JP7070511B2 - 自動車車体の特性試験方法 - Google Patents

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Description

本発明は、自動車車体の特性試験方法に関し、特に、自動車車体を所定の加速度パターンで加振して車両の操縦安定性に係る車体特性についての試験を行う自動車車体の特性試験方法に関する。
従来、自動車車体の車体特性として剛性を評価する試験が行われている。この自動車車体の剛性を評価する試験としては、例えば特許文献1に記載されるように、自動車車体のフロント側又はリア側のいずれかにおける左右のダンパー取り付け位置を固定し、固定していない反対側の左右のサスペンション締結部それぞれにアクチュエーターを接続し、左右のアクチュエーターを逆位相で動かすことで前記自動車車体全体をねじり、一定荷重負荷時のねじれ角を測定するねじれ剛性試験による評価が一般的に行われている。
このようなねじれ剛性試験で評価される剛性は静的な評価値であり、構造体としての自動車車体の剛性を評価するには有用である。そのため、実車両の走行試験における左右振られ感に基づく乗り心地といった車両性能の評価指標としても適用されている。しかしながら、特許文献1に開示された技術のように、従来一般に行われてきたねじれ剛性試験は、構造体としての静的な剛性値を求めることはできるものの、実車両の走行時における自動車車体の動的な剛性値を求めることはできず、テストドライバーによる走行試験で評価される操縦安定性や乗り心地などといった車両性能の官能評価との相関性は弱かった。
車両の走行試験による官能評価は、タイヤやサスペンション等の足回り部品やシャシー構造の寄与が大きく、車体構造の性能のみで評価が決定されるわけではないものの、車体剛性の十分でない車両では、足回り部品やシャシー構造の調整のみで官能評価値を満足のいくものにすることはできない。そのため、自動車車体を用いたラボ試験で車両性能の官能評価に近い指標を得るためには、少なくとも負荷荷重に対する動的な応答挙動を測定することが重要である。
そこで、自動車車体の動的な応答挙動を測定する技術として、例えば前述のねじり剛性試験で負荷荷重を連続的に変化させて周期的なねじり変形を与え、ねじり角の変化や車体各部の変形挙動を観測する手法が考えられる。この手法では、フロントタイヤとサスペンションを介した路面からの上下方向への荷重入力に対する車体変形に関しては、ラボ試験データとして有用である。しかしながら、横方向(車体幅方向)の荷重を付与することができないため、コーナーリングや車線変更時における動的な応答挙動を知ることはできない。
コーナーリングや車線変更など車両の運動方向を回転変化させる場合においては、パワートレーンやシャシーが横方向の力(荷重)を自動車車体に伝達し、車両全体が運動方向を変えていく。このとき、自動車車体に伝達した力により自動車車体には変形が生じるため、該力による自動車車体の動的な応答挙動と車両の運動との間には相関があると考えられる。
すなわち、自動車車体の剛性が高く、車両全体が剛体に近づくと、車体の過渡的な変形は小さく、車両はスムーズに運動方向を変えることができる。これに対し、自動車車体の剛性が低いと、瞬間的な車体幅方向の荷重に対して自動車車体の弾性変形が発生し、車両全体の運動に時間遅れが生じる。そして、運転者はこの時間遅れを感じると余分にステアリング操作を行いがちとなり、自動車車体の剛性が高い車両と比較して大きな操舵角や操舵力が必要となるため、操縦安定性が低下しその評価に影響する。そのため、コーナーリングや車線変更時における自動車車体の動的な応答挙動は、操縦安定性と強い相関があると考えられる。
さらに、コーナーリングや車線変更時に発生する慣性力に基づく自動車車体の弾性変形は、車体変形の時間遅れとともに自動車車体に振動を励起する。励起された振動の周期、大きさ、収束(減衰)時間は、車体剛性とともに運転手が感じる操縦安定性を含む官能評価値にかかわることが知られている。したがって、自動車車体の振動を抑制することは、自動車車体の剛性とともに操縦安定性のような車両性能を向上させる上での重要な因子となる。そして、これらの自動車車体の動的な応答挙動の数値指標を求め、該数値指標に基づいて実車両走行時の官能評価項目の評価が可能になると、車体構造の基準や目標が明確となり、自動車車体の設計段階での車両性能の作り込みが容易となる。
