JP6390646B2 - 自動車車体の剛性試験装置及び方法 - Google Patents

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Description

本発明は、自動車車体の剛性試験装置及び方法に関し、特に、自動車車体の車体幅方向に荷重を作用させて剛性試験を行う自動車車体の剛性試験装置及び方法に関する。
従来、自動車車体の剛性に関しては、自動車車体のフロント側のサスペンション締結部又はリア側のダンパー取り付け位置を固定し、固定していない反対側のサスペンション締結部又はダンパー取り付け位置の左右それぞれにアクチュエーターを接続し、左右のアクチュエーターを逆位相で動かして前記自動車車体全体をねじり、一定荷重を負荷した時のねじれ角度を測定するねじり剛性試験による評価が一般的に行われている。このようなねじり剛性試験で評価される剛性は静的な評価値であり、構造体としての剛性を評価する場合においては有用である。しかしながら、テストドライバーによる実車両の走行試験において評価される操縦安定性や乗り心地等といった官能評価値との相関性は十分であるとはいえない。
実車両の走行試験において評価される官能評価値は、タイヤやサスペンション等の足回りやシャシ構造の寄与が大きく、ボディ構造(自動車車体)の剛性のみで決定されるわけではない。しかしながら、自動車車体の剛性が十分ではない車両では、シャシ構造の調整のみで官能評価値を満足のいくものにすることはできない。
官能評価値に近い指標を、自動車車体を試験対象としたラボスケールでの剛性試験により得るためには、少なくとも負荷荷重の変動に対する自動車車体の動的な変形挙動を測定することが重要である。動的な変形挙動を測定するためには、例えば、前述のねじり剛性試験において負荷荷重を連続的に変化させることにより周期的なねじり変形を自動車車体に与えて、その時のねじり角度の変化や自動車車体各部の変形挙動を測定する手法が考えられる。このようなねじり剛性試験は、タイヤとサスペンションを介して路面から車両上下方向に荷重が入力する場合における変形挙動に関してラボスケールでの試験データとして有用であるが、コーナーリングや車線変更等といった車体幅方向に荷重が作用する場合における変形挙動を知ることができない。
車体幅方向に作用する荷重による自動車車体の変形挙動を知る方法として、例えば、特許文献1には、車体各部の剛性を計測する技術が開示されている。この技術によれば、荷重を入力する部位及び方向を任意に設定することができる。
特開2006−284340号公報
特許文献1に開示された技術によれば、車体幅方向に作用する荷重に対する剛性を評価することが可能であると考えられる。しかしながら、特許文献1に開示されている技術は、モーダル解析として実施されている強制振動を付与した車体の周波数応答や固有値解析を用い、30Hz以上の周波数領域を主体とした剛性試験であって、定常状態での振動挙動を解析するものであるため、車体振動やロードノイズに関連する車両性能の評価項目との相関性は強いが、操縦安定性といった官能評価値の評価には不十分である。
操縦安定性や乗り心地といった官能評価値を物理的な数値指標に基づいて評価することが可能であると、自動車車体に要求される性能の基準や目標が明確となり、車体骨格の設計段階であっても車両性能の作り込みが容易となる。
車両性能の中でも、操縦安定性は、コーナーリングや車線変更時における車両の応答挙動と強い相関があると考えられ、コーナーリングや車線変更時において車体幅方向に働く慣性力による過渡的な自動車車体の変形挙動に大きく左右される。
そのため、実車両の走行状態において車体幅方向に働く慣性力によって自動車車体各部に作用する荷重による動的な変形挙動を測定することができると、物理的な数値指標により官能評価値を得ることが可能になると考えられる。特に、車線変更時における操縦安定性においては、周期的な荷重付与による定常状態における振動観測よりも、自動車車体に作用する荷重が消失した後の自動車車体変形の復元挙動が重要である。
しかしながら、実車両の走行状態において作用する荷重が変化する場合における自動車車体の動的な変形挙動を対象とした剛性試験はこれまでに行われていなかった。
本発明は係る課題を解決するためになされたものであり、実車両の走行状態に対応する車体幅方向に働く慣性力によって自動車車体に作用する荷重による動的な変形挙動を測定することにより、車両の操縦安定性と相関性がある自動車車体の剛性を得る自動車車体の剛性試験装置及び方法を提供することを目的とする。
本発明者は、操縦安定性といった官能評価を実車両の走行試験を行わずに、自動車車体を用いたラボ試験により行い、官能評価との相関性の高い自動車車体の剛性試験装置及び方法について検討した。
まず、前述のとおり、操縦安定性と自動車車体の剛性とは互いに相関があることから、自動車車体に荷重を作用させて変形した状態から荷重を消失させて変形前の初期形状に復元する過程における自動車車体の動的な変形挙動を測定する剛性試験により得られる結果と、該自動車車体にシャシやタイヤ等を設けた実車両の走行時における操縦安定性との相関性は大きいと考えた。ここで、自動車車体の動的な変形挙動としては、車体変形の変位量や変形の加速度、減速度等の過渡応答(経時変化)が挙げられる。
また、本発明者は、実車両のコーナーリングや車線変更等といった車両の進行方向が変化するような運動において、自動車車体の車体幅方向に作用する横荷重は操舵する前輪から発生してフロントサスペンションやサスペンションメンバーの車体締結部を通じて車体の前部(フロント側)に入力されるのに対し、車体の後部(リア側)では後輪が車体に引きずられる形で追従することに着目した。
