JP4440567B2 - コイン型記憶媒体の処理機 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、特にコイン型記憶媒体を使用したプリペイドシステム等への使用に適したコイン型記憶媒体の処理機に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の、コイン型記憶媒体のデータの更新およびコイン型記憶媒体の回収・返却・発行等を行う機器の一例としては、特許文献1に記載されているコイン型記憶媒体の処理機が挙げられる。
特許文献1記載のコイン型記憶媒体の処理機Aは、周縁にコイン型記憶媒体を収納可能な凹部10aが形成され、回転される角度に応じて、凹部10aを、コイン型記憶媒体の投入路4、排出路6、およびストッカ8のそれぞれに連通可能なローター10を備える。また、凹部10aに収納されたコイン型記憶媒体に記憶された価額データの読み取りおよびコイン型記憶媒体への価額データの書き込みを行うリーダライタ34を備える。
【0003】
特許文献1記載のコイン型記憶媒体の処理機Aは、投入路4からコイン型記憶媒体が投入されたら、ローター10を回転して凹部10aを投入路4に連通させて、コイン型記憶媒体を凹部10aに収納し、リーダライタ34によってコイン型記憶媒体の価額データを読み書きし、その読み書き結果に応じて、そのコイン型記憶媒体をストッカ8にストックさせたり、排出路6から排出したりできる。
また、凹部10aをストッカ8に連通させて、ストッカ8内のコイン型記憶媒体を凹部10aに収納し、リーダライタ34でそのコイン型記憶媒体に所定の価額データを書き込んで、排出路4からユーザーに向けて新たな価額データが書き込まれたコイン型記憶媒体を発行することもできる。
【0004】
また、コイン型記憶媒体の使用や発行の途中で、他のコイン型記憶媒体が投入路4から投入された場合、ローター10の凹部10aには、コイン型記憶媒体が一つのみ収納可能なため、特許文献1の第4〜13図から分かるように、後から投入されたコイン型記憶媒体52や58は、凹部10aに収納されることなく投入路4内に留まり、コイン型記憶媒体を一つ一つ処理(使用、返却、回収および発行)することができる。
【0005】
特許文献1記載のコイン型記憶媒体の処理機によると、特に、パチンコ店等の遊技店において、コイン型記憶媒体の処理機を貨幣識別装置、およびパチンコ玉等の遊技媒体の貸出機と接続してパチンコ台間に設置すれば、遊技者は、パチンコ台を離れることなく、コイン型記憶媒体を購入して遊技を続けることができる。
【0006】
【特許文献1】
特開2003−135829号公報(第1図、第4〜13図)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特許文献1記載のコイン型記憶媒体の処理機においては、一つのコイン型記憶媒体を返却、回収または発行すべくローターが動作している間は、他のコイン型記憶媒体を全く使用できないという課題がある。
例えば、遊技者が複数のコイン型記憶媒体を用いて遊技したいと考え、複数のコイン型記憶媒体を連続して投入口4aから投入したり、コイン型記憶媒体の価額データが0となると同時に次のコイン型記憶媒体を投入したりしたとしても、リーダライタ34と重なる位置にある、価額データが0の初めのコイン型記憶媒体が、ストッカ8まで運搬され、空の凹部10aが図上で左回りに一周して投入路4に連通されて次のコイン型記憶媒体を収納し、さらにそのコイン型記憶媒体をリーダライタ34の位置に移動させて価額データが読み取られるまでの間、後から投入したコイン型記憶媒体は処理されず、遊技者は遊技媒体を借り受けることができないまま長い時間待たされ、遊技を中断せざるを得なくなることもある等といった不便がある。
【0008】
また、特許文献1記載のコイン型記憶媒体の処理機には、一度投入したコイン型記憶媒体は、ローター10によらなければ排出できないという課題がある。
このため、例えば、遊技者が、コイン型記憶媒体の処理中に投入し、投入路4内に留まっている別の後発のコイン型記憶媒体52や58の排出を望む場合でも、処理中のコイン型記憶媒体の処理が終了または中断されるまで、後発のコイン型記憶媒体52や58を排出することができないという不便が生じる。また、例えば、コイン型記憶媒体がリーダライタ34位置にあって使用中(遊技中)に、停電が発生して制御部40およびステッピングモータ12が動作できなくなった場合、使用していたコイン型記憶媒体を遊技者に返却するには、遊技店の店員が手作業で店内のコイン型記憶媒体の処理機を一台一台開けて、コイン型記憶媒体を取り出すしかないという不便が生じる。
(以上、符号は、特許文献1で用いられているものを用いた)
【0009】
