JP4443671B2 - 管路用管台及びそれを用いた管路組立方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、多数本の電線・ケーブルを地中に布設するための管路の構成部材となる管台と、それを用いた管路組立方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
本出願人は先に、多孔管路として、複数本の長尺な管を、複数本の管溝を有する短い管台を多数並べて上下から挟みつけた構造のものを提案した(特開平9−105479号公報)。この多孔管路では、土圧等に対する強度を高めるため、管の下側の管台と管の上側の管台を千鳥配置となるように(下側の管台の継ぎ目と上側の管台の継ぎ目が管台の長さの2分の1だけずれるように)重ねる。
【0003】
また上記のような多孔管路の場合、管は長尺とはいえ長さが有限であるため、長さ方向のどこかに管の接続箇所が発生する。管の接続箇所は管より外径が大きくなるので、管の接続箇所では、管台に当該接続箇所を収容する凹部を形成する必要がある。このような凹部を現場で形成することは困難であるため、従来は図10に示すような管台が使用されていた。すなわち、この管台1は、相手方管台との対向面に管の半周分を収容する管溝2を複数本平行に形成し、各管溝2の両端に管の接続箇所の長さの半分の半周分を収容する凹部3を形成したものである。
【0004】
図11は図10の管台1を使用して構成された多孔管路を示す。この多孔管路は、まず多数の管台1を管溝2を上に向けて配列し、次いで管溝2に沿って管4を布設し、その上に多数の管台1を、管溝2を下に向けて、下の管台1に対して千鳥配置となるように重ねたものである。管4としては通常、プラスチック波付き管が使用される。なお上下の管台1は通しボルトとナットで締めつけて一体化されるが、この点は図示を省略してある。
【0005】
図10の管台1を千鳥配置に重ねると、上と下の管台1では凹部3の位置がずれてしまうため、管4の接続箇所5を収めるスペースをつくることができない。このため管の接続箇所5では、上側の管台1を半分の長さに切断し、図11に示すようにこの半分の長さの管台1A、1Aを左右入れ換えて、凹部3を付き合わせるようにして重ねている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし上記のような構造では、管の接続箇所5で、下側の管台の継ぎ目と上側の管台の継ぎ目が一致し(図11のA部)、千鳥配置がくずれてしまうため、その部分の強度が他の部分に比べて低下し、耐震性や剪断特性をより一層向上させる上で障害となっていた。また工事現場では、管の接続箇所で管台を半分に切断する作業が必要であるため、それに要する工具や手間が増加する。さらに従来の管台は、管台の両端に内径の大きい凹部が隣り合って形成されているため、凹部と凹部の間の肉厚が薄くなり、他の部分に比べて両端部の圧縮強度が低いという不満があった。
【0007】
本発明の目的は、上記のような問題点に鑑み、管の接続箇所でも千鳥配置がくずれることがなく、管台を切断する必要がなく、管台両端部の圧縮強度も向上できる管路用管台と、それを用いた管路組立方法を提供することにある。
【0010】
【課題の解決手段】
この目的を達成するため本発明の管台は、管の下側に配列される管台の継ぎ目と管の上側に配列される管台の継ぎ目が管台の長さ方向にずれるように千鳥配置で重ねられる管路用管台であって、相手方管台との対向面に管の半周分を収容する管溝が複数本平行に形成され、各管溝には長さ方向の途中に管の接続箇所の半周分を収容する接続箇所収容部が形成されており、一の管溝に形成された接続箇所収容部と他の管溝に形成された接続箇所収容部とが管台の長さ方向に当該管台の長さの2分の1の距離ずらして配置されていることを特徴とするものである。
【0011】
接続箇所収容部を前述のように配した管台を、管の上下に重ねあわせて千鳥配置にすると、上下の管台の接続箇所収容部の位置が一致して、管の接続箇所を収容できる空間が形成される。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面を参照して詳細に説明する。
〔実施形態1〕
図1は本発明の一実施形態を示す。この管台1には、相手方管台との対向面に管の半周分を収容する管溝2が2本平行に形成されている。各管溝2には長さ方向の途中に管の接続箇所の半周分を収容する凹部3が形成されている。一方の管溝2の凹部3は、管台1の一端から管台1の長さLの4分の1のところに中心が位置するように形成されており、他方の管溝2の凹部3は、管台1の他端から管台1の長さLの4分の1のところに中心が位置するように形成されている。
