JP2008163772A - 燃料制御弁 - Google Patents

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Abstract

【課題】 燃料噴射ノズルのハウジングからリテーニングナット10を取り外すことなく、スプリング5の初期セット荷重を変更できるようにすることを課題とする。
【解決手段】 インジェクタの各部品を組み付けた後に、燃料噴射ノズルのロアボデー1と締結されるリテーニングナット10の締結角度を変更することで、ロアボデー1、ノズルボデー2からリテーニングナット10を取り外すことなく、ロアボデー1の結合面とノズルボデー2の結合面との間に存在するギャップ37の幅を可変に制御可能となっている。これに伴って、スプリングシート6の第1座面とロッドプレッシャ7の第2座面との間に介装されているスプリング5のスプリング長が制御可能になり、スプリング5の初期セット荷重を容易に調整することができる。これにより、スプリング5の初期セット荷重の調整作業が大幅に簡略化される。
【選択図】 図2

Description

本発明は、スプリングの初期セット荷重を外部調整することが可能な燃料制御弁に関するもので、特にディーゼルエンジン等の内燃機関への燃料噴射を行う内燃機関用燃料噴射ノズルまたは内燃機関用燃料噴射弁に係わる。
[従来の技術]
近年、環境改善のためにエンジンの排気ガス規制が年々強化されており、PM排出量・NOx排出量およびCO2 排出量の低減が課題として開発が進められている。特に、ディーゼルエンジンは、その課題に対して、噴射特性の高精度化、噴射燃料の高圧化、多段噴射化等の技術の向上を求められている。
特に、内燃機関用燃料噴射ノズルまたは内燃機関用燃料噴射弁等の燃料制御弁の噴射特性バラツキの低減は、排気ガス規制の強化に伴い、今後ますます厳しい要求精度を必要とすることが予想されている。
従来より、ディーゼルエンジン等の内燃機関の燃料噴射装置に適用される燃料制御弁(内燃機関用燃料噴射弁)として、コモンレール内部に蓄圧された高圧燃料を、内燃機関の燃焼室に噴射供給するインジェクタが公知である(例えば、特許文献1参照)。このインジェクタは、燃料噴射ノズルと電磁弁とを一体化した電磁式燃料噴射弁である。
ここで、インジェクタに使用される燃料噴射ノズルは、図3に示したように、内燃機関への燃料噴射を行う噴孔部(燃料孔、噴射孔)111、およびこの噴孔部近傍に設けられた弁座部112を有するハウジングを備えている。
この燃料噴射ノズルのハウジングは、電磁弁のバルブボデーが締め付け固定されるロアボデー101と、このロアボデー101の軸線方向の一方側に結合されるノズルボデー102と、ロアボデー101の第1シール面(結合面)とノズルボデー102の第2シール面(結合面)との間にチップパッキン103を挟み込んだ状態で、ロアボデー101とノズルボデー102とを締め付けて結合させるリテーニングナット104とによって構成されている。ここで、チップパッキン103は、ロアボデー101およびノズルボデー102と同じ金属材料によって形成されている。すなわち、チップパッキン103は、ハウジングの軸線方向に弾性変形(伸縮)することはなく、ノズルニードル105のフルリフト量を規定する規制部材である。
そして、ロアボデー101の中心軸線上には、ノズルニードル105に閉弁方向のスプリング荷重を与えるスプリング106、およびノズルニードル105と連動するコマンドピストン107を内蔵するシリンダ孔113が設けられている。また、ノズルボデー102の中心軸線上には、ノズルニードル105を内蔵するノズル孔114が設けられている。なお、スプリング106は、ロアボデー101に設けられるスプリングシート115の座面とノズルニードル105に設けられるスプリングガイド116の座面との間に介装されている。
また、燃料噴射ノズルのハウジングの内部には、コモンレールから燃料溜まり室117に高圧燃料を導入するための高圧燃料通路121〜123が形成されている。また、ロアボデー101およびチップパッキン103の内部には、余剰燃料をインジェクタ外部へ排出するための燃料回収通路124、125が形成されている。
ここで、内燃機関への燃料噴射開始タイミングおよびノズル開弁圧力の調整は、スプリング106の初期スプリング荷重(初期セット荷重)を調整することで実施されている。このスプリング106の初期セット荷重の調整は、リテーニングナット104による各部品組付前に、スプリング106に接続するスプリングシート115の厚みを変更することで成されている。
[従来の技術の不具合]
ところが、従来の燃料噴射ノズルにおいては、ロアボデー101の外周にリテーニングナット104の内周を締結することで、ロアボデー101、ノズルボデー102およびチップパッキン103を一体結合している。
このため、燃料噴射ノズルの各部品を組み付けた後に、スプリング106の初期セット荷重を変更するという目的で、スプリングシート115の厚みを変更する際、つまりスプリングシート115を交換する際に、一度ロアボデー101の外周からリテーニングナット104を取り外して、ロアボデー101、ノズルボデー102およびチップパッキン103の一体構造を解消し、ロアボデー101の内部からスプリングシート115を取り出し、新たに厚さの異なるスプリングシート115をロアボデー101の内部に挿入する脱着作業を行う必要がある。
したがって、従来の燃料噴射ノズルにおいては、リテーニングナット104を取り外さなければスプリング106の初期セット荷重を変更することができず、スプリング106の初期セット荷重の調整に多大な工数を必要とするという問題が生じている。
特開2002−147310号公報(第1−5頁、図1−図3)
本発明の目的は、2つの第1、第2ボデーからナット部材を取り外すことなく、スプリングの初期セット荷重を変更できるようにすることで、スプリングの初期セット荷重の調整作業を大幅に簡略化することのできる燃料制御弁を提供することにある。
請求項1に記載の発明によれば、燃料制御弁のハウジングを、バルブおよびスプリングを収容する2つの第1、第2ボデーによって構成している。そして、スプリングの初期セット荷重を調整する荷重調整手段を、2つの第1、第2ボデー間に配置された弾性部材、および弾性部材を介して、2つの第1、第2ボデーを締め付けて結合させるナット部材によって構成している。
これによって、ハウジング(2つの第1、第2ボデー)の内部にバルブおよびスプリングを収容し、2つの第1、第2ボデー間に弾性部材を挟み込んだ状態で、第1ボデーまたは第2ボデーにナット部材を締め付ける各部品組付時、あるいは各部品組付後に、スプリングの初期セット荷重の調整または変更する場合には、第1ボデーまたは第2ボデーに対するナット部材の締結角度(締め付け力)を調整または変更することで、2つの第1、第2ボデー間に挟み込まれている弾性部材がハウジング(2つの第1、第2ボデー)の軸線方向に弾性変形する。
この弾性部材が軸線方向に伸縮することにより、2つの第1、第2ボデー間に形成される軸線方向隙間(ギャップ)の軸線方向距離が調整または変更されるので、ハウジング(2つの第1、第2ボデー)の内部に収容されているスプリングのスプリング長が調整または変更される。
したがって、第1ボデーまたは第2ボデーに対するナット部材の締結角度(締め付け力)を調整または変更することで、スプリングのスプリング長を調整または変更できるので、2つの第1、第2ボデーからナット部材を取り外すことなく、スプリングの初期セット荷重を変更できるようになる。これにより、ナット部材によって2つの第1、第2ボデーを締め付けて結合した後(各部品組付後)の、スプリングの初期セット荷重の調整作業を大幅に簡略化することができる。
請求項2に記載の発明によれば、第1ボデーまたは第2ボデーにナット部材を締結することで、弾性部材が、2つの第1、第2ボデー間に挟み込まれて保持されている。
請求項3に記載の発明によれば、2つの第1、第2ボデーの硬度よりも軟らかい材料によって弾性部材が形成されている。