本発明は上記課題を解決すべくなされ、その目的とするところは、単純な構成でコンパクトに形成できる、ローターを用いたコイン型記憶媒体の処理機の利点を損なうことなく、コイン型記憶媒体をローターでストッカや排出路へ移動させている(返却、回収および発行している)間でも、投入された他のコイン型記憶媒体を使用でき、なおかつ使用中のコイン型記憶媒体を、ローターによらず排出させることができるコイン型記憶媒体の処理機を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記課題を解決するために、以下の構成を備える。すなわち、投入されたコイン型記憶媒体を内部に導く投入路と、コイン型記憶媒体を外部に導く排出路と、コイン型記憶媒体がストックされるストッカとが形成された本体と、前記投入路から進入したコイン型記憶媒体を所定の保持位置に保持可能、かつ保持を解除した際には該コイン型記憶媒体を前記排出路へ移動可能な保持部材と、該保持部材の保持と解除とを切り替える保持部材駆動装置と、前記保持位置の近傍に設けられ、該保持位置のコイン型記憶媒体に記憶されたデータの読み取りおよび/または該コイン型記憶媒体へのデータの書き込みを行うリーダライタと、円盤状に形成され、円盤の周縁にコイン型記憶媒体を収納可能な凹部が形成され、回転可能に設けられ、回転される角度に応じて前記保持位置および前記ストッカのいずれかに選択的に前記凹部を連通可能に設けられ、該凹部にコイン型記憶媒体が収納されていない状態で該凹部が前記保持位置に連通された場合には、該保持位置に保持されているコイン型記憶媒体が該凹部に収納され、該凹部にコイン型記憶媒体が収納された状態で該凹部が前記ストッカに連通された場合には、該コイン型記憶媒体を該ストッカ内にストック可能に設けられたローターと、該ローターを回転させるローター駆動装置と、前記保持部材駆動装置を制御することで、前記保持部材によるコイン型記憶媒体の保持と解除との切り替え制御が可能であり、前記ローター駆動装置を制御することで、前記ローターの回転制御が可能な制御部とを備えることを特徴とする。
これによれば、コイン型記憶媒体を移動すべくローターが動作している間であっても、投入口より新たに投入された他のコイン型記憶媒体を、保持部材により保持位置に保持してリーダライタによってデータの読み書きを行ったり、必要に応じて、保持部材駆動装置で保持を解除して排出路へ移動させて排出したりすることができる。
【0011】
さらに、前記排出路は、前記投入路の下方に、該投入路と連通して形成され、前記保持部材は、前記投入路と前記排出路との間を塞ぐことでコイン型記憶媒体を保持し、該投入路と排出路との間を開くことで該保持を解除して該コイン型記憶媒体を該排出路の方へ落下させて移動させることを特徴とする。
これによれば、保持部材を、投入路と排出路との間を開閉可能な簡単な部材で構成できる。
【0012】
また、前記保持部材駆動装置は、通電されているときには、前記保持部材を、コイン型記憶媒体を保持する位置に位置させ、非通電のときには、該保持部材を、コイン型記憶媒体の保持を解除する位置に位置させるソレノイドを有することを特徴とする。
これによれば、停電が発生した場合に、ソレノイドが非通電となって、コイン型記憶媒体の保持が解除され、使用中のコイン型記憶媒体が排出される。
【0013】
また、前記保持部材によるコイン型記憶媒体の保持と解除との切り替えを、ユーザーが操作可能な保持部材操作手段を備えることを特徴とする。
これによれば、遊技者や店員等のユーザーの操作により、使用中のコイン型記憶媒体を排出させることができる。特に、停電が発生した場合においても、ユーザーの操作により、使用中のコイン型記憶媒体を排出させることができる。
【0014】
また、前記保持部材が、前記保持位置のコイン型記憶媒体を、重力により前記ローターの周縁に当接して支持される姿勢に保持することで、前記ローターの前記凹部が前記保持位置に連通された場合に、前記コイン型記憶媒体が重力により該凹部に収納されるよう設けられていることを特徴とする。
これによれば、保持位置のコイン型記憶媒体を、動力を用いることなく、重力によりローターの凹部に収納させることができる。
【0015】
また、前記凹部にコイン型記憶媒体が収納された状態で該凹部が前記ストッカに連通される際に、該コイン型記憶媒体を該ストッカの方へ案内して該ストッカ内にストックさせるストックガイド部を備えることを特徴とする。
【0016】
さらに、前記ストックガイド部が、前記ローターにより回転されるコイン型記憶媒体の通過経路内に突出するガイドピンであり、前記ローターには、前記ガイドピンを逃がす溝が形成されていることを特徴とする。
これによれば、ローターと重なる位置にストックガイド部としてのガイドピンを配設することができ、凹部内のコイン型記憶媒体の、ローターの内周側に、ガイドピンが当接するため、コイン型記憶媒体をスムーズにストッカの方へ案内することができる。
【0017】
また、前記ストッカは、コイン型記憶媒体が一枚ずつ上方に押し上げられることによって収容されるエスカレータ型のストッカであることを特徴とする。
これによれば、ストッカを単純でコンパクトに構成できると共に、ストッカ内のコイン型記憶媒体をローターの凹部に収納するのに重力を利用でき動力源が不要となる。
【0018】
また、前記本体は開閉可能に設けられ、該本体を開いた際には前記ローターおよび前記保持部材が露出するよう設けられていることを特徴とする。
これによれば、コイン型記憶媒体の詰まりの解除等、メンテナンスが容易となる。
【0019】
また、前記コイン型記憶媒体に記憶されるデータには、有価価値を特定可能な有価価値特定情報が含まれ、前記制御部は、前記リーダライタによって前記保持位置のコイン型記憶媒体から読み出された有価価値特定情報により特定される有価価値を、使用された価値分を差し引いて求められた差し引き有価価値に更新可能であり、前記コイン型記憶媒体の使用が終了した際、前記差し引き有価価値が0より大きい場合には、前記保持部材の保持を解除して該コイン型記憶媒体を前記排出路へ移動させ、前記コイン型記憶媒体の使用が終了した際、前記差し引き有価価値が0の場合には、前記ローターの前記凹部を前記保持位置に連通させて該コイン型記憶媒体を該凹部に収納した後、該凹部を前記ストッカに連通させて該コイン型記憶媒体を該ストッカ内にストックさせる制御が可能に設けられていることを特徴とする。