一方の凹部3と他方の凹部3とは管台1の長さ方向に管台1の長さLの2分の1の距離だけ離れている。
【0013】
図2(a)、(b)は図1の管台1を使用して構成した多孔管路である。この多孔管路は次のようにして組み立てられる。まず多数の管台1を管溝2を上に向けて互いの端部が近接するように又は当接するように配列し、管溝2に沿って管4を布設する。管4の接続箇所5はいずれかの管台1の凹部3に収容する。図2(b)はこの状態を示している。その後、この上に多数の管台1を、管溝2を下に向けて、下の管台1に対して管台の長さLの2分の1だけずらして千鳥配置となるように重ねていく。上下の管台1は図示しない通しボルトとナットで締めつけて一体化する。
【0014】
このように図1の管台1を使用すると、管の接続箇所5のところでも管台1の千鳥配置がくずれることがないので、高強度の多孔管路を構成できる。また管台1を切断する必要がないので、施工時間の短縮、労力の削減が可能である。さらに管溝2の途中に凹部3を設けたことにより、管台1の両端の肉厚を従来より厚くできるので、管台の圧縮強度も十分に確保できる。しかも隣接する管溝2、2の凹部3、3は長さ方向にずれて配置されており、凹部3、3により肉厚が減少する箇所が分散されているので、これによっても管台の強度が向上する。
【0015】
〔実施形態2〕
図3は本発明の他の実施形態を示す。この管台1は、相手方管台との対向面に3本の管溝2が平行に等間隔で形成されている。各管溝2には長さ方向の途中に管の接続箇所を収容する凹部3が形成されている。中央の管溝2の凹部3は、管台1の一端から管台1の長さLの4分の1のところに中心が位置するように形成されており、両側の管溝2の凹部3は、管台1の他端から管台1の長さLの4分の1のところに中心が位置するように形成されている。この管台1においても、実施形態1のものと同様、一方の端部に近い凹部3と他方の端部に近い凹部3とは、管台1の長さ方向に管台1の長さLの2分の1の距離だけ離れている。
この管台1を使用すると、実施形態1の管台の場合と同様に管台の長さLの2分の1だけずらして重ね合わせることにより、3本の管を含む多孔管路を構成することができる。
この管台1においても実施形態1と同様の効果が得られる。
【0016】
〔実施形態3〕
図4は本発明のさらに他の実施形態を示す。この管台1は、上下両面に3本の管溝2が平行に等間隔で形成されている。各管溝2には長さ方向の途中に管の接続箇所を収容する凹部3が形成されている。中央の管溝2の凹部3は、上面では管台1の一端Bから管台1の長さLの4分の1のところに中心が位置するように形成され、下面では管台1の他端(B端の反対側)から管台1の長さLの4分の1のところに中心が位置するように形成されている。また両側の管溝2の凹部3は、上面では管台1の他端(B端の反対側)から管台1の長さLの4分の1のところに中心が位置するように形成され、下面では管台1の一端Bから管台1の長さLの4分の1のところに中心が位置するように形成されている。凹部3の配置を上記のようにすると、管台1の厚さ方向に凹部3が重ならなくなるので、管台1の強度を高くできる。
【0017】
この管台1は実施形態2の管台と組み合わせて用いるものである。例えば、実施形態2の管台を下に配列し、その管溝に沿って3本の管を布設し、その上にこの実施形態の管台1を管台の長さLの2分の1だけずらして千鳥配置に重ね、その上面の管溝に沿って3本の管を布設し、その上に実施形態2の管台を管台の長さLの2分の1だけずらして千鳥配置に重ねれば、6本の管を含む多孔管路を構成することができる。同様にしてこの実施形態の管台1を実施形態2の管台の間に2段重ねれば、9本の管を含む多孔管路を構成することができる。
この管台1においても実施形態1と同様の効果が得られる。
【0018】
〔関連技術1〕
図5は本発明の関連技術を示す。この管台1は、管溝2が1本形成されたもので、凹部3は管台1の一端から管台1の長さLの4分の1のところに位置している。この管台1も実施形態1と同様に管台の長さLの2分の1だけずらして千鳥配置に重ねることにより、実施形態1と同様の効果が得られる。
【0019】
〔実施形態5〕
図6は本発明のさらに他の実施形態を示す。実施形態1〜4の管台は、相手方管台と重なる長さが一端側も他端側も同じ場合(管台の長さLの1/2)であるが、この実施形態の管台1は、相手方管台と重なる長さが一端側で管台の長さLの1/3、他端側で管台の長さLの2/3となる場合である。
【0020】