ここで、車両の前後方向及び上下方向の剛体運動をキャンセルして車両の幅方向の変化のみに注目すると、自動車車両の運動は、車体のある点を中心とした回転運動として捉えることができる。そして、車体に作用する横荷重もこの回転運動に起因して自動車車体に働く慣性力と考えられることから、回転可能な回転テーブルに自動車車体を固定して回転テーブルを回転させることにより、自動車車体を回転運動させて横荷重を作用させる剛性試験方法に想到した。この場合、自動車車体に働く慣性力は、回転運動の角加速度、回転軸からの距離及び質量によって定まることから、回転テーブル上に固定される自動車車体の配置によって、自動車車体の各部に作用する横荷重(=慣性力)は異なる。
そこで、回転テーブルの回転軸を通る径方向と自動車車体の前後方向の中心軸を合わせて回転テーブルに自動車車体を配置した場合、回転テーブルを回転させて急制動した時に自動車車体の各部位に発生する減速度は回転軸からの距離に比例して増加し、自動車車体のフロント側を回転テーブルの外周側に配置することにより、自動車車体のフロント側とリア側に働く慣性力の傾斜配分を実車両の走行時における横荷重により近いものにすることができるという知見を得た。
本発明は、かかる知見に基づいてなされたものであり、具体的には以下の構成からなるものである。
(1)本発明に係る自動車車体の剛性試験装置は、自動車車体の車体幅方向に荷重を作用させて前記自動車車体の剛性試験を行うものであって、前記自動車車体が載置及び固定されて、回転可能な回転テーブルと、該回転テーブルが回転するように駆動する回転駆動装置と、回転している前記回転テーブルを減速制動する減速制動装置を備え、さらに、前記回転駆動装置による回転駆動及び/又は減速制動装置による減速制動により、前記回転テーブルに載置及び固定された前記自動車車体に慣性力を働かせて、当該慣性力を荷重として該自動車車体に作用させて、前記自動車車体の変形の変位量、及び/又は、加速度又は減速度に基づいて変形挙動を求める変形挙動取得手段を有することを特徴とするものである。
(2)上記(1)に記載のものにおいて、前記回転テーブルは、前記自動車車体を載置及び固定する固定台を有し、該固定台は、該固定台に載置した自動車車体の前後方向の中心軸を前記回転テーブルの回転軸を通る径方向に一致させる位置に配置可能であることを特徴とするものである。
(3)上記(1)又は(2)に記載のものにおいて、前記変形挙動取得手段は、前記回転テーブルに設置されて前記自動車車体のステレオ画像を撮像するステレオカメラと、該ステレオ画像を画像解析して前記自動車車体の前記回転テーブルに対する相対変位量を求めるステレオ画像解析装置を有することを特徴とするものである。
(4)上記(1)乃至(3)のいずれかに記載のものにおいて、前記変形挙動取得手段は、前記自動車車体に取り付けられて該自動車車体の車体幅方向の加速度又は減速度を求める加速度・減速度計を有することを特徴とするものである。
(5)上記(1)乃至(4)のいずれかに記載のものにおいて、前記変形挙動取得手段は、前記自動車車体の車体幅方向における変位量を取得し、該車体幅方向における変位量及び前記自動車車体と前記回転テーブルとを固定する締結部の位置に基づいて、前記自動車車体のねじれ角度を算出するねじれ角度算出手段を備えたことを特徴とするものである。
(6)本発明に係る自動車車体の剛性試験方法は、自動車車体の車体幅方向に荷重を作用させて前記自動車車体の剛性試験を行うものであって、前記自動車車体が載置及び固定された回転テーブルを回転するように駆動する回転駆動工程と、回転している前記回転テーブルを減速制動する減速制動工程と、前記回転駆動工程及び/又は減速制動工程において前記自動車車体に慣性力を働かせて、当該慣性力を荷重として該自動車車体に作用させて、前記自動車車体の変形の変位量、及び/又は、加速度又は減速度に基づいて変形挙動を求める変形挙動取得工程とを有することを特徴とするものである。
(7)上記(6)に記載のものにおいて、前記回転駆動工程により前記回転テーブルを所定の速度にまで回転駆動した後、該回転テーブルを一定の速度で回転させる等速回転工程をさらに備え、前記減速制動工程は、前記等速回転工程において一定の速度で回転している前記回転テーブルを減速制動することを特徴とするものである。
(8)上記(6)又は(7)に記載のものにおいて、前記回転駆動工程は、前記自動車車体の前後方向の中心軸を前記回転テーブルの回転軸を通る径方向に一致させたまま、前記自動車車体の前記回転テーブルに固定する位置を変更することにより、前記自動車車体に働く慣性力の車体前後方向における分布を調節する工程を含むことを特徴とするものである。
(9)上記(6)乃至(8)のいずれかに記載のものにおいて、前記変形挙動取得工程は、前記自動車車体のステレオ画像を撮像するステレオ画像撮像工程と、前記ステレオ画像を画像解析して前記自動車車体の前記回転テーブルに対する相対変位量を求めるステレオ画像解析工程とを有することを特徴とするものである。
(10)上記(6)乃至(9)のいずれかに記載のものにおいて、前記変形挙動取得工程は、前記自動車車体に加速度・減速度計を取り付けて該自動車車体の車体幅方向の加速度又は減速度を求める加速度・減速度取得工程を有することを特徴とするものである。
