JP4441716B2 - ソフトカプセル - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は審美性に優れたソフトカプセルに関する。より詳細には本発明はカプセル皮膜中に所望量の香料を含有しながらもカプセル全体として透明度が高く、審美性とフレーバー性を兼ね備えたソフトカプセルに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、油性薬物や油性食品の製剤化にソフトカプセル皮膜が広く使用されている。かかるカプセル皮膜は、(1)充填内容物と外部酸素との接触を遮断して充填物の劣化を防止すること、(2)消化器内で容易に崩壊溶解して充填内容物が放出されること、(3)可食性であること、(4)所定の皮膜強度及び伸縮性を有すること等といった特性を備えることが要求される。しかしながら、近年のソフトカプセルの多用途化、並びに消費者の嗜好の変化やニーズ及び価値観の多様化に伴って、上記に掲げる製剤上要求される特性に加えて、(5)服用しやすいこと、(6)美味しいこと、(7)口内で所望の呈味を発現すること(フレーバー性、刺激性等)(8)口内で心地よい感触を有すること、(9)見た目が美しいこと(審美性)、(10)高級感があること、等の特性が求められている。
【0003】
このため、従来からソフトカプセルに上記(5)〜(10)の特性を付与するために種々の提案がなされている。例えば、食用油充填カプセルの油っぽさを改善して風味を向上させるためにカプセルの被膜中にステビオサイドを配合すること(特開昭57−29248号)、口内でのベタツキ感を低減しながらも咀嚼性を付与するためにゼラチンにグリセリンや糖類等の可塑剤を特定量配合すること(特開平10−273436号)等が提案されている。
【0004】
【本発明が解決しようとする課題】
本発明は、近年のソフトカプセルの多用途化並びに消費者の嗜好性の多様化に鑑みて、高い透明度を有しながらも風味や食感に優れた、審美性とフレーバー性(呈味性、香味性)を兼ね備えたソフトカプセル、特に可食性のソフトカプセルを提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題に基づいて、口に含んだときに心地よい味覚や香味が発現するフレーバー感に優れたソフトカプセルを開発すべく鋭意研究を重ねていたが、その研究過程で、上記効果を発揮する有効量の香料をソフトカプセル用の皮膜基材に配合すると、本来透明感に優れた皮膜基材の透明感が損なわれ、ソフトカプセルの審美性が著しく低下するという問題が生じることがわかった。かかる知見に基づいて、本発明者らは、皮膜の透明性を維持しながらもフレーバー感に優れたソフトカプセル皮膜を求めて日夜研究を進めていたところ、ソフトカプセル全体として透明性を有しながらも優れたフレーバー感を発揮し得る香料の特定濃度を見出し、またその濃度を境に香料含量の異なる少なくとも2種の基材からなる皮膜を外皮として備えたソフトカプセルが上記所望の特性を備えていることを見出した。本発明は、かかる知見に基づいて開発されたものである。
【0006】
すなわち、本発明は、下記(a)〜(f)に掲げるソフトカプセルである:
(a)香料含量の異なる少なくとも2種の基材から構成されるカプセル皮膜を有するソフトカプセルであって、1の基材に含まれる香料含量が基材主成分100重量%に対して0〜0.5重量%であって、他の1の基材に含まれる香料含量が基材主成分100重量%に対して0.5〜40重量%であることを特徴とするソフトカプセル。
(b)基材主成分100重量%に対して0.5重量%の割合で香料を含有するカプセル皮膜を有するソフトカプセル。
(c)基材の主成分がゼラチンである(a)または(b)記載のソフトカプセル。
(d)少なくとも1の基材中に、基材主成分100重量部に対して甘味料をショ糖換算で0.1〜10重量%の割合で含有する(a)乃至(c)のいずれかに記載ののソフトカプセル。
(e)カプセル皮膜で被包された充填内容物が透明性を有するものである(a)乃至(d)のいずれかに記載のソフトカプセル。
(f)可食性カプセルである(a)乃至(e)のいずれかに記載のソフトカプセル。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明のソフトカプセルは、ソフトカプセル皮膜に香料を配合することによって口内で所望のフレーバー感を発揮するとともに、見た目の透明感を損なわず、高品質の清澄性を備えた清涼感乃至は高級感のあるソフトカプセルであることを特徴とするものである。
