JP6822428B2 - 自動車車体の特性試験方法 - Google Patents

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Description

本発明は、自動車車体の特性試験方法に関し、特に、自動車車体を加振及び制動させて動的な車体特性の評価指標を取得する自動車車体の特性試験方法に関する。
従来より、自動車車体の車体特性として剛性を評価する試験が行われている。この自動車車体の剛性を評価する試験としては、特許文献1に記載されるように、自動車車体のフロント側又はリア側のいずれかにおける左右のダンパー取り付け位置を固定し、固定していない反対側の左右のサスペンション締結部それぞれにアクチュエーターを接続し、左右のアクチュエーターを逆位相で動かして自動車車体をねじり、一定荷重負荷時のねじれ角を評価するねじり剛性試験が一般的に行われている。
このようなねじれ剛性試験で評価される剛性は静的な評価値であり、構造体としての自動車車体の剛性を評価するには有用であり、実車両の走行試験における左右振られ感に基づく乗り心地評価にも適用されている。しかしながら、特許文献1に開示された技術のように、従来一般に行われてきたねじり剛性試験は、構造体としての自動車車体の静的な剛性値を求めることはできるものの、実車両の走行時における自動車車体の動的な剛性値を求めることはできず、テストドライバーによる走行試験で評価される操縦安定性や乗り心地などといった官能評価項目との相関性は弱い。
走行試験で評価される官能評価と相関性のある剛性試験として、特許文献2には、乗員の乗車位置に一端が固定され、特定の軸を中心とした方向の捩れ剛性を有する捩りばね手段を備えた車両を用い、車両走行時における前記捩りばね手段の回転と前記車両の操舵角との位相遅れを検出することで、乗員が感じる操縦性・安定性のフィーリングを数値化し、前記車両の操縦性・安定性に直結した情報を収集する技術が開示されている。そして、当該技術によれば、車両の運転操作に対する人間の感覚と車両の挙動との位相遅れを検出することで、人間の感覚を数値化した操縦性及び安定性を適切に評価することができるとされている。しかしながら、特許文献2に開示された技術は、タイヤやサスペンションのある実車両の走行試験を行うものであり、自動車車体自体の剛性を評価するものではない。
車両の走行試験による官能評価は、タイヤやサスペンション等の足回り部品やシャシー構造の寄与が大きく、ボディー構造の性能のみで評価が決定されるわけではないものの、車体剛性の十分でない車両では、シャシー構造の調整のみで官能評価値を満足のいくものにすることはできない。そのため、官能評価値に近い数値指標を自動車車体を用いたラボ試験で得るためには、少なくとも、負荷荷重に対する自動車車体の動的な応答挙動を測定することが重要である。そこで、自動車車体の動的な応答挙動を測定する技術として、前述のねじり剛性試験で負荷荷重を連続的に変化させて周期的なねじり変形を与えて、ねじり角の変化や自動車車体各部の変形挙動を観測する手法が考えられる。
また、自動車車体の動的な応答挙動を評価する方法として、振動発生装置により自動車車体を加振するものやハンマーにより自動車車体を打撃するなど、車体の局部に衝撃を与えたり荷重を入力して自動車車体全体に発生する振動を計測して解析する実験モード解析がある。実験モード解析とは、構造体の共振周波数(固有値)と各共振周波数に対応する振動モードを推定するものである。そして、自動車車体を対象とした実験モード解析では、強制振動を付与した自動車車体の周波数応答や固有値解析により、主として30Hz以上の周波数領域を主体とする定常状態での振動特性を評価するものである。
さらに、自動車車体の振動特性により動的な応答挙動を評価する技術として、特許文献3には、自動車が段差を乗り超える際に生じる上下方向の振動減衰を観測することにより、自動車車体の振動特性を評価する方法が開示されている。このような自動車車体の振動特性を評価する手法は、評価に供する数値指標として、振動数(周波数)や振動時間(時定数、減衰比)など減衰特性に着目したものが多い。
このように、自動車車体の動的な応答挙動の数値指標を求め、該数値指標に基づいて実車両走行時の官能評価項目の評価が可能であると、車体構造の基準や目標が明確となり、自動車車体の設計段階での車両性能の作り込みが容易となる。
特開2006−292737号公報 特開2003−42909号公報 特開2015−161587号公報
コーナリングや車線変更など走行している車両の運動方向を回転変化させる場合、パワートレーンやシャシーが横方向の力を自動車車体に伝達し、車両全体が運動方向を変えていく。自動車車体の剛性が高くて車両全体が剛体に近づくと、車両はスムーズに運動方向を変えることができる。これに対して自動車車体の剛性が低いと、瞬間的な横方向(車体幅方向)に生じる慣性力により自動車車体に弾性変形が発生し、車両全体の運動に時間遅れが生じる。そして、運転者はこの時間遅れを感じると余分にステアリング操作を行いがちとなり、剛性の高い自動車車体と比較して大きな操舵角や操舵力が必要となり、操縦安定性などの官能評価が低下する傾向となる。
