JPH08272837A - 車両の車体振動解析方法 - Google Patents

車両の車体振動解析方法

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JPH08272837A
JPH08272837A JP7099527A JP9952795A JPH08272837A JP H08272837 A JPH08272837 A JP H08272837A JP 7099527 A JP7099527 A JP 7099527A JP 9952795 A JP9952795 A JP 9952795A JP H08272837 A JPH08272837 A JP H08272837A
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JP
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vibration
vehicle body
mode
analysis method
vehicle
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JP7099527A
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English (en)
Inventor
Minoru Inoue
実 井上
Naoto Takada
直人 高田
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Mazda Motor Corp
Original Assignee
Mazda Motor Corp
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    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02TCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
    • Y02T90/00Enabling technologies or technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation

Abstract

(57)【要約】 【目的】 企画開発段階においても簡単に経済的に種々
の振動モードの車体振動を解析でき、汎用性に優れる車
体振動解析方法を提供する。 【構成】 車体1をモーダルモデル化し、複数の剛体要
素(エンジン2、ラジエータ4、4輪のバネ下体6,
9)を動バネを介して車体1に連結し、4輪のタイヤを
動バネで近似し、剛体要素の固有データ、複数の振動モ
ードにおける車体の振動モードベクトル、車体1の複数
の加振点と応答点(評価点)の位置データ、車体振動特
性データ等を入力し、複数の剛体要素のバネ・マスモデ
ルの運動方程式を求め、車体1のモーダル系のバネ・マ
ス運動方程式を求め、両運動方程式を合成した方程式を
周波数応答解析して車体の応答点の振動レベルを求め
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、車両の車体振動解析方
法に関し、特に企画開発段階においても車体の弾性的特
性をも加味して簡単に車体振動を解析し得る方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、自動車の車体振動のうち特にエン
ジンがアイドル状態のときの車体振動(アイドル振動)
が問題となるため、従来よりアイドル振動を解析する種
々の方法が提案されてきた。前記アイドル振動を簡単に
解析する方法として、車体の弾性特性を加味することな
くエンジンとエンジンマウントのみを対象として振動解
析する方法もあるが、この方法では車体の弾性特性を加
味しないため、解析精度が大幅に低下する。一方、FE
M(有限要素法)では、車体の全構造を多数の小さなエ
レメントに細分化し、各ノードにおける荷重や振動の条
件や拘束条件を入力設定し、大型コンピュータで処理す
ることで、車体振動を高精度で解析することができる。
【0003】他方、特開平6−89322号公報には、
シンプレックス法による最適化設計を活用し、アイドル
振動やエンジンシェイクにおけるエンジンマウントの最
適位置を、所定の制約条件内に経済的に算出できる最適
設計システムが記載されている。尚、この最適設計シス
テムでは、アイドル振動やエンジンシェイク発生時の車
体振動を対象とし、エンジンマウントの最適位置以外
に、ドライバビリティ、操縦安定性もを評価しようとし
