JP4584269B2 - 車両ホイールとホイール支持体との間に伝達される力を決定する方法 - Google Patents

車両ホイールとホイール支持体との間に伝達される力を決定する方法 Download PDF

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Description

本発明は、自動車の路面接触システムの設計および評価を行う分野に関し、より詳しくは、車両ホイールとホイール支持体との間に伝達される力を決定する方法、この方法を使用して車両の伝達関数を決定する方法、およびこの方法を使用して車両の快適性能を予測する方法に関する。
下記特許文献1には、ホイールにタイヤが装着された自動車の乗客スペース内の快適性能(騒音および振動レベル)を予測する方法が開示されている。この方法では、ホイールの中心で測定した力に基いて車両の乗客スペース内部の騒音または振動レベルを復元させることができる大域伝達関数(global transfer function)が得られる。この方法は、車両を利用することなく、所与の車両に関するプロトタイプタイヤ/ホイール組立体の性能を評価できるという一般的長所を有している。なぜならば、車両の大域伝達関数は、ローリング手段の基準タイヤ/ホイール組立体を用いて確立されており、かつプロトタイプタイヤ/ホイール組立体のホイール中心の力を測定するのにこれと同じローリング手段が用いられるからである。この測定を行うのに、3つの垂直方向に従ってホイールの中心の力を記録できる、固定軸線をもつダイナモメータのハブにホイールを取付けることが提案されている。次に、ホイールの中心で測定された力に大域伝達関数を掛けて、乗客スペース内部の騒音および振動レベルを得て、これによりプロトタイプタイヤ/ホイール組立体が装着された車両の快適性能を予測する。
国際特許公開WO−A−014589号明細書 国際特許公開WO−A−0104589号明細書 R. R. Craig, M. C. C. Bampton著「動的解析のためのサブ構造のカップリング(Coupling of Substructure for Dynamic Analysis)」(AIAA Journal, Vol. 6, 1968年7月)
本発明の主目的は、この形式の方法の予測精度を向上させることにある。また、本発明の目的は、車両のレスポンスのより正確な評価を可能にする伝達関数を決定することにある。更に本発明の目的は、車両の伝達関数に使用できる車両ホイールとホイール支持体との間に伝達される力を測定して、車両の快適性能のより正確な予測が得られるようにすることにある。
本発明は、固定軸線をもつダイナモメータハブ上のホイールの中心での力の測定が、タイヤ/ホイール組立体によりホイール支持体に伝達される力に与える車両サスペンションの効果を考慮に入れないということの発見に基いている。この発見に基いて、本発明は、ホイールと固定支持体との間に伝達される力の測定を、自動車に存在するようなホイールと懸架支持体との間に伝達される力の測定に変換できる方法を提供する。
この目的のため、本発明は、車両のホイールとホイール支持体との間に伝達される力を決定する方法であって、
ホイールをホイール支持体に枢着する段階を有し、ホイールにはタイヤが設けられており、
タイヤを励振手段、例えば回転試験ドラムに対して押付ける段階と、
タイヤが励振手段により励振されたときに、ホイールとホイール支持体との間に伝達される固定された支持体の力を測定する段階とを有し、ホイール支持体は励振手段に対して少なくとも一方向に固定されており、
ホイールと、励振手段に対して少なくとも一方向のサスペンションの自由度をもつホイール支持体との間に伝達される懸架された支持体の力を、固定された支持体の力に基いて計算する段階を更に有することを特徴とする方法を提供する。
本発明の方法は、固定軸線をもつダイナモメータハブに作用する力を簡単に測定できると同時に、ホイール支持体が、車両の路面接触システムの場合のように、サスペンションの1つ以上の自由度を有する場合に実際にホイールとホイール支持体との間に伝達され易い力を現実的にモデル化できるという長所を有している。励振手段は、タイヤと凹凸路面との相互作用を模擬化(シミュレーション)すべく、応力をトレッドに加えることができる任意の装置で構成できる。
懸架された支持体の力は、タイヤ/ホイール組立体とサスペンション装置に連結されたホイール支持体とを備えた路面接触システムの懸架されない質量に基いて計算されるのが好ましい。懸架されない質量は、高い周波数を吸収する大域慣性効果(global inertia effect)を有している。この質量は、サスペンションの自由度の方向に基いて定められる。
本発明の特定実施形態によれば、懸架された支持体の力は、路面接触システムの特定モードの特徴をもつ共振周波数および/または衝撃吸収係数に基いて計算される。この共振周波数および/またはこの衝撃吸収係数は、サスペンションの自由度の方向に基いて定めることができる。
懸架された支持体の力は、サスペンション装置の剛性および/または衝撃吸収に基いて計算されるのが好ましい。この剛性および/またはこの吸収は、サスペンションの自由度の方向に基いて定めることができる。
懸架された支持体の力は、タイヤの剛性および/または衝撃吸収に基いて計算されることが有利である。この剛性および/またはこの吸収は、サスペンションの自由度の方向に基いて定めることができる。
本発明の他の特定実施形態によれば、懸架された支持体の力は、タイヤの特定モードの特徴をもつ共振周波数および/または吸収係数に基いて計算される。この共振周波数および/または吸収係数は、サスペンションの自由度の方向に基いて定めることができる。
