JP6129499B2 - 自動車用電子制御システム - Google Patents

自動車用電子制御システム Download PDF

Info

Publication number
JP6129499B2
JP6129499B2 JP2012193059A JP2012193059A JP6129499B2 JP 6129499 B2 JP6129499 B2 JP 6129499B2 JP 2012193059 A JP2012193059 A JP 2012193059A JP 2012193059 A JP2012193059 A JP 2012193059A JP 6129499 B2 JP6129499 B2 JP 6129499B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
processor
electronic control
control system
program
ram
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2012193059A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2014049013A (ja
Inventor
雄介 阿部
雄介 阿部
康司 湯浅
康司 湯浅
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Astemo Ltd
Original Assignee
Hitachi Automotive Systems Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Automotive Systems Ltd filed Critical Hitachi Automotive Systems Ltd
Priority to JP2012193059A priority Critical patent/JP6129499B2/ja
Publication of JP2014049013A publication Critical patent/JP2014049013A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6129499B2 publication Critical patent/JP6129499B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Hardware Redundancy (AREA)
  • Multi Processors (AREA)

Description

本発明は、複数のプロセッサを備えた自動車用電子制御システムに関する。
自動車のエンジン,変速機,ブレーキなどを電子制御するため、特開2009−215944号公報(特許文献1)に記載されるように、1つのパッケージ内に複数のコアを封入したマルチコアプロセッサを搭載した自動車用電子制御システムが提案されている。マルチコアプロセッサを搭載した自動車用電子制御システムにおいては、制御対象を制御するプログラムを機能ごとに分割したモジュールを、複数のコアに分散して割り付けることが考えられている。
特開2009−215944号公報
しかしながら、あるコアに異常が発生すると、そのコアに割り付けられているモジュールが実行できなくなり、所望の機能を発揮することができなくなってしまう。なお、このような不具合は、マルチコアプロセッサを搭載した自動車用電子制御システムに限らず、1つの筐体に複数のプロセッサを搭載した自動車用電子制御システム、複数の電子制御装置を相互に接続した自動車用電子制御システムでも起こり得る。
そこで、本発明は、プロセッサに異常が発生しても、そこに割り付けられた機能を保障した、自動車用電子制御システムを提供することを目的とする。
自動車用電子制御システムは、不揮発性メモリ及び揮発性メモリを有し、実行可能なプログラムのオブジェクトコードが相互に異なるプロセッサを複数備え、その不揮発性メモリにプログラム及び制御データを格納する。そして、自動車用電子制御システムは、プロセッサの異常時にそのプロセッサに特有の機能を実現するプログラムを、他のプロセッサで実行可能なオブジェクトコードで記述してプロセッサの不揮発性メモリに格納しておき、少なくともプロセッサの起動時に、そのプロセッサから他のプロセッサに転送して他のプロセッサの揮発性メモリに格納しておく。ここで、プロセッサとは、マルチコアプロセッサにおける各コア、マルチプロセッサにおける各プロセッサ、複数の電子制御装置に夫々搭載される各プロセッサのことを意味する。