ている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】前記エンジンとエンジ
ンマウントのみを対象として振動解析する方法では、解
析精度が大幅に低下するため実用性に欠ける。前記FE
Mは、車体の全構造、エンジンマウント位置等の全ての
データが完備して初めて適用可能であるため、車両の企
画・開発段階において活用することが難しいし、膨大な
入力データの準備及びコンピュータによる演算処理のコ
ストが著しく高価になるという問題がある。
【0005】前記公報の最適設計システムでは、アイド
ル振動やエンジンシェイクを対象として、エンジンマウ
ントの最適位置を求めることができるものの、車体の複
数の振動モード(バウンスモード、ピッチングモード、
ロールモード、2節曲げモード、捩じりモード等)につ
いて、広い範囲の振動周波数に亙って車体振動を解析で
きないこと、それ故汎用性に欠けること、等の問題があ
る。本発明の目的は、企画開発段階においても簡単に経
済的に種々の振動モードの車体振動を解析でき、汎用性
に優れる車両の車体振動解析方法を提供することであ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1の車両の車体振
動解析方法は、車両の加振源から車体の複数の加振点を
経由して1又は複数の応答点に伝播する車体振動をモー
ド解析により解析する方法において、前記車体の複数の
振動モードと各振動モードにおける振動モードベクトル
とを含む車体の弾性特性情報と、加振点と応答点の位置
情報とを用いて、加振点と応答点の振動変位相当値を求
め、前記車体以外の主要な複数の剛体要素のバネ・マス
モデルの運動方程式を求めるとともに、前記振動変位相
当値と、入力設定する車体振動特性情報とを用いて、車
体のモーダル系バネ・マスモデルの運動方程式を求め、
前記両運動方程式を合成した運動方程式を周波数応答解
析して、応答点における振動レベルを求めることを特徴
とするものである。
【0007】請求項2の車両の車体振動解析方法は、請
求項1の発明において、前記各振動モードにおける振動
モードベクトルを、実験的に求めることを特徴とするも
のである。請求項3の車両の車体振動解析方法は、請求
項1の発明において、前記各振動モードにおける振動モ
ードベクトルを、演算処理により求めることを特徴とす
るものである。
【0008】請求項4の車両の車体振動解析方法は、請
求項1〜請求項3の何れか1項の発明において、前記車
体振動特性情報が、共振周波数と、振動レベル目標値
と、モーダル減衰比とを含むことを特徴とするものであ
る。請求項5の車両の車体振動解析方法は、請求項1〜
請求項3の何れか1項の発明において、前記複数の剛体
要素が、エンジンと、ラジエータと、4つの車輪のバネ
下体を含むことを特徴とするものである。
【0009】請求項6の車両の車体振動解析方法は、請
求項5の発明において、前記加振源が、エンジンである
ことを特徴とするものである。請求項7の車両の車体振
動解析方法は、請求項5の発明において、前記加振源
が、4輪のタイヤであることを特徴とするものである。
請求項8の車両の車体振動解析方法は、請求項6又は請
求項7の発明において、前記応答点が、フロントフロア
の左側部分の所定点と、フロントフロアの右側部分の所
定点とを含むことを特徴とするものである。請求項9の
車両の車体振動解析方法は、請求項6又は請求項7の発
明において、前記複数の振動モードが、上下バウンスモ
ードと、ピッチングモードと、ロールモードと、2節曲
げモードと、捩じりモードとを含むことを特徴とするも
のである。
【0010】
【発明の作用及び効果】請求項1の車両の車体振動解析
方法においては、車両の加振源から車体の複数の加振点
を経由して1又は複数の応答点に伝播する車体振動をモ
ード解析により解析する際に、先ず最初に、車体の複数
の振動モードと各振動モードにおける振動モードベクト
ルとを含む車体の弾性特性情報と、加振点と応答点の位
置情報とを用いて、加振点と応答点の振動変位相当値を
求める。次に、車体以外の主要な複数の剛体要素のバネ
・マスモデルの運動方程式を求めるとともに、前記振動
変位相当値と、入力設定する車体振動特性情報とを用い
て、車体のモーダル系バネ・マスモデルの運動方程式を
求める。次に、前記両運動方程式を合成した運動方程式
を周波数応答解析して、応答点の振動レベルを求める。
【0011】このように、車体の複数の振動モードにお
ける車体振動を対象として、前記両運動方程式を合成し
た運動方程式を周波数応答解析して応答点の振動レベル
を求めるため、広い範囲の振動周波数における各応答点