これによれば、コイン型記憶媒体に記憶された有価価値特定情報により特定される有価価値を読み出して使用し、使用した価値分を差し引くことができ、また、差し引き有価価値が0となったコイン型記憶媒体をストッカに回収することができる。
【0020】
また、前記ローターは、前記凹部にコイン型記憶媒体が収納されていない状態で該凹部が前記ストッカに連通された場合には、該ストッカ内にストックされているコイン型記憶媒体が該凹部に収納され、前記凹部にコイン型記憶媒体が収納された状態で該凹部が前記保持位置に連通された場合には、該コイン型記憶媒体を該保持位置へ移動可能に設けられていることを特徴とする。
これによれば、ストッカ内のコイン型記憶媒体を保持位置に移動させて利用することができる。
【0021】
また、前記凹部にコイン型記憶媒体が収納された状態で該凹部が前記保持位置に連通された際に、該コイン型記憶媒体を該保持位置の方へ案内して該保持位置へ移動させる保持位置ガイド部を備えることを特徴とする。
【0022】
さらに、前記保持位置ガイド部は、前記ローターにより回転されるコイン型記憶媒体の通過経路内に突出するガイドピンであり、前記ローターには、前記ガイドピンを逃がす溝が形成されていることを特徴とする。
これによれば、ローターと重なる位置に保持位置ガイド部としてのガイドピンを配設することができ、凹部内のコイン型記憶媒体の、ローターの内周側に、ガイドピンが当接するため、コイン型記憶媒体をスムーズに保持位置の方へ案内することができる。
【0023】
また、前記ローターの前記凹部には、該凹部が前記ストッカから前記保持位置に向かって回転する際の回転方向後縁部に、コイン型記憶媒体を収納した該凹部が前記保持位置に連通された際に該コイン型記憶媒体を該保持位置の方向に押し出すための、該凹部の内面と該ローターの外周面とをなだらかに結ぶ形状の切り欠き部が形成されていることを特徴とする。
これによれば、凹部内のコイン型記憶媒体を、スムーズに保持位置へ押し出すことが可能となる。
【0024】
また、前記コイン型記憶媒体に記憶されるデータには、有価価値を特定可能な有価価値特定情報が含まれ、貨幣を投入可能な貨幣投入口を備え、該貨幣投入口より投入された貨幣を識別する貨幣識別装置と接続可能であり、前記制御部は、貨幣が前記貨幣投入口より投入されて前記貨幣識別装置によって識別された際、前記ローターの前記凹部を前記ストッカに連通させることで該ストッカ内にストックされたコイン型記憶媒体を該凹部に収納させた後、該凹部を前記保持位置に連通させて該コイン型記憶媒体を該保持位置に移動させ、前記リーダライタにより、該コイン型記憶媒体に記憶された有価価値特定情報により特定される有価価値を、投入された前記貨幣の金額に応じた有価価値に更新する制御が可能に設けられていることを特徴とする。
これによれば、ストッカ内にストックされたコイン型記憶媒体を保持位置に運搬し、そのコイン型記憶媒体の有価価値特定情報で特定される有価価値情報を、投入された貨幣分の有価価値情報に書き換えて、そのコイン型を排出路から排出させることで、投入された貨幣分の付加価値を付与されたコイン型記憶媒体の発行を行うことができる。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係るコイン型記憶媒体の処理機の好適な実施の形態を添付図面に基づいて詳細に説明する。
図1は、本発明に係るコイン型記憶媒体の処理機の透視説明図である。
Aが、コイン型記憶媒体の処理機の本体である。24はパネル板であり、本体Aは、パネル板24が外部に露出されて設置される。
コイン型記憶媒体の処理機Aをパチンコ玉を貸し出すプリペイドシステムに導入する場合には、本体Aをパチンコ玉放出装置と接続してパチンコ台の台間に設置すると良い。
【0026】
本体Aには、パネル板24に設けられたコイン型記憶媒体の投入口4aから投入されるコイン型記憶媒体を内部に導く投入路4と、投入路4の下方に投入路4と連通して形成され、コイン型記憶媒体を導いて排出口6aから外部に排出する排出路6と、エスカレータ型のストッカ8とが形成されている。
【0027】
2は、投入路4から進入したコイン型記媒体を保持可能な保持部材である。保持部材2は、投入路4と排出路6との間に配設され、投入路4および排出路6を形成する壁部から投入路4および排出路6内に突出することで、投入路4と排出路6との間を塞いで、コイン型記憶媒体を保持部材2上の保持位置7に保持する。保持部材2は、図1には図示しない保持部材駆動装置や保持部材操作手段によって、投入路4および排出路6を形成する壁部内に引っ込んだり、壁部から突出したりするよう、その位置を制御される。
【0028】
10は円盤状に形成されたローターであり、保持部材2の、パネル板24側から見て奥側に配設される。ローター10には、周縁にコイン型記憶媒体を収納する凹部10aが形成されている。12はローター10を回転させるローター駆動装置としてのステッピングモータである。ステッピングモータ12は、電子基板によって構成される制御部40によって制御されて回転され、ローター10を任意の角度に回転させて停止させることができる。凹部10aは、ローター10の回転角度に応じて、ストッカ8および保持位置7に連通可能となっている。
【0029】
14は、コイン型記憶媒体を収納した凹部10aがストッカ8に連通される際に、コイン型記憶媒体をストッカ8の方向に案内してストッカ8にストックさせるストックガイド部としてのガイドピンである。
【0030】
