JP4444456B2 - 画像情報記録読取方法および装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、静電記録体に画像情報を静電潜像として記録し、記録された静電潜像を読み取る画像情報記録読取方法および装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、医療用X線撮影などにおいて、被験者の受ける被爆線量の減少、診断性能の向上等のために、X線に感応する例えばa−Se(アモルファスセレン)から成るセレン板等の光導電体を静電記録体(感光体、放射線固体検出器)として用い、この静電記録体に放射線画像情報を担持するX線などの記録用の放射線を照射して、放射線画像情報を担持する潜像電荷を静電記録体の蓄電部に蓄積させ、その後レーザビームなどの読取光(読取用の電磁波)で静電記録体を走査することにより該静電記録体内に生じる電流を該静電記録体両側の平板電極あるいはクシ電極を介して検出することにより、潜像電荷が担持する静電潜像、すなわち放射線画像情報を読み取るシステムが知られている。
【0003】
このシステムでは、両端の電極とその内部に配設された少なくとも1層の光導電層とを有してなる静電記録体を使用し、両端電極に記録用電圧が印加された状態で記録用の放射線を照射して、静電潜像を静電記録体の蓄電部に形成し、その後、静電記録体の両端電極を略同電位(通常は短絡)にし、さらに、読取光に対して透過性を有する電極(以下読取光側電極という)を介して読取光で静電記録体の光導電層を走査し、読取光側電極と光導電層との界面で発生する電子とホールのペア(電荷対)による光誘起放電によって静電潜像の電気的読取りを行なう。このシステムにおいては、前記静電潜像の読取時、像の暗部では電流が流れず、像の明部ほど大きな電流が流れる。なお、このように、記録後に静電記録体の両端電極を短絡し、また、像の明部ほど大きな電流が流れる系を、ポジ型の系といい、このポジ型の系に使用される静電記録体をポジ型の静電記録体という。
【0004】
このようなポジ型の静電記録体の具体的な層構成としては、例えば、第1導電体層(記録光側電極層;以下同様)/記録用光導電層/蓄電部としてのトラップ層/読取用光導電層/第2導電体層(読取光側電極層;以下同様)からなるもの(米国特許第4535468号など)、第1導電体層/記録用兼読取用の光導電層/第2導電体層からなり、光導電層と第2導電体層との界面に蓄電部が形成されるもの(Medical Physics,Vol.16,No.1,Jan/Feb 1989;P105-P109)、第1導電体層/絶縁体層/記録用兼読取用の光導電層/第2導電体層からなり、絶縁体層と光導電層との界面に蓄電部が形成されるものなどがある。
【0005】
また、本願出願人は、ポジ型の静電記録体として、記録用の放射線に対して透過性を有する第1導電体層、記録用の放射線の照射を受けることにより光導電性を呈する記録用光導電層、第1導電体層に帯電される電荷と同極性の電荷に対しては略絶縁体として作用し、かつ、該同極性の電荷と逆極性の電荷に対しては略導電体として作用する電荷輸送層、読取光(読取用の電磁波)の照射を受けることにより光導電性を呈する読取用光導電層、読取光に対して透過性を有する第2導電体層を、この順に積層して成り、記録用光導電層と電荷輸送層との界面に蓄電部が形成されるものを提案している(特願平10−232824号、同11−87922号、同11−89553号)。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記ポジ型の静電記録体は何れも、読取光に対して透過性を有する第2導電体層とa−Seなどからなる光導電層との界面に障壁電界が形成され、記録用の放射線の線量が0mR領域であっても、読取光の照射によって電流が流れ、いわゆる光起電力ノイズという問題を生じる。
【0007】
また、使用を続けると、前記光起電力ノイズは、局所的に場所依存性が発生するようになり、その結果アーチファクトとなるという問題が生じる。
【0008】
また、静電記録体の光導電層には、a−Seなどの高抵抗なアモルファス物質(トラップを有する)が一般に使われるが、静電記録体の両端電極間に電圧(一般には高圧)を印加してから短絡までの間には、電極から光導電層への直接電荷注入が生じ、注入された電荷が光導電層内部あるいは光導電層と電極との界面に空間電荷としてトラップされつつ、一方で空間電荷としてはトラップされずに漏れ電流として光導電層内に暗電流が流れ、この暗電流が暗潜像として蓄電部に蓄積され、読取りに際して再生画像に所謂暗潜像ノイズとなって現れるという問題がある。この暗電流は、電圧印加当初は大きく、時間と共に減少し、その後一定の漏れ電流値に近づいていくという性質がみられる。即ち、電圧印加直後の暗電流レベルは、安定化した状態(安定した漏れ電流状態)の暗電流レベルよりも大きい。この現象は、印加電圧が高いほど顕著であり、漏れ電流レベルに安定化するまで、例えば10分以上要する場合もある。さらに、一旦安定化したとしても、両電極を短絡してしばらくの間電圧印加を休止すると、その後に再度電圧を印加した直後には暗電流レベルが元の大きさに戻る傾向を示す。したがって、電圧印加直後の大レベルの暗電流による暗潜像は読取りに際しては大きなノイズ源となる。さらに、この暗潜像の量は、電圧を印加してから記録用の放射線を照射するまでの時間や使用履歴と共に変化するため、暗潜像ノイズが再生画像に現れないように、画像データを補正することも困難である。
【0009】
さらに、電極と光導電層との界面には、前記の通り、記録用電圧の印加によって形成された空間電荷による電界が形成されるが、さらに読出しに先立って短絡される結果、電圧印加(一般には高圧印加)と短絡の履歴を受けた新たな電界が形成され、この新たな電界下において光(読取光)が照射されるために高圧印加履歴ノイズが発生するという問題がある。そしてこの高圧印加履歴ノイズも時間や使用履歴と共に変化するため前記暗潜像ノイズと同様に補正が困難である。
【0010】
また、使用を続けると、この高圧印加履歴ノイズは、前記光起電力ノイズと同様に、局所的に場所依存性が発生するようになり、その結果アーチファクトとなるという問題が生じる。
【0011】
一方、本願出願人は、上記特願平10−232824号において、電圧印加中であって記録用の放射線が照射される前に前露光光を読取用光導電層に照射し、電荷輸送層の整流性を利用して、記録用の放射線が照射される前に蓄電部に蓄積した暗潜像や残像を低減する画質劣化防止方法を提案している。
【0012】
さらに、電荷輸送層と記録用光導電層の障壁を適度に設けることによって、若干のホール障壁を形成し、前露光によってホールをホール障壁に蓄積することによりフラットバンド化し、光起電力ノイズを低減することも提案している。
【0013】
しかしながら、これらの方法は、本願出願人が提案した特願平10−232824号などに記載の電荷輸送層を含む静電記録体でのみ成立するものであり、その他の上述した静電記録体に、特願平10−232824号に記載の方法を適用することはできない。
【0014】
また電荷輸送層と記録用光導電層の界面に光起電力を丁度キャンセルする程度のホール障壁を形成することは容易でない。
【0015】
さらに、もともと読取光側電極からの暗電流の方が大きくて、静電潜像とは逆極性の暗潜像が蓄電部に形成されるような場合には、上記前露光はむしろ暗潜像を増大させることになる。
【0016】
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであり、光読出方式且つポジ型の静電記録体を使用する場合において、光起電力ノイズの低減とその安定化を図ることができる画像情報記録読取方法および装置を提供することを目的とするものである。
【0017】
また、本発明は、電圧印加直後に形成される暗潜像の低減とその安定化を図ることができる画像情報記録読取方法および装置を提供することを目的とするものである。