の振動レベルを求めることができ、実用性と汎用性に優
れる。そして、車体の全構造が決定されている必要はな
く、車体の弾性特性及び車体振動特性が決定されていれ
ば適用できるため、車両の企画開発段階においてもこの
車体振動解析を適用できるし、かなり精度良く振動解析
を行うことができる。
【0012】請求項2の車両の車体振動解析方法におい
ては、請求項1と同様の作用・効果を奏するが、前記各
振動モードにおける振動モードベクトルを、実験的に求
める。車体の実物やその模型がある場合には、前記振動
モードベクトルを実験的に高精度で求めることができ
る。
【0013】請求項3の車両の車体振動解析方法におい
ては、請求項1と同様の作用・効果を奏するが、前記各
振動モードにおける振動モードベクトルを、演算処理に
より求める。車体の実物やその模型がない場合には、前
記振動モードベクトルを演算処理により求めることがで
きるから、車両の企画開発段階においてもこの車体振動
解析を適用できることになる。
【0014】請求項4の車両の車体振動解析方法におい
ては、請求項1〜請求項3の何れか1項と同様の作用・
効果を奏するが、前記車体振動特性情報が、共振周波数
と、振動レベル目標値と、モーダル減衰比とを含むた
め、これらを加味した車体のモーダル系バネ・マスモデ
ルの運動方程式を求めることができる。
【0015】請求項5の車両の車体振動解析方法におい
ては、請求項1〜請求項3の何れか1項と同様の作用・
効果を奏するが、前記複数の剛体要素が、エンジンと、
ラジエータと、4つの車輪のバネ下体を含むため、これ
らの挙動を加味して振動解析が可能になる。
【0016】請求項6の車両の車体振動解析方法におい
ては、請求項5と同様の作用・効果を奏するが、前記加
振源が、エンジンであるため、エンジンからエンジンマ
ウントを介して車体に伝播する車体振動(所定周波数の
ときのアイドル振動を含む)を解析することができる。
請求項7の車両の車体振動解析方法においては、請求項
5と同様の作用・効果を奏するが、前記加振点が、4輪
のタイヤであるため、路面入力が4輪のタイヤから車体
に伝播する車体振動(所定周波数のときのエンジンシェ
イクを含む)を解析することができる。請求項8の車両
の車体振動解析方法においては、請求項6又は請求項7
と同様の作用・効果を奏するが、前記応答点が、フロン
トフロアの左側部分の所定点と、フロントフロアの右側
部分の所定点とを含むため、エンジンから伝播する振動
で振動し易いフロントフロアの左右部分における振動レ
ベルを解析することができる。
【0017】請求項9の車両の車体振動解析方法におい
ては、請求項6又は請求項7と同様の作用・効果を奏す
るが、前記複数の振動モードが、上下バウンスモード
と、ピッチングモードと、ロールモードと、2節曲げモ
ードと、捩じりモードとを含むため、これらの典型的な
モードにおける車体振動を解析することができ、実用性
と汎用性に優れる。
【0018】
【実施例】以下、本発明の実施例について図面等を参照
して説明する。本実施例は、自動車の車体をモーダルモ
デル化し、このモーダルモデル化した車体と、この車体
に付設された主要な複数の剛体要素(エンジン、ラジエ
ータ、4輪のバネ下体)との振動を、モード解析のうち
の一種のモード合成法(クロスターマン法又は不拘束モ
ード法)により解析する車両の車体振動解析方法に、本
発明を適用した場合の実施例である。
【0019】図1に示すように、車体1が矩形板状の不
拘束モーダルモデルにモデル化され、エンジン2は4組
のエンジンマウント(エンジンMt)に相当する4組の
動バネ3で車体1に連結され、ラジエータ4は2組のラ
ジエータマウント(ラジエータMt)に相当する2組の
動バネ5で車体1に連結されている。左右の前輪のバネ
下体6は、フロントサスペンションに相当する動バネ7
で夫々車体1に連結されるとともに、タイヤに相当する
動バネ8で夫々路面に支持され、左右の後輪のバネ下体
9は、リヤサスペンションに相当する動バネ10で夫々
車体1に連結されるとともに、タイヤに相当する動バネ
11で夫々路面に支持されている。
【0020】図2は、この車体振動解析において加味さ
れる主要要素についての、主要特性、運動方向、自由度
等についてまとめたものである。図3は、この車体振動
解析を行う手順を示す工程図であり、この車体振動解析
は、予め振動解析プログラムを入力設定したコンピュー
タにより実行する。尚、Ki(i=1,2,・・)はデ
ータを入力設定する各ステップを示し、Si(i=1,
2,・・)は演算処理を行う各ステップを示し、K1〜
K4は、最初に1ステップで一括して行なってそれらの
データをメモリに格納してもよいが、説明を理解し易く
