JP4442567B2 - コモンレール - Google Patents
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従来より、燃料タンクから汲み上げた燃料をポンプで加圧してノズルから例えばディーゼルエンジン等の内燃機関の各気筒毎の燃焼室内に噴射供給する内燃機関の燃料供給装置として、燃料供給ポンプより吐出された高圧燃料を蓄圧するコモンレールを備え、このコモンレールの蓄圧室内に蓄圧された高圧燃料を、内燃機関の各気筒毎に搭載された複数のインジェクタに分配供給し、各インジェクタの軸線方向の先端側に形成された噴射孔から内燃機関の各気筒毎の燃焼室内に燃料噴射する蓄圧式燃料噴射装置が知られている。
また、コモンレールに接続された複数のインジェクタは、各々異なる噴射時期に間欠的に開弁して燃料噴射を実施するように構成されている。このため、インジェクタが開弁した際にインジェクタ配管内の圧力が一時的に低下することになるので、インジェクタ配管内には、高圧と低圧との圧力脈動が発生し、この圧力脈動が圧力波(インジェクタの開閉に伴って発生した反射波)となって蓄圧室の内部に伝播する。
そこで、従来より、ある気筒のインジェクタの開閉により生じた反射波がコモンレールの蓄圧室の内部に伝播するのを抑制して、他の気筒の燃料噴射への影響を排除すると共に、ある気筒のインジェクタの開閉により生じた反射波を減衰させて、自気筒への次回噴射への影響を低減するという目的で、コモンレールのレール本体の各内外連通孔中、あるいは複数のインジェクタ配管とコモンレールのレール本体とを液密的に接続する配管継ぎ手の燃料通路中にオリフィス(固定絞り)を設置している。
ところが、従来のコモンレールにおいては、内燃機関の各気筒毎のインジェクタ内部に連通する内外連通孔中、あるいは配管継ぎ手の燃料通路中に設置されるオリフィスのオリフィス径自体に加工ばらつきがあり、また、内外連通孔中あるいは燃料通路中に単純にオリフィスを設置しただけでは、インジェクタの開閉により生じた反射波が、コモンレールの蓄圧室の内部に伝播するのを完全に抑制することはできなかった。
そこで、ある気筒のインジェクタからの反射波を減衰して、自気筒への次回噴射への影響、および他の気筒の燃料噴射への影響を排除するという目的で、コモンレールのレール本体の内外連通孔、あるいは配管継ぎ手の燃料通路を摺動可能なピストンにオリフィスを形成し、ピストンがコモンレールのレール本体内の圧力脈動および複数のインジェクタからの反射波に追従して、コモンレールのレール本体内の圧力脈動および複数のインジェクタからの反射波を減衰させるようにしたコモンレールが公知である(例えば、特許文献1参照)。
しかるに、特許文献1に記載のコモンレールにおいては、ピストンの軸線方向全体を貫通するようにオリフィスを形成しているので、オリフィスの加工長が長く、高精度な加工技術が要求されるオリフィス加工に必要なオリフィス加工時間が長くなり、コストアップとなるという問題があった。
したがって、コモンレールの蓄圧室の内部の圧力脈動が、自気筒または他の気筒のインジェクタの開弁時期、閉弁時期および燃料噴射圧力への影響を完全に排除できないため、噴射圧気筒間差および噴射量気筒間差を完全に小さく抑えることができなかった。
、オリフィスとオリフィス形成部材よりも燃料流方向の上流側または下流側の内外連通孔とを連通する大径孔を設け、この大径孔の内径をオリフィスの絞り径よりも大きくしているので、オリフィス形成部材の軸線方向の全長に対するオリフィスの加工長を短縮することができる。このため、高精度な加工技術が要求されるオリフィス加工に必要なオリフィス加工時間が短くなる。また、2つの第1、第2スプリングを必要としないため、部品点数を減少できるので、コストの上昇を抑えることができる。
請求項3に記載の発明によれば、オリフィス形成部材の軸線方向の移動範囲を規制するストッパを、オリフィス形成部材よりもシリンダの外部側(例えばシリンダの開口端近傍)に配設したことにより、シリンダの外部に向けて開口した開口端(シリンダ内部に形成される内外連通孔のうちで燃料流方向の上流側で開口した入口ポート、あるいはシリンダ内部に形成される内外連通孔のうちで燃料流方向の下流側で開口した出口ポート)からオリフィス形成部材が抜け落ちるのを防止できる。なお、ストッパを、シリンダに対して着脱自在に組み付けるように構成しても良い。
、配管の接続頭部を、シリンダの開口端に対して着脱自在に組み付けるように構成しても良い。