16は、コイン型記憶媒体を収納した凹部10aが保持位置7に連通される際に、コイン型記憶媒体を保持位置7の方向に案内する保持位置ガイド部としてのガイドピンである。
【0031】
50はコイン型記憶媒体である。コイン型記憶媒体50としては、例えば電磁結合方式、電磁誘導方式、マイクロ波方式または光方式のコイン型RFIDタグや、コイン型ICタグや、コイン型磁気タグを用いることができる。
【0032】
コイン型記憶媒体の投入路4は保持部材2の上方に延びて中空状に形成され、投入口4aから投入されたコイン型記憶媒体が落下して保持部材2上の保持位置7に保持されるように設けられる。また、投入路4のコイン型記憶媒体の通路の断面は、ほぼコイン型記憶媒体の幅と厚みと等しく形成される。
排出路6は、投入路4と連通して、保持部材2を挟んで投入路4の下方に設けられ、コイン型記憶媒体が、保持部材2による保持を解除された際に、保持位置7から排出路6の方向に落下することで排出が行われるようになっている。
【0033】
エスカレータ型のストッカ8は、コイン型記憶媒体50が通過可能な筒状に形成され、コイン型記憶媒体50の通過方向が上下方向となり、下端部がローターの上部に接するように設けられる。また、ストッカ8の断面は、ほぼコイン型記憶媒体50の幅と厚みと等しく設けられることで、コイン型記憶媒体がローター10とほぼ平行に接し、なおかつコイン型記憶媒体50が縦の状態で一枚ずつ通過可能に設けられる。また、ストッカ8の上端部8aはU字状に折れ曲がって形成され、上下に延びる別の通路20に連通されている。通路20の下端部は、本体Aの下端部に設けられたコイン型記憶媒体の回収箱22に連通されている。
コイン型記憶媒体50は、ローター10によってストッカ8の下端部から押し上げられてストッカ8内にストックされる。コイン型記憶媒体50が一定数以上ストックされて、最上端のコイン型記憶媒体50aがストッカの上端部8aまで達すると、コイン型記憶媒体50aは通路20側に落下して、通路20内を通って回収箱22内に収められる。
また、凹部10aにコイン型記憶媒体が収納されていない状態で凹部10aがストッカ8に連通された場合には、ストッカ8の最下端にストックされているコイン型記憶媒体が凹部10a内に落下して収納される。
【0034】
40aは、制御部40から延出された電気的な接続端子であり、これを外部の機器と接続することによって、外部の機器と制御部40との間で情報を授受することができる。本実施例においては、接続端子40aを図示しないパチンコ玉の放出装置に接続することによって、コイン型記憶媒体に記録された有価価値特定情報により特定される有価価値に基づいてパチンコ玉の貸し出しを行えるよう構成する。
【0035】
有価価値特定情報は、例えば、金額や貸し出し可能玉数等の有価価値を直接表す有価価値情報であってもよいし、各コイン型記憶媒体に固有のID番号であってもよい。
本実施の形態においては、コイン型記憶媒体には、有価価値特定情報として、有価価値を直接表す有価価値情報が直接記憶されているものとする。
【0036】
なお、有価価値特定情報が各コイン型記憶媒体に固有のID番号である場合には、例えば、遊技店内や遊技店経営会社内に設置された管理コンピュータに、各コイン型記憶媒体のID番号と、金額や貸し出し可能玉数等の有価価値を表す情報とを、関連付けて記憶させておき、台間玉貸し機がその管理コンピュータと通信して、有価価値を特定および更新できるよう、遊技媒体の貸し出しシステムを構成すればよい。
【0037】
また、40bは、制御部40から延出された電気的な接続端子であり、図示しない貨幣識別装置に接続される。紙幣識別機は、貨幣を投入可能な投入口を備え、投入口から投入された貨幣の真贋および金額の識別を行う。貨幣識別装置によって読み取られた貨幣の金額は、接続端子40bを介して制御部40に伝達され、後述する各種制御に用いられる。
【0038】
Bは、保持部材2、ローター10、ステッピングモータ12、ガイドピン14,16等を含む、本体Aに着脱可能に設けられたリーダライタユニットである。
図2に、リーダライタユニットBを本体Aから取り外した状態の斜視図を示す。
リーダライタユニットBの上部には、投入路4とストッカ8の一部を構成する開口部が形成されている。また、側面には、排出路6の一部を構成する図示しない開口部が形成されている。
また、リーダライタユニットBは、二つのケース部材28と30とから構成されており、各ケース部材は一端部に設けられたヒンジ部26と、ヒンジ部26の他端部に設けられた図示しないロックレバーとによって連結されている。従って、前記ロックレバーのロックを解除することで、リーダライタユニットBは開閉可能であり、開いた際には、保持部材2、ローター10、ガイドピン14,16、投入路4、排出路6およびストッカ8の一部が露出するよう設けられている。
42は電気的な接続端子である。接続端子42は、所定の接続ケーブルを介して制御部40に接続され、制御部40によるリーダライタユニットBの制御、及び、リーダライタユニットBからの有価価値情報(有価価値特定情報)の制御部40への送信等に用いられる。
【0039】
リーダライタユニットBをヒンジ部26で開いた状態の、ケース部材30の内側の説明図を図3に示す。
ローター10は、片面側が完全な円盤状に形成され、周縁に沿って図示しない歯が形成されている。ローター10の他面側には、U字状に凹まされて形成された凹部10aと、凹部10aがストッカ8から保持位置7に向かって回転する際の回転方向後縁部に、コイン型記憶媒体を収納した凹部10aが保持位置7に連通された際にコイン型記憶媒体を保持位置7の方向に押し出すための、凹部10aの内面とローター10の外周面とをなだらかに結ぶ形状の切り欠き部10bと、コイン型記憶媒体の通過経路内に突出して設けられたガイドピン14,16を逃がす溝10c,10dとが形成されている。
