JP4444407B2 - スクロール式流体機械 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば空気圧縮機や真空ポンプ等に用いて好適なスクロール式流体機械に関し、特に、旋回スクロールの旋回半径を可変とする可変クランクが設けられたスクロール式流体機械に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、スクロール式流体機械は、ケーシングと、該ケーシングに設けられ、鏡板に渦巻状のラップ部が立設された固定スクロールと、前記ケーシングに回転可能に設けられた駆動軸と、該駆動軸の先端側に旋回可能に設けられ、鏡板に前記固定スクロールのラップ部と重なり合って複数の圧縮室を画成する渦巻状のラップ部が立設された旋回スクロールとによって大略構成されている。
【0003】
また、昨今のスクロール式流体機械には、駆動軸の先端側に嵌合部を設けると共に旋回スクロールにボス部を設け、該駆動軸の嵌合部と旋回スクロールのボス部との間には、嵌合部とボス部にそれぞれ嵌合し、該旋回スクロールの旋回半径を可変とする旋回半径可変機構を設けたものが知られている(例えば、特開平9−144674号公報等)。
【0004】
そこで、このような従来技術によるスクロール式流体機械として無給油式のスクロール式空気圧縮機を例に挙げて図8ないし図12に従って説明する。
【0005】
1はスクロール式空気圧縮機の外殻をなすケーシングで、該ケーシング1は、段付の小径筒状に形成された軸受部1Aと、該軸受部1Aの基端側から径方向外向きに延びた円板状の蓋部1Bと、該蓋部1Bの外周側から軸方向に延びた大径部1Cとによって大略構成され、前記大径部1Cにはフランジ部1Dが径方向外向きに突出して設けられている。
【0006】
2はケーシング1の先端側に取付けられた固定スクロールで、該固定スクロール2は、例えばアルミニウム系材料、鉄系材料等の硬質な材料によって形成されている。また、固定スクロール2は、略円板状に形成され、中心が後述する駆動軸3の軸線O1 −O1 と一致するように配設された鏡板2Aと、該鏡板2Aの外縁側からケーシング1に向け軸方向に延びた筒部2Bと、該筒部2Bの外周側から径方向外側に突出し、ケーシング1のフランジ部1Dと衝合するフランジ部2Cと、前記鏡板2Aの表面側に軸方向に立設された渦巻状のラップ部2Dと、鏡板2Aの背面側に並列に多数立設された放熱板2E,2E,…とによって構成されている。
【0007】
そして、固定スクロール2のラップ部2Dは、図9に示すようにほぼ全周に亘って均一の厚さ寸法T1 をもって形成されている。また、固定スクロール2のラップ部2Dは、軸線O1 −O1 側に位置する内周面2D1 と径方向外側に位置する外周面2D2 とを有し、内周面2D1 、外周面2D2 は周方向に向って延びている。
【0008】
3はケーシング1の軸受部1A内に位置して旋回中心となる軸線O1−O1の周りに回転可能に軸支された駆動軸で、該駆動軸3は、基端側が電動モータ(図示せず)等に連結され、先端側はケーシング1の軸受部1A内へと伸長している。また、駆動軸3の先端側には、後述する可変クランク5の嵌合軸部5Bが挿嵌される嵌合部としての挿嵌穴3Aが設けられ、この挿嵌穴3Aは、図11に示すようにその軸線O2−O2が駆動軸3の軸線O1−O1から偏心した位置に配設されている。
【0009】
4はケーシング1の大径部1C内に設けられ、後述する旋回スクロール8の一部を構成する旋回プレートで、該旋回プレート4の背面側中央にはボス部4Aが突設されている。
【0010】
5は駆動軸3の先端側と旋回プレート4のボス部4Aとの間に設けられた旋回半径可変機構としての可変クランクで、該可変クランク5は、特開平9−144674号公報に記載された可変クランクとほぼ同様に構成されるものである。
【0011】
そして、可変クランク5は、図10、図11に示す如く円盤部5Aと、該円盤部5Aの一側端面に突設され駆動軸3の挿嵌穴3Aに回転可能に嵌合される嵌合軸部5Bと、円盤部5Aの他側端面に突設され図8に示すように旋回プレート4のボス部4A内に回転可能に嵌合される偏心軸部5Cとによって構成されている。
【0012】
また、可変クランク5の円盤部5Aには後述のストッパピン7が挿入されるピン穴5Dが穿設されている。さらに、偏心軸部5Cは、その軸線O3 −O3 が駆動軸3の軸線O1 −O1 に対して寸法δだけ偏心した位置に配設されている。
【0013】
そして、可変クランク5は、当該スクロール式空気圧縮機の運転時に駆動軸3と一体となって回転することにより、旋回プレート4と共に旋回スクロール8を寸法δの旋回半径をもって旋回運動させるものである。
【0014】
ここで、可変クランク5は、運転時に駆動軸3の回転による遠心力と後述する圧縮室9内の圧力との合力を受けることにより、嵌合軸部5Bを中心として駆動軸3に対し図11中に示す矢示C1 方向へと相対回転する構成となっている。このため、図12に示すように可変クランク5は、運転時に偏心軸部5Cの軸線O3 −O3 が軸線O3 ′−O3 ′の位置まで移動し、旋回スクロール8の旋回半径である寸法δをδ′の如く僅かに大きく変化させ、これにより旋回スクロール8のラップ部8Bを固定スクロール2のラップ部2Dに接近させる側に押付ける構成となっている。
【0015】
また、可変クランク5にはバランスウエイト6が一体的に設けられ、該バランスウエイト6は、旋回スクロール8の旋回運動に対して、可変クランク5を含めた駆動軸3全体の回転バランスをとるものである。さらに、このバランスウエイト6は、前述の如く駆動軸3の回転によって可変クランク5に付加される遠心力とのバランスをとり、旋回スクロール8のラップ部8Bを固定スクロール2のラップ部2Dに押付けるときの押付け力が過大になるのを抑えている。
【0016】
7は駆動軸3の先端に突設されたストッパピンで、このストッパピン7は、可変クランク5のピン穴5D内に隙間をもって挿入されている。そして、後述するように固定スクロール2のラップ部2D、旋回スクロール8のラップ部8Bにそれぞれ形成された表面被覆層が摺動により摩耗したときには、ストッパピン7が可変クランク5のピン穴5Dに係合することにより、可変クランク5の回転量を規制し、表面被覆層の摩耗の進行を止める構成となっている。
【0017】
8は固定スクロール2と対向してケーシング1内に旋回可能に設けられた旋回スクロールで、該旋回スクロール8は、例えばアルミニウム系材料、鉄系材料等の硬質な材料によって形成されている。また、旋回スクロール8は、円板状に形成された鏡板8Aと、該鏡板8Aの表面側に軸方向に立設された渦巻状のラップ部8Bと、前記鏡板8Aの背面側に並列に多数立設された放熱板8C,8C,…とによって大略構成されている。さらに、旋回スクロール8は、各放熱板8Cを介して旋回プレート4に一体的に固着され、該旋回プレート4と一緒に旋回運動する。
【0018】
そして、旋回スクロール8のラップ部8Bは、図9に示すようにほぼ全周に亘って均一の厚さ寸法T2 をもって形成され、この厚さ寸法T2 は、固定スクロール2のラップ部2Dの厚さ寸法T1 とほぼ同じ値に設定されている。また、旋回スクロール8は、固定スクロール2のラップ部2Dに対し、例えば180度だけずらして重なり合うように配設され、両者のラップ部2D,8B間には複数の圧縮室9,9,…が画成される。そして、旋回スクロール8のラップ部8Bは、軸線O1 −O1 側に位置する内周面8B1 と径方向外側に位置する外周面8B2 とを有し、内周面8B1 、外周面8B2 は周方向に向って延びている。
【0019】