する為に4ステップに分けて記載してある。
【0021】K1では、車体1以外の複数の剛体要素
(エンジン、ラジエータ、4輪のバネ下体)に関する固
有データが入力設定され、メモリに記憶される。この固
有データは、後述の運動方程式からも判るように、エン
ジン2の質量と慣性モーメント、4つのバネ下体6,9
の質量、ラジエータ4の質量と慣性モーメント等を含む
ものである。S1では、その固有データに基づいて、前
記複数の剛体要素のバネ・マスモデルの運動方程式を演
算(作成)する。
【0022】ここで、以下に使用する種々の記号につい
て説明しておく。 M:質量、I:慣性モーメント、F:力、T:トルク、
Nmt :エンジンMt個数(本実施例ではNmt =4) 添字に関して、「E」はエンジン、「T」はタイヤ、
「R」はラジエータ、「P」はピッチング、「R」はロ
ーリング、「Y」はヨーイングを示す。「x」、
「y」、「z」はX軸、Y軸、Z軸方向変位、「θ」、
「φ」、「ψ」はX軸、Y軸、Z軸回りの角変位を示
す。
【0023】[M]:剛体系の質量行列 [C]:剛体系の減衰行列 [K]:剛体系の剛性行列 [m]:車体のモーダル質量行列(対角行列) [c]:車体のモーダル減衰行列(対角行列) [k]:車体のモーダル剛性行列(対角行列) [φ]:車体のモード行列 {x}:剛体要素の変位ベクトル(物理座標系) {γ}:車体のモーダル変位ベクトル(モーダル座標
系) {Y}:剛体要素の車体取付点の車体側変位(物理座標
系) {FE }:エンジンに作用する外力・トルクベクトル
(物理座標系) {F}:剛体要素から車体に伝わる伝達力ベクトル(物
理座標系) {f}:{F}に対応するモーダル伝達力ベクトル(モ
ーダル座標系)
【0024】前記複数の剛体要素のバネ・マスモデルの
運動方程式は、次のようになる。 エンジン(6自由度) 尚、式中の下線(アンダーライン)は、エンジン慣性座
標系を示し、後述の式についても同様である。
【0025】バネ下体(各上下:4自由度) ラジエータ(上下、ピッチング:2自由度)
【0026】以上より、全部の剛体要素の運動方程式
は、マトリックス形式で次式になる。 −ω2 [M]{x}={F}+{FE } ここで、[M]、{x}、{F}、{FE }は次のとお
りである。
【0027】次に、K2において車体弾性特性データが
入力され、メモリに格納される。この車体弾性特性デー
タは、車体1の複数の振動モードφと、各振動モードに
おける振動モードベクトル[φ]とを含むものである。
複数のモード規定点は、例えば、車体1の矩形板状のモ
ーダルモデルをX軸方向に複数分割し且つY軸方向に複
数分割した複数のメッシュ点である。前記複数の振動モ
ードφi は、図4(a)〜(f)に示すとおりであり、
モードφ1 ,φ2 ,φ3 は剛体振動モードであり、モー
ドφ4 ,φ5 ,φ6 は弾性振動モードである。尚、XY
Zの座標原点は車体1の重心に設定してある。
【0028】剛体振動モードについて説明すると、図4
(a)の上下(バウンス)モードφ 1 は、図5に示すよ
うに、各モード規定点が剛体的に上下に単位変位(=
1)の振動をするモードで、この場合の振動モードφ1
のベクトルは次式となる。 図4(b)のピッチングモードφ2 は、図6に示すよう
に、各モード規定点がY軸回りに単位角度(=1rad )
の回転をするモードであり、この場合の振動モードφ2
のベクトルは次式となる。
【0029】図4(c)のロールモードφ3 は、図7に
示すように、各モード規定点がX軸回りに単位角度(=
1rad )の回転をするモードであり、この場合の振動モ
ードφ3 のベクトルは次式となる。
【0030】弾性振動モードについて説明すると、この
弾性振動モードは、図4(d)の2節曲げモードφ
4 と、図4(e)の捩じりモードφ5 と、図4(f)の
3節曲げモードφ6 とがあり、図8に示すように、車体
1のモーダルモデルが変位するため、振動モードφi
ベクトルを次式で表すことができる。 ここで、i=4,・・m(本実施例では、m=6)はモ
ード番号、j=1,2,・・・nはモード規定点番号で
ある。
【0031】次に、K3において複数の加振点の位置デ
ータと、複数の応答点の位置データとを入力設定して、
メモリに格納する。ここで、エンジン振動による車体振
動を解析する場合には、加振源はエンジン2であるの
で、複数の加振点とは、複数のエンジンマウントに相当
する動バネ3の車体側取付点であり、複数の応答点と
は、車体振動を評価する評価点のことであり、本実施例
では前席下側のフロントフロアの左側部分の所定点と、
フロントフロアの右側部分の所定点のことである。
【0032】次に、S2において、K2で入力された車
