JP4448588B2 - ノン・トレイ包装用袋の製造法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、内容物(たとえば乾物など嵩があり軽量なもの)をトレイなしで包装するのに適したノン・トレイ包装用袋の工業的な製造法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
干し椎茸、魚介類の干物、海藻類の干物など、ある程度の嵩がある軽量で乾燥した食品については、これを「トレイ」に入れた状態で通常の袋に充填包装し、流通に供し、かつ店頭に陳列するのが通常である。
【0003】
最近においては、包材の廃棄量を減ずる目的で、トレイをなくすことが試みられている。たとえば青果物の包装を、包材フィルムのシールを工夫することにより立体形状の包装として、ノン・トレイとすることがなされるようになってきている。このときの袋底部は、船形としたり、円形底としたりする。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
トレイを使用する包装は、トレイの分だけコスト高になる上、重量的にも不利になり、焼却などの廃棄処理に際してもそれだけ負担になる。また袋の材質とトレイの材質とは一般に異なることが多いが、焼却処理を考えると袋とトレイとが異種材料からなることはできるだけ避けたいという事情もある。
【0005】
包材の重量を減らすこと、包材として焼却処理しやすい材料を選択することは、現在においては不可欠の条件である。そのため、トレイなしの包装用袋を使うことが強く望まれる。
【0006】
ところが、トレイなし包装では、内容物が乾物のように嵩がある軽量なものの場合には、袋内で内容物が偏ったり陳列時に袋が腰折れしたりすることがあり、店頭での陳列に際し見劣りするようになることを免れない。
【0007】
本発明は、このような背景下において、(a) トレイを使わないことにより、廃棄時の焼却を容易にすること、包材の重量および容積を低減すること、異種材料のプラスチックスの混在をできるだけ避けること、(b) 嵩のある内容物が袋内で偏在することを防止すること、(c) 陳列時に包装体が腰折れしないようにすること、などの解決課題を解消したノン・トレイ包装用袋を、工業的に有利に製造する方法を提供することを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明のノン・トレイ包装用袋の製造法は、
表裏のシート(S), (S)から形成されると共に、1辺が開口辺(11)となり、残りの辺が封止辺(12)となった基本構造を有し、かつトレイなしで内容物を包装するためのノン・トレイ包装用の袋(1) を製造するにあたり、
(イ)原反供給ロールから繰り出した原反シート(S')を半裁し、それぞれの半裁シート(S), (S)を下流に送る工程A、
(ロ)上下の半裁シート(S), (S)が重ね合わせられた状態で、中央線領域および両耳端側領域にシート進行方向にヒートシールを行って、中央線ヒートシール帯(3) と両耳端側ヒートシール帯(4), (4)とを形成する工程B、
(ハ)シート巾方向にヒートシールを行って、巾方向ヒートシール帯(5) を形成する工程C、
(ニ)上記の中央線ヒートシール帯(3) 、耳端側ヒートシール帯(4) または巾方向ヒートシール帯(5) から、これらのヒートシール帯で囲まれた領域に向けて櫛歯状に張り出すように、表裏のシート(S), (S)を融着するリブ状シール帯(2) をヒートシールにより形成する工程D、
(ホ)中央線ヒートシール帯(3) の帯域の中心線に沿ってカットを行い、左右の袋列に切り離す工程E、
(ヘ)巾方向ヒートシール帯(5) から少し外れた線に沿ってシート巾方向にカットを行い、個別の袋となす工程F、
(ト)前工程Fで個別にされた袋を下流に導出する工程G
の各工程を、この順序でまたは工程B、C、Dについては任意の順序実施すること
これにより、(I)前記の封止辺(12)のうちの少なくとも1つの辺の側から、袋中央領域に向けて櫛歯状に張り出すように、表裏のシート(S), (S)を融着するリブ状シール帯(2) が形成され、かつ、(II)前記の封止辺(12)から張り出し形成してあるリブ状シール帯(2) の長さLが、その封止辺(12)と対向辺との間の長さLo の10〜25%であること、の条件を満足する袋(1) を製造すること、
