がFFD管理オブジェクト40
0の内部データ(ローカル変数)となっていれば、FF
D保存オブジェクト500は、FFD管理オブジェクト
400内のデータを参照してFFDを記憶する。さら
に、FFD管理オブジェクト400がFFD保存通知と
共に車両状態を出力する場合、FFD保存オブジェクト
500は、出力された車両状態を用いてFFDを記憶す
る。
【0094】以上のように各オブジェクト100〜50
0を構成したことによる効果を次に述べる。本第1実施
例では、自己診断プログラムに、故障検出処理S1を実
行する故障検出オブジェクト100と、故障情報記憶処
理S3を実行して故障情報を記憶する故障情報保存オブ
ジェクト300とを備える構成とした。これによって、
ダイアグ対象の構成が変わった場合には故障検出オブジ
ェクト100だけを変更し、故障情報保存オブジェクト
300についてはそのまま再利用することができる。ま
た、メーカからの要求などにより故障項目の増減が生じ
た場合には、故障情報保存オブジェクト300だけを変
更し、故障検出オブジェクト100についてはそのまま
再利用することができる。すなわち、ダイアグ対象の構
成のみに変更が生じた場合や故障情報のみに増減が生じ
た場合における自己診断プログラムの再利用性が図られ
る。
【0095】また、従来はダイアグ対象毎にオブジェク
ト化がなされていたため、複数のオブジェクトで故障検
出処理が重複することがあった。これに対して、本第1
実施例では、故障検出処理毎に故障検出オブジェクト1
00を用意したため、ダイアグ対象が異なっている場合
であっても故障検出処理が共通であれば、それは一つの
故障検出オブジェクト100として実現される。したが
って、自己診断プログラムがコンパクトになる。
【0096】さらに、従来の構成では同一オブジェクト
内に故障情報の記述があるため、故障検出処理だけを変
更しようとしても故障情報との関連を考慮する必要が生
じ、自己診断プログラムの作成工数を増大させてしまっ
ていた。これに対しても、本第1実施例では、故障情報
保存オブジェクト300が故障情報を記憶するため、故
障検出処理を変更する場合に、故障情報保存オブジェク
ト300については何等手直しする必要がなく、故障情
報との関連を考慮する必要がない。その結果、自己診断
プログラムの作成工数を削減することができる。
【0097】また、本第1実施例では、故障情報管理オ
ブジェクト200が、故障検出オブジェクト100のダ
イアグIDと、故障情報保存オブジェクト300の故障
情報保存名との対応関係を有している(図6参照)。こ
れによって、故障情報管理オブジェクト200が、故障
検出オブジェクト100からの正常/異常通知がある
と、共に通知されるダイアグIDに基づき、対応する故
障情報保存オブジェクト300を判断する。つまり、故
障検出オブジェクト100は故障情報保存オブジェクト
300との対応を、また、故障情報保存オブジェクト3
00は故障検出オブジェクト100との対応を何等意識
する必要がない。例えば図6においてA故障検出オブジ
ェクト110を交換するような場合、新たな故障検出オ
ブジェクト100のダイアグIDを「1」とすればよ
く、対応するE故障情報保存オブジェクト310には何
等手を加える必要がない。すなわち、故障情報管理オブ
ジェクト200を設けたことによって、故障検出オブジ
ェクト100及び故障情報保存オブジェクト300の再
利用が容易になる。
【0098】そして、各故障検出オブジェクト100に
共通する故障レベル判定処理S2を、この故障情報管理
オブジェクト200が実行するようにした。これは、自
己診断プログラムのさらなるコンパクト化に寄与してい
る。さらに、この故障レベル判定処理S2において、F
FDを保存するか否かを判断しており(図10中のS2
150,S2160)、故障情報管理オブジェクト20
0からのFFD保存依頼の通知に基づき、FFD管理オ
ブジェクト400がFFDの一部となる車両状態を取得
し(図11(b)中のS4000)、FFD管理オブジ
ェクト400からの通知によりFFD保存オブジェクト
500がFFDを記憶する(図11(c)中のS500
0)。このように故障情報に直接的に依存しないFFD
管理オブジェクト400及びFFD保存オブジェクト5
00を他のオブジェクト100〜300とは別個に用意
することによって、自己診断プログラムの再利用性を向
上させることができる。
【0099】具体的には、故障項目毎に記憶される「ダ
イアグ故障情報」としての故障情報にのみ変更があった
場合には、故障情報保存オブジェクト300を変更する
ことで対応でき、FFD保存オブジェクト500はその