【0018】
また、本発明は、記録用電圧の印加と短絡を行なうことにより生じる高圧印加履歴ノイズの低減とその安定化を図ることができる画像情報記録読取方法および装置を提供することを目的とするものである。
【0019】
【課題を解決するための手段】
本発明の第1の画像情報記録読取方法は、第1電極層と画像情報を担持する記録用の電磁波の照射を受けることにより導電性を呈する光導電層と第2電極層とをこの順に有すると共に前記電磁波のエネルギ量に応じた量の電荷を潜像電荷として蓄積する蓄電部が前記第1電極層と前記第2電極層との間に形成されて成り、前記第1電極層の電極と前記第2電極層の電極との間に記録用電圧を印加した状態で前記第1電極層に前記記録用の電磁波が照射されることにより前記蓄電部に画像情報が静電潜像として記録され、且つ前記第1電極層と前記第2電極層とを同電位にした状態で前記潜像電荷の量に応じた画像情報が読み取られる静電記録体を用いて画像情報の記録と読取りを行なう画像情報記録読取方法において、前記第1電極層の電極と前記第2電極層の電極とを同電位にした状態で前記光導電層に前露光光を照射する空読みを行ない、該空読みを停止させた後、前記記録を行なうことを特徴とするものである。
【0020】
本発明に使用される静電記録体は、第1電極層、光導電層、および第2電極層をこの順に有すると共に、第1電極層と2電極層との間に蓄電部が形成されて成るものであって、上述のように光読出方式且つポジ型のものであれば良く、蓄電部を形成するために、例えば上記米国特許第4535468号や特願平10−232824号などに記載のように、さらに他の層や微小導電部材(マイクロプレート)を積層して成るものであってもかまわない。
【0021】
「画像情報を担持する記録用の電磁波」としては、例えば、被写体にX線などの放射線を照射して得られる透過放射線画像情報を担持する透過放射線、この透過放射線を一旦蛍光体(シンチレータ)に照射して得た透過放射線画像情報を担持する蛍光などの放射線の励起により発せられる光、あるいは画像情報を担持する一般的な可視光などを用いることができる。
【0022】
「第1電極層の電極と第2電極層の電極とを同電位にした状態」とは、両電極層の電極を直接接続して同電位にした状態に限らず、例えばオペアンプのイマジナリーショートを介したり抵抗を介するなどのように、両電極間に多少の電位差を有し得るものの、両電極層の電極が実質的に同電位となるようにした状態も含む。
【0023】
なお、前記空読みのための前露光光は、後述する光疲労などを効果的に生じさせるために光強度が強いことが好ましい。一方、この前露光の照射は、長時間(例えば10sec)である必要はなく、比較的短時間(例えば1msec〜1sec程度)で十分である。したがって、本発明の第1の画像情報記録読取方法においては、前露光光のエネルギ密度を100Cd/m2 以上、好ましくは1000Cd/m2 以上とし、この前露光光の照射時間を1msec以上1sec以下、好ましくは10msec以上100msec以下とするのがよい。
【0024】
なお、この前露光を照射することにより得られる効果の持続時間の関係から、前露光の照射はできるだけ記録用高電圧を印加する直前(例えば1sec以内)に行なう方が好ましい。
【0025】
本発明の第1の画像情報記録読取方法においては、前記空読みに先立って、第1電極層の電極と第2電極層の電極との間に所定の大きさおよび所定の極性の電圧を所定の時間だけ印加する空電圧印加を行なうことが望ましい。
【0026】
「空読みに先立って」とは、少なくとも空電圧印加の開始が空読みの開始よりも先であれば良く、空電圧印加の停止と空読みの開始とは、夫々が多少相前後してもかまわない。
【0027】
この空電圧印加は、該空電圧印加により得られる効果の持続時間の関係から、できだけ記録用高電圧を印加する直前(例えば1sec以内)に行なう方が好ましい。また、この空電圧印加は、長時間(例えば10sec)である必要はなく、比較的短時間(例えば1sec以内)で十分である。
【0028】
また、本発明の第1の画像情報記録読取方法においては、前記静電潜像の記録ごとに、該記録に先立って、前記空電圧印加とそれに続く前記空読みを所定回数だけ繰り返す前処理を行なうことが望ましい。
【0029】
空電圧印加と空読みとを繰り返し行なう前処理の1サイクル(時間幅T)内の空電圧印加のオン・オフの各時間(Ton,Toff )のデューティ比(Ton/T)は50%以上、好ましくは90%程度とするとよい。
【0030】
なお、前述のように、静電潜像の記録ごとに空電圧印加と空読みとを繰り返す前処理を行なうと、該前処理の分だけ直ちに記録を行なうことができず、前処理の分だけオペレータが撮影を待たされる。特に前処理の繰り返しに時間を要する場合には撮影待ちが顕著となる。また、1サイクル当たりの時間幅が短い連続撮影を行なうことが事実上難しくなる、あるいは連続撮影(1サイクル当たりに時間幅は不問)を行なうと前処理ごとにノイズ量が徐々に変化し長期的安定性には優れないといった問題が生じる。本発明の第2の画像情報記録読取方法はこのような問題を解消するものである。
【0031】
すなわち、本発明の第2の画像情報記録読取方法は、第1電極層と画像情報を担持する記録用の電磁波の照射を受けることにより導電性を呈する光導電層と第2電極層とをこの順に有すると共に前記電磁波のエネルギ量に応じた量の電荷を潜像電荷として蓄積する蓄電部が前記第1電極層と前記第2電極層との間に形成されて成り、前記第1電極層の電極と前記第2電極層の電極との間に記録用電圧を印加した状態で前記第1電極層に前記記録用の電磁波が照射されることにより前記蓄電部に画像情報が静電潜像として記録され、且つ前記第1電極層と前記第2電極層とを同電位にした状態で前記潜像電荷の量に応じた画像情報が読み取られる静電記録体を用いて画像情報の記録と読取りを行なう画像情報記録読取方法において、
前記第1電極層の電極と前記第2電極層の電極との間に所定の大きさおよび所定の極性の電圧を所定の時間だけ印加する予備空電圧印加と前記第1電極層の電極と前記第2電極層の電極とを同電位にした状態で前記光導電層に前露光光を照射する予備空読みとを所定回数だけ繰り返す予備処理を行ない、該予備処理を停止させた後、前記記録と読取りを複数回連続して行なうことを特徴とするものである。
【0032】
記録と読取りを複数回連続して行なうとは、所謂連続撮影を行なうことを意味する。ここで、予備処理後に連続撮影を行なうに際しては、記録と読取りのみを連続して行なう態様だけでなく、前記第1の方法を組み合わせたものであってもよい。例えば、「空読み+記録+読取り」を1サイクルとして複数回連続的に行なう態様、「空電圧印加+空読み+記録+読取り」を1サイクルとして複数回連続的に行なう態様、「空電圧印加と空読みの繰り返し+記録+読取り」を1サイクルとして複数回連続的に行なう態様である。また、各サイクルを任意に組み合わせてもよい。
【0033】
予備処理を行なうことにより、連続撮影直前の前処理を大きく時間短縮することができ、場合によっては不要とすることもできる。
【0034】
この第2の方法においても、前記第1の方法と同じように、前記予備空読みのための前露光光のエネルギ密度を100Cd/m2 以上、好ましくは1000Cd/m2 以上とし、この前露光光の照射時間を1msec以上1sec以下、好ましくは10msec以上100msec以下とするのがよい。
【0035】
予備空電圧印加と予備空読みとを繰り返し行なう予備処理の時間幅は、少なくとも10sec以上好ましくは60sec以上で、前記連続撮影の時間幅と略同じかそれ以上に設定するとよいが、予備処理を行なうことにより得られる効果を十分に享受するためには、撮影を行なっていない間中は、常に予備処理を行なっていた方が好ましい。
【0036】
また、1サイクル(時間幅T)内の予備空電圧印加のオン・オフの各時間幅(Ton,Toff )は、オン時間Tonが1秒〜10秒、好ましくは1秒程度で、デューティ比(Ton/T)が70%以上、好ましくは90%程度とするとよい。