を特徴とするものである。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下本発明を詳細に説明する。
【0010】
《ノン・トレイ包装用袋》
本発明の方法により製造されるノン・トレイ包装用袋は、トレイなしで内容物を包装するノン・トレイ包装用の袋(1) からなる。
【0011】
〈基本構造〉
この袋(1) は、表裏のシート(S), (S)から形成され、1辺が開口辺(11)となりかつ残りの辺が封止辺(12)となった基本構造を有している。袋(1) の形状は矩形とするのが通常であるが、袋の隅を斜めにカットまたはシールしたような形状とすることもできる。封止辺(12)は、ヒートシールにより形成することが多いが、一部の封止辺(12)については、シート(S) の折り返し辺をそのまま利用することもできる。内容物は、袋(1) の開口辺(11)から充填され、その開口辺(11)が封止されて包装体となる。袋(1) は、場合によっては立垂可能な構造とすることもできる。
【0012】
〈シート(S) 〉
シート(S) としては、典型的には、基材フィルム/シーラント層からなる積層フィルムが好適に用いられる。他に、エチレン含量が20〜60モル%のエチレン−ビニルアルコール共重合体、アクリロニトリル含量の高いアクリロニトリル系重合体、金属蒸着層などのガスバリア性を有する層を含んでいてもよく、また基材フィルムに代えてまたは基材フィルムと共に金属箔、紙、不織布などの層を含んでいてもよい。しかしながら、一般には防湿性があれば足りることが多いので、基材フィルム/シーラント層からなる積層フィルムを用いることが多い。
【0013】
基材フィルム/シーラント層からなる積層フィルムにおける基材フィルムとしては、二軸延伸ポリプロピレンフィルム(OPP)、二軸延伸ナイロンフィルム(ONy)、二軸延伸ポリエステルフィルム(PET)、無延伸ポリプロピレンフィルム、無延伸ナイロンフィルムなどがあげられる。シーラント層としては、低密度ポリエチレン(LDPE)、リニア低密度ポリエチレン(LLDPE)、中密度ポリエチレン(MDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン−アクリル酸エステル共重合体、アイオノマー、エチレン−プロピレン共重合体等のポリエチレン系樹脂、CPPと称されるポリプロピレン系樹脂をはじめ、ヒートシール性を有する種々の樹脂の層があげられる。これらの中では、廃棄後の焼却処理を考えると、基材フィルムが二軸延伸ポリプロピレンフィルムで、シーラント層がCPPのようなポリオレフィンである場合が特に重要である。
【0014】
基材フィルムとシーラント層との積層は、ドライラミネート、ウエットラミネート、共押出、エクストルージョンコーティングなどの方法によりなされ、特にドライラミネート法を採用することが多い。基材フィルムの内面側または/および外面側(特に内面側)には、予めパターン印刷および/またはベタ印刷を施しておくことができる。
【0015】
〈リブ状シール帯(2) 〉
上述のように、袋(1) は、表裏のシート(S), (S)から形成され、1辺が開口辺(11)となりかつ残りの辺が封止辺(12)となった基本構造を有しているが、その封止辺(12)のうちの少なくとも1つの辺の側から、袋中央領域に向けて櫛歯状に張り出すように、表裏のシート(S), (S)を融着するリブ状シール帯(2) が形成されるようにする。この点が本発明のポイントとなる特徴点である。
【0016】
封止辺(12)から張り出したリブ状シール帯(2) の長さLは、その封止辺(12)と対向辺との間の長さLo の10〜25%に設定される。Lo が200mm程度のごく標準的な大きさの袋の場合、リブ状シール帯(2) の長さLは20〜50mm程度となる。Lの長さが余りに短いときは隔壁設置の効果が乏しく、一方Lの長さが余りに長いときは内容物を収容するスペースが少なくなるからである。
【0017】