まま再利用することができる。逆に、付帯情報として記
憶される「フリーズ情報」としてのFFDにのみ変更が
あった場合には、FFD保存オブジェクト500を変更
することで対応でき、故障情報保存オブジェクト300
はそのまま再利用することができる。
【0100】また、FFDは、FFD優先度に基づいて
更新される(図6参照)。これによって、より有用なF
FDを記憶することができる。このFFD優先度は、故
障情報保存オブジェクト300に記憶するようにした。
その結果、故障項目の変更に伴う変更部分がまとまって
おり、その変更作業が簡単になる。また、故障項目に依
存するFFD優先度を故障情報保存オブジェクト300
に記憶しているため、故障項目の変更があっても、FF
D管理オブジェクト400を変更する必要がない。
【0101】なお、上述した故障レベル判定処理S2は
図10に示した1つのパターンであるとしたが、例えば
故障項目によって数パターンある場合も考えられる。こ
のときは、故障レベル判定処理の最初に例えばダイアグ
IDによる分岐処理を設けて、それぞれのパターンで故
障のレベルを判定するようにすればよい。
【0102】なお、本第1実施例の故障検出オブジェク
ト100が「故障検出オブジェクト」に相当し、故障情
報管理オブジェクト200が「故障情報管理オブジェク
ト」に相当し、故障情報保存オブジェクト300が「故
障情報保存オブジェクト」に相当する。また、FFD管
理オブジェクト400が「故障時状態管理オブジェク
ト」に相当し、FFD保存オブジェクト500が「故障
時状態保存オブジェクト」に相当する。 [第2実施例]上記第1実施例においては、1つのFF
D保存オブジェクト500を用意しており、FFD優先
度を故障情報管理オブジェクト200が判断して(図1
0中のS2160)、FFD保存依頼をFFD管理オブ
ジェクト400へ通知していた(S2170)。
【0103】ただし、故障項目に対し、要求されるFF
Dが変わることもある。この場合、要求されるFFDに
合わせ、FFD管理オブジェクト400及びFFD保存
オブジェクト500をセットで用意して対応することが
考えられる。このようにしたときは、故障情報管理オブ
ジェクト200が、対応するFFD管理オブジェクト4
00を判断し、該当するFFD管理オブジェクト400
へFFD保存依頼を通知する。
【0104】しかし、FFDの変更があった場合に、故
障情報管理オブジェクト200の変更を極力抑えるため
には、すなわちFFD保存機能を実現するプログラムの
独立性を高めるためには、複数のFFD保存オブジェク
ト500をFFDに合わせて用意し、FFD管理オブジ
ェクト400が、対応するFFD保存オブジェクト50
0を判断するようにすることが望ましい。
【0105】そこで、本第2実施例では、複数のFFD
保存オブジェクト500が存在する場合を例示する。こ
の場合の自己診断プログラムの構造(アーキテクチャ)
を概念的に示すのが図13の説明図である。ここでは、
FFD保存オブジェクト500が複数用意されているた
め、FFD管理オブジェクト400は、故障情報管理オ
ブジェクト200からのFFD保存依頼の通知がある
と、対応するFFD保存オブジェクト500を判断し、
FFD保存の通知を行う。
【0106】具体的には、故障管理オブジェクト200
が実行する故障レベル判定処理S2及びFFD管理オブ
ジェクト400が実行するFFD保存通知発行処理S4
が、上記第1実施例と異なってくる。本第2実施例にお
けるMSCを、図14に示した。ここでは、故障情報管
理オブジェクト200による故障レベル判定処理をS
2’とし、FFD管理オブジェクト400による保存通
知発行処理をS4’として上記第1実施例と区別した。
【0107】上記第1実施例では、1つのFFD保存オ
ブジェクト500を備える構成であったため、FFD優
先度だけが故障情報保存オブジェクト300に記憶され
ていた。これに対して本第2実施例では、各故障項目と
FFD保存オブジェクト500とを対応付けるための対
応関係も、故障情報保存オブジェクト300に記憶して
おく。
【0108】例えば図15に示す如くである。ここでは
E故障情報保存オブジェクト310に記憶される故障情
報、すなわち故障情報保存名「エアフローシート」に対
応するFFDが、シートβに記憶されることが示されて
いる。同様に、故障情報保存名「水温シート」、「吸気
温シート」、「スロットルHighシート」及び「スロ
ットルLowシート」に対応するFFDがそれぞれ、シ
ートα又はシートβに記憶されることが示されている。
【0109】FFDは上述したように、法規によって、
また、メーカ毎の仕様によって定められるものである。
