JP2818855B2 - 電気自動車用シャシーダイナモメータ - Google Patents

電気自動車用シャシーダイナモメータ

Info

Publication number
JP2818855B2
JP2818855B2 JP7161429A JP16142995A JP2818855B2 JP 2818855 B2 JP2818855 B2 JP 2818855B2 JP 7161429 A JP7161429 A JP 7161429A JP 16142995 A JP16142995 A JP 16142995A JP 2818855 B2 JP2818855 B2 JP 2818855B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
dynamometer
chassis dynamometer
vehicle
chassis
braking
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP7161429A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH08334439A (ja
Inventor
健一 清水
信正 白井
光弥 二瓶
Original Assignee
工業技術院長
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by 工業技術院長 filed Critical 工業技術院長
Priority to JP7161429A priority Critical patent/JP2818855B2/ja
Publication of JPH08334439A publication Critical patent/JPH08334439A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2818855B2 publication Critical patent/JP2818855B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B60VEHICLES IN GENERAL
    • B60LPROPULSION OF ELECTRICALLY-PROPELLED VEHICLES; SUPPLYING ELECTRIC POWER FOR AUXILIARY EQUIPMENT OF ELECTRICALLY-PROPELLED VEHICLES; ELECTRODYNAMIC BRAKE SYSTEMS FOR VEHICLES IN GENERAL; MAGNETIC SUSPENSION OR LEVITATION FOR VEHICLES; MONITORING OPERATING VARIABLES OF ELECTRICALLY-PROPELLED VEHICLES; ELECTRIC SAFETY DEVICES FOR ELECTRICALLY-PROPELLED VEHICLES
    • B60L7/00Electrodynamic brake systems for vehicles in general
    • B60L7/10Dynamic electric regenerative braking
    • B60L7/18Controlling the braking effect
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B60VEHICLES IN GENERAL
    • B60LPROPULSION OF ELECTRICALLY-PROPELLED VEHICLES; SUPPLYING ELECTRIC POWER FOR AUXILIARY EQUIPMENT OF ELECTRICALLY-PROPELLED VEHICLES; ELECTRODYNAMIC BRAKE SYSTEMS FOR VEHICLES IN GENERAL; MAGNETIC SUSPENSION OR LEVITATION FOR VEHICLES; MONITORING OPERATING VARIABLES OF ELECTRICALLY-PROPELLED VEHICLES; ELECTRIC SAFETY DEVICES FOR ELECTRICALLY-PROPELLED VEHICLES
    • B60L58/00Methods or circuit arrangements for monitoring or controlling batteries or fuel cells, specially adapted for electric vehicles
    • B60L58/10Methods or circuit arrangements for monitoring or controlling batteries or fuel cells, specially adapted for electric vehicles for monitoring or controlling batteries
    • B60L58/12Methods or circuit arrangements for monitoring or controlling batteries or fuel cells, specially adapted for electric vehicles for monitoring or controlling batteries responding to state of charge [SoC]
    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01MTESTING STATIC OR DYNAMIC BALANCE OF MACHINES OR STRUCTURES; TESTING OF STRUCTURES OR APPARATUS, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • G01M17/00Testing of vehicles
    • G01M17/007Wheeled or endless-tracked vehicles
    • G01M17/0072Wheeled or endless-tracked vehicles the wheels of the vehicle co-operating with rotatable rolls
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02TCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
    • Y02T10/00Road transport of goods or passengers
    • Y02T10/60Other road transportation technologies with climate change mitigation effect
    • Y02T10/70Energy storage systems for electromobility, e.g. batteries