あるプロセッサに異常が発生した場合には、他のプロセッサの揮発性メモリに予め格納されたプログラムを実行することで、異常が発生したプロセッサに特有の機能が実現され、そこに割り付けられた機能を保障することができる。
自動車用エンジンシステムの構成図である。 電子制御システムの第1実施例の説明図である。 電子制御システムの第2実施例の説明図である。 電子制御システムの第3実施例の説明図である。 各電子制御システムに共通する技術的思想の説明図である。 異常監視処理の一例を示すフローチャートである。 プログラム展開処理の一例を示すフローチャートである。 復旧処理の一例を示すフローチャートである。 多数のプロセッサを有する電子制御システムの運用形態を示し、(A)は各プロセッサが他のプロセッサを相互に監視する形態の説明図、(B)及び(C)は特定のプロセッサが他のプロセッサを監視する形態の説明図である。
以下、添付された図面を参照し、本発明を実施するための実施形態について詳述する。
図1は、本実施形態に係る電子制御システムが適用され得る、自動車用エンジンのシステム構成を示す。
エンジン10は、例えば、直列4気筒ガソリンエンジンであり、各気筒に吸気(吸入空気)を導入するための吸気管12には、エンジン10の負荷の一例としての吸気流量Qを検出する吸気流量センサ14が取り付けられている。吸気流量センサ14としては、例えば、エアフローメータなどの熱線式流量計を使用することができる。なお、エンジン10の負荷としては、吸気流量Qに限らず、例えば、吸気負圧、過給圧力、スロットル開度、アクセル開度など、トルクと密接に関連する状態量を使用することができる。
各気筒の燃焼室16に吸気を導入する吸気ポート18には、その開口を開閉する吸気弁20が配設されている。吸気弁20の吸気上流に位置する吸気管12には、吸気ポート18に向けて燃料を噴射する燃料噴射弁22が取り付けられている。燃料噴射弁22は、電磁コイルへの通電によって磁気吸引力が発生すると、スプリングによって閉弁方向に付勢されている弁体がリフトして開弁し、燃料を噴射する、電磁式の噴射弁である。燃料噴射弁22には、その開弁時間に比例した燃料が噴射されるように、所定圧力に調圧された燃料が供給されている。
燃料噴射弁22から噴射された燃料は、吸気ポート18と吸気弁20との隙間を介して燃焼室16に吸気と共に導入され、点火プラグ24の火花点火によって着火燃焼し、その燃焼による圧力がピストン26をクランクシャフト(図示省略)に向けて押し下げることで、クランクシャフトを回転駆動させる。
また、燃焼室16から排気を導出する排気ポート28には、その開口を開閉する排気弁30が配設され、排気弁30が開弁することで、排気ポート28と排気弁30との隙間を介して、排気が排気管32へと排出される。排気管32には、触媒コンバータ34が配設されており、排気中の有害物質は、触媒コンバータ34によって無害成分に浄化された後、排気管32の終端開口から大気中に放出される。ここで、触媒コンバータ34としては、例えば、排気中のCO(一酸化炭素),HC(炭化水素)及びNOx(窒素酸化物)を同時に浄化する三元触媒を使用することができる。
燃料噴射弁22及び点火プラグ24は、マイクロコンピュータ(プロセッサ)を内蔵した電子制御システム100によって制御される。電子制御システム100は、各種センサからの信号を入力し、予め記憶されたプログラムに従って、燃料噴射弁22及び点火プラグ24の各操作量を決定し出力する。燃料噴射弁22による燃料噴射制御においては、例えば、各気筒の吸気行程に合わせて個別の燃料噴射を行う、いわゆる「シーケンシャル噴射制御」が行われる。
電子制御システム100には、吸気流量センサ14の信号に加え、エンジン10の冷却水温度(水温)Twを検出する水温センサ36、エンジン10の回転速度Neを検出する回転速度センサ38、排気中の空燃比A/Fを検出する空燃比センサ40の各信号が入力される。