体弾性特性データと、K3で入力された加振点と応答点
の位置データとに基づいて、複数の加振点と複数の応答
点における振動変位相当値(上下方向への振動変位に比
例する値)が演算される。この振動変位は、例えば図8
に示す線分PP’に相当し、これは、点Pの直近の3つ
のモード規定点A,B,Cの振動モードベクトルから演
算される。
【0033】次に、K4において、車体振動特性データ
が入力され、メモリに格納される。この車体振動特性デ
ータは、車体弾性振動モードφi (i=4,・・m)に
おける共振周波数Ωi (Ωi =2πfi )と加速度振動
レベルLi (イナータンス)の目標値とモーダル減衰比
ζi とを含む。これらの値としては、図9に示すような
種類の適当な値を適用した。尚、図10は、振動モード
φ4 ,φ5 におけるイナータンス目標値L4 ,L5 を例
示したものである。
【0034】次に、S3において、車体1のモーダルパ
ラメータを演算してメモリに格納するが、このモーダル
パラメータは、車体剛体振動モードのモーダルパラメー
タと、車体弾性振動モードのモーダルパラメータとを含
む。車体剛体振動モードのモーダルパラメータは、次の
とおりである。
【0035】車体剛体振動モードのモーダルパラメータ
は、次のようにして求める。各振動モードのイナータン
スのピーク値は、次式となるのでモーダル剛性ki(i
=4,・・m)を求めることができる。 尚、φikは加振点の振動変位相当値、φilは応答点の振
動変位相当値である。モーダル質量mi は、Ωi 2 ×m
i =ki より、mi =ki /Ωi 2 となる。モーダル減
衰ci は、ccr=2(mi ×ki 1/2 より、ci =ζ
i ×ccrとなる。
【0036】以上のように、車体1のモーダルパラメー
タを演算後、S4において、車体1のモーダル系のバネ
・マスモデルの運動方程式を次のように演算(作成)す
る。 ここで、左辺のマトリックスは対角行列なので、 〔−ω2 ×mi +jω×ci +ki 〕γi =fi ここで、i=1,・・m(振動モード番号) {f}=[φ]T {F}
【0037】次に、S5において、前記S1とS4で求
めた両運動方程式を合成した車両全体モデルを演算(作
成)し、その車両全体モデルに対して周波数応答解析を
実行する。この場合、次の物理座標系とモーダル座標系
との関係が適用される。 {Y}=[φ]{γ} ここで、 [φ]=[φ1 ,φ2 ,・・・φm ]:車体のモードマ
トリックス [φ]T :[φ]の転置マトリックス φi は、zi1,zi2,・・・zijからなる前記振動モー
ドベクトル。
【0038】前記両運動方程式を合成した車両全体モデ
ルの運動方程式は次式となる。 従って、次式が得られる。 この合成運動方程式に対して、振動角速度ωの値を周波
数15〜35Hzに相当する範囲で変化させて周波数応
答解析を実行し、各応答点における振動レベルを演算す
る。
【0039】アイドル振動による車体振動を解析する場
合には、入力条件としてクランク軸回りに例えば10Kg
f・mのトルク変動を付与するのと同等の荷重変動をエ
ンジンマウントに付加して周波数応答解析を実行し、左
右の応答点における振動レベル、振動加速度を求める。
図11は、有限要素法固有値解析により、アイドル振動
を対象として振動解析した周波数応答線図を示すもの
で、図12は、本実施例の車体振動解析により、アイド
ル振動を対象として振動解析した周波数応答線図であっ
てモーダルパラメータから逆算したものを示す。図11
と図12は、比較的良好な一致を示し、モーダルパラメ
ータが妥当なものであることが判る。
【0040】図13は、本実施例の車体振動解析の結果
得られた前席左フロア加速度を示し、図14は、ラジエ
ータ4を固定した状態で計測により得られた前席左フロ
ア加速度を示す。図13と図14とは、絶対値に約5d
B程度の差は生じているが、定性的には比較的良好な一
致を示していることから、企画・開発設計段階における
車体振動解析には十分に適用可能である。
【0041】以上説明したように、本願の車両の車体振
動解析方法においては、車体1の複数の振動モードにお
ける車体振動を解析でき、前記合成運動方程式を周波数
応答解析して、複数の振動モードにおける各応答点の振
動レベルを求めるため、広い範囲の振動周波数における
各応答点の振動レベルを求めることができ、実用性と汎
用性に優れる。そして、車体の全構造が決定されている
必要はなく、車体の弾性特性及び車体振動特性が決定さ
れていれば適用できるため、車両の企画開発段階におい
てもこの車体振動解析を適用できるし、かなり精度良く
振動解析を行うことができる。