請求項6に記載の発明によれば、オリフィス形成部材の軸線方向の移動範囲を規制するストッパを、オリフィス形成部材よりもシリンダの蓄圧室側に配設しても良い。なお、ストッパを、シリンダに対して着脱自在に組み付けるように構成しても良い。
図1ないし図3は本発明の実施例1を示したもので、図1はコモンレール式燃料噴射システムを示した図で、図2はコモンレールを示した図で、図3(a)はオリフィスピストンの一例を示した図で、図3(b)はオリフィスピストンの他の例を示した図である。
雌ネジ部)44にネジ結合される外周ネジ部(雄ネジ部)45が形成されている。そして
、配管12の内部には、サプライポンプ2の吐出口から1つの内外連通孔33を経て蓄圧室31の内部に高圧燃料を導入するための燃料通路46が形成されている。また、各配管13の内部には、蓄圧室31の内部から各内外連通孔33を経て各気筒毎のインジェクタ4の内部に高圧燃料を供給するための燃料通路47が形成されている。
、13の接続頭部14の段差部を係止した状態で、配管締結ナット15の内周ネジ部44と配管締結部43の外周ネジ部45とを嵌合させて、配管締結部43の外周ネジ部45にねじ込むことで、配管12、13の接続頭部14の外周に形成される円錐台形状のシート面が、第1燃料ポート35の内径面(円錐台形状の受圧座面)に押し付けられて、配管12、13の接続頭部14とコモンレール3の配管締結部43との間が液密的に密閉化(メタルシール)される。
そして、各オリフィスピストン6の第1当接面および第1大径孔51とオリフィス7との間の第1段差面は、燃料圧力を受け止める第1受圧面として機能し、また、各オリフィスピストン6の第2当接面およびオリフィス7と第2大径孔52との間の第2段差面は、燃料圧力を受け止める第2受圧面として機能する。
次に、本実施例のコモンレール式燃料噴射システムの作用を図1ないし図3に基づいて簡単に説明する。
。これにより、オリフィスピストン6の位置がデフォルト位置(図2参照)にて規制される。
、シリンダ部34の第2燃料ポート36内に流入した高圧燃料は、レール本体5の円筒部32の内部に形成された蓄圧室31内に流入し、この蓄圧室31内で一時的に蓄圧される
。
。第1気筒に搭載されたインジェクタ4が開弁すると、レール本体5の円筒部32の蓄圧室31内に蓄圧されていた高圧燃料が、第1気筒に対応したシリンダ部34の第2燃料ポート36内に流入する。そして、シリンダ部34の第2燃料ポート36内に流入した高圧燃料は、オリフィスピストン6の第2受圧面に作用する。このとき、オリフィスピストン6の第2受圧面に燃料圧力が作用するため、オリフィスピストン6が図示上方に移動して
、オリフィスピストン6の第1当接面が、ストッパ37の第1規制面41に押し付けられる。これにより、オリフィスピストン6の位置がフルリフト位置にて規制される。
以上のように、本実施例のコモンレール3においては、図2に示したように、レール本体5の複数のシリンダ部34毎の各内外連通孔33内に摺動自在に各オリフィスピストン6が内蔵されている。また、各オリフィスピストン6の内部にオリフィス7が形成されている。
ここで、サプライポンプ2の内部においてカムによって駆動されるプランジャの往復直線運動によって、サプライポンプ2の吐出口から配管12を介してコモンレール3のレール本体5の蓄圧室31の内部に所定の周期毎に間欠的に高圧燃料が吐出されるように構成されている。このため、カムの形状に応じて配管12の燃料通路46内には、高圧が脈動的に発生し、この圧力脈動(サプライポンプ2の吐出脈動)が圧力波となってコモンレール3のレール本体5のシリンダ部34の内外連通孔33の内部に伝播する。
)を完全に小さく抑えることができる。また、コモンレール3のレール本体5の複数のシリンダ部34毎の各内外連通孔33から円筒部32の蓄圧室31の内部に伝播する圧力脈動(ある気筒のインジェクタ4の開閉により生じた反射波:圧力波)を完全に小さく抑えることができる。
)を形成し、シリンダ部34とストッパ37とをネジ結合する構成を採用しても良い。
各第2ストッパ56の第2環状端面には、各オリフィスピストン6がレール本体5の各シリンダ部34に対して相対変位した際に各オリフィスピストン6の軸線方向の移動範囲を規制する第2規制面42が設けられている。また、各第2ストッパ56の内部には、各内外連通孔33と各第2燃料ポート36とを連通する第2貫通孔62が形成されている。
そして、ライナー57は、このライナー57自身の内径面が所定の内径寸法となるように、つまり面精度が向上するように内径切削加工または内径研削加工等により仕上げられ
、ライナー57の内径面自体が、オリフィスピストン6の摺動面54が摺動可能な摺動面59を成している。