電子制御システム100は、次のように、燃料噴射弁22及び点火プラグ24を制御する。即ち、電子制御システム100は、吸気流量センサ14及び回転速度センサ38から吸気流量Q及び回転速度Neを夫々読み込み、これらに基づいてエンジン運転状態に応じた基本燃料噴射量を算出する。また、電子制御システム100は、水温センサ36から水温Twを読み込み、基本燃料噴射量を水温Twなどで補正した燃料噴射量を算出する。そして、電子制御システム100は、エンジン運転状態に応じたタイミングで、燃料噴射量に応じた燃料を燃料噴射弁22から噴射し、点火プラグ24を適宜作動させて燃料と吸気との混合気を着火燃焼させる。このとき、電子制御システム100は、空燃比センサ40から空燃比A/Fを読み込み、排気中の空燃比A/Fが理論空燃比に近づくように、燃料噴射弁22をフィードバック制御する。
電子制御システム100は、不揮発性メモリ及び揮発性メモリを有するプロセッサを複数備え、不揮発性メモリにプログラム及び制御データを格納する。そして、電子制御システム100は、プロセッサの異常時に、そのプロセッサに特有の機能を実現するプログラムを、予め他のプロセッサの揮発性メモリに格納しておく。ここで、電子制御システム100としては、例えば、次のような構成のものが考えられる。なお、以下の実施例では、2つのプロセッサを備えた電子制御システム100を説明するが、プロセッサの個数は3つ以上であってもよい。
図2は、電子制御システム100の第1実施例を示す。
電子制御システム100は、マルチコア環境を有する、1台の電子制御装置110から構成される。電子制御装置110は、CAN(Controller Area Network)などの車載ネットワーク200に接続するための通信回路112と、マルチコアプロセッサ114と、を内蔵する。マルチコアプロセッサ114は、プロセッサとしての2つのコア114A及び114Bと、各コア114A及び114Bが夫々独占して使用するメモリ116A及び116Bと、コア114A及び114Bを接続するバス118と、を1つのパッケージに封入したものである。なお、マルチコアプロセッサ114としては、各コア114A及び114Bで共有可能なメモリを有していてもよい。
図3は、電子制御システム100の第2実施例を示す。なお、先の第1実施例と共通する構成については同一符号を付すことで、その説明を省略又は簡略化するものとする(以下同様。)。
電子制御システム100は、マルチプロセッサ環境を有する、1台の電子制御装置120から構成される。電子制御装置120は、車載ネットワーク200に接続するための通信回路122と、2つのプロセッサ124及び126と、を内蔵する。プロセッサ124及び126は、夫々、シングルコアのプロセッサであって、メモリ124A及び126Aを1つのパッケージに封入したものである。
図4は、電子制御システム100の第3実施例を示す。
電子制御システム100は、車載ネットワーク200を介して相互に接続された、2台の電子制御装置130から構成される。各電子制御装置130は、車載ネットワーク200に接続するための通信回路132と、1つのプロセッサ134と、を内蔵する。プロセッサ134は、シングルコアのプロセッサであって、メモリ134Aを1つのパッケージに封入したものである。
なお、電子制御システム100においては、第1〜第3実施例で説明した構成を適宜組み合わせるようにしてもよい。
次に、電子制御システム100の第1〜第3実施例において、共通する技術的思想について説明する。なお、以下の説明では、第1実施例のコア114A及び114B、第2実施例のプロセッサ124及び126、第3実施例の2つのプロセッサ134を、夫々、「プロセッサA」及び「プロセッサB」と称して区別する。また、第1実施例のメモリ116A及び116B、第2実施例のメモリ124A及び126A、第3実施例の2つのメモリ134Aを、夫々、「メモリA」及び「メモリB」と称して区別する。
プロセッサA及びBが独占使用するメモリA及びBは、図5に示すように、揮発性メモリの一例としてのRAM(Random Access Memory)と、不揮発性メモリの一例としてのROM(Read Only Memory)と、を夫々有する。ここで、ROMとしては、例えば、電気的にデータの書き込みが可能な、フラッシュROMを使用することができる。
プロセッサAが独占使用するメモリAのROMには、制御対象を制御するためのプログラムAに加え、プロセッサAに異常が発生した場合に、プロセッサBが独占使用するメモリBのRAMで実行させるプログラム(以下「RAMプログラム」という)Aが予め格納されている。RAMプログラムAは、プロセッサAとプロセッサBの環境が異なる場合、プロセッサBで実行可能なオブジェクトコードで記述されている。ここで、RAMプログラムAとしては、プログラムAにより実現される機能のうち、例えば、リンプホーム機能を実現するプログラムなどが想定される(以下同様)。
