JP4440517B2 - 室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物及び該組成物を接着剤として用いた部品 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物に関し、詳しくは、硬化前は押出し性に優れ、硬化後は自己消炎性に優れ、かつその自己消炎性が経時で変化することがなく、保存安定性も優れたシリコーンゴムとなり得る室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物及び該組成物を接着剤として用いた電気・電子部品に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物は種々の優れた性質を有しており、土木、建築、一般工業、電気・電子用等各種分野で使用されている。しかし、これらの室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物は一般に自己消炎性に乏しいという欠点があった。そのため、これらの組成物に、結晶性シリカ、炭酸亜鉛、水酸化アルミニウム、カーボンブラック等の増量充填剤を大量に添加配合することにより、その自己消炎性を向上する試みがなされている。また、これらの組成物に白金もしくは白金系化合物を添加配合する試みもなされているが、いずれも自己消炎性が不十分であった。更に、これらの組成物はいずれも作業性に劣り、特に容器からの押出し性が悪いという致命的な欠点があった。
【0003】
上記の欠点の解消手段として、特開昭54−90349号公報には、ステアリン酸又はメタリン酸処理された水酸化アルミニウムを配合した常温硬化性ポリオルガノシロキサン組成物が提案され、特開平4−198365号公報、特開平5−12528号公報には、水酸化アルミニウムと炭酸カルシウムを併用した室温硬化性オルガノシロキサン組成物が提案されているが、保存安定性、作業性自己消炎性の経時保持等が不十分であった。
【0004】
本発明は上記事情に鑑みなされたもので、硬化前は押出し性に優れ、硬化後は自己消炎性に優れ、かつその自己消炎性が経時で変化することがなく、保存安定性も優れたシリコーンゴムとなり得る室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物及び該組成物を接着剤として用いた電気・電子部品を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段及び発明の実施の形態】
本発明者は、上記目的を達成するため鋭意検討した結果、特定の表面処理を行なった水酸化アルミニウム粉末を含有する室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物が、硬化前は押出し性に優れ、硬化後は自己消炎性に優れ、かつその自己消炎性が経時で変化することがなく、保存安定性も優れたシリコーンゴムとなり得ることを知見し、本発明をなすに至ったものである。
【0006】
従って、本発明は、
(A)25℃における粘度が100〜500,000mPa・sであり、分子鎖末端が水酸基又はアルコキシ基で封鎖されたジオルガノポリシロキサン 100重量部
(B)ケイ素原子に結合した加水分解可能な基を1分子中に3個以上有するシラン化合物又はその部分加水分解物 0.1〜30重量部
(C)アルコキシシランで表面処理された、平均粒子径が50μm以下の水酸化アルミニウム粉末 50〜300重量部
(D)白金金属触媒 白金金属として1〜200ppm
を含有することを特徴とする電気・電子部品の接着剤用室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物及び該室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物を接着剤として用いた電気・電子部品を提供する。
【0007】
また更に、本発明の組成物は、自己消炎性を高めるために、
(E)コロイド質炭酸カルシウム 5〜100重量部
及び/又は
(F)トリアゾール基を含有する有機化合物 0.1〜5重量部
を含有することが好ましい。
【0008】
以下、本発明につき更に詳しく説明する。
(A)成分の25℃における粘度が100〜500,000mPa・sであり、分子鎖末端が水酸基又はアルコキシ基で封鎖されたジオルガノポリシロキサンは、本発明組成物の主成分である。(A)成分は、分子鎖末端が水酸基又はアルコキシ基で封鎖されていることが必要である。このようなジオルガノポリシロキサンとしては、下記一般式(1)、(2)で表されるα,ω−ジヒドロキシ(又はジオルガノオキシ)−ジオルガノポリシロキサンが例示される。