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は電気自動車の試験を行
うシャシーダイナモメータに関するものである。
【0002】
【従来の技術】電気自動車の試験において、シャシーダ
イナモメータは、動力性能の評価のみでなくエネルギー
消費率や一充電走行距離などの評価にも広く用いられて
いる。一般に、シャシーダイナモメータが内燃機関自動
車の排ガス試験用として広く普及した経緯から、電気自
動車の評価も内燃機関自動車用に用意されたシャシーダ
イナモメータ上で行われるのが一般的である。
【0003】しかるに電気自動車は一般に高効率である
ため、その評価を行う電気自動車用シャシーダイナモメ
ータは、慣性及び走行抵抗の模擬とも充分な精度が要求
される。また、汎用の内燃機関自動車の冷却はラジエー
ターによって行われるため、シャシーダイナモメータ上
での試験ではラジエーターを充分に冷却すればそのほか
の部位の冷却はあまり問題にならない。このため、ラジ
エーターの冷却のみを意識したスポット的な送風機を設
置した設備も少なくない。しかし、電気自動車はラジエ
ーターがないのが一般的であるうえ、モーター、コント
ローラー、バッテリーなど、冷却が必要な要素部品が散
在しているのが現状であるので、より実走行状態に近い
冷却が必要となる。また、電気自動車用シャシーダイナ
モメータは、回生制動の効果を含んだ車両の効率を評価
しなければならないため、回生制動の模擬が可能である
必要がある。
【0004】すなわち、電気自動車は、エネルギー効率
を高める目的で走行抵抗を低くおさえた設計がなされて
おり、これを評価するシャシーダイナモメータには走行
抵抗の模擬に対して高い精度と分解能が要求される(高
精度の負荷制御)。また、評価の中心が都市内走行時の
エネルギー効率にある点から、回転部分の等価慣性を含
んだ車両質量の模擬についても同様に高い精度と分解能
が要求される(高精度の慣性制御)。
【0005】一方、シャシーダイナモメータの慣性模擬
の分解能の向上とシステムの簡略化を目的に、最近のシ
ャシーダイナモメータでは電気的な慣性模擬を採用する
のが一般的になっている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、電気自動車は
バッテリーを搭載しているため、同レベルの内燃機関自
動車に比べて質量が約1.5倍と大きい。したがって、
重い電気自動車の試験をこの種のシャシーダイナモメー
タで行う場合、大きな車両質量を電気的に模擬するため
にダイナモメータの容量をより大きくセットする必要が
生じ、結果として走行抵抗の分解能が低下してしまう不
都合が生じる。
【0007】都市内走行を模擬したドライビングサイク
ルテストを汎用のシャシーダイナモメータ上で実施する
際の車両とダイナモメータの制御方法を図7に示す。汎
用のシャシーダイナモメータが排ガス試験用であるた
め、減速時の制御方法が実際の走行状態と大きく異なる
ことがわかる。すなわち、車両はアクセルを全閉にする
以外は何も制御されておらず、試験車両の速度はダイナ
モメータで制御されている。この方法で電気自動車の試
験を行った場合、減速時に車両のブレーキペダルが操作
されないので、車両の回生制動はエンジンブレーキ相当
の制動力を模擬する機能のある場合に限ってこのレベル
の回生制動が動作するだけで、それ以上の回生制動は動
作しない。供試車両がブレーキストロークやブレーキ踏
力の大きさによって回生制動が制御される機能を持って
いてもこの機能は動作しない。したがってこの様な機能
がある車両を試験する場合は、車両の速度はアクチュエ
ータによってブレーキペダルを操作して車両のブレーキ
で制御されなければならない。
【0008】減速時の速度を、ブレーキペダルを操作し
て車両のブレーキで制御した場合でも、別の問題点が生
じる。2輪駆動(2WD)車の試験には、一般に1ロー
ラー・1ダイナモメータ方式の一般的なシャシーダイナ
モメータが使用される。これらのシャシーダイナモメー
タを用いた試験では、駆動軸だけをシャシーダイナモメ
ータのローラー上にセットし、このダイナモメータは非
駆動軸の分まで含んだ車両全体の質量と走行抵抗を模擬
する。しかし、非駆動輪は回転しないので、非駆動輪の