請求項4に記載の発明によれば、2つの第1、第2ボデー間に、弾性部材の軸線方向の伸縮量(弾性変形量)に応じて軸方向距離が変化するギャップ(軸線方向隙間)を形成している。これによって、弾性部材が軸線方向に伸縮することにより、ギャップの軸線方向距離が調整または変更されるので、スプリングのスプリング長が調整または変更される。
請求項5に記載の発明によれば、2つの第1、第2ボデーの各結合面(第1ボデーの結合端面、第2ボデーの結合端面)は、ハウジングの軸線方向のギャップを隔てて対向している。
そして、2つの第1、第2ボデーの各結合面のうちの少なくとも一方の結合面に、2つの第1、第2ボデーの中心軸線から外れた位置に高圧燃料通路および燃料回収通路が開口している。
そして、高圧燃料通路および燃料回収通路よりも外部側の位置で、且つ2つの第1、第2ボデーの各結合面における最大外径部に沿って弾性部材を配置することにより、2つの第1、第2ボデーの各結合面間に形成されるギャップから外部へ燃料が洩れ出ることはない。
ここで、高圧燃料通路とは、燃料を加圧して高圧化する燃料噴射ポンプより吐出される高圧燃料が流れる燃料通路のことである。この高圧燃料通路は、ハウジング(2つの第1、第2ボデー)の燃料入口部から燃料孔へと延びている。なお、燃料孔が第1ボデーに設けられる場合には、燃料入口が第2ボデーに設けられ、また、燃料孔が第2ボデーに設けられる場合には、燃料入口が第1ボデーに設けられる。
また、燃料回収通路とは、燃料制御弁として燃料噴射装置に使用される燃料噴射弁または燃料噴射ノズルを採用した場合、内燃機関への燃料噴射に寄与しなかった余剰燃料、あるいは燃料制御弁の各摺動部より溢流した余剰燃料(リーク燃料)を、燃料系の低圧側(例えば燃料タンク等)に戻すための燃料通路のことである。この燃料回収通路は、2つの第1、第2ボデーの各結合面のうちの少なくとも一方の結合面から燃料出口部(リークポート)へと延びている。
請求項6に記載の発明によれば、第1ボデーの結合面における最大外径部に、弾性部材の軸線方向の一端面に液密的に密着する環状の第1密着面を設け、また、第2ボデーの結合面における最大外径部に、弾性部材の軸線方向の他端面に液密的に密着する環状の第2密着面を設けることにより、2つの第1、第2ボデーの各結合面間に形成されるギャップから外部へ燃料が洩れ出ることはない。
なお、外部への燃料洩れが発生した場合には、例えばエンジンオイル中に燃料が混入し、内燃機関の摺動部の潤滑性が低下する等の不具合が発生する場合がある。
請求項7に記載の発明によれば、第1ボデーの内部に、高圧燃料をハウジング内部に導入するための燃料入口部、およびこの燃料入口部から第1ボデーの結合面側へと延びる第1高圧燃料通路を形成している。また、第2ボデーの内部に、内燃機関への燃料噴射を行う燃料孔、および第2ボデーの結合面から燃料孔側へと延びる第2高圧燃料通路を形成している。
請求項8に記載の発明によれば、2つの第1、第2ボデーの各結合面(第1ボデーの結合端面、第2ボデーの結合端面)が、ハウジングの軸線方向のギャップを隔てて対向している場合には、第1ボデー側の第1高圧燃料通路と第2ボデー側の第2高圧燃料通路との接続箇所(突き合わせ部)が、軸線方向のギャップを隔てて離れている。
そこで、第1ボデー側の第1高圧燃料通路と第2ボデー側の第2高圧燃料通路との突き合わせ部に、内部に第1ボデー側の第1高圧燃料通路と第2ボデー側の第2高圧燃料通路とを連通する燃料中継通路が形成された中間部材を配置している。
これによって、第1ボデー側の第1高圧燃料通路と第2ボデー側の第2高圧燃料通路との突き合わせ部が、中間部材によって密閉シールされるので、第1ボデー側の第1高圧燃料通路と第2ボデー側の第2高圧燃料通路との突き合わせ部から高圧燃料が洩れ出ることはない。
請求項9に記載の発明によれば、第1ボデー側の第1高圧燃料通路または第2ボデー側の第2高圧燃料通路の(各結合面側の)通路壁面に中間部材を圧入嵌合することにより、第1ボデー側の第1高圧燃料通路または第2ボデー側の第2高圧燃料通路の通路壁面と、中間部材の外周側のシール面との間に形成される高圧シール面に加わる面圧を、中間部材の内部(燃料中継通路)を通過する高圧燃料の圧力によって生じる、第1、第2高圧燃料通路の軸線方向に対して垂直な半径方向の力によって向上できるので、その高圧シール面から高圧燃料が洩れ出ることはない。
請求項10に記載の発明によれば、第1ボデー側の第1高圧燃料通路または第2ボデー側の第2高圧燃料通路の(各結合面側の)通路壁面に、中間部材との間に軸線方向のクリアランスを形成する段差面を設けることにより、第1ボデー側の第1高圧燃料通路と第2ボデー側の第2高圧燃料通路との突き合わせ部に中間部材が配置されている場合であっても、そのクリアランス分だけ、2つの第1、第2ボデー間に挟み込まれる弾性部材を、ハウジング(2つの第1、第2ボデー)の軸線方向に伸縮(弾性変形)させることができる。
請求項11に記載の発明によれば、バルブに、スプリングの荷重を受け止める座部を設け、また、ハウジング(2つの第1、第2ボデーのうちの少なくとも一方のボデー、例えばスプリングを内蔵するボデー)に、バルブに設けられる座部との間に、所定の軸線方向隙間を隔てて対向する座面を設けている。そして、スプリングを、バルブに設けられる座部とハウジングに設けられる座面との間に設置している。
これによって、弾性部材が軸線方向に伸縮することにより、バルブに設けられる座部とハウジングに設けられる座面との間に形成される軸線方向隙間(ギャップ)の軸線方向距離が調整または変更されるので、バルブに設けられる座部とハウジングに設けられる座面との間に介装されているスプリングのスプリング長が調整または変更される。
請求項12に記載の発明によれば、第1ボデーに、スプリングを収容する第1軸方向孔、およびスプリングの軸線方向の一端が接続する第1座面を設けている。そして、第2ボデーに、燃料孔、およびバルブを収容する第2軸方向孔を設けている。そして、バルブに、スプリングの軸線方向の他端が接続する第2座面を設けている。
これによって、弾性部材が軸線方向に伸縮することにより、第1ボデーの第1軸方向孔の内部に設けられる第1座面とバルブに設けられる第2座面との間に形成される軸線方向隙間(ギャップ)の軸線方向距離が調整または変更されるので、2つの第1、第2座面間に介装されているスプリングのスプリング長が調整または変更される。
請求項13に記載の発明によれば、燃料が通過する燃料孔を、内燃機関への燃料噴射を行う噴孔部(所謂噴射孔)としても良い。この場合には、ハウジングの内部を高圧燃料が流れる。すなわち、ハウジングの内部に、ハウジング(2つの第1、第2ボデー)の燃料入口部から燃料孔へと延びる高圧燃料通路が形成される。なお、噴孔部が第1ボデーに設けられる場合には、燃料入口が第2ボデーに設けられ、また、噴孔部が第2ボデーに設けられる場合には、燃料入口が第1ボデーに設けられる。
本発明を実施するための最良の形態は、ナット部材によって2つの第1、第2ボデーを締め付けて結合した後(各部品組付後)の、スプリングの初期セット荷重の調整作業を大幅に簡略化するという目的を、2つの第1、第2ボデー間に弾性部材を配置し、2つの第1、第2ボデー間に形成される軸線方向隙間(ギャップ)の軸線方向距離を、第1ボデーまたは第2ボデーに対するナット部材の締結角度(締め付け力)によって調整できるようにして、2つの第1、第2ボデーからナット部材を取り外すことなく、スプリングの初期セット荷重を変更できるようにすることで実現した。
[実施例1の構成]
図1および図2は本発明の実施例1を示したもので、図1はインジェクタを示した図で、図2は燃料噴射ノズルの主要構造を示した図である。
本実施例の内燃機関用燃料噴射装置は、例えば自動車等の車両に搭載される多気筒ディーゼルエンジン等の内燃機関(以下エンジンと言う)の各気筒の燃焼室内に高圧燃料を噴射供給するコモンレール式燃料噴射システム(蓄圧式燃料噴射装置)である。