本実施例の場合には、実施例1のストッパ37の代わりに、配管12、13の接続頭部14の第1環状端面を、レール本体5の搬送時においてオリフィスピストン6が脱落するのを防止し、且つ各オリフィスピストン6のフルリフト量を規制するストッパとして使用している。これにより、実施例1のストッパ37を廃止できるので、部品点数や組付工数が減りコストダウンとなる。
図6は参考例1を示したもので、図6はコモンレールを示した図である。
なお、各第1ストッパ55の第1段差部(第1貫通孔61の開口周縁部)には、各コイルスプリング16のバネ荷重(スプリング荷重)を受け止める円環状の第1バネ座部65がそれぞれ設けられている。また、オリフィスバルブ9の第2段差部(小径部と大径部との間の段差部)には、各コイルスプリング16のバネ荷重(スプリング荷重)を受け止める円環状の第2バネ座部66がそれぞれ設けられている。
図7は参考例2を示したもので、図7はコモンレールを示した図である。
、コイルスプリング16および第1ストッパ55が1個ずつ収容されている。ここで、レール本体5は、内部に蓄圧室31が形成された円筒部32を有している。また、複数の配管締結部43は、円筒部32の外周面から円筒部32の半径方向の外径側に向けて突出するように設けられて、内部に内外連通孔33が形成されている。
雌ネジ部)69にネジ結合される外周ネジ部(雄ネジ部)45が形成されている。そして
、第1ストッパ55は、スリーブ部64の第1環状端面自体が、オリフィスバルブ9のフルリフト量を規制する第1規制面(第1バルブシート)41を成す。また、各配管締結部43は、その開口周縁部の第2環状端面自体が、オリフィスバルブ9のフルリフト量を規制する第2規制面(第2バルブシート)42を成す。すなわち、2つの第1、第2規制面41、42は、参考例1と同様に、各オリフィスバルブ9がレール本体5の各シリンダ部34に対して相対変位した際に各オリフィスバルブ9の軸線方向の移動範囲を規制する。
)である第2規制面42に押し付けられているため、仮に第1受圧面側の圧力が第2受圧面側の圧力より高くても、これ以上図示下方に移動することはない。
なお、各第1ストッパ55の第1段差部(第1貫通孔61の開口周縁部)には、各コイルスプリング16のバネ荷重(スプリング荷重)を受け止める円環状の第1バネ座部65がそれぞれ設けられている。また、オリフィスバルブ9の第2段差部(小径部と大径部との間の段差部)には、各コイルスプリング16のバネ荷重(スプリング荷重)を受け止める円環状の第2バネ座部66がそれぞれ設けられている。
。そして、各オリフィスバルブ9の大径部(最大外径部)の外部側の第1環状端面には、
各オリフィスバルブ9が各シリンダ部75に対して相対変位した際に、各シリンダ部75に圧入固定された各第1ストッパ55の第1規制面41に当接することが可能な第1当接面が設けられている。
圧力波)の減衰効果をより向上できる。また、本参考例のコモンレール3においては、レール本体5の複数のシリンダ部75毎の各第2内外連通孔74の内部に1個ずつコイルスプリング16が収容されているため、コイルスプリング16等の弾性部材(スプリング)の個数を必要最小限に抑えることができる。これにより、部品点数および組付工数を減少できるので、コスト削減を図ることができる。
図1ないし図5に示す本発明の実施例では、例えば低炭素鋼等の低硬度材料よりなる鍛造成形品またはプレス成形品によってレール本体5に、内部に蓄圧室31が形成された円筒形状の円筒部(筒部)32を設けているが、レール本体5に、内部に蓄圧室31が形成された楕円筒形状または長円筒形状の筒部を設けても良い。また、レール本体5にシリンダ部や管部を設けることなく、レール本体5の円筒部32に配管継ぎ手17を直接結合しても良い。なお、レール本体5と配管継ぎ手17との結合方法は、ネジ結合だけでなく、溶接手段を用いた接合であっても良い。
2 サプライポンプ(燃料供給ポンプ)
3 コモンレール
4 インジェクタ(内燃機関用燃料噴射弁)
5 レール本体
6 オリフィスピストン(オリフィス形成部材)
7 オリフィスピストンまたはオリフィスバルブのオリフィス(固定絞り)
9 オリフィスバルブ(オリフィス形成部材)
12 配管(高圧ポンプ配管)
13 配管(インジェクタ配管)
14 配管の接続頭部
15 配管締結ナット
16 コイルスプリング(荷重付与手段)
17 配管継ぎ手
31 円筒部の蓄圧室
32 レール本体の円筒部
33 レール本体の内外連通孔
34 レール本体のシリンダ部(シリンダ、管部)
