JP4446879B2 - 走行模擬試験システム - Google Patents

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Description

本発明は、車両の性能検査において、指定された運転条件に応じて仮想的に制動トルクや走行抵抗トルクなどの負荷トルクを、車両の駆動源からの出力を伝える出力軸に連結された負荷装置に発生させることで、車両の走行状態を模擬する走行状態模擬装置に関する。
車両の性能試験を行う走行状態試験システムとして、例えば特許文献1に開示されたシステムがある。特許文献1に示すようなシステムでは、実際の車両に搭載されるブレーキシステムを搭載せずに、ドライブシャフトに直結した負荷吸収モータがドライブシャフトに負荷トルクを発生させることで駆動出力を吸収し車両走行状態を模擬し、各々の性能試験を実施する。また、負荷吸収モータに発生させる負荷トルクは、車両重量などの各種車両諸元や車速の時間変化、勾配抵抗やスリップ率などの道路条件が示された運転条件に基づいて算出される。特許文献1に示すようなシステムによれば、実際の車両に搭載されるブレーキシステムを搭載することなく、模擬的に車両走行状態を作り出し、車両の各種性能試験を行うことができる。
しかしながら、従来のシステムでは、実際の車両において行われる図10に示すような、波形状を有する波状路1の走行試験を実現することはできなかった。
特開平11−125583号公報 特開平08−334439号公報 特開2000−35380号公報 特開2000−97811号公報
本発明は、車両の性能検査において、波状路を想定した車両走行の模擬を実現できる走行状態模擬装置を提供することを目的とする。
本発明に係る走行模擬試験システムは、車両の駆動源からの出力を伝える出力軸に駆動輪の代わりに連結される負荷装置の負荷トルクを制御することで、車両の走行状態を模擬する走行模擬試験システムにおいて、予め指定された運転条件に基づいて前記負荷装置の負荷トルクを算出する負荷トルク算出部であって、車両の波状路走行状態を模擬する場合、前記運転条件に基づいて定められる波状路走行トルクを含めて、前記負荷トルクを算出する負荷トルク算出部、を備え、前記負荷トルク算出部は、前記車両の所定位置からの走行距離と関連づけて波状路走行トルクが予め登録された記憶部から、前記運転条件に基づいて定まる前記車両の所定位置からの走行距離に対応する波状路走行トルクを取得し、取得した波状路走行トルクを含めて、前記負荷トルクを算出することを特徴とする。
本発明に係る走行模擬試験システムの1つの態様では、前記負荷トルク算出部は、前記車両の所定位置からの走行距離と、前記車両の走行速度とに関連づけた波状路走行トルクが予め登録された記憶部から、前記運転条件に基づいて定まる前記車両の所定位置からの走行距離と、前記運転条件に基づいて定まる前記車両の走行速度とに対応する波状路走行トルクを取得し、取得した波状路走行トルクを含めて、前記負荷トルクを算出する、ことを特徴とする。
本発明に係る走行模擬試験システムの1つの態様では、前記負荷トルク算出部は、前記車両の所定位置からの走行距離と、前記車両の加速度とに関連づけた波状路走行トルクが予め登録された記憶部から、前記運転条件に基づいて定まる前記車両の所定位置からの走行距離と、前記運転条件に基づいて定まる前記車両の加速度とに対応する波状路走行トルクを取得し、取得した波状路走行トルクを含めて、前記負荷トルクを算出する、ことを特徴とする。
本発明に係る走行模擬試験システムの1つの態様では、前記負荷トルク算出部は、前記車両の所定位置からの走行距離と、前記車両の走行速度及び加速度とに関連づけた波状路走行トルクが予め登録された記憶部から、前記運転条件に基づいて定まる前記車両の所定位置からの走行距離と、前記運転条件に基づいて定まる前記車両の速度及び加速度とに対応する波状路走行トルクを取得し、取得した波状路走行トルクを含めて、前記負荷トルクを算出する、ことを特徴とする。