本第2実施例では、シートαに図12に示すデータ群、
すなわちPIDサポートデータ、故障コード、空燃比F
/B制御状態、負荷値、水温、空燃比F/B補正係数、
空燃比学習補正係数、吸気管絶対圧、エンジン回転数及
び車速が記憶され、一方、シートβに、これらのデータ
群にさらに他の情報を付加したデータ群が記憶される
(図16参照)。
【0110】故障情報管理オブジェクト200は、故障
レベル判定処理S2’において、図15に示すように、
FFD保存依頼と共に、故障情報に対応するFFD優先
度及びシートの情報をFFD管理オブジェクト400へ
通知する。一方、上述したシート毎に、FFD保存オブ
ジェクト500が用意されている。図17(a)には、
シートαに対応するFFD保存オブジェクト(以下「α
FFD保存オブジェクト」という。)510と、シート
βに対応するFFD保存オブジェクト(以下「βFFD
保存オブジェクト」という。)520とを示した。FF
D管理オブジェクト400は、シートの情報からFFD
保存オブジェクト500を特定する。また、FFD保存
オブジェクト500に記憶されているFFDのFFD優
先度を管理している。
【0111】このような構成を前提として、上記第1実
施例と異なる、故障レベル判定処理S2’及びFFD保
存通知発行処理S4’を次に説明する。図18は、故障
レベル判定処理S2’を示すフローチャートである。こ
こでS2200〜S2340は、上記第1実施例の故障
レベル判定処理S2中のS2000〜S2140(図1
0参照)と同様であるため、説明は割愛する。
【0112】故障情報が「仮異常」又は「確定異常」と
され(S2280,S2320)、故障情報保存通知
(S2290,S2330)がなされ、さらにMIL駆
動通知(S2340)が行われた後に移行するS235
0では、FFDの保存条件が成立したか否かを判断す
る。FFDデータの保存条件成立は、上記第1実施例と
同様に、故障検出オブジェクト100からのダイアグI
Dに基づいて判断する。ここでFFD保存条件が成立し
たと判断された場合(S2350:YES)、S236
0へ移行する。一方、FFD保存条件が成立していない
と判断された場合(S2350:NO)、S2360の
処理を実行せずに、S2390へ移行する。
【0113】S2360ではFFD管理オブジェクト4
00へFFD保存依頼通知を発行し、その後、S239
0において、FFD管理オブジェクト400からの依頼
完了の通知を待って、故障検出オブジェクト100への
通知完了出力を行い、本故障レベル判定処理S2’を終
了する。S2360におけるFFD保存依頼通知には、
上述したように、FFD優先度及びシートの情報が付加
される。
【0114】一方、上記第1実施例ではFFDの保存依
頼のみを故障レベル判定処理S2で行っていたが、本第
2実施例では、正常復帰した場合には、FFDを無効に
するためのFFDの無効依頼を行う。つまり、故障情報
が「正常」とされ(S2230)、故障情報保存通知
(S2240)がなされた後に移行するS2370で
は、FFDの無効条件が成立したか否かを判断する。F
FDの無効条件成立も、保存条件と同様に、故障検出オ
ブジェクト100からのダイアグIDに基づいて判断す
る。ここでFFD無効条件が成立したと判断された場合
(S2370:YES)、S2380にてFFD無効依
頼通知を発行し、その後、S2390へ移行する。一
方、FFD無効条件が成立していないと判断された場合
(S2370:NO)、S2380の処理を実行せず、
S2390へ移行する。
【0115】S2390では、FFD管理オブジェクト
400からの依頼完了の通知を待って、故障検出オブジ
ェクト100への通知完了出力を行い、本故障レベル判
定処理S2’を終了する。続けてFFD保存通知発行処
理S4’を、図19のフローチャートに基づいて説明す
る。
【0116】まず最初のS4100では、保存依頼か否
かを判断する。ここで保存依頼であると判断された場合
(S4100:YES)、S4110へ移行する。一
方、保存依頼でないと判断された場合(S4100:N
O)、すなわち無効依頼であった場合には、S4160
へ移行する。
【0117】S4110では、FFDの一部となる車両
状態を取得する。続くS4120では、シートを決定す
る。この処理は、保存先のFFD保存オブジェクト50
0を判断するものである。ここでは、αFFD保存オブ
ジェクト510又はβFFD保存オブジェクト520の
いずれか一方が、該当するFFD保存オブジェクト50
0として決定される。
【0118】そして、S4130では、取得したFFD
優先度が、該当するFFD保存オブジェクト500に既