一方、プロセッサBが独占使用するメモリBのROMには、制御対象を制御するためのプログラムBに加え、プロセッサBに異常が発生した場合に、プロセッサAが独占使用するメモリAのRAMで実行させるRAMプログラムBが予め格納されている。RAMプログラムBは、プロセッサAとプロセッサBの環境が異なる場合、プロセッサAで実行可能なオブジェクトコードで記述されている。
なお、プログラムA及びBは、制御対象であるエンジン10などを制御するためのプログラムにより実現される機能を2つに分割したモジュールである。
そして、電子制御システム100が起動、要するに、プロセッサA及びBが起動されたことを契機として、メモリAのROMに格納されていたRAMプログラムAをメモリBのRAMに転送して展開すると共に、メモリBのROMに格納されていたRAMプログラムBをメモリAのRAMに転送して展開する。従って、プロセッサA及びBは、RAMにRAMプログラムA及びBが夫々展開されることで、例えば、リンプホーム機能を実現するプログラムを実行することができる。
その後、例えば、プロセッサAに異常が発生した場合、これを検知したプロセッサBは、メモリBのRAMに格納されたRAMプログラムAを実行することで、本来であればプロセッサAで実現される機能を代行することができる。よって、プロセッサA又はBの一方に異常が発生しても、そこに割り付けられた機能を保障することができる。
図6は、電子制御システム100が起動されたことを契機として、プロセッサA及びBが夫々実行する異常監視処理の一例を示す。なお、ここで説明する制御プログラムは、前述したプログラムA及びB並びにRAMプログラムA及びBとは異なるプログラムであって、メモリA及びBのROMに予め格納されている。また、プロセッサA及びB並びにメモリA及びBを区別する必要がない場合には、これらを「プロセッサ」及び「メモリ」と称するものとする。
ステップ1(図では「S1」と略記する。以下同様。)では、プロセッサが、例えば、メモリのROMに格納されている制御データを読み出すなどの初期化を実行する。
ステップ2では、プロセッサが、メモリのROMに格納されているRAMプログラムを他のプロセッサに転送する。
ここで、一のプロセッサから他のプロセッサに転送するRAMプログラムについて、保障したい機能などを考慮して、転送元と転送先、転送対象のRAMプログラムなどを予め設定しておく必要がある。また、RAMプログラムの転送方法についても、例えば、CAN通信を利用する方法、各プロセッサからアクセス可能な共有メモリを利用する方法など、プロセッサ環境に応じて予め設定しておく必要がある。電子制御システム100のプロセッサ環境が共通する場合には、メモリのROMに格納されたプログラムが再配置可能なように設計されていれば、例えば、そのプログラムに含まれるリンプホーム機能の部分だけを他のプロセッサに転送することもできる。
さらに、RAMプログラムのサイズが大きく、電子制御システム100の起動時に転送することが困難である場合には、RAMプログラムを分割して転送してもよい。また、複数のRAMプログラムを転送する場合には、重要度の高いRAMプログラムを起動時に転送し、これよりも重要度の低いRAMプログラムをその後に適宜転送するなど、RAMプログラムの重要度に応じて、その転送タイミングを変更してもよい。但し、プロセッサに異常が発生する前に、RAMプログラムの転送が完了する必要がある。
なお、RAMプログラムの転送中に、電子制御システム100への電源供給が遮断された場合には、メモリのRAMの内容が不定となるため、初期化から再実行すればよい。
ステップ3では、プロセッサが、RAMプログラムの転送元のプロセッサ(他のプロセッサ)に異常が発生(可能性も含む)しているか否かを判定する。RAMプログラム転送元のプロセッサに異常が発生しているか否かは、例えば、一定時間ごとに相互に通信を行い、相手からの通信がない場合に、そのプロセッサに異常が発生したと判定することができる。また、プロセッサに自己診断機能が備えられている場合には、自己診断により異常が発生又は異常が発生する可能があると診断されたときに、相手側に異常発生を通知することで、この通知の有無によりプロセッサに異常が発生したか否かを判定することもできる。そして、プロセッサは、RAMプログラム転送元のプロセッサに異常が発生していると判定すれば処理をステップ4へと進める一方(Yes)、RAMプログラム転送元のプロセッサに異常が発生していないと判定すればステップ3の処理を繰り返す(No)。