自動車車体の振動特性により動的な応答挙動を評価する技術として、特許文献2には、自動車が段差を乗り越える際に生じる上下方向の振動減衰を観測することにより、自動車車体の振動特性を評価する方法が開示されている。このような自動車車体の振動特性を評価する手法は、評価に供する数値指標として、振動数(周波数)や振動時間(時定数、減衰比)など減衰特性に着目したものが多い。
その他、自動車車体の動的な応答挙動を評価する方法として、振動発生装置により自動車車体を加振するものやハンマーにより自動車車体を打撃するなど、自動車車体の一部に対して荷重を入力あるいは衝撃を与えて自動車車体全体に発生する振動を計測して解析する実験モード解析がある。実験モード解析によれば、定常状態で振動する自動車車体の構造体の共振周波数(固有値)と各共振周波数に対応する振動モードを推定することができる。
操縦安定性の官能評価に係る実車両の走行試験として用いられるレーンチェンジなどでは、ハンドリングによる水平横方向の荷重が瞬間的に一度のみ作用して、直線走行・定常状態に復帰する。そのため、このような動きをラボ的に評価する場合、特に車線変更時の安定性の観点からは、周期的な応力付与による定常状態の振動観測よりも、作用荷重が消失した後の自動車車体変形の復元挙動が重要である。そのために、自動車車体を用いたラボ試験においては、パルス状の荷重を一度のみ自動車車体に付与し、励起された車体振動がどのように減衰・消失するかを把握することが重要である。
そこで、発明者は、特許文献3に開示されているように、自動車車体全体に水平横方向の慣性力を瞬間的に作用させて、車体変形の振動を励起させて自動車車体の動的な剛性を評価する試験方法をこれまでに提案している。当該試験方法は、水平方向に可動なスライド機構付きテーブルと、該スライド機構付きテーブルを水平1軸方向に加振する動電式振動装置とを組み合わせた動的剛性試験装置を用いたものである。
そして、当該動的剛性試験装置を用いた試験においては、車両走行時における路面からの荷重の入力を足回り部品(サスペンション、車輪、車軸、ステアリング装置など)を通じて自動車車体に伝達する実車両の状態を模擬している。そして、スライドテーブルに固定した自動車車体のフロア部の変位によって自動車車体全体に慣性力が発生し、この慣性力により励起される振動を計測することができる。
特開2006-292737号公報 特開2015-161587号公報 特開2018-179637号公報
しかしながら、特許文献2に開示されている手法は、フロントタイヤやサスペンションを介した路面からの上下方向の荷重入力に対する自動車車体の振動特性に関するラボ試験データとして有用であるが、自動車車体に作用する慣性力により生じる車体変形の振動特性を得ることができない。
また、自動車車体を対象とする実験モード解析では、前述のとおり、自動車車体の一部に荷重を入力あるいは衝撃を与えて自動車車体全体に発生する振動を計測して解析するものであるため、自動車車体の全体に作用する慣性力により生じる車体変形の振動を測定して解析することは困難である。
さらに、特許文献3に開示されている試験方法においては、動電式振動装置によりパルス状の加速度で自動車車体を加振するのに先行して予備的な振動(予備振動)を行い、目的とするパルス状の荷重を自動車車体に作用させることを要するものである。そして、予備振動は共振現象を利用して小さな加振力で振動を励起するため、試験体の種類によってはパルス状の加速度を作用させる前の予備振動により自動車車体に目的外の振動が発生してしまうことがあった。そのため、パルス状の加速度で加振させた後の自動車車体における振動減衰挙動を観測する上で、予備振動時における自動車車体の振動がノイズとなり、振動減衰挙動の分析精度に悪影響を及ぼす恐れがあった。
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、パルス状の加速度で自動車車体を加振して自動車車体に励起された振動減衰挙動を測定し分析するに際し、振動装置の予備的な振動による自動車車体の目的外振動の発生を抑制して自動車車体の車体特性に係る試験を行う自動車車体の特性試験方法を提案することを目的とする。