ブレーキは動作せず、減速時には車両全体の運動エネル
ギーが駆動輪を介して駆動輪の機械ブレーキと回生制動
に吸収され、実走行状態で回収される以上のエネルギー
が電池に回収される可能性がある。
【0009】SAEJ1634では、この矛盾を解消す
るために、回生制動の効果や一充電走行距離の評価時に
は、各軸のブレーキの容量差に基づいて補正する方法が
規定されている。しかし、その方法も次の問題点を持っ
ている。すなわち、回生制動の効率は駆動用電池の充電
状態やモーターの回転速度に依存するので、回生制動の
効率は駆動用電池の充電状態やモーターの回転数によっ
て大きく変化する。従って電気自動車の評価試験には、
減速時の車両速度の制御はブレーキペダルを制御するこ
とによって車両のすべてのブレーキを動作させて行うこ
とが本質的である。
【0010】次に内燃機関自動車用に設計された汎用シ
ャシーダイナモメータで電気自動車の試験を行う際に問
題となる事柄の一つに冷却方法があげられる。汎用のシ
ャシーダイナモメータの冷却装置は、車両のラジエータ
ーを冷却することを前提にした設計である場合が多い
が、電気自動車にはコンポーネントが多く、それらの中
には車両の走行によって冷却されることを前提にしたも
のも多い。従って、冷却装置は実際の走行状態と等価な
冷却状態を実現する必要がある。
【0011】次に電気自動車の試験結果を不安定にする
ものの一つにバッテリーの状態があげられる。バッテリ
ーの状態に影響を与える要素は非常に多いため、バッテ
リーの状態を常に一定にした試験を行うことは非常に難
しい。特に、高い放電レートでの試験は、バッテリーの
状態に大きな影響を与えるので、速度−出力特性試験の
様に長時間を要する試験や、最高速度試験や登坂試験な
ど最高出力に近い状態で行う試験では、バッテリーの状
態を一定にした条件下で安定したデーターを得ることは
不可能に近い。従って、一定のバッテリー条件下での車
両そのものの特性を評価するには、バッテリーの状態を
固定した試験が可能なバッテリーシミュレータが不可欠
である。
【0012】この発明は上記の如き事情に鑑みてなされ
たものであって、特に回生制動を忠実に模擬することが
できる電気自動車用シャシーダイナモメータを提供する
ことを目的とするものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】この目的に対応して、こ
の発明の電気自動車用シャシーダイナモメータは、4輪
駆動用シャシーダイナモメータを備え、減速モード時に
は4輪のブレーキダイナモメータとして回生制動を模擬
し、それ以外のモードでは駆動輪軸用一軸シャシーダイ
ナモとし動作するものであって、制動時以外は、車両の
全走行抵抗とイナーシャは駆動軸に対応するシャシーダ
イナモメータで模擬するとともに、非駆動軸に対応する
シャシーダイナモメータではトルク制御を行わず、この
ダイナモメータはドラムの速度が駆動軸側のローラー速
度に一致するように制御され、制動時には、走行抵抗及
びイナーシャは二つのダイナモメータに別々にセットさ
れ、各ダイナモメータは各軸の走行抵抗とイナーシャを
独立に模擬しかつ各々の速度は互いに等しくなる様に制
御されることを特徴としている。
【0014】
【作用】4輪駆動車用シャシーダイナモメータをベース
に、電気自動車用のシャシーダイナモメータを構築す
る。このシャシーダイナモメータは減速モード時には4
輪のブレーキダイナモメータとして回生制動を忠実に模
擬し、それ以外のモードでは一般のシャシーダイナモメ
ータとして動作する。
【0015】
【実施例】以下、この発明の詳細を一実施例を示す図面
について説明する。
【0016】図1において1は電気自動車用シャシーダ
イナモメータである。電気自動車用シャシーダイナモメ
ータ1はシャシーダイナモメータ2、フライホイール
3、バッテリーシュミレータ4、温度調整装置5、制御
装置6を備えている。温度調整装置5は空気循環装置
7、空気調節装置8を備えている。シャシーダイナモメ
ータ2としては車両11の前後両軸の機械ブレーキと、
駆動軸の電気的ブレーキで構成されるブレーキの全機能
を正確に評価するためには4輪駆動車(4WD)用シャ
シーダイナモメータが必要である。4輪駆動車用シャシ
ーダイナモメータとしてはローラーとダイナモメータの