このように、車両走行時に発生する慣性力による自動車車体の弾性変形は、変位の時間遅れとともに自動車車体に振動を励起する。そして、励起された振動の周期、大きさ、収束(減衰)時間は、車体剛性とともに運転者が感じる操縦安定性を含む官能評価に関わることが知られている。したがって、自動車車体の振動特性を制御することは、自動車車体の剛性とともに操縦安定性のような車両性能を向上させるうえでの重要な因子となる。特に、官能評価項目の中でも操縦安定性は、コーナリングや車線変更時の車両応答挙動と強い相関があると考えられ、車体幅方向に作用する荷重に対する自動車車体の応答挙動を把握することが重要である。
しかしながら、特許文献3に開示されている手法は、フロントタイヤやサスペンションを介した路面からの上下方向入力に対する自動車車体の振動特性に関するラボ試験データとして有用であるが、自動車車体に作用する慣性力により生じる車体変形の振動特性を得ることができない。また、自動車車体における振動を観測する位置は、主としてフロアやシートであって車両を剛体とみなしているため、振動の測定部位による振動特性の相違については考慮されていない。
さらに、自動車車体を対象とする実験モード解析では、構造体としての自動車車体の共振周波数(固有値)と各共振周波数に対応する振動モードを推定することが可能であるが、前述のとおり、自動車車体の局部に荷重を入力したり衝撃を与えて自動車車体全体に発生する振動を計測して解析するものであるため、操縦安定性の評価に必要となる自動車車体の重心を作用点として慣性力により発生する車体変形の振動を測定して解析することは困難である。
本発明は係る課題を解決するためになされたものであり、車両走行時における自動車車体の動的な車体特性の評価指標を得ることができる自動車車体の特性試験方法を提供することを目的とする。
車両の走行時における自動車車体の動的な車体特性をラボスケールでの試験により得るためには、少なくとも負荷荷重の変動に対する自動車車体の動的な変形挙動を測定することが重要である。さらに、車両がコーナリングや車線変更する場合、自動車車体の特性は、車体幅方向に作用する荷重(慣性力)による非定常の過渡的(動的)な変形挙動に大きく左右される。特に、車線変更時における車両安定性の観点からは、自動車車体に作用する荷重が消失した後、該自動車車体の変形が復元する過程における振動減衰挙動が重要である。しかしながら、前述のとおり、自動車車体を対象とした従来のねじり剛性試験では車体幅方向に作用する荷重による自動車車体の変形とその振動減衰挙動を得ることはできない。
そこで本発明者らは、振動装置を用いて自動車車体全体を加振及び制動することで車体幅方向に荷重を作用させ、該荷重により自動車車体に発生した車体変形の弾性回復による振動減衰挙動を取得することで、実車両の走行試験を行わずに自動車車体の動的な車体特性に係る数値指標を得る試験方法について検討を行った。
具体的には、評価対象とする自動車車体を水平1軸方向に運動(加速、定速、減速)が可能なスライド機構付きテーブルに固定し、該スライド機構付きテーブルを加速させた後に急制動するように制御された振動装置により前記自動車車体の車体幅方向に荷重を作用させ、該自動車車体に生じた車体変形の振動減衰挙動を直接的に測定する試験を行った。
ここで、水平1軸方向に往復運動が可能である振動装置として動電式振動装置を用いた場合、スライド機構付きテーブル自体は制御された加振波形、例えば、スライド機構付きテーブルの加速度がシングルパルス波となるように加振動作を行い、加振終了後は制動して即座に静止させることが理想である。しかしながら、実際の試験では、目的の加速度パルスを発生させた後のスライドテーブル機構付きテーブルは静止することなく、等速ないしは減速しながら直線運動を継続する。
また、ラボスケールの試験ではスライド機構付きテーブルの可動範囲に制限があるので、スライド機構付きテーブルを制動して速やかに静止させるために、動電式振動装置を駆動するための制御入力には、スライド機構付きテーブルに加速度を発生させる制御入力と制動させるための制御入力とが混合することになる。しかしながら、制動するための制御入力は、自動車車体の振動を強制的に抑制することになるので、加振終了後における自動車車体の振動減衰特性は、加振によって自動車車体に生じた変形の振動減衰挙動とは必ずしも同じ挙動を示すとは限らない。
そのため、本発明者らは、前記動電式振動装置により様々な自動車車体を試験対象とした試験を行ったところ、自動車車体を加振する方向以外にも、自動車車体に発生した慣性力に起因する振動が発生することを確認した。さらに、加振方向以外の振動特性と車体特性及び操縦安定性との相関性を検討した結果、加振方向と同一平面上で直交する方向の振動減衰挙動は、加振方向の振動波形に重畳しているスライド機構付きテーブルを制動するための制御波形によるノイズ成分が極めて少なく、自動車車体の車体特性及び操縦安定性との相関性が高いことを見い出した。