封止辺(12)から張り出したリブ状シール帯(2) の巾および本数は、袋(1) の大きさにもよるが、巾については2〜20mm程度(特に3〜15mm程度)、本数については封止辺(12)の1辺当り1〜5本程度(特に2〜4本程度)とすることが多い。ただし、ミシン目のような細い断続線状とするときは、巾を1mm程度にまで細くしたり、本数を上記よりはるかに多くしたりすることもできる。
【0018】
リブ状シール帯(2) の設置本数が複数の場合、隣接するリブ状シール帯(2), (2)間の間隔は適宜に定められるものの、袋(1) の大きさおよび内容物の大きさにもよるが、15〜100mm程度(特に20〜70mm程度)とすることが多い。
【0019】
封止辺(12)から複数本のリブ状シール帯(2) が張り出すようにしたときは、それぞれのリブ状シール帯(2) の長さ、形状、間隔などが異なるようにしてもよい。
【0020】
リブ状シール帯(2) の形状は、直線状、断続線状、あるいはそれらの変形形状などとするのが通常である。図5(イ)〜(ト)は、リブ状シール帯(2) の形状のいくつかの例を、その本数が1袋につき2本の場合について示したものである。
【0021】
リブ状シール帯(2) は、封止辺(12)から直角状に張り出すようにすることが多いが、隣接するリブ状シール帯(2) の先端側が互いに接近または離れるように斜傾させても差し支えない。
【0022】
〈使用時の開口部側の工夫〉
袋の開口部となる側(先の開口辺(11)の側とは限らない)には、消費者に渡った段階での使用時の開口を容易にするため、ノッチ、ミシン目、テープなどを設けることができる。また、一旦開口した後の再封止が可能なように、嵌合式のジッパーを設けておくこともできる。
【0023】
〈内容物〉
本発明の方法により製造されるノン・トレイ包装用袋に充填する内容物としては、干し椎茸、干しキクラゲ、干瓢、魚介類の干物、乾燥エビ、干し海藻類、焼き海苔、高野豆腐、珍味類、インスタント食品(麺類、固形の具、固形の粥、固形スープ等)、パン、スナック菓子、干し大根などの食品や、漢方薬などの医薬品などがあげられるが、乾燥水苔、昆虫標本、雑貨類をはじめとする種々の非食品であっても差し支えない。内容物は乾燥物または軽量物とすることが多いが、それらに限定されず、多種多様の内容物を包装することができる。
【0024】
《ノン・トレイ包装用袋の製造法》
本発明のノン・トレイ包装用袋は、工業的な連続製袋工程を考慮して、以下に述べる方法によって製造される。下記の工程により製造される包装用袋は、シート巾方向に左右2個の袋を取る場合(2丁取りの場合)の一例である。
【0025】
〈工程A〉
工程Aは、原反供給ロールから繰り出した原反シート(S')を半裁し、それぞれの半裁シート(S), (S)を下流に送る工程である。原反シート(S')はこの工程Aではテンションを一定に保つため一定速度で供給されるが、工程Aで緩衝され、次の工程B以降では、半裁シート(S), (S)は典型的には個別の袋としたときの1袋分を1ピッチとして間欠走行することになる。
【0026】
〈工程B〉
工程Bは、上下の半裁シート(S), (S)が重ね合わせられた状態で、中央線領域および両耳端側領域にシート進行方向にヒートシールを行って、中央線ヒートシール帯(3) と両耳端側ヒートシール帯(4), (4)とを形成する工程である。中央線ヒートシール帯(3) は、後の工程Eにおいてその中心線に沿ってカットを行うので、個別の袋としたときの周辺シール帯の2倍の巾とする。
【0027】
〈工程C〉
工程Cは、シート巾方向にヒートシールを行って、巾方向ヒートシール帯(5) を形成する工程である。シールの完全を期するため、シーラーによる熱溶融操作を多段階に行うこともできる。
【0028】
〈工程D〉