懸架された支持体の力はまた、タイヤの特定モードとホイール中心の変位との間のカップリングパラメータに基いて計算されるのが有利である。このカップリングパラメータは、サスペンションの自由度の方向に基いて定めることができる。
懸架された支持体の力は、固定された支持体の力に通過マトリックス(passage matrix)を掛けることにより周波数ドメイン内で計算されるのが好ましい。
本発明の特定実施形態によれば、通過マトリックスは、前記力が車両の主方向に対応する基準で表現されるときは対角(diagonal)である。車両の主方向は水平走行方向、水平横方向および垂直方向である。
通過マトリックスのディメンションは、計算すべき力成分の数に基いて定められることは理解されよう。単一の力成分の場合には、単一のマトリックス係数、すなわちスカラ通過関数(scalar passage function)を使用できる。
通過マトリックスの少なくとも1つの対角係数(diagonal coefficient)は、或る周波数以上で大域に減少する展開を有しているのが有利である。この形式の大域に減少する展開は、路面接触システムの懸架されない質量の慣性を並進(translates)させる。
通過マトリックスの少なくとも1つの対角係数は、路面接触システムの共振周波数のレベルでピークを有するのが好ましい。
通過マトリックスの少なくとも1つの対角係数は、スペクトルの一部に、タイヤの特定モードの周波数オフセッティングを表す隣接最小値および最大値を有するのが有利である。
本発明はまた、サスペンション装置を介してボディに連結されたホイール支持体と、該ホイール支持体に取付けられた基準タイヤ/ホイール組立体とを備えた路面接触システムが設けられた車両の伝達関数を決定すべく上記力決定方法を使用する方法であって、
基準タイヤ/ホイール組立体のタイヤが特定走行条件で励振されたときに、車両の内部の騒音および/または振動のレベルを測定する段階と、
前記懸架された支持体の力を、基準タイヤ/ホイール組立体と路面接触システムのホイール支持体との間に伝達される力として計算すべく決定された前記走行条件で励振される基準タイヤ/ホイール組立体を用いて上記力決定方法を実施する段階と、
測定された騒音および/または振動レベルと前記計算された力との間の周波数ドメイン内で伝達関数を決定する段階とを有することを特徴とする使用方法を提供する。
本発明はまた、サスペンション装置を介してボディに連結されたホイール支持体と、該ホイール支持体に取付けられたプロトタイプタイヤ/ホイール組立体とを備えた路面接触システムが設けられた車両の快適性能を予測すべく上記力決定方法を使用する方法であって、
懸架された支持体の力を、プロトタイプタイヤ/ホイール組立体と路面接触システムのホイール支持体との間に伝達される力として計算すべく、プロトタイプタイヤ/ホイール組立体を用いて上記力決定方法を実施する段階と、
計算された前記力に周波数ドメイン内の車両の伝達関数を掛けることにより、車両内部の予測される騒音および/または振動レベルを得る段階とを有することを特徴とする使用方法を提供する。
伝達関数は、上記力決定方法を用いて決定されるのが好ましい。
本発明はまた、励振手段に対して少なくとも1つの方向に固定されたホイール支持体と該ホイール支持体に枢着されかつ励振手段に対して押付けられるタイヤが設けられた車両ホイールとの間に伝達される力を表す、固定された支持体の力信号を入力するインターフェースと、機能的サスペンションモデルを実施するようにプログラムされた計算手段とを有し、該計算手段は、前記固定された支持体の力信号に基いて、ホイールと励振手段に対して前記少なくとも1つの方向のサスペンションの自由度をもつホイール支持体との間に伝達される力を表す懸架された支持体の力信号を計算できることを特徴とするデータ処理装置を提供する。
更に本発明は、支持体上で読取られまたは記憶されかつ機能的サスペンションモデルを実施すべくコンピュータにより実行される命令コードを有し、前記コンピュータは、励振手段に対して少なくとも一方向に固定されたホイール支持体と該ホイール支持体に枢着されかつ励振手段に対して押付けられるタイヤが設けられた車両ホイールとの間に伝達される力を表す、固定された支持体の力信号に基いて、ホイールと、励振手段に対して前記少なくとも1つの方向のサスペンションの自由度をもつホイール支持体との間に伝達される力を表す懸架された支持体の力信号を計算できることを特徴とするコンピュータプログラムを提供する。
添付図面を参照して、非制限的な例示としてのみ与えられる本発明の幾つかの特定実施形態についての以下の説明から、本発明はより良く理解されかつ本発明の他の目的、詳細、特徴および長所はより明らかになるであろう。
図1は、タイヤ2が装着されたホイール1とホイール支持体との間に伝達される力を測定するための従来技術による測定ツールをものである。ホイール支持体はハブ3であり、該ハブ3は、図面の平面に垂直なY方向に配向された回転軸線を有しかつ固定フレーム4に固定連結されている。かくして、ホイール1の唯一の自由度は、ハブ3の軸線の回りでの回転である。ハブ3は、ホイール1の中心での力、すなわちホイール1とハブ3との間で3つの垂直方向X、Y、Zに伝達される力を記録できるダイナモメータハブである。フレーム4は、Y方向に平行な軸線の回りで回転できる試験ドラム5に対してタイヤを押付けるべく、所与の荷重をホイール1に加えることができる。試験ドラム5の外周面6には障害物7が設けられており、ホイール1およびタイヤ2により構成されたタイヤ/ホイール組立体9が試験ドラム5により回転されたときに、タイヤ2の接触領域8を変形させることによりタイヤ2に振動を発生させるようになっている。
このツールにより記録される測定値は、自動車の路面接触システムにおけるホイール中心に発生される力を完全に考慮に入れるものではない。なぜならば、この場合には、ホイール支持体は、固定フレームに連結されておらず、幾つかの自由度をもつサスペンション装置を介して車両ボディに連結されているからである。多くのサスペンション構造が知られており、上記特許文献2の図1にはこれらの非制限的な例が示されている。