本発明は、上記知見に基づいてなされたものであり、具体的には以下の構成を備えてなるものである。
(1)本発明に係る自動車車体の特性試験方法は、自動車車体を固定できるスライド機構付きテーブルと、該スライド機構付きテーブルを水平1軸方向に加振し加速させてその後制動する振動装置と、を用いたものであって、加速度計を設置した自動車車体を前記スライド機構付きテーブルに固定し、該スライド機構付きテーブルを所定の加速度パターンで水平1軸方向に加振する加振工程と、該加振した前記スライド機構付きテーブルを制動する制動工程と、該制動工程において前記水平1軸方向と直交する方向の前記自動車車体の加速度を測定し、該測定した加速度の振動減衰挙動を取得する振動減衰挙動取得工程と、該取得した振動減衰挙動に基づいて前記自動車車体の車体特性の評価指標を取得する評価指標取得工程と、を備えることを特徴とするものである。
(2)上記(1)に記載のものにおいて、前記加振工程は、前記水平1軸方向を前記自動車車体の車体幅方向とすることを特徴とするものである。
(3)上記(1)又は(2)に記載のものにおいて、前記評価指標取得工程は、前記取得した振動減衰挙動より減衰速度を求め、該求めた減衰速度を前記評価指標とすることを特徴とするものである。
(4)上記(1)又は(2)に記載のものにおいて、前記評価指標取得工程は、前記取得した振動減衰挙動の周波数分析を行って周波数スペクトルを求め、該求めた周波数スペクトルの最大ピーク値を評価指標とすることを特徴とするものである。
(5)上記(1)又は(2)に記載のものにおいて、前記評価指標取得工程は、前記取得した振動減衰挙動の周波数分析を行って周波数スペクトルを求め、該求めた周波数スペクトルの最大ピーク値に対応する周波数をピーク周波数として評価指標とすることを特徴とするものである。
本発明においては、自動車車体を固定できるスライド機構付きテーブルと、該スライド機構付きテーブルを水平1軸方向に加振し加速させてその後制動する振動装置と、を用いたものであって、加速度計を設置した自動車車体を前記スライド機構付きテーブルに固定し、該スライド機構付きテーブルを所定の加速度パターンで水平1軸方向に加振する加振工程と、該加振した前記スライド機構付きテーブルを制動する制動工程と、該制動工程において前記水平1軸方向と直交する方向の前記自動車車体の加速度を測定し、該測定した加速度の振動減衰挙動を取得する振動減衰挙動取得工程と、該取得した振動減衰挙動に基づいて前記自動車車体の車体特性の評価指標を取得する評価指標取得工程と、を備えることにより、実車両の走行試験を行うことなく、走行試験における官能評価と相関性のある自動車車体の動的な車体特性に係る評価指標を得ることができる。
本発明の実施の形態に係る自動車車体の特性試験方法の処理の流れを説明する図である。 本実施の形態で用いる自動車車体の特性試験装置を説明する図である。 本実施の形態で用いる自動車車体の特性試験装置において、自動車車体の設置方向と加速度計の設置位置を説明する図である。 本実施の形態で用いる自動車車体の特性試験装置において、自動車車体における加速度計の設置位置を説明する図である。 本実施の形態で用いる自動車車体の特性試験装置において、振動装置として用いた動電式振動装置を説明する図である。 本実施の形態に係る自動車車体の特性試験方法において、動電式振動装置を駆動するために投入する投入電力パターンを決定する処理の流れを説明する図である。 本実施の形態に係る自動車車体の特性試験方法において、自動車車体に対して目標とする加速度パターンと、スライド機構付きテーブルの加速度の測定結果を示す図である。 本実施の形態に係る自動車車体の特性試験方法において、自動車車体の加振方向に直交する車体前後方向における加速度の時間応答曲線の測定例である。 本実施の形態に係る自動車車体の特性試験方法において、自動車車体の加振方向である車体幅方向における加速度の時間応答曲線の測定例である。 本実施の形態に係る自動車車体の特性試験方法において、加速度の時間応答曲線に基づいて振動減衰挙動の減衰速度を求める手順を説明する図である。 本実施の形態に係る自動車車体の特性試験方法において、自動車車体の加振方向に直交する車体前後方向における振動減衰挙動の減衰速度を説明する図である。 本実施の形態に係る自動車車体の特性試験方法において、自動車車体の加振方向である車体幅方向における振動減衰挙動の減衰速度を説明する図である。 実施例において、自動車車体を補剛する補剛部品とその装着位置を示す図である。 実施例において、自動車車体の加振方向と直交する車体前後方向における加速度の時間応答曲線と、スライド機構付きテーブルの変位の測定結果である。 実施例において、自動車車体の加振方向である車体幅方向における加速度の時間応答曲線とスライド機構付きテーブルの変位の測定結果である。 実施例において、自動車車体の加振方向と直交する車体前後方向の振動減衰挙動に基づいて求めた減衰速度である。 実施例において、自動車車体の加振方向と直交する車体前後方向における加速度の時間応答曲線について周波数分析を行って求めた周波数スペクトルである。 実施例において、自動車車体の加振方向である車体幅方向における加速度の時間応答曲線について周波数分析を行って求めた周波数スペクトルである。