工程Dは、上記の中央線ヒートシール帯(3) 、耳端側ヒートシール帯(4) または巾方向ヒートシール帯(5) から、これらのヒートシール帯で囲まれた領域に向けて櫛歯状に張り出すように、表裏のシート(S), (S)を融着するリブ状シール帯(2) をヒートシールにより形成する工程である。このときのリブ状シール帯(2) は、後述の図2の工程Dのように巾方向ヒートシール帯(5) からシート走行方向の前後のうち1方向に張り出すようにしたり、図4の工程Dのように中央線ヒートシール帯(3) からシート巾方向の双方に張り出すようにしたりすることが多いが、耳端側ヒートシール帯(4) から張り出すようにしたり、巾方向ヒートシール帯(5) からシート走行方向の前後の2方向に張り出すようにしたり、シール帯(2), (3), (4) のうちの2以上から張り出すようにしたりすることもできる。
【0029】
〈工程E〉
工程Eは、中央線ヒートシール帯(3) の帯域の中心線に沿ってカットを行い、左右の袋列に切り離す工程である。この工程Eは、たとえば、走行するシートの上からカッター刃を当てることによりなされる。この工程Eにおいては、左右の袋列への切り離しがなされるが、左右の袋列においてはまだ前後方向(シート走行方向)に袋が連設している状態にある。なお、この工程Eにおいては、後述の図2の工程Eのように、シート両耳端のトリミングも同時に行うことができる。
【0030】
〈工程F〉
工程Fは、巾方向ヒートシール帯(5) から少し外れた線に沿ってシート巾方向にカットを行い、個別の袋となす工程である。このときのカットは、たとえばギロチン式のカッターによりなされる。
【0031】
〈工程G〉
工程Gは、前工程Fで個別にされた袋を下流に導出する工程である。導出された袋は、計数され、ケースなどに収容される。
【0032】
〈工程の変形〉
上述の工程は、若干の変形が可能である。たとえば、工程B、C、Dにおけるシール帯(3), (4), (5), (2)の形成(殊に工程C、Dにおけるシール帯(5), (2)の形成)を任意の順序で行ったり、2種以上のシール帯の形成を同時に行ったりすることも可能である。工程Eにおけるカットを中央線ヒートシール帯(3) から少し外れた線に沿って行うと共に、工程Fにおけるカットを巾方向ヒートシール帯(5) の中心線に沿って行うこともできる。工程Cにおける巾方向ヒートシール帯(5) の形成を直線状に行わずに変形形状に行って、個別の袋としたきに袋の隅が斜めにカットまたはシールされた形状とすることもできる。あるいはまた、上記のようにシート巾方向に袋を2個取りする2丁取りに代えて、1丁取り、3丁取り、4丁取りなどとすることもできる。もし必要なら、工程EまたはFあるいはその前後において、打ち抜き刃を用いて、袋の形状を整える化粧カットを行うこともできる。
【0033】
【実施例】
次に実施例をあげて本発明をさらに説明する。
【0034】
実施例1
図1は本発明の方法により得られたノン・トレイ包装用袋の一例を示した正面図である。図2は図1のノン・トレイ包装用袋の製造法の一例を示した説明図である。
【0035】
基材フィルムの一例としての厚み40μm の長尺のOPP(二軸延伸ポリプロピレンフィルム)と、シーラント層の一例としての厚み20μm の長尺のCPP(ポリプロピレン系樹脂フィルム)とを準備した。基材フィルムの内面側には予め印刷を施しておいた。この基材フィルムにシーラント層をドライラミネートして、原反シート(S')となした。OPPとして厚めのものを使用したのは、腰を出すためである。CPPとしては、必要に応じて帯電防止グレードのものなどを用いることもできる。
【0036】
この原反シート(S')を用いて、次の工程に従って製袋を行った。
【0037】
まず工程Aにおいては、この原反シート(S')を原反供給ロールにセットし、そこから繰り出した原反シート(S')を半裁(半巾に裁断)し、それぞれの半裁シート(S), (S)を下流に送った。なお、原反シート(S')はこの工程Aではテンションを一定に保つため一定速度で供給されるが、工程Aで緩衝され、次の工程B以降では、シートは個別の袋としたときの1袋分を1ピッチとして間欠走行させた。(図2の(イ)参照)
【0038】
工程Bにおいては、上下の半裁シート(S), (S)が重ね合わせられた状態で、シーラーを用いて中央線領域および両耳端側領域にシート進行方向にヒートシールを行って、中央線ヒートシール帯(3) と両耳端側ヒートシール帯(4), (4)との3条のシール帯を形成させた。中央線ヒートシール帯(3) の巾は14mm、両耳端側ヒートシール帯(4), (4)の巾はそれぞれ10mm、10mmとなるようにした。(図2の(ロ)参照)