【0008】
上記の特徴を有するソフトカプセルは、充填内容物を被包するカプセル皮膜として香料含量の異なる少なくとも2種の基材から構成される皮膜を有し、該1の基材に含まれる香料量を基材の主成分100重量%に対して0〜0.5重量%とし、他の1の基材に含まれる香料量を基材主成分100重量%に対して0.5〜40重量%とすることによって調製することができる。
【0009】
ここでカプセル皮膜内に充填される内容物は、用いるカプセル皮膜基材に適合するものであって、カプセル全体としての清澄性、透明性、クリア感、高級感、清涼感を損なわないものであればよく、その限りにおいて溶液状、半固体状、固体状又はゲル状等の任意の形態を採ることができる。好ましくは透明性に優れた清澄液体である。
【0010】
尚、上記の限りにおいて充填内容物の種類も特に制限されることはない。好ましくは可食性物であり、例えば可食性油脂や該油脂を含む食品、ビタミン、ミネラル、鉱油等を含む栄養補強剤、医薬品などの組成物を挙げることができる。より具体的には、ビタミンA類及び誘導体、ビタミンD類、ビタミンE類及び誘導体、ビタミンK類、γ−オリザノール、リノレン酸、カロチン類などの脂溶性成分;中鎖脂肪酸トリグリセリド、大豆油、小麦胚芽油、トウモロコシ油、綿実油、オリーブ油、ゴマ油、サンフラワー油、落花生油、ナタネ油、ヒマワリ油、パセリ油等の可食性油脂;その他、食品フレーバー、香料等を例示することができる。なお、これらの成分中にはその成分の清澄性及び透明性を損なわない範囲で、甘味料などの呈味料、色素や顔料等の着色料、安定剤、保存剤等の各種添加剤を配合することができる。なお、ここで香料として、例えばレモンオイル、オレンジオイル、グレープフルーツオイル、ライムオイル、ペパーミント、スペアミント、ハッカ等の精油を挙げることができる。
【0011】
本発明においてカプセル皮膜を構成する基材としては、可食性でそれ自体透明性に優れているものを好適に挙げることができる。例えば従来公知のゼラチンを主成分とするゼラチン皮膜用基材;寒天を主成分とする寒天皮膜用基材;ジェランガムを主成分とするジェランガム皮膜用基材;アルギニン酸またはアルギン酸の塩を主成分とするカプセル皮膜用基材;ペクチン、カラギーナン、カルボキシメチルセルロース(CMC)、アラビアガム、キサンタンガム、ローカストビーンガム、タラガム、プルラン等の各種のハイドロコロイドを主成分とするハイドロコロイド皮膜用基材などを挙げることができる。中でも、特に寒天、ゼラチン、ジェランガムを主成分とする基材が透明性等の点で好ましい。
【0012】
通常ゼラチン皮膜用基材は、ゼラチン、可塑剤及び水を含むゼラチン皮膜液から調製される。
【0013】
ここで用いられるゼラチンには、ゼラチン、酸性ゼラチン、アルカリ性ゼラチン、ペプタイドゼラチン、低分子ゼラチン、ゼラチン誘導体等がいずれも包含される。
【0014】
また、可塑剤としては、グリセリン;プロピレングルコールやポリエチレングリコール等のグリコール類;コーンシロップ、スクロース、フルクトース、ソルビトール、マンニトール等の液状糖類;結晶セルロース、デンプン類、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、エチルセルロースなどの水不溶性セルロース等を挙げることができる。なお、これらの可塑剤は1種単独で使用しても、また2種以上を任意に組み合わせて使用することもできる。好ましくはグリセリンであり、とりわけ濃グリセリンが好ましい。
【0015】
通常ゼラチンに配合する可塑剤の割合としては、ゼラチン100重量%に対して可塑剤10〜50重量%、好ましくは20〜40重量%の範囲を挙げることができる。
【0016】
本発明で用いるカプセル皮膜は、香料含量の異なる少なくとも2種の基材から構成されるものであり、具体的には基材主成分100重量%に対して0〜0.5重量%の香料を配合して調製される基材1と基材主成分100重量%に対して0.5〜40重量%の香料を配合して調製される基材2の少なくとも2種の基材から構成される。なお、基材1に配合される香料の好適な割合は、基材主成分100重量%に対して0〜0.3重量%であり、また基材2に配合される香料の好適な割合は、基材主成分100重量%に対して5〜20重量%である。
【0017】