本発明の実施の形態に係る自動車車体の特性試験方法は、図2に示すような自動車車体21を試験対象として特性試験装置1を用いて行うものである。そこで、試験対象とする自動車車体21及び特性試験装置1について説明した後に、本実施の形態に係る自動車車体の特性試験方法について説明する。
<自動車車体>
本発明で試験対象とする自動車車体21(図2〜図4参照)は、シャシー、足回り部品、駆動系部品、内装部品などを含まない、いわゆるホワイトボディー(ボディーイン・ホワイト)が対象であり、サイドシル部やルーフヘッダー部、ルーフレール部などの車体骨格部品や、車体フロア部やサスペンションを締結するサスペンションマウント部、バンパーリンフォースなどを有する。
<特性試験装置>
特性試験装置1は、図2に示すように、自動車車体21を固定できるスライド機構付きテーブル3と、スライド機構付きテーブル3を所定の加速度パターンで水平1軸方向に加振及び制動させるように制御できる振動装置5を備えてなるものである。
スライド機構付きテーブル3は、自動車車体21を固定して水平1軸方向に直線運動するものであり、例えば図2に示すように、自動車車体21を固定する振動テーブル7と、自動車車体21の直線運動を可能とするリニアガイド9からなるものを用いることができる。
自動車車体21は、車体フロア部やサスペンションマウント部など、実車両での走行時において力の入力点となりうる部位でスライド機構付きテーブル3と固定するものとし、本実施の形態において、自動車車体21の車体幅方向(図2及び図3)に直線運動させて加振するように固定されている。さらに、自動車車体21には後述するように、加振した自動車車体21を制動するときの加速度を測定する加速度計23が設置されている。
加速度計23を設置する位置は、ルーフヘッダー部やサイドシル部など車体骨格となる部位とすればよい。なお、図2〜図4中のA0〜A5の位置に加速度計23が設置されており、A0はスライド機構付きテーブル3を加振及び制動したときの振動テーブル7の加速度を、A1〜A5は自動車車体21の各位置における加速度を測定するものである。
スライド機構付きテーブル3は、自動車車体21を固定する治具を振動テーブル7に備えているものとする。そして、自動車車体21を固定する部位は、自動車車体21の特性を評価する内容や目的に応じて、車体フロア部やサスペンションマウント部などを中心に適宜選択してもよい。
振動装置5は、自動車車体21を固定したスライド機構付きテーブル3を所定の加速度パターンで水平1軸方向に運動させることにより自動車車体21の車体幅方向に荷重を生じさせて弾性変形させるものであり、可動部11を介してスライド機構付きテーブル3と連結されている。
振動装置5としては、図5に示す動電式振動装置13を用いるとよい。
動電式振動装置13は、励磁コイルにより発生した磁界中においてドライブコイルに所定の電流を流して発生する力により、該ドライブコイルを図5に示す動作方向に駆動するものである。
図2に示す振動装置5として動電式振動装置13を用いた場合、ドライブコイルを有する可動部11をスライド機構付きテーブル3と連結することで、動電式振動装置13の駆動に伴ってスライド機構付きテーブル3を振動させる。
動電式振動装置13は、目標とする加速度パターンで駆動させるために動電式振動装置13を駆動させる制御装置を備えている。当該制御装置としては、例えば、自動車車体21を固定したスライド機構付きテーブル3を周波数スイープやホワイトノイズなど複数周波数の加振を行って応答挙動を事前に測定し、スライド機構付きテーブル3を所定の加速度パターン又は変位パターンで加振及び制動させるために動電式振動装置13に投入する投入電力パターンを生成する機能を有するものを用いるとよい。
<自動車車体の特性試験方法>
本実施の形態に係る自動車車体の特性試験方法は、図2に示す特性試験装置1を用いたものであって、図1に示すように、加振工程S1と、制動工程S3と、振動減衰挙動取得工程S5と、評価指標取得工程S7と、を備えたものである。以下、上記の各工程について特性試験装置1の動作とともに説明する。
<加振工程>
加振工程S1は、振動装置5を用いて自動車車体21を固定したスライド機構付きテーブル3を一定の加速度パターンで加振させる工程であり、自動車車体21においては、スライド機構付きテーブル3と固定される部位を介して車体幅方向に力が伝達され、自動車車体21の車体幅方向に慣性力が作用して弾性変形が生じる。