【0039】
工程Cにおいては、シーラーを用いてシート巾方向にヒートシールを行って、巾方向ヒートシール帯(5) を形成させた。巾方向ヒートシール帯(5) の巾は7mmとなるようにした。(図2の(ハ)参照)
【0040】
工程Dにおいては、上記の巾方向ヒートシール帯(5) から、上記の中央線ヒートシール帯(3) 、耳端側ヒートシール帯(4) および巾方向ヒートシール帯(5) で囲まれた領域に向けて(この例ではシート進行方向の前後のうち前方に向けて))櫛歯状に張り出すように、表裏のシート(S), (S)を融着するリブ状シール帯(2) をヒートシールにより形成した。
(図2の(ニ)参照)
【0041】
工程Eにおいては、走行するシートの上からカッター刃を当てて、中央線ヒートシール帯(3) の帯域の中心線に沿ってカットを行い、左右の袋列に切り離した(この切り放し後も、シート進行方向の前後に袋が連設している状態にある)。このときには、シート両耳端の各3mm巾のトリミングも併せて行った。(図2の(ホ)参照)
【0042】
工程Fにおいては、ギロチン式のカッターを用いて、巾方向ヒートシール帯(5) から少し外れた線に沿って(この例ではシール帯(5) から見てシート進行方向の後側に少し外れた線に沿って)シート巾方向にカットを行い、個別の袋となした。(図2の(ヘ)参照)
【0043】
工程Gにおいては、前工程Fで個別にされた袋を下流に導出し、導出された袋を手作業で計数すると共にケースへ収容した。(図2の(ト)参照)
【0044】
これにより、図1に示した袋(1) からなるノン・トレイ包装用袋が得られた。各部の寸法は図1に付記してある。
【0045】
この袋(1) は、1辺(図1の上辺)が開口辺(11)となり、残りの辺が封止辺(12)となっている。封止辺(12)のうち図1の底辺は、製袋時の巾方向ヒートシール帯(5) で構成されている。図1のサイド辺のうち片方は、製袋時の中央線ヒートシール帯(3) の半分で構成され、他方は製袋時の耳端側ヒートシール帯(4) で構成されている。
【0046】
そして、上記の封止辺(12)のうち図1の底辺となる封止辺(巾方向ヒートシール帯(5) )から袋中央領域に向けて張り出すように、表裏のシート(S), (S)を融着する直線形状のリブ状シール帯(2) が2本形成されている。
【0047】
図1に示した袋(1) に内容物の一例としての干し椎茸を15〜30グラム充填してから、開口辺(11)側をヒートシールして包装体となし、流通を模した工程に供し、陳列試験を行ったが、トレイなしの包装であるにもかかわらず、嵩のある軽量の内容物(干し椎茸)の偏り防止が図られると共に、陳列時の包装体の腰折れ防止が図られた。
【0048】
実施例2
図3は本発明のの方法により得られたノン・トレイ包装用袋の他の一例を示した正面図である。図4は図3のノン・トレイ包装用袋の製造法の一例を示した説明図である。
【0049】
この実施例2においては、実施例1における工程Dを次のように変更した。すなわち、工程Dにおいては、中央線ヒートシール帯(3) から、中央線ヒートシール帯(3) 、耳端側ヒートシール帯(4) および巾方向ヒートシール帯(5) で囲まれた領域に向けて(この例ではシート巾方向の両側に向けて)櫛歯状に張り出すように、表裏のシート(S), (S)を融着するリブ状シール帯(2) をヒートシールにより形成した。(図4の(ニ)参照)
【0050】
これにより、図3に示した袋(1) からなるノン・トレイ包装用袋が得られた。各部の寸法は図3に付記してある。
【0051】
この袋(1) は、1辺(図3の右辺)が開口辺(11)となり、残りの辺が封止辺(12)となっている。封止辺(12)のうち図3の底辺は、製袋時の中央線ヒートシール帯(3) の半分で構成されている。図3の片方のサイド辺は、製袋時の巾方向ヒートシール帯(5) で構成され、図3の上辺は、製袋時の耳端側ヒートシール帯(4) で構成されている。
【0052】
そして、上記の封止辺(12)のうち図3の底辺となる封止辺(中央線ヒートシール帯(3) の半分)から袋中央領域に向けて張り出すように、表裏のシート(S), (S)を融着する直線形状のリブ状シール帯(2) が2本形成されている。
