JP3278427B2 - カプセル剤の製造方法 - Google Patents
カプセル剤の製造方法Info
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Description
化粧品等への利用が期待されるカプセル剤の製造方法に
関する。
分野においては、健康補助成分や薬効成分のエキスや粉
末と共に油脂原料や油溶性原料及び油溶性香料などをベ
ースとして配合された薬液をゼラチンカプセル被包剤等
にてカプセル化して販売している。このようなカプセル
製品は、一定量の健康補助成分や薬効成分を手軽に摂取
できたり、1回の使用量を手軽に持ち運びできる点で便
利である。またこのようなカプセル製品は、内部の健康
補助成分や薬効成分が空気に触れないため、成分の安定
性を保つことができる。
原液は、一般的には油脂原料薬液と、油脂原料に健康補
助成分や薬効成分のエキスや粉末を含有させ、適当な乳
化剤で懸濁安定させた液とをカプセルに充填して製造し
ている。カプセル化方法としては、ロータリー式、シー
ムレス式、平板式がある。
方法で製造されたカプセル製品は、薬液中に配合される
粉末原料やエキス原料の配合量に限界があった。即ち薬
液中に油脂等のベースオイルを最低でも40〜50%含
有させた配合に懸濁安定化剤を5〜15%程度含有させ
る必要があり、そのため難油溶性の粉末原料は最大でも
35〜50%含有させることが限界とされていた。ま
た、水性或いはアルコール性のエキス原料は、薬液中に
配合させる水やアルコールの量に依存するが、水やアル
コールを薬液中に10%以上含有させると、ソフトカプ
セルの皮膜を構成するゼラチン及びグリセリンからなる
被包剤が水やアルコールにて溶解或いは膨潤して変形
し、凹みを生じたり目的の形状を維持することができな
かった(特開平11−1427号公報参照)。さらに、
内容原液の調製製造に時間がかかり、作業性・生産性が
悪いこと、生産コストが高いこと、或いは油脂を比較的
多量に含むため、摂取されるカロリーが過剰になる可能
性がある、などの欠点を有していた。
は、55重量%以上の濃度の糖類水性液を主剤として充
填してなるカプセル剤が提案されている。しかしなが
ら、このように多量の糖類を含有させると、摂取される
カロリーが過剰になり、また糖尿病患者には絶対に供す
ることができず、しかもこの場合にはカプセル化工程に
おいてカプセル成型時のポンプに焼き付き等が生ずるこ
とものとなり、到底実用化できないものである。
を調製する際に油脂及び乳化安定剤を含有させて製造し
ていた薬液を、植物繊維を配合して水の保持性を高める
と共に、油脂や乳化安定剤の必要量を著しく低減し、健
康補助成分、薬効成分等を高含有に配合させることがで
きるカプセル剤の製造方法を提供することである。
性を有し、生産コストが低減化されたカプセル剤の製造
方法を提供することである。
を解決するために鋭意研究した結果、カプセル剤の薬液
成分を調製する際に、一定量の植物繊維及び水を配合す
るか含有させることにより、所望の薬効成分等を高含有
に配合させることができるカプセル剤が得られることを
見出し、本発明を完成するに至った。
その成分組成の総和を基準(100重量%)として調製
時に10〜60重量%の水(一部をアルコールで置き換
えても良い)と、調製時に1〜90重量%の植物繊維
と、調製時には30重量%以上であり懸濁・乾燥後の乾
燥上がりでは50重量%以上となるように健康補助成
分、薬効成分から選ばれる一種以上とを含有させる方
法、即ちカプセル剤の薬液の成分を調製する際に、薬液
の成分組成の総和を基準として10〜60重量%の水
と、1〜90重量%の植物繊維と、健康補助成分、薬効
成分から選ばれる一種以上の30重量%以上とを配合す
るか含有させて懸濁液とし、乾燥上がりでは健康補助成
分、薬効成分から選ばれる一種以上が50重量%以上と
なるように乾燥した後、カプセル化することを特徴とす
るカプセル剤の製造方法を提供するものである。
に適した水であれば何ら問題がないが、好ましくは殺菌