加振工程S1は、振動装置5によりスライド機構付きテーブル3を一定の加速度パターンで加振させるために振動装置5に投入する投入電力パターンを生成する必要がある。以下、動電式振動装置13によりシングルパルス波の加速度パターンでスライド機構付きテーブル3を加振させる場合を例として、振動装置5に投入する投入電力パターンを生成する手順を説明する(図6)。
まず、自動車車体21を固定したスライド機構付きテーブル3の伝達関数(周波数毎の応答関数)を測定し(S11)、測定した伝達関数に基づいて、所定の加速度パターンで動電式振動装置13を駆動させるための制御定数を決定する(S13)。
次に、決定した制御定数を用い、加速度パターンで駆動させるために動電式振動装置13を駆動制御する制御プログラムを生成する(S15)。
上記のように生成された制御プログラムで動電式振動装置13を駆動することにより(S17)、シングルパルス波となる一定の加速度パターンでスライド機構付きテーブル3を加振させることができる。
図7に、上記の手順でシングルパルス波となる加速度パターンを生成した制御プログラムで動電式振動装置13を駆動したときのスライド機構付きテーブル3の加速度の測定結果の一例を示す。図7に示す加速度は、振動テーブル7に設置された加速度計23(図4のA0)により測定したものであり、スライド機構付きテーブル3は、予備加速された後、t=2.5sにおいて最大加速度となるハーフサイン形状のシングルパルスの加速度が付与されていることがわかる。
<制動工程>
制動工程S3は、加振工程S1の後、加振したスライド機構付きテーブル3を制動する工程である。
動電式振動装置13を用いてスライド機構付きテーブル3を制動させる場合、制動工程S3は、スライド機構付きテーブル3の振動と逆位相で動電式振動装置13を駆動し、スライド機構付きテーブル3を制動する。
なお、スライド機構付きテーブル3を制動する過程においては、自動車車体21はスライド機構付きテーブル3に対する重量比率が大きく、その重心位置が高くてモーメントアームが長い場合、加振工程S1で生じた自動車車体21の弾性変形の復元による振動の影響でスライド機構付きテーブル3に制御外の振動が発生し、スライド機構付きテーブル3の振動パターンに乱れが生じることが懸念される。このような場合、制動工程S3においては、スライド機構付きテーブル3を制動させるとともに制御外の振動を抑制して十分に収束させるように動電式振動装置13を制御して駆動させればよい。
<振動減衰挙動取得工程>
振動減衰挙動取得工程S5は、制動工程S3における前記加振する方向と直交する方向の前記自動車車体の加速度を測定し、該測定した加速度の振動減衰挙動を取得する工程である。本実施の形態では、加振工程S1において自動車車体21を車体幅方向に加振するため、振動減衰挙動取得工程S5は、制動工程S3における車体幅方向に直交する車体前後方向の加速度を測定し、該測定した加速度の時間応答曲線を振動減衰挙動として取得する。
振動減衰挙動取得工程S5において取得した振動減衰挙動の例を図8及び図9に示す。図8及び図9は、図2に示す特性試験装置1を用いて自動車車体21を加振及び制動し、自動車車体21のリアヘッダー部及びサイドシル部に設置した加速度計23(図3のA1及びA5)により測定した加速度の時間応答曲線であり、図8は車体前後方向の加速度GL、図9は自動車車体21の車体幅方向の加速度GW、である。
車体幅方向の加速度GW及び車体前後方向の加速度GLの時間応答曲線は、制動開始(t=5.7s)してピーク振幅を示した後、減衰している。車体前後方向の加速度GLの時間応答曲線は、図8に示すように、t=6.0sでピーク振幅を示してから1.0s程度、振動の減衰が見られる。これに対し、車体幅方向の加速度GWの時間応答曲線は、図9に示すように、t=5.8sでピーク振幅を示した後、0.4sec程度でピーク振幅の約10分の1以下に急速に減衰している。
<評価指標取得工程>
評価指標取得工程S7は、振動減衰挙動取得工程S5で取得した振動減衰挙動に基づいて自動車車体21の車体特性の評価指標を求める工程である。
本実施の形態では、車体特性の評価指標として、振動減衰挙動取得工程S5で振動減衰挙動として取得した自動車車体の加速度の時間応答曲線の減衰速度を求める。以下、加速度の時間応答曲線における振動減衰の減衰速度を求める手順を説明する。
まず、図8示す自動車車体の加速度の時間応答曲線について、制動を開始した後の振動減衰挙動における振幅を順にXn、Xn-1、…(図10参照)とし、正の加速度の振幅(X+)と負の加速度の振幅(X-)のそれぞれについて求める。なお、図8においては、制動を開始して加速度の時間応答曲線がピーク振幅(Xpeak,+、Xpeak,-)を示した後に振動減衰が生じているものとしている。
次に、加速度の時間応答曲線から求めた加速度の振幅Xn、Xn-1、…を、横軸を時間、縦軸を振幅の絶対値を対数lnXとするグラフ上にプロットし、該プロットを直線近似したときの傾きδを求める。このように求めた傾きδは、振動減衰挙動における対数減衰率(=lnXn−lnXn-1)であり、振動減衰挙動を対数減衰モデルで近似したときの減衰速度(s-1)となる。