本発明に係る走行模擬試験システムの1つの態様では、前記駆動源には、エンジンおよびモータを含む、ことを特徴とする。
本発明に係る走行状態模擬装置は、車両の波状路走行状態を模擬するために、前記車両の駆動源からの出力を伝える出力軸に連結され、その出力軸に負荷トルクを発生させる負荷装置に対して、指定された運転条件に応じた負荷トルク発生指令を出力する走行状態模擬装置であって、前記車両の所定位置からの走行距離を算出する走行距離算出手段と、前記走行距離算出手段で算出した走行距離と、前記運転条件に示された波状路を構成する波形状の波状路波長と、波状路高さとに応じて、波状路走行トルクを算出する波状路走行トルク算出手段と、前記波状路走行トルク算出手段で算出した波状路走行トルクを含めて、前記運転条件に応じた負荷トルクを算出する負荷トルク算出手段と、算出された負荷トルクに基づく負荷トルク発生指令を前記負荷装置に出力する指令出力手段と、を備えることを特徴とする。
上記構成によれば、車両の走行距離と、運転条件に示された波状路を構成する波形状の波状路波長と、波状路高さとに応じて、波状路走行トルクを算出し、その波状路走行トルクを含めて、負荷装置に発生させるべき負荷トルクを算出する。これにより、波状路走行時に車輪と路面との接点で発生する路面に対して垂直方向の力を考慮して、負荷装置に対して負荷トルクを発生させることができる。よって、波状路走行時における車両の走行をより忠実に再現し、各種性能試験を行うことができる。
本発明に係る走行状態模擬装置は、車両の波状路走行状態を模擬するために、前記車両の駆動源からの出力を伝える出力軸の両端にそれぞれ連結され、その出力軸の各端にそれぞれ負荷トルクを発生させる各負荷装置に対して、指定された運転条件に応じた負荷トルク発生指令をそれぞれ出力する走行状態模擬装置であって、前記走行距離算出手段で算出した走行距離と、前記運転条件に前記負荷装置ごとに示された波状路を構成する波形状の波状路波長と、波状路高さとに応じて、前記負荷装置ごとに波状路走行トルクを算出する波状路走行トルク算出手段と、前記波状路走行トルク算出手段で算出した各波状路走行トルクを含めて、前記運転条件に応じた負荷トルクを前記負荷装置ごとに算出する負荷トルク算出手段と、算出された各負荷トルクに基づく負荷トルク発生指令を前記各負荷装置に対して出力する指令出力手段と、を備えることを特徴とする。
上記構成によれば、車両の走行距離と、運転条件に負荷装置ごとに示された波状路を構成する波形状の波状路波長と、波状路高さとに応じて、負荷装置ごとに波状路走行トルクを算出し、各波状路走行トルクを用いて、負荷装置ごとに負荷トルクを算出する。そして、算出された各負荷トルクに基づく負荷トルク発生指令を各負荷装置に対して出力する。これにより、左右駆動輪で異なる形状の波状路の走行模擬を実現することができる。
本発明に係る走行状態模擬装置は、車両の波状路走行状態を模擬するために、前記車両の駆動源からの出力を伝える出力軸に連結され、その出力軸に負荷トルクを発生させる負荷装置に対して、指定された運転条件に応じた負荷トルク発生指令を出力する走行状態模擬装置であって、前記車両の所定位置からの走行距離を算出する走行距離算出手段と、前記車両の所定位置からの走行距離と関連づけて波状路走行トルクが登録されたテーブルを記憶する記憶手段と、前記走行距離算出手段で算出した走行距離に応じた波状路走行トルクを前記テーブルから取得する波状路走行トルク取得手段と、前記波状路走行トルク取得手段で取得した波状路走行トルクを含めて、前記運転条件に応じた負荷トルクを算出する負荷トルク算出手段と、算出された負荷トルクに基づく負荷トルク発生指令を前記負荷装置に出力する指令出力手段と、を備えることを特徴とする。