自動車の路面接触システムのホイール中心に発生される力の予測を向上させるため、本願の発明者は、ホイール支持体が車両のボディに対して懸架されるときに、タイヤが固定のホイール支持体に対して発生する力がどのように変形されるかを決定(判断)し、図1のツールを用いて行われた測定の結果から、サスペンションの効果を考慮に入れて、ホイール中心での力の評価への変換(transition)を行うことを可能にする通過関数(passage function)を計算することを考えてきた。この目的のために、機能的サスペンションモデルを用いている。図2〜図4には、このモデルが概略的に示されている。種々のパラメータを用いているため、このモデルは実質的に全ての形式のサスペンションを特徴付けることができる。
図2〜図4は、タイヤ/ホイール組立体9がフレーム10に連結されているところを示し、各図において、X、Y、Zの3方向の各方向に従ってショックアブソーバ12i(i=X、Y、)と平行なスプリング11iにより固定されていると仮定する車両のボディが示されている。かくして、サスペンションは、ホイール支持体に対して3つの並進(直線運動)自由度を生じさせる。タイヤ/ホイール組立体9には、ホイール中心に位置する付加質量13が割当てられ、該付加質量13は、動的運動中にホイール中心に加えられる非懸架質量MNSを形成すべくホイール質量およびタイヤの部分質量に付加されるサスペンションの部分質量を表す。
最初に、固定された支持体(図1)に取付けられたタイヤ/ホイール組立体9および懸架された支持体(図2〜図4)に取付けられたタイヤ/ホイール組立体9の挙動の数値的シミュレーションにより比較を行った。ホイールは、常に、その軸線の回りで自由に回転できる。タイヤの詳細サブ構造型動的モデルおよび有限要素法により、タイヤの接触領域に加えられる励起パルスωによる励起調和変形(exciting harmonic deformation)に応答して、固定されたホイール支持体のホイール中心でのi(i=X、Z)方向の力成分Fi SFの決定を行なった。次に、同じ励起変形中に、タイヤおよびサスペンションのサブ構造型動的モデルおよび有限要素法により、懸架されたホイール支持体のホイール中心でのi(i=X、Z)方向の力成分Fi SSの決定を行った。図9〜図12には、この数値的シミュレーションの結果が示されている。より詳しくは、図9および図10は、それぞれ、次式で示す比すなわち、
Figure 0004584269
により定められる複素通過関数(complex passage function)HXXの振幅(無次元対数目盛)および位相(°)を示し、図11および図12は、それぞれ、次式で示す比すなわち、
Figure 0004584269
により定められる複素通過関数HZZの振幅および位相を示している。
X軸上で、周波数fは、ω=2Πfとして定義される。
これらの結果は、ホイール中心で伝達される力に作用するサスペンションの実質的に3つの効果の確認を可能にする。すなわち、
・振幅曲線上のピーク14、15により表された新しい特定振動モードの出現。これらのピークは、一般に約15〜20Hzの対象方向での非懸架質量の共振モードに一致する。
・タイヤのこれらの特定モードとオーダ1の特定振動モードとの間の相互作用。この共振周波数は修正される。より詳しくは、図9の曲線16の部分および図11の曲線17の部分は、それぞれ、最小値を有しかつ該最小値に直ぐ最大値が続いている。これは、それぞれ、タイヤの特定モードR0.5および特定モードR1.0の共振周波数の増大を意味している。
・大域慣性効果(global inertia effect)すなわち入力インピーダンス効果。この効果は、ホイール中心に加えられる懸架されない質量に基いて定まり、ホイール支持体に伝達される力を大域的に低減させ、かつ図9および図11のそれぞれ曲線18、19の部分により示されているように、周波数が増大するときに伝達される力の減少を加速させる。
・約100Hzを超えると、もはや、固定された支持体のホイールと懸架された支持体のホイールとの間に大きな挙動差は見られなくなる。
かくして、サスペンションが、ホイール中心に伝達される力の安定した慣性効果に、懸架されない質量の特定モードの共振を付加し、かつタイヤの或る特定モードをオフセットすることが判明している。実際に、オフセットモードは、ホイール中心の変位に大きく関係しているオーダ1のモードである。当業者に良く知られたオーダ1のこれらのモードは、図6〜図8において、明瞭化のため概略的に示されている。図6には、X方向にオーダ1のモードである、モードR0.5で振動しているタイヤ2の2つの極端位置が示されている。ホイール1は固定されている。図7には、Y方向にオーダ1のモードである、モードT0.5で振動しているタイヤ2の2つの極端位置が示されている。図8には、Z方向にオーダ1のモードである、モードR1.0で振動しているタイヤ2の2つの極端位置が示されている。
ホイール中心に伝達される力FSSは、車両のサスペンションユニットとボディとの間に伝達される力の良い近似を表すことに注目されたい。
固定されたホイール支持体についての力測定値に基いて、複雑かつコストが嵩む数値的シミュレーションに頼ることなく、懸架されたホイール支持体についてどのような測定値が得られるかを決定するため、以前に導入した通過関数の解析数式を以下に説明する。