【0037】
上記において、光導電層に前露光光や露光光を照射するに際しては、読取光が照射される電極層(通常は第2電極層)側から照射するのが望ましく、また、これらの前露光光や露光光は、静電記録体の全面に亘って、略一様の光量の光であるのが望ましい。
【0038】
本発明の第1の画像情報記録読取装置は、上記第1の画像情報記録読取方法を実施する装置、即ち、第1電極層と画像情報を担持する記録用の電磁波の照射を受けることにより導電性を呈する光導電層と第2電極層とをこの順に有すると共に前記電磁波のエネルギ量に応じた量の電荷を潜像電荷として蓄積する蓄電部が前記第1電極層と前記第2電極層との間に形成されて成り、前記第1電極層の電極と前記第2電極層の電極との間に記録用電圧を印加した状態で前記第1電極層に前記記録用の電磁波が照射されることにより前記蓄電部に画像情報が静電潜像として記録され、且つ前記第1電極層と前記第2電極層とを同電位にした状態で前記潜像電荷の量に応じた画像情報が読み取られる静電記録体を使用して、画像情報の記録と読取りを行なう画像情報記録読取装置であって、
前記第1電極層の電極と前記第2電極層の電極との間に所定の電圧を印加する電圧印加手段と、
前記光導電層に前露光光を照射する前露光手段と、
前記第1電極層の電極と前記第2電極層の電極とを同電位にした状態で前記光導電層に前記前露光光を照射させて空読みを行なわさせ、該空読みを停止させた後、前記第1電極層の電極と前記第2電極層の電極との間に記録用電圧を印加した状態で前記記録用の電磁波を前記第1電極層に照射させて前記静電潜像の記録を行なわさせるように前記前露光手段と前記電圧印加手段とを制御する制御手段とを備えたことを特徴とするものである。
【0039】
本発明の第1の画像情報記録読取装置においては、前露光手段が、前露光光のエネルギ密度を100Cd/m2 以上、前露光光の照射時間を1msec以上1sec以下とするものであることが望ましい。
【0040】
本発明の第1の画像情報記録読取装置においては、前記制御手段を、前記空読みに先立って、第1電極層の電極と第2電極層の電極との間に所定の大きさおよび所定の極性の電圧を所定の時間だけ印加する空電圧印加が行なわれるように電圧印加手段を制御するものとするのが望ましい。
【0041】
また、本発明の第1の画像情報記録読取装置においては、前記制御手段を、前記静電潜像の記録ごとに、該記録に先立って、前記空電圧印加とそれに続く前記空読みを所定回数だけ繰り返すように前記前露光手段および前記電圧印加手段を制御するものとするとより望ましい。
【0042】
本発明の第2の画像情報記録読取装置は、上記第2の画像情報記録読取方法を実施する装置、即ち、第1電極層と画像情報を担持する記録用の電磁波の照射を受けることにより導電性を呈する光導電層と第2電極層とをこの順に有すると共に前記電磁波のエネルギ量に応じた量の電荷を潜像電荷として蓄積する蓄電部が前記第1電極層と前記第2電極層との間に形成されて成り、前記第1電極層の電極と前記第2電極層の電極との間に記録用電圧を印加した状態で前記第1電極層に前記記録用の電磁波が照射されることにより前記蓄電部に画像情報が静電潜像として記録され、且つ前記第1電極層と前記第2電極層とを同電位にした状態で前記潜像電荷の量に応じた画像情報が読み取られる静電記録体を使用して画像情報の記録と読取りを行なう画像情報記録読取装置であって、
前記第1電極層の電極と前記第2電極層の電極との間に所定の電圧を印加する電圧印加手段と、
前記光導電層に前露光光を照射する前露光手段と、
前記第1電極層の電極と前記第2電極層の電極との間に所定の大きさおよび所定の極性の電圧を所定の時間だけ印加する予備空電圧印加と、前記第1電極層の電極と前記第2電極層の電極とを同電位にした状態で前記光導電層に前露光光を照射する予備空読みを所定回数だけ繰り返す予備処理を行なわさせ、該予備処理を停止させた後、前記記録と読取りを複数回連続して行なわさせるように前記前露光手段と前記電圧印加手段とを制御する制御手段とを備えたことを特徴とするものである。
【0043】
本発明の第2の画像情報記録読取装置においては、前露光手段が、前露光光のエネルギ密度を100Cd/m2 以上、前露光光の照射時間を1msec以上1sec以下とするものであることが望ましい。
【0044】
なお、上記いずれの方法および装置においても、静電記録体は、第1電極層と第2電極層とを同電位にした状態で、読取光の照射を受けることにより導電性を呈する光導電層に前記読取光が照射され(通常は第2電極層側から)、光誘起放電を起こすことにより前記潜像電荷の量に応じた画像情報が読み取られる光読出方式のものであることが好ましい。
【0045】
前記読取光は、読取用の電磁波であって、可視光に限らない。読取光の照射を受けることにより導電性を呈する光導電層は、記録用の電磁波の照射を受けることにより導電性を呈する光導電層と兼用のものでもよいし、これとは別の専用の光導電層でもよい。
【0046】
【発明の効果】
本発明の第1の画像情報記録読取方法および装置によれば、第1電極層の電極と第2電極層の電極とを同電位にした状態で光導電層に前露光光を照射する空読みを行ない、該空読みを停止した後、静電潜像の記録を行なうようにしたので、前露光光が照射された光入射界面(電子−ホールペア形成領域)に、光疲労状態(トラップ蓄積状態)が一時的に形成されるようになり、読取光を照射した際に生じ得る光起電力ノイズが前記光疲労状態によって低減すると共に安定化するようになる。
【0047】
また、前露光光により電極と光導電層との界面の空間電荷状態を低減し安定化させる、つまり高圧印加履歴ノイズを低減させることもできる。
【0048】
また、後述するように、記録用電圧の印加と短絡を行なったときの静電記録体に流れる暗電流Iと時間tとの関係を示す電流応答はI∝t-nなる関係、すなわちlogI−logtで捉えると一定の時定数のところに電流が集中しない状態となり、電極と光導電層との界面における空間電荷の振る舞いとして、時定数の短いもの(1数以下)と時定数の長い(数10秒〜1分程度以上)ものとがあるが、前述のように、空読みに先立って行なう空電圧印加は比較的短時間(1msec〜1sec程度)であればよく、この空電圧印加を短時間だけ行なって停止させると、時定数の短い空間電荷のみが応答し得る。
【0049】
したがって、前記空読みに先立って、両電極間に所定の大きさおよび所定の極性の電圧を所定の時間だけ印加する空電圧印加を行なうようにすれば、光導電層内部あるいは光導電層と電極との界面に、見かけ上安定化した高抵抗状態をもたらす空間電荷状態が形成されるようになり、しかも蓄電部には暗潜像蓄積の少ない状態が実現される。このため、記録用電圧を印加した直後には、従来のような大レベルの暗潜像ノイズが生じる虞がなくなり、暗潜像ノイズが低減すると共に安定化するようになる。
【0050】
また、前述のように、短時間の電圧印加では、時定数の短い空間電荷のみが応答し得るので、静電潜像の記録ごとに、該記録に先立って、空電圧印加とそれに続く空読みとを所定回数だけ繰り返す前処理を行なうようにすれば、比較的短時間で注入あるいは放出される空間電荷による浅いトラップの形成と開放とを促進し、一方比較的長時間をかけなければ注入あるいは放出されない空間電荷による深いトラップが安定的に蓄積された状態を作ることができるようになる。このことは、電圧印加と短絡の履歴を受けた電界下において光が照射されることによって生じる前記高圧印加履歴ノイズの安定化(繰り返し安定化)に効果があり、高圧印加履歴ノイズが再生画像に現れないように画像データを補正することもできるようになる。
【0051】
一方、本発明の第2の画像情報記録読取方法および装置によれば、予備空電圧印加と予備空読みとを繰り返す予備処理を行ない、該予備処理を停止させた後、前記記録と読取りを複数回連続して行なうようにしたので、連続撮影時の1サイクル当たりの時間幅を問わず、記録と読取りのみを繰り返すすなわち読取り後直ちに記録を行なうことができ、また間に長時間の前処理を挟むことなく連続撮影を行なうことができるので長期的安定性に優れたものとすることができる。