構成によって3種類の形式がある。すなわち、一輪に一
つのローラーとダイナモメータの組を用いる4ローラー
・4ダイナモメータ方式、一軸毎にローラーとダイナモ
メータの組が用意された2ローラー・2ダイナモメータ
方式、二つのローラーと一つのダイナモメータを機械的
に結合した2ローラー・1ダイナモメータ方式の3種が
ある。
【0017】2ローラー・1ダイナモメータ方式は制御
が簡単であるが、機械的にいくつかの問題がある。すな
わち、二つの軸間で循環する動力が発生するため、この
動力に起因する機械損失の変動が無視できず、精度上の
問題がある。また、この系では、各軸の駆動力や制動力
を分離して測定することが困難であるため、この循環す
る動力の把握も不可能である。機械損失の変動等が少な
いことと、各軸の制駆動力の制御と測定が独立におこな
えることから、ここでは2つのローラー12,13と2
つのダイナモメータ14,15とからなる2ローラー・
2ダイナモメータ方式のシャシーダイナモメータを採用
した。もちろん4ローラー・4ダイナモメータ方式の採
用も考えられる。
【0018】以上の理由から2ローラー・2ダイナモメ
ータ方式の4WD用シャシーダイナモメータを採用す
る。システムの構成は図1に示すとおり、この4WD用
シャシーダイナモメータと、実走行状態と等価な温度条
件を作り出す温度調整装置5、繰り返し精度のよいバッ
テリー状態を実現するバッテリーシミュレータ4より構
成される。
【0019】前述のとおり、電気自動車用シャシーダイ
ナモメータは負荷制御の分解能を確保するために、より
大きな実イナーシャを実現してダイナモメータの容量を
必要充分な大きさに抑えるべきである。アウターロータ
ー形式のシャシーダイナモメータは、そのサイズと容量
に比してイナーシャが大きいので、スペース効率も加味
してこれを採用した。小型トラックはFR車が一般的で
あるので、小型トラックに対応するために、後軸側には
0.8トン相当の着脱可能なフライホイール3を2台用
意した。このローラー付きのアウターローラー形式のダ
イナモメータは、ローラーダイナモメータと呼ばれるト
ランジスタインバータ制御の誘導機である。内側のステ
ータには一次巻線があり、外側の可動部分に2次巻線が
ほどこされている。ステータ軸は揺動機構によって摩擦
なしに回転し、ステータ軸に発生するトルクは、トルク
アームに取り付けられた高精度荷重計によって検出され
る。ローラーのトルク(駆動力/制動力相当)は荷重計
の出力が走行抵抗や慣性による加減速抵抗に等しくなる
ように、ダイナモメーターで制御される。
【0020】走行抵抗はシャシーダイナモメータと車両
の機械損失を補償した値が負荷される。一方、慣性はロ
ーラーやフライホイール、車両の回転部分のイナーシャ
等の実イナーシャを補正した値で制御される。イナーシ
ャによる加減速時の吸収または駆動に供される力は、こ
の補正後のイナーシャと車両の加減速度の積として計算
される。シャシーダイナモメータ2の仕様の概要を表1
に示す。
【0021】
【表1】 次に実走行状態と等価な冷却状態を作り出すために、温
度調整装置5が用意されている。これは、モータ、コン
トローラやバッテリーが配置されている車両の下部に温
度制御された冷却風を送るもので、風速は車両の速度と
等価になっている。冷却風は車両を冷却したのち車両後
部に設置された排風機でピット内に導かれ、ダイナモメ
ータ本体の冷却も行ったのち、再び熱交換器で一定温度
に保たれ送風機から送風される。本装置は、排気ガスが
ない電気自動車用であるため、新鮮な空気を強制的に導
入することはしていない。また、風速の上限は電気自動
車の使用環境を考慮して80km/hとした。温度制御可能
な温度は5℃から40℃であるが、冷凍機の容量上の制
限から、全試験領域で試験を行う場合は、外部温度より
−5℃〜+10℃の範囲で前述の温度が保証される。こ
の冷却装置を単独運転することによって、供試車両のソ
ークも可能である。
【0022】また実バッテリーの不安定さに影響されな
い試験を実現するために、バッテリーシミュレータ4が
用意されている。このサブシステムは、二つのバッテリ
ー模擬装置から成り立っている。一つは、モーター・ジ
ェネレーター(MG)方式の直流電源装置をベースにし
たもので、他の一つは、静止型の大容量直流電源装置を