ここでカプセル皮膜用基材に配合して用いられる香料は、合成品並びに天然物の別を問うことなく、用途や皮膜基材に応じて適宜選択することができ、特に限定されるものではないが、通常は食品添加物に指定されている可食性の香料を使用することが好ましい。具体的には、レモンオイル、オレンジオイル、グレープフルーツオイル、ライムオイル、ペパーミント、スペアミント、ハッカ、ラベンダー等の精油を挙げることができる。これらの香料は、1種単独で使用しても任意の2種以上を混合して使用することもできる。また各基材に対して同一もしくは異なる香料を配合することもできる。
【0018】
かかる香料は、カプセル皮膜液の調合工程において、ゼラチン等の基材主成分や可塑剤とともに水に溶解して使用される。
【0019】
本発明のソフトカプセルの皮膜には、本発明の効果を損なわないことを限度に、上記成分以外に、必要に応じて色素や顔料等の着色剤、防腐剤、崩壊剤、界面活性剤、矯味剤、矯臭剤、甘味料、クエン酸やリンゴ酸等の有機酸等を配合することができる。
【0020】
中でも甘味料は粉体であって、ソフトカプセルの呈味性や風味を向上させて服用をしやすくし、また可食性油を充填することに起因するソフトカプセルの油っぽさや独特の臭いを軽減するため、好適な配合成分である。甘味料の種類は、用いる皮膜用基材と相溶性があって本発明の効果を損なわないものであれば、特に制限されない。例えば、ショ糖;キシロースやキシリトールなどの低甘味度甘味料;サッカリンナトリウム、ステビオサイド、酵素処理ステビオサイト、アスパルテーム、カンゾウ抽出物、ソーマチン等の高甘味度甘味料等を挙げることができる。
【0021】
これら甘味料の皮膜用基材への配合割合は、特に制限されず適宜選択調製することができるが、ソフトカプセルを口に入れた際の呈味及び風味のよさの点から、少なくとも1つの基材中に、基材主成分100重量%に対して0.1〜10重量%、好ましくは0.5〜5重量%、より好ましくは0.5〜2重量%(いずれも甘味料を糖度の点からショ糖に換算した割合)の範囲で甘味料が含まれていることが望ましい。
【0022】
本発明のソフトカプセルは、従来公知のソフトカプセルの製造法、例えば平板法またはロータリーダイ法に準じて調製することができる。
【0023】
具体的には、まず、基材主成分、可塑剤、水及びその他の任意成分に香料を0〜0.5重量%配合して加熱溶融した基材1のカプセル皮膜液、並びに基材主成分、可塑剤、水及びその他の任意成分に香料を0.5〜40重量%配合して加熱溶融した基材2のカプセル皮膜液からそれぞれ別個にカプセル皮膜用基材シート(基材シート1、基材シート2)を作成する。基材シートの厚みとしては、光透過性、食感及び溶け易さ等の点から、通常0.2〜1.5mm、好ましくは0.4〜0.7mmを挙げることができる。これら2枚の皮膜用基材シートを対向方向に回転する一対の円筒型カプセル形成用金型間に供給し、同時にそのシート間に充填内容物を封入しながら両シートを接着させて金型形状のカプセル部分を打ち抜く方法によって製造することができる。このようにして得られるカプセルは乾燥後、タンブラー等で磨きをかけて仕上げられる。なお、ソフトカプセル皮膜は、皮膜液の調製工程において脱泡することによって、皮膜中に泡が残存しないようにすることが好ましい。
【0024】
カプセル皮膜を構成する基材1と基材2の割合は、表面積比で通常1:1を挙げることができるが、これに制限されることなく任意に定めることができる。
【0025】
またソフトカプセルの形状は、特に制限されずオーバール(フットボール)型、オブロング(長楕円)型、及びラウンド(球状)型等の一般的な形状のほか、涙型、三角形などの変形(異形)型を採用することもできる。カプセルの大きさも特に制限されないが、直径30mm以下であると服用しやすく、食感も好ましい。具体的には直径1〜10mmの範囲のものを挙げることができる。
【0026】
上記本発明のソフトカプセルは、香料含量を変えることによって光透過性の異なる2種以上の皮膜用基材からなる皮膜を有するものであり、しかもそのうち少なくとも1種は光透過性の高い基材から構成することにより、風味に優れるとともに、ソフトカプセル全体として透明感や光沢感を維持して、清涼感ないしは高級感を呈するものである。
【0027】