この管台1には、相手方管台との対向面に管の半周分を収容する管溝2が2本平行に形成されている。各管溝2には長さ方向の途中に管の接続箇所の半周分を収容する凹部3が形成されている。一方の管溝2の凹部3は、管台1の一端から相手方管台が重なる長さL/3の半分、すなわちL/6のところに中心が位置するように形成されており、他方の管溝2の凹部3は、管台1の他端から相手方管台が重なる長さ2L/3の半分、すなわちL/3のところに中心が位置するように形成されている。これらの位置に形成された、管台の一方の端部に近い凹部3と他方の端部に近い凹部3とは、前記実施形態1〜4と同様、管台1の長さ方向に管台1の長さLの2分の1の距離だけ離れている。
【0021】
この管台1は図7のように重ねられる。まず管台1を管溝2を上に向けて配列し、管溝2に沿って管(図示せず)を布設する。管の接続箇所はいずれかの管台1の凹部3に収容する。その後、この上に管台1を、管溝2を下に向けて、下の管台1に対して一端側で管台の長さLの1/3(他端側で管台の長さLの2/3)だけずらして、凹部3が下の管台1と一致するように重ねていく。このような形態でも上下の管台の継ぎ目が長手方向にずれるので、実施形態1と同様の効果を得ることができる。
【0022】
〔関連技術2〕
図8は本発明の他の関連技術を示す。この管台1は、管溝2が1本で、凹部3が管台1の一端から管台の長さLの1/2n(nは凹部3を管台1の一端から離れて形成できる範囲で2以上の任意の数)のところに位置しているものである。この管台は図9のように管台の長さLの1/nだけずらして重ねることにより、上下の管台の凹部3を一致させることができる。
【0023】
【発明の効果】
以上説明したように本発明に係る管台を使用すれば、管の接続箇所でも千鳥配置をくずすことなく(上下の管台で管台の継ぎ目を長手方向にずらして)管路を組み立てることができるので、全長にわたって強度の高い、耐震性、剪断特性にすぐれた管路を構成できる。また管の接続箇所で管台を切断する必要がないので、施工時間の短縮、労力の削減を図ることができる。さらに管台の両端部の肉厚を確保することにより強度が高くなるので、この面からも強固な管路を構成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る管台の一実施形態を示す斜視図。
【図2】 図1の管台を使用した多孔管路を示す、(a)は断面図、(b)は上側の管台を取り外した状態の平面図。
【図3】 本発明に係る管台の他の実施形態を示す斜視図。
【図4】 本発明に係る管台のさらに他の実施形態を示す、(a)は平面図、(b)は正面図、(c)は底面図。
【図5】 本発明に係る管台の関連技術を示す斜視図。
【図6】 本発明に係る管台のさらに他の実施形態を示す、(a)は平面図、(b)は正面図。
【図7】 図6の管台を積み重ねた状態を示す(a)は平面図、(b)は断面図。
【図8】 本発明に係る管台の他の関連技術を示す平面図。
【図9】 図8の管台を積み重ねた状態を示す断面図。
【図10】 従来の管台の一例を示す斜視図。
【図11】 図10の管台を使用した多孔管路を示す断面図。
【符号の説明】
1:管台
2:管溝
3:凹部(接続箇所収容部)
4:管
5:管の接続箇所
Claims (2)
- 管の下側に配列される管台の継ぎ目と管の上側に配列される管台の継ぎ目が管台の長さ方向にずれるように千鳥配置で重ねられる管路用管台であって、相手方管台との対向面に管の半周分を収容する管溝(2)が複数本平行に形成され、各管溝(2)には長さ方向の途中に管の接続箇所の半周分を収容する接続箇所収容部(3)が形成されており、一の管溝(2)に形成された接続箇所収容部(3)と他の管溝(2)に形成された接続箇所収容部(3)とが管台の長さ方向に当該管台の長さの2分の1の距離ずらして配置されていることを特徴とする管路用管台。
- 請求項1記載の管路用管台を用い、管の下側となる管台を互いの端部が近接又は当接するように配列し、配列した管台の管溝に沿って管を布設すると共に、管の接続箇所をいずれかの管台の接続箇所収容部に収容し、その後、管の上側となる管台を、当該管台の継ぎ目を下側の管台の継ぎ目と管台の長さ方向にずらして、かつ当該管台の接続箇所収容部を下側の管台の接続箇所収容部と一致させて、管の下側の管台に対して千鳥配置となるように重ねていくことを特徴とする管路組立方法。
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GB0419651D0 (en) * | 2004-09-03 | 2004-10-06 | Polypipe Civils Ltd | A pipe system |
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1999
- 1999-05-19 JP JP13881999A patent/JP4443671B2/ja not_active Expired - Lifetime
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