また、旋回スクロール8のラップ部8Bの内周面8B1 、外周面8B2 には、例えば二流化モリブデン、ふっ素系樹脂、りん酸皮膜等の軟質材料からなる表面被覆層(図示せず)が形成されている。一方、固定スクロール2のラップ部2Dの内周面2D1 、外周面2D2 にも、同様の軟質材料からなる表面被覆層(図示せず)が形成されている。そして、これらの表面被覆層は、固定スクロール2のラップ部2Dと旋回スクロール8のラップ部8Bとの間の摩擦抵抗を低減すると共に、ラップ部2D,8B間の気密性を高めるものである。
【0020】
10は旋回スクロール8の自転を防止する自転防止機構をなす可動プレートで、該可動プレート10は、ケーシング1に設けられたガイド11と旋回プレート4に設けられたガイド12との間で互いに直交する2軸方向に摺動可能にガイドされている。これにより、可動プレート10は、旋回スクロール8の自転を防止し、該旋回スクロール8に寸法δの旋回半径をもった円運動(旋回運動)を与えるようになっており、所謂オルダム継手を構成している。
【0021】
従来技術によるスクロール式空気圧縮機は上述の如き構成を有するもので、次に、その作動について説明する。
【0022】
まず、電動モータにより駆動軸3を回転させると、旋回スクロール8は駆動軸3を中心として旋回半径δをもった旋回運動を行い、固定スクロール2のラップ部2Dと旋回スクロール8のラップ部8Bとの間に画成された圧縮室9,9,…が連続的に縮小する。これにより、固定スクロール2の外周側に設けられた吸込口13を通って外周側の圧縮室9内に空気が吸込まれ、この空気は旋回スクロール8が旋回運動する間に各圧縮室9内で順次圧縮され、最後に中心側の圧縮室9から固定スクロール2の中央に設けられた吐出口14を通じて外部の空気タンク(図示せず)に供給される。
【0023】
また、この運転時には、図12に示すように可変クランク5が矢示C1 方向へと駆動軸3に対して相対回転することにより、旋回スクロール8の旋回半径δをδ′の如く僅かに大きく変化させ、これにより旋回スクロール8のラップ部8Bを固定スクロール2のラップ部2Dに接近する側に押付け、各ラップ部2D,8B間に形成される各圧縮室9の気密性を高めている。
【0024】
また、このように旋回スクロール8のラップ部8Bを固定スクロール2のラップ部2Dに押付けた状態で運転を継続することによって、ラップ部2D,8Bにそれぞれ形成された表面被覆層が摺動により徐々に摩耗したときには、ストッパピン7が可変クランク5のピン穴5Dに係合し、可変クランク5の回転量が規制され、これにより表面被覆層の摩耗の進行を停止させ、ラップ部2D,8Bの表面が露出するの防止している。
【0025】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述した従来技術によるスクロール式流体機械では、可変クランク5によって旋回半径を調整し、旋回スクロール8のラップ部8Bを固定スクロール2のラップ部2Dに押付けている。このため、旋回スクロール8のラップ部8Bは、図9に示すように固定スクロール2のラップ部2Dに例えば4つの接触点a〜dで接触している。
【0026】
このとき、4つの接触点a〜dのうち2つの接触点a,bでは、旋回スクロール8のラップ部8Bの内周面8B1 が固定スクロール2のラップ部2Dの外周面2D2 に接触し、他の2つの接触点c,dでは、旋回スクロール8のラップ部8Bの外周面8B2 が固定スクロール2のラップ部2Dの内周面2D1 に接触している。
【0027】
そして、この状態で旋回スクロール8が、駆動軸3の回転に伴って図9中の矢示A方向に向って移動する場合を想定すると、旋回スクロール8の各接触点a〜dにあっては、旋回スクロール8が移動する矢示A方向とは逆向きの摩擦力が矢示B方向へと作用することになる。
【0028】
一方、旋回スクロール8は、可動プレート10等によってその自転運動が規制されているものの、可動プレート10とガイド12,11との間の遊び等によって軸線O2 −O2 を中心に僅かな自転運動が可能となっている。また、旋回スクロール8には、旋回運動に伴って図9中の矢示C1 方向に向う自転トルクが作用している。
【0029】
そして、旋回スクロール8は、2つの接触点a,bでは摩擦力と自転トルクとが同じ方向に作用し、他の2つの接触点c,dでは摩擦力と自転トルクとが逆方向に作用する。このため、2つの接触点c,dでの摩擦力が大きくなるときには、旋回スクロール8は、図9中の矢示C2 方向に僅かに自転し、矢示C1 方向と矢示C2 方向との間で微小振動することになる。このため、旋回スクロール8は微小振動を繰り返すことになり、振動、騒音等が増大するという問題がある。
【0030】
本発明は上述した従来技術の問題に鑑みなされたもので、本発明の目的は、旋回スクロールを自転トルクが作用する方向に常時付勢しつつ、円滑に旋回運動させることができるようにしたスクロール式流体機械を提供することにある。
【0031】
【課題を解決するための手段】
上述した課題を解決するために、本発明は、ケーシングと、該ケーシングに設けられ、鏡板に渦巻状のラップ部が立設された固定スクロールと、前記ケーシングに回転可能に設けられ、先端側に嵌合部を有する駆動軸と、該駆動軸の先端側に旋回可能に設けられ、鏡板の表面側に前記固定スクロールのラップ部と重なり合って複数の圧縮室を画成する渦巻状のラップ部が立設され、鏡板の背面側にボス部が設けられた旋回スクロールと、円盤部と、該円盤部の一側端面に配置され、前記駆動軸の嵌合部に回転可能に嵌合される嵌合軸部と、前記円盤部の他側端面に配置され、前記ボス部に回転可能に嵌合される偏心軸部とを備え、該旋回スクロールの旋回半径を可変とする可変クランクとを備えたスクロール式流体機械に適用される。
【0032】
そして、請求項1の発明が採用する構成の特徴は、前記旋回スクロールの中心を前記固定スクロールの中心に一致させ、前記固定スクロールのラップ部を前記駆動軸の軸線を中心に180度回転して前記旋回スクロールのラップ部に重ね合わせた場合において、前記旋回スクロールのラップ部内周面を前記固定スクロールのラップ部内周面よりも前記駆動軸の軸線側に設けることにより、前記旋回スクロールのラップ部内周面と前記固定スクロールのラップ部外周面とは、その周方向の少なくともいずれかの部位で接触する構成とし、前記旋回スクロールのラップ部外周面と前記固定スクロールのラップ部内周面との間には、その全周に亘って隙間を形成する構成としたことにある。
【0033】
このように構成したことにより、旋回スクロールのラップ部外周面と固定スクロールのラップ部内周面との間に形成した隙間によって、旋回スクロールのラップ部外周面が固定スクロールのラップ部内周面に接触するのを防止できる。これにより、旋回スクロールには自転トルクと摩擦力とがほぼ同じ方向に作用し、旋回スクロールに微小振動等が発生するのを防止できる。
【0034】
また、請求項2の発明は、旋回スクロールのラップ部を、内周面側に肉盛りすることにより、前記固定スクロールのラップ部よりも厚肉に形成したことにある。
【0035】
これにより、厚肉に形成された旋回スクロールのラップ部内周面が、その周方向のいずれかの部位で固定スクロールのラップ部外周面に接触する。このとき、旋回スクロールのラップ部を内周面側に肉盛りしたから、旋回スクロールのラップ部外周面と固定スクロールのラップ部内周面とを全周に亘って離間させることができる。このため、旋回スクロールのラップ部外周面と固定スクロールのラップ部内周面との間に全周に亘って隙間を形成することができる。
【0036】
また、請求項3の発明は、固定スクロールのラップ部を、内周面側で肉削ぎすることにより、前記旋回スクロールのラップ部よりも薄肉に形成したことにある。
【0037】
これにより、旋回スクロールのラップ部内周面が、その周方向のいずれかの部位で固定スクロールのラップ部外周面に接触する。このとき、固定スクロールのラップ部を内周面側で肉削ぎしたから、薄肉に形成された固定スクロールのラップ部内周面と旋回スクロールのラップ部外周面との間に全周に亘って隙間を形成することができる。