なお、本発明の目的は、風味(フレーバー感)並びに外観の審美性を兼ね備えたソフトカプセルを提供するものである。かかる目的は、カプセル皮膜として上記のごとく光透過性の異なる2種以上の皮膜用基材からなる皮膜を採用することによって達成できるだけでなく、基材主成分100重量%に対して香料を特定の割合、すなわち0.5重量%配合する基材からなる皮膜を採用することによっても達成できる。従って、本発明には、基材主成分100重量%に対して0.5重量%の割合で香料を含有する基材から構成されるカプセル皮膜を有するソフトカプセルも包含される。
【0028】
本発明のソフトカプセルは、医薬品、医薬部外品、化粧品、及び食品などに好適に用いることができる。
【0029】
【実施例】
以下、実験例及び実施例を挙げて本発明の特徴とするところをより明確にする。ただし、本発明はこれらの実施例等に何ら限定されるものではない。
実験例1
表1に示す組成からなるカプセル皮膜用基材組成物から、下記の方法に従ってカプセル皮膜用基材シートを作製し、その透明度並びにそれを口に入れたときの口中での感触並びにフレーバー感を調べた。尚、表1に示す各成分の配合割合はゼラチン100に対する重量%を意味する。
【0030】
【表1】
【0031】
<調製方法>
水とグリセリンを容器にいれて混合し、約5℃で1時間程度静置する。これにゼラチンを加えて撹拌し、60℃の湯浴に3〜5時間浸漬し、溶融する。これに色素と香料を入れて、撹拌し、軽く蓋をして、さらに3時間湯浴にて浸漬した脱泡する。静かにペトリ皿に流し込み、厚さが0.5〜0.6mmになるように均一に押し広げ、温度22℃、湿度20%の環境下にて約12時間乾燥する。
【0032】
<実験方法>
基材シートの透明性及びフレーバー感の評価は、10名のモニターによる官能評価により実施した。
(1)透明性
上記で得られたカプセル皮膜用基材シート(試料1〜6)を直径約7cmの円盤状に切り抜き、格子用紙の上10cm位置に配置したガラス板上に配置し、該シートの透明度を目視により調べた。なお、透明度は香料を配合しないシート基材(試料1)の透明度を5(+++++)として、それに対する各シートの透明度を5段階で評価した。
【0033】
(2)フレーバー感
上記で得られた基材シートの切片を口内に含んだ際に生じるフレーバー感を下記の基準に従って評価した。
【0034】
−:フレーバー感がない
+ :口に入れた時はフレーバー感を感じないが、時間の経過とともに徐々にフレーバー感が口内に広がる
++:口に入れた時にややフレーバー感を感じる
+++:口に入れた時に速やかにフレーバー感を感じる
++++:口に入れた時にやや強いフレーバー感を感じ、フレーバー感が速やかに口内に広がる
+++++:口に入れた時に強いフレーバー感を感じ、フレーバー感が速やかに口内に広がるとともに口腔から鼻腔に抜ける感じがある。
【0035】
(1)及び(2)の結果を表2に示すとともに、透明度の結果を図1〜図6(それぞれ試料1〜試料6に対応する)に示す。
【0036】
【表2】
【0037】
この結果から、上記カプセル基材シートは、配合する香料の量が増すにつれて透明度が鈍り清澄感や清涼感に乏しくなったが、ゼラチン100重量%に対して香料配合量0.5重量%までは比較的透明性に優れた基材シートが得られることが判明した。一方、口内に入れた際のフレーバー感は、香料含量が0.3重量%以下では不十分であり、0.5重量%が比較的良好なフレーバー感が感じられるぎりぎりの量であった。
【0038】
このことから、透明度を維持しながらも所望のフレーバー感を発揮させる香料の基材シートに対する配合量は、ゼラチン100重量%に対して0.5重量%が閾値であることが判明した。
【0039】
実施例1〜7
食用ゼラチン100重量%、食用濃グリセリンを40重量%、水100重量%、色素0.015重量%、甘味料(蔗糖)0.5重量%及びミント香料0〜0.5重量%からなるカプセル皮膜液を用いて、上記試験例に記載の方法に従ってカプセル皮膜用基材シートを調製した(これを基材1とする)。また、上記カプセル皮膜液においてミント香料の配合量を0〜0.5重量%に代えて0.5〜40重量%としてカプセル皮膜用基材シートを調製した(これを基材2とする)。基材1と基材2の2枚の基材シートを用いて、ロータリーダイ式ソフトカプセル製造機により、この2枚の基材シート間に透明清澄な食用油からなるカプセル内容物を圧入し、両基材シートを接着させて前記内容物を該皮膜内に封入し、ソフトカプセルを製造した(実施例1〜7)。なお、カプセルは外皮として基材1と基材2を1:1の割合で有する直径6×8mmのオーバール型に調製した。得られたカプセルの基材シートの組成(香料配合量)を表3に示す。また比較例として、表4に示す組成から成る基材1及び2を1:1の割合で有する皮膜からなるソフトカプセルを同様に調製した(比較例1、2、3)。