上記構成によれば、車両の所定位置からの走行距離と関連づけて波状路走行トルクが登録されたテーブルから、走行距離に応じた波状路走行トルクを取得して、その波状路走行トルクを用いて、負荷装置に対する負荷トルクを算出する。そして、算出された負荷トルクに基づく負荷トルク発生指令を負荷装置に対して出力する。これにより、例えば、実際の車両に波状路を走行させ、その際に測定した値を用いてテーブルを作成しておき、そのテーブルに登録された波状路走行トルクを用いて負荷トルクを算出することができる。
本発明の実施の形態(以下、実施形態とする)について、図面を用いて説明する。図1は、本実施形態におけるハイブリッド車用試験装置である。なお、本実施形態では、試験対象の車両として、ハイブリッド車を例に説明するが、一般的な内燃機関の車両の性能試験を行う場合にも適用可能である。
ハイブリッド車用試験装置では、試供体として、エンジン10、モータ・ジェネレータ20、動力分配機構30、ドライブシャフト40が接続されている。そして、ECU90の制御のもと、エンジン10やモータ・ジェネレータ20から出力された駆動出力は、動力分配機構30を介してドライブシャフト40に伝えられる。さらに、ドライブシャフト40の両端には負荷装置として負荷吸収モータ50a,50bが接続されている。負荷吸収モータ50a,50bは、車両走行状態を模擬するために、ドライブシャフト40に対して仮想的に制動トルクや走行抵抗トルクを発生させる負荷装置である。このように、負荷吸収モータ50a,50bにおいて、仮想的に制動トルクや走行抵抗トルクを発生させることで、実際に車両を走らせることなく、さらに、実際の車両に搭載されるブレーキシステムを搭載することなく、模擬的に車両走行状態を作り出し、車両の各種性能試験を行うことができる。
走行模擬装置60は、指定された運転条件に基づいて、仮想的に発生させる制動トルクや走行抵抗トルクといった負荷トルクの値を算出し、その負荷トルクを負荷吸収モータ50a,50bに発生させるように制御する装置である。さらに、走行模擬装置60は、指定された運転条件に応じた動作を各試供体がするように、ECU90に対して制御指令を出力する。ECU90は、この制御指令に基づいて、エンジン10やモータ・ジェネレータ20を制御して駆動トルクを発生させたり、モータ・ジェネレータ20を制御して回生トルクを発生させる。
センサ70a,70bは、それぞれドライブシャフト40の片端の回転数とトルクを測定する検出器である。センサ70a,70bで測定された測定値は、走行模擬装置60へ出力される。走行模擬装置60は、センサ70a,70bで測定された値をもとに、指定された運転条件に応じて試供体が動作しているか否かを判定して、必要に応じて、負荷吸収モータを補正制御したり、ECU90に対して補正制御指令を出力する。ECU90はこの補正制御指令を受けて、エンジン10やモータ・ジェネレータ20を補正制御する。操作端末80は、車両の性能検査の検査項目に応じて運転条件を指定して、その指定した運転条件を走行模擬装置60に提供する装置である。本実施形態において、運転条件とは、車速の時間変化またはアクセル開度とブレーキ開度の時間変化、波状路を構成する波形状の波状路波長と波状路高さ(振幅)などの道路条件、車両重量などの車両諸元、ころがり抵抗などの各種走行抵抗などである。
本実施形態では、このように構成されたハイブリッド車用試験装置において、道路条件として、波状路走行を想定した車両の模擬走行を行う。実際の車両の場合、波状路を走行すると、波状路を構成する波形状の振幅の2倍、つまり路面底面から路面頂点までの高さに応じて路面に対して垂直方向の力F1fが前輪と路面との接点に作用し、この力が車両の前輪荷重Wfに影響を与える。したがって、波状路走行の場合、前輪荷重Wfの関数として求まる走行抵抗Frにも影響を及ぼす。