このコモンレール式燃料噴射システムは、燃料系の低圧側である燃料タンクから低圧燃料を汲み上げるフィードポンプを内蔵したサプライポンプと、このサプライポンプの燃料吐出口から高圧燃料が導入されるコモンレールと、このコモンレールの各燃料出口から高圧燃料が分配供給される複数のインジェクタとを備え、コモンレール内部に蓄圧された高圧燃料を各インジェクタを介してエンジンの各気筒毎の燃焼室内に噴射供給するように構成されている。
サプライポンプは、フィードポンプから電磁弁を経由して加圧室内に吸入した燃料を加圧して高圧化し、この高圧燃料をコモンレールに圧送供給する燃料噴射ポンプ(燃料供給ポンプ)である。サプライポンプの電磁弁は、フィードポンプから加圧室内への燃料の吸入量を調整することで、サプライポンプの燃料吐出口より吐出される燃料吐出量を制御する燃料調量弁である。
コモンレールの内部には、エンジンの各気筒毎の燃焼室内に噴射供給する燃料の噴射圧力に相当する高圧燃料を蓄圧する蓄圧室が形成されている。
ここで、本実施例のインジェクタは、本発明の燃料制御弁として使用されている。このインジェクタとしては、コモンレール内部に蓄圧された高圧燃料を、直接燃焼室内に霧状に噴射供給する直接噴射タイプの内燃機関用燃料噴射弁(ディーゼルエンジン用のインジェクタ)が採用されている。
また、本実施例のインジェクタとしては、エンジンの各気筒毎の燃焼室内への燃料噴射を行うインジェクタ本体(以下燃料噴射ノズルと言う)と、この燃料噴射ノズルのハウジング(2つのロアボデー1、ノズルボデー2)に締め付け固定された電磁弁とを一体化した電磁式燃料噴射弁が採用されている。
本実施例のインジェクタの電磁弁は、コマンドピストン3および燃料噴射ノズルのバルブ(弁体:以下ノズルニードルと言う)4を、スプリング5の付勢力(スプリング荷重)に抗して開弁方向に駆動する電磁式アクチュエータである。
燃料噴射ノズルのロアボデー1と電磁弁自身のバルブボデーとの間にチップパッキン(オリフィスプレート)11を挟み込んだ状態で、リテーニングナットを燃料噴射ノズルのロアボデー1の軸線方向の図示上端側に締め付けて結合することで、燃料噴射ノズルのロアボデー1の軸線方向の図示上端側に電磁弁が一体的に組み付けられている。
ここで、燃料噴射ノズルのロアボデー1およびオリフィスプレート11には、通過する燃料の流量を調節するための入口側、出口側オリフィス12、13が形成されている。なお、本実施例では、燃料噴射ノズルのロアボデー1に電磁弁を締結固定するためのリテーニングナットが、インジェクタのアッパーボデーを構成している。また、オリフィスプレート11のみに、入口側、出口側オリフィス12、13が共に形成されていても良い。
電磁弁は、燃料噴射ノズルのロアボデー1の内周に締め付け固定されるバルブボデーと、電磁弁の弁孔(オリフィスプレート11の出口側オリフィス13)を開閉するバルブと、バルブを閉弁方向に付勢するスプリング14と、通電されると磁力を発生するコイル15を有する電磁石と、アーマチャ室16の内部に移動自在に収容されたアーマチャ17と、内部にアーマチャ室16を形成するハウジング18とを備えている。
ここで、電磁弁のハウジング18は、リテーニングナットやコネクタハウジング等を含んで構成されており、アーマチャ室16に溢流した余剰燃料を燃料系の低圧側である燃料タンクに戻すためのリークポート19が形成されたトップリターンチューブを有している。また、電磁弁のバルブボデーの中心軸線上には、アーマチャ17の軸状部を摺動自在に保持する摺動孔が設けられている。
電磁弁のアーマチャ17は、電磁石と共に磁気回路を形成するもので、バルブボデーの摺動孔に摺動自在に支持される軸状部、およびこの軸状部の電磁石側(コイル側)に設けられたフランジ部等を有している。
そして、アーマチャ17は、コイル15が通電されると磁化されて、電磁石の磁極面側に吸引される。これにより、バルブがオリフィスプレート11の弁座部(バルブシート)より離脱して出口側オリフィス13を開放する。
また、アーマチャ17は、コイル15への通電が停止されると、スプリング14の付勢力(スプリング荷重)によって閉弁方向に移動してバルブをオリフィスプレート11のバルブシートに押し当てる。これにより、バルブがオリフィスプレート11のバルブシートに着座して出口側オリフィス13を閉鎖する。
ここで、サプライポンプの電磁弁のコイル、および複数のインジェクタの各電磁弁のコイル15への供給電流量は、インジェクタ駆動回路(EDU)を含んで構成されるエンジン制御ユニット(以下ECUと呼ぶ)によって制御されるように構成されている。
ECUには、EDUの他に、CPU、ROM、RAM等を含んで構成される周知のマイクロコンピュータが内蔵されている。また、マイクロコンピュータは、イグニッションスイッチがオン(IG・ON)されると、ROM等のメモリ内に格納された制御プログラムに基づいて、エンジンの各気筒毎の燃焼室内への燃料噴射圧力、各インジェクタの燃料噴射時期(燃料噴射タイミング)、および各インジェクタからの燃料噴射量等を演算し、サプライポンプの電磁弁のコイルへの供給電流量(所謂ポンプ駆動電流)、および複数のインジェクタの各電磁弁のコイル15への供給電流量(所謂インジェクタ駆動電流)を電子制御する。
本実施例の燃料噴射ノズルは、エンジンの各気筒毎に対応してシリンダヘッドに搭載されており、コマンドピストン3、ノズルニードル4、スプリング5、スプリングシート6およびロッドプレッシャ7を内蔵するハウジングと、スプリング5の初期セット荷重を調整する初期セット荷重調整手段(弾性部材8、中間部材9およびリテーニングナット10等により構成される)とを備えている。
燃料噴射ノズルのハウジングは、コモンレールより分岐するインジェクタ配管の燃料流方向の下流端に接続される円筒状のロアボデー(第1ボデー)1と、エンジンの各気筒の燃焼室内に燃料噴射を行うノズル噴孔部を有する円筒状のノズルボデー(第2ボデー)2とを備え、リテーニングナット10をロアボデー1の軸線方向の図示下端側(ノズルボデー側)の外周に締め付けることで、ロアボデー1とノズルボデー2とが締結一体化されている。なお、ロアボデー1とノズルボデー2とは、ハウジングの軸線方向に2分割されている。
そして、燃料噴射ノズルのハウジングの内部には、ハウジングの燃料入口部からハウジングの各部(圧力制御室21、燃料溜まり室22、ノズル噴孔部)へと延びる高圧燃料通路23〜26、およびロアボデー1の結合面からハウジングの燃料出口部へと延びる燃料回収通路(リーク燃料通路)27が形成されている。
ここで、リテーニングナット10は、ロアボデー1の結合面(円環状の第1密着面)29および第1高圧シール部とノズルボデー2の結合面(円環状の第2密着面)30および第2高圧シール部との間に、弾性部材8および中間部材9を挟み込んだ状態で、ロアボデー1の外周に締め付け固定されている。
なお、ロアボデー1の第1高圧シール部は、中間部材9の外周面(第1シール面)と高圧燃料通路24の結合面側の通路壁面(第1圧入孔31の孔壁面)との間に形成される円筒状の第1高圧シール面のことである。この第1高圧シール面は、高圧燃料通路24の軸線方向(燃料流方向)に対して平行な方向(ロアボデー1の軸線方向)に設けられる。また、ノズルボデー2の第2高圧シール部は、中間部材9の外周面(第2シール面)と高圧燃料通路25の結合面側の通路壁面(第2圧入孔32の孔壁面)との間に形成される円筒状の第2高圧シール面のことである。この第2高圧シール面は、高圧燃料通路25の軸線方向(燃料流方向)に対して平行な方向(ノズルボデー2の軸線方向)に設けられる。
ロアボデー1は、円筒状のインジェクタボデー(インジェクタのロアボデー)であって、例えば炭素鋼(クロム・モリブデン鋼等)よりなる金属材料によって円筒形状に形成されている。このロアボデー1は、高圧燃料の圧力に対して変形しない程度の硬度(剛性)を有している。
そして、ロアボデー1は、内部にコマンドピストン3が挿入される円筒形状のシリンダを有している。ロアボデー1の内部、つまりシリンダの中心軸線上には、オリフィスプレート11の密着面に液密的に密着する結合面(密着面)よりノズルボデー側へと真っ直ぐに延びるシリンダ孔(第1軸方向孔)33が設けられている。