ステッピングモータ12は、ケース部材30の内部に設置され、その回転軸がケース部材30の表面を貫通して外方に突出している。回転軸の先端部には、ピニオン12aが取り付けられ、ローター10の図示しない内歯と歯合している。この構成により、ステッピングモータ12の回転軸が回転することによってローター10が回転される。
【0040】
図4に、保持部材2をパネル板24側から見た断面説明図を示す。保持部材2は、断面コの字状に形成され、両端部2a,2bが、投入路4および排出路6を形成する壁部18に向かうよう配設される。保持部材2は、その中途部から外方に延びる延出部2cが設けられ、延出部2cの先端部に設けられた軸2dによってケース部材30の基体に回動可能に軸支されている。
【0041】
延出部2cの中途部は、保持部材駆動装置としてのプランジャー型ソレノイド44の往復駆動部44aに接続され、往復駆動部44aが突出入動作をすることで、保持部材2が回動動作される。プランジャー型ソレノイド44の往復駆動部44aが突出する方向に動作すると、図4(a)に示すように、保持部材2の下側の端部2bが壁部18の開口部18bから突出し、上側の端部2aは開口部18aから引っ込む。逆に、プランジャー型ソレノイド44の往復駆動部44aが引っ込む方向に動作すると、図4(b)に示すように、保持部材2の端部2aが壁部18の開口部18aから突出し、端部2bは開口部18bから引っ込む。
【0042】
保持部材2の端部2bが開口部18bから突出した状態(図4(a))では、投入路4に進入したコイン型記憶媒体は、図3に示すように、端部2b上の保持位置7に保持される。一方、保持部材2の端部2bが開口部18bから引っ込んだ状態(図4(b))では、その保持は解除され、コイン型記憶媒体は重力によって排出路6に移動されて排出口6aから排出される。
【0043】
ここで、保持部材2の端部2bが開口部18bから引っ込んだ状態で、保持部材2の上側の端部2aが開口部18aから突出するのは、複数のコイン型記憶媒体が投入されて投入路4に有る場合、保持を解除したときに、投入路4の保持位置7より上方にあるコイン型記憶媒体は端部2aに保持されて排出されるのを防ぎ、保持位置7のコイン型記憶媒体のみが排出されるようにするためである。
【0044】
なお、プランジャー型ソレノイド44は、通電されていないときには、内部の図示しない付勢部材の付勢力等により往復駆動部44aが引き込まれて、保持部材2によりコイン型記憶媒体を保持位置7に保持しない状態(図4(b))となり、通電されているときには、内部の図示しない電磁石の力により往復駆動部44aが突出して、保持部材2によりコイン型記憶媒体を保持位置7に保持する状態(図4(a))となるよう設けられる。
これによれば、停電時には、プランジャー型ソレノイド44の通電が止められ、保持位置7のコイン型記憶媒体は自動的に排出される。
【0045】
なお、停電時にプランジャー型ソレノイド44の通電が止まることを利用してコイン型記憶媒体を排出させるよう構成せずに、パネル板24に保持部材操作手段を設け、ユーザーが保持部材操作手段を操作することにより、保持部材2を動作させて、保持部材2によるコイン型記憶媒体の保持と解除とを切り替えることができるよう構成してもよい。
例えば、パネル板24に保持部材操作手段としての押しボタンを設け、押しボタンを保持部材2に機械的に連繋し、ユーザーが押しボタンを押下したときには、保持部材2を、コイン型記憶媒体を保持位置7に保持しない状態(図4(b))に移動させるよう設ければよい。
保持部材操作手段を設けることにより、遊技者や店員等のユーザーは、都合に応じて投入したコイン型記憶媒体を排出(返却)させることができる。特に、停電が発生した場合においても、ユーザーの操作により、使用中のコイン型記憶媒体を排出させることができる。
【0046】
保持部材2は、図3に示すように、コイン型記憶媒体を保持位置7に保持する端部2bのローター10側が、下がるように斜めに傾斜して設けられる。従って、保持部材2は、保持位置7のコイン型記憶媒体を、その重力によりローター10の周縁に当接して支持される姿勢に保持する。
これにより、ローター10の凹部10aが保持位置7に連通された際には、保持位置7のコイン型記憶媒体が重力により凹部10aに収納される(図5(b))。
【0047】
図3において、34は、コイン型記憶媒体に記憶されたデータの読み取り及びコイン型記憶媒体へのデータの書き込みを行うリーダライタである。リーダライタ34は、ケース部材30またはケース部材28の、保持位置7の側壁を形成する壁部の内部に設けられる。リーダライタ34としては、コイン型記憶媒体としてコイン型RFIDタグが用いられる場合にはRFIDのリーダライタを、ICタグが用いられる場合にはICタグのリーダライタを、磁気タグが用いられている場合には磁気リーダライタを設ければよい。
【0048】
36,38は、それぞれ保持位置7,ストッカ8の側面に設けられた光学センサであり、コイン型記憶媒体の有無を感知して、制御部40に伝達するものである。
【0049】
以上の様に構成されたコイン型記憶媒体の処理機Aの、コイン型記憶媒体が投入されてからコイン型記憶媒体の使用が終了するまでの一連の動作を、図3、図5および図6を用いて説明する。