図11は、自動車車体21の車体前後方向における加速度GLの時間応答曲線における正と負それぞれの加速度の振幅の絶対値を対数プロット(+ln|GL|、-ln|GL|)したグラフであり、各対数プロットを対数減衰モデルで近似した直線も示している。なお、-ln|GL|は、負の加速度の振幅の絶対値を対数プロットしたものである。
図11に示すように、車体前後方向における振動減衰挙動は、正の加速度の振幅絶対値の対数+ln|GL|と負の加速度の振幅絶対値の対数−ln|GL|のどちらとも対数減衰モデルで近似した直線によく一致しており、t=6.0sにおけるピーク振幅後の1.0s程度、安定して振動減衰挙動が得られていることがわかる。
なお、図11は、加振方向に直交する方向における自動車車体の加速度の時間応答曲線における加速度の振幅絶対値を対数プロットしたグラフであるが、自動車車体の振動減衰挙動として加振方向である車体幅方向の加速度の時間応答曲線の振幅を対数プロットしたグラフを図12に示す。
前述のとおり、加速度の振幅はピーク振幅を示した後に急速に減衰しているため、図12に示すとおり、減衰速度の近似に用いる対数プロットの点数が少ない。そのため、加振方向である車体幅方向の振動減衰挙動に基づいて求められる減衰速度は、十分な精度を有していないことが懸念される。
よって、図11及び図12の結果から、加振方向に直交する方向における振動減衰挙動に基づいて求めた減衰速度を車体特性の評価指標とすることが妥当であるといえる。
本実施の形態において、評価指標取得工程S7は、自動車車体21を車体幅方向に加振したときの車体前後方向の振動減衰挙動の減衰速度を評価指標として求めるものである。もっとも、本発明は、評価指標取得工程において振動減衰挙動のフーリエ解析により周波数分析を行い、その周波数スペクトルのピーク高さ(最大ピーク値)や、最大ピーク値に対応する周波数(ピーク周波数)を車体特性の評価指標としてもよい。
振動減衰挙動の周波数分析に基づく車体特性の評価指標については、後述する実施例において説明する。
以上、本実施の形態に係る自動車車体の特性試験方法によれば、自動車車体を加振する方向と直交する方向における加速度の時間応答曲線を測定することで、加振方向の振動波形に重畳している制動制御によるノイズ成分を排除した振動減衰波形を取得することでき、自動車車体の特性を精度良く評価する評価指標が得られる。
<車両走行試験との関係>
本実施の形態に係る自動車車体の特性試験方法により、操縦安定性や乗り心地などの官能評価と相関のある車体特性に関する物理的な評価指標を取得することができる理由を以下に説明する。
ダブルレーンチェンジなど所定の走行経路を逸脱することなく通過可能か否かで車両特性の評価を実施する官能評価試験においては、ドライバーのステアリング操作は自動車車体の車体特性を含む車両挙動により大きく変化し、官能評価としての操縦安定性の判定値も変化する。特に、限界値近傍条件での走行時においては、自動車車体に作用する慣性力や時間応答遅れにより所定経路からの逸脱を誘起する車体幅方向応力が発生し、車両挙動の乱れを生じやすい。ドライバーは、この車両挙動の乱れを知覚し、追加のステアリング操作(修正操舵)によりコース逸脱を回避しようとする。そのため、同一試験条件では、修正操舵が少ない車両ほど操縦安定性は良好と判断できる。
本実施の形態に係る自動車車体の特性試験方法において、自動車車体21が固定されて加振させるスライド機構付きテーブル3は、車両の走行時に運動方向や速度の変化を自動車車体に伝えるシャシーを模擬するものと考えることができる。そして、車両が決められた経路を走行する時、ドライバーの制御(操舵)でタイヤを含むシャシーが走行経路をたどり、シャシーから自動車車体に伝達する入力はほぼ同一と想定される。そのため、同一の入力を受けた自動車車体の動的な応答挙動の相違が自動車車体の動的な車体特性に関する評価指標となり得る。
さらに、本実施の形態に係る自動車車体の特性試験方法によれば、自動車車体の重心を作用点とした慣性力により発生する振動を測定することができるため、車両の操縦安定性に係る自動車車体の動的な車体特性として精度の高い評価指標を得ることができる。
なお、上記の説明において、自動車車体は車体幅方向に加振して制動し、車体前後方向の加速度を振動減衰挙動として取得するものであったが、本発明は、自動車車体を車体前後方向に加振し、自動車車体の車体幅方向の加速度を振動減衰挙動として取得するものであってもよく、評価対象とする車体特性に応じて評価したい振動方向と直交する方向に自動車車体を加振及び制動すればよい。