そして、ロアボデー1のシリンダ孔33の図示上方側には、単純な丸穴形状の摺動孔(第1摺動孔)34が形成されている。また、ロアボデー1のシリンダ孔33の図示下方側には、シリンダ孔33の中間部分よりも孔径が大きい単純な丸穴形状のスプリング収容室35が形成されている。
このスプリング収容室35の内部には、ロッドプレッシャ7のバネ座面との間に所定の軸線方向隙間を隔てて対向するバネ座面を有するスプリングシート6が、シリンダ孔33の中間部分とスプリング収容室35との間に形成される段差面36に当接するように挿入されている。
また、ロアボデー1のシリンダ内部には、コモンレールから供給された高圧燃料を、ロアボデー1の内部(圧力制御室21)およびノズルボデー2の内部(燃料溜まり室22)に導入するための高圧燃料通路23、24が設けられている。
ここで、圧力制御室21よりも燃料流方向の上流側は、入口側オリフィス12を介して、高圧燃料通路23に連通し、また、圧力制御室21よりも燃料流方向の下流側は、オリフィスプレート11の出口側オリフィス13を介して、電磁弁側のアーマチャ室16に連通している。そして、圧力制御室21は、内部に導入される燃料の油圧力が、ノズルニードル4の閉弁方向に作用する第1圧力室(背圧制御室、第1燃料室)としての機能を有している。
また、ロアボデー1のシリンダの中心軸線上から図示右寄りに外れた位置には、高圧燃料通路23の途中から、中間部材9および2つの第1、第2高圧シール部へと真っ直ぐに延びる高圧燃料通路(第1高圧燃料通路)24が設けられている。
また、ロアボデー1のシリンダの中心軸線上から図示左寄りに外れた位置には、余剰燃料を燃料系の低圧側に排出するための燃料回収通路27が設けられている。この燃料回収通路27内に流入した余剰燃料は、電磁弁側のアーマチャ室16、トップリターンチューブのリークポート19およびリターン燃料配管を経て燃料タンクに戻される。
ここで、高圧燃料通路24、燃料回収通路27およびシリンダ孔33(スプリング収容室35)は、ノズルボデー2の結合面との間に所定の軸線方向隙間(ギャップ)37を隔てて対向するロアボデー1の結合面で開口している。そして、このロアボデー1の結合面における最大外径部には、弾性部材8の軸線方向の一端面(密着面)に液密的に密着する円環状の第1密着面29が設けられている。この第1密着面近傍の結合面には、燃料回収通路27とスプリング収容室35とを連通する連通溝38が形成されている。
また、ロアボデー側の高圧燃料通路24の開口端近傍には、中間部材9の軸線方向の一端を圧入する第1圧入孔31が形成されている。この第1圧入孔31は、その上流側の高圧燃料通路24よりも孔径が大きい単純な丸穴形状の嵌合凹部である。そして、高圧燃料通路24の通路壁面には、ロアボデー1の第1高圧シール部側(ロアボデー1の結合面側)に、中間部材9の軸線方向の一方側の第1環状端面との間に、軸線方向の第1クリアランス39を形成する円環状の第1段差面が設けられている。
また、ロアボデー1の外周には、リテーニングナット10を締め付け固定するための雄ネジ部40が形成されている。
ノズルボデー2は、例えば炭素鋼(クロム・モリブデン鋼等)よりなる金属材料によって円筒形状に形成されている。ノズルボデー2は、高圧燃料の圧力に対して変形しない程度の硬度(剛性)を有している。
そして、ノズルボデー2の中心軸線方向の先端側(図示下端側)には、内部に円錐形状空間を形成する逆円錐形状のシート面(弁座部)41が設けられている。このシート面41は、ノズルニードル4の全閉位置を規定している。また、シート面41を有するブロック(ノズルボデー2の先端壁部)には、燃料噴射を行うノズル噴孔部(複数の噴射孔42)が設けられている。つまり、ノズル噴孔部は、ノズルボデー2の弁座部近傍に設けられている。
そして、ノズルボデー2の内部、つまりノズルボデー2の中心軸線上には、ロアボデー1の密着面に液密的に密着する密着面よりノズル噴孔部側へと真っ直ぐに延びるノズル孔(第2軸方向孔)43が設けられている。ノズルボデー2のノズル孔43の図示上端側には、単純な丸穴形状の摺動孔44が形成されている。
また、ノズルボデー2のノズル孔43の中間部分には、ノズル孔43および摺動孔44よりも孔径が拡げられた燃料溜まり室22が設けられている。この燃料溜まり室22は、ロアボデー1から内部に導入される燃料の油圧力が、ノズルニードル4の開弁方向に作用する第2圧力室(油溜まり室、第2燃料室)としての機能を有している。
また、ノズルボデー2の内部には、中間部材9および2つの第1、第2高圧シール部から燃料溜まり室22へ斜めに延びる高圧燃料通路(第2高圧燃料通路)25が形成されている。また、ノズルボデー2のノズル孔43のうちで、燃料溜まり室22よりも図示下方側には、燃料溜まり室22からノズル噴孔部側へと真っ直ぐに延びる高圧燃料通路26が形成されている。
ここで、高圧燃料通路25およびノズル孔43(摺動孔44)は、ロアボデー1の結合面との間に所定のギャップ37を隔てて対向するノズルボデー2の結合面で開口している。そして、このノズルボデー2の結合面における最大外径部には、弾性部材8の軸線方向の他端面(密着面)に液密的に密着する円環状の第2密着面30が設けられている。
また、ノズルボデー側の高圧燃料通路25の開口端近傍には、中間部材9の軸線方向の他端を圧入する第2圧入孔32が形成されている。この第2圧入孔32は、その下流側の高圧燃料通路25よりも孔径が大きい単純な丸穴形状の嵌合凹部である。そして、高圧燃料通路25の通路壁面には、ノズルボデー2の第2高圧シール部側(ノズルボデー2の結合面側)に、中間部材9の軸線方向の他方側の第2環状端面との間に、軸線方向の第2クリアランス45を形成する円環状の第2段差面が設けられている。
本実施例のコマンドピストン3は、例えば炭素鋼(クロム・モリブデン鋼等)よりなる金属材料によって丸棒形状に形成されている。このコマンドピストン3は、ロアボデー1の中心軸線上に設置されており、ノズルニードル4と同一軸線上に配設されている。そして、コマンドピストン3は、ノズルニードル4に連動して中心軸線方向(図示上下方向)に往復移動する。
そして、コマンドピストン3には、ロアボデー1に摺動自在に支持される摺動部46、およびこの摺動部46よりも外径が小さい軸方向部47が設けられている。なお、コマンドピストン3の摺動部46の摺動面は、ロアボデー1のシリンダ孔33の図示上方側に設けられる摺動孔34の孔壁面に対して摺動可能となっている。また、コマンドピストン3の摺動部46の図示上端部は、ノズルニードル4のフルリフト時に、圧力制御室21内の燃料圧力を受ける第1燃料受圧部となる。
また、コマンドピストン3の軸方向部47の先端面(図示下端面)には、ノズルニードル4のニードル頭部51の図示上端面と当接する円形状の当接面が設けられている。
本実施例のノズルニードル4は、例えば炭素鋼(クロム・モリブデン鋼等)よりなる金属材料によって丸棒形状に形成されている。このノズルニードル4は、ノズルボデー2の中心軸線上に設置されている。そして、ノズルニードル4は、ノズルボデー2の先端側に設けられるテーパ状のシート面41に対して着座、離脱して、ノズル噴孔部を閉塞、開放する。
そして、ノズルニードル4には、円柱形状のニードル頭部51、およびこのニードル頭部51よりも外径が大きい摺動部52が設けられている。なお、ノズルニードル4の摺動部52の摺動面は、ノズルボデー2のノズル孔43の図示上方側に設けられる摺動孔44の孔壁面に対して摺動可能となっている。
また、ノズルニードル4のニードル頭部51の外周には、スプリング5のスプリング荷重を受け止める座面を有するロッドプレッシャ7が嵌め合わされている。このロッドプレッシャ7は、ニードル頭部51の周囲に設けられる円環状の段差面53に常に当接している。
また、ノズルニードル4には、摺動部52とこの摺動部52よりも外径が小さい軸方向部54との間に小径部55が設けられている。そして、ノズルニードル4には、摺動部52と小径部55との間に円錐台形状の段差面56が設けられている。この段差面56は、ノズルニードル4のリフト開始時に、燃料溜まり室22内の燃料圧力を受ける第2燃料受圧部となる。