【0052】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について詳細に説明する。図1は本発明の画像情報記録読取方法および装置を適用した、放射線画像撮影読取装置の概略図である。
【0053】
図1に示すように、この放射線画像撮影読取装置1は、静電記録体としての放射線固体検出器(以下単に検出器とも言う)10と、検出器10に積層された面状光源30、面状光源30を制御する光源制御手段40および検出器10の電荷を読み出す電流検出回路50からなる読取部20と、放射線照射部60とを有する。これらは、本発明を適用しない従来の装置が有するものと同様のものである。本発明を適用した装置1は、更に電流検出回路50および放射線照射部60と接続された制御手段70を有している。
【0054】
検出器10は、特願平10−232824号に記載した改良型直接変換方式(直接変換且つ光読出方式)の静電記録体であって、画像情報を担持する電磁波としての被写体を透過した記録用の放射線(例えば、X線等;以下記録放射線という)が第1電極層(導電体層)11に照射されることにより記録用光導電層12内に電荷が発生し、この発生した電荷を記録用光導電層12と電荷輸送層13との界面である蓄電部19に潜像電荷として蓄積し、読取光(読取用の電磁波)で第2電極層(導電体層)15が走査されることにより読取用光導電層14内に電荷が発生し前記潜像電荷と電荷再結合して潜像電荷の量に応じた電流を発生するものである。読取用電極層としての第2電極層15は、多数の線状電極(図中の斜線部)がストライプ状に配列されて成るものである。以下第2電極層15の電極をストライプ電極16といい、各線状電極をエレメント16aという。
【0055】
記録用光導電層12、電荷輸送層13、および読取用光導電層14には、アモルファス状の物質としてのa−Seを主成分とするものを使用する。
【0056】
面状光源30は、導電層31,EL層32,導電層33から成るEL発光体であり、上述のように検出器10に積層されている。検出器10のストライプ電極15と導電層31との間には絶縁層34が設けられる。導電層31は、多数のエレメント(図中の斜線部)31aがストライプ状に配列されて成るものであり、各エレメント31aは、検出器10のストライプ電極16の各エレメント16aと交差(本例では略直交)するように配列されており、これにより、エレメント31aによるライン状の光源が面状に多数配列するように構成される。各エレメント31aは光源制御手段40に接続されている。
【0057】
EL層32としては、検出器10の読取用光導電層14の主成分であるa−Seとのマッチングを考慮して、波長470nm程度のEL光が発せられるような物資を用いる。
【0058】
光源制御手段40は、エレメント31aとそれに対向する導電層33との間に所定の電圧を印加するものであり、読取時にはエレメント31aに個別に電圧を印加し、前露光時には複数または全てのエレメント31aに同時に電圧を印加するものである。例えば、エレメント31aを順次切り替えながら、夫々のエレメント31aと導電層33との間に所定の直流電圧を印加すると、エレメント31aと導電層33とに挟まれたEL層32からEL光が発せられ、エレメント31aを透過したEL光はライン状の読取光(以下ライン光という)として利用される。すなわち、面状光源30としては、ライン状の微小光源を面状に多数配列したものと等価となり、ストライプ電極16の長手方向の一方の端から他方の端までの全部についてエレメント31aを順次切り替えてEL発光させることにより、ライン光でストライプ電極16の全面を電気的に走査することになる。なお、エレメント16aの長手方向が副走査方向に対応し、ライン光の延びる方向が主走査方向に対応する。
【0059】
一方、複数または全てのエレメント31aに同時に電圧を印加すると、この電圧の印加によりEL層32からストライプ電極16の全面に亘って略一様にEL光が発せられ、このEL光が前露光光として利用される。つまり、面状光源30は読取光源としてだけでなく後述する前露光用の光源としても機能し、この面状光源30と光源制御手段40とが、本発明の前露光手段として機能するように構成されている。
【0060】
光源制御手段40には、制御信号C1が入力されるようになっており、制御信号C1がL(ロー)のときには前露光光としてのEL光を発する前露光モード、H(ハイ)のときには読取光としてのEL光を発する読取光モードとなる。制御信号C1がハイインピーダンス状態のときには面状光源30からはEL光が発せられない。
【0061】
電流検出回路50は、ストライプ電極16の各エレメント16a毎に、反転入力端子に接続された電流検出アンプ51を多数有している。検出器10の第1電極層11はスイッチ52の一方の入力および電源53の負極に接続されており、電源53の正極はスイッチ52の他方の入力に接続されている。スイッチ52および電源53とにより、本発明による電圧印加手段が構成される。
【0062】
スイッチ52の出力は各電流検出アンプ51を構成する不図示のオペアンプの非反転入力端子に共通に接続されている。面状光源30から読取光としてのライン光がストライプ電極16側に照射(走査露光)されることにより、各電流検出アンプ51は、各エレメント16aに流れる電流を、接続された各エレメント16aについて同時(並列的)に検出する。
【0063】
なお、電流検出アンプ51の構成の詳細については、本発明の要旨に関係がないのでここでは詳細な説明を省略するが、周知の構成を種々適用することが可能である。電流検出アンプ51の構成によっては、スイッチ52および電源53並びに各エレメント16aとの接続態様が上記とは異なるものとなるのは勿論である。
【0064】
放射線照射部60は、放射線Rを発する放射線源61、放射線源61を駆動する電力を発生する高電圧発生器62、高電圧発生器62と接続された撮影をコントロールするスイッチ63とからなる。スイッチ63は、スイッチ63a,63bから成る2段スイッチとなっており、スイッチ63aがオンしなければスイッチ63bはオンしないように構成されている。
【0065】
なお、後述するように、第1〜第4の作用が、所定のタイミングで自動的に行なわれるようにするために、制御手段70には、スイッチ63a,63bからの信号S1,S2と、高電圧発生器62からのスタンバイ信号S4、記録放射線の照射終了を示す照射終了信号S5および設定された記録放射線の照射時間を示す信号S6と、光源制御手段40からの前露光光の照射が終了したことを示す照射終了信号S7が夫々入力され、また制御手段70からは、光源制御手段40に向けて制御信号C1が、スイッチ52に向けて制御信号C2が、高電圧発生器62に向けて制御信号C3が夫々出力されるようにする。
【0066】
制御信号C2がHのときにはスイッチ52が電源53側に切り換えられ、検出器10(詳しくは第1電極層11の電極とストライプ電極16との間)に電源53から直流電圧が印加される。一方制御信号C2がLのときには、スイッチ52は第1電極層11側に切り換えられ、電流検出アンプ51を構成する不図示のオペアンプのイマジナリーショートを介して第1電極層11の電極とストライプ電極16とが実質的にショートされ、両電極が同電位にされる。また制御信号C2がハイインピーダンス状態のときにはスイッチ52は中点に設定され、電源53の正極はフローティング状態となり、検出器10への電圧印加が行なわれないし両電極が同電位にされることもない。高電圧発生器62は、制御信号C3としてHが入力されたときには高圧HVを放射線源61に供給し、放射線源61から放射線Rを発生させる。
【0067】