水、RO(脱塩)水、機能水などである。また、その一
部をアルコールにて置き換えるようにしても良い。
物繊維は、好ましくは微粉末化されたものか水溶性又は
水溶液のものである。
剤は油脂及び/又は油溶性原料を実質的に含有しない
か、含んでも50重量%以下であり、望ましくは10〜
20重量%である。
様において、好ましくはカプセル剤の薬液の成分組成の
総和を基準として、調製時に10〜60重量%の水と、
1〜90重量%の植物繊維と、健康補助成分、薬効成分
から選ばれる一種以上の30〜80重量%とを含有す
る。
て、好ましくはカプセル剤の薬液の成分組成の総和を基
準として、10〜40重量%の水と、5〜60重量%の
植物繊維と、1〜50重量%の油脂及び/又は油溶性原
料と、健康補助成分、薬効成分から選ばれる一種以上の
30〜70重量%とを含有する。
セル剤中には、従来は配合されているミツロウやグリセ
リン脂肪酸エステルなどの分散安定剤(乳化剤)は必ず
しも含有しなくても良いし、充填液の安定性を改善する
ためにグリセリン脂肪酸エステルを0.5〜15重量%
程度配合しても良い。
品原料として安価に入手することができるので供給に問
題はない。この植物繊維としては、セルロース、ポリデ
キストロース、アルギン酸、アルギン酸ナトリウム、カ
ラギーナン、ローカストビーンガム、アラビアガム、サ
イリウム、ジュランガム、寒天、グルコマンナン、キト
サン、その他多糖類等食物繊維として生体で機能するも
のすべてを用いることができる。この植物繊維の一部
を、糖・アルコールや糖類で置き換えることができる。
この糖・アルコールとしては、キシリトール、トレハオ
ース、還元麦芽糖水飴等で糖類を還元することによって
得られる還元糖類を用いることができる。また、糖類と
しては、一般的に知られる砂糖であってショ糖、マルト
ース、シュクロースなどの単糖類を用いることができ
る。
述の通りであるが、この範囲の含有量で水、並びに植物
繊維を使用することにより、好適な懸濁化原液を製造す
ることができる。より好ましくは、水の使用量は10〜
40重量%であり、植物繊維の使用量は5〜60重量%
である、この場合には、より十分に安定性が保たれた懸
濁化原液を製造することができる。
される健康補助成分や薬効成分の原料としては、現在、
食品、医薬品、又は化粧品に処方される任意の粉末原料
(難油溶性粉末原料を含む)、エキス原料(難油溶性難
調エキス原料を含む)又は油脂原料の何れも使用可能で
ある。難油溶性粉末原料や難油溶性軟調エキス原料とし
ては、キトサン、水溶性ビタミン、動植物粉末、生薬エ
キス粉末、動植物エキス、ミネラル等が挙げられ、難油
溶性粉末原料としては平均粒径が60Mesh〜200
Mesh Passのものが好ましく、難油溶性軟調エ
キス原料としては水分及びアルコールが50%以下のも
のが好ましい。
れる一種以上を調製時に30重量%以上配合するが、好
ましくは50〜80重量%、さらに好ましくは50〜7
0重量%である。乾燥上がりでは50重量%以上となる
ように配合すればよい。これらの健康補助成分、薬効成
分の配合量が少ないと製造上は容易となるが、健康増進
効果や薬効を十分に期待する量を摂取するために、多数
のカプセル剤を摂取しなければならないという欠点があ
る。80重量%を超えた量を配合する場合には、製造作
業が複雑化したり、作業性が悪くなり、更に配合した懸
濁化原液の安定性にも問題を生じる場合がある。
カプセル剤中の薬液には、前述のように油脂及び/又は
油溶性原料を含有してもよく、含有しなくてもよい。油
脂や油溶性原料を含有しない場合には、これらは全て水
と植物繊維と薬効成分等に置き換えられるわけである
が、その場合は、薬液の安定性が若干劣る。しかしその
反面、油脂原料由来のカロリーを低減化することができ
る。また植物繊維を多量に摂取できるという効果が得ら
れる。油脂又は油溶性原料を含有する場合でも、その含
有量は一般的には従来のカプセル剤より低い(50重量
%以下)が、薬液に優れた安定性を付与することがで
き、例えば本発明のカプセル剤の薬液は、従来販売され