また、軸方向部54よりも図示下方側、つまりノズルニードル4の軸線方向の図示下端側には、概略2段または概略3段の円錐形状面が設けられている。なお、円錐形状面は、ノズルニードル4の燃料流方向の下流側の先端部(噴孔部側端部)に設けられる。そして、それらの円錐形状面間に設けられる円環状の稜線(エッジ)には、ノズルボデー2のシート面41に液密的に接触(着座)するシート部が設けられている。
そして、ノズルニードル4は、ノズルボデー2のノズル孔43とノズルニードル4の軸方向部54との間に所定のクリアランスを保って往復移動自在に収容されている。このクリアランスは、高圧燃料通路26として利用される。
本実施例のスプリング5は、ノズルニードル4(ロッドプレッシャ7)に対して、ノズルニードル4をノズルボデー2のシート面41に押し当てる方向にスプリング荷重を発生する荷重付与手段(ニードル付勢手段)である。
このスプリング5としては、ロアボデー1の軸線方向に弾性変形が可能なコイルスプリング、特にロッドプレッシャ7を介して、ノズルボデー2のノズル噴孔部(複数の噴射孔42)を閉じる方向(閉弁方向)にノズルニードル4を常に付勢する圧縮コイルスプリング(等ピッチコイルスプリングまたは不等ピッチコイルスプリング)が採用されている。
そして、スプリング5は、ロアボデー1のスプリング収容室35の内部において、コマンドピストン3の軸線方向の図示下端側の周囲を取り囲むように収容されている。また、スプリング5は、スプリングシート6の図示下端面(第1座面)とロッドプレッシャ7の図示上端面(第2座面)との間に設置されている。すなわち、スプリング5の軸線方向の一端(図示上端)は、スプリングシート6の第1座面に直接的に接続しており、また、スプリング5の軸線方向の他端(図示下端)は、ロッドプレッシャ7の第2座面に直接的に接続している。
ここで、スプリング5の初期セット荷重は、材質を同一、コイル断面径を同一、コイルピッチを同一とした場合、スプリング5のスプリング長によって決定される。すなわち、スプリング5の初期セット荷重は、ロアボデー1の結合面とノズルボデー2の結合面との間に形成されるギャップ37の軸線方向距離、およびスプリングシート6の第1座面とロッドプレッシャ7の第2座面との間に形成される軸線方向隙間の軸線方向距離によって決定される。
なお、スプリング5の軸線方向の一端が、ロアボデー1のスプリング収容室35の段差面36に直接的に接続していても良い。また、スプリング5の軸線方向の他端が、ノズルニードル4の段差面53に直接的に接続していても良い。これらの場合には、ロアボデー1に設けられる段差面(第1座面)36とノズルニードル4に設けられる段差面(第2座面)56との間に形成される軸線方向隙間の軸線方向距離によってスプリング5の初期セット荷重が決定される。
スプリングシート6は、ロアボデー1の段差面36に当接するように、ロアボデー1のスプリング収容室35の内部に挿入されている。このスプリングシート6の内部には、コマンドピストン3の軸方向部47が挿通する挿通孔59が形成されている。そして、スプリングシート6の図示下端面には、スプリング5の軸線方向の一端を保持する円環状の第1座面が形成されている。なお、スプリングシート6の厚みを変更することで、スプリング5の初期セット荷重を調整しても良い。
ロッドプレッシャ7は、ノズルニードル4の段差面53に当接するように、コマンドピストン3の軸方向部47とノズルニードル4のニードル頭部51との当接部の外周、およびニードル頭部51の外周に嵌め合わされている。なお、本実施例では、ノズルニードル4のシート部がノズルボデー2のシート面41に着座している時(ノズルニードル4の全閉時)に、ロッドプレッシャ7の軸線方向の図示下方側(ニードル側)が、ロアボデー1の結合面とノズルボデー2の結合面との間に形成されるギャップ37の内部に位置している。このとき、ロッドプレッシャ7の軸線方向の図示上方側(ピストン側)は、ロアボデー1のスプリング収容室35の開口端に配設されている。
そして、ロッドプレッシャ7は、スプリング5のスプリング荷重を受け止める座部(ノズルニードル4の座部)を構成している。そして、ロッドプレッシャ7の図示上端面には、スプリング5の軸線方向の他端を保持する円環状の第2座面が形成されている。また、ロッドプレッシャ7の第2座面は、スプリングシート6の第1座面との間に所定の軸線方向隙間を隔てて対向している。
弾性部材8は、ハウジング(2つのロアボデー1、ノズルボデー2)の軸線方向に弾性変形が可能な弾性変形部材であって、例えば鉄鋼材等の金属材料によって円環形状に形成されている。この弾性部材8は、ハウジング(2つのロアボデー1、ノズルボデー2)および中間部材9の硬度よりも軟らかい硬度(剛性)を有している。
そして、弾性部材8としては、スプリング5のスプリング荷重に対して変形しない程度の板バネや皿バネが採用されている。そして、弾性部材8は、ロアボデー1の外周にリテーニングナット10を締め付ける(締結する)ことで、ロアボデー1の第1密着面29とノズルボデー2の第2密着面30との間に挟み込まれて保持されている。
そして、弾性部材8は、ロアボデー1の最大外径部(最大外周部)およびノズルボデー2の最大外径部(最大外周部)に沿って配置されている。また、弾性部材8は、高圧燃料通路24、25の突き合わせ部(高圧シール部)、燃料回収通路27、シリンダ孔33(スプリング収容室35)およびノズル孔43(摺動孔44)よりも外部側の位置に配置されている。
そして、弾性部材8は、内部に開口部(ギャップ37)が形成された円環部(リング部)を有している。弾性部材8の開口部は、燃料噴射ノズルの各摺動部より溢流したリーク燃料や燃料噴射に寄与しなかった余剰燃料を燃料回収通路27に導くリーク燃料通路としての機能を有している。また、弾性部材8の開口部の内部には、ノズルニードル4のニードル頭部51およびロッドプレッシャ7が軸線方向に移動自在に収容されている。
ここで、本実施例では、ロアボデー1の最大外径部の外径がノズルボデー2の最大外径部の外径よりも大きいため、ロアボデー1の最大外径部の外径と弾性部材8の外径とが略同一で、ノズルボデー2の最大外径部の外径よりも弾性部材8の外径の方が大きい。
そして、弾性部材8の軸線方向の一端側の円環状端面(弾性部材8の円環部の第1結合端面)は、ロアボデー1の第1密着面29に液密的に密着する第1シール面を形成している。また、弾性部材8の軸線方向の他端側の円環状端面(弾性部材8の円環部の第2結合端面)は、ノズルボデー2の第2密着面30に液密的に密着する円環状の第2シール面を形成している。
そして、本実施例の燃料噴射ノズルのハウジングは、ロアボデー1の第1密着面29と弾性部材8の第1シール面との間に形成される第1密閉シール面、およびノズルボデー2の第2密着面30と弾性部材8の第2シール面との間に形成される第2密閉シール面を有している。第1密閉シール面は、ロアボデー1、ロアボデー側の高圧燃料通路24および燃料回収通路27の軸線方向に対して垂直な半径方向に設けられる。また、第2密閉シール面は、ノズルボデー2、ノズルボデー側の高圧燃料通路25の軸線方向に対して垂直な半径方向に設けられる。
中間部材9は、例えば燃料噴射ノズルのハウジング(2つのロアボデー1、ノズルボデー2)と同一の金属材料によって円筒形状に形成されている。
この中間部材9は、ロアボデー1の第1高圧シール部とノズルボデー2の第2高圧シール部との間に配設されている。特に、中間部材9は、ロアボデー側の高圧燃料通路24とノズルボデー側の高圧燃料通路25との突き合わせ部に配置されている。
そして、中間部材9は、内部に単純な丸孔形状の燃料中継通路61が形成された円筒部を有している。燃料中継通路61は、ロアボデー側の高圧燃料通路24とノズルボデー側の高圧燃料通路25とを連通する連通路である。
そして、中間部材9の円筒部の軸線方向の一端は、ロアボデー側の高圧燃料通路24(ロアボデー1の第1圧入孔31)の内部に挿入されて、高圧燃料通路24の開口端側の通路壁面(第1圧入孔31の孔壁面)に圧入嵌合(締まり嵌め)されている。