ステップ4では、プロセッサが、他のプロセッサから転送されたRAMプログラムのうち、異常が発生したプロセッサから転送されたRAMプログラムを実行する。従って、異常が発生したプロセッサに割り付けられた機能を保障することができる。
ステップ5では、プロセッサが、異常が発生したプロセッサに復旧命令を送信する。復旧命令の送信元及び送信先である2つのプロセッサが共有メモリを有している場合には、共有メモリに復旧命令を書き込むことで、復旧命令を送信することができる。
ステップ6では、プロセッサが、異常が発生したプロセッサから復旧完了通知があったか否かを判定する。そして、プロセッサは、復旧完了通知があったと判定すれば処理をステップ7へと進める一方(Yes)、復旧判定通知がないと判定すれば処理をステップ8へと進める(No)。
ステップ7では、プロセッサが、異常が発生したプロセッサにRAMプログラムを再送する。即ち、異常が発生したプロセッサでは、初期化又はリセットが実行されるので、メモリのRAMに展開されたRAMプログラムが消失する可能性がある。このため、将来の異常発生に備えて、RAMプログラムを再送する。その後、プロセッサは、処理をステップ3へと戻す。
ステップ8では、プロセッサが、異常が発生したプロセッサに復旧命令を送信してから所定時間経過したか否か、要するに、タイムアウトが発生したか否かを判定する。ここで、所定時間としては、例えば、プロセッサの初期化又はリセットに要する時間よりも若干長い時間とすることができる。そして、プロセッサは、復旧命令を送信してから所定時間経過したと判定すれば処理をステップ9へと進める一方(Yes)、復旧命令を送信してから所定時間経過していないと判定すれば処理をステップ6へと戻す(No)。
ステップ9では、プロセッサが、異常が発生したプロセッサが復旧できないことを外部装置に通知する。ここで、外部装置としては、例えば、プロセッサの動作を監視する監視マイコン、故障警告灯などを想定することができる。監視マイコンにプロセッサが復旧できないことを通知した場合には、例えば、その監視マイコンがプロセッサをリセットすることで、プロセッサが正常に復帰する可能性がある。また、故障警告灯にプロセッサが復旧できないことを通知した場合には、これが点灯することで、例えば、車両運転者などに故障発生を報知することができる。なお、リセットなどによってもプロセッサの異常が復旧できない場合には、そのプロセッサを強制的に停止するようにしてもよい。
図7は、プロセッサがRAMプログラムを受信したことを契機として、プロセッサが実行するプログラム展開処理の一例を示す。
ステップ11では、プロセッサが、他のプロセッサから転送されたRAMプログラムを、メモリのRAMに展開する。ここで、RAMプログラムが分割して転送された場合には、プロセッサは、分割されたRAMプログラムを再構築してRAMに展開する。
なお、受信したRAMプログラムの正当性を判断するために、RAMプログラムにCRC(Cyclic Redundancy Check)、チェックサム、パリティなどを付加しておき、これらを利用して正当性をチェックするようにしてもよい。そして、RAMプログラムの正当性が判断できた場合には、そのRAMプログラムの実行を可能にする一方、RAMプログラムの正当性が判断できない場合には、RAMプログラムの再送を依頼するようにすればよい。
図8は、プロセッサが復旧命令を受信したことを契機として、プロセッサが実行する復旧処理の一例を示す。なお、プロセッサが完全に故障した場合には、復旧処理を実行できないことはいうまでもない。
ステップ21では、プロセッサが、例えば、メモリのROMに格納されている制御データを読み出すなどの初期化を実行する。
ステップ22では、プロセッサが、自己診断機能による診断結果を読み込み、初期化により正常に復帰したか否かを判定する。そして、プロセッサは、自己診断結果が正常であると判定すれば処理をステップ23へと進める一方(Yes)、自己診断結果が異常であると判定すれば処理を終了させる(No)。
ステップ23では、プロセッサが、復旧命令の送信元であるプロセッサに、復旧完了通知を送信する。