ている懸濁化原液より優れた安定性を有している。
は、カプセル剤の薬液の成分組成の総和を基準として調
製時に1〜50重量%含有することが好ましく、より好
ましくは10〜20重量%である。したがって、従来6
0〜70重量%或いはそれ以上の油脂及び/又は油溶性
原料を用いていたものに比べて本発明ではその使用量が
極めて少ないものである。
油、シソ油、DHA・EPA含有精製魚油、肝油、オリ
ーブ油、サフラワー油、卵黄油等の動植物性食用油脂な
どが挙げられ、油溶性原料としては、ビタミンE、ビタ
ミンA、ビタミンD、カロチノイド類などが挙げられ
る。
化原液)を充填するカプセル被包剤としては、一般的に
ゼラチン、グリセリン、砂糖等の糖類等を組み合わせた
ものが挙げられる。被包剤中に配合できる他の成分とし
ては、卵殻カルシウム、アルギン酸、アルギン酸ナトリ
ウム、カラメル、カラギーナン、デンプン、ソルビトー
ル、香料等が挙げられる。
る際には、健康補助成分、薬効成分から選ばれる一種以
上に、水、植物繊維、必要であれば油脂や油溶性原料を
それぞれ所定の割合で配合し、ホモジェッター、ホモミ
クサー等の高速撹拌機又は高速粉砕機で20〜30分撹
拌処理し均一化する。この処理の際、高速粉砕機及び高
速撹拌機の回転は、4,000〜6,000rpm/minで
ある。この方法で調製した懸濁化原液は、従来のミツロ
ウやグリセリン脂肪酸エステルなどの懸濁化安定剤(乳
化安定剤)を基本的に用いていないが、植物繊維及び水
などの作用により、むしろ従来よりも優れた安定性を保
っている。
見られ、作業時間の短縮が可能となる。また、この様な
条件で製造したカプセル剤は、カプセルシール面からの
液漏れを起こすことなく、懸濁化原液の経日安定性に優
れ、品質の向上に役立つ。
明するが、本発明はこれらの実施例に限定されない。実
施例に先立ち、各実施例に用いた試験方法について説明
する。
験〕配合調製して製造した懸濁化原液を、直径1cm、深
さ10cm程度のガラス製透明容器に入れ、栓をして温度
50℃の恒温器に保管し、この懸濁化原液の分散安定性
を24時間後、48時間後、72時間後、1ヶ月後、3
ヶ月後にそれぞれ観察した。また、遠心分離用のスピッ
ツに懸濁化原液を入れ、3,000rpm/minで1分間処
理して分散安定性を観察した。
経日安定性試験〕懸濁化原液を含有するカプセル剤を製
造し、ガラス容器に100粒程度入れ、密栓し、温度4
0℃、湿度75%の恒温恒湿器で保存し、1ヶ月後、3
ヶ月、6ヶ月後にそれぞれ外観、臭い、色調、懸濁化状
態、液漏れ等について調べた。
濁化原液を製造した。難油溶性原料であるガルシニア粉
末及びギムネマエキス粉末に、水、植物繊維(セルロー
ス)を加え、ホモジェッターの回転を徐々に増加させ、
4,000×rpm/minで15分間処理し均一化した(こ
のときの温度は40℃程度で行った)。
Hgで脱泡した。脱泡した懸濁化原液をロータリー式カ
プセル製造機でカプセル化し、サポジトリー型のカプセ
ルを得た。
に、加温溶解した分散安定剤であるグリセリン脂肪酸エ
ステル及びミツロウを加え、温度65±2℃でホモジェ
ッターを用いて徐々に回転数を上げ、6,000rpm/m
inで約20分間撹拌して均一化した。均一化した中間懸
濁化原液を40℃以下まで室温にして冷却し、半固形状
にした。半固形状になった中間懸濁化原液に、難油溶性
原料であるガルシニア粉末とギムネマエキス粉末を練り
込みながら加えて、ホモジェッターが使用可能な状態に
した。ホモジェッターが使用可能な状態になったことを
確認した後に、ホモジェッターの回転を徐々に増加さ
せ、6,000rpm/minで約30分間撹拌して懸濁化原
液とした。
Hgで脱泡した。脱泡した懸濁化原液をロータリー式カ
プセル製造機でカプセル化し、サポジトリー型のカプセ
ルを得た。
油溶性原料であるガルシニア粉末とギムネマエキス粉末
の含有量を高くするには、非常に困難を伴う。一般的に
は、30重量%含有が限度であるが今回の実施例1で示
したように、水と植物繊維を配合することによってガル