以下、上記構成の放射線画像撮影読取装置1の作用について説明する。なお、図2などに示すタイミングチャートにおいて、ハイレベル期間が、検出器に電圧が印加されたり光(前露光光、記録放射線、読取光)が照射されるアクティブな期間であり、ローレベル期間(基準レベル期間)がその反対のインアクティブな期間である。なお、図3の空電圧印加については、基準レベルよりもレベルが低い負(−)電圧期間もアクティブな期間である。
【0068】
この本発明を適用した装置1において静電潜像を検出器10に記録するに際しては、検出器10への記録用電圧の印加開始の前に、前露光光の照射開始および照射停止の制御並びに第1電極層11の電極とストライプ電極16との間への空電圧の印加開始および印加停止の制御が加わる点が従来の装置と異なる。以下、詳細に説明する。
【0069】
図2は装置1の第1の作用を説明するタイミングチャートである。この第1の作用は、空読みを行なった後に静電潜像の記録を行なうようにしたものである。
【0070】
具体的には、前露光光の照射開始を制御する前露光開始制御に際して、先ず、制御手段70はスイッチ52に入力される制御信号C2をLとする。これによりスイッチ52が第1電極層11側に切り換えられ、第1電極層11の電極とストライプ電極16とが実質的にショートされ、両電極が同電位にされる。次に、光源制御手段40に入力される制御信号C1をL(前露光モード)にして、面状光源30に前露光光としてのEL光を発光させて、読取用光導電層14に前露光光を照射する空読みを行なわさせる。
【0071】
なお、この空読みのための前露光光は、光疲労状態を効果的に形成させるために光強度が強いことが好ましく、また前露光光の照射は長時間(例えば10sec)である必要はなく、比較的短時間(1msec〜1sec)で十分である。これらのことから、前露光光のエネルギ密度(Cd/m2 )は100〜10,000Cd/m2 程度(例えば2mW/cm2 )で、その照射時間を50msec程度とする。
【0072】
次に、この空読みを停止するべく、光源制御手段40に入力される制御信号C1をハイインピーダンス状態として、面状光源30からのEL光の発光を停止させる。
【0073】
このようにして空読みを停止した後、第1電極層11の電極とストライプ電極16との間に記録用電圧を印加した状態で第1電極層11に記録用の放射線Qを照射して、検出器10に静電潜像の記録を行なう。具体的には、先ず検出器10内の記録用光導電層12で発生した電荷を蓄電部19に蓄積させることができるように、スイッチ52を電源53側に切り換えて第1電極層11の電極とストライプ電極16との間に電源53から記録用電圧としての所定の大きさの直流電圧を印加して、両者を帯電させる。なお、この記録用電圧の印加は、前露光光の光導電層への照射が完全に停止した後に限らず、前露光光の照射と記録用電圧の印加とが多少オーバーラップしてもかまわない。
【0074】
この記録用電圧の印加の後、高電圧発生器62から高圧HVを放射線源61に供給させ、放射線源61から放射線Rを照射させる。この放射線Rを被写体65に爆射し、被写体65を透過した被写体65の放射線画像情報を担持する記録放射線Qを設定された照射時間だけ検出器10に照射する。すると、検出器10の記録用光導電層12内で正負の電荷対が発生し、その内の負電荷が所定の電界分布に沿ってストライプ電極16の各エレメント16aに集中せしめられ、記録用光導電層12と電荷輸送層13との界面である蓄電部19に潜像電荷として蓄積される。潜像電荷の量は照射放射線量に略比例するので、この潜像電荷が静電潜像を担持することとなる。一方、記録用光導電層12内で発生する正電荷は第1電極層11に引き寄せられて、電源53から注入された負電荷と電荷再結合し消滅する。
【0075】
次に、検出器10から静電潜像を読み取る際には、先ず制御信号C1をH(読取光モード)にし、スイッチ52を検出器10の第1電極層11側に接続して、光源制御手段40により、エレメント31aを順次切り替えながら、夫々のエレメント31aと導電層33との間に所定の直流電圧を印加して、EL層32から発せられるライン光で検出器10の全面を電気的に走査する。
【0076】
このライン光による走査により副走査位置に対応するライン光が入射した光導電層14内に正負の電荷対が発生し、その内の正電荷が蓄電部16に蓄積された負電荷(潜像電荷)に引きつけられるように電荷輸送層13内を急速に移動し、蓄電部16で潜像電荷と電荷再結合し消滅する。一方、光導電層14に生じた負電荷は電源53からストライプ電極16に注入される正電荷と電荷再結合し消滅する。このようにして、検出器10の蓄電部19に蓄積されていた負電荷が電荷再結合により消滅し、この電荷再結合の際の電荷の移動による電流が検出器10内に生じる。この電流を各エレメント16a毎に接続された各電流検出アンプ51が同時に検出する。読取りの際に検出器10内を流れる電流は、潜像電荷すなわち静電潜像に応じたものであるから、この電流を検出することにより静電潜像を読み取る、すなわち静電潜像を表す画像信号を取得することができる。
【0077】
ここで、前露光光の読取用光導電層14への照射開始やその停止、並びに検出器10への記録用電圧の印加開始の制御に際しては、操作者による制御手段70への指令に基づいてそのタイミング制御を行なうようにしてもよいが、前露光光の照射開始やその停止、並びに記録用電圧の印加開始が、夫々所定のタイミングで自動的に行なわれるようにする方が好ましい。
【0078】
このためには、例えば、制御手段70内にタイマーを設けて所定の設定時間経過後に制御信号C1〜C3が発せられるように構成したり、あるいはスイッチ63aの押し下げに連動して前露光光の照射を開始し、その後所定時間だけ前露光光を照射し、前露光光の照射が停止したことを前露光光の照射終了信号S7をトリガとしたりセンサなどで検出した後に、検出器10への電圧印加を開始するようにするとよい。
【0079】
なお、記録や読取りの制御についても、夫々所定のタイミングで自動的に行なわれるようにする方が好ましいのは勿論である。
【0080】
このように、本発明による画像情報記録読取方法を適用した装置1によれば、第1電極層11の電極とストライプ電極16とを同電位にした状態で読取用光導電層14に前露光光を照射する空読みを行ない、該空読みを停止した後、両電極間に記録用電圧を印加した状態で記録用の放射線Qを照射して静電潜像の記録を行なうようにしたので、前露光光が照射された読取用光導電層14の光入射界面(電子−ホールペア形成領域)には、光疲労状態(トラップ蓄積状態)が一時的に形成されるようになり、読取光を照射した際に生じ得る光起電力ノイズが前記光疲労状態によって低減すると共に安定化するようになる。
【0081】
次に、上記構成の放射線画像撮影読取装置1の第2の作用について説明する。図3は、装置1の第2の作用を説明するタイミングチャート、図4は、光導電層に電界を印加した際および停止した際に生じる暗電流成分の基本的な時間応答特性(以下電流特性という)を示した図、図5は記録過程における電流特性を示した図である。なお、図5においては、前露光の分を割愛して示している。
【0082】
上述した第1の作用は、空読みを行なった後に静電潜像の記録を行なうようにしたものであるが、この第2の作用は、上記第1の作用における空読みに先立って、第1電極層11の電極とストライプ電極16との間に所定の大きさおよび所定の極性の電圧(以下空電圧という)を所定の時間だけ印加する空電圧印加を行なうようにしたものである。ここでは、空電圧印加のオン時間Tonを1秒以内とし、空電圧印加の停止後1秒以内に前露光光を照射することとする。
【0083】
具体的には、読取用光導電層14に前露光光を照射する前に、スイッチ52を電源53側に切り換えて第1電極層11の電極とストライプ電極16との間に電源53から空電圧を所定の時間だけ印加する。
【0084】
なお、この第2の作用においては、少なくとも空電圧印加の開始が空読みの開始よりも先であれば良く、空電圧印加の停止と空読みの開始とは、夫々が多少相前後してもかまわない。
【0085】