(11)上記(6)乃至(10)のいずれかに記載のものにおいて、前記変形挙動取得工程により取得された前記自動車車体の変形の変位量と、前記回転テーブルと前記自動車車体とを固定する締結部の位置に基づいて、前記自動車車体のねじれ角度を算出するねじれ角度算出工程を有することを特徴とするものである。
本発明においては、自動車車体の車体幅方向に荷重を作用させて前記自動車車体の剛性試験を行うものであって、前記自動車車体が載置及び固定されて、回転可能な回転テーブルと、該回転テーブルが回転するように駆動する回転駆動装置と、回転している前記回転テーブルを減速制動する減速制動装置を備え、さらに、前記回転駆動装置による回転駆動及び/又は減速制動装置による減速制動により、前記回転テーブルに載置及び固定された前記自動車車体に慣性力を働かせて、当該慣性力を荷重として該自動車車体に作用させて、前記自動車車体の変形の変位量、及び/又は、加速度又は減速度に基づいて変形挙動を求める変形挙動取得手段を有することにより、前記自動車車体の車体幅方向に荷重を作用させて前記自動車車体の動的な変形挙動を測定し、実車両の走行時に対応するラボスケールでの剛性試験を行うことができる。
本実施の形態に係る自動車車体の剛性試験装置を説明する説明図であり、(a)は上面図、(b)は側面図である。 本実施の形態に係る自動車車体の剛性試験装置において自動車車体の設置位置と自動車車体の各部に発生する加速度(減速度)の分布を説明する説明図であり、(a)は上面図、(b)は側面図である。 実施例において加速度・減速度計の取り付け位置を説明する図である。 実施例における減速度の測定結果の図である。 実施例における相対変位量の測定結果の図である。
本発明の実施の形態に係る自動車車体の剛性試験装置1(以下、単に「剛性試験装置1」という)は、自動車車体50の車体幅方向に荷重を作用させて自動車車体50の剛性試験を行うものであって、図1に示すように、自動車車体50が載置及び固定されて回転する回転テーブル11と、回転テーブル11が回転するように駆動する回転駆動装置15と、回転している回転テーブル11を減速制動する減速制動装置17と、自動車車体50の変形の変位量を求めるステレオカメラ21及びステレオ画像解析装置31と、自動車車体50の変形の加速度又は減速度を求める加速度・減速度計25とを有するものである。
以下、自動車車体50及び本実施の形態に係る剛性試験装置1の各構成を図1に基づいて詳細に説明する。
<自動車車体>
本発明の一例となる剛性試験の対象とする自動車車体50は、フロントピラー、サイドシル、クロスメンバー等といった骨格部品のみで構成される車体骨格(ホワイトボディ)であり、車体骨格を固定台13に締結する締結部51を有する(図1参照)。
<回転テーブル>
回転テーブル11は、自動車車体50を載置及び固定し、水平平面上で回転可能なものであり、例えば、図1に示すように、回転テーブル11の上面に固定台13を有する。
図1において、自動車車体50は、車体前後方向の中心軸と回転テーブル11の回転軸を通る径方向とが一致するように回転テーブル11の上面に載置及び固定され、締結部51と固定台13を介して固定されている。
固定台13は、例えば図2に示すように、自動車車体50の前後方向の中心軸と回転テーブル11の回転軸を通る径方向とを一致させたまま、自動車車体50の車体前方側又は車体後方側が回転テーブル11のより外周側に位置するように載置及び固定することができる。
<回転駆動装置>
回転駆動装置15は、自動車車体50が載置及び固定された回転テーブル11が回転するように駆動するものであり、自動車車体50の車体幅方向(回転方向)に加速度を発生させたり、後述する減速制動装置17により自動車車体50を減速制動する際、自動車車体50の車体幅方向に所定の減速度を発生させるのに要する速度で、回転テーブル11を回転させるものである。
回転駆動装置15には、例えばモーターや油圧シリンダーを用いることができるが、自動車車体50を載置及び固定した回転テーブル11を所定の加速度で回転を開始できるか、又は所定の速度で回転テーブル11を回転させることができるものであれば、回転駆動装置15は、回転テーブル11を一回転以上させるものでなくても良い。
また、回転駆動装置15は、静止している回転テーブル11を回転させることにより自動車車体50の車体幅方向(回転方向)に加速度が発生し、自動車車体50に対して働く慣性力を荷重として作用させるものであっても良いが、この場合においては所定の慣性力(加速度)を得るためには、回転駆動装置15には大パワーのモーターが必要となる。
そのため、所定の速度で回転している回転テーブル11を減速制動することにより自動車車体50に慣性力(荷重)を作用させる場合においては、回転駆動装置15として用いるモーターに大パワーのものを用いる必要はなく、回転テーブル11を所定の回転速度まで加速できるものであれば良い。
<減速制動装置>
減速制動装置17は、回転駆動装置15により回転している回転テーブル11を減速して制動するものであり、回転テーブル11を減速及び制動することにより自動車車体50の車体幅方向(回転方向)に減速度が発生し、自動車車体50に働く慣性力を荷重として作用させる。
減速制動装置17には、自動車車体50を載置及び固定した回転テーブル11を減速制動する際の減速度が、例えば実際の自動車車両が走行して車線変更する際に車体幅方向に生じる減速度と同程度であることが望まれ、具体的には、自動車車体50の車体幅方向に0.1〜5.0G程度の減速度を付与できるものであることが望ましい。