また、中間部材9の円筒部の軸線方向の他端は、ノズルボデー側の高圧燃料通路25(ノズルボデー2の第2圧入孔32)の内部に挿入されて、高圧燃料通路25の開口端側の通路壁面(第2圧入孔32の孔壁面)に圧入嵌合(締まり嵌め)されている。
すなわち、中間部材9は、ロアボデー1の第1高圧シール部(高圧燃料通路24)およびノズルボデー2の第2高圧シール部(高圧燃料通路25)にそれぞれ圧入されている。これにより、中間部材9は、ロアボデー側の高圧燃料通路24とノズルボデー側の高圧燃料通路25との突き合わせ部、つまりロアボデー1の第1高圧シール部とノズルボデー2の第2高圧シール部との間を液密的に密閉シールするシール部材としての機能を有している。
そして、中間部材9の円筒部の軸線方向の一方側の第1環状端面は、ロアボデー側の高圧燃料通路24の通路壁面に設けられる第1段差面との間に、第1クリアランス39を有している。また、中間部材9の円筒部の軸線方向の他方側の第2環状端面は、ノズルボデー側の高圧燃料通路25の通路壁面に設けられる第2段差面との間に、第2クリアランス45を有している。
なお、中間部材9の第1環状端面とロアボデー1の第1段差面との間に形成される第1クリアランス39、あるいは中間部材9の第2環状端面とノズルボデー2の第2段差面との間に形成される第2クリアランス45のいずれか一方のクリアランスを廃止しても良い。
リテーニングナット10は、例えばハウジング(2つのロアボデー1、ノズルボデー2)と同一の金属材料によって円筒形状に形成されている。
このリテーニングナット10は、弾性部材8を介して、ロアボデー1の第1密着面29とノズルボデー2の第2密着面30とを所定のネジ締結軸力(締結角度、締め付け力)で密着させて、ロアボデー1とノズルボデー2とを締め付けて結合させるナット部材である。
そして、リテーニングナット10には、ノズルボデー2の軸線方向の中間部に設けられる円環状の肩部62の荷重を受け止める円環状の座面を有する円筒部63、およびこの円筒部63の外周端より図示上方へと延びる円筒部64が設けられている。
この円筒部64は、段差65よりも図示下方側に小径部を有し、段差65よりも図示上方側に小径部よりも外径の大きい大径部を有している。また、円筒部64の大径部の内周には、ロアボデー1の雄ネジ部40と締結される雌ネジ部66が設けられている。
また、円筒部63の外周には、例えばトルクレンチやラチェットレンチ等の工具と係合する係合部67が設けられている。
[実施例1の調整方法]
次に、本実施例のスプリング5の初期セット荷重の調整方法を図1および図2に基づいて簡単に説明する。
本実施例のインジェクタの燃料噴射ノズルでは、インジェクタの各部品を組み付けた後にスプリング5の初期セット荷重を調整・変更する場合、次のようにして行う。
トルクレンチやラチェットレンチ等の工具を、リテーニングナット10の係合部67に係合させて、ロアボデー1に対するリテーニングナット10の締結角度を変更(増加または減少)させる。
ここで、ロアボデー1に対するリテーニングナット10の締結角度を増加した場合、つまりロアボデー1の雄ネジ部40に対してリテーニングナット10の雌ネジ部66がより締まるように回した場合には、ロアボデー1の第1密着面29とノズルボデー2の第2密着面30との間に挟み込まれている弾性部材8がハウジングの軸線方向に弾性変形(収縮変形)する。
そして、弾性部材8が軸線方向に収縮することにより、ロアボデー1の結合面とノズルボデー2の結合面との間に存在するギャップ37の幅(軸線方向距離、ギャップ長)が短縮される。このとき、ロアボデー側の高圧燃料通路24とノズルボデー側の高圧燃料通路25との突き合わせ部に配置されている中間部材9における、ロアボデー側の第1圧入孔31またはノズルボデー側の第2圧入孔32に対する嵌入量が増える。このため、中間部材9の第1環状端面とロアボデー1の第1段差面との間に形成される第1クリアランス39、あるいは中間部材9の第2環状端面とノズルボデー2の第2段差面との間に形成される第2クリアランス45のいずれか一方のクリアランスも狭くなる。
また、ノズルニードル4は、そのシート部がノズルボデー2の先端側に設けられるシート面41に着座している。また、スプリングシート6は、ロアボデー1の段差面36に当接するように、ロアボデー1のスプリング収容室35の内部に挿入されている。また、ロッドプレッシャ7は、ノズルニードル4の段差面53に当接するように、コマンドピストン3とノズルニードル4との当接部の外周に嵌合している。
これによって、弾性部材8の弾性変形量(伸縮量、収縮量)に応じてギャップ37の幅(軸線方向距離、ギャップ長)が短縮される。これに伴って、スプリングシート6の第1座面とロッドプレッシャ7の第2座面との軸線方向隙間の軸線方向距離も、弾性部材8の弾性変形量(伸縮量、収縮量)に応じて、ギャップ37の幅の変化分だけ短くなる。
したがって、スプリングシート6の第1座面とロッドプレッシャ7の第2座面との間に介装されているスプリング5のスプリング長が調整または変更されるため、スプリング5の初期セット荷重が増加する側に変更される。これにより、インジェクタのノズル開弁圧力が高くなり、燃料噴射タイミングが遅くなる。
また、ロアボデー1に対するリテーニングナット10の締結角度を減少した場合、つまりロアボデー1の雄ネジ部40に対してリテーニングナット10の雌ネジ部66が緩むように回した場合には、弾性部材8がハウジングの軸線方向に弾性変形(伸長変形)する。 そして、弾性部材8が軸線方向に伸長することにより、ギャップ37の幅が伸長される。このとき、中間部材9における、ロアボデー側の第1圧入孔31またはノズルボデー側の第2圧入孔32に対する嵌入量が減る。このため、中間部材9の第1環状端面とロアボデー1の第1段差面との間に形成される第1クリアランス39、あるいは中間部材9の第2環状端面とノズルボデー2の第2段差面との間に形成される第2クリアランス45のいずれか一方のクリアランスも広くなる。
これによって、弾性部材8の弾性変形量(伸縮量、収縮量)に応じてギャップ37の幅(軸線方向距離、ギャップ長)が伸長される。これに伴って、スプリングシート6の第1座面とロッドプレッシャ7の第2座面との軸線方向隙間の軸線方向距離も、弾性部材8の弾性変形量(伸縮量、収縮量)に応じて、ギャップ37の幅の変化分だけ長くなる。
したがって、スプリングシート6の第1座面とロッドプレッシャ7の第2座面との間に介装されているスプリング5のスプリング長が調整または変更されるため、スプリング5の初期セット荷重が減少する側に変更される。これにより、インジェクタのノズル開弁圧力が低くなり、燃料噴射タイミングが早くなる。
[実施例1の作用]
次に、本実施例のコモンレール式燃料噴射システムの作用を図1および図2に基づいて簡単に説明する。
コモンレールから供給される高圧燃料は、インジェクタのハウジング(ロアボデー1)の燃料入口部からロアボデー側の高圧燃料通路23の内部に流入する。この高圧燃料通路23の内部に流入した高圧燃料は、ロアボデー1(またはオリフィスプレート11)の入口側オリフィス12を経て、圧力制御室21の内部に流入する。
一方、高圧燃料通路23の内部に流入した高圧燃料は、この高圧燃料通路23の途中で分岐したロアボデー側の高圧燃料通路24の内部に流入する。この高圧燃料通路24の燃料流方向の下流端に到達した高圧燃料は、中間部材9の燃料中継通路61およびノズルボデー側の高圧燃料通路25を経て、燃料溜まり室22の内部に流入する。これによって、ノズルニードル4は、圧力制御室21内の燃料圧力によって押し下げる方向(閉弁方向)の力を受けると共に、燃料溜まり室22内の燃料圧力によって押し上げる方向(開弁方向)の力を受けることになる。