ベースにしたものである。両者とも放電抵抗を模擬する
ための実抵抗を持っており、起電力と内部抵抗を計算機
の指示で制御可能である。MGタイプのものは、これに
加えて充電抵抗も独立して制御可能である。
【0023】これらは各々独立して使用することができ
るほか、MGタイプをパワーバッテリーの模擬に用い、
静止型をエネルギーバッテリーの模擬に用いることによ
ってハイブリッド電池としての動作も可能である。
【0024】次にこのような構成の電気自動車用シャシ
ーダイナモメータによる電気自動車の試験は次のように
して行われる。
【0025】二つのダイナモメータと車両の制御シーケ
ンスを図2に示す。制動時以外は、車両の全走行抵抗と
イナーシャ駆動軸に対応するシャシーダイナモメータで
模擬される。非駆動軸に対応するシャシーダイナモメー
タではトルク制御を行わず、このダイナモメータはドラ
ムの速度が駆動軸側のローラー速度に一致するように制
御される(速度追従制御)。
【0026】制動時には、走行抵抗及びイナーシャは二
つのダイナモメータに別々にセットされる。すなわち、
各ダイナモメータは各軸の走行抵抗とイナーシャを独立
に模擬する。また、各々の速度は互いに等しくなる様に
制御される。制動時のシャシーダイナモメータの制御を
この様に切り換えることにより、非駆動輪のブレーキも
実走行時と同等に動作するので、回生制動を含む車両の
ブレーキを忠実に模擬することができる。
【0027】図3にFR車を例に制御の概念を示す。
(I)、(III)はここで述べたシステムで、(I)
がシャシーダイナモメータモードで制動時以外で使用さ
れるモードである。(II)は四輪ブレーキダイナモメ
ータのモードで制動時に用いられる。これに対して、
(III)は汎用の1ローラー・1ダイナモメータのシ
ャシーダイナモメータ上で車両のブレーキを使用する場
合を示す。(IV)は、同様のシャシーダイナモメータ
上で内燃機関自動車の排ガス試験と同様に車両のブレー
キを使用しない方法(ダイナモメータによる速度制御)
で試験する場合を示す。
【0028】(実験例)回生制動の模擬状態を解析する
ため、配送用電気トラックを用いてこれらの各制御方法
で一充電走行距離試験を実施した。走行モードは配送用
という使用形態を考慮して10モードを採用し、環境温
度は25℃一定とした。10モード走行時の前輪、後輪
の制駆動力及び合計の制駆動力と電池の電圧、電流の変
化を図4から図6に示す。図4(a),(b)が前述し
たブレーキの模擬を含んだここで提案するシステム(図
3の((I)+(II)に相当)での結果で、図5
(c),(d)は汎用の1ローラー・1ダイナモメータ
式シャシーダイナモメータ上で車両のブレーキを使用し
た場合(図3の(III)に相当)、図6(e)は排ガ
ス試験に準じて車両のブレーキを使用しない場合(図3
の(IV)に相当)である。
【0029】供試車両には回生制動の率を選択できる機
能があり、図4(a)と図5(c)は回生制動の強さを
強く(Highポジション)した例で、図4(b)と図
5(d)がこれを弱く(Lowポジション)した例であ
る。
【0030】ブレーキの模擬を完全に行った図4
(a),(b)についてみると、図4(b)の回生制動
が弱い場合は、前後輪のブレーキ力の比が、本来の車両
のブレーキの容量比に近い値になっており、制動力の模
擬が的確であることがわかる。回生制動が強い図4
(a)では高速域でのみ後輪(駆動軸)側が大きな値と
なっている。使用した車両の回生制動の動作アルゴリズ
ムが回生制動を優先にする様に設計されているため、回
生制動動作領域では、車両は回生制動のON/OFF制
御で速度制御されている様子がわかる。
【0031】前輪の制動力は、回生制動による後輪の制
動力の変動に逆相で同期して変動している。これは回生
制動のON/OFFによって急激に変化する後輪ローラ
ーの速度変化に前輪ローラーが追従するために生じるも
ので、前輪ブレーキ力信号のこの変動はブレーキ力その
ものの変動を意味するものではない。
【0032】図5(c)、(d)の2WD用の汎用シャ
シーダイナモメータで、ブレーキアクチュエーターを使
用した場合について検討する。前述したとおり、2WD
モードでは回生制動力の振幅が明らかに増加するべきで
あるが、図5(c)の電池電流のデータは、回生制動時
