JP2009271026A - シャシーダイナモメータ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】シミュレータ52は、ダイナモメータ2の測定値より求まるタイヤ駆動トルクを、車両モデルの入力値として、その応答を求めることにより、試験車両1の運動をシミュレーションし、試験車両1の前後方向の移動速度と、サスペンションの運動による各車輪の車体に対する前後方向への移動速度である車輪線速度とを算出する。ダイナモメータ制御部6は、各車輪について、各車輪の対地移動速度を、試験車両1の車体の前後方向の移動速度に、当該車輪の車輪線速度を加えた移動速度として求め、各車輪について、当該車輪の対地移動速度に相当する、回転速度となるようにダイナモメータ2のローラ21の回転速度を制御する。
【選択図】図4
Description
しかしながら、車輪位置をローラ上に維持するために、ワイヤロープで車両の前部と後部とを、それぞれ索引して固定する技術によれば、車両のサスペンションの運動をも抑制してしまい、サスペンションの運動に伴って変化する車輪の状態を実路走行時と同じ状態として試験を行うことができなくなってしまう。
そこで、本発明は、サスペンションの運動に伴って変化する車輪の状態を含む車輪の状態について、実路走行を模擬しつつ試験を行うことのできるシャシーダイナモメータを提供することを課題とする。
ここで、このようなシャシーダイナモメータは、前記各ダイナモメータが測定した前記力と、前記各ダイナモメータが測定した各ローラの回転速度とより推測される走行状態で前記車両が実路を走行した場合の前記車両の車体の姿勢を推定し、推定した姿勢と一致した姿勢となるように、前記車両の車体の姿勢を制御する姿勢制御手段をさらに設けるようにしてもよい。
また、このようなシャシーダイナモメータは、前記対地速度算出手段を、車両の車輪の駆動力を入力とする車両の運動モデルを用いて、車両の運動をシミュレーションし、前記自動車の各車輪の前記自動車の車体に対する移動速度と、前記自動車の車体の移動速度とを算出するシミュレーション手段と、前記各ダイナモメータが測定した前記力と、前記各ダイナモメータが測定した各ローラの回転速度とに基づいて、前記車両の車輪の駆動力を算出し、前記運動モデルの入力として前記シミュレーション手段に供給する駆動力算出手段とを含めて構成するようにしてもよい。
図1に、本実施形態に係るシャシーダイナモメータの構成を模式的に示す。
以下、本発明の一実施形態について説明する。
図1a、bに、本実施形態に係るシャシーダイナモメータの構成を模式的に示す。ここで。図1aはシャシーダイナモメータを上方より見たようすを、図1bはシャシーダイナモメータを左右方向から見たようすを模式的に表したものである。
図示するように、このシャシーダイナモメータは、4輪駆動の自動車用のシャシーダイナモメータであり、試験車両1の車輪毎に一つずつ設けられたダイナモメータ2を備え、各ダイナモメータ2は、試験車両1の走行面となるピット3の上面に設けた開口に、ローラ21の天頂部が露出するようにピット3内に配置される。
次に、図2に、各ダイナモメータ2の構成を示す。
ここで、図2aはダイナモメータ2を上面から見たようすを、図2bはダイナモメータ2を前面からみたようすを、図2cは図2aの断面線AAの断面によってダイナモメータ2の内部構造を模式的に表した図である。
図示するように、本実施形態に係るダイナメータは、軸受柱22によってベアリング221を介してシャフトが回動可能に支持されたローラ21と、軸受柱23によってベアリング231を介してシャフトが回動可能に支持されたステータ24とを有し、ステータ24はローラ21の内部に同軸入れ子状に配置されている。
次に、図3a1に、拘束装置4の構成を示す。
図示するように、拘束装置4は、ピット3の上面に固定されるベース41、ベース41に内蔵された駆動機構により図3a2に示すように上下に移動可能にベース41に支持されたZステージ42、Zステージ42に内蔵された駆動機構により図3a3に示すように前後方向(試験車両1の前後方向)に伸縮可能にZステージ42に支持されたXアーム43、Xアーム43の先端に設けられた試験車両1の四隅に設けたステーやフックなどの取り付け部と連結するジョイント44とを備えている。ここで、上述した駆動機構としては油圧シリンダやエアシリンダやボールネジ機構などを用いることができる。また、ジョイント44としては、ボールジョイントやユニバーサルジョイントなどの任意方向の軸回りの回転の自由度をもってXアーム43と取り付け部を連結するジョイント44を用いるようにする。
図4に、姿勢制御装置5の構成を示す。