【0042】尚、前記振動モードベクトル[φ]は、車
体の実物模型がある場合には、実験的に求めた値を適用
してもよいし、従来の経験値等を加味して演算処理によ
り求めた値を適用してもよい。また、エンジンシェイク
による車体振動を解析する場合には、加振源は4輪のタ
イヤであり、この場合車体の加振点は4輪のサスペンシ
ョンに相当する動バネ7,10の車体側取付点であり、
4輪のタイヤに相当する動バネ8,11に周期的外力を
付加して車体振動を解析することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に係る車両全体モデルの構成図
である。
【図2】前記全体モデルの諸元を示す図表である。
【図3】車体振動解析の手順を示した工程図である。
【図4】(a)は上下(パウンス)モードの説明図、
(b)はピッチングモードの説明図、(c)はロールモ
ードの説明図、(d)は2節曲げモードの説明図、
(e)は捩じりモードの説明図、(f)は3節曲げモー
ドの説明図である。
【図5】上下(パウンス)モードにおける振動モードベ
クトルの説明図である。
【図6】ピッチングモードにおける振動モードベクトル
の説明図である。
【図7】ロールモードにおける振動モードベクトルの説
明図である。
【図8】車体弾性振動モードにおける振動モードベクト
ルの説明図である。
【図9】車体弾性振動特性の諸値を示す図表である。
【図10】イナータンス目標値の一例を示す線図であ
る。
【図11】比較例に係る有限要素法固有値解析の周波数
応答線図である。
【図12】実施例に係るアイドル振動時の車体振動解析
による周波数応答線図である。
【図13】実施例に係るアイドル振動時の車体振動解析
による振動加速度の線図である。
【図14】比較例に係るアイドル振動時の振動加速度実
測値の線図である。
【符号の説明】
1 車体 2 エンジン 4 ラジエータ 6,9 バネ下体 3,5,7,8,10,11 動バネ

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車両の加振源から車体の複数の加振点を
    経由して1又は複数の応答点に伝播する車体振動をモー
    ド解析により解析する方法において、 前記車体の複数の振動モードと各振動モードにおける振
    動モードベクトルとを含む車体の弾性特性情報と、加振
    点と応答点の位置情報とを用いて、加振点と応答点の振
    動変位相当値を求め、 前記車体以外の主要な複数の剛体要素のバネ・マスモデ
    ルの運動方程式を求めるとともに、前記振動変位相当値
    と、入力設定する車体振動特性情報とを用いて、車体の
    モーダル系バネ・マスモデルの運動方程式を求め、 前記両運動方程式を合成した運動方程式を周波数応答解
    析して、応答点の振動レベルを求める、 ことを特徴とする車両の車体振動解析方法。
  2. 【請求項2】 前記各振動モードにおける振動モードベ
    クトルを、実験的に求めることを特徴とする請求項1に
    記載の車両の車体振動解析方法。
  3. 【請求項3】 前記各振動モードにおける振動モードベ
    クトルを、演算処理により求めることを特徴とする請求
    項1に記載の車両の車体振動解析方法。
  4. 【請求項4】 前記車体振動特性情報が、共振周波数
    と、振動レベル目標値と、モーダル減衰比とを含むこと
    を特徴とする請求項1〜請求項3の何れか1項に記載の
    車両の車体振動解析方法。
  5. 【請求項5】 前記複数の剛体要素が、エンジンと、ラ
    ジエータと、4つの車輪のバネ下体を含むことを特徴と
    する請求項1〜請求項3の何れか1項に記載の車両の車
    体振動解析方法。
  6. 【請求項6】 前記加振源が、エンジンであることを特
    徴とする請求項5に記載の車両の車体振動解析方法。
  7. 【請求項7】 前記加振源が、4輪のタイヤであること
    を特徴とする請求項5に記載の車両の車体振動解析方
    法。
  8. 【請求項8】 前記応答点が、フロントフロアの左側部
    分の所定点と、フロントフロアの右側部分の所定点とを
    含むことを特徴とする請求項6又は請求項7に記載の車
    両の車体振動解析方法。
  9. 【請求項9】 前記複数の振動モードが、上下バウンス
    モードと、ピッチングモードと、ロールモードと、2節
    曲げモードと、捩じりモードとを含むことを特徴とする
    請求項6又は請求項7に記載の車両の車体振動解析方
    法。
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