そこで、ハイブリッド車用試験装置において波状路走行を模擬する場合、波状路走行時に発生する垂直方向の力F1fを考慮して、負荷吸収モータ50a,50bに発生させるべき負荷トルクを算出する必要がある。そのため、本実施形態では、走行模擬装置60が運転条件に応じて算出する負荷トルクに、波状路走行時に発生する特有のトルク(以下、波状路走行トルクとする)を加算することで波状路走行を模擬する。
本実施形態では、この波状路走行トルクFwを、走行距離D、波状路を構成する波形状の波長である波状路波長p、波状路を構成する波形状の振幅の2倍に相当する波状路高さhr、車速V、車両加速度αとして、式1に示すSIN波の関数として定める。
Fw=sin(2×π×D/p)×f(hr)×g(V)×k(α) ・・・(1)
ここで、f(hr),g(V),k(α)は、それぞれhr,V,αの関数である。そして、図2Aに示すような波状路を構成する波形状の波状路波長p及び波状路高さhrを予め定めておき、走行距離D、車速V、車両加速度αに応じて、波状路走行トルクFwを算出し、そのFwを、波状路走行を考慮せずに算出した走行トルクFrに加算した負荷トルクFr+Fwに基づき、走行模擬装置60は、負荷吸収モータ50a,50bを制御する。これにより、波状路走行時における車両の走行模擬を行うことができる。また、本実施形態における試験装置を用いて仮想的に波状路走行の模擬を実現することができるため、実際に波状路を作成して実車両を用いた性能検査を行う必要がなく、波状路作成にかかる費用の削減等を図ることができる。
このように式1を用いてFwを算出するためには、走行距離Dや車両速度Vを算出する必要がある。そこで、以下、走行距離Dや車両速度Vの算出方法について説明する。
まず、車両速度Vは、車両前後力Fd、車体重量Mとして、式2により算出することができる。
V=∫(Fd/M)dt ・・・ (2)
そして、走行距離Dは、式3により算出することができる。
D=∫Vdt ・・・ (3)
ここで、上記式2における車両前後力Fdは、サスペンション前後力Fs、走行抵抗トルクFr、粘性抵抗係数Cfとを用いて、式4により算出することができる。
Fd=Fs−Fr−Cf×V ・・・(4)
また、サスペンション前後力Fsは、前輪駆動車の場合、式5に示すとおり、タイヤスリップ率λの関数である摩擦係数μ(λ)と前輪荷重Wfとの積で求めることができる。
Fs=Wf×μ(λ) ・・・(5)
さらに、前輪荷重Wfは、静止時前輪荷重W、車両加速度α、重力加速度g、車両重心高さh、車両ホイールベースLとして、式6により算出することができる。
Wf=W−M×(α/g)×(h/L)・・・(6)
スリップ率λと摩擦係数μとは、例えば図3に示すような関係をもち、運転条件に応じて、摩擦係数μを設定する。
また、スリップ率λは、式7に基づき算出することができる。
λ=(V−Vw)/Vw (駆動時) ・・・(7−1)
=(V−Vw)/V (制動時) ・・・(7−2)
ここで、式7で必要な車輪速度Vwは、ドライブシャフトトルクTds、タイヤグリップトルクTt、ブレーキトルクTbk、ホイール慣性モーメントJwを用いて、式8により算出することができる。
Vw=∫[(Tds−Tt+Tbk)/Jw]dt ・・・(8)
なお、ドライブシャフトトルクTdsは、センサ70a,70bで測定した測定値、タイヤグリップトルクTtは、サスペンション前後力Fsの左駆動輪および右駆動輪発生分、ブレーキトルクTbkは、運転条件で指定された車速指令値やブレーキ開度(指令値)から求めることができる演算値、ホイール慣性モーメントJwは、初期設定値を使用し、左右輪ごとに車輪速Vwを算出する。
続いて、図4に示すフローチャートを用いて、走行模擬装置60の処理プロセスについて説明する。
まず、走行模擬装置60は、運転条件に示された道路条件が波状路か否かを判定する(S101)。判定の結果、道路条件が波状路の場合、所定位置(例えば、試験開始時点における仮想的な車両位置)からの走行距離D、車速V、車両加速度αを算出し(S102)、その算出結果に基づいて、式1により波状路走行トルクFwを算出する(S103)。さらに、指定された運転条件に応じた走行抵抗トルクFrを算出する(S104)。そして、算出したFwとFrとを加算した負荷トルクFw+Frに基づいて負荷吸収モータ50a,50bを制御する(S105)。