ここで、ECUにより電磁弁のコイル15への通電が成されず、電磁弁のバルブがオリフィスプレート11のバルブシートに着座して出口側オリフィス13を塞いでいる場合には、燃料溜まり室22の内部および圧力制御室21の内部が高圧燃料で満たされている。したがって、ノズルニードル4の段差面(第2燃料受圧部)56にて燃料溜まり室22内の燃料圧力を受ける受圧面積よりも、コマンドピストン3の摺動部46の図示上端部(第1燃料受圧部)にて圧力制御室21内の燃料圧力を受ける受圧面積の方が大きく、しかもスプリング5によってノズルニードル4に対して、ノズルニードル4を閉弁方向(噴射孔42を閉じる側)に付勢する付勢力(スプリング荷重)が加わっている。
すなわち、ノズルニードル4には、コマンドピストン3を介して伝達される圧力制御室21内の燃料圧力による押し下げる方向(閉弁方向)の力(F1)と、スプリング5のスプリング荷重による押し下げる方向(閉弁方向)の力(F2)と、燃料溜まり室22内の燃料圧力による押し上げる方向(開弁方向)の力(F3)とが働いており、F1+F2>F3が成立している。このため、ECUにより電磁弁のコイル15への通電が成されず、電磁弁のバルブが閉弁している場合には、全体として図1および図2にて図示下向きの力が勝ることになる。その結果、電磁弁の閉弁時には、ノズルニードル4のシート部がノズルボデー2のシート面41に押さえ付けられて(着座し)、ノズルニードル4のシート部がノズルボデー2のノズル噴孔部を塞いでいる。
したがって、当該インジェクタは、ノズルニードル4が閉弁した閉弁状態となり、エンジンの気筒の燃焼室内には燃料の噴射が成されない。
一方、ECUにより電磁弁が開弁駆動されると、つまりECUにより電磁弁のコイル15への通電が成されて、アーマチャ17がオリフィスプレート11のバルブシートより引き離されると、電磁弁のバルブがオリフィスプレート11の出口側オリフィス13を開放し、電磁弁のバルブが開弁する。そして、電磁弁のバルブが開弁すると、コモンレールから導入されて圧力制御室21内に充満していた高圧燃料が、オリフィスプレート11の出口側オリフィス13を経て、電磁弁側のアーマチャ室16の内部に流出する。
このため、圧力制御室21内の燃料圧力が急激に低下し、F1+F2<F3が成立すると、燃料溜まり室22内の燃料圧力による押し上げる方向(開弁方向)の力によってコマンドピストン3およびノズルニードル4が上昇し(リフトを開始し)、ノズルニードル4のシート部がノズルボデー2のシート面41から離れる(離脱、離間する)。その結果、ノズルニードル4が開弁した開弁状態となり、燃料溜まり室22内の高圧燃料が、高圧燃料通路26を経てノズル噴孔部から噴射される。
したがって、当該インジェクタは、エンジンの気筒の燃焼室内への燃料の噴射を開始する。
その後、ECUにより電磁弁のコイル15への通電が停止されて、スプリング14の付勢力(スプリング荷重)によりアーマチャ17が閉弁方向に移動すると、バルブがオリフィスプレート11の出口側オリフィス13を塞ぎ、電磁弁のバルブが閉弁する。そして、電磁弁のバルブが閉弁すると、圧力制御室21内の燃料圧力が急激に上昇し、F1+F2>F3が成立するため、コマンドピストン3およびノズルニードル4が閉弁方向に移動する。その結果、当該インジェクタは、ノズルニードル4のシート部がノズルボデー2のシート面41に押さえ付けられ、ノズルボデー2のノズル噴孔部を塞ぎ、ノズルニードル4が閉弁した閉弁状態に戻ることになる。よって、燃料噴射が終了する。
[実施例1の効果]
以上のように、本実施例のインジェクタの燃料噴射ノズルにおいては、インジェクタの各部品を組み付けた後に、燃料噴射ノズルのハウジング(ロアボデー1)の雄ネジ部40と締結される雌ネジ部66を有するリテーニングナット10の締結角度を変更することで、燃料噴射ノズルのロアボデー1、ノズルボデー2からリテーニングナット10を取り外すことなく、ロアボデー1の結合面とノズルボデー2の結合面との間に存在するギャップ37の幅を可変に制御可能となっている。
これに伴って、スプリングシート6の第1座面とロッドプレッシャ7の第2座面との軸線方向隙間の軸線方向距離も可変に制御可能となるので、スプリングシート6の第1座面とロッドプレッシャ7の第2座面との間に介装されているスプリング5のスプリング長が制御可能になり、ノズルニードル4をその軸線方向に作動させるための初期セット荷重を自由に制御可能となる。
したがって、燃料噴射ノズルのロアボデー1、ノズルボデー2からリテーニングナット10を取り外すことなく、リテーニングナット10の締結角度を調整することで、スプリング5の初期セット荷重を容易に調整することができるので、インジェクタの各部品を組み付けた後の、スプリング5の初期セット荷重の調整作業を大幅に簡略化することができる。
これによって、インジェクタの燃料噴射ノズルを分解することなく、インジェクタのノズル開弁圧力および燃料噴射タイミングを外部調整することができるので、インジェクタの燃料噴射ノズルの燃料噴射特性(燃料噴射時期、燃料噴射量等の特性)の調整が容易となる。
また、本実施例の燃料噴射ノズルのハウジングは、ロアボデー1の雄ネジ部40に対してリテーニングナット10の雌ネジ部66を締結する際に生じるネジ締結軸力によって、ロアボデー1の第1密着面29と弾性部材8の第1シール面とが液密的に密着し、また、ノズルボデー2の第2密着面30と弾性部材8の第2シール面とが液密的に密着するので、ロアボデー1の第1密着面29と弾性部材8の第1シール面との間に形成される第1高圧シール面およびノズルボデー2の第2密着面30と弾性部材8の第2シール面との間に形成される第2高圧シール面から高圧燃料が洩れ出ることはない。
また、中間部材9は、ロアボデー側の高圧燃料通路24(ロアボデー1の第1圧入孔31)に対する圧入構造、およびノズルボデー側の高圧燃料通路25(ノズルボデー2の第2圧入孔32)に対する圧入構造と、ロアボデー側の高圧燃料通路24、燃料中継通路61、ノズルボデー側の高圧燃料通路25を通過する高圧燃料の燃料圧力によって生じる、中間部材9の中心軸線方向に対して垂直な半径方向(放射方向)への力により、ロアボデー側の高圧燃料通路24、燃料中継通路61、ノズルボデー側の高圧燃料通路25を通過する高圧燃料が、ロアボデー1の結合面とノズルボデー2の結合面との間に存在するギャップ37の内部に洩れ出るのを防止することができる。したがって、エンジンの各気筒毎の燃焼室内へ噴射される燃料の噴射圧力が低下することはない。
[変形例]
本実施例では、本発明の燃料制御弁(内燃機関用燃料噴射弁または内燃機関用燃料噴射ノズル)を、コモンレールの内部に蓄圧した高圧燃料を、エンジンの各気筒の燃焼室内に噴射供給する蓄圧式燃料噴射装置に使用されるインジェクタ(例えば電磁式燃料噴射弁)に適用した例を説明したが、本発明の燃料制御弁を、列型燃料噴射ポンプや分配型燃料噴射ポンプ等の燃料噴射ポンプから燃料溜まり室の内部に直接圧送され、燃料溜まり室内の燃料圧力がスプリング(バネ)の付勢力(バネ荷重)よりも大きくなるとニードルが開弁して、エンジンの各気筒の燃焼室内に燃料を噴射供給する内燃機関用燃料噴射装置に使用される燃料噴射ノズル(内燃機関用燃料噴射ノズル)に適用しても良い。
また、本発明の燃料制御弁として、例えば内燃機関の燃焼室に燃料を噴射供給する電磁式燃料噴射弁よりなるインジェクタだけでなく、内燃機関の燃焼室に燃料を噴射供給する圧電方式の燃料噴射弁よりなるインジェクタを採用しても良い。また、燃料噴射ノズルと電磁弁等のアクチュエータとが別体の燃料噴射弁(燃料噴射ノズル)を採用しても良い。また、内燃機関の気筒または吸気ポートまたは吸気バルブに燃料を噴射供給するガソリンエンジン用のフューエルインジェクタを燃料制御弁(内燃機関用燃料噴射弁または内燃機関用燃料噴射ノズル)として用いても良い。
また、内燃機関の燃料噴射装置に使用される燃料噴射ポンプに内蔵される電磁弁、吸入弁、吐出弁、あるいはインジェクタ用電磁弁を、本発明の燃料制御弁として用いても良い。また、内燃機関の燃料噴射装置に使用される燃料圧力制御弁、燃料圧力安全弁、燃料通路切替弁、燃料通路開閉弁、燃料通路遮断弁、燃料流方向切替弁、逆流防止弁を、本発明の燃料制御弁として用いても良い。これらの場合には、ハウジングの軸線方向に2分割される2つの第1、第2ボデーのいずれか一方のボデーに、燃料が通過する燃料孔を形成し、一方のボデー内部に燃料孔を開閉するバルブを内蔵し、2つの第1、第2ボデーのいずれか他方のボデーの内部にバルブを全閉位置または全開位置に付勢するスプリングを内蔵する。すなわち、燃料孔は、内燃機関への燃料噴射を行う噴射孔だけでなく、フィードポンプから燃料噴射ポンプの加圧室に燃料を供給するための燃料孔、燃料噴射ポンプやコモンレールから燃料系の低圧側(例えば燃料タンク等)に燃料を排出するための燃料孔であっても良い。