また、上記の説明は、自動車車体を加振及び制動する振動装置として動電式振動装置を用いたものであったが、振動装置としては、所定の加速度パターンでスライド機構付きテーブルを加振及び制動できるものであれば動電式振動装置に限るものではなく、シングルパルスの様な衝撃的な駆動出力を発生させることができるものであれば、油圧式やモーター式などの駆動方式を備えた振動装置を用いることができる。そして、油圧式やモーター式など駆動方式の異なる振動装置は、振動周波数、加振力、ストロークなどの諸元が試験条件を満足しているものであれば特別な制限はない。さらに、振動装置を駆動するための投入電力(駆動電力)や油圧などの駆動入力パターンの実績データを出力可能な機能を有していることが好ましい。
さらに、本発明に係る自動車車体の特性試験方法に用いる特性試験装置は、所定の加速度パルスで加振するために振動装置を駆動させる駆動入力パターンを作成する装置と、スライド機構付きテーブルの動きを検出する加速度計及び変位計を具備していることが好ましい。
本発明に係る自動車車体の特性試験方法の作用効果について確認するための実験を行ったので、以下、これについて説明する。
実験では、図2に示す特性試験装置1を用い、振動装置5として動電式振動装置13(図5)により自動車車体21の車体幅方向に加振及び制動させたときの自動車車体21の振動減衰挙動を取得し、該取得した振動減衰挙動に基づいて車体特性の評価指標を求めた。
実験に供した自動車車体21は、市販小型車のホワイトボディー(ドア類・フード・フェンダーなし、バンパーリンフォース、フロントガラス装着、合計重量210kg)とし、動電式振動装置13と接続したスライド機構付きテーブル3に固定した。なお、振動テーブル7及び固定治具を含む可動部の合計重要は280kgであった。そして、振動テーブル7へ自動車車体21を固定する方向として、加振方向である車体幅方向に合わせて、自動車車体21の加振による励起振動の観測方向は、車体幅方向とこれに直交する車体前後方向の2軸とした。
自動車車体21の加振による励起振動は、図3および図4に示すように自動車車体21におけるA1〜A5の各位置に加速度計23を設置して加速度の時間応答を測定した。本実施例において加速度計23には、周波数感度DC〜100Hz、最大加速度40m/s2、3軸方向同時計測タイプの加速度センサーを用いた。
自動車車体21を固定したスライド機構付きテーブル3は、目標とする加速度パターンとなるように動電式振動装置13を駆動する制御プログラムを生成し、該制御プログラムで動電式振動装置13を駆動して、スライド機構付きテーブル3を加振及び制動した。本実施例において目標とする加速度パターンは、最大加速度6.0m/s2、作用時間50msのハーフサイン形状のシングルパルス波とした。
さらに、本実施例では、ボルトオンタイプの補剛部品を装着することにより自動車車体の状態を変更した場合についても、自動車車体21を加振及び制動させたときの振動減衰挙動を取得し、該取得した振動減衰挙動に基づいて評価指標を求めた。ここで、自動車車体に装着する補剛部品は、図13に示す2種類の補剛部品A及び補剛部品Bとし、補剛部品Aのみを装着した場合と、補剛部品A及び補剛部品Bの両者を装着した場合のそれぞれについて試験を行った。
なお、本実施例で用いる補剛部品A及び補剛部品Bは、自動車車体21に装着することにより剛性向上の効果が得られているものである。また、補剛部品の脱着など自動車車体21の状態を変更した場合においても、補剛部品を装着していない自動車車体21を用いて生成した制御プログラムを変更することなしに動電式振動装置13に適用した。
本実施例では、取得した振動減衰挙動に基づいて求める評価指標は、加速度計23により測定した加速度の時間応答曲線における振動減衰挙動の減衰速度と、加速度の時間応答曲線の周波数スペクトルの最大ピーク値及びピーク周波数とした。
<減衰速度>
まず、車体特性の評価指標として求めた減衰速度の結果について説明する。
図14及び図15に、補剛部品を装着していない自動車車体21のリアヘッダー部(ルーフエンド)に設置した加速度計23(図3および図4のA5)により測定した加速度の時間応答曲線を示す。ここで、図14は、加振方向と直交する方向における加速度の時間応答曲線、図15は、加振方向における加速度の時間応答曲線である。なお、図14及び図15は、t=6.0s時に加速度パルスが作用した加速度の時間応答曲線である。
図14に示す車体前後方向における加速度の時間応答は、ピーク振幅後に滑らかに減衰していく様子がわかる。これに対し、図15に示す車体幅方向における加速度の時間応答は、ピーク振幅後に段階的に変化しながら減衰していることがわかる。
図14に示す振動減衰を対数減衰で近似するために、各振幅の絶対値を対数でプロットして減衰速度を求めた。図16に、自動車車体21のみ(基準)、補剛部品Aを装着(補剛)、補剛部品Aと補剛部品Bを装着(補剛A+B)のそれぞれについて加速度の時間応答曲線より求めた振動減衰挙動の減衰速度を示す。