なお、減速制動装置17には、例えば電磁ブレーキやブレーキシューなどを用いることができる。
<ステレオカメラ>
ステレオカメラ21は、回転駆動装置15又は減速制動装置17により車体幅方向に荷重が作用して変形が生じている自動車車体50のステレオ画像を撮像するものであり、例えば、図1に示すように、回転テーブル11の上面に設置されている。
ステレオカメラ21は、連続撮影又は動画撮影が可能な複数台のデジタルカメラにより構成することができ、ステレオカメラ21の解像度や記録速度は、車体幅方向に荷重を作用させた際に自動車車体50に生じる変形範囲及び変形速度や、ステレオ画像解析装置31による画像解析において必要とされる分解能等によって適宜選択できる。
なお、ステレオカメラ21を回転テーブル11の上面に設置する際には、回転テーブル11の回転駆動又は減速制動によって自動車車体50に対するステレオカメラ21の相対位置が変化しないように、十分な剛性を有する支持台を用いて回転テーブル11に設置することが望ましい。
<ステレオ画像解析装置>
ステレオ画像解析装置31は、ステレオカメラ21により撮像された自動車車体50のステレオ画像の画像解析を行い、回転駆動装置15又は減速制動装置17によって自動車車体50に働く慣性力に起因する変形挙動として、自動車車体50の回転テーブル11に対する相対変位を求めるものである。
ステレオ画像解析装置31には、PC(パーソナルコンピュータ)等のコンピュータによって構成されたものを用いることができ、図1に示すとおり、表示装置33、入力装置35、主記憶装置37、補助記憶装置39及び演算処理部41を有している。そして、演算処理部41には、表示装置33、入力装置35、主記憶装置37及び補助記憶装置39が接続され、演算処理部41の指令によって各機能を行う。
表示装置33は、モニター等で構成され、ステレオカメラ21により撮像されたステレオ画像や該ステレオ画像の解析結果(変位等)の表示等に用いられる。
入力装置35は、キーボードやマウス等で構成され、画像解析条件の入力等に用いられる。
主記憶装置37は、RAM等(ランダムアクセスメモリ)で構成され、演算処理部41で使用するデータの一時保存や演算等に用いられる。
補助記憶装置39は、ハードディスク等で構成され、ステレオカメラ21により撮像されたステレオ画像や画像解析結果等のファイルの記憶等に用いられる。
演算処理部41は、PC等のCPU(中央演算処理装置)によって構成され、以下に説明する変位取得手段43を有し、変位取得手段43は、CPUが所定のプログラムを実行することによって実現される。
変位取得手段43は、ステレオカメラ21により撮像されたステレオ画像毎に画像解析を行い、自動車車体50における特定点の回転テーブル11に対する相対変位を撮影タイミング毎に取得するものである。
自動車車体50における特定点とは、本実施の形態において剛性試験対象とする自動車車体50の表面の任意の位置にある点であり、変形挙動の測定対象とする点である。
自動車車体50のある特定点のある撮影タイミングにおける相対変位は、剛性試験対象である自動車車体50に荷重を作用させる前のステレオ画像(以下、「基準画像」という)から演算した前記特定点の座標(以下、「基準座標」という)と、自動車車体50に荷重が作用されて変形している状態、又は、変形している状態から復元する過程におけるある撮影タイミングでのステレオ画像(以下、「変形途中画像」という)から演算した座標(以下、「変形途中座標」という)との差分として求めることができる。
そして、ある特定点毎及びある撮影タイミング毎に相対変位を取得することにより、自動車車体50の回転テーブル11に対する相対変位の時系列データがある特定点における変形挙動として得られる。
図1に示す剛性試験装置1は回転テーブル11の上面にステレオカメラ21を設置したものであり、ステレオカメラ21により撮像されたステレオ画像をステレオ画像解析装置31により画像解析することで、回転テーブル11に対する自動車車体50の相対変位を取得することができる。
なお、ステレオ画像解析装置31による画像解析としては、例えば、デジタル画像相関法又はマーカー法と呼ばれる手法を適用することができ、これらの手法によりステレオ画像の画像解析を行うことで、ステレオ画像毎に自動車車体50の表面における特定点の位置(3次元空間座標)が演算される。
<加速度・減速度計>
加速度・減速度計25は、回転駆動装置15又は減速制動装置17により回転テーブル11上の自動車車体50に働いた慣性力によって生じた自動車車体50の変形の加速度、又は減速度を測定するものであり、図1に示すように、自動車車体50の任意の位置に設置される。
<ねじり角度算出手段>
ねじり角度算出手段は、変形挙動取得手段が有するステレオカメラ21及びステレオ画像解析装置31により求められた自動車車体50の車体幅方向の変位量と、回転テーブル11の上面に設置された固定台13における自動車車体50の締結部51の位置に基づいて、自動車車体50のねじれ角度を算出するものである。
ここで、自動車車体50のねじり角度とは、自動車車体50の変形挙動を測定する測定点における車体幅方向の変位量と回転テーブル11の上面からの高さから、前記変位量の測定点を含む車体幅方向と車体高さ方向との平面内における角度と定義する。
そして、このようにして定義されたねじり角度は、例えば、自動車車体50の変形前における測定点の高さの起点となる回転テーブル11上面の点(例えば、自動車車体50の締結部51)は、自動車車体50が変形している過程においても回転テーブル11上面に対しては相対的に不動であり、かつ、自動車車体50の変形によって前記測定点は前記起点を中心に回転移動するものとみなすことにより、該測定点の回転移動による角度変化として求めることができる。