本実施例では、ノズルボデー(ハウジング)2のシート面(弁座部)41に対して着座、離脱してノズル噴孔部(噴射孔42)を閉鎖、開放するノズルニードル(バルブ)4と、このノズルニードル4に対し、ノズルニードル4をノズルボデー2のシート面41に押し当てる方向に荷重を与えるスプリング5とを備えた燃料制御弁(インジェクタ、内燃機関用燃料噴射弁または内燃機関用燃料噴射ノズル)を採用しているが、ハウジングの弁座部に対して着座、離脱して燃料孔を閉鎖、開放するバルブと、このバルブに対し、バルブを全閉位置または全開位置に押し当てる方向に荷重を与えるスプリングとを備えた燃料制御弁を採用しても良い。ここで、バルブの全閉位置とは、ハウジングの燃料孔の開度または燃料孔を通過する燃料の流量が、バルブの作動可能範囲において最小となるバルブ位置のことである。また、バルブの全開位置とは、ハウジングの燃料孔の開度または燃料孔を通過する燃料の流量が、バルブの作動可能範囲において最大となるバルブ位置のことである。
インジェクタを示した概略断面図である(実施例1)。 燃料噴射ノズルの主要構造を示した断面図である(実施例1)。 燃料噴射ノズルの主要構造を示した断面図である(従来の技術)。
符号の説明
1 ロアボデー(燃料噴射ノズルのハウジング、第1ボデー)
2 ノズルボデー(燃料噴射ノズルのハウジング、第2ボデー)
4 ニードル(燃料噴射ノズルのバルブ、弁体)
5 スプリング(荷重付与手段)
6 スプリングシート(ハウジングの座面、第1ボデーの第1座面)
7 ロッドプレッシャ(バルブの座部、バルブの第2座面)
8 弾性部材(荷重調整手段)
9 中間部材(荷重調整手段)
10 リテーニングナット(荷重調整手段、ナット部材)
21 ロアボデーの圧力制御室
22 ノズルボデーの燃料溜まり室
24 ロアボデーの高圧燃料通路(第1高圧燃料通路)
25 ノズルボデーの高圧燃料通路(第2高圧燃料通路)
27 ロアボデーの燃料回収通路
29 ロアボデーの第1密着面(第1ボデーの結合面)
30 ノズルボデーの第2密着面(第2ボデーの結合面)
31 ロアボデーの第1圧入孔
32 ノズルボデーの第2圧入孔
33 ロアボデーのシリンダ孔(第1軸方向孔)
37 ギャップ
39 第1クリアランス
41 ノズルボデーのシート面(ハウジングの弁座部)
42 ノズルボデーの噴射孔(ハウジングの燃料孔)
43 ノズルボデーのノズル孔(第2軸方向孔)
45 第2クリアランス
61 中間部材の燃料中継通路

Claims (13)

  1. (a)燃料が通過する燃料孔を有するハウジングと、
    (b)このハウジング内部に収容されて、前記燃料孔を開閉するバルブと、
    (c)このバルブに対し前記バルブを全閉位置または全開位置に押し当てる方向に荷重を与えるスプリングと、
    (d)このスプリングの初期セット荷重を調整する荷重調整手段と
    を備えた燃料制御弁において、
    前記ハウジングは、前記バルブおよび前記スプリングを収容する2つの第1、第2ボデーを有し、
    前記荷重調整手段は、前記2つの第1、第2ボデー間に配置された弾性部材、およびこの弾性部材を介して、前記2つの第1、第2ボデーを締め付けて結合するナット部材を有していることを特徴とする燃料制御弁。
  2. 請求項1に記載の燃料制御弁において、
    前記弾性部材は、前記第1ボデーまたは前記第2ボデーに前記ナット部材を締結することで、前記2つの第1、第2ボデー間に挟み込まれて保持されていることを特徴とする燃料制御弁。
  3. 請求項1または請求項2に記載の燃料制御弁において、
    前記弾性部材は、前記2つの第1、第2ボデーの硬度よりも軟らかい材料によって形成されていることを特徴とする燃料制御弁。
  4. 請求項1ないし請求項3のうちのいずれか1つに記載の燃料制御弁において、
    前記2つの第1、第2ボデー間には、前記弾性部材の軸線方向の伸縮量に応じて軸線方向距離が変化するギャップが形成されていることを特徴とする燃料制御弁。
  5. 請求項1ないし請求項5のうちのいずれか1つに記載の燃料制御弁において、
    前記2つの第1、第2ボデーは、その軸線方向のギャップを隔てて対向する結合面をそれぞれ有し、
    前記2つの第1、第2ボデーの各結合面のうちの少なくとも一方の結合面には、前記2つの第1、第2ボデーの中心軸線から外れた位置に高圧燃料通路および燃料回収通路が開口しており、
    前記弾性部材は、前記高圧燃料通路および前記燃料回収通路よりも外部側の位置で、且つ前記2つの第1、第2ボデーの各結合面における最大外径部に沿って配置されていることを特徴とする燃料制御弁。
  6. 請求項5に記載の燃料制御弁において、
    前記第1ボデーの結合面における最大外径部には、前記弾性部材の軸線方向の一端面に液密的に密着する環状の第1密着面が設けられており、
    前記第2ボデーの結合面における最大外径部には、前記弾性部材の軸線方向の他端面に液密的に密着する環状の第2密着面が設けられていることを特徴とする燃料制御弁。
  7. 請求項1ないし請求項6のうちのいずれか1つに記載の燃料制御弁において、
    前記第1ボデーの内部には、高圧燃料を前記ハウジング内部に導入するための燃料入口部、およびこの燃料入口部から前記第1ボデーの結合面側へと延びる第1高圧燃料通路が形成されており、
    前記第2ボデーの内部には、前記燃料孔、および前記第2ボデーの結合面から前記燃料孔側へと延びる第2高圧燃料通路が形成されていることを特徴とする燃料制御弁。
  8. 請求項7に記載の燃料制御弁において、
    前記荷重調整手段は、前記第1高圧燃料通路と前記第2高圧燃料通路との突き合わせ部に、内部に前記第1高圧燃料通路と前記第2高圧燃料通路とを連通する燃料中継通路が形成された中間部材を有していることを特徴とする燃料制御弁。
  9. 請求項8に記載の燃料制御弁において、
    前記中間部材は、前記第1高圧燃料通路または前記第2高圧燃料通路の通路壁面に圧入嵌合されていることを特徴とする燃料制御弁。
  10. 請求項9に記載の燃料制御弁において、
    前記第1高圧燃料通路または前記第2高圧燃料通路の通路壁面には、前記中間部材との間に軸線方向のクリアランスを形成する段差面が設けられていることを特徴とする燃料制御弁。
  11. 請求項1ないし請求項10のうちのいずれか1つに記載の燃料制御弁において、
    前記バルブは、前記スプリングの荷重を受け止める座部を有し、
    前記ハウジングは、前記座部との間に所定の軸線方向隙間を隔てて対向する座面を有し、
    前記スプリングは、前記座部と前記座面との間に設置されていることを特徴とする燃料制御弁。
  12. 請求項1ないし請求項11のうちのいずれか1つに記載の燃料制御弁において、
    前記第1ボデーは、前記スプリングを収容する第1軸方向孔、およびこの第1軸方向孔の内部に設けられて、前記スプリングの軸線方向の一端が接続する第1座面を有し、
    前記第2ボデーは、前記燃料孔、および前記バルブを収容する第2軸方向孔を有し、
    前記バルブは、前記第1座面との間に所定の軸線方向隙間を隔てて対向し、前記スプリングの軸線方向の他端が接続する第2座面を有していることを特徴とする燃料制御弁。
  13. 請求項1ないし請求項12のうちのいずれか1つに記載の燃料制御弁において、
    前記燃料孔は、内燃機関への燃料噴射を行う噴孔部であることを特徴とする燃料制御弁。
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