その一般的形態で、固定されたホイール支持体にホイールから伝達される力と、懸架されたホイール支持体にホイールから伝達される力との間の、Hとして知られている通過マトリックスは5*5マトリックスである。なぜならば、各場合において、力は3つの並進成分と2つの回転成分とからなり、ホイールはY方向に平行な軸線の回りで自由に回転できると考えられるからである。通過マトリックスは、機能的タイヤモデルおよび機能的サスペンションモデルを含む路面接触システムのモデルに基いている。
このタイヤは、上記非特許文献1に記載のCraig-Bampton形式のサブ構造型モデリングの基礎を形成する。このタイヤのために作られたサブ構造型方程式は下記の通りである。
Figure 0004584269
ここで、変数Kは剛性のマトリックス、変数Hは衝撃吸収のマトリックスを示し、衝撃吸収は純粋にヒステリックであると考えられる。また、変数Mは質量のマトリックスを示し、インデックスI、CおよびAは、それぞれ、ホイール中心およびタイヤの接触領域の修正自由度(degree of modal freedom)を示す。uAはタイヤの接触領域の変位ベクトル、uCはタイヤホイール中心の変位ベクトルを示す。また、FAはタイヤの接触領域でタイヤが受ける力のベクトル、およびFCはホイール中心でタイヤが受ける力のベクトル(すなわち、ホイールによりホイール支持体に伝達される力のベクトルとは逆方向のベクトル)を示す。
マトリックスKCCおよびHCCは、ホイール中心での力によるホイール中心の変位に関する剛性および衝撃吸収を示す。換言すれば、タイヤの動的剛性は、図5に概略的に示すように(但し、方向Xは示されていない)、各方向i(i=X、Y、Z)において、ホイール1と路面との間のヒステリシスショックアブソーバ22iと並列に配置されたスプリング21iとしてモデル化されている。
固定された支持体にホイールから伝達される力FSFの数式を確立するには、固定された自由度(すなわち、uC=0)が賦課されることを考慮に入れる。
懸架された支持体にホイールから伝達される力FSSの数式を確立するには、図2〜図4に概略的に示すように、簡単化されたリニアサスペンションモデル(該モデルは、もはや固定されていない自由度を考慮に入れたものでありかつサスペンションのスプリング、ショックアブソーバ、弾性関節および他の弾性ユニットを表している)を導入する。かくして、力FSSは、次式に従って、ホイール中心の変位(もはやゼロではない)に基いて定められる。
Figure 0004584269
ここで、KSは、サスペンションの剛性のマトリックス、HSはヒステリシスショックアブソーバのマトリックス、およびCSは粘性衝撃吸収のマトリックスである。
サスペンションモデルはまた、MSとして知られているホイール中心でのサスペンション質量のマトリックスを有し、MNSは、次式のように、ホイール中心での懸架されない全質量のマトリックスを示す。
Figure 0004584269
接触領域でのタイヤの変形は、固定された支持体および懸架された支持体の両者に関して同じであると考えられる。従って、このことから、通過マトリックスの全体的数式が次式のように与えられる。
Figure 0004584269
大域伝達関数を用いた自動車の快適性能の予測方法に使用するため、この数式は、下記の考察により簡単化された。すなわち、
・ホイール中心の並進力の決定は充分であり、かくして、通過マトリックスHをディメンション3に低減させることができる。
・一般に、マトリックスHの各ラインについて対角項(diagonal term)と特別対角項(extra-diagonal terms)との間には2つのオーダの大きさの差があるので、特別対角項は考慮に入れないでおくことができることが判明した。
・タイヤおよびサスペンションの剛性、衝撃吸収および質量のマトリックスは対角にすべきであると考えられる。
・オーダ1の上記モード以外のタイヤの特定モードに関するマトリックスHの項は考慮に入れないでおく。なぜならば、オーダ1のこれらのモードのみがサスペンションにより主として影響を受けることが判明しているからである。
・タイヤの特定モードとホイール中心でのインターフェースとの間のカップリングの項HICは考慮に入れないでおかれた。
・サスペンションの衝撃吸収は、X方向およびY方向に純粋にヒステリックであると考察された。
・ショックアブソーバが固定された場合(サスペンションのばね力が小さ過ぎて衝撃吸収機能をもたない場合)には、サスペンションのZ方向の衝撃吸収は純粋にヒステリックにすべきであり、またはショックアブソーバが固定されない場合には純粋に粘性にすべきであると考察された。
・ホイール1の回転自由度のため、タイヤは、X方向に剛性または衝撃吸収を全くもたないと考えられる。
例1
上記仮定に基いて、3つの通過関数、すなわち通過マトリックスHの対角項が、下記形態で周波数ドメイン内に得られる。
Figure 0004584269
上式の注釈は下記の通りである。
S iはスプリング11i(i=X、Y、Z)の剛性(N/m)、HS iはショックアブソーバ12i(i=X、Y、Z)のヒステリック衝撃吸収を示す。
S Zはショックアブソーバ12Zの粘性衝撃吸収(N/m)を示す。
SN iは懸架されない質量(i=X、Y、Z)の対角係数(kg)を示す。
ζkおよびωkは、各場合において、タイヤのオーダ1の特定モードに関する衝撃吸収(N/m)およびパルシング(rad/s)を示す。
i<->kは、各場合において、ホイール中心の自由度iとタイヤの特定モードkとの間のカップリング質量(kg一/2)を示す。
iCRiCRはタイヤの剛性を表すスプリングの剛性(N/m)を示す。
iCRiCRはタイヤを表すショックアブソーバ22i(i=X、Y、Z)のヒステリック衝撃吸収を示す。
jは複素数(j2=−1)である。