一方、S101での判定の結果、道路条件が波状路でない場合は、指定された運転条件に応じた走行抵抗トルクFrを算出し(S106)、その走行抵抗トルクFrを負荷トルクとして、負荷吸収モータ50a,50bを制御する(S107)。
以上、本実施形態では、運転条件に示された道路条件が波状路の場合、波状路走行時に前輪と路面との接点で発生する路面に対して垂直方向の力F1fを考慮して、走行模擬装置60は、負荷吸収モータ50a,50bに負荷トルクを発生させる。よって、本実施形態によれば、波状路走行時における車両の走行模擬を行うことができる。また、本実施形態よれば、波状路波長p、波状路高さhrの異なる波状路や左右駆動輪で異なる波形状の波状路に対する性能試験を、実際に波状路を作成して実車両を用いて行う必要がなく、波状路作成にかかる費用の削減等を図ることができる。
なお、左右駆動輪で異なる形状の波状路に対する性能試験を本実施形態のハイブリッド車用試験装置を用いて行う場合には、まず、左右駆動輪ごとに波状路を構成する波形状の波状路波長と波状路高さとをそれぞれ定めおく。そして、走行模擬装置60は、走行距離D、車速V、車両加速度αを算出したのち、例えば式1に駆動輪ごとに指定された波状路波長及び波状路高さを代入して、駆動輪ごとの波状路走行トルクを算出する。そして、駆動輪ごとに求めた走行抵抗トルクにそれぞれ、先ほど算出した波状路走行トルクを加算し、駆動輪ごとの負荷トルクを求める。次いで、駆動輪ごとに求めた負荷トルクに基づき負荷吸収モータ50a,50bをそれぞれ制御する。
さらに、本実施形態では、波状路走行トルクを式1に示すSIN波を用いて設定する例を示した。しかし、図2Bに示すように、所定の間隔で板状の凸部が並列された波状路の場合も適用可能である。また、SIN波として設定する以外にも、例えば、実際の車両に波状路を走行させ、その際に測定した値を用いて波状路走行トルクを設定してもよい。この場合、まず、実際に車両が波状路を走行した際に測定した測定値を元に、波状路走行トルクを算出し、その波状路走行トルクを走行距離と対応付けたテーブルを作成する。そして、作成したテーブルを走行模擬装置60のメモリ上に記憶しておき、そのテーブルを参照することで走行距離に応じた波状路走行トルクを求める。走行抵抗トルクにここで求めた波状路走行トルクを加算することで、負荷吸収モータ50a,50bに発生させるべき負荷トルクを算出する。これにより、実際の車両で測定した値を元に波状路走行トルクを設定し、波状路走行を模擬することができる。
図5は、実際に車両が波状路を走行した際に測定した測定値の一例であり、波状路定速走行時における前輪(駆動輪)の車輪速ピークゲインの測定結果を示す図である。図5からわかるように、波状路走行中はバネ下共振により一般車両の場合、35〜45km/h付近に共振ピークが現れる。このように、車両速度に応じて車輪速ピークゲインは変化することから、車両速度に応じて波状路走行トルクも変動する。よって、走行距離だけでなく、走行速度にも応じた波状路走行トルクを求めて、それらを関連づけて作成したテーブルを走行模擬装置60のメモリ上に登録しておき、走行距離と車両速度に応じた波状路走行トルクを求めてもよい。
図6は、実際に車両が波状路を走行した際に測定した測定値の別の一例であり、波状路走行時の加速中および定速中における駆動輪の一方である右前輪車輪速の時間変化の測定結果を示す図である。図6からわかるように、波状路走行時の加速中および定速中における駆動輪の車輪速度変動はそれぞれ異なり、加速中の車輪速の変動幅は、定速中の車輪速の変動幅より大きい。よって、加速中と定速中とでは波状路走行トルクも変動するため、走行距離だけでなく、加速度にも応じた波状路走行トルクを求めて、それらを関連づけて作成したテーブルを走行模擬装置60のメモリ上に登録しておき、走行距離と加速度に応じた、もしくは走行距離と加速度と車両速度とに応じた波状路走行トルクを求めてもよい。