【0038】
また、請求項4の発明が採用する構成の特徴は、前記旋回スクロールの中心を前記固定スクロールの中心に一致させ、前記固定スクロールのラップ部を前記駆動軸の軸線を中心に180度回転して前記旋回スクロールのラップ部に重ね合わせた場合において、前記旋回スクロールのラップ部外周面を前記固定スクロールのラップ部外周面よりも前記駆動軸の軸線側に設けることにより、前記旋回スクロールのラップ部内周面と前記固定スクロールのラップ部外周面とは、その周方向の少なくともいずれかの部位で接触する構成とし、前記旋回スクロールのラップ部外周面と前記固定スクロールのラップ部内周面との間には、その全周に亘って隙間を形成し、前記旋回スクロールのラップ部、外周面側で肉削ぎすることにより、前記固定スクロールのラップ部よりも薄肉に形成したことにある。
【0039】
これにより、旋回スクロールのラップ部内周面が、その周方向のいずれかの部位で固定スクロールのラップ部外周面に接触する。このとき、旋回スクロールのラップ部を外周面側で肉削ぎしたから、固定スクロールのラップ部内周面と薄肉に形成した旋回スクロールのラップ部外周面との間に全周に亘って隙間を形成することができる。
【0040】
また、請求項5の発明が採用する構成の特徴は、前記旋回スクロールの中心を前記固定スクロールの中心に一致させ、前記固定スクロールのラップ部を前記駆動軸の軸線を中心に180度回転して前記旋回スクロールのラップ部に重ね合わせた場合において、前記旋回スクロールのラップ部外周面を前記固定スクロールのラップ部外周面よりも前記駆動軸の軸線側に設けることにより、前記旋回スクロールのラップ部内周面と前記固定スクロールのラップ部外周面とは、その周方向の少なくともいずれかの部位で接触する構成とし、前記旋回スクロールのラップ部外周面と前記固定スクロールのラップ部内周面との間には、その全周に亘って隙間を形成し、前記固定スクロールのラップ部、外周面側に肉盛りすることにより、前記旋回スクロールのラップ部よりも厚肉に形成したことにある。
【0041】
これにより、旋回スクロールのラップ部内周面が、その周方向のいずれかの部位で厚肉に形成された固定スクロールのラップ部外周面に接触する。このとき、固定スクロールのラップ部を外周面側に肉盛りしたから、旋回スクロールのラップ部外周面と固定スクロールのラップ部内周面とを全周に亘って離間させることができる。このため、旋回スクロールのラップ部外周面と固定スクロールのラップ部内周面との間に全周に亘って隙間を形成することができる。
【0042】
また、請求項6の発明は、前記旋回スクロールのラップ部は前記固定スクロールのラップ部に対して自転トルクの作用する方向とは逆方向へ周方向に微小角度だけ位相をずらして設けたことにある。
【0043】
このように構成したことにより、旋回スクロールのラップ部と固定スクロールのラップ部との位相を僅かにずらすことができる。このため、旋回スクロールのラップ部内周面と前記固定スクロールのラップ部外周面とを周方向のいずれかの部位で接触させることができ、前記旋回スクロールのラップ部外周面と前記固定スクロールのラップ部内周面との間には隙間を形成することができる。
【0044】
また、請求項7の発明は、旋回スクロールのラップ部を、内周面側を肉盛りし、外周面側を肉削ぎすることにより、旋回スクロールのラップ部の厚さ寸法を固定スクロールのラップ部の厚さ寸法と略等しく形成したことにある。
【0045】
これにより、肉盛りされた旋回スクロールのラップ部内周面が、その周方向のいずれかの部位で固定スクロールのラップ部外周面に接触する。このとき、旋回スクロールのラップ部を外周面側で肉削ぎしたから、旋回スクロールのラップ部外周面と固定スクロールのラップ部内周面とを全周に亘って離間させることができる。
【0046】
また、請求項8の発明は、固定スクロールのラップ部を、内周面側を肉削ぎし、外周面側を肉盛りすることにより、固定スクロールのラップ部の厚さ寸法を旋回スクロールのラップ部の厚さ寸法と略等しく形成したことにある。
【0047】
これにより、旋回スクロールのラップ部内周面が、その周方向のいずれかの部位で固定スクロールのラップ部外周面に接触する。このとき、固定スクロールのラップ部を内周面側で肉削ぎし、外周面側で肉盛りしたから、固定スクロールのラップ部内周面と旋回スクロールのラップ部外周面との間に全周に亘って隙間を形成することができる。
【0048】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態によるスクロール式流体機械として無給油式のスクロール式空気圧縮機を例に挙げ、図1ないし図7に従って詳細に説明する。
【0049】
まず、図1は本発明の第1の実施の形態を示し、本実施の形態では前記従来技術と同一の構成要素に同一の符号を付し、その説明を省略するものとする。
【0050】
21は本実施の形態による固定スクロールで、該固定スクロール21は従来技術で述べた固定スクロール2のラップ部2Dとほぼ同様のラップ部21Aを有している。そして、固定スクロール21のラップ21Aは、内周面21A1と外周面21A2との間の厚さ寸法T3が全周に亘ってほぼ均一の値に設定され、渦巻状に形成されている。
【0051】
22は固定スクロール21と対向して旋回可能に設けられた旋回スクロールで、該旋回スクロール22は従来技術で述べた旋回スクロール8のラップ部8Bとほぼ同様のラップ部22Aを有している。そして、旋回スクロール22のラップ部22Aは、固定スクロール21のラップ部21Aとほぼ同様の渦巻状に形成されているものの、ラップ部22Aの内周面22A1 側には厚さ寸法ΔT分の肉盛りが施され、その内周面22A1 と外周面22A2 との間の厚さ寸法T4 は固定スクロール21のラップ部21Aの厚さ寸法T3 よりも寸法ΔT分だけ大きくなっている。
【0052】
なお、旋回スクロール22のラップ部22Aは、厚さ寸法T3 を有したラップ部22Aの内周面22A1 側に沿って厚さ寸法ΔTのラップ部を金属材料を用いて肉盛しているが、これに代えて、旋回スクロール22の初期成形時に、ラップ部22A全体を厚さ寸法T4 以上の厚さをもった単一の金属材料で一体に形成することにより、ΔTの肉盛部を形成してもよい。
【0053】
このため、旋回スクロール22の内周面22A1 が、図1中に仮想線で示す固定スクロール21の内周面21A1 よりも旋回中心となる軸線O1 −O1 側に位置ずれして設けられている点で固定スクロール21のラップ部21Aとは異なるものである。
【0054】
これにより、旋回スクロール22のラップ部22Aの内周面22A1 は、図1中に仮想線で示す固定スクロール21の内周面21A1 に比べて全周に亘って例えば10〜100μm程度の寸法ΔTだけ旋回中心となる軸線O1 −O1 側に配設されている。
【0055】
そして、旋回スクロール22は、固定スクロール21のラップ部21Aに対し、例えば180度だけずらして重なり合うように組付けられ、両者のラップ部21A,22A間には複数の圧縮室23,23,…が画成されている。
【0056】
また、旋回スクロール22のラップ部22Aの内周面22A1 は、例えば2つの接触点a,bで固定スクロール21のラップ部21Aの外周面21A2 に接触している。一方、旋回スクロール22のラップ部22Aの外周面22A2 は、全周に亘って固定スクロール21のラップ部21Aの内周面21A1 から離間し、旋回スクロール22のラップ部22Aの外周面22A2 と固定スクロール21のラップ部21Aの内周面21A1 との間には、全周に亘って隙間が形成されている。
【0057】
このため、軸線O1 −O1 を中心として接触点a,bとほぼ径方向対称位置では、旋回スクロール22のラップ部22Aの外周面22A2 と固定スクロール21のラップ部21Aの内周面21A1 とが最も接近しているものの、両者の間には例えば10〜100μm程度の僅かな微小隙間eが形成されている。