図13および図14は、例1での数式に従って計算された通過関数HZZ(実線で示す)と、実験的に測定した同じ関数(一点鎖線で示す)との比較の一例を示すものである。図13は、通過関数の振幅を無次元対数目盛で示し、図14は、その位相を(°)で示す。数値的シミュレーションにより識別された現象、すなわち低周波数での特定モードの発生、タイヤのオーダ1の特定モードのオフセッティング、および高周波数でのレスポンスのセッティングが実験的に確認され、かつ例1の解析数式により非常に正確にモデル化される。この結果は重要である。なぜならば、通過関数の解析数式は、研究された路面接触システムにより測定および適合できる非常に少数のパラメータに基いているからである。
懸架されない質量の特定モードは、これらのモード自体の周波数として下記の周波数、すなわち、
Figure 0004584269
を有する。
例2
カップリング質量mi<->kのようなクロス項を考慮に入れない場合には、例1の数式を簡単化できる。この簡単化によって結果が大きく損なわれることはない。例2において、通過関数の数式は例1の数式と同じであり、カップリング質量mi<->kは、実験的に調節される定数に置換される。
例3
例1の数式は、タイヤの特定モードに与えるサスペンションの効果を考慮に入れないことにより簡単化できる。この場合、通過関数の数式は下記のようになる。
Figure 0004584269
この数式は、懸架されない質量と、タイヤとボディとの間でサスペンションにより引起こされる入力インピーダンスとの共振を考慮に入れたものである。
例4
懸架されない質量の共振の効果を全く考慮に入れない場合には、例3の数式を更に簡単化できる。この場合には、通過関数の数式は、下記のようになる。
Figure 0004584269
ここで、ciは、実験的に調節される定数である。この場合、単に懸架されない質量を考慮に入れることにより、車両のサスペンション装置の入力インピーダンスを知ることができる。
引用する別の例では、通過関数の数式は、タイヤおよびサスペンションを特徴付けるパラメータを利用する。これらの異なるパラメータを決定する方法について、以下に説明する。
懸架されない質量の決定
サスペンションおよびタイヤ/ホイール組立体が設けられた車両を利用する場合、二重秤量法を使用できる。ダイナモメータ試験ベンチにより路面接触システムの第一共振モードが励振され、その共振周波数f1が測定される。次に、Maとして知られている付加質量がホイール中心に固定され、この測定が再開される。次式、すなわち、
Figure 0004584269
に従って共振周波数f2がオフセットされ、これから、MNSが演繹される。
また、懸架されない質量MNSには3つの寄与、すなわち、ホイール中心で感知されかつ当該方向に基いて定められる、サスペンションによる寄与MSと、あらゆる方向についてのホイールの全質量である、ホイールによる寄与MRと、ホイール中心で感知されかつ当該方向に基いて定められる、タイヤによる寄与(i=X、Y、Z)MiCRとがあることが考察される。
タイヤによる寄与MiCRは、タイヤ全質量Mtyreと、ホイールがその回転軸線の回りで自由に回転するときのホイールの慣性中心Iwheelとに従って静的に確立されている。すなわち、
[数12]
MXCR=1.4176Mtyre+10.2851Iwheel+0.9738
MYCR=0.5177Mtyre+0.86549
MZCR=0.79283Mtyre−0.43756
かくして、懸架されない質量MNSがひとたび二重秤量法により測定されたならば、ホイールおよびタイヤの重量測定により、サスペンションに特定の寄与を次式のように決定できる。
[数13]
i S=Mi NS−Mwhee−MiCR
サスペンションによる寄与は、車両の他の特徴データ(剛性およびサスペンションの衝撃吸収)と一緒に保持されなくてはならない。なぜならば、これは、車両およびサスペンションを利用できるようにすることなく、同じサスペンションに装着される新しいタイヤ/ホイール組立体に対応する懸架されない質量を評価する場合に有効だからである。この場合、新しいホイールおよび新しいタイヤについて新たな重量測定が行われ、タイヤによる寄与は上記公式により計算されかつサスペンションによる寄与(これは修正されていない)が付加される。サスペンションによる寄与は等方性であるのが有利であると考えられる。
タイヤの静的剛性およびヒステリック衝撃吸収の決定
これらのパラメータKiCRiCRおよびHiCRiCRは、停止状態ではなく、走行状態で決定するのが好ましい。これらのパラメータは、タイヤの接触領域での周波数および振幅で賦課される変位に応答してホイール中心の力を測定できるダイナモメータ試験ベンチにより従来技術により得ることができる。例えば、ダイナモメータハブに、MTS Systems Corporation社製の商標名MTS(Mechanical Testing & Corporation)を使用できる。
タイヤの特定モードの周波数および衝撃吸収の決定
これらのパラメータζkおよびωkは、タイヤについての既知のモーダル解析法により得られる。一般に、振動は、例えばハンマーによりタイヤ内で励振され、得られた振動信号は、例えば加速度計により記録される。この測定は、標準信号処理(例えば、LMS International社の製造に係るLMS(登録商標))を用いて、MTS(登録商標)を備えたダイナモメータハブにより行うことができる。
サスペンションの剛性および衝撃吸収の決定
これらのパラメータHS、KSおよびCSは、モデル化されている必要があるサスペンションが設けられた車両について、例えばMTS(登録商標)を備えた動的試験ベンチにより測定される。振動板は、タイヤの接触領域で、設定周波数および振幅での変位を引起こす。レーザセンサが、ホイール中心の変位を記録する。同時に、力センサが、サスペンションにより車両ボディに伝達された力を記録する。伝達された力とホイール中心の対応変位との比から、サスペンションの各方向の複合剛性(complex rigidity)が直ちに得られる。
カップリング質量の決定