また、図1においては、この空電圧として記録用の電圧と同じ大きさおよび極性の電圧を印加するものとして示しているが、電源53を、電圧値を変更可能なものとすると共に、その極性を反転させることができるようなものとすることにより、電圧値および極性を記録用の電圧と異なるものとすることができる。
【0086】
検出器10の両電極間に電圧(一般には高圧)を印加してから短絡までの間には、電極から記録用光導電層12への電荷注入が生じ、注入された電荷が空間電荷としてトラップされつつ、一方で空間電荷としてはトラップされずに漏れ電流として光導電層12内に暗電流が流れる。
【0087】
ここで、暗電流は、図4に示すように、電界(電圧)印加当初(t1)は非常に大きな瞬時充電電流となり、その後時間と共に徐々に減少する吸収電流となり、やがて一定の漏れ電流値に近づいていく。逆に、電界を完全に停止したときには、その当初(t2)は前記瞬時充電電流とは逆方向の大きな瞬時放電電流が流れ、その後時間と共に徐々に減少する解放電流が流れ、やがて略ゼロに近づいていく。すなわち、電界印加直後の暗電流レベルは、安定化した状態(安定した漏れ電流状態)の暗電流レベルよりも大きい。この現象は、印加電界が大きい(印加電圧が高い)ほど顕著であり、漏れ電流レベルに安定化するまで、例えば10分以上要する場合もある。
【0088】
このことは、時間と共に検出器が時間と共に高抵抗化している、つまり、デバイス抵抗は一定でなく、電圧を長くかけたものほど高抵抗になるということである。
【0089】
また、この現象は、光導電層の厚みにはあまり影響を受けない現象であり、界面に検出器の高抵抗化をもたらす空間電荷が蓄積していく、すなわち時間と共に界面の空間電荷状態が変化すると考えるべきである。
【0090】
これは、図4に示すように、暗電流Iと時間tとの関係を示す電流応答が、I∝t-nなる関係、すなわちlogI−logtで捉えると一定の時定数のところに電流が集中しない状態となり、このことは、比較的短時間で注入あるいは放出される空間電荷と比較的長時間をかけなければ注入あるいは放出されない空間電荷とが分布している、換言すれば、電極と光導電層との界面における空間電荷の振る舞いとして、時定数の短いもの(1秒以内)と時定数の長い(数10秒〜1分程度以上)ものとがあると考えるのが適当である。
【0091】
さらに、一旦安定化したとしても、両電極を短絡してしばらくの間電界印加を休止すると、その後に再度電圧を印加した直後には暗電流レベルが元の大きさに戻る傾向を示す。したがって、電界印加直後の大レベルの暗電流による暗潜像は読取りに際しては大きなノイズ源となる。さらに、この暗潜像の量は、電圧を印加してから記録用の放射線を照射するまでの時間すなわち吸収電流期間や使用履歴と共に変化するため、暗潜像ノイズが再生画像に現れないように画像データを補正することも困難である。
【0092】
一方、この第2の作用のように、空読みに先立って、第1電極層11の電極とストライプ電極16との間に空電圧を所定の時間だけ印加する(空電圧印加を行なう)ようにすれば、空電圧印加停止後に記録用電界を印加した時点(t3)の解放電流に記録用電界印加時の瞬時充電電流と吸収電流が加わることになるので、記録用電界印加時の瞬時充電電流および吸収電流の大きさは、図4に示すように、検出器10の両電極を長時間短絡状態としてから記録用電界を印加したとき(図中点線)に比べて低レベルになり、やがて記録用電界に応じた漏れ電流値に近づく。この状態は、読取用光導電層14の内部あるいは読取用光導電層14とストライプ電極16との界面に、安定化した高抵抗状態をもたらす負の空間電荷状態が形成された状態であり、また蓄電部19には暗潜像蓄積の少ない状態が実現される。換言すれば、記録の直前に高い電圧の空電圧印加を比較的短時間加えることは記録用電界を長時間印加する代わりになり、やや過剰に高い空電圧印加であった場合には一時的に逆極性の暗電流が流れるため、見かけ上非常に高い高抵抗状態が生じる。
【0093】
したがって、空電圧印加後の短時間の間(1秒以内)に記録用電界を印加し記録を行なっても、従来のような大レベルの暗潜像ノイズが生じる虞が軽減し、暗潜像ノイズが低減すると共に安定化するようになる。
【0094】
次に、上記構成の放射線画像撮影読取装置1の第3の作用について説明する。図6は、装置1の第3の作用を説明するタイミングチャートである。
【0095】
この第3の作用は、第2の作用における空電圧印加とそれに続く空読みを所定回数だけ繰り返す前処理を行なった後に、静電潜像の記録を行なうようにしたものである。ここでは、空電圧印加と空読みとを繰り返し行なう前処理の1サイクル(時間幅T)内の空電圧印加のオン・オフの各時間(Ton,Toff )のデューティ比(Ton/T)を50%〜90%程度とする。また、繰り返しサイクル数は3程度とする。
【0096】
第2の作用において説明したように、空電圧印加を短時間だけ行なって停止させると時定数の短い空間電荷のみが応答し得るので、静電潜像の記録ごとに、該記録に先立って、空電圧印加とそれに続く空読みとを所定回数だけ繰り返す前処理を行なうようにすれば、比較的短時間で注入あるいは放出される空間電荷による浅いトラップの形成と開放とを促進し、一方比較的長時間をかけなければ注入あるいは放出されない空間電荷による深いトラップが安定的に蓄積された状態を作ることができるようになる。このことは、電圧印加と短絡の履歴を受けた電界下において光が照射されることによって生じる前記高圧印加履歴ノイズの安定化(繰り返し安定化)に効果があり、高圧印加履歴ノイズが再生画像に現れないように画像データを補正することもできるようになる。
【0097】
次に、上記構成の放射線画像撮影読取装置1の第4の作用について説明する。図7は、装置1の第4の作用を説明するタイミングチャートである。
【0098】
上記第3の作用においては、静電潜像の記録ごとに空電圧印加と空読みとを繰り返す前処理を行なっていたが、この場合、該前処理の分だけ読取り後直ちに記録を行なうことができない、あるいは連続撮影を行なうと前処理ごとにノイズ量が徐々に変化し長期的安定性には優れないといった問題が生じる。第4の作用はこの問題を解消するものであり、第1電極層11の電極とストライプ電極16との間に所定の大きさおよび所定の極性の電圧(空電圧)を所定の時間だけ印加する予備空電圧印加と第1電極層11の電極とストライプ電極16とを同電位にした状態で読取用光導電層14に前露光光を照射する予備空読みとを所定回数だけ繰り返す予備処理を行ない、その後、記録と読取とを複数回連続的に繰り返す連続撮影を行なうようにしたものである。
【0099】
なお、予備空電圧印加は、上記第2の作用における空電圧印加と殆ど同じであるが、1サイクル(時間幅T)内の予備空電圧印加のオン時間が1秒〜10秒程度、好ましくは1秒程度としている点が異なる。なお、オン・オフの各時間(Ton,Toff )のデューティ比(Ton/T)は50%〜90%程度とし、トータルの予備処理時間を少なくとも1分で、且つ前記連続撮影の時間幅と略同じかそれ以上に設定する。なお、撮影を行なっていない間中は、常に予備処理を行なっていてもよい。
【0100】
また予備空読みは、第1の作用における空読みと実質的に同じであり、前露光光のエネルギ密度(Cd/m2 )は100〜10,000Cd/m2 程度(例えば2mW/cm2 )で、その照射時間を50msec程度とする。
【0101】
この第4の作用においては、第3の作用から推測されるように、予備処理によって既に系が安定した状態になっているので、前述の第1〜第3の作用における各種の処理が不要になることが多く、連続撮影時の1サイクル当たりの時間幅を問わず、読取り後直ちに記録を行なうことができる。
【0102】