【0058】
本実施の形態によるスクロール式空気圧縮機は上述の如き構成を有するもので、その基本的作動については従来技術によるものと格別差異はない。そして、圧縮運転時には可変クランク5が駆動軸3に対して相対回転することにより旋回スクロール22の旋回半径を可変に調整し、これによって旋回スクロール22のラップ部22Aを固定スクロール21のラップ部21Aに押付けて、各圧縮室23の気密性を高めている点については、従来技術と同様である。
【0059】
しかし、本実施の形態では、旋回スクロール22のラップ部22Aの内周面22A1 を固定スクロール21のラップ部21の内周面21A1 よりも旋回中心となる軸線O1 −O1 側に位置ずれして設けている。これにより、旋回スクロール22のラップ部22Aの内周面22A1 と固定スクロール21のラップ部21Aの外周面21A2 とが接触する。また、厚肉に形成された旋回スクロール22のラップ部22Aの内周面22A1 と固定スクロール21のラップ部21Aの外周面21A2 とが接触するから、旋回スクロール22のラップ部22Aの外周面22A2 と固定スクロール21のラップ部21Aの内周面21A1 との間に少なくとも微小隙間eを形成することができる。
【0060】
このため、旋回スクロール22が矢示A方向に旋回運動するときに、2つの接触点a,bでは矢示B方向に向う摩擦力が発生する。また、旋回スクロール22には、矢示C1 方向に向う自転トルクが作用している。このとき、摩擦力と自転トルクとがほぼ同じ方向に作用し、従来技術のように自転トルクと逆方向となる矢示C2 方向の摩擦力が作用することがないから、旋回スクロール22に微小振動等が発生することがなく、旋回スクロール22を安定して旋回運動させることができる。
【0061】
また、固定スクロール21と旋回スクロール22との接触点a,bの数が従来技術に比べてほぼ半分に減少するから、旋回スクロール22に作用する摩擦力を減少させることができる。このため、旋回スクロール22の動力損失を減少させスクロール式空気圧縮機全体のエネルギー効率を向上させることができる。
【0062】
かくして、本実施の形態によれば、旋回スクロール22の内周面22A1 側には肉盛りが施され、旋回スクロール22のラップ部22Aの厚さ寸法T4 は、固定スクロール21のラップ部21Aの厚さ寸法T3 よりも大きくなっている。このため、摩擦力と自転トルクとがほぼ同じ方向に作用する位置でのみ固定スクロール21と旋回スクロール22とを接触させることができ、旋回スクロール22に微小振動等が発生することがなく、旋回スクロール22を円滑に旋回運動させることができる。
【0063】
図2は本発明の第2の実施の形態を示し、本実施の形態の特徴は、固定スクロールのラップ部には外周面側に肉盛りを施し、固定スクロールのラップ部の厚さ寸法を、旋回スクロールのラップ部の厚さ寸法よりも大きくしたことにある。なお、本実施の形態では前記従来技術と同一の構成要素に同一の符号を付し、その説明を省略するものとする。
【0064】
31は本実施の形態による固定スクロールで、該固定スクロール31は従来技術で述べた固定スクロール2のラップ部2Dとほぼ同様のラップ部31Aを有している。そして、固定スクロール31のラップ31Aは、内周面31A1と外周面31A2との間の厚さ寸法T5が全周に亘ってほぼ均一の値に設定され、渦巻状に形成されている。
【0065】
また、固定スクロール31の外周面31A2 側には厚さ寸法ΔT分の肉盛りが施され、ラップ部31Aの厚さ寸法T5 は、後述する旋回スクロール32のラップ部32Aの厚さ寸法T6 よりも大きくなっている。そして、固定スクロール31の外周面31A2 は、図2中に仮想線で示す旋回スクロール32の外周面32A2 よりも旋回中心となる軸線O1 −O1 から径方向外側に位置ずれして設けられている。
【0066】
なお、固定スクロール31のラップ部31Aは、厚さ寸法T6 を有したラップ部31Aの外周面31A2 側に沿って厚さ寸法ΔTのラップ部を金属材料を用いて肉盛しているが、これに代えて、固定スクロール31の初期成形時に、ラップ部31A全体を厚さ寸法T5 以上の厚さをもった単一の金属材料で一体に形成することにより、ΔTの肉盛部を形成してもよい。
【0067】
このため、固定スクロール31のラップ部31Aの外周面31A2 は、図2中に仮想線で示す旋回スクロール32の外周面32A2 に比べて全周に亘って例えば10〜100μm程度の寸法ΔTだけ径方向外側に配設されている。
【0068】
32は固定スクロール31と対向して旋回可能に設けられた旋回スクロールで、該旋回スクロール32は従来技術で述べた旋回スクロール8のラップ部8Bとほぼ同様のラップ部32Aを有している。そして、旋回スクロール32のラップ部32Aは、固定スクロール31のラップ部31Aとほぼ同様の渦巻状に形成されると共に、その内周面32A1 と外周面32A2 との間の厚さ寸法T6 が全周に亘って固定スクロール31のラップ部31Aの厚さ寸法T5 よりも小さな値に設定されている。
【0069】
そして、旋回スクロール32は、固定スクロール31のラップ部31Aに対し、例えば180度だけずらして重なり合うように組付けられ、両者のラップ部31A,32A間には複数の圧縮室33,33,…が画成されている。
【0070】
また、旋回スクロール32のラップ部32Aの内周面32A1 は、例えば2つの接触点a,bで固定スクロール31のラップ部31Aの外周面31A2 に接触している。一方、旋回スクロール32のラップ部32Aの外周面32A2 は、全周に亘って固定スクロール31のラップ部31Aの内周面31A1 から離間し、両者が最も接近している部位にあっても旋回スクロール32のラップ部32Aの外周面32A2 と固定スクロール31のラップ部31Aの内周面31A1 との間には例えば10〜100μm程度の僅かな微小隙間eが形成されている。
【0071】
かくして、本実施の形態でも第1の実施の形態とほぼ同様の作用効果を得ることができる。
【0072】
図3は本発明の第3の実施の形態を示し、本実施の形態の特徴は、旋回スクロールのラップ部には外周面側に肉削ぎを施し、旋回スクロールのラップ部の厚さ寸法を、固定スクロールのラップ部の厚さ寸法よりも小さくしたことにある。なお、本実施の形態では前記従来技術と同一の構成要素に同一の符号を付し、その説明を省略するものとする。
【0073】
41は本実施の形態による固定スクロールで、該固定スクロール41は従来技術で述べた固定スクロール2のラップ部2Dとほぼ同様のラップ部41Aを有している。そして、固定スクロール41のラップ41Aは、内周面41A1と外周面41A2との間の厚さ寸法T7がほぼ全周に亘って均一の値に設定され、渦巻状に形成されている。
【0074】
42は固定スクロール41と対向して旋回可能に設けられた旋回スクロールで、該旋回スクロール42は従来技術で述べた旋回スクロール8のラップ部8Bとほぼ同様のラップ部42Aを有している。また、旋回スクロール42のラップ部42Aは、固定スクロール41のラップ部41Aとほぼ同様の渦巻状に形成されているものの、旋回スクロール42のラップ部42Aには外周面42A2 側に肉削ぎが施され、その内周面42A1 と外周面42A2 との間の厚さ寸法T8 が固定スクロール41のラップ部41Aの厚さ寸法T7 よりも小さくなっている。そして、旋回スクロール42の外周面42A2 が図3中に仮想線で示す固定スクロール41の外周面41A2 よりも旋回中心となる軸線O1 −O1 側に位置ずれしている。
【0075】
なお、旋回スクロール42のラップ部42Aは、予めラップ部42Aを厚さ寸法T7 をもって形成した後に外周面42A2 側に厚さ寸法ΔTの肉削ぎ加工を施して形成しているが、これに代えて、旋回スクロール42の初期成形時にラップ部42A全体を厚さ寸法T8 以上の厚さをもって一体に形成することにより、ΔTの肉削ぎ部を形成してもよい。