図7は、運転条件として、アクセル開度50%、ブレーキ開度0%、車両重量1500kg、波状路波長0.7m、波状路高さ50mmとして、式1に示したSIN波を波状路走行トルクとして与えた場合の、車速Vと、センサ70a,70bで測定された回転数ωから求めた車輪速度Vwとの測定結果を示す図である。この結果は、実際に車両が波状路を走行した場合の車速と車輪速度との測定結果と実質的に同様であり、図7に示す測定結果からも本実施形態の有効性を確認することができる。
以上、本実施形態における波状路走行を模擬する方法として、波状路高さに応じて負荷トルクを変動させる方法について説明した。以下、この方法が物理的に正しいものかどうかを検証するために図8に示す物理モデルを用いて行った、シミュレーションの検証結果を示す。
図8は、タイヤモデルとして、前後輪のバネ下質量M1、タイヤバネ係数K1、減衰係数C1を加味した車両モデルを示す図である。この車両モデルにおいて、フロントタイヤ、バネ下、サスペンションが、それぞれ並進運動すなわち垂直方向への自由度に対して与える影響は、式9〜11で表される。
Figure 0004446879
ここで、F1f(N)は、フロントタイヤからバネ下に作用する上向きの力、F2f(N)は、フロントサスペンションから車体に作用する上向きの力、K1f(N/m)とC1f(N・s/m)は、フロントタイヤのバネ定数と減衰係数、K2f(N/m)とC2f(N・s/m)は、各車輪のサスペンションのバネ定数と減衰係数、M1f(kg)は、フロント部分のバネ下質量を示す。さらに、
Figure 0004446879
は、それぞれ、並進(垂直)方向変位、速度、加速度を示す。
リアについても同様で、式12〜14と表される。
Figure 0004446879
ここで、F1r(N)は、リヤタイヤからバネ下に作用する上向きの力、F2r(N)は、リヤサスペンションから車体に作用する上向きの力、K1r(N/m)とC1r(N・s/m)は、リヤタイヤのバネ定数と減衰係数、K2r(N/m)とC2r(N・s/m)は、各車輪のサスペンションのバネ定数と減衰係数、M1f(kg)は、リヤ部分のバネ下質量をそれぞれ示す。
これらの力により、ニュートンの法則に従い車両は運動することから、下記に示す式15〜16の関係が成り立つ。
Figure 0004446879
ここで、M2(kg)は車体質量、J2(kgm2)は車体重心回りの完成モーメントを示す。さらに、
Figure 0004446879
は車体ピッチ(回転)角の加速度を示し、L2f(m)は車体先端からのフロントサスペンションまでの水平距離、L2(m)は車体先端から車体の中心までの水平距離、L2r(m)は車体先端からのリアサスペンションまでの水平距離を示す。
上記各式に基づいて、波状路走行時の挙動をシミュレーションした結果を図9に示す。図9から、タイヤと路面との接点には、路面の高低、つまり波状路高さと波状路波長とに応じた垂直方向の力F1fが作用していることがわかる。このことから、波状路高さや波状路波長に応じて負荷トルクを変動させる方法が物理現象に即した方法であることがわかる。