【0040】
【表3】
【0041】
【表4】
【0042】
調製した各カプセル(実施例1〜7、比較例1〜3)の外観(透明性)、口内に入れたときのフレーバー感(すっきり感)及び口中での感触を30名のモニターに、「良い、やや良い、普通、やや悪い、悪い」の5段階で評価してもらった。結果を表5に示す。なお、表中、◎、○、△、×はそれぞれ次の基準に従うものとする。
【0043】
◎:「悪い」及び「やや悪い」が、いずれも0%である
○:「悪い」が20%以下、或いは「やや悪い」が20%以下
△:「悪い」が50%以下、或いは「やや悪い」が50%以下
×:「悪い」が50%より多い 或いは「やや悪い」が50%より多い
【0044】
【表5】
【0045】
これらの結果から、カプセル皮膜の一部が基材主成分100重量%に対して香料0.5重量%以下の割合で含む基材から調製される外皮を備えることにより、透明な内容物を被包したソフトカプセルは、全体として透明且つ清澄な外観を有し、清涼感及び高級感のあるカプセルとして調製されることがわかる。またカプセル皮膜の一部に少なくとも香料を0.5重量%の割合で極在化させて含む基材から調製される外皮を備えることにより、口に入れたときに、速やかに爽やかなフレーバー感が口内に広がり、風味のよいカプセルが調製されることがわかる。さらに香料の配合を増量するにつれて、外皮が柔らかくカプセル自体の硬度が損なわれる傾向にあるが、外皮の一部が香料0.5重量%以下の配合割合からなる基材から構成されることによって、香料の増量による弾力性の低下を十分補足することができることもわかった。
【0046】
すなわち、0.5重量%を閾値として、香料を当該特定量若しくは当該0.5重量部を境に異なる割合で含む基材から構成される外皮を備える本発明のソフトカプセルは、全体として透明且つ清澄な外観を有して視覚的に審美的であるとともに、口に入れた場合に速やかにフレーバー感を発揮し、かつ適度に柔らかく弾力性があって口内での感触も大変優れたものであった。
【図面の簡単な説明】
【図1】表1に示す組成からなるカプセル皮膜用基材組成物から調製した基材シート(試料1)の透明度を示す図面である。
【図2】表1に示す組成からなるカプセル皮膜用基材組成物から調製した基材シート(試料2)の透明度を示す図面である。
【図3】表1に示す組成からなるカプセル皮膜用基材組成物から調製した基材シート(試料3)の透明度を示す図面である。
【図4】表1に示す組成からなるカプセル皮膜用基材組成物から調製した基材シート(試料4)の透明度を示す図面である。
【図5】表1に示す組成からなるカプセル皮膜用基材組成物から調製した基材シート(試料5)の透明度を示す図面である。
【図6】表1に示す組成からなるカプセル皮膜用基材組成物から調製した基材シート(試料6)の透明度を示す図面である。
Claims (4)
- レモンオイル、オレンジオイル、グレープフルーツオイル、及びライムオイル、並びにペパーミント、スペアミント、ハッカ、及びラベンダーの精油からなる群から選択される少なくとも1種の香料含量の異なる2種のゼラチン基材から構成されるカプセル皮膜を有する、ロータリダイ法により製造される口内に適用するためのソフトカプセルであって、
1の基材に含まれる香料含量がゼラチン100重量%に対して0〜0.5重量%であって、他の1の基材に含まれる香料含量がゼラチン100重量%に対して0.5〜5.0重量%であることを特徴とするソフトカプセル。 - ゼラチン100重量%に対して0.5重量%の割合でレモンオイル、オレンジオイル、グレープフルーツオイル、及びライムオイル、並びにペパーミント、スペアミント、ハッカ、及びラベンダーの精油からなる群から選択される少なくとも1種の香料を含有する基材から構成されるカプセル皮膜を有する口内に適用するためのソフトカプセル。
- 少なくとも1の基材中に、ゼラチン100重量部に対して甘味料をショ糖換算で0.1〜10重量%の割合で含有する請求項1又は2のいずれかに記載のソフトカプセル。
- カプセル皮膜で被包された充填内容物が透明性を有するものである請求項1乃至3のいずれかに記載のソフトカプセル。
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