発明者は、スライド機構付きテーブルと動電式振動装置とを備えた特性試験装置を用いて自動車車体の特性試験を行うに際し、上記課題を解決するため、スライド機構付きテーブルをパルス状の加速度で加振する前に、動電式振動装置の予備振動による目的外振動の発生を抑制する手段を鋭意検討した。
予備振動による自動車車体の目的外振動の発生を抑制するには、動電式振動装置の予備的な振動をスライドテーブル機構付きテーブルに伝えなければよいが、そのためには、スライド機構付きテーブルと動電式振動装置のメカニカルな接続をパルス状の加振直前まで切り離しておき、試験対象とする自動車車体にパルス状の応力を作用させる瞬間に接続することが必要である。
ここで、動電式振動装置は電磁力により可動軸部をその軸方向に加振するものであり、動電式振動装置の本体部と可動軸部とはメカニカルに接続されたものではないことに着目した。そして、動電式振動装置の本体部が床面などに固定されている場合、動電式振動装置とスライト機構付きテーブルとがメカニカルには切り離されていても、動電式振動装置の本体部の通電と同時に、動電式振動装置とスライト機構付きテーブルとが電磁力により接続した状態となり、動電式振動装置の予備振動は可動軸部を介してスライド機構付きテーブルに伝達してしまう。そこで、動電式振動装置に通電して本体部とスライド機構付きテーブルが電磁力により接続した状態においてもスライド機構付きテーブルを加振させないようにする具体的な方法を探索した。その結果、動電式振動装置の本体部がスライド機構付きテーブルの加振方向と同一方向に移動可能な手段を設けるとともに、スライド機構付きテーブルが振動しないように制動した状態に維持可能な手段を設けて、動電式振動装置の本体部の予備振動時にスライド機構付きテーブルが振動することを防止すればよいことを着想するに至った。
本発明は、かかる着想に基づいてなされたものであり、具体的には以下の構成からなるものである。
(1)本発明に係る自動車車体の特性試験方法は、自動車車体を固定することができ、かつ水平1軸方向に移動可能なスライド機構付きテーブルと、該スライド機構付きテーブルに接続される可動軸部、該可動軸部を水平1軸方向に振動させる本体部及び該本体部を前記水平1軸方向に振動可能に支持する本体部支持手段を有する振動装置と、前記本体部の前記水平1軸方向の振動を制動する本体部制動手段と、前記スライド機構付きテーブルの前記水平1軸方向の振動を制動するテーブル側制動手段と、を用いて、前記スライド機構付きテーブルを所定の加速度パターンで水平1軸方向に加振し、前記自動車車体の車体特性についての試験を行うものであって、該テーブル側制動手段により前記スライド機構付きテーブルを制動した状態で、前記振動装置の本体部を前記水平1軸方向に予備的に振動させる予備振動工程と、該予備的に振動させた前記本体部を前記本体部制動手段により制動するとともに、前記テーブル側制動手段による前記スライド機構付きテーブルの制動を解除し、前記可動軸部を介して前記スライド機構付きテーブルを所定の加速度パターンで加振する加振工程と、を備えたことを特徴とするものである。
本発明によれば、スライド機構付きテーブルを加振する前の振動装置における予備振動による目的外振動を抑制して、該スライド機構付きテーブルに固定した自動車車体を所定の加速度パターンで加振することができる。
本実施の形態に係る自動車車体の特性試験方法の各工程を説明する図である((a):予備振動工程、(b):加振工程)。 本発明の実施の形態に係る自動車車体の特性試験方法で用いる自動車車体の特性試験装置を説明する図である。 実施例において、動電式振動装置の本体部の振動方向における加速度の時間応答曲線である。 実施例において、自動車車体の車体幅方向における加速度の時間応答曲線を測定した結果である(比較例)。 実施例において、自動車車体の車体幅方向における加速度の時間応答曲線を測定した結果である(発明例)。
本発明の実施の形態に係る自動車車体の特性試験方法は、図2に示すような自動車車体31を試験対象として特性試験装置1を用いて行うものである。そこで、試験対象とする自動車車体31及び特性試験装置1について説明した後に、本発明の実施の形態に係る自動車車体の特性試験方法を説明する。