すなわち、測定点iにおける車体幅方向における変位量をΔWi、起点となる測定点iの高さをhiとすると、ねじれ角度θiは、tanθi=Δwi/hi≒θi(θiが十分に小さい場合)から算出される。
なお、ねじり角度の算出に用いる自動車車体50の車体幅方向の変位量には、加速度・減速度計25により測定された加速度又は減速度を時間積分して算出した値を用いることができる。
図1又は図2に示すように、剛性試験装置1においては自動車車体50の前方側と後方側とでは減速度の向き及び大きさが異なり、自動車車体50に働く慣性力も車体前方側と車体後方側とその向きと大きさが異なるため、ねじれ角度算出手段は、車体前方側と車体後方側の双方の変位量に基づいて自動車車体50全体のねじれ角度を算出することが好ましい。
次に、上記のように構成された自動車車体の剛性試験装置1を用いて剛性試験を行う自動車車体の剛性試験方法を、剛性試験装置1の動作と共に以下に説明する。
本実施の形態に係る自動車車体の剛性試験方法は、自動車車体50の車体幅方向に荷重を作用させて自動車車体50の剛性試験を行うものであって、自動車車体50が載置及び固定された回転テーブル11が回転するように駆動する回転駆動工程と、回転している回転テーブル11を減速制動する減速制動工程と、自動車車体50の変形の変位量及び変形の加速度又は減速度に基づいて変形挙動を取得する変形挙動取得工程とを備えている。
さらに、本実施の形態に係る自動車車体の剛性試験方法は、回転駆動工程において回転駆動された回転テーブル11を一定の速度で回転させる等速回転工程と、自動車車体50の変形によるねじれ角度を算出するねじれ角度算出工程とを備えている。
以下、各工程について詳細に説明する。
<回転駆動工程>
回転駆動工程は、回転駆動装置15を用いて自動車車体50が載置及び固定された回転テーブル11が回転するように駆動させる工程である。
回転駆動工程では、自動車車体50の車体幅方向(回転方向)に加速度を発生させたり、後述する減速制動工程で自動車車体50を減速及び制動する過程において、所定の減速度を自動車車体50の車体幅方向に付与するのに必要となる速度まで回転テーブル11を加速させる。
さらに、回転駆動工程は、静止している回転テーブル11を回転駆動することにより、自動車車体50の車体幅方向に慣性力を働かせることが可能である。
<等速回転工程>
等速回転工程は、前記回転駆動工程において所定の速度まで回転するように駆動された回転テーブル11を前記所定の一定速度で回転させる工程である。
<減速制動工程>
減速制動工程は、前記回転駆動工程により回転駆動された回転テーブル11を減速して制動する工程であり、回転テーブル11を減速制動する過程において自動車車体50の車体幅方向に発生した減速度によって自動車車体50に慣性力が働き、荷重として作用する。
減速制動工程は、等速回転工程において所定の速度一定で等速回転している回転テーブル11を減速して制動する、又は、回転駆動工程において回転駆動されている回転テーブル11が、所定の速度に達した時点で等速回転させずに減速して制動するものであっても良く、所定の速度で回転している回転テーブル11を所定の減速時間で減速及び制動して、所定の減速度で回転テーブル11を制動すればよい。
減速制動工程において自動車車体50の車体幅方向に発生させる減速度は、走行している車両の車線変更時に作用する減速度と同程度であることが好ましく、具体的には、0.1〜5.0G程度の減速度を自動車車体50の車体幅方向に発生できるものであれば良い。
例えば、自動車車体50に1.0Gの減速度を発生させるためには、減速に要する時間を10〜50msとすると、減速制動工程の開始時における速度を0.1〜0.5m/s程度とすれば良い。
<ステレオ画像撮像工程>
ステレオ画像撮像工程は、ステレオカメラ21を用い、回転テーブル11に設置されたステレオカメラ21を用い、回転テーブル11に載置及び固定された自動車車体50のステレオ画像を撮像する工程である。
<ステレオ画像解析工程>
ステレオ画像解析工程は、ステレオ画像解析装置31を用い、ステレオカメラ21により撮像されたステレオ画像の画像解析を行い、車体幅方向に作用した慣性力によって変形が生じた自動車車体50の回転テーブル11に対する相対変位を求める工程である。
ステレオ画像撮像工程においてステレオカメラ21により自動車車体50のステレオ画像を連続撮影又は動画撮影することにより、ステレオ画像解析工程においては、自動車車体50の変形の時系列データを得ることができる。
<加速度・減速度取得工程>
加速度・減速度取得工程は、変形が生じた自動車車体50における変形の加速度又は減速度の時系列データを取得する工程であり、例えば図1に示すように、自動車車体50に設置された加速度・減速度計25を用いて取得することができる。
加速度・減速度を取得するサンプリング時間は、自動車車体50の変形挙動に応じて適宜設定することができる。
<ねじり角度算出工程>
ねじり角度算出工程は、変形挙動取得工程により取得された自動車車体50の車体幅方向における変位量と、回転テーブル11に対する自動車車体50の締結部51の位置に基づいて、自動車車体50のねじれ角度を算出する工程である。
ねじり角度の算出には、本実施の形態に係る剛性試験装置1におけるねじり角度算出手段を用いることができる。