に記憶されているFFDのFFD優先度よりも高いか否
かを判断する。ここで優先度が高いと判断された場合
(S4130:YES)、S4140にて該当するFF
D保存オブジェクト500に対してFFD保存を発行
し、S4150へ移行する。一方、優先度が高くないと
判断された場合(S4130:NO)、S4140の処
理を実行せずに、S4150へ移行する。
【0119】上述したS4100にて否定判断された場
合に移行するS4160では、上述したS4120と同
様に、シートを決定する。この処理は、FFDを無効に
するFFD保存オブジェクト500を判断するものであ
る。ここでαFFD保存オブジェクト510又はβFF
D保存オブジェクト520のいずれか一方が、該当する
FFD保存オブジェクト500として決定される。続く
S4170では、該当するFFD保存オブジェクト50
0に対してFFD無効を発行し、S4150へ移行す
る。なお、FFD無効の通知がなされた場合、FFD保
存オブジェクト500は、記憶されているFFDを抹消
することが考えられる。また、無効フラグをセットする
などして、マスクをかけることが考えられる。後者のよ
うにすれば、無効になった後でも、必要に応じてFFD
を参照することができる。
【0120】S4150では、FFD保存オブジェクト
500からの保存/無効の終了通知を待って、故障情報
管理オブジェクト200に対する依頼完了通知を行う。
その後、本FFD保存通知発行処理S4’を終了する。
以上のように各オブジェクト100〜500を構成した
本第2実施例においても、上記第1実施例と同様の効果
が得られることは言うまでもない。そしてさらに、以下
に示すような効果が得られる。
【0121】ここでは、FFD管理オブジェクト400
が、図19に示したFFD保存通知発行処理において、
FFDに合わせて容易されるFFD保存オブジェクト5
00を判断して(S4120,S4160)FFD保存
/無効の要求を発行する(S4140,4170)。ま
た、FFD保存の要求を発行してFFDを更新するとき
には、FFD優先度を判断している(S4130)。
【0122】したがって、図18に示した故障レベル判
定処理S2’では、保存条件又は無効条件の成立を判断
して(S2350,S2370)、FFD保存依頼又は
FFD無効依頼を通知するだけとなっている(S236
0,S2380)。つまり、本第2実施例の場合、故障
情報管理オブジェクト200は所定タイミングでFFD
保存/無効依頼を通知するだけであり、上記第1実施例
と比較して、FFD変更時における故障情報管理オブジ
ェクト200の再利用性が向上している。
【0123】さらに、故障項目とシートとの対応関係
は、FFD優先度と同様、故障情報保存オブジェクト3
00に記憶するようにした。その結果、故障項目の変更
に伴う変更部分がまとまっており、その変更作業が簡単
になる。また、故障項目に依存する対応関係を故障情報
保存オブジェクト300に記憶しているため、故障項目
の変更があっても、FFD管理オブジェクト400を変
更する必要がない。
【0124】なお、本第2実施例においても、故障検出
オブジェクト100が「故障検出オブジェクト」に相当
し、故障情報管理オブジェクト200が「故障情報管理
オブジェクト」に相当し、故障情報保存オブジェクト3
00が「故障情報保存オブジェクト」に相当する。ま
た、FFD管理オブジェクト400が「故障時状態管理
オブジェクト」に相当し、FFD保存オブジェクト50
0が「故障時状態保存オブジェクト」に相当する。[そ
の他]上記第2実施例では、異なるFFDそれぞれに対
応させて、αFFD保存オブジェクト510及びβFF
D保存オブジェクト520をそれぞれ1つずつ用意し
た。一方、同一のFFDに対応させて複数のFFD保存
オブジェクト500を用意することも考えられる。例え
ば図17(b)に示すように、複数のαFFD保存オブ
ジェクト510や複数のβFFD保存オブジェクト52
0を用意するという具合である。メモリ39のスタンバ
イRAM又はEEPROMに余裕があれば故障項目に対
応させてより多くのFFDを記憶させることが望ましい
ためである。この場合、FFD管理オブジェクト400
は、シートの情報から特定されるオブジェクト510,
520にFFDを記憶していないものがある内は、その
オブジェクト510,520にFFDを記憶させる。そ
して、シート情報に対応するオブジェクト510,52
0の全てにFFDが記憶されると、FFD優先度に基づ
き、最もFFD優先度の低いFFDを更新していく。
【0125】このようにすれば、限りあるスタンバイR
AM又はEEPROMにより多くのFFDを記憶させる