<自動車車体>
本発明で試験対象とする自動車車体31(図2参照)は、シャシー、足回り部品、駆動系部品、内装部品などを含まない、いわゆるホワイトボディー(ボディーイン・ホワイト)が対象であり、車体フロア部やサスペンションを締結するサスペンションマウント部などを有する。
また、自動車車体31には、後述するように、自動車車体31を加振及び制動したときの自動車車体31の加速度を測定する加速度計33が設置されている。
<自動車車体の特性試験装置>
特性試験装置1は、図2に示すように、自動車車体31を固定することができ、かつ水平1軸方向に移動可能なスライド機構付きテーブル3と、可動軸部5、本体部7及び本体部支持手段11を有する動電式振動装置9と、本体部制動手段13と、テーブル側制動手段15と、を備えてなるものである。
スライド機構付きテーブル3は、自動車車体31を載置して固定する振動テーブル17と、振動テーブル17とともに自動車車体31を水平1軸方向に直線運動可能にするリニアガイド19とを有するものを用いることができる。そして、振動テーブル17及びリニアガイド19は、床面41に固定されたテーブル支持構造体21に支持されているものとする。
スライド機構付きテーブル3は、自動車車体31を固定する治具を振動テーブル17に備えている。そして、自動車車体31は、車体フロア部やサスペンションマウント部など、実車両での走行時において力(荷重)の入力点となりうる部位で振動テーブル17と固定する。ここで、自動車車体31を固定する部位は、自動車車体31の車体特性を評価する試験の内容や目的に応じて、車体フロア部やサスペンションマウント部などを主に適宜選択すればよく、ボルトなどによる剛体結合とすることが望ましい。
本実施の形態において、自動車車体31は、加振する水平1軸方向が自動車車体31の車体幅方向となるように振動テーブル17に固定する。そして、車体幅方向に加振された自動車車体31は、慣性力に起因する荷重が生じて弾性変形する。
動電式振動装置9は、自動車車体31を固定したスライド機構付きテーブル3を所定の加速度パターンで水平1軸方向に加振する振動装置であり、スライド機構付きテーブル3に接続される可動軸部5、可動軸部5を水平1軸方向に振動させる本体部7、及び可動軸部5の軸方向であってスライド機構付きテーブル3を加振する方向(水平1軸方向)に振動可能に本体部7を支持する本体部支持手段11を有する。
動電式振動装置9は、図2に示すように、可動軸部5が、振動する方向である軸方向と自動車車体31を加振する水平1軸方向である車体幅方向とが一致するように配置されている。
本体部支持手段11は、本体部7を水平1軸方向に貫通して配設された本体部支持シリンダー23と、床面35に固定されて本体部支持シリンダー23の両端を支持する本体部支持構造体25と、本体部7と本体部支持構造体25との間に設けられて本体部7を保護する緩衝体27を有する。
なお、本実施の形態において振動装置として用いた動電式振動装置9は、可動軸部5側に接続されている磁石(ドライブコイル)と本体部7側に設置されている電磁石との間に引力あるいは斥力を生じさせて、この引力又は斥力により可動軸部5の軸方向における相対的な変位を誘起し、振動を発生させるものである。
さらに、動電式振動装置9は、目標とする所定の加速度パターンで可動軸部5が振動するように動電式振動装置9の駆動させる制御装置を備えているものとする。当該制御装置としては、例えば、自動車車体31を固定したスライド機構付きテーブル3(振動テーブル17)を周波数スイープやホワイトノイズなど複数周波数の加振を行ったときの応答挙動を事前に測定し、スライド機構付きテーブル3を所定の加速度パターン又は変位パターンで加振及び制動させるために動電式振動装置9に投入する投入電力パターンを生成する機能を有するものを用いればよい。
なお、動電式振動装置9の制御装置は、スライド機構付きテーブル3をパルス状の加速度パターンで加振することができるものであれば特段の指定はないが、シングルパルス波のように衝撃的な駆動出力を発生させることができるものであることを要する。