通常、ローター10は、図3に示すように、凹部10aがストッカ8にも保持位置7にも連通されない位置状態で停止している。また、保持部材2は、下側の端部2bが投入路4と排出路6との間に突出して、コイン型記憶媒体を保持可能な状態となっている。
なお、このローター10の初期位置は、図3に示す位置である必要はなく、凹部10aがストッカ8にも保持位置7にも連通されず、保持位置7およびストッカ8内のコイン型記憶媒体が、ローター10の外周に当接される位置であればよい。
【0050】
投入口4aよりコイン型記憶媒体51が投入されると、図3に示すように、コイン型記憶媒体51は投入路4を通って保持部材2の端部2bとローター10の外周縁とに当たって停止する。投入されたコイン型記憶媒体51は、光学センサ36によって検知され、制御部40はコイン型記憶媒体51の投入を認識する。制御部40は、リーダライタ34によってコイン型記憶媒体51に記憶された有価価値情報(有価価値特定情報)を読み取り、読み取った有価価値情報が表す有価価値(有価価値特定情報によって特定される有価価値)に応じて放出可能なパチンコ玉の数を計算する。制御部40は、この放出可能なパチンコ玉の数を、接続端子40aを介してパチンコ玉放出装置に送信する。
【0051】
パチンコ玉放出装置は、送信されたパチンコ玉数に基づいてパチンコ玉の放出を行う。このとき、パチンコ玉放出装置は、送信されたパチンコ玉の数分の放出を行うように構成しても良いし、送信されたパチンコ玉の数を超えない範囲で一定数のパチンコ玉を放出するようにしても良いし、放出数をユーザー(遊技者)が指定できるように構成しても良い。
いずれにしても、パチンコ玉の放出が終了すると、パチンコ玉放出装置は、接続端子40aを通じて実際に放出したパチンコ玉の数のデータをコイン型記憶媒体の処理機Aの制御部40に送信する。
制御部40は、先に読み出されたコイン型記憶媒体51の有価価値情報が表す有価価値から、実際に放出されたパチンコ玉の値段に対応する価値分を差し引いて新たに求められた有価価値に対応する有価価値情報を、リーダライタ34を介してコイン型記憶媒体51に書き込む。
【0052】
このとき、制御部40は、差し引いて求めた有価価値が0だった場合、即ちコイン型記憶媒体51に記憶されていた有価価値情報の価値分のパチンコ玉が放出された場合には、コイン型記憶媒体51の有価価値特定情報を0にすると共に、図5(a)に示されるように、ローター10を左回転させ、図5(b)のように凹部10aを保持位置7に連通させる。すると、コイン型記憶媒体51は、重力によって凹部10aに転がり落ちて収納される。続いて制御部40は、図5(c)のようにさらにローター10を左回転させ、凹部10aをストッカ8に連通させる。すると、コイン型記憶媒体51はガイドピン14に案内されて、ストッカ8へ押し上げられる。図5(c)の状態からさらにローター10を左回転させ続けることで、図5(d)のように、コイン型記憶媒体51はストッカ8に完全に収容される。その後、制御部40は、ローター10を、さらに左回りに回転して、図3の状態に戻す。
この様にして、ストッカ8内には、0の有価価値情報が記憶されたコイン型記憶媒体のみがストックされる。
【0053】
また、制御部40は、コイン型記憶媒体51に新たに書き込まれた有価価値情報が0でなかった場合には、図3の状態を保持し、遊技者が、遊技を終了することを示す所定の操作をした時点で、コイン型記憶媒体51を返却する制御を行う。返却の制御は、制御部40が、図3(図6(a))の状態でコイン型記憶媒体51に残高に対応する有価価値情報が書き込ませた後、プランジャー型ソレノイド44を駆動して保持部材2の端部2bを側壁内に引き込み(図4(b))、図6(b)に示されるように、コイン型記憶媒体51を排出路6の方に落下さて排出することで行う。
【0054】
また、図3の状態で遊戯中に停電が発生した場合には、プランジャー型ソレノイド44の通電が止まり、保持部材2の端部2bが壁部内に引っ込んで、保持位置7のコイン型記憶媒体51は自動的に排出路から排出される。
また、前記押下ボタン等の保持部材操作手段を設けた場合には、保持部材操作手段を操作(前記押下ボタンを押下)することにより、停電中でも保持位置7のコイン型記憶媒体を排出させることができる。
【0055】
また、コイン型記憶媒体51をストッカ8にストックさせる場合、コイン型記憶媒体51に続いて投入されたコイン型記憶媒体は、ローター10の凹部10aにコイン型記憶媒体51を収納した時点で保持位置7に移動(落下)し、リーダライタ34によって情報を読み取って、遊技媒体の貸し出し等の処理を行ったり、必要に応じて排出したりすることができるため、従来のコイン型記憶媒体の処理機に比較して、遊技者の待ち時間は非常に短時間とすることができる。
【0056】
次に、コイン型記憶媒体の発行の手順について、図7を用いて説明する。
ユーザー(遊技者)が、前記貨幣識別装置の貨幣投入口より貨幣を投入すると、貨幣識別装置によって貨幣が識別され、その金額データが制御部40に送られる。
【0057】
ここで、光学センサ38によってストッカ8内にコイン型記憶媒体が存在しないことが検知されている場合は、制御部40は、投入された貨幣を排出して返却し、コイン型記憶媒体の発行を行わない。
【0058】