i方向でのホイール中心の変位がタイヤの特定モードkを励振する場合を表すカップリング質量mi<->kが特定モードの他の特徴パラメータ、すなわちその周波数fk、その衝撃吸収ζk、および対象方向の静的剛性KiCRiCRとの相関関係を有するという仮設に基いて、静的モデルが開発されている。このモデルは、下記形態のカップリング質量を提供する。
[数14]
MXCR<->r0.5=0.10907Mtyre−0.05173fr0.5+0.64065ζr0.5+3.391.10-6K ZCRZCR+3.1505
MYCR<->T0.5=0.0361Mtyre−8.9815.10-4T0.5+0.43591ζT0.5+0.60877
MZCR<->R1.0=0.041869Mtyre−4.4036.10-3fR1.0+0.69036ζR1.0+9.9969.10-7K ZCRZCR+0.68727
通過関数を用いた大域伝達関数の決定
図15には、大域伝達関数を決定すべき車両25が示されている。車両25には路面接触システムが設けられており、該路面接触システムは、車両の右前位置にサスペンション30および基準タイヤ/ホイール組立体26を有している。手順は、次の幾つかの段階で行われる。
a)障害物が設けられた試験ドラム28を用いて、基準タイヤ/ホイール組立体26は、固定または可変の特定走行条件(膨張圧力、速度、静電荷)での振動励起を受ける。この間、乗客スペース内部の振動値および音響値についての測定が行われ、乗客が受ける快適性レベルを特徴付ける。
対応測定信号40が、フーリエ変換により周波数ドメインに変換される。
b)同じ基準タイヤ/ホイール組立体26および同じ走行条件について、図1に示したツールと同様な固定されない支持体を備えたダイナモメータツール27を用いてホイール中心の測定が行われる。同じ障害物が設けられた同じ試験ドラム28が、段階a)と同じ条件下で付勢される。対応測定信号FSFは、フーリエ変換により周波数ドメインに変換される。
c)必要パラメータを測定した後、サスペンション30および基準タイヤ/ホイール組立体26により構成された路面接触システムに対応する、対角であると考えられる通過マトリックスHRの決定が行われる。
d)段階31では、この通過マトリックスと、段階b)で測定した固定支持力との積が計算される。これは、基準タイヤ/ホイール組立体26と車両の路面接触システム25のホイール支持体との間に実際に伝達される力の評価FSSを与える。
e)段階32では、段階a)において乗客スペース内で記録された信号と、段階d)で計算された力との間のコヒーレンスの計算により伝達関数の計算が行われる。この計算は、乗客スペース内で記録された振動および音響レベルと、右前方ホイールとホイール中心でのその支持体との間に伝達される力(この力はこれらの振動および音響レベルを発生させる)との比を数式で表す全ての周波数ドメインで行われる。これらの計算は、従来技術の信号処理ツール、例えばMatlabまたはLMS(登録商標)のソフトウェアを用いて行われる。この伝達関数(これはブロック34により概略的に示されている)は、ボディ33に取付けられたタイヤ/ホイール組立体とは独立して、右前方ホイール支持体と乗客スペースとの間に振動を伝達するための、車両25のボディ33およびサスペンション30の適性を特徴付ける。実際に、この伝達関数は、段階a)で測定した異なる信号と同数の多くのコンポーネンツを有している。伝達関数の計算自体は最新技術において良く知られており、概略的にいえば、この計算は、インタースペクトル(inter-spectra)およびオートスペクトル(auto-spectra)を相互に除すことを有している。
実際には、段階a)〜e)は、車両25の他の3つのホイールについて反復され、これにより、車両25のボディ33およびサスペンション30の適性を特徴付ける、車両の大域伝達関数を得て、各ホイール支持体と乗客スペースとの間に振動を伝達する。
大域伝達関数は、車両25のホイールが修正されるときに、車両25の快適性能を予測するツールとして機能する。
通過関数を用いたプロトタイプタイヤ/ホイール組立体の性能の予測
基準タイヤ/ホイール組立体26がプロトタイプタイヤ/ホイール組立体36に置換された場合に、振動および音響レベルが車両の乗客スペース内で影響を受ける態様を予測することに問題が提起されている。この手順は幾つかの段階で行われる。
f)プロトタイプタイヤ/ホイール組立体36について、ホイール中心での力が、図1に示したツールと同様な固定されない支持体のダイナモメータツール27と、障害物または他の適当な凹凸が設けられた試験ドラム29を用いて測定される。かくしてプロトタイプタイヤ/ホイール組立体36は、車両の乗客スペース内の振動および音響レベルを予測すべく決定することが望まれる走行条件(膨張圧力、速度)で振動励起を受ける。この測定中に、プロトタイプタイヤ/ホイール組立体36に静的荷重が加えられる。この荷重は、プロトタイプタイヤ/ホイール組立体36が車両25の右前方位置に装着された場合に受ける荷重に等しい。対応測定信号F′SFが、フーリエ変換により周波数ドメインに変換される。
g)プロトタイプタイヤ/ホイール組立体36の必要パラメータを測定した後、通過マトリックスHpの決定を行う。これは、プロトタイプタイヤ/ホイール組立体36の路面接触システムの右前方クォータ(1/4)に対応する対角であると考えられる。この段階では、サスペンション30を使用できるようにする必要はない。サスペンション30の特徴パラメータは予め省略されている。
h)段階37では、通過関数と、段階f)で固定された支持体を用いて測定した力との積が計算される。これは、プロトタイプタイヤ/ホイール組立体36と、車両の路面接触システム25の右前方ハブキャリヤとの間に実際に伝達される力の評価F′SSを与える。