【0076】
このため、旋回スクロール42のラップ部42Aの外周面42A2 は、図3中に仮想線で示す固定スクロール41の外周面41A2 に比べて全周に亘って例えば10〜100μm程度の寸法ΔTだけ軸線O1 −O1 側に配設されている。
【0077】
そして、旋回スクロール42は、固定スクロール41のラップ部41Aに対し、例えば180度だけずらして重なり合うように組付けられ、両者のラップ部41A,42A間には複数の圧縮室43,43,…が画成されている。
【0078】
また、旋回スクロール42のラップ部42Aの内周面42A1 は、例えば2つの接触点a,bで固定スクロール41のラップ部41Aの外周面41A2 に接触している。一方、旋回スクロール42のラップ部42Aの外周面42A2 は、全周に亘って固定スクロール41のラップ部41Aの内周面41A1 から離間し、両者が最も接近している部位にあっても旋回スクロール42のラップ部42Aの外周面42A2 と固定スクロール41のラップ部41Aの内周面41A1 との間には例えば10〜100μm程度の僅かな微小隙間eが形成されている。
【0079】
かくして、本実施の形態でも第1の実施の形態とほぼ同様の作用効果を得ることができる。
【0080】
図4は本発明の第4の実施の形態を示し、本実施の形態の特徴は、固定スクロールのラップ部には内周面側に肉削ぎを施し、固定スクロールのラップ部の厚さ寸法を、旋回スクロールのラップ部の厚さ寸法よりも小さくしたことにある。なお、本実施の形態では前記従来技術と同一の構成要素に同一の符号を付し、その説明を省略するものとする。
【0081】
51は本実施の形態による固定スクロールで、該固定スクロール51は従来技術で述べた固定スクロール2のラップ部2Dとほぼ同様のラップ部51Aを有している。そして、固定スクロール51のラップ51Aは、内周面51A1と外周面51A2との間の厚さ寸法T9が全周に亘ってほぼ均一の値に設定され、渦巻状に形成されている。
【0082】
また、固定スクロール51のラップ部51Aには内周面51A1 側に肉削ぎが施され、ラップ部51Aの厚さ寸法T9 は、後述する旋回スクロール52のラップ部52Aの厚さ寸法T10よりも小さくなっている。そして、固定スクロール51の内周面51A1 は、図4中に仮想線で示す旋回スクロール52の内周面52A1 よりも旋回中心となる軸線O1 −O1 から径方向外側に位置ずれして設けられている。
【0083】
なお、固定スクロール51のラップ部51Aは、予めラップ部51Aを厚さ寸法T10をもって形成した後に内周面51A1 側に厚さ寸法ΔTの肉削ぎ加工を施して形成しているが、これに代えて、固定スクロール51の初期成形時にラップ部51A全体を厚さ寸法T9 以上の厚さをもって一体に形成することにより、ΔTの肉削ぎ部を形成してもよい。
【0084】
このため、固定スクロール51のラップ部51Aの内周面51A1 は、旋回スクロール52の内周面52A1 に比べて全周に亘って例えば10〜100μm程度の寸法ΔTだけ軸線O1 −O1 から径方向外側に配設されている。
【0085】
52は固定スクロール51と対向して旋回可能に設けられた旋回スクロールで、該旋回スクロール52は従来技術で述べた旋回スクロール8のラップ部8Bとほぼ同様のラップ部52Aを有している。そして、旋回スクロール52のラップ部52Aは、固定スクロール51のラップ部51Aとほぼ同様の渦巻状に形成されると共に、その内周面52A1 と外周面52A2 との間の厚さ寸法T10が固定スクロール51のラップ部51Aの厚さ寸法T9 よりも大きな値に設定されている。
【0086】
そして、旋回スクロール52は、固定スクロール51のラップ部51Aに対し、例えば180度だけずらして重なり合うように組付けられ、両者のラップ部51A,52A間には複数の圧縮室53,53,…が画成されている。
【0087】
また、旋回スクロール52のラップ部52Aの内周面52A1 は、例えば2つの接触点a,bで固定スクロール51のラップ部51Aの外周面51A2 に接触している。一方、旋回スクロール52のラップ部52Aの外周面52A2 は、全周に亘って固定スクロール51のラップ部51Aの内周面51A1 から離間し、両者が最も接近している場所にあっても旋回スクロール52のラップ部52Aの外周面52A2 と固定スクロール51のラップ部51Aの内周面51A1 との間には例えば10〜100μm程度の僅かな微小隙間eが形成されている。
【0088】
かくして、本実施の形態でも第1の実施の形態とほぼ同様の作用効果を得ることができる。
【0089】
図5は本発明の第5の実施の形態を示し、本実施の形態の特徴は、旋回スクロールのラップ部は固定スクロールのラップ部に対して周方向に微小角度分だけ位相をずらして設けたことにある。なお、本実施の形態では前記従来技術と同一の構成要素に同一の符号を付し、その説明を省略するものとする。
【0090】
61は本実施の形態による固定スクロールで、該固定スクロール61は従来技術で述べた固定スクロール2のラップ部2Dとほぼ同様のラップ部61Aを有している。そして、固定スクロール61のラップ61Aは、内周面61A1と外周面61A2との間の厚さ寸法T11が全周に亘ってほぼ均一の値に設定され、渦巻状に形成されている。
【0091】
62は固定スクロール61と対向して旋回可能に設けられた旋回スクロールで、該旋回スクロール62は従来技術で述べた旋回スクロール8のラップ部8Bとほぼ同様のラップ部62Aを有している。そして、旋回スクロール62のラップ部62Aは、固定スクロール61のラップ部61Aとほぼ同様の渦巻状に形成されている。また、旋回スクロール62のラップ部62Aは、その内周面62A1 と外周面62A2 との間の厚さ寸法T12が全周に亘って固定スクロール61のラップ部61Aの厚さ寸法T11とほぼ等しい値に設定されている。
【0092】
そして、旋回スクロール62のラップ部62Aは、旋回スクロール62の中心となる軸線O3O3を中心として例えば自転トルクの作用する矢示C1方向(時計周り方向)と反対の矢示C2方向(反時計周り方向)に向けて周方向に微小角度Δθだけ位相をずらして設ける構成としている。
【0093】
このため、旋回スクロール62のラップ部62Aは、図5中に仮想線で示す従来技術による旋回スクロール8よりも、微小角度Δθだけ相対回転している。即ち、旋回スクロール62は、固定スクロール61のラップ部61Aに対し、例えば180度よりも微小角度Δθだけ少ない角度分ずらして重なり合うように配設されている。そして、両者のラップ部61A,62A間には複数の圧縮室63,63,…が画成されている。
【0094】
これにより、旋回スクロール62のラップ部62Aの内周面62A1 は、例えば2つの接触点a,bで固定スクロール61のラップ部61Aの外周面61A2 に接触している。一方、旋回スクロール62のラップ部62Aの外周面62A2 は、全周に亘って固定スクロール61のラップ部61Aの内周面61A1 から離間し、両者が最も接近している場所にあっても旋回スクロール62のラップ部62Aの外周面62A2 と固定スクロール61のラップ部61Aの内周面61A1 との間には例えば10〜100μm程度の僅かな微小隙間eが形成されている。
【0095】
かくして、本実施の形態でも第1の実施の形態とほぼ同様の作用効果を得ることができる。
【0096】
図6は本発明の第6の実施の形態を示し、本実施の形態の特徴は、旋回スクロールのラップ部には内周面側に肉盛りを施すと共に、外周面側に肉削ぎを施し、旋回スクロールのラップ部の厚さ寸法を、固定スクロールのラップ部の厚さ寸法とほぼ等しくしたことにある。なお、本実施の形態では前記従来技術と同一の構成要素に同一の符号を付し、その説明を省略するものとする。