一方、ストッカ内にコイン型記憶媒体52が存在する場合は、以下の動作を行う。制御部40は、コイン型記憶媒体52の発行を行うべく、ローター10を右回転させ(図7(a))、凹部10aをストッカ8に連通させる(図7(b))。凹部10aがストッカ8に連通されると、ストッカ8内にストックされたコイン型記憶媒体が落下し、最下端にストックされていたコイン型記憶媒体52が凹部10aに収納される。制御部40は更にローター10を右回転させて、凹部10aを保持位置7に連通させる。すると、図7(c)に示すように、コイン型記憶媒体52は、ガイドピン16に案内され、なおかつ凹部10aの切り欠き部10bの外縁によって押し出されて、保持位置7へ移動される。このとき、もちろん保持部材2の端部2bは突出して、コイン型記憶媒体を保持位置7に保持可能な状態に制御されている。図7(c)の状態からさらにローター10を右回転させ続けることで、図7(d)のように、コイン型記憶媒体52は保持位置7に完全に移動される。
【0059】
そして、制御部40は、リーダライタ34によって、投入された貨幣分の有価価値情報をコイン型記憶媒体52に書き込む。
その後、図6のコイン排出時と同様、制御部40は保持部材2によるコイン型記憶媒体の保持を解除し、コイン型記憶媒体52を排出して発行する。
このようにして、ユーザー(遊技者)が投入した貨幣分の有価価値情報が記憶されたコイン型記憶媒体52を発行することができる。
【0060】
なお、本実施の形態では、コイン型記憶媒体の処理機Aをパチンコ玉の放出機に接続して、パチンコ玉の貸出機を構成して使用する場合を例にして説明したが、同様の遊技機器であるスロットマシンのメダルやその他のゲームマシンで使用する遊技媒体の放出機と接続して、遊技媒体の貸出機を構成したり、物品を放出可能な機器に接続または内蔵させて自動販売機を構成するなど、各種の機器に接続して使用できることはもちろんである。
【0061】
【発明の効果】
本発明に係るコイン型記憶媒体の処理機によれば、単純な構成でコンパクトに形成できる、ローターを用いたコイン型記憶媒体の処理機の利点を損なうことなく、コイン型記憶媒体をローターでストッカや排出路へ移動させている間にも、投入された他のコイン型記憶媒体をリーダライタで読み書きして使用でき、なおかつ保持位置で使用中のコイン型記憶媒体を、ローターによらず排出させることができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るコイン型記憶媒体の処理機の構成を示す側面説明図である。
【図2】リーダライタユニットの斜視図である。
【図3】リーダライタユニットの内部構成を示す側面図である。
【図4】保持部材および保持部材駆動装置の構成を示す図である。
【図5】保持位置のコイン型記憶媒体をストッカに収容する際の動作を示す説明図である。
【図6】保持位置のコイン型記憶媒体を排出する際の動作を示す説明図である。
【図7】ストッカに収容されているコイン型記憶媒体を保持位置に移動させる際の動作を示す説明図である。
【符号の説明】
A コイン型記憶媒体の処理機の本体
B リーダライタユニット
2 保持部材
4 投入路
6 排出路
7 保持位置
8 ストッカ
10 ローター
10a 凹部
10b 切り欠き部
10c、10d 溝
12 ステッピングモータ
14 ガイドピン(ストッカガイド部)
16 ガイドピン(保持位置ガイド部)
20 回収通路
22 回収箱
24 パネル板
26 ヒンジ部
28、30 ケース部材
34 リーダライタ
40 制御部
40a 接続端子
44 プランジャー型ソレノイド(保持部材駆動装置)
50,51,52 コイン型記憶媒体

Claims (15)

  1. 投入されたコイン型記憶媒体を内部に導く投入路と、コイン型記憶媒体を外部に導く排出路と、コイン型記憶媒体がストックされるストッカとが形成された本体と、
    前記投入路から進入したコイン型記憶媒体を所定の保持位置に保持可能、かつ保持を解除した際には該コイン型記憶媒体を前記排出路へ移動可能な保持部材と、
    該保持部材の保持と解除とを切り替える保持部材駆動装置と、
    前記保持位置の近傍に設けられ、該保持位置のコイン型記憶媒体に記憶されたデータの読み取りおよび/または該コイン型記憶媒体へのデータの書き込みを行うリーダライタと、
    円盤状に形成され、円盤の周縁にコイン型記憶媒体を収納可能な凹部が形成され、回転可能に設けられ、回転される角度に応じて前記保持位置および前記ストッカのいずれかに選択的に前記凹部を連通可能に設けられ、該凹部にコイン型記憶媒体が収納されていない状態で該凹部が前記保持位置に連通された場合には、該保持位置に保持されているコイン型記憶媒体が該凹部に収納され、該凹部にコイン型記憶媒体が収納された状態で該凹部が前記ストッカに連通された場合には、該コイン型記憶媒体を該ストッカ内にストック可能に設けられたローターと、
    該ローターを回転させるローター駆動装置と、
    前記保持部材駆動装置を制御することで、前記保持部材によるコイン型記憶媒体の保持と解除との切り替え制御が可能であり、前記ローター駆動装置を制御することで、前記ローターの回転制御が可能な制御部とを備え
    前記ローターの前記凹部には、該凹部が前記ストッカから前記保持位置に向かって回転する際の回転方向後縁部に、コイン型記憶媒体を収納した該凹部が前記保持位置に連通された際に該コイン型記憶媒体を該保持位置の方向に押し出すための、該凹部の内面と該ローターの外周面とをなだらかに結ぶ形状の切り欠き部が形成されていることを特徴とするコイン型記憶媒体の処理機。
  2. 前記保持部材は、断面コの字状に形成され、両端部が前記投入路および前記排出路を形成する壁部に向かうよう配設されており、
    前記保持部材の中途部から外方に延びる延出部が設けられており、