本実施形態におけるハイブリッド車用試験装置のシステム構成を示す図である。 本実施形態において用いる波状路の波状路波長p、波状路高さhrについて説明するための図である。 本実施形態において用いることができる波状路の一例を示す図である。 摩擦係数μとスリップ率λとの関係を示す図である。 本実施形態における走行模擬装置の処理プロセスを示すフローチャート図である。 実際に車両が波状路を走行した際に測定した測定値の一例であり、波状路定速走行時における前輪(駆動輪)の車輪速ピークゲインの測定結果を示す図である。 実際に車両が波状路を走行した際に測定した測定値の別の一例であり、波状路走行時の加速中および定速中における駆動輪の一方である右前輪車輪速の時間変化の測定結果を示す図である。 SIN波を波状路走行トルクとして与えた場合の、車速Vと、センサ70a,70bで測定された回転数ωから求めた車輪速度Vwとの測定結果を示す図である。 タイヤ・サスペンションの車両モデルの構成図である。 車両モデルを用いて行ったシミュレーションの結果として得られた、路面高さ(波状路高さ)および波状路波長と、垂直方向力F1f(作用力)との関係を示す図である。 実際の車両において行われる一定の波長と振幅で構成された波形状を有する波状路の走行試験の模様を示すイメージ図である。
符号の説明
1 波状路、10 エンジン、20 モータ・ジェネレータ、30 動力分配機構、40 ドライブシャフト、50a,50b 負荷吸収モータ、60 走行模擬装置、70a,70b センサ、80 操作端末、90 ECU。

Claims (5)

  1. 車両の駆動源からの出力を伝える出力軸に駆動輪の代わりに連結される負荷装置の負荷トルクを制御することで、車両の走行状態を模擬する走行模擬試験システムにおいて、
    予め指定された運転条件に基づいて前記負荷装置の負荷トルクを算出する負荷トルク算出部であって、車両の波状路走行状態を模擬する場合、前記運転条件に基づいて定められる波状路走行トルクを含めて、前記負荷トルクを算出する負荷トルク算出部、
    備え、
    前記負荷トルク算出部は、
    前記車両の所定位置からの走行距離と関連づけて波状路走行トルクが予め登録された記憶部から、前記運転条件に基づいて定まる前記車両の所定位置からの走行距離に対応する波状路走行トルクを取得し、取得した波状路走行トルクを含めて、前記負荷トルクを算出する、
    ことを特徴とする走行模擬試験システム。
  2. 請求項1に記載の走行模擬試験システムにおいて、
    前記駆動源には、エンジンおよびモータを含む、
    ことを特徴とする走行模擬試験システム。
  3. 請求項1または請求項2に記載の走行模擬試験システムにおいて、
    前記負荷トルク算出部は、
    前記車両の所定位置からの走行距離と、前記車両の走行速度とに関連づけた波状路走行トルクが予め登録された記憶部から、前記運転条件に基づいて定まる前記車両の所定位置からの走行距離と、前記運転条件に基づいて定まる前記車両の走行速度とに対応する波状路走行トルクを取得し、取得した波状路走行トルクを含めて、前記負荷トルクを算出する、
    ことを特徴とする走行模擬試験システム。
  4. 請求項1または請求項2に記載の走行模擬試験システムにおいて、
    前記負荷トルク算出部は、
    前記車両の所定位置からの走行距離と、前記車両の加速度とに関連づけた波状路走行トルクが予め登録された記憶部から、前記運転条件に基づいて定まる前記車両の所定位置からの走行距離と、前記運転条件に基づいて定まる前記車両の加速度とに対応する波状路走行トルクを取得し、取得した波状路走行トルクを含めて、前記負荷トルクを算出する、
    ことを特徴とする走行模擬試験システム。
  5. 請求項1または請求項2に記載の走行模擬試験システムにおいて、
    前記負荷トルク算出部は、
    前記車両の所定位置からの走行距離と、前記車両の走行速度及び加速度とに関連づけた波状路走行トルクが予め登録された記憶部から、前記運転条件に基づいて定まる前記車両の所定位置からの走行距離と、前記運転条件に基づいて定まる前記車両の速度及び加速度とに対応する波状路走行トルクを取得し、取得した波状路走行トルクを含めて、前記負荷トルクを算出する、
    ことを特徴とする走行模擬試験システム。
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