【0097】
71は本実施の形態による固定スクロールで、該固定スクロール71は従来技術で述べた固定スクロール2のラップ部2Dとほぼ同様のラップ部71Aを有している。そして、固定スクロール71のラップ部71Aは、内周面71A1 と外周面71A2 との間の厚さ寸法T13がほぼ全周に亘って均一の値に設定され、渦巻状に形成されている。
【0098】
72は固定スクロール71と対向して旋回可能に設けられた旋回スクロールで、該旋回スクロール72は従来技術で述べた旋回スクロール8のラップ部8Bとほぼ同様のラップ部72Aを有している。また、旋回スクロール72のラップ部72Aは、固定スクロール71のラップ部71Aとほぼ同様の渦巻状に形成されているものの、旋回スクロール72のラップ部72Aには内周面72A1 側に肉盛りが施されると共に、外周面72A2 側に肉削ぎが施されている。このため、ラップ部72Aの内周面72A1 と外周面72A2 との間の厚さ寸法T14は固定スクロール71のラップ部71Aの厚さ寸法T13とほぼ等しくなっている。
【0099】
なお、旋回スクロール72のラップ部72Aは、内周面72A1 側に厚さ寸法Δのラップ部を金属材料を用いて肉盛すると共に、外周面72A2 側に厚さ寸法ΔTの肉削ぎ加工を施して形成しているが、これに代えて、旋回スクロール72の初期成形時に、ラップ部72A全体を厚さ寸法T14以上の厚さをもった単一の金属材料で一体に形成することにより、ΔTの肉盛部とΔTの肉削部を形成してもよい。
【0100】
そして、旋回スクロール72の内周面72A1 ,外周面72A2 が図6中に仮想線で示す固定スクロール71の内周面71A1 ,外周面71A2 よりも旋回中心となる軸線O1 −O1 側に位置ずれしている。このため、旋回スクロール72のラップ部72Aの内周面72A1 は、図6中に仮想線で示す固定スクロール71の内周面71A1 に比べて全周に亘って例えば10〜100μm程度の寸法ΔTだけ軸線O1 −O1 側に配設されている。また、旋回スクロール72のラップ部72Aの外周面72A2 は、図6中に仮想線で示す固定スクロール71の外周面71A2 に比べて全周に亘って例えば10〜100μm程度の寸法ΔTだけ軸線O1 −O1 側に配設されている。
【0101】
そして、旋回スクロール72は、固定スクロール71のラップ部71Aに対し、例えば180度だけずらして重なり合うように組付けられ、両者のラップ部71A,72A間には複数の圧縮室73,73,…が画成されている。
【0102】
また、旋回スクロール72のラップ部72Aの内周面72A1 は、例えば2つの接触点a,bで固定スクロール71のラップ部71Aの外周面71A2 に接触している。一方、旋回スクロール72のラップ部72Aの外周面72A2 は、全周に亘って固定スクロール71のラップ部71Aの内周面71A1 から離間し、両者が最も接近している部位にあっても旋回スクロール72のラップ部72Aの外周面72A2 と固定スクロール71のラップ部71Aの内周面71A1 との間には例えば10〜100μm程度の僅かな微小隙間eが形成されている。
【0103】
かくして、本実施の形態でも第1の実施の形態とほぼ同様の作用効果を得ることができる。
【0104】
図7は本発明の第7の実施の形態を示し、本実施の形態の特徴は、固定スクロールのラップ部には内周面側に肉削ぎを施すと共に、外周面側に肉盛りを施し、固定スクロールのラップ部の厚さ寸法を、旋回スクロールのラップ部の厚さ寸法とほぼ等しくしたことにある。なお、本実施の形態では前記従来技術と同一の構成要素に同一の符号を付し、その説明を省略するものとする。
【0105】
81は本実施の形態による固定スクロールで、該固定スクロール81は従来技術で述べた固定スクロール2のラップ部2Dとほぼ同様のラップ部81Aを有している。そして、固定スクロール81のラップ81Aは、内周面81A1と外周面81A2との間の厚さ寸法T15が全周に亘ってほぼ均一の値に設定され、渦巻状に形成されている。
【0106】
また、固定スクロール81のラップ部81Aには、内周面81A1 側に肉削ぎが施される共に、外周面81A2 側に肉盛りが施されている。このため、ラップ部81Aの厚さ寸法T15は、後述する旋回スクロール82のラップ部82Aの厚さ寸法T16とほぼ等しくなっている。そして、固定スクロール81の内周面81A1 ,外周面81A2 は、図7中に仮想線で示す旋回スクロール82の内周面82A1 ,外周面82A2 よりも旋回中心となる軸線O1 −O1 から径方向外側に位置ずれして設けられている。
【0107】
なお、固定スクロール81のラップ部81Aは、内周面81A1 側に厚さ寸法ΔTの肉削ぎ加工を施すと共に、外周面81A2 側に厚さ寸法Δのラップ部を金属材料を用いて肉盛しているが、これに代えて、固定スクロール81の初期成形時に、ラップ部81A全体を厚さ寸法T15以上の厚さをもった単一の金属材料で一体に形成することにより、ΔTの肉盛部とΔTの肉削部を形成してもよい。
【0108】
このため、固定スクロール81のラップ部81Aの内周面81A1 は、図7中に仮想線で示す旋回スクロール82の内周面82A1 に比べて全周に亘って例えば10〜100μm程度の寸法ΔTだけ軸線O1 −O1 から径方向外側に配設されている。また、固定スクロール81のラップ部81Aの外周面81A2 は、図7中に仮想線で示す旋回スクロール82の外周面82A2 に比べて全周に亘って例えば10〜100μm程度の寸法ΔTだけ軸線O1 −O1 から径方向外側に配設されている。
【0109】
82は固定スクロール81と対向して旋回可能に設けられた旋回スクロールで、該旋回スクロール82は従来技術で述べた旋回スクロール8のラップ部8Bとほぼ同様のラップ部82Aを有している。そして、旋回スクロール82のラップ部82Aは、固定スクロール81のラップ部81Aとほぼ同様の渦巻状に形成されると共に、その内周面82A1 と外周面82A2 との間の厚さ寸法T16が固定スクロール81のラップ部81Aの厚さ寸法T15とほぼ等しい値に設定されている。
【0110】
そして、旋回スクロール82は、固定スクロール81のラップ部81Aに対し、例えば180度だけずらして重なり合うように組付けられ、両者のラップ部81A,82A間には複数の圧縮室83,83,…が画成されている。
【0111】
また、旋回スクロール82のラップ部82Aの内周面82A1 は、例えば2つの接触点a,bで固定スクロール81のラップ部81Aの外周面81A2 に接触している。一方、旋回スクロール82のラップ部82Aの外周面82A2 は、全周に亘って固定スクロール81のラップ部81Aの内周面81A1 から離間し、両者が最も接近している場所にあっても旋回スクロール82のラップ部82Aの外周面82A2 と固定スクロール81のラップ部81Aの内周面81A1 との間には例えば10〜100μm程度の僅かな微小隙間eが形成されている。
【0112】
かくして、本実施の形態でも第1の実施の形態とほぼ同様の作用効果を得ることができる。
【0113】
なお、前記第5の実施の形態では、旋回スクロール62のラップ部62Aを、軸線O3 −O3 を中心として反時計周り方向に向けて周方向に微小角度Δθだけ位相をずらして設けたが、本発明はこれに限らず、固定スクロールのラップ部を、固定スクロールの中心となる旋回中心(軸線O1 −O1 )を中心として時計周り方向に向けて周方向に微小角度だけ位相をずらす構成としてもよい。
【0114】
また、前記各実施の形態では、スクロール式流体機械としてスクロール式空気圧縮機を例に挙げて説明したが、本発明はこれに限らず、例えば真空ポンプ、冷媒圧縮機等にも広く適用することができる。
【0115】
【発明の効果】