図16より、基準、補剛A、補剛A+Bの順に減衰速度は低下していることがわかる。補剛部品を装着することにより自動車車体の剛性が向上し、また、補剛部品Aと補剛部品を装着することにより自動車車体の剛性がさらに向上することから、本実施例において車体特性の評価指標として求めた減衰速度は、自動車車体の剛性の違いを判別できることがわかる。
以上より、加振方向と直交する方向における加速度の時間応答曲線を自動車車体の振動減衰挙動として取得し、該振動減衰挙動より求めた減衰速度を自動車車体の車体特性に係る評価指標として取得できることが実証された。
<周波数分析>
次に、図14および図15に示す加速度の時間応答曲線の周波数分析を行い、該周波数分析により求めた周波数スペクトルの最大ピーク値と該最大ピーク値に対応する周波数であるピーク周波数について説明する。
図17及び図18に、自動車車体のみ(基準)、補剛部品Aを装着(補剛A)、補剛部品A及び補剛部品Bを装着(補剛A+B)の3ケースそれぞれについて取得した加速度の時間応答曲線をフーリエ解析して周波数成分分析を行って求めた周波数スペクトルを示す。図17は、加振方向と直交する方向の加速度についての結果であり、図18は加振方向の加速度についての結果である。
図17においては、図18に比べて周波数スペクトルのピークがシャープであり、基準、補剛A、補剛A+Bの順に、周波数スペクトルの最大ピーク値は増加し、ピーク周波数位置は低周波数側にシフトしている。すなわち、補剛部品の装着状態の違いにより、周波数スペクトルの最大ピーク値及びピーク周波数位置のシフト量が明確に判別されている。
ここで、自動車車体に補剛部品Aを装着することで補剛効果が得られ、補剛部品Aと補剛部品Bを装着することでさらに補剛効果が得られることから、補剛部品の装着による補剛効果の大小関係は、加振方向と直交する方向の加速度の周波数スペクトルにおける最大ピーク値又はピーク周波数位置のシフト量により判別できることがわかる。
これに対し、図18においては、図17に比べて周波数スペクトルのピークはブロードであり、自動車車体のみ(基準)の場合と補剛部品を装着した場合とを比較すると最大ピーク値には差異が見られるもののピーク周波数に変化は見られなかった。さらに、補剛部品Aを装着した場合と補剛部品A及び補剛部品Bを装着した場合については、最大ピーク値及びピーク周波数の双方においても識別することができなかった。したがって、加振方向と同じ方向の加速度の周波数スペクトルに最大ピーク値又はピーク周波数位置のシフト量のいずれにおいても、補剛部品の装着による補剛効果を判別できない場合があることがわかる。
以上より、加振方向と直交する方向における加速度の時間応答曲線の周波数分析により求めた周波数スペクトルの最大ピーク値またはピーク周波数を自動車車体の特性を評価する評価指標として取得できることが実証された。
1 特性試験装置
3 スライド機構付きテーブル
5 振動装置
7 振動テーブル
9 リニアガイド
11 可動部
13 動電式振動装置
21 自動車車体
23 加速度計

Claims (5)

  1. 自動車車体を固定できるスライド機構付きテーブルと、該スライド機構付きテーブルを水平1軸方向に加振し加速させてその後制動する振動装置と、を用いた自動車車体の特性試験方法であって、
    加速度計を設置した自動車車体を前記スライド機構付きテーブルに固定し、該スライド機構付きテーブルを所定の加速度パターンで水平1軸方向に加振する加振工程と、
    該加振した前記スライド機構付きテーブルを制動する制動工程と、
    該制動工程において、自動車車体に発生した慣性力に起因し、前記水平1軸方向と直交する方向であって加振方向の振動波形に重畳しているスライド機構付きテーブルを制動するための制御波形によるノイズ成分が極めて少ない方向の前記自動車車体の加速度を測定し、該測定した加速度の振動減衰挙動を取得する振動減衰挙動取得工程と、
    該取得した振動減衰挙動に基づいて前記自動車車体の車体特性の評価指標を取得する評価指標取得工程と、を備えることを特徴とする自動車車体の特性試験方法。
  2. 前記加振工程は、前記水平1軸方向を前記自動車車体の車体幅方向とすることを特徴とする請求項1記載の自動車車体の特性試験方法。
  3. 前記評価指標取得工程は、前記取得した振動減衰挙動より減衰速度を求め、該求めた減衰速度を前記評価指標とすることを特徴とする請求項1又は2に記載の自動車車体の特性試験方法。
  4. 前記評価指標取得工程は、前記取得した振動減衰挙動の周波数分析を行って周波数スペクトルを求め、該求めた周波数スペクトルの最大ピーク値を評価指標とすることを特徴とする請求項1又は2に記載の自動車車体の特性試験方法。
  5. 前記評価指標取得工程は、前記取得した振動減衰挙動の周波数分析を行って周波数スペクトルを求め、該求めた周波数スペクトルの最大ピーク値に対応する周波数をピーク周波数として評価指標とすることを特徴とする請求項1又は2に記載の自動車車体の特性試験方法。
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