また、ねじり角度の算出においては、加速度・減速度計25により測定された加速度又は減速度を時間積分して算出した値を自動車車体50の車体幅方向の変位量として用いることができる。
次に、本実施の形態に係る剛性試験装置1及び方法の作用効果について、以下に説明する。
本実施の形態に係る剛性試験装置1及び方法においては、自動車車体50が載置及び固定されて回転している回転テーブル11を加速又は減速すると、図1に示すように、車体幅方向に加速度又は減速度が発生する。
この時、自動車車体50に発生する加速度又は減速度は、回転テーブル11の回転軸からの距離に比例し、自動車車体50の前方部から後方部に向かって傾斜する分布を示す。
そして、例えば図2に示すように、自動車車体50の前方部が回転テーブル11の回転軸を通る径方向においてより外周側に位置する、すなわち、回転テーブル11の回転軸が自動車車体50の後方部側に位置するように自動車車体50を回転テーブル11に載置及び固定した場合、自動車車体50の後方部における加速度又は減速度に比べて前方部における加速度又は減速度の方が大きくなる。
このように、固定台13を回転テーブル11の回転軸を通る径方向の任意の位置に配置可能とし、自動車車体50の前後方向の中心軸を回転テーブル11の回転軸を通る径方向と一致させて、自動車車体50における位置を変更して載置及び固定する工程を有することにより、自動車車体50に発生する加速度又は減速度の車体前後方向における分布を容易に調節することでき、自動車車体50に働く慣性力の車体前後方向における分布(傾斜配分)を調節することができる。
さらに、本実施の形態に係る剛性試験装置1及び剛性試験方法によれば、車体幅方向に生じた荷重により変形が生じた自動車車体50が初期形状に戻るまでの変位及び変形の加速度又は減速度に基づく変形挙動に基づいて、自動車車体50の剛性を評価することができる。
したがって、上記のように構成された剛性試験装置1及び方法によれば、通常の走行シミュレーターの様に3次元的な複雑な動きや周期的な動きの繰り返しを必要とせず、車体幅方向にのみ働く慣性力を荷重として自動車車体50に作用させることで、実際の車両を用いずに自動車車体50のみを用いて操縦安定性との相関性の高い剛性を評価することができる。
なお、本発明における自動車車体50の変形挙動の取得は、回転テーブル11を減速制動して停止させる過程に限定するものではなく、例えば、回転駆動装置15により回転テーブル11を回転駆動し加速する過程において発生した慣性力(荷重)による自動車車体50の変形挙動を取得するものであっても良い。
また、上記の説明は、本発明の変形挙動取得手段又は変形挙動取得工程として、ステレオカメラ21とステレオ画像解析装置31を用いて自動車車体50の回転テーブル11に対する相対変位を求めるものであるが、例えば、レーザー変位計や接触式ポジションセンサー等を自動車車体50の変形の変位を求めるものであっても良い。
ただし、レーザー変位計や接触式ポジションセンサーなどの変位計は一方向のみに変位を計測するものであるため、自動車車体50に荷重を付与した際における自動車車体50の変形方向を測定点毎に予め想定した上で前記変位計を設置する必要がある。
これに対し、自動車車体50のステレオ画像を撮像して画像解析により自動車車体50の相対変位を取得する場合、自動車車体50の3次元的な変位が得られるため、荷重を付与した際における自動車車体50の変形方向を予め想定してステレオカメラ21を設置する必要がない。
さらに、撮像されたステレオ画像の中から任意の位置にある特定点の変位を得ることができ、前記特定点の位置はステレオ画像を画像解析する段階で自由に選択することが可能であり、かつ、何度でも選択し直すことができる。
そのため、本発明の変形挙動取得手段及び変形挙動取得工程としては、自動車車体50のステレオ画像を撮像して画像解析することにより自動車車体50の変形の変位を取得することが望ましい。
さらに、本実施の形態に係る変形挙動取得手段及び変形挙動取得工程は、自動車車体50の変形の変位量、及び、加速度又は減速度を測定するものであるが、本発明において自動車車体50の変形挙動を取得するものとしては、変形の変位量、又は、変形の加速度・減速度のいずれか一方の時系列データを求めるものであっても良い。
本実施の形態に係る自動車車体の剛性試験装置1及び剛性試験方法を用い、車体幅方向に発生した慣性力を荷重として自動車車体50に作用させて変形挙動を測定することで、自動車車両を実際に走行させた時の操縦安定性の評価の指標になると考えられる。以下、これについて説明する。
自動車車両の操縦安定性は、自動車車体に荷重を作用させたときの車体変形の応答性との相関が高いと考えられる。
自動車車体に作用する荷重による変形挙動が線形応答に近い場合、すなわち、荷重が消失して自動車車体が変形前の初期形状へと復元する過程の応答が速いほど、操縦安定性といった官能評価は向上するものと推察される。
しかしながら、自動車車体に荷重を作用させた場合、自動車車体は弾性変形するため、荷重を消失させた後の車体の変形挙動は減衰振動を示す。そして、変形前の初期形状に復元するまでの変位の減衰が遅い、又は、振動による変位の揺り返し(オーバーシュート)が大きいほど、車体の変形挙動は非線形性が強くなり、乗員が感じる操縦安定性といった官能評価は低下すると考えられる。
そこで、荷重を作用させた自動車車体の変形と、荷重を消失させて変形前の初期形状へと復元する過程における自動車車体の変位の減衰振動を評価することで、操縦安定性評価の定量的な指標が得られるものと考えられる。