【0053】
図3に示した袋(1) に内容物の一例としての干し椎茸を15〜20グラム充填してから、開口辺(11)側をヒートシールして包装体となし、流通を模した工程に供し、陳列試験を行ったが、トレイなしの包装であるにもかかわらず、嵩のある軽量の内容物(干し椎茸)の偏り防止が図られると共に、陳列時の包装体の腰折れ防止が図られた。
【0054】
【発明の効果】
本発明によれば、次のようなすぐれた効果が奏される。
(a) トレイを使わないので、包材は袋だけとなる。従って、廃棄時の焼却が容易となり、包材の重量および容積を低減することができ、また異種材料のプラスチックスの混在をできるだけ避けることができる。
(b) 嵩のある内容物の袋内での偏在を有効に防止することができる。
(c) リブ状シール帯(2) により剛性が上がるので、陳列時の包装体の腰折れを防止することができる。
(d) ヒートシールのみ工夫することにより包装用袋が得られるので、製造コスト的にも有利である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のの方法により得られたノン・トレイ包装用袋の一例を示した正面図である。
【図2】 図1のノン・トレイ包装用袋の製造法の一例を示した説明図である。
【図3】 本発明のの方法により得られたノン・トレイ包装用袋の他の一例を示した正面図である。
【図4】 図3のノン・トレイ包装用袋の製造法の一例を示した説明図である。
【図5】 リブ状シール帯(2) の形状の例を示した説明図である。
【符号の説明】
(S')…原反シート、
(S) …シート、半裁シート、
(1) …袋、
(11)…開口辺、(12)…封止辺、
(2) …リブ状シール帯、
(3) …中央線ヒートシール帯、
(4) …耳端側ヒートシール帯、
(5) …巾方向ヒートシール帯

Claims (1)

  1. 表裏のシート(S), (S)から形成されると共に、1辺が開口辺(11)となり、残りの辺が封止辺(12)となった基本構造を有し、かつトレイなしで内容物を包装するためのノン・トレイ包装用の袋(1) を製造するにあたり、
    (イ)原反供給ロールから繰り出した原反シート(S')を半裁し、それぞれの半裁シート(S), (S)を下流に送る工程A、
    (ロ)上下の半裁シート(S), (S)が重ね合わせられた状態で、中央線領域および両耳端側領域にシート進行方向にヒートシールを行って、中央線ヒートシール帯(3) と両耳端側ヒートシール帯(4), (4)とを形成する工程B、
    (ハ)シート巾方向にヒートシールを行って、巾方向ヒートシール帯(5) を形成する工程C、
    (ニ)上記の中央線ヒートシール帯(3) 、耳端側ヒートシール帯(4) または巾方向ヒートシール帯(5) から、これらのヒートシール帯で囲まれた領域に向けて櫛歯状に張り出すように、表裏のシート(S), (S)を融着するリブ状シール帯(2) をヒートシールにより形成する工程D、
    (ホ)中央線ヒートシール帯(3) の帯域の中心線に沿ってカットを行い、左右の袋列に切り離す工程E、
    (ヘ)巾方向ヒートシール帯(5) から少し外れた線に沿ってシート巾方向にカットを行
    い、個別の袋となす工程F、
    (ト)前工程Fで個別にされた袋を下流に導出する工程G
    の各工程を、この順序でまたは工程B、C、Dについては任意の順序実施すること
    これにより、(I)前記の封止辺(12)のうちの少なくとも1つの辺の側から、袋中央領域に向けて櫛歯状に張り出すように、表裏のシート(S), (S)を融着するリブ状シール帯(2) が形成され、かつ、(II)前記の封止辺(12)から張り出し形成してあるリブ状シール帯(2) の長さLが、その封止辺(12)と対向辺との間の長さLo の10〜25%であること、の条件を満足する袋(1) を製造すること、
    を特徴とするノン・トレイ包装用袋の製造法。
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