の電流が図4(a)とほぼ同等であることを示してい
る。回生制動を優先したブレーキ制御アルゴリズムがこ
の結果を生んだものと推測できる。同様に図5(d)の
回生制動のレベルは図4(b)と同等である。この車両
では、回生制動の効果はイナーシャの大きさに左右され
ず、車両側で定まる一定値になっている。このように、
ある種のブレーキアルゴリズムの車両に対しては、2W
D用シャシーダイナモメータによる一般的な試験結果を
基に回生制動による影響を推測することは適当でないこ
とがわかる。
【0033】回生制動を含むブレーキシステムの効率化
と安全性を向上させる目的で回生制動を優先させるブレ
ーキ制御装置が提案されている(Y.Kabuyama, “Isuzu
“ELF ”-1.25 ton payload electric delivery vehicl
e,”Paper No. 13.11, presented at EVS11, Florence,
Italy(September 1992) 及び A.Giorgetti, L. Cave
stro, M. Rampazzo,“A Light weight braking system
for electric vehicles,”paper No.12.07, presented
at EVS11, Florence, Italy(september 1992)参照)。
このシステムでは、前・後輪の機械ブレーキと駆動軸の
回生制動に分配される制動力の比は車両の状態に応じて
動的に変化するので、これを評価するにはブレーキの全
機能を忠実に模擬することが不可欠となる。同様に機械
ブレーキにも制御系を介したブレーキシステムはインパ
クトでも採用されており、高効率化と安全性を考慮する
と、このようなスマートブレーキが不可欠であるのは自
明であると考える。
【0034】次に、減速時にダイナモメータ側で速度制
御を行う一般の内燃機関自動車用の制御を行った場合図
6(e)を検討する。制動時にはダイナモメータの吸収
力がブレーキ力相当の大きさになっており、回生制動は
全く動作していない(回生制動率の選択スイッチの設定
がHighでもLowでも)。
【0035】各々の条件下での一充電走行距離試験の結
果を表2に示す。回生制動の制御のアルゴリズムが回生
制動優先であるため、回生制動の効果はブレーキのシミ
ュレーションに依存せず回生のレベルにのみ依存してい
る。従って汎用の1ローラー・1ダイナモメータ式のシ
ャシーダイナモメータの結果から回生による効果を推測
する方法は誤った結果を導く危険性があることがわか
る。
【0036】
【表2】
【0037】
【発明の効果】以上の説明から明らかな通り、この発明
によれば、軽自動車から小型トラックまで対応できる広
い応用範囲をもち、回生制動機能の忠実な評価が可能で
ある電気自動車用シャシーダイナモメータを得ることが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】電気自動車用シャシーダイナモメータの構成を
示す斜視説明図。
【図2】電気自動車用シャシーダイナモメータ上での制
御シーケンスを示す説明図。
【図3】電気自動車用シャシーダイナモメータと車両の
各種制御を示す説明図。
【図4】電気自動車用シャシーダイナモメータ上でのモ
ード試験時の制駆動力を示すグラフ。
【図5】汎用シャシーダイナモメータ上でのモード試験
時の制駆動力を示すグラフ。
【図6】汎用シャシーダイナモメータ上でのモード試験
時の制駆動力を示すグラフ。
【図7】汎用シャシーダイナモメータ上でのモード試験
時の制御シーケンスを示す説明図。
【符号の説明】
1 電気自動車用シャシーダイナモメータ 2 シャシーダイナモメータ 3 フライホイール 4 バッテリーシミュレータ 5 温度調整装置 6 制御装置 7 空気循環装置 8 空気調節装置 11 車両 12 ローラー 13 ローラー 14 ダイナモメータ 15 ダイナモメータ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭51−8535(JP,A) 特公 昭52−45361(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G01M 17/007