ことができる。言い換えると、メモリに余裕があればF
FD保存オブジェクト500を追加してFFDの記憶領
域を増やすことができ、逆に、メモリに余裕がなければ
FFD保存オブジェクト500を削除することによって
FFDの記憶領域を減らすことができる。つまり、限ら
れたメモリをどのように使用するかをFFD保存オブジ
ェクト500の追加/削除によって変更することがで
き、効率的なメモリ39の使用を容易に実現できる。
【0126】以上、本発明はこのような実施例に何等限
定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲
において種々なる形態で実施し得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例のエンジン制御システムを示す構成図で
ある。
【図2】実施例のエンジン制御ユニットの構成を示すブ
ロック図である。
【図3】第1実施例の自己診断プログラムの構造を概念
的に示した説明図である。
【図4】故障情報の記憶手順を示すMSCである。
【図5】第1実施例における故障情報及びFFDの記憶
手順を示すMSCである。
【図6】故障情報管理オブジェクトの有する対応関係を
示す説明図である。
【図7】水温センサの故障検出処理を示すフローチャー
トである。
【図8】スロットルセンサの故障検出処理を示すフロー
チャートである。
【図9】スロットルセンサにおける故障情報記憶手順を
示すMSCである。
【図10】第1実施例の故障レベル判定処理を示すフロー
チャートである。
【図11】(a)は故障情報記憶処理を示すフローチャー
トであり、(b)はFFD保存通知発行処理を示すフロ
ーチャートであり、(c)はFFD記憶処理を示すフロ
ーチャートである。
【図12】FFDを例示する説明図である。
【図13】第2実施例の自己診断プログラムの構造を概念
的に示した説明図である。
【図14】第2実施例における故障情報及びFFDの記憶
手順を示すMSCである。
【図15】第2実施例の故障情報保存オブジェクトの有す
る情報を示す説明図である。
【図16】2種類のFFDを例示する説明図である。
【図17】FFD管理オブジェクトとFFD保存オブジェ
クトとの対応を示す説明図である。
【図18】第2実施例の故障レベル判定処理を示すフロー
チャートである。
【図19】第2実施例のFFD保存通知発行処理を示すフ
ローチャートである。
【符号の説明】
11…エンジン 12…吸気管 13…エアフローセンサ 14…吸気温センサ 15…スロットル弁 16…エンジン制御ユニット 17…スロットルセンサ 18…空燃比センサ 19…バッテリ 20…水温センサ 21…ディストリビュータ 22a,22b,22c,22d…インジェクタ 23…イグナイタ 24…テストスイッチ 25…警告灯 26…イグニッションスイッチ 27…スタータモータ 28…スタータスイッチ 32…アナログ入力回路 33…ディジタル入力回路 34…A/D変換器 35…電源回路 36,37,38…出力回路 39…メモリ 100,110,120,130,140…故障検出オ
ブジェクト 200…故障情報管理オブジェクト 300,310,320,330,340,350…故
障情報保存オブジェクト 400…FFD管理オブジェクト 500,510,520…FFD保存オブジェクト
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 5B048 AA14 CC11 CC17 DD03 FF02 5B076 DD05 5H223 AA09 BB01 BB08 BB10 DD03 EE29

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ダイアグ対象の故障検出結果に基づき、予
    め設定された故障項目に対するダイアグ故障情報を記憶
    する自己診断機能を備えた車両制御装置において、 前記自己診断機能を実現するための自己診断プログラム
    は、 オブジェクト指向設計され、再利用が可能なオブジェク
    トの単位で構成されており、 ダイアグ対象に依存する故障検出処理に対応させて用意
    され、所定の故障検出処理を実行して故障検出を行う故
    障検出オブジェクトと、 前記故障項目に対応させて用意され、前記ダイアグ故障
    情報を記憶する故障情報保存オブジェクトとを備えるこ
    とを特徴とする自己診断機能を備えた車両用制御装置。
  2. 【請求項2】請求項1に記載の車両用制御装置におい
    て、 前記自己診断プログラムは、さらに、前記故障検出オブ
    ジェクトから前記故障検出結果を受け取り、対応する前