以上詳述した通り、請求項1の発明によれば、旋回スクロールの中心を固定スクロールの中心に一致させ、固定スクロールのラップ部を駆動軸の軸線を中心に180度回転して旋回スクロールのラップ部に重ね合わせた場合において、旋回スクロールのラップ部内周面を固定スクロールのラップ部内周面よりも駆動軸の軸線側に設けることにより、旋回スクロールのラップ部内周面と固定スクロールのラップ部外周面とは、その周方向の少なくともいずれかの部位で接触する構成とし、前記旋回スクロールのラップ部外周面と前記固定スクロールのラップ部内周面との間には、その全周に亘って隙間を形成する構成としている。これにより、摩擦力と自転トルクとがほぼ同じ方向に作用する位置でのみ固定スクロールと旋回スクロールとを接触させることができ、旋回スクロールに微小振動等が発生することがなく、旋回スクロールを円滑に旋回運動させることができる。
【0116】
また、請求項2の発明によれば、旋回スクロールのラップ部を、旋回スクロールの内周面側を肉盛りすることにより、固定スクロールのラップ部よりも厚肉に形成したから、旋回スクロールのラップ部内周面と固定スクロールのラップ部外周面とを、その周方向の少なくともいずれかの部位で接触させ、かつ旋回スクロールのラップ部外周面と前記固定スクロールのラップ部内周面との間には、その全周に亘って隙間を形成することができる。これにより、旋回スクロールを円滑に旋回運動させることができる。
【0117】
また、請求項3の発明によれば、固定スクロールのラップ部を、固定スクロールの内周面側で肉削ぎすることにより、旋回スクロールのラップ部よりも薄肉に形成したから、旋回スクロールのラップ部内周面と固定スクロールのラップ部外周面とを接触可能とし、かつ旋回スクロールのラップ部外周面と前記固定スクロールのラップ部内周面との間には、その全周に亘って隙間を形成することができる。
【0118】
また、請求項4の発明によれば、旋回スクロールの中心を固定スクロールの中心に一致させ、固定スクロールのラップ部を駆動軸の軸線を中心に180度回転して旋回スクロールのラップ部に重ね合わせた場合において、旋回スクロールのラップ部外周面を固定スクロールのラップ部外周面よりも駆動軸の軸線側に設けると共に、旋回スクロールのラップ部を、旋回スクロールの外周面側を肉削ぎすることにより、固定スクロールのラップ部よりも薄肉に形成した。このため、旋回スクロールのラップ部内周面と固定スクロールのラップ部外周面とを接触可能とし、かつ旋回スクロールのラップ部外周面と前記固定スクロールのラップ部内周面との間には、その全周に亘って隙間を形成することができる。
【0119】
また、請求項5の発明によれば、旋回スクロールの中心を固定スクロールの中心に一致させ、固定スクロールのラップ部を駆動軸の軸線を中心に180度回転して旋回スクロールのラップ部に重ね合わせた場合において、旋回スクロールのラップ部外周面を固定スクロールのラップ部外周面よりも駆動軸の軸線側に設けると共に、固定スクロールのラップ部を、固定スクロールの外周面側を肉盛りすることにより、旋回スクロールのラップ部よりも厚肉に形成した。このため、旋回スクロールのラップ部内周面と固定スクロールのラップ部外周面とを接触可能とし、かつ旋回スクロールのラップ部外周面と前記固定スクロールのラップ部内周面との間には、その全周に亘って隙間を形成することができる。これにより、旋回スクロールを円滑に旋回運動させることができる。
【0120】
また、請求項6の発明によれば、旋回スクロールのラップ部を固定スクロールのラップ部に対して、自転トルクの作用する方向とは逆方向へ周方向に微小角度だけ位相をずらして設ける構成としたから、旋回スクロールのラップ部と固定スクロールのラップ部との位相を僅かにずらすことができる。このため、旋回スクロールのラップ部内周面と前記固定スクロールのラップ部外周面とを周方向のいずれかの部位で接触させることができ、前記旋回スクロールのラップ部外周面と前記固定スクロールのラップ部内周面との間には隙間を形成することができる。
【0121】
また、請求項7の発明によれば、旋回スクロールのラップ部を、内周面側を肉盛りすると共に、外周面側を肉削ぎし、旋回スクロールのラップ部の厚さ寸法を固定スクロールのラップ部の厚さ寸法とほぼ等しく形成したから、旋回スクロールのラップ部内周面と固定スクロールのラップ部外周面とを接触可能とし、かつ旋回スクロールのラップ部外周面と固定スクロールのラップ部内周面との間に全周に亘って隙間を形成することができる。これにより、旋回スクロールを円滑に旋回運動させることができる。
【0122】
また、請求項8の発明によれば、固定スクロールのラップ部を、内周面側を肉削ぎすると共に、外周面側を肉盛りし、固定スクロールのラップ部の厚さ寸法を旋回スクロールのラップ部の厚さ寸法とほぼ等しく形成したから、旋回スクロールのラップ部内周面と固定スクロールのラップ部外周面とを接触可能とし、かつ旋回スクロールのラップ部外周面と固定スクロールのラップ部内周面との間に全周に亘って隙間を形成することができる。これにより、旋回スクロールを円滑に旋回運動させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態による旋回スクロールのラップ部と固定スクロールのラップ部とを示す横断面図である。
【図2】第2の実施の形態による旋回スクロールのラップ部と固定スクロールのラップ部とを示す横断面図である。
【図3】第3の実施の形態による旋回スクロールのラップ部と固定スクロールのラップ部とを示す横断面図である。
【図4】第4の実施の形態による旋回スクロールのラップ部と固定スクロールのラップ部とを示す横断面図である。
【図5】第5の実施の形態による旋回スクロールのラップ部と固定スクロールのラップ部とを示す横断面図である。
【図6】第6の実施の形態による旋回スクロールのラップ部と固定スクロールのラップ部とを示す横断面図である。
【図7】第7の実施の形態による旋回スクロールのラップ部と固定スクロールのラップ部とを示す横断面図である。
【図8】従来技術によるスクロール式空気圧縮機を示す縦断面図である。
【図9】固定スクロールのラップ部と旋回スクロールのラップ部とを示す図8中の矢示IX−IX方向からみた横断面図である。
【図10】図9中の駆動軸、可変クランクを図11中の矢示X−X方向からみた縦断面図である。
【図11】駆動軸、可変クランクを図10中の矢示XI−XI方向からみた側面図である。
【図12】可変クランクを駆動軸に対して時計廻りに相対回転させた状態を示す図11と同様の側面図である。
【符号の説明】
1 ケーシング
3 駆動軸
5 可変クランク
21,31,41,51,61,71,81 固定スクロール
21A,31A,41A,51A,61A,71A,81A ラップ部
21A1 ,31A1 ,41A1 ,51A1 ,61A1 ,71A1 ,81A1 内周面
21A2 ,31A2 ,41A2 ,51A2 ,61A2 ,71A2 ,81A2 外周面
22,32,42,52,62,72,82 旋回スクロール
22A,32A,42A,52A,62A,72A,82A ラップ部
22A1 ,32A1 ,42A1 ,52A1 ,62A1 ,72A1 ,82A1 内周面
22A2 ,32A2 ,42A2 ,52A2 ,62A2 ,72A2 ,82A2 外周面
23,33,43,53,63,73,83 圧縮室
e 微小隙間

Claims (8)