このような電子制御システム100によれば、電子制御システム100の起動を契機として、各プロセッサのROMに格納されているRAMプログラムが他のプロセッサに転送される。一方、RAMプログラムを受信したプロセッサは、RAMプログラムをRAMに展開し、RAMプログラム転送元のプロセッサの異常発生に備える。そして、あるプロセッサに異常が発生した場合には、そのプロセッサからRAMプログラムが転送されたプロセッサは、RAMに展開されているRAMプログラムを実行することで、異常が発生したプロセッサで実現される機能を代行し、そこに割り付けられていた機能を保障する。
また、異常が発生したプロセッサにおいては、復旧命令に応答して初期化が実行されるため、例えば、ノイズ重畳による演算ミスなどの軽微な異常を復旧させることができる。一方、復旧命令を送信したプロセッサにおいては、復旧命令に対する復旧完了命令が所定時間内になければ、異常が発生したプロセッサは初期化では復旧できないと判断することができる。この場合には、異常が発生したプロセッサが復旧できないことを、監視マイコン、故障警告灯などの外部装置に通知することで、そのプロセッサをリセットしたり、運転者などに故障発生を報知することができる。
異常が発生したプロセッサにのみ接続されているセンサがある場合には、他のプロセッサにおいて、そのセンサで検出したセンサ値を利用することができない。この場合には、他のプロセッサは、他のセンサからセンサ値を推定したり、異常発生までのセンサ値の履歴情報などからセンサ値を推定し、このセンサ値を利用してRAMプログラムの機能を実現するようにすればよい。なお、センサ値として、固定値を用いてもよい。
電子制御システム100が多数のプロセッサを有する場合には、図9(A)に示すように、各プロセッサが他のプロセッサを相互に監視する形態だけではなく、図9(B)及び(C)に示すように、RAMプログラムだけを実行するプロセッサを明確に分けるようにしてもよい。この場合、ROMに格納されたプログラムを実行するプロセッサと、RAMに格納されたRAMプログラムを実行するプロセッサと、が競合したときには、RAMプログラムを実行するプロセッサを優先させることができる。
ここで、前記実施形態から把握し得る請求項以外の技術的思想について、以下に効果と共に記載する。
(イ)前記揮発性メモリに格納するプログラムは、前記プロセッサの起動を契機として、一のプロセッサから他のプロセッサに分割して転送される、ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の自動車用電子制御システム。
かかる構成によれば、前記プログラムが一度に転送できない場合にも、これを分割することで転送することができる。
(ロ)前記揮発性メモリに格納するプログラムは、前記揮発性メモリを有するプロセッサで実行可能なオブジェクトコードで記述されている、ことを特徴とする請求項1〜請求項3、(イ)のいずれか1つに記載の自動車用電子制御システム。
かかる構成によれば、プロセッサ環境が異なるプロセッサにおいて、他のプロセッサに特有の機能を実現するプログラムを実行することができる。
(ハ)前記プロセッサは、マルチコア環境における各コア、マルチプロセッサ環境における各プロセッサ、ネットワークを介して接続された複数の電子制御装置の各プロセッサである、ことを特徴とする請求項1〜請求項3、(イ)、(ロ)のいずれか1つに記載の自動車用電子制御システム。
かかる構成によれば、複数のプロセッサを有する各種の電子制御システムにおいて、各プロセッサに異常が発生しても、そこに割り付けられた機能を保障することができる。
(ニ)前記プロセッサに異常が発生した場合には、初期化を実行する、ことを特徴とする請求項1〜請求項3、(イ)〜(ハ)のいずれか1つに記載の自動車用電子制御システム。
かかる構成によれば、軽微な異常を復帰させることができる。
(ホ)前記初期化を実行しても異常が復帰できない場合には、前記プロセッサをリセットする、ことを特徴とする(ニ)に記載の自動車用電子制御システム。
かかる構成によれば、例えば、プロセッサが暴走しても、これを解消することができる。
(ヘ)前記プロセッサに異常が発生したか否かは、各プロセッサ間で行う通信、自己診断機能に基づいて判定する、ことを特徴とする請求項1〜3、(イ)〜(ホ)のいずれか1つに記載の自動車用電子制御システム。
かかる構成によれば、プロセッサの異常を検知することができる。
100 電子制御システム
110 電子制御装置
114 マルチコアプロセッサ
114A,114B コア(プロセッサ)
116A,116B メモリ
120 電子制御装置
124,126 プロセッサ
124A,126A メモリ
130 電子制御装置
134 プロセッサ
134A メモリ
200 車載ネットワーク