ここで、自動車車体の変形挙動は、ばねとダンパーにより支持される質点の1自由度減衰自由振動で記述することができるものとした。この場合、自動車車体の変位の時間応答は、式(1)で表すことができる。
W(t)=-A・exp(-t/B)・sin[2π(t-C)T-1] ・・・(1)
ただし、
W(t):変位量[mm]
A:最大変位量を規定する係数[mm]
B:減衰速度を規定する係数[s]
C:位相遅れを規定する係数[s]
T:振動周期を規定する係数[s]
式(1)における係数B及びTは、車体の変形が回復する減衰過程を特徴付ける係数である。
例えば、係数Tが一定で係数Bが変化する場合、減衰振動過程におけるオーバーシュート量が変化する。
また、係数B及びTそれぞれが変化したとしても係数Bと係数Tの比(B/T)が一定の場合、減衰制動過程におけるオーバーシュート量は一定である。
さらに、減衰振動の初期の変位量W(t)をほぼ一定にして、係数Aと係数Bが変化すると、振動の周期が変化し、変形が十分に減衰するまでの時間に差が生じる。
したがって、本発明に係る自動車車体の剛性試験装置及び剛性試験方法を用いて剛性及び操縦安定性を以下のように評価できると考える。
まず、本実施の形態に係る剛性試験装置1を用いて自動車車体50に荷重を作用させた状態から車体変形の変位を測定する。測定された変位の時系列データを式(1)によりフィッティングし、式(1)の係数A、B、C及びTを求める。求めた係数B及びTの比率を指標とするオーバーシュート量を、操縦安定性評価の指標とする。
上記の説明は、車体変形の変位の時系列データを用いた場合について説明したものであるが、車体変形の加速度又は減速度の時系列データを式(1)によりフィッティングし、式(1)の各係数A、B、C及びTを求め、求めた係数の値に基づいて自動車車体50の剛性及び操縦安定性を評価するものであっても良い。
本発明に係る自動車車体の剛性試験装置及び方法の作用効果について確認するための具体的な実験を行ったので、以下これについて説明する。
実験では、本発明に係る自動車車体の剛性試験装置1(図1参照)を用い、自動車車体50の車体幅方向に働く慣性力を荷重として自動車車体50に作用させた時の自動車車体50の相対変位量、及び、変形の加速度又は減速度の経時変化を測定した。
本実験に供した自動車車体50は、フード、ドア類は外し、バンパーレインフォースを装着した状態の車体骨格(ホワイトボディ)とした。
まず、剛性試験装置1の回転テーブル11に自動車車体50を載置し、自動車車体50の締結部51を介して前・後輪軸間の中央が回転軸の中心となるように回転テーブル11に固定した。
次に、回転駆動装置15により、回転テーブル11を所定の速度まで回転駆動した。
そして、減速制動装置17により、前記所定の速度で回転している回転テーブル11を減速させて急制動した。
減速制動装置17により減速及び制動された自動車車体50のステレオ画像をステレオカメラ21により撮像し、撮像されたステレオ画像をステレオ画像解析装置31により画像解析することで、自動車車体50の変形の変位量を求めた。
本実施例では、減速制動装置17により減速及び制動された自動車車体50の変形の減速度を加速度・減速度計25により測定した。本実施例では、加速度・減速度計25は、図3に示すG0、G1、G2及びG3の計4カ所に設置した。
実験では、等速回転過程における回転テーブル11の回転速度は1.2rpmとし、この時の回転軸からの距離0.8mの位置における車体幅方向の速度(周速度)は0.1m/sである。また、減速制動過程における減速時間は30msとした。
図4に、各測定位置(G0、G1、G2及びG3)に取り付けた加速度・減速度計25による減速度の測定結果を示す。図4において、t=0msは減速制動装置17による急制動を開始した時間であり、減速度の値は回転テーブル11の回転方向と同一方向を正とした車体幅方向の減速度である(図3参照)。
図4において、G0は、回転テーブル11の上面に取り付けられた加速度・減速度計25であるため、減速時間(0≦t≦30ms)において加速度が発生しているが、減速して停止した後(t≧30ms)以降において、減速度はほぼ0Gである。
また、G2は、自動車車体50の下部に取り付けられた加速度・減速度計25であるものの、固定台13に固定された自動車車体50の締結部51近傍であるため、減速時間が経過した30ms以降において、減速度の値は0G付近を振動している。
G1及びG3により測定された減速度は、減速制動過程(0≦t≦30m)において自動車車体50に発生する減速度と、減速時間が経過して慣性力が消失した後(t>30ms)、慣性力が荷重として作用して変形した自動車車体50が初期形状へと減衰振動しながら復元していく変形挙動を示している。
図5に、自動車車体50のバックドア開口部のリアヘッダー付近における変位の測定結果を示す。
図4と同様、図5において、t=0msは減速制動装置17により減速制動を開始した時間であり、相対変位量は回転テーブル11の回転方向と同一方向を正とした車体幅方向における車体変形の変位量である(図3参照)
図4に示した減速度の結果と同様、制動開始前(t<0ms)においては自動車車体50の車体幅方向に慣性力が発生していないため、相対変位量はほぼ0mmである。
減速制動過程において(0≦t≦30ms)、車体幅方向に減速度が発生し、これに伴って慣性力が自動車車体50に作用して相対変位量が増加している。