    記故障情報保存オブジェクトを判断し、当該故障情報保
    存オブジェクトに前記故障検出結果に基づくダイアグ故
    障情報を記憶させる故障情報管理オブジェクトを備えて
    いることを特徴とする自己診断機能を備えた車両用制御
    装置。
  3. 【請求項3】請求項2に記載の車両用制御装置におい
    て、 前記故障情報管理オブジェクトは、前記故障検出オブジ
    ェクトから前記故障検出結果を受け取ると、故障のレベ
    ルを判定するための、当該故障検出オブジェクトに応じ
    た故障レベル判定処理を実行し、当該故障レベル判定処
    理による結果に従い前記ダイアグ故障情報を記憶させる
    ことを特徴とする自己診断機能を備えた車両用制御装
    置。
  4. 【請求項4】ダイアグ対象の故障検出結果に基づき、予
    め設定された故障項目に対するダイアグ故障情報を記憶
    する自己診断機能を備えた車両制御装置において、 前記自己診断機能を実現するための自己診断プログラム
    は、 オブジェクト指向設計され、再利用が可能なオブジェク
    トの単位で構成されており、 前記ダイアグ故障情報の付帯情報である、故障時におけ
    る車両状態を含むフリーズ情報を記憶することを前提と
    して、 前記ダイアグ故障情報を記憶する故障情報保存オブジェ
    クトと、 前記フリーズ情報を記憶する故障時状態保存オブジェク
    トとを備えていることを特徴とする自己診断機能を備え
    た車両用制御装置。
  5. 【請求項5】請求項4に記載の車両用制御装置におい
    て、 前記故障情報保存オブジェクトは、前記故障項目毎に対
    応させて用意されていることを特徴とする自己診断機能
    を備えた車両用制御装置。
  6. 【請求項6】請求項1〜3のいずれかに記載の車両用制
    御装置において、 前記ダイアグ故障情報の付帯情報である、故障時におけ
    る車両状態を含むフリーズ情報を記憶することを前提と
    して、 前記自己診断プログラムは、さらに、前記フリーズ情報
    を記憶する故障時状態保存オブジェクトを備えているこ
    とを特徴とする自己診断機能を備えた車両用制御装置。
  7. 【請求項7】請求項4〜6のいずれかに記載の車両用制
    御装置において、 前記自己診断プログラムは、さらに、前記故障項目と前
    記故障時状態保存オブジェクトとの対応関係に基づき、
    該当する故障時状態保存オブジェクトに前記フリーズ情
    報を記憶させる故障時状態管理オブジェクトを備えてい
    ることを特徴とする自己診断機能を備えた車両用制御装
    置。
  8. 【請求項8】請求項7に記載の車両用制御装置におい
    て、 前記故障情報保存オブジェクトが前記対応関係を記憶し
    ていることを特徴とする自己診断機能を備えた車両用制
    御装置。
  9. 【請求項9】請求項7又は8のいずれかに記載の車両用
    制御装置において、 前記故障時状態管理オブジェクトは、前記故障項目毎の
    前記フリーズ情報の保存必要性である優先度情報に基づ
    いて、前記故障時状態保存オブジェクトに記憶させたフ
    リーズ情報を更新することを特徴とする自己診断機能を
    備えた車両用制御装置。
  10. 【請求項10】請求項9に記載の車両用制御装置におい
    て、 前記故障情報保存オブジェクトが前記優先度情報を記憶
    していることを特徴とする自己診断機能を備えた車両用
    制御装置。
  11. 【請求項11】請求項7〜10のいずれかに記載の車両
    用制御装置において、 前記故障時状態管理オブジェクトは、前記フリーズ情報
    の保存依頼があると、前記フリーズ情報の一部となる車
    両情報を取得し、前記故障時状態保存オブジェクトに前
    記フリーズ情報を記憶させることを特徴とする自己診断
    機能を備えた車両用制御装置。
  12. 【請求項12】請求項7〜11のいずれかに記載の車両
    用制御装置において、 前記故障時状態管理オブジェクトは、前記フリーズ情報
    の無効依頼があると、前記故障時状態保存オブジェクト
    に記憶させた前記フリーズ情報を無効にすることを特徴
    とする自己診断機能を備えた車両用制御装置。
  13. 【請求項13】請求項1〜12のいずれかに記載の車両
    用制御装置の前記自己診断プログラムを記録したコンピ
    ュータ読み取り可能な記録媒体。
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