【0009】
【化1】
(式中、R、R1はそれぞれ、同一又は異種の置換又は非置換の1価炭化水素基であり、nは一般式(1)、(2)で表されるジオルガノポリシロキサンの25℃における粘度を100〜500,000mPa・s、好ましくは、500〜100,000mPa・sの範囲にするような値である。aは2又は3である。)
【0010】
上記式中、Rは炭素数1〜12、特に1〜10のものが好ましく、具体的には、メチル基、エチル基、イソプロピル基、ヘキシル基、オクタデシル基等のアルキル基、ビニル基、ヘキセニル基等のアルケニル基、シクロヘキシル基、シクロペンチル基等のシクロアルキル基、ベンジル基、β−フェニルエチル基等のアラルキル基、フェニル基、キセニル基、ナフチル基、トリル基、キシリル基等のアリール基、及びこれらの基の水素原子の一部又は全部をシアノ基やハロゲン原子で置換された基、例えばβ−シアノエチル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基、パーフルオロブチル基のような有機基等で置換した基が挙げられ、特にメチル基が好ましい。R1はメチル基、エチル基、イソプロピル基、ヘキシル基、オクタデシル基等の鎖状アルキル基であり、メチル基、エチル基が好ましい。
【0011】
R、R1はそれぞれ同一のものばかりでもよく、異種のものが混在してもよい。これらの中でも、合成の容易さ、硬化後の機械的性質と未硬化の組成物の粘性のバランス等の点から、Rの90モル%以上又は全部がメチル基であり、メチル基以外の基がある場合はビニル基又はフェニル基であることが好ましい。
【0012】
粘度は、25℃において、100〜500,000mPa・s、好ましくは500〜100,000mPa・sの範囲である。100mPa・s未満だと、硬化後のゴムの伸度が小さくなりすぎて実用に耐えることができず、500,000mPa・sを超えると、組成物の押出し性が低下する。
【0013】
(B)成分は、ケイ素原子に結合した加水分解可能な基を1分子中に3個以上有するシラン化合物又はその部分加水分解物であり、本発明の組成物の架橋剤として作用する。
シラン化合物としては、下記一般式(3)で示されるものが例示される。
R2 bSiX4-b (3)
上記式中、R2は置換又は非置換の1価炭化水素基でRと同様の基が例示され、炭素数1〜3のアルキル基、ビニル基、フェニル基が好ましい。Xは加水分解性基であり、アルコキシ基、アルケニルオキシ基、ケトオキシム基、アセトキシ基、アミノ基、アミド基、アミノキシ基等が例示され、アルコキシ基、アルケニルオキシ基、ケトオキシム基が好ましい。bは0又は1である。
【0014】
これらシラン化合物又はその部分加水分解物の具体例としては、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、3,3,3−トリフルオロプロピルトリメトキシシラン、β−シアノエチルトリメトキシシラン、テトライソプロポキシシラン、テトラブトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、オクタデシルトリメトキシシラン、テトラ(β−クロロエトキシ)シラン、テトラ(2,2,2−トリフルオロエトキシ)シラン、プロピルトリス(δ−クロロブトキシ)シラン、メチルトリス(メトキシエトキシ)シラン等のアルコキシシラン類、エチルポリシリケート、ジメチルテトラメトキシジシロキサン等のアルコキシシロキサン類、メチルトリス(メチルエチルケトオキシム)シラン、ビニルトリス(メチルエチルケトオキシム)シラン、フェニルトリス(メチルエチルケトオキシム)シラン、メチル(ジエチルケトオキシム)シラン、テトラ(メチルエチルケトオキシム)シラン等のケトオキシムシラン類、メチルトリス(シクロヘキシルアミノ)シラン、ビニルトリス(n−ブチルアミノ)シラン等のアミノシラン類、メチルトリス(N−メチルアセトアミド)シラン、メチルトリス(N−ブチルアセトアミド)シラン、メチルトリス(N−シクロヘキシルアセトアミド)シラン等のアミドシラン類、メチルトリス(N,N−ジエチルアミノキシ)シラン等のアミノキシシラン類、メチルトリ(イソプロペノキシ)シラン、ビニルトリ(イソプロペノキシ)シラン等のアルケノキシシラン類、メチルトリアセトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン等のアセトキシシランが例示される。これらは1種又は2種以上を併用してもよい。