37 ストッパ
41 第1規制面(第1ストッパ面)
42 第2規制面(第2ストッパ面)
46 配管内の燃料通路
47 配管内の燃料通路
51 オリフィスピストンまたはオリフィスバルブの第1大径孔
52 オリフィスピストンまたはオリフィスバルブの第2大径孔
55 第1ストッパ
56 第2ストッパ
57 シリンダ部のライナー
65 第1ストッパの第1バネ座部
66 オリフィスバルブの第2バネ座部
73 配管継ぎ手の第1内外連通孔
Claims (8)
- (a)内部に燃料の蓄圧室が形成された筒部と、
(b)この筒部の内部と外部とを連通する内外連通孔が形成された少なくとも1つ以上のシリンダと、
(c)このシリンダの内部に摺動自在に配設されて、内部の径方向中央にオリフィスが形成されたオリフィス形成部材と
を備えたコモンレールにおいて、
前記オリフィス形成部材は、前記内外連通孔の軸線方向に前記燃料以外から荷重を付与されることなく、前記シリンダの内部に摺動可能に配設されており、
前記オリフィス形成部材は、前記オリフィスよりも燃料流方向の上流側または下流側に
、前記オリフィスの絞り径よりも大きい内径の大径孔を有し、
前記大径孔は、前記オリフィスと前記オリフィス形成部材よりも燃料流方向の上流側または下流側の前記内外連通孔とを連通しており、
前記オリフィス形成部材は、前記シリンダの内径面に対して、前記内外連通孔の軸線方向に摺動可能な摺動面を有し、
前記オリフィス形成部材の摺動面は、前記オリフィスの通路長よりも長くなるように設けられていることを特徴とするコモンレール。 - (a)内部に燃料の蓄圧室が形成された筒部と、
(b)この筒部の内部と外部とを連通する内外連通孔が形成された少なくとも1つ以上のシリンダと、
(c)このシリンダの内部に摺動自在に配設されて、内部の径方向中央にオリフィスが形成されたオリフィス形成部材と
を備えたコモンレールにおいて、
前記オリフィス形成部材は、前記オリフィスよりも燃料流方向の上流側または下流側に
、前記オリフィスの絞り径よりも大きい内径の大径孔を有し、
前記大径孔は、前記オリフィスと前記オリフィス形成部材よりも燃料流方向の上流側または下流側の前記内外連通孔とを連通しており、
前記シリンダには、前記オリフィス形成部材の軸線方向の移動範囲を規制する一対のストッパが備えられており、
前記オリフィス形成部材は、前記ストッパに当接することにより移動範囲が規制されることを特徴とするコモンレール。 - 請求項1に記載のコモンレールにおいて、
前記オリフィス形成部材の軸線方向の移動範囲を規制するストッパを備え、
前記ストッパは、前記オリフィス形成部材よりも前記シリンダの外部側に配設されていることを特徴とするコモンレール。 - 請求項3に記載のコモンレールにおいて、
前記シリンダに液密的に結合すると共に、内部に前記内外連通孔に連通する燃料通路が形成された配管を備え、
前記シリンダは、前記配管側に向けて開口した開口端を有し、
前記配管は、前記シリンダの開口端に接続する接続頭部を有し、この接続頭部自体が前記ストッパを成すことを特徴とするコモンレール。 - 請求項1、3または4のうちのいずれか1つに記載のコモンレールにおいて、
前記シリンダは、自身の内径面が所定の寸法に仕上げられた筒状のライナーを有し、
前記ライナーは、前記ライナーの内径面自体が摺動面を成し、
前記オリフィス形成部材は、前記ライナーの摺動面との間にクリアランスを有していることを特徴とするコモンレール。 - 請求項1、3、4または5のうちのいずれか1つに記載のコモンレールにおいて、
前記オリフィス形成部材の軸線方向の移動範囲を規制するストッパを備え、
前記ストッパは、前記オリフィス形成部材よりも前記シリンダの蓄圧室側に配設されていることを特徴とするコモンレール。 - 請求項1、3、4または5のうちのいずれか1つに記載のコモンレールにおいて、
前記筒部は、内部に前記蓄圧室が形成されたレール本体であって、
前記シリンダは、前記レール本体の内部と外部の配管とを接続すると共に、内部に前記内外連通孔が形成された配管継ぎ手であって、
前記オリフィス形成部材は、前記配管継ぎ手の内部に摺動自在に収容されていることを特徴とするコモンレール。 - 請求項7に記載のコモンレールにおいて、
前記配管継ぎ手は、前記レール本体に向けて開口した開口端を有し、且つこの開口端近傍に、前記オリフィス形成部材の軸線方向の移動範囲を規制するストッパを有していることを特徴とするコモンレール。
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