減速時間が経過して車体が停止した後(t≧30ms)、自動車車体50に働く慣性力が消失するため、自動車車体50の相対変位量は、初期形状(相対変位量=0)へと減衰振動しながら復元していく挙動を示した。
以上より、本発明に係る自動車車体の剛性試験装置及び方法を用いることにより、自動車車体の車体幅方向に働く慣性力を荷重として作用させることにより、前記自動車車体の動的な変形挙動を測定できることが実証された。
1 剛性試験装置
11 回転テーブル
13 固定台
15 回転駆動装置
17 減速制動装置
21 ステレオカメラ
25 加速度・減速度計
31 ステレオ画像解析装置
33 表示装置
35 入力装置
37 主記憶装置
39 補助記憶装置
41 演算処理部
43 変位取得手段
50 自動車車体
51 締結部

Claims (11)

  1. 自動車車体の車体幅方向に荷重を作用させて前記自動車車体の剛性試験を行う自動車車体の剛性試験装置であって、
    前記自動車車体が載置及び固定されて、回転可能な回転テーブルと、
    該回転テーブルが回転するように駆動する回転駆動装置と、
    回転している前記回転テーブルを減速制動する減速制動装置を備え、
    さらに、前記回転駆動装置による回転駆動及び/又は減速制動装置による減速制動により、前記回転テーブルに載置及び固定された前記自動車車体に慣性力を働かせて、当該慣性力を荷重として該自動車車体に作用させて、前記自動車車体の変形の変位量、及び/又は、加速度又は減速度に基づいて変形挙動を求める変形挙動取得手段を有することを特徴とする自動車車体の剛性試験装置。
  2. 前記回転テーブルは、前記自動車車体を載置及び固定する固定台を有し、該固定台は、該固定台に載置した自動車車体の前後方向の中心軸を前記回転テーブルの回転軸を通る径方向に一致させる位置に配置可能であることを特徴とする請求項1記載の自動車車体の剛性試験装置。
  3. 前記変形挙動取得手段は、前記回転テーブルに設置されて前記自動車車体のステレオ画像を撮像するステレオカメラと、
    該ステレオ画像を画像解析して前記自動車車体の前記回転テーブルに対する相対変位量を求めるステレオ画像解析装置を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の自動車車体の剛性試験装置。
  4. 前記変形挙動取得手段は、前記自動車車体に取り付けられて該自動車車体の車体幅方向の加速度又は減速度を求める加速度・減速度計を有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の自動車車体の剛性試験装置。
  5. 前記変形挙動取得手段は、前記自動車車体の車体幅方向における変位量を取得し、該車体幅方向における変位量及び前記自動車車体と前記回転テーブルとを固定する締結部の位置に基づいて、前記自動車車体のねじれ角度を算出するねじれ角度算出手段を備えたことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の自動車車体の剛性試験装置。
  6. 自動車車体の車体幅方向に荷重を作用させて前記自動車車体の剛性試験を行う自動車車体の剛性試験方法であって、
    前記自動車車体が載置及び固定された回転テーブルを回転するように駆動する回転駆動工程と、
    回転している前記回転テーブルを減速制動する減速制動工程と、
    前記回転駆動工程及び/又は減速制動工程において前記自動車車体に慣性力を働かせて、当該慣性力を荷重として該自動車車体に作用させて、前記自動車車体の変形の変位量、及び/又は、加速度又は減速度に基づいて変形挙動を求める変形挙動取得工程とを有することを特徴とする自動車車体の剛性試験方法。
  7. 前記回転駆動工程により前記回転テーブルを所定の速度にまで回転駆動した後、該回転テーブルを一定の速度で回転させる等速回転工程をさらに備え、
    前記減速制動工程は、前記等速回転工程において一定の速度で回転している前記回転テーブルを減速制動することを特徴とする請求項6記載の自動車車体の剛性試験方法。
  8. 前記回転駆動工程は、前記自動車車体の前後方向の中心軸を前記回転テーブルの回転軸を通る径方向に一致させたまま、前記自動車車体の前記回転テーブルに固定する位置を変更することにより、前記自動車車体に働く慣性力の車体前後方向における分布を調節する工程を含むことを特徴とする請求項6又は7に記載の自動車車体の剛性試験方法。
  9. 前記変形挙動取得工程は、前記自動車車体のステレオ画像を撮像するステレオ画像撮像工程と、
    前記ステレオ画像を画像解析して前記自動車車体の前記回転テーブルに対する相対変位量を求めるステレオ画像解析工程とを有することを特徴とする請求項6乃至8のいずれか一項に記載の自動車車体の剛性試験方法。
  10. 前記変形挙動取得工程は、前記自動車車体に加速度・減速度計を取り付けて該自動車車体の車体幅方向の加速度又は減速度を求める加速度・減速度取得工程を有することを特徴とする請求項6乃至9のいずれか一項に記載の自動車車体の剛性試験方法。
  11. 前記変形挙動取得工程により取得された前記自動車車体の変形の変位量と、前記回転テーブルと前記自動車車体とを固定する締結部の位置に基づいて、前記自動車車体のねじれ角度を算出するねじれ角度算出工程を有することを特徴とする請求項6乃至10のいずれか一項に記載の自動車車体の剛性試験方法。
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