シニア粉末とギムネマエキス粉末の配合粉末を60重量
%も含有させることができた。しかも油脂原料と懸濁安
定剤であるミツロウ、グリセリン脂肪酸エステル、ソル
ビン酸脂肪エステル等の乳化剤を含有させることなく、
懸濁安定性に優れた懸濁化原液が製造でき、しかも経日
安定性と品質に優れた懸濁化原液含有カプセル剤が製造
可能であることが確認された。
例1と同様の手順で、水、植物繊維(ポリデキストロー
ス)を均一化したものに、難油溶性粉末原料(無臭ニン
ニクエキス末)、油脂原料(植物油)の順で加えて懸濁
化原液を製造し、カプセル化した。
量%を越えているにもかかわらず、製造作業性やカプセ
ルシール面の不良、経日安定性、液漏れ、懸濁安定性な
どの点で問題なかった。
(アルギン酸ナトリウム:カラギーナン=1:1)7重
量%、難油溶性原料(無臭ニンニクエキス末)70重量
%含有の水溶液をカプセル化した。
%含有するにもかかわらず油脂を全く含むことなくカプ
セル剤(ハードカプセルとソフトカプセル)を製造する
ことが可能であり、しかもカプセル経日安定に優れたカ
プセル剤を製造することが可能であった。
物等を50重量%以上含有する懸濁化原液を調製し、カ
プセル化した。尚、調製時には表中に示すように総量が
981mgであったが、乾燥上がり重量では約800m
gとなった。また、比較例として、各種抽出物等を全く
同量含有し、植物油をベースオイルとして40重量%程
度含有させた配合の充填液を調製した。
比較例ではカプセル充填量が1020.5mgと大きな
サイズとなった。また、充填液の安定性が悪く、各種抽
出物の含有量はほぼ上限であることがわかった。これに
対し、本実施例の充填液は、乾燥上がり重量で約800
mgであって、カプセルサイズを比較例に比べて約2/
3にすることが可能であった。また、充填液の安定性が
良く、作業性も良好であった。
を高含有に配合でき、しかも油脂や油溶性原料、分散安
定剤を配合しないか、配合しても極小量の配合でカプセ
ル剤を提供できる。そして、油脂原料由来のカロリーを
低減化することができ、植物繊維を多量に摂取できる。
油溶性原料などと油溶性原料の分散性を高め、経日安定
性に優れた懸濁化原液含有カプセル剤の製造が可能とな
り、品質面で優れたカプセル剤を提供できる。
Claims (4)
- 【請求項1】 カプセル剤の薬液の成分を調製する際
に、薬液の成分組成の総和を基準として10〜60重量
%の水と、1〜90重量%の植物繊維と、健康補助成
分、薬効成分から選ばれる一種以上の30重量%以上と
を配合するか含有させて懸濁液とし、乾燥上がりでは健
康補助成分、薬効成分から選ばれる一種以上が50重量
%以上となるように乾燥した後、カプセル化することを
特徴とするカプセル剤の製造方法。 - 【請求項2】 カプセル剤の薬液の成分を調製する際
に、薬液の成分組成の総和を基準として10〜60重量
%の水と、1〜90重量%の植物繊維と、健康補助成
分、薬効成分から選ばれる一種以上の30〜80重量%
とを配合するか含有させて懸濁液とし、乾燥上がりでは
健康補助成分、薬効成分から選ばれる一種以上が50重
量%以上となるように乾燥した後、カプセル化すること
を特徴とするカプセル剤の製造方法。 - 【請求項3】 カプセル剤の薬液の成分を調製する際
に、薬液の成分組成の総和を基準として10〜40重量
%の水と、5〜60重量%の植物繊維と、1〜50重量
%の油脂及び/又は油溶性原料と、健康補助成分、薬効
成分から選ばれる一種以上の30〜70重量%とを配合
するか含有させて懸濁液とし、乾燥上がりでは健康補助
成分、薬効成分から選ばれる一種以上が50重量%以上
となるように乾燥した後、カプセル化することを特徴と
するカプセル剤の製造方法。 - 【請求項4】 カプセル剤の薬液の成分組成の総和を基
準として調製時に0.5〜15重量%のグリセリン脂肪
酸エステルを加えることを特徴とする請求項1又は2又
は3に記載のカプセル剤の製造方法。
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