i)段階38では、段階h)で評価された力と、段階e)で得られた伝達関数34(または任意であるが、従来技術により得られる対応伝達関数)との積が計算される。この計算は、プロトタイプタイヤ/ホイール組立体36が設けられた車両についてブロック39で概略的に示す測定を行うことにより、乗客スペース内部で測定されるであろう振動値および音響値の予測評価を与える。この方法の明らかな長所は、ブロック39で概略的に示す測定を行わないで済むことにある。これらの測定値は、車両とプロトタイプタイヤ/ホイール組立体36とを物理的に一体化させる必要なくして、計算により予測できる。これにより、完成車両の製造以前の時間が節約されかつ研究にフレキシビリティが得られる。
段階f)では、試験ドラム29の凹凸は、伝達関数または他の任意の振動表面を確立すべく段階a)およびb)で使用される障害物とすることができる。実際に、段階f)〜i)は、車両25の他の3つのホイール位置について反復させることができ、各場合において、通過マトリックスと、このホイール位置に関連する伝達関数とを使用する。
通過マトリックスは、同一走行条件でホイールとその支持体との間に伝達される力の測定に基いて、ホイールとその懸架された支持体との間に伝達される力を計算できる。車両の伝達関数の決定(段階d))および車両の快適性能の予測(段階h)にこの通過マトリックスを使用することにより、従来技術での予測クオリティがかなり改善される。通過マトリックスの解析的数式を用いることにより、異なるタイヤ/ホイール組立体および異なるサスペンションを、有限要素を含む完全数値的シミュレーションをその都度遂行するよりも遥かに経済的な方法で非常に容易にモデル化できる。この場合、タイヤ/ホイール組立体およびサスペンションのモデル化に含まれる少数の特徴パラメータをその都度測定しかつ適合させれば充分である。
段階g)では、サスペンションも修正された場合に、振動および音響レベルが車両の乗客スペース内で影響を受ける態様の定性的観点から研究すべくサスペンションパラメータを修正できる。この場合、車両の伝達関数およびタイヤの接触領域の変形は修正されないと考えられるので、この方法では極く僅かな修正の研究で済む。
段階d)およびh)では、ダイナモメータツール27により発生された測定信号を入力するための入力信号を有しかつこの測定信号に通過マトリックスを適用するようにプログラムされたPC形式のコンピュータを使用できる。コンピュータのプログラミングは、例1の解析数式に基いて行うのが好ましい。このプログラミングはまた、使用者が、例えばスクリーン上のスクローリングメニューによりタイヤ/ホイール組立体およびサスペンションの特徴パラメータを入力できるようにする通過マトリックスのパラメータ化機能を有している。これらのパラメータは、パラメータ化データの標準化およびポータビリティ(移植性)を確保する所定フォーマット内にパラメータ化された形態で記憶させるのが好ましい。車両の伝達関数の決定または使用が行われる他の計算段階も、同様なことができるコンピュータを用いて行われる。
上記通過マトリックスの数式は消耗的な(exhaustive)ものではなく、車両の1/4(クォータ)をモデル化すべく上述した方法は、当業者が、例えば非対角項を考慮に入れることにより、所要レベルの精度に従って幾分限定的な数式を得ることを可能にする。
特許請求の範囲の記載において、或る要素または段階に割当てられた非限定的物品の用語「或るもの(one)」は、上記特徴を有する複数の要素または段階の存在を排除するものではない。
以上、本発明を幾つかの特定実施形態について説明したが、本発明は、いかなる意味においてもこれらの実施形態に限定されるものではないこと、および上記手段および該手段の全ての組合せが本発明の範囲内に包含されるものであれば、これらの全ての技術的均等物を含むものである。
ホイールとホイール支持体との間に伝達される力を測定する従来技術の方法を示す概略図である。 ホイールと車両ボディとの間に介在されるサスペンションの1つの基本モデルを示す図面である。 ホイールと車両ボディとの間に介在されるサスペンションの他の基本モデルを示す図面である。 ホイールと車両ボディとの間に介在されるサスペンションの他の基本モデルを示す図面である。 タイヤの簡単化した機能モデルを示す図面である。 タイヤに特有の1つの振動モードを示す図面である。 タイヤに特有の他の振動モードを示す図面である。 タイヤに特有の他の振動モードを示す図面である。 数値的シミュレーションにより得られた1つの通過関数を示すグラフである。 数値的シミュレーションにより得られた他の通過関数を示すグラフである。 数値的シミュレーションにより得られた他の通過関数を示すグラフである。 数値的シミュレーションにより得られた他の通過関数を示すグラフである。 一方では解析的モデリングにより得た通過マトリックス係数、および他方では実験的測定により得られた通過マトリックス係数の振幅を示すグラフである。 一方では解析的モデリングにより得た通過マトリックス係数、および他方では実験的測定により得られた通過マトリックス係数の位相を示すグラフである。 大域伝達関数を用いて車両の快適性能を予測する方法を示すブロック図である。
符号の説明
1 ホイール
2 タイヤ
9 タイヤ/ホイール組立体
10 フレーム
25車両
26 基準タイヤ/ホイールシステム
28、29 試験ドラム
30 サスペンション
33 ボディ
36 プロトタイプタイヤ/ホイール組立体

Claims (16)

  1. 車両のホイールとホイール支持体との間に伝達される力を決定する方法において、
    タイヤが設けられているホイール(36)をホイール支持体(27)に枢着する段階と、
    タイヤを励振手段(29)に対して押付ける段階と、