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】4輪駆動用シャシーダイナモメータを備
    え、減速モード時には4輪のブレーキダイナモメータと
    して回生制動を模擬し、それ以外のモードでは駆動輪軸
    用一軸シャシーダイナモとし動作するものであって、
    動時以外は、車両の全走行抵抗とイナーシャは駆動軸に
    対応するシャシーダイナモメータで模擬するとともに、
    非駆動軸に対応するシャシーダイナモメータではトルク
    制御を行わず、このダイナモメータはドラムの速度が駆
    動軸側のローラー速度に一致するように制御され、制動
    時には、走行抵抗及びイナーシャは二つのダイナモメー
    タに別々にセットされ、各ダイナモメータは各軸の走行
    抵抗とイナーシャを独立に模擬しかつ各々の速度は互い
    に等しくなる様に制御されることを特徴とする電気自動
    車用シャシーダイナモメータ。
  2. 【請求項2】 実走行状態と等価な温度条件を作り出す
    温度調整装置とを備えることを特徴とする請求項1記載
    の電気自動車用シャシーダイナモメータ。
  3. 【請求項3】 バッテリシミュレータを備えることを特
    徴とする請求項1または2記載の電気自動車用シャシー
    ダイナモメータ。
JP7161429A 1995-06-05 1995-06-05 電気自動車用シャシーダイナモメータ Expired - Lifetime JP2818855B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7161429A JP2818855B2 (ja) 1995-06-05 1995-06-05 電気自動車用シャシーダイナモメータ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7161429A JP2818855B2 (ja) 1995-06-05 1995-06-05 電気自動車用シャシーダイナモメータ