図示するように、姿勢制御装置5は、車両モデル入力値算出部51、シミュレータ52、拘束装置制御部53とを有している。
さて、ここで、試験の実施者は、次のように試験車両1の試験を開始する。すなわち、まず、試験車両1の各車輪が各ダイナモメータ2のローラ21の天頂部上に位置するように試験車両1を配置する。そして、そのままの状態で試験車両1の車体の位置、姿勢が拘束されるように、4台の拘束装置4を試験車両1に連結する。そして、試験車両1の試験を開始する。
そして、拘束装置制御部53はバウンジング量、ピッチング量、ローリング量が、試験車両1のシミュレータ52によって算出されたバウンジング量、ピッチング量、ローリング量となるように4台の拘束装置4を制御することにより試験車両1の車体の姿勢を制御する。
ここで、シミュレータ52がシミュレーションに用いる車両モデルや、車両モデルに応じて定まる車両モデル入力値算出部51が算出する車両モデルへの入力値の算出法としては様々な手法が取り得るが、以下のその構成例の一つを、試験車両1を直進させる試験への適用を例にとり示す。
まず試験車両1を直進させる場合、車両のローリングは発生量が小さいものとして無視することができ、この場合には、試験車両1は、一つの前輪と一つの後輪よりなる二輪の車両モデルとして、簡易的には、上述した非特許文献1のPP.88-89に記載のようにモデル化することができる。そして、この場合、車両モデルは、図示するように、前輪及び後輪の回転運動をモデル化した回転運動モデル521と、車両の重心の運動をモデル化した重心運動モデル522と、前輪及び後輪のサスペンションの運動をモデル化したサスペンション運動モデル523とより構成することができる。
また、シミュレータ52は、重心運動モデル522において、前輪の路面間との作用力Ffと後輪と路面間との作用力Frの和が車体重心をx方向に進める力として加えられて、x方向の加速度dv/dtが生じるものとして、車体重心のx方向の加速度dv/dtと車体重心のx方向の移動速度vを算出する。
このように本実施形態によれば、車輪の回転速度などの車輪の状態について、実路走行時におけるサスペンションの運動に伴って変化する車輪の移動の影響を含め、これを模擬しつつ試験車両1の試験を行うことができる。
また、車両の車体の姿勢についても実路走行時の状態を模擬しつつ試験を行うことができる。
Claims (3)
- 自動車の各車輪に対応して設けられた、対応する車輪が載置されるローラと、
前記各ローラと当該ローラに対応する車輪との間に作用する力と前記ローラの回転速度とを計測するダイナモメータと、
前記ダイナモメータを制御するダイナモメータ制御手段と、
車輪対地速度算出手段とを有し、
当該車輪対地速度算出手段は、前記各ダイナモメータが測定した前記力と前記各ダイナモメータが測定した各ローラの回転速度とより推測される走行状態で前記車両が実路を走行した場合の前記自動車のサスペンションの運動による前記自動車の各車輪の前記自動車の車体に対する移動速度と、前記走行状態で前記車両が実路を走行した場合の前記自動車の車体の移動速度とより求まる、前記走行状態で前記車両が実路を走行した場合の前記自動車の各車輪の対地速度を算出し、
前記ダイナモメータ制御手段は、各ローラについて、当該ローラの前記車輪の載置面の接線方向速度が、当該ローラに対応する車輪について前記車輪対地速度算出手段が算出した対地速度と同じ速度となるように、当該ローラの回転速度を制御することを特徴とするシャシーダイナモメータ。
- 請求項1記載のシャシーダイナモメータであって、
前記各ダイナモメータが測定した前記力と、前記各ダイナモメータが測定した各ローラの回転速度とより推測される走行状態で前記車両が実路を走行した場合の前記車両の車体の姿勢を推定し、推定した姿勢と一致した姿勢となるように、前記車両の車体の姿勢を制御する姿勢制御手段を有することを特徴とするシャシーダイナモメータ。
- 請求項1または2記載のシャシーダイナモメータであって、
前記対地速度算出手段は、
車両の車輪の駆動力を入力とする車両の運動モデルを用いて、車両の運動をシミュレーションし、前記自動車の各車輪の前記自動車の車体に対する移動速度と、前記自動車の車体の移動速度とを算出するシミュレーション手段と、
前記各ダイナモメータが測定した前記力と、前記各ダイナモメータが測定した各ローラの回転速度とに基づいて、前記車両の車輪の駆動力を算出し、前記運動モデルの入力として前記シミュレーション手段に供給する駆動力算出手段とを有することを特徴とするシャシーダイナモメータ。
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