    タイヤが励振手段により励振されたときに、ホイールとホイール支持体との間に伝達される固定された支持体の力(F′SF)を測定する段階と、を有し、ホイール支持体(27)は励振手段に対して少なくとも一方向(X、Y、Z)に固定されており、更に、ホイールと、励振手段に対して少なくとも一方向のサスペンションの自由度をもつホイール支持体(30)との間に伝達される懸架された支持体の力(F′SS)を、固定された支持体の力に基いて計算する段階(37)を有することを特徴とする方法。
  2. 前記懸架された支持体の力は、タイヤ/ホイール組立体(36)とサスペンション装置(30)に連結されたホイール支持体とを備えた路面接触システムの懸架されない質量に基いて計算されることを特徴とする請求項1記載の方法。
  3. 前記懸架された支持体の力は、路面接触システムの特定モードの特徴をもつ共振周波数および/または衝撃吸収係数に基いて計算されることを特徴とする請求項2記載の方法。
  4. 前記懸架された支持体の力は、サスペンション装置(30)の剛性および/または衝撃吸収に基いて計算されることを特徴とする請求項2または3記載の方法。
  5. 前記懸架された支持体の力は、タイヤ(2)の剛性および/または衝撃吸収に基いて計算されることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項記載の方法。
  6. 前記懸架された支持体の力は、タイヤ(2)の特定モードの特徴をもつ共振周波数および/または吸収係数に基いて計算されることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項記載の方法。
  7. 前記懸架された支持体の力はまた、タイヤの特定モードとホイール中心の変位との間のカップリングパラメータに基いて計算されることを特徴とする請求項6記載の方法。
  8. 前記懸架された支持体の力(F′SS)は、固定された支持体の力(F′SF)に通過マトリックス(Hp)を掛けることにより周波数ドメイン内で計算されることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項記載の方法。
  9. 前記通過マトリックスは、前記力が車両(25)の主方向(X、Y、Z)に対応する基準で表現されるときは対角であることを特徴とする請求項8記載の方法。
  10. 前記通過マトリックスの少なくとも1つの対角係数は、或る周波数以上で大域に減少する展開 (18、19)を有していることを特徴とする請求項9記載の方法。
  11. 前記通過マトリックスの少なくとも1つの対角係数は、路面接触システムの共振周波数のレベルでピーク(14、15)を有することを特徴とする請求項9または10記載の方法。
  12. 前記通過マトリックスの少なくとも1つの対角係数は、スペクトルの一部に、タイヤの特定モードの周波数オフセッティングを表す隣接最小値および最大値(16、17)を有することを特徴とする請求項9〜11のいずれか1項記載の方法。
  13. サスペンション装置(30)を介してボディ(33)に連結されたホイール支持体と、該ホイール支持体に取付けられた基準タイヤ/ホイール組立体とを備えた路面接触システムが設けられた車両(25)の伝達関数を決定すべく請求項1〜12のいずれか1項記載の方法を使用する方法において、
    前記基準タイヤ/ホイール組立体のタイヤが特定走行条件で励振されたときに、車両内部の騒音および/または振動のレベルを測定する段階(40)と、
    前記懸架された支持体の力(FSS)を、基準タイヤ/ホイール組立体と路面接触システムのホイール支持体との間に伝達される力として計算すべく決定された前記走行条件で励振される基準タイヤ/ホイール組立体(26)を用いて請求項1〜12のいずれか1項記載の方法を実施する段階と、
    測定された騒音および/または振動レベル(40)と前記計算された力(FSS)との間の周波数ドメイン(32)内で伝達関数(34)を決定する段階と、を有することを特徴とする使用方法。
  14. サスペンション装置(30)を介してボディに連結されたホイール支持体と、該ホイール支持体に取付けられたプロトタイプタイヤ/ホイール組立体(36)とを備えた路面接触システムが設けられた車両(25)の快適性能を予測すべく請求項1〜12のいずれか1項記載の方法を使用する方法において、
    前記懸架された支持体の力(FSS)を、プロトタイプタイヤ/ホイール組立体と路面接触システムのホイール支持体との間に伝達される力として計算すべく、プロトタイプタイヤ/ホイール組立体(36)を用いて請求項1〜12のいずれか1項記載の方法を実施する段階と、
    計算された前記力に周波数ドメイン内の車両の伝達関数を掛けることにより、車両内部の予測される騒音および/または振動レベル(41)を得る段階とを有することを特徴とする使用方法。
  15. 前記伝達関数(34)は請求項13に記載の使用方法を用いて決定されることを特徴とする請求項14記載の使用方法。
  16. 支持体上で読取られまたは記憶されかつ機能的サスペンションモデルを実施すべくコンピュータにより実行される命令コードを有し、前記コンピュータは、励振手段(28、29)に対して少なくとも一方向に固定されたホイール支持体(27)と該ホイール支持体に枢着されかつ励振手段に対して押付けられるタイヤが設けられた車両ホイール(26、36)との間に伝達される力を表す、固定された支持体の力信号(FSF、F′SF)に基いて、ホイール(26、36)と、励振手段に対して前記少なくとも1つの方向のサスペンションの自由度をもつホイール支持体(30)との間に伝達される力を表す懸架された支持体の力信号(FSS、F′SS)を計算することを特徴とするコンピュータプログラム。
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