動電式振動装置9は、その本体部7を制止した状態で駆動すると、可動軸部5のみがその軸方向に変位して水平1軸方向に振動し、その逆に可動軸部5を制止した状態で駆動すると本体部7が可動軸部5の軸方向に変位して水平1軸方向に振動することになる。そこで、本実施の形態で用いる特性試験装置1は、本体部7を制動する本体部制動手段13と、スライド機構付きテーブル3を制動するテーブル側制動手段15とを備えたものとする。
本体部制動手段13は、床面35に対して本体部7が水平1軸方向に振動するのを制動して制止した状態にすることが可能なものであり、床面35に固定されている。本体部制動手段13としては、例えば、ブレーキシューや油圧シリンダーを用いることができる。
テーブル側制動手段15は、スライド機構付きテーブル3が床面35に対して水平1軸方向に振動するのを制動して制止した状態にすることが可能なものである。テーブル側制動手段15としては、例えば、ブレーキシューを用いることができる。
図1に示す特性試験装置1において、テーブル側制動手段15は、可動軸部5に取り付けられて可動軸部5を制動することで間接的にスライド機構付きテーブル3を制動するものである。もっとも、テーブル側制動手段15の他の態様としては、振動テーブル17に接続されてその水平1軸方向の振動を直接制動するものであってもよい。この場合、振動テーブル17を制動することで可動軸部5の振動も制動されればよい。このようなテーブル側制動手段としては、ブレーキシューの他、油圧シリンダーを振動テーブル17に接続したものを用いることができる。
なお、特性試験装置1は、本体部制動手段13とテーブル側制動手段15それぞれの動作を統合して制御する装置を備えたものであってもよい。この場合、本体部制動手段13とテーブル側制動手段15の双方を制御する装置は、前述の動電式振動装置9の制御装置と同期して動電式振動装置9を駆動することができるものが好ましい。
[実施の形態1]
本発明の実施の形態1に係る自動車車体の特性試験方法は、図1に例示する特性試験装置1を用いたものであって、予備振動工程と、加振工程と、を備えたものである。以下、上記の各工程について、特性試験装置1の動作とともに説明する。
<予備振動工程>
予備振動工程は、テーブル側制動手段15によりスライド機構付きテーブル3が水平1軸方向に振動しないように制動した状態で、動電式振動装置9を駆動して本体部7を水平1軸方向に予備的に振動させる工程である。
<加振工程>
加振工程は、前記予備振動工程において予備的に振動させた本体部7を本体部制動手段13により制動するとともに、テーブル側制動手段15によるスライド機構付きテーブル3の制動を解除し、可動軸部5を介してスライド機構付きテーブル3を所定の加速度パターンで加振する工程である。
本実施の形態におけるテーブル加振工程において、スライド機構付きテーブル3を加振する所定の加速度パターンをシングルパルス波の加速度パターンとする。
以上、本実施の形態に係る自動車車体の特性試験方法においては、予備振動工程と加振工程とを備えて、動電式振動装置9の予備的な振動をスライド機構付きテーブル3に伝達するのを防ぐことで自動車車体31に目的外振動が発生するのを抑制して、自動車車体31をパルス状に加振することができる。
なお、本実施の形態に係る自動車車体の特性試験方法にて用いる特性試験装置1においては、振動装置として動電式振動装置9を用いることで、予備振動工程においては、動電式振動装置9の可動軸部5を制動した状態で本体部7を予備的に振動させることで、スライド機構付きテーブル3の振動を防ぐとともに、続くスライド機構付きテーブル3のパルス状の加振に必要なエネルギーを運動エネルギーとして本体部7に効率よく蓄積することができる。
また、続く加振工程においては、動電式振動装置9の本体部7とスライド機構付きテーブル3との電磁力による反発力が最大となる瞬間に、本体部制動手段13により本体部7を制動するとともに、テーブル側制動手段15によるスライド機構付きテーブル3の制動を解除することにより、本体部7の運動エネルギーを効率良くスライド機構付きテーブル3に移行することができて、パルス状の加速度パターンを発生させることができる。