また読取りと記録との間に前処理を挟むことなく連続撮影を行なうことができるので、第3の作用に比べて長期的安定性に優れる。この結果、安定性持続時間も長くなるので、連続撮影時の最初の記録のタイミングは予備処理の終了タイミングに対して合わせなくてもよくなる、すなわち予備処理期間と連続撮影期間との間の待機期間の時間幅を任意に設定してもよくなる。例えば、予備空電圧印加のオン時間やデューティ比あるいは予備処理期間の時間幅に拘わらず、待機期間を1〜10秒に設定してもよい。
【0103】
なお、この予備処理は、その処理時間を少なくとも10sec以上好ましくは1分以上で、連続撮影の時間幅と同じかそれ以上としており、予備処理が完了するまでの待ち時間がない場合には、事実上この予備処理を行なうことが難しい。すなわち、装置の使用形態によっては、連続撮影の都度予備処理を行なう時間を確保できないこともある。したがって、実際の使用に際しては、要求されるノイズ低減量と装置の使用形態とに応じて、前述の第1〜第4の作用を適宜組み合わせて実施するとよい。
【0104】
以上、本発明の画像情報記録読取方法および装置を適用した放射線画像撮影読取装置について説明したが、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、静電記録体(放射線固体検出器)への記録用電圧の印加開始の前に、空読みや空電圧印加あるいはこれらの繰り返しである前処理や予備処理を行なうようにするものであればどのようなものであってもよい。
【0105】
例えば、本発明に使用される静電記録体は、第1電極層、光導電層、および第2電極層をこの順に有すると共に、第1電極層と2電極層との間に蓄電部が形成されて成る光読出方式のものであって、且つポジ型のものであれば良く、蓄電部を形成するために、例えば上記米国特許第4535468号や特願平10−232824号などに記載のように、さらに他の層や微小導電部材(マイクロプレート)を積層して成るものであってもかまわない。
【0106】
また、本発明の前露光手段は、必ずしも上述した面状光源30や光源制御手段40の構成のみに限定されず、ビーム光やライン光の照射位置を静電記録体に対して相対移動させるものであればよく、例えば読取用の光源と別体のものであってもよいし、電気的な走査に限らず、光源と静電記録体とを機械的に相対移動させる構成のものであってもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の画像情報記録読取方法および装置を適用した、放射線画像撮影読取装置の概略図
【図2】本発明を適用した放射線画像撮影読取装置の第1の作用を説明すタイミングチャート
【図3】本発明を適用した放射線画像撮影読取装置の第2の作用を説明すタイミングチャート
【図4】光導電層に電界を印加した際および停止した際に生じる暗電流成分の時間応答を示した図
【図5】記録過程における時間応答を示した図
【図6】本発明を適用した放射線画像撮影読取装置の第3の作用を説明すタイミングチャート
【図7】本発明を適用した放射線画像撮影読取装置の第4の作用を説明すタイミングチャート
【符号の説明】
1 放射線画像撮影読取装置
10 静電記録体(放射線固体検出器)
20 読取部
30 面状光源(読取光用、前露光光用の光源)
40 光源制御手段
50 電流検出回路
60 放射線照射部
70 制御手段

Claims (22)

  1. 第1電極層と画像情報を担持する記録用の電磁波の照射を受けることにより導電性を呈する光導電層と第2電極層とをこの順に有すると共に前記電磁波のエネルギ量に応じた量の電荷を潜像電荷として蓄積する蓄電部が前記第1電極層と前記第2電極層との間に形成されて成り、前記第1電極層と前記第2電極層との間に記録用電圧を印加した状態で前記第1電極層に前記記録用の電磁波が照射されることにより前記蓄電部に画像情報が静電潜像として記録され、且つ前記第1電極層と前記第2電極層とを同電位にした状態で前記潜像電荷の量に応じた画像情報が読み取られる静電記録体を用いて画像情報の記録と読取りを行なう画像情報記録読取方法において、
    前記記録の直前に前記第1電極層と前記第2電極層とを同電位にした状態で前記光導電層に前露光光を照射する空読みを行ない、該空読みを停止させた後、前記記録を行なうことを特徴とする画像情報記録読取方法。
  2. 第1電極層と画像情報を担持する記録用の電磁波の照射を受けることにより導電性を呈する記録用光導電層と読取光の照射を受けることにより導電性を呈する読取用光導電層と第2電極層とをこの順に有すると共に前記電磁波のエネルギ量に応じた量の電荷を潜像電荷として蓄積する蓄電部が前記第1電極層と前記第2電極層との間に形成されて成り、前記第1電極層と前記第2電極層との間に記録用電圧を印加した状態で前記第1電極層に前記記録用の電磁波が照射されることにより前記蓄電部に画像情報が静電潜像として記録され、且つ前記第1電極層と前記第2電極層とを同電位にした状態で前記潜像電荷の量に応じた画像情報が読み取られる静電記録体を用いて画像情報の記録と読取りを行なう画像情報記録読取方法において、
    前記記録の直前に前記第1電極層と前記第2電極層とを同電位にした状態で前記読取用光導電層に前露光光を照射する空読みを行ない、該空読みを停止させた後、前記記録を行なうことを特徴とする画像情報記録読取方法。
  3. 前記前露光光のエネルギ密度が100Cd/m2 以上であり、該前露光光の照射時間が1msec以上1sec以下であることを特徴とする請求項1または2記載の画像情報記録読取方法。
  4. 前記空読みに先立って、前記第1電極層と前記第2電極層との間に所定の大きさおよび所定の極性の電圧を所定の時間だけ印加する空電圧印加を行なうことを特徴とする請求項1から3いずれか1項記載の画像情報記録読取方法。
  5. 前記静電潜像の記録ごとに、該記録に先立って、前記空電圧印加とそれに続く前記空読みを所定回数だけ繰り返すことを特徴とする請求項4記載の画像情報記録読取方法。
  6. 第1電極層と画像情報を担持する記録用の電磁波の照射を受けることにより導電性を呈する光導電層と第2電極層とをこの順に有すると共に前記電磁波のエネルギ量に応じた量の電荷を潜像電荷として蓄積する蓄電部が前記第1電極層と前記第2電極層との間に形成されて成り、前記第1電極層と前記第2電極層との間に記録用電圧を印加した状態で前記第1電極層に前記記録用の電磁波が照射されることにより前記蓄電部に画像情報が静電潜像として記録され、且つ前記第1電極層と前記第2電極層とを同電位にした状態で前記潜像電荷の量に応じた画像情報が読み取られる静電記録体を用いて画像情報の記録と読取りを行なう画像情報記録読取方法において、
    前記第1電極層と前記第2電極層との間に所定の大きさおよび所定の極性の電圧を所定の時間だけ印加する予備空電圧印加と前記第1電極層と前記第2電極層とを同電位にした状態で前記光導電層に前露光光を照射する予備空読みとを所定回数だけ繰り返す予備処理を行ない、該予備処理を停止させた後、前記記録と読取りを複数回連続して行なうことを特徴とする画像情報記録読取方法。
  7. 第1電極層と画像情報を担持する記録用の電磁波の照射を受けることにより導電性を呈する記録用光導電層と読取光の照射を受けることにより導電性を呈する読取用光導電層と第2電極層とをこの順に有すると共に前記電磁波のエネルギ量に応じた量の電荷を潜像電荷として蓄積する蓄電部が前記第1電極層と前記第2電極層との間に形成されて成り、前記第1電極層と前記第2電極層との間に記録用電圧を印加した状態で前記第1電極層に前記記録用の電磁波が照射されることにより前記蓄電部に画像情報が静電潜像として記録され、且つ前記第1電極層と前記第2電極層とを同電位にした状態で前記潜像電荷の量に応じた画像情報が読み取られる静電記録体を用いて画像情報の記録と読取りを行なう画像情報記録読取方法において、
    前記第1電極層と前記第2電極層との間に所定の大きさおよび所定の極性の電圧を所定の時間だけ印加する予備空電圧印加と前記第1電極層と前記第2電極層とを同電位にした状態で前記読取用光導電層に前露光光を照射する予備空読みとを所定回数だけ繰り返す予備処理を行ない、該予備処理を停止させた後、前記記録と読取りを複数回連続して行なうことを特徴とする画像情報記録読取方法。