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH08334439A JPH08334439A (ja) 1996-12-17
JP2818855B2 true JP2818855B2 (ja) 1998-10-30

Family

ID=15734947

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP7161429A Expired - Lifetime JP2818855B2 (ja) 1995-06-05 1995-06-05 電気自動車用シャシーダイナモメータ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2818855B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007139527A (ja) * 2005-11-17 2007-06-07 Meidensha Corp 電気自動車用ダイナモメータ

Families Citing this family (13)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4546752B2 (ja) * 2004-03-24 2010-09-15 株式会社日本自動車部品総合研究所 駆動モータを搭載した車両の走行状態模擬装置およびその方法
JP2006170944A (ja) * 2004-12-20 2006-06-29 Nippon Soken Inc 駆動モータを搭載した車両の走行状態模擬装置および走行模擬試験システム
JP4446879B2 (ja) * 2004-12-24 2010-04-07 株式会社日本自動車部品総合研究所 走行模擬試験システム
DE102010060341A1 (de) 2010-11-04 2012-05-10 Dr. Ing. H.C. F. Porsche Aktiengesellschaft Ladevorrichtung
CN103487263B (zh) * 2013-09-22 2015-11-18 江苏大学 一种电动汽车再生制动惯性试验台加载机构
CN104155069B (zh) * 2014-07-16 2017-03-08 中国人民解放军装甲兵工程学院 一种多轴全时轮式车辆底盘功率测试方法
CN105334065B (zh) * 2014-08-07 2018-05-18 南京理工自动化研究院有限公司 一种电动汽车动力电子多功能测试系统
CN108362502B (zh) * 2018-01-03 2023-09-08 浙江大学 轮毂电机驱/制动性能测试及能量回收多功能试验台架及其方法
CN108318259B (zh) * 2018-05-17 2023-09-22 吉林大学 商乘两用车辆自动紧急制动系统性能测试试验台
CN111323241B (zh) * 2020-04-13 2021-08-17 合肥工业大学 汽车纵向动力学模拟与制动能量回收的综合实验测试方法
CN114088418B (zh) * 2021-11-25 2023-08-25 林武 多功能的汽车底盘智能检测和诊断一体化设备
CN114509282B (zh) * 2022-03-28 2023-05-16 东风汽车集团股份有限公司 一种基于整车工况的混合动力汽车制动能量回收系统能效评价方法和系统
CN117030287B (zh) * 2023-07-28 2024-03-08 中公高远(北京)汽车检测技术有限公司 一种车辆行驶阻力和惯量的测量方法及底盘测功机系统

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007139527A (ja) * 2005-11-17 2007-06-07 Meidensha Corp 電気自動車用ダイナモメータ

Also Published As

Publication number Publication date
JPH08334439A (ja) 1996-12-17

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2818855B2 (ja) 電気自動車用シャシーダイナモメータ
Li et al. Modelling and testing of in‐wheel motor drive intelligent electric vehicles based on co‐simulation with Carsim/Simulink
US8689618B2 (en) Method and device for dynamometer testing of a motor vehicle
EP3214422B1 (en) Electric-vehicle testing apparatus, method and computer program
CN111123900A (zh) 四轮分布式驱动电动客车整车控制器硬件在环测试系统
CN109975699B (zh) 电动汽车电驱动系统的模拟测试方法
Jeong et al. Control analysis and model validation for BMW i3 range extender
CN108362505B (zh) 一种全工况动态整车测试台架及方法
CN108663223B (zh) 牵引试验台
CN113074952B (zh) 一种插电式混合动力车辆动力系统能耗测试台架、系统及测试方法
JP4082101B2 (ja) シャシダイナモ装置および車両試験方法
CN111678710A (zh) 车辆的动力总成测试系统
JP2001091410A (ja) 電気自動車の動力系の性能試験装置および電気自動車用燃料電池の性能試験装置
de Carvalho Pinheiro et al. Dynamic performance comparison between in-wheel and on-board motor battery electric vehicles
KR101741172B1 (ko) 배터리 시험 장치 및 방법
Dukalski et al. Analysis of the influence of assembly electric motors in wheels on behaviour of vehicle rear suspension system
Kremzow-Tennie et al. A study on the influencing factors regarding energy consumption of electric vehicles
Silva et al. Modelling an electric vehicle powertrain on bench
JP5245679B2 (ja) 4wd車用シャシーダイナモメータ
Almatrafi et al. Electric vehicle performance evaluation using udds, nycc and wltp drive cycles
CN212300859U (zh) 电动车辆动力总成续驶里程测试装置
JP2014102221A (ja) タイヤ評価方法及びタイヤ評価システム
Reick et al. Test Procedure Proposal for EV Power Measurement on Dynamometers
JPH03212194A (ja) 駆動用電動機を有する電気製品の性能模擬試験装置
Pasupathi et al. System Level Vehicle Model Development of Light Heavy Duty Battery Electric Vehicle in GT-Suite

Legal Events

Date Code Title Description
S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

EXPY Cancellation because of completion of term