Claims (2)

  1. 不揮発性メモリ及び揮発性メモリを有し、実行可能なプログラムのオブジェクトコードが相互に異なるプロセッサを複数備え、前記不揮発性メモリにプログラム及び制御データを格納した自動車用電子制御システムであって、
    前記プロセッサの異常時に該プロセッサに特有の機能を実現するプログラムを、他のプロセッサで実行可能なオブジェクトコードで記述して前記プロセッサの前記不揮発性メモリに格納しておき、少なくとも前記プロセッサの起動時に、当該プロセッサから他のプロセッサに転送して当該他のプロセッサの前記揮発性メモリに格納しておく、
    ことを特徴とする自動車用電子制御システム。
  2. 前記揮発性メモリに格納するプログラムは、前記プロセッサの前記揮発性メモリに展開されることで実行可能となる、ことを特徴とする請求項1に記載の自動車用電子制御システム。
JP2012193059A 2012-09-03 2012-09-03 自動車用電子制御システム Active JP6129499B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012193059A JP6129499B2 (ja) 2012-09-03 2012-09-03 自動車用電子制御システム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012193059A JP6129499B2 (ja) 2012-09-03 2012-09-03 自動車用電子制御システム

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2014049013A JP2014049013A (ja) 2014-03-17
JP6129499B2 true JP6129499B2 (ja) 2017-05-17

Family

ID=50608583

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012193059A Active JP6129499B2 (ja) 2012-09-03 2012-09-03 自動車用電子制御システム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6129499B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN107710162A (zh) * 2015-07-01 2018-02-16 日立汽车系统株式会社 电子控制装置及栈使用方法

Families Citing this family (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6165677B2 (ja) * 2014-06-06 2017-07-19 本田技研工業株式会社 電子制御システム
JP6293612B2 (ja) * 2014-08-07 2018-03-14 本田技研工業株式会社 車両用制御装置
JP6698320B2 (ja) 2015-11-16 2020-05-27 日立オートモティブシステムズ株式会社 処理装置および車両制御システム
JP6681304B2 (ja) * 2016-09-29 2020-04-15 日立オートモティブシステムズ株式会社 自動車用制御装置及び自動車用内燃機関制御装置
JP6660902B2 (ja) * 2017-03-10 2020-03-11 日立オートモティブシステムズ株式会社 自動車用電子制御装置
JP6504283B2 (ja) * 2018-02-07 2019-04-24 日本精工株式会社 電動パワーステアリング装置の制御装置
JP6877475B2 (ja) * 2019-03-11 2021-05-26 日立Astemo株式会社 電子制御装置及びスタック使用方法
JP7334552B2 (ja) * 2019-09-17 2023-08-29 株式会社デンソー 電子制御装置
JP6998434B2 (ja) * 2020-09-04 2022-01-18 日立Astemo株式会社 自動車用電子制御装置