パルス状の加速度パターンでスライド機構付きテーブル3を加振した後は、スライド機構付きテーブル3上の自動車車体31を自由振動させて、この振動の減衰挙動を観測することにより、車両の操縦安定性に係る自動車車体の振動減衰挙動などの動的な応答挙動を評価することができる。そして、自動車車体31の自由振動の減衰挙動は、例えば、図2に示すように自動車車体31に取り付けた加速度計33により取得した加速度の時間応答曲線に基づいて評価すればよい。
なお、本実施の形態に係る自動車車体の特性試験方法は、上記のとおり図1に示す特性試験装置1を用いるものとして説明した。もっとも、本発明は、図1に示す特性試験装置1を用いるものに限定するものではなく、予備振動工程においてはスライド機構付きテーブル3が振動しないように本体部7のみを振動させる手段と、加振工程においてスライド機構付きテーブルをパルス状に加振することができる手段を備えた装置であればよい。
本発明に係る自動車車体の特性試験方法の作用効果について確認するための実験を行ったので、以下、これについて説明する。
実験では、図2に示す特性試験装置1を用い、振動装置として動電式振動装置9により自動車車体31の車体幅方向にパルス状に加振したときの自動車車体31の加速度を取得し、該取得した加速度から、動電式振動装置9の予備的な振動が自動車車体31に伝達するのを防いで目的外振動を抑制することが可能であるかどうかを検証した。
実験に供した自動車車体31は、市販小型車のホワイトボデー(ドア類とフードとフェンダーはなし、バンパーリンフォースとフロントガラスを装着、合計重量230kg)とし、スライド機構付きテーブル3に固定した。ここで、自動車車体31は、加振方向である車体幅方向と一致するように振動テーブル17に固定した。
自動車車体31には、図2に示すように、ルーフレールインナーの中央に加速度計33を設置し、加速度の時間応答を測定した。本実施例では、加速度計33として、周波数感度DC~100Hz、最大加速度40m/s2の3軸方向同時計測のDC成分検出タイプの加速度センサーを自動車車体31に設置し、車体幅方向、車体前後方向及び車体上下方向の加速度を計測した。
また、実験では、自動車車体31を固定したスライド機構付きテーブル3を目標とするパルス状の加速度パターンで加振するように、動電式振動装置9を駆動する制御プログラムを生成し、該制御プログラムで動電式振動装置9を駆動してスライド機構付きテーブル3を加振及び制動した。本実施例において目標とするパルス状の加速度パターンは、最大加速度6.0m/s2、作用時間50msのハーフサイン形状のシングルパルス波とした。
本実施例では、予備振動工程において、動電式振動装置9の可動軸部5を制動した状態で本体部7を予備的に振動させ、続くテーブル加振工程において、本体部7を制動するとともに可動軸部5の制動を解除し、可動軸部5を介してスライド機構付きテーブル3をパルス状の加速度パターンで加振したものを発明例とした。
ここで、パルス状の加振前の0.5秒間を予備振動工程における本体部7の予備振動期間とし、当該期間における動電式振動装置9の加振出力パターンをプログラムした。さらに、動電式振動装置9を駆動する加振出力の制御と同時に、本体部制動手段13とテーブル側制動手段15による制動のON/OFF出力を統合して制御した。
本体部制動手段13とテーブル側制動手段15による制動は、具体的には、予備振動工程において、テーブル側制動手段15によりスライド機構付きテーブル3を制動した状態とし、かつ本体部制動手段13による本体部7の制動を解除した状態で予備振動を開始する。
続いて、予備振動終了時に本体部7の振動方向における加速度が最大となった位置、すなわち、予備振動における本体部7の変位速度がゼロとなった瞬間に本体部制動手段13を作動させて本体部7を制動する。これと同じタイミングで、予備振動工程において作動したテーブル側制動手段15によるスライド機構付きテーブル3の制動を解除し、スライド機構付きテーブル3をパルス状の加速度パターンで加振する。
このように上記のとおり本体部制動手段13及びテーブル側制動手段15それぞれの動作を制御してスライド機構付きテーブル3をパルス状の加速度パターンで加振した後は、本体部制動手段13及びテーブル側制動手段15の制動を解除した。