  8. 前記前露光光のエネルギ密度が100Cd/m2 以上であり、該前露光光の照射時間が1msec以上1sec以下であることを特徴とする請求項6または7記載の画像情報記録読取方法。
  9. 第1電極層と画像情報を担持する記録用の電磁波の照射を受けることにより導電性を呈する光導電層と第2電極層とをこの順に有すると共に前記電磁波のエネルギ量に応じた量の電荷を潜像電荷として蓄積する蓄電部が前記第1電極層と前記第2電極層との間に形成されて成り、前記第1電極層と前記第2電極層との間に記録用電圧を印加した状態で前記第1電極層に前記記録用の電磁波が照射されることにより前記蓄電部に画像情報が静電潜像として記録され、且つ前記第1電極層と前記第2電極層とを同電位にした状態で前記潜像電荷の量に応じた画像情報が読み取られる静電記録体を使用して、画像情報の記録と読取りを行なう画像情報記録読取装置において、
    前記第1電極層と前記第2電極層との間に所定の電圧を印加する電圧印加手段と、前記光導電層に前露光光を照射する前露光手段と、前記記録の直前に前記第1電極層と前記第2電極層とを同電位にした状態で前記光導電層に前記前露光光を照射させて空読みを行なわせ、該空読みを停止させた後、前記第1電極層と前記第2電極層との間に記録用電圧を印加した状態で前記記録用の電磁波を前記第1電極層に照射させて前記静電潜像の記録を行なわせるように前記前露光手段と前記電圧印加手段とを制御する制御手段とを備えたことを特徴とする画像情報記録読取装置。
  10. 第1電極層と画像情報を担持する記録用の電磁波の照射を受けることにより導電性を呈する記録用光導電層と読取光の照射を受けることにより導電性を呈する読取用光導電層と第2電極層とをこの順に有すると共に前記電磁波のエネルギ量に応じた量の電荷を潜像電荷として蓄積する蓄電部が前記第1電極層と前記第2電極層との間に形成されて成り、前記第1電極層と前記第2電極層との間に記録用電圧を印加した状態で前記第1電極層に前記記録用の電磁波が照射されることにより前記蓄電部に画像情報が静電潜像として記録され、且つ前記第1電極層と前記第2電極層とを同電位にした状態で前記潜像電荷の量に応じた画像情報が読み取られる静電記録体を使用して、画像情報の記録と読取りを行なう画像情報記録読取装置において、
    前記第1電極層と前記第2電極層との間に所定の電圧を印加する電圧印加手段と、前記読取用光導電層に前露光光を照射する前露光手段と、前記記録の直前に前記第1電極層と前記第2電極層とを同電位にした状態で前記読取用光導電層に前記前露光光を照射させて空読みを行なわせ、該空読みを停止させた後、前記第1電極層と前記第2電極層との間に記録用電圧を印加した状態で前記記録用の電磁波を前記第1電極層に照射させて前記静電潜像の記録を行なわせるように前記前露光手段と前記電圧印加手段とを制御する制御手段とを備えたことを特徴とする画像情報記録読取装置。
  11. 前記前露光手段が、前記前露光光のエネルギ密度を100Cd/m2 以上、前記前露光光の照射時間を1msec以上1sec以下とするものであることを特徴とする請求項9または10記載の画像情報記録読取装置。
  12. 前記制御手段が、前記空読みに先立って、前記第1電極層と前記第2電極層との間に所定の大きさおよび所定の極性の電圧を所定の時間だけ印加する空電圧印加が行なわれるように前記電圧印加手段を制御するものであることを特徴とする請求項9から11いずれか1項記載の画像情報記録読取装置。
  13. 前記制御手段が、前記静電潜像の記録ごとに、該記録に先立って、前記空電圧印加とそれに続く前記空読みを所定回数だけ繰り返すように前記前露光手段および前記電圧印加手段を制御するものであることを特徴とする請求項12記載の画像情報記録読取装置。
  14. 第1電極層と画像情報を担持する記録用の電磁波の照射を受けることにより導電性を呈する光導電層と第2電極層とをこの順に有すると共に前記電磁波のエネルギ量に応じた量の電荷を潜像電荷として蓄積する蓄電部が前記第1電極層と前記第2電極層との間に形成されて成り、前記第1電極層と前記第2電極層との間に記録用電圧を印加した状態で前記第1電極層に前記記録用の電磁波が照射されることにより前記蓄電部に画像情報が静電潜像として記録され、且つ前記第1電極層と前記第2電極層とを同電位にした状態で前記潜像電荷の量に応じた画像情報が読み取られる静電記録体を使用して画像情報の記録と読取りを行なう画像情報記録読取装置において、
    前記第1電極層と前記第2電極層との間に所定の電圧を印加する電圧印加手段と、前記光導電層に前露光光を照射する前露光手段と、前記第1電極層と前記第2電極層との間に所定の大きさおよび所定の極性の電圧を所定の時間だけ印加する予備空電圧印加と、前記第1電極層と前記第2電極層とを同電位にした状態で前記光導電層に前露光光を照射する予備空読みを所定回数だけ繰り返す予備処理を行なわせ、該予備処理を停止させた後、前記記録と読取りを複数回連続して行なわせるように前記前露光手段と前記電圧印加手段とを制御する制御手段とを備えたことを特徴とする画像情報記録読取装置。
  15. 第1電極層と画像情報を担持する記録用の電磁波の照射を受けることにより導電性を呈する記録用光導電層と読取光の照射を受けることにより導電性を呈する読取用光導電層と第2電極層とをこの順に有すると共に前記電磁波のエネルギ量に応じた量の電荷を潜像電荷として蓄積する蓄電部が前記第1電極層と前記第2電極層との間に形成されて成り、前記第1電極層と前記第2電極層との間に記録用電圧を印加した状態で前記第1電極層に前記記録用の電磁波が照射されることにより前記蓄電部に画像情報が静電潜像として記録され、且つ前記第1電極層と前記第2電極層とを同電位にした状態で前記潜像電荷の量に応じた画像情報が読み取られる静電記録体を使用して画像情報の記録と読取りを行なう画像情報記録読取装置において、
    前記第1電極層と前記第2電極層との間に所定の電圧を印加する電圧印加手段と、前記読取用光導電層に前露光光を照射する前露光手段と、前記第1電極層と前記第2電極層との間に所定の大きさおよび所定の極性の電圧を所定の時間だけ印加する予備空電圧印加と、前記第1電極層と前記第2電極層とを同電位にした状態で前記読取用光導電層に前露光光を照射する予備空読みを所定回数だけ繰り返す予備処理を行なわせ、該予備処理を停止させた後、前記記録と読取りを複数回連続して行なわせるように前記前露光手段と前記電圧印加手段とを制御する制御手段とを備えたことを特徴とする画像情報記録読取装置。
  16. 前記前露光手段が、前記前露光光のエネルギ密度を100Cd/m2 以上、前記前露光光の照射時間を1msec以上1sec以下とするものであることを特徴とする請求項14または15記載の画像情報記録読取装置。
  17. 前記前露光光が、前記光導電層に一時的に光疲労状態を形成するものであることを特徴とする請求項1または6記載の画像情報記録読取方法。
  18. 前記前露光光が、前記読取用光導電層に一時的に光疲労状態を形成するものであることを特徴とする請求項2または7記載の画像情報記録読取方法。
  19. 前記前露光光の照射から前記記録用電圧の印加までの時間が1sec以内であることを特徴とする請求項1または2記載の画像情報記録読取方法。
  20. 前記前露光光が、前記光導電層に一時的に光疲労状態を形成するものであることを特徴とする請求項9または14記載の画像情報記録読取装置。
  21. 前記前露光光が、前記読取用光導電層に一時的に光疲労状態を形成するものであることを特徴とする請求項10または15記載の画像情報記録読取装置。
  22. 前記制御手段が、前記前露光光の照射から前記記録用電圧の印加までの時間が1sec以内となるように制御するものであることを特徴とする請求項9または10記載の画像情報記録読取装置。
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