Family Cites Families (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH1131086A (ja) * 1997-07-11 1999-02-02 Mazda Motor Corp 電子機器装置
DE19983595B3 (de) * 1999-04-09 2011-12-01 Mitsubishi Denki K.K. CPU-Einheit und Laufalternativ-Steuerverfahren eines programmierbaren Steuerers
JP3967599B2 (ja) * 2002-01-28 2007-08-29 株式会社デンソー 車両用電子制御装置
JP2003263330A (ja) * 2002-03-08 2003-09-19 Matsushita Electric Ind Co Ltd プログラム実行装置
JP2004310252A (ja) * 2003-04-03 2004-11-04 Matsushita Electric Ind Co Ltd マルチプロセッサシステムの故障復帰方法
JP4635032B2 (ja) * 2007-08-07 2011-02-16 株式会社東芝 記憶制御装置の制御プログラムの更新方法
JP5601127B2 (ja) * 2010-09-28 2014-10-08 株式会社デンソー 制御装置
WO2012105174A1 (ja) * 2011-01-31 2012-08-09 パナソニック株式会社 プログラム生成装置、プログラム生成方法、プロセッサ装置及びマルチプロセッサシステム

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN107710162A (zh) * 2015-07-01 2018-02-16 日立汽车系统株式会社 电子控制装置及栈使用方法
CN107710162B (zh) * 2015-07-01 2022-06-03 日立安斯泰莫株式会社 电子控制装置及栈使用方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2014049013A (ja) 2014-03-17

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6129499B2 (ja) 自動車用電子制御システム
US11725564B2 (en) Diagnostic methods for a high efficiency exhaust aftertreatment system
CN101988416B (zh) 柴油机后处理系统中检测和缓解多余放热的方法
US8096111B2 (en) Reduction of NOx trap at engine shutoff
US8707677B2 (en) System and method for controlling a nitrogen oxide sensor
US20120291629A1 (en) Pressure sensor disconnection detection systems and methods
EP1898061A1 (en) Exhaust gas purification system and method for internal combustion engine
JPWO2014002866A1 (ja) 異常診断装置及び内燃機関の排気浄化装置
US20130283767A1 (en) Oxidation catalyst monitoring
CN106257023B (zh) 用于运行内燃机的方法和用于实施该方法的控制装置
JP2006327217A (ja) 車両制御用プログラム及び車両用電子制御装置
JP3883842B2 (ja) 車両用電子制御装置
JP4702322B2 (ja) 内燃機関の制御装置
JP3799795B2 (ja) 車両診断システム
JP2014061793A (ja) 自動車用電子制御装置
JP2016170567A (ja) 自動車用電子制御装置
JP2011149365A (ja) 還元剤噴射弁の漏れ診断装置及び漏れ診断方法並びに内燃機関の排気浄化装置
US20180328252A1 (en) Exhaust Gas Control System for Internal Combustion Engine and Method of Controlling Exhaust Gas Control System for Internal Combustion Engine
JP6275790B2 (ja) 自動車用電子制御装置
Nanjundaswamy et al. OBD diagnostic strategies for LEVIII exhaust gas aftertreatment concepts
US10392993B1 (en) Exhaust gas control apparatus for internal combustion engine
JP2002132533A (ja) 自己診断機能を備えた車両用制御装置及び記録媒体
KR20200111469A (ko) 차량용 촉매의 고장 판단 시스템 및 방법
JP7149210B2 (ja) 電子制御装置
JP2565141B2 (ja) 自動車における負荷分担制御方法

Legal Events

Date Code Title Description
RD03 Notification of appointment of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7423

Effective date: 20140528

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20150128

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20160127

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20160216

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20160418

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20160906

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20161107

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20170404

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20170412

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6129499

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250