  1. ケーシング(1)と、該ケーシング(1)に設けられ、鏡板(2A)に渦巻状のラップ部(21A,51A,61A,71A,81A)が立設された固定スクロール(21,51,61,71,81)と、前記ケーシング(1)に回転可能に設けられ、先端側に嵌合部(3A)を有する駆動軸(3)と、該駆動軸(3)の先端側に旋回可能に設けられ、鏡板(8A)の表面側に前記固定スクロール(21,51,61,71,81)のラップ部(21A,51A,61A,71A,81A)と重なり合って複数の圧縮室(23,53,63,73,83)を画成する渦巻状のラップ部(22A,52A,62A,72A,82A)が立設され、鏡板(8A)の背面側にボス部(4A)が設けられた旋回スクロール(22,52,62,72,82)と、円盤部(5A)と、該円盤部(5A)の一側端面に配置され、前記駆動軸(3)の嵌合部(3A)に回転可能に嵌合される嵌合軸部(5B)と、前記円盤部(5A)の他側端面に配置され、前記ボス部(4A)に回転可能に嵌合される偏心軸部(5C)とを備え、該旋回スクロール(22,52,62,72,82)の旋回半径を可変とする旋回半径可変機構(5)とを備えたスクロール式流体機械において、
    前記旋回スクロール(22,52,62,72,82)の中心を前記固定スクロール(21,51,61,71,81)の中心に一致させ、前記固定スクロール(21,51,61,71,81)のラップ部(21A,51A,61A,71A,81A)を前記駆動軸(3)の軸線(O1−O1)を中心に180度回転して前記旋回スクロール(22,52,62,72,82)のラップ部(22A,52A,62A,72A,82A)に重ね合わせた場合において、前記旋回スクロール(22,52,62,72,82)のラップ部内周面(22A1,52A1,62A1,72A1,82A1)を前記固定スクロール(21,51,61,71,81)のラップ部内周面(21A1,51A1,61A1,71A1,81A1)よりも前記駆動軸(3)の軸線(O1−O1)側に設けることにより、前記旋回スクロール(22,52,62,72,82)のラップ部内周面(22A1,52A1,62A1,72A1,82A1)と前記固定スクロール(21,51,61,71,81)のラップ部外周面(21A2,51A2,61A2,71A2,81A2)とは、その周方向の少なくともいずれかの部位で接触する構成とし、前記旋回スクロール(22,52,62,72,82)のラップ部外周面(22A2,52A2,62A2,72A2,82A2)と前記固定スクロール(21,51,61,71,81)のラップ部内周面(21A1,51A1,61A1,71A1,81A1)との間には、その全周に亘って隙間を形成する構成としたことを特徴とするスクロール式流体機械。
  2. 前記旋回スクロール(22)のラップ部(22A)は、内周面側を肉盛りすることにより、前記固定スクロール(21)のラップ部(21A)よりも厚肉に形成してなる請求項1に記載のスクロール式流体機械。
  3. 前記固定スクロール(51)のラップ部(51A)は、内周面側を肉削ぎすることにより、前記旋回スクロール(52)のラップ部(52A)よりも薄肉に形成してなる請求項1に記載のスクロール式流体機械。
  4. ケーシング(1)と、該ケーシング(1)に設けられ、鏡板(2A)に渦巻状のラップ部(41A)が立設された固定スクロール(41)と、前記ケーシング(1)に回転可能に設けられ、先端側に嵌合部(3A)を有する駆動軸(3)と、該駆動軸(3)の先端側に旋回可能に設けられ、鏡板(8A)の表面側に前記固定スクロール(41)のラップ部(41A)と重なり合って複数の圧縮室(43)を画成する渦巻状のラップ部(42A)が立設され、鏡板(8A)の背面側にボス部(4A)が設けられた旋回スクロール(42)と、円盤部(5A)と、該円盤部(5A)の一側端面に配置され、前記駆動軸(3)の嵌合部(3A)に回転可能に嵌合される嵌合軸部(5B)と、前記円盤部(5A)の他側端面に配置され、前記ボス部(4A)に回転可能に嵌合される偏心軸部(5C)とを備え、該旋回スクロール(42)の旋回半径を可変とする旋回半径可変機構(5)とを備えたスクロール式流体機械において、
    前記旋回スクロール(42)の中心を前記固定スクロール(41)の中心に一致させ、前記固定スクロール(41)のラップ部(41A)を前記駆動軸(3)の軸線(O1−O1)を中心に180度回転して前記旋回スクロール(42)のラップ部(42A)に重ね合わせた場合において、前記旋回スクロール(42)のラップ部外周面(42A2)を前記固定スクロール(41)のラップ部外周面(41A2)よりも前記駆動軸(3)の軸線(O1−O1)側に設けることにより、前記旋回スクロール(42)のラップ部内周面(42A1)と前記固定スクロール(41)のラップ部外周面(41A2)とは、その周方向の少なくともいずれかの部位で接触する構成とし、前記旋回スクロール(42)のラップ部外周面(42A2)と前記固定スクロール(41)のラップ部内周面(41A1)との間には、その全周に亘って隙間を形成し、
    前記旋回スクロール(42)のラップ部(42A)は、外周面側を肉削ぎすることにより、前記固定スクロール(41)のラップ部(41A)よりも薄肉に形成する構成としたことを特徴とするスクロール式流体機械。
  5. ケーシング(1)と、該ケーシング(1)に設けられ、鏡板(2A)に渦巻状のラップ部(31A)が立設された固定スクロール(31)と、前記ケーシング(1)に回転可能に設けられ、先端側に嵌合部(3A)を有する駆動軸(3)と、該駆動軸(3)の先端側に旋回可能に設けられ、鏡板(8A)の表面側に前記固定スクロール(31)のラップ部(31A)と重なり合って複数の圧縮室(33)を画成する渦巻状のラップ部(32A)が立設され、鏡板(8A)の背面側にボス部(4A)が設けられた旋回スクロール(32)と、円盤部(5A)と、該円盤部(5A)の一側端面に配置され、前記駆動軸(3)の嵌合部(3A)に回転可能に嵌合される嵌合軸部(5B)と、前記円盤部(5A)の他側端面に配置され、前記ボス部(4A)に回転可能に嵌合される偏心軸部(5C)とを備え、該旋回スクロール(32)の旋回半径を可変とする旋回半径可変機構(5)とを備えたスクロール式流体機械において、
    前記旋回スクロール(32)の中心を前記固定スクロール(31)の中心に一致させ、前記固定スクロール(31)のラップ部(31A)を前記駆動軸(3)の軸線(O1−O1)を中心に180度回転して前記旋回スクロール(32)のラップ部(32A)に重ね合わせた場合において、前記旋回スクロール(32)のラップ部外周面(32A2)を前記固定スクロール(31)のラップ部外周面(31A2)よりも前記駆動軸(3)の軸線(O1−O1)側に設けることにより、前記旋回スクロール(32)のラップ部内周面(32A1)と前記固定スクロール(31)のラップ部外周面(31A2)とは、その周方向の少なくともいずれかの部位で接触する構成とし、前記旋回スクロール(32)のラップ部外周面(32A2)と前記固定スクロール(31)のラップ部内周面(31A1)との間には、その全周に亘って隙間を形成し、
    前記固定スクロール(31)のラップ部(31A)は、外周面側を肉盛りすることにより、前記旋回スクロール(32)のラップ部(32A)よりも厚肉に形成する構成としたことを特徴とするスクロール式流体機械。
  6. 前記旋回スクロール(62)のラップ部(62A)は前記固定スクロール(61)のラップ部(61A)に対して、自転トルクの作用する方向とは逆方向(C2)へ周方向に微小角度(Δθ)だけ位相をずらして設けてなる請求項1に記載のスクロール式流体機械。
  7. 前記旋回スクロール(72)のラップ部(72A)は、内周面側を肉盛りし、外周面側を肉削ぎすることにより、旋回スクロール(72)のラップ部(72A)の厚さ寸法を固定スクロール(71)のラップ部(71A)の厚さ寸法と略等しく形成してなる請求項1に記載のスクロール式流体機械。
  8. 前記固定スクロール(81)のラップ部(81A)は、内周面側を肉削ぎし、外周面側を肉盛りすることにより、固定スクロール(81)のラップ部(81A)の厚さ寸法を旋回スクロール(82)のラップ部(82A)の厚さ寸法と略等しく形成してなる請求項1に記載のスクロール式流体機械。
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