    前記保持部材は、前記延出部の先端部に設けられた軸によって前記本体に回動可能に軸支されていることを特徴とする請求項1記載のコイン型記憶媒体の処理機。
  3. 前記排出路は、前記投入路の下方に、該投入路と連通して形成され、
    前記保持部材は、前記投入路と前記排出路との間を塞ぐことでコイン型記憶媒体を保持し、該投入路と排出路との間を開くことで該保持を解除して該コイン型記憶媒体を該排出路の方へ落下させて移動させることを特徴とする請求項1または2記載のコイン型記憶媒体の処理機。
  4. 前記保持部材駆動装置は、通電されているときには、前記保持部材を、コイン型記憶媒体を保持する位置に位置させ、非通電のときには、該保持部材を、コイン型記憶媒体の保持を解除する位置に位置させるソレノイドを有することを特徴とする請求項1、2または3記載のコイン型記憶媒体の処理機。
  5. 前記保持部材によるコイン型記憶媒体の保持と解除との切り替えを、ユーザーが操作可能な保持部材操作手段を備えることを特徴とする請求項1〜4のうちのいずれか一項記載のコイン型記憶媒体の処理機。
  6. 前記保持部材が、前記保持位置のコイン型記憶媒体を、重力により前記ローターの周縁に当接して支持される姿勢に保持することで、前記ローターの前記凹部が前記保持位置に連通された場合に、前記コイン型記憶媒体が重力により該凹部に収納されるよう設けられていることを特徴とする請求項1〜5のうちのいずれか一項記載のコイン型記憶媒体の処理機。
  7. 前記凹部にコイン型記憶媒体が収納された状態で該凹部が前記ストッカに連通される際に、該コイン型記憶媒体を該ストッカの方へ案内して該ストッカ内にストックさせるストックガイド部を備えることを特徴とする請求項1〜6のうちのいずれか一項記載のコイン型記憶媒体の処理機。
  8. 前記ストックガイド部が、前記ローターにより回転されるコイン型記憶媒体の通過経路内に突出するガイドピンであり、
    前記ローターには、前記ガイドピンを逃がす溝が形成されていることを特徴とする請求項7記載のコイン型記憶媒体の処理機。
  9. 前記ストッカは、コイン型記憶媒体が一枚ずつ上方に押し上げられることによって収容されるエスカレータ型のストッカであることを特徴とする請求項1〜8のうちのいずれか一項記載のコイン型記憶媒体の処理機。
  10. 前記本体は開閉可能に設けられ、該本体を開いた際には前記ローターおよび前記保持部材が露出するよう設けられていることを特徴とする請求項1〜9のうちのいずれか一項記載のコイン型記憶媒体の処理機。
  11. 前記コイン型記憶媒体に記憶されるデータには、有価価値を特定可能な有価価値特定情報が含まれ、
    前記制御部は、
    前記リーダライタによって前記保持位置のコイン型記憶媒体から読み出された有価価値特定情報により特定される有価価値を、使用された価値分を差し引いて求められた差し引き有価価値に更新可能であり、
    前記コイン型記憶媒体の使用が終了した際、前記差し引き有価価値が0より大きい場合には、前記保持部材の保持を解除して該コイン型記憶媒体を前記排出路へ移動させ、
    前記コイン型記憶媒体の使用が終了した際、前記差し引き有価価値が0の場合には、前記ローターの前記凹部を前記保持位置に連通させて該コイン型記憶媒体を該凹部に収納した後、該凹部を前記ストッカに連通させて該コイン型記憶媒体を該ストッカ内にストックさせる制御が可能に設けられていることを特徴とする請求項1〜10のうちのいずれか一項記載のコイン型記憶媒体の処理機。
  12. 前記ローターは、
    前記凹部にコイン型記憶媒体が収納されていない状態で該凹部が前記ストッカに連通された場合には、該ストッカ内にストックされているコイン型記憶媒体が該凹部に収納され、
    前記凹部にコイン型記憶媒体が収納された状態で該凹部が前記保持位置に連通された場合には、該コイン型記憶媒体を該保持位置へ移動可能に設けられていることを特徴とする請求項1〜11のうちのいずれか一項記載のコイン型記憶媒体の処理機。
  13. 前記凹部にコイン型記憶媒体が収納された状態で該凹部が前記保持位置に連通された際に、該コイン型記憶媒体を該保持位置の方へ案内して該保持位置へ移動させる保持位置ガイド部を備えることを特徴とする請求項12記載のコイン型記憶媒体の処理機。
  14. 前記保持位置ガイド部は、前記ローターにより回転されるコイン型記憶媒体の通過経路内に突出するガイドピンであり、
    前記ローターには、前記ガイドピンを逃がす溝が形成されていることを特徴とする請求項13記載のコイン型記憶媒体の処理機。
  15. 前記コイン型記憶媒体に記憶されるデータには、有価価値を特定可能な有価価値特定情報が含まれ、
    貨幣を投入可能な貨幣投入口を備え、該貨幣投入口より投入された貨幣を識別する貨幣識別装置と接続可能であり、
    前記制御部は、貨幣が前記貨幣投入口より投入されて前記貨幣識別装置によって識別された際、前記ローターの前記凹部を前記ストッカに連通させることで該ストッカ内にストックされたコイン型記憶媒体を該凹部に収納させた後、該凹部を前記保持位置に連通させて該コイン型記憶媒体を該保持位置に移動させ、前記リーダライタにより、該コイン型記憶媒体に記憶された有価価値特定情報により特定される有価価値を、投入された前記貨幣の金額に応じた有価価値に更新する制御が可能に設けられていることを特徴とする請求項12〜14のうちのいずれか一項記載のコイン型記憶媒体の処理機。
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