そして、自動車車体31の動的な応答挙動として、加速度計33により加速度の時系列データを測定した。
なお、本実施例では、比較対象として、予備振動工程においてスライド機構付きテーブル3を制動せず、本体部7を制動した状態のまま動電式振動装置9を予備振動した後にスライド機構付きテーブル3をパルス状の加速度パターンで加振したものを比較例とした。そして、発明例と同様に、自動車車体31における加速度の時系列データを測定した。
なお、比較例においても、加速度計33の設置位置は、発明例と同様に、自動車車体31のルーフレールインナーの中央とした(図2参照)。
また、参考のため、動電式振動装置9の本体部にも加速度計を設置し(図示なし)、加速度の時系列データを測定した。
図3に、動電式振動装置9の本体部7における加速度の時系列データの測定結果を示す。
予備振動工程において、本体部7が予備的に振動され、パルス状の加速度パターンを出力した後は制動されて加速度が減衰している。
図4及び図5に、動電式振動装置9によりパルス状の加速度パターンでスライド機構付きテーブル3を加振したときの自動車車体31の加速度計33における加速度の時系列データの測定結果を示す。ここで、図4は比較例、図5は発明例における結果である。
図4に示す比較例においては、予備振動工程において動電式振動装置9の予備的な振動が自動車車体31に伝達している。続く加振工程においては、自動車車体31をパルス状の加振とは異なり、スライド機構付きテーブル3から離れた位置にある加速度計33の加速度でありながら、時間の位相差が全く現われていない目的外の振動が自動車車体に生じている。
これに対して、図5に示す発明例においては、予備振動工程における自動車車体31の振動はほぼ見られず、加振工程においてパルス状の加速度で加振されている。これより、発明例においては、予備振動工程での振動装置の予備的な振動がスライド機構付きテーブルへ伝達することを防ぎ、パルス状に加振する前の自動車車体の目的外振動が抑制されていることがわかる。
以上、本発明に係る自動車車体の特性試験方法によれば、動電式振動装置9の予備的な振動が自動車車体31に伝達するのを防ぐことで自動車車体31に目的外振動が発生するのを抑制して、自動車車体31をパルス状に加振することができることが実証された。
1 特性試験装置
3 スライド機構付きテーブル
5 可動軸部
7 本体部
9 動電式振動装置
11 本体部支持手段
13 本体部制動手段
15 テーブル側制動手段
17 振動テーブル
19 リニアガイド
21 テーブル支持構造体
23 本体部支持シリンダー
25 本体部支持構造体
27 緩衝体
31 自動車車体
33 加速度計
35 床面

Claims (1)

  1. 自動車車体を固定することができ、かつ水平1軸方向に移動可能なスライド機構付きテーブルと、該スライド機構付きテーブルに接続される可動軸部、該可動軸部との間で引力と斥力を生じさせ該可動軸部を水平1軸方向に振動させるか又は制止した可動軸部に対して相対的に振動する本体部及び該本体部を前記水平1軸方向に振動可能に支持する本体部支持手段を有する振動装置と、前記本体部の前記水平1軸方向の振動を制動する本体部制動手段と、前記スライド機構付きテーブルの前記水平1軸方向の振動を制動するテーブル側制動手段と、を用いて、前記スライド機構付きテーブルを所定の加速度パターンで水平1軸方向に加振し、前記自動車車体の車体特性についての試験を行う自動車車体の特性試験方法であって、
    前記テーブル側制動手段により前記スライド機構付きテーブルを制動して前記可動軸部が制止し、かつ前記本体部制動手段による前記本体部の制動を解除した状態で、前記振動装置の本体部を前記水平1軸方向に予備的に振動させる予備振動工程と、
    該予備的に振動させた前記本体部を前記本体部制動手段により制動するとともに、前記テーブル側制動手段による前記スライド機構付きテーブルの制動を解除し、前記可動軸部を介して前記スライド機構付きテーブルを所定の加速度パターンで加振する加振工程と、を備えたことを特徴とする自動車車体の特性試験方法。
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