【0015】
(B)成分の添加量は、(A)成分100重量部に対し0.1〜30重量部である。この(B)成分の配合量は、組成物を一包装性室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物にするかあるいは二包装型室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物にするかによって異なり、また組成物中の水分量等によっても異なるので、これらに応じて適宜最適な量を選択して添加すればよい。
【0016】
(C)成分は、シラン、シロキサン、シラザンからなる群から選ばれる1種又は2種以上の化合物で表面処理された、平均粒子径が50μm以下の水酸化アルミニウム粉末であり、本発明組成物に自己消炎性及び自己消炎性の保持を付与するために必須とされる成分である。シラン、シロキサン、シラザン以外で表面処理された水酸化アルミニウム微粉末及び表面未処理の水酸化アルミニウム微粉末を使用すると、硬化後又は長期保存後における自己消炎性が経時で変化してしまう。
【0017】
表面処理に使用される化合物は、シラン、シロキサン、シラザンからなる群から選ばれる1種又は2種以上の化合物である。
シラン化合物としては、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、3,3,3−トリフルオロプロピルトリメトキシシラン、β−シアノエチルトリメトキシシラン、テトライソプロポキシシラン、テトラブトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、オクタデシルトリメトキシシラン、テトラ(β−クロロエトキシ)シラン、テトラ(2,2,2−トリフルオロエトキシ)シラン、プロピルトリス(δ−クロロブトキシ)シラン、メチルトリス(メトキシエトキシ)シラン等のアルコキシシラン、ジメチルジクロロシラン、メチルトリクロロシラン等のオルガノクロロシランが例示される。シロキサンとしては、オクタメチルシクロテトラシロキサン等が例示され、シラザンとしては、ヘキサメチルジシラザン等が例示される。これらの中で、シラン化合物が好ましく、より具体的にはアルコキシ基の炭素数が1〜3のアルコキシシランが挙げられ、下記一般式(4)で表されるオルガノトリアルコキシシランが特に好ましい。
R3SiY3 (4)
(式中、R3は炭素数1〜10の1価炭化水素基、Yは炭素数1〜3のアルコキシ基である。)
【0018】
(C)成分の水酸化アルミニウム粉末は、平均粒子径が50μm以下、好ましくは0.5〜50μm、特に1〜40μmである。平均粒子径が50μmを超えると、自己消炎性が悪くなったり、硬化後のゴム物性が低下する。
【0019】
(C)成分の添加量は、(A)成分100重量部に対して、50〜300重量部、好ましくは60〜200重量部である。添加量が、50重量部未満だと自己消炎性が低下し、300重量部を超えると押出し性が悪くなる。
【0020】
(D)成分は、白金金属触媒であり、本発明組成物に自己消炎性を付与するために必須とされる成分である。このような(D)成分としては白金微粉末やアルミナ、シリカゲル、アスベスト等の担体に白金粉末を担持させたもの、塩化白金酸あるいは塩化白金酸とアルコール、エーテル、アルデヒドあるいはビニルシロキサン等との錯体が例示される。この白金又は白金化合物は組成物中への分散を良くするためにイソプロパノール、エタノール、ベンゼン、トルエン、キシレン等の有機溶媒あるいはオルガノポリシロキサンオイルに溶解乃至分散させて使用してもよい。
【0021】
(D)成分の添加量は、(A)成分100重量部に対して白金金属として1〜200ppm、好ましくは10〜100ppmである。添加量が、1ppm未満では自己消炎性を付与できず、200ppmを超しても自己消炎性は改善されず経済的に不利益となる。
【0022】
(E)成分のコロイド質炭酸カルシウムは任意成分であり、本発明組成物に適度のゴム物性と良好な押出し性を与えるための成分である。炭酸カルシウムは、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、コロイド質炭酸カルシウム等があるが、本発明の組成物においては、これらのうち、最も粒径の細かいコロイド質炭酸カルシウムが好ましい。炭酸カルシウムの表面処理の有無は特に限定されないが、脂肪酸、樹脂酸、界面活性剤等で処理されたものが好ましい。
【0023】
(E)成分の添加量は、(A)成分100重量部に対して5〜100重量部、より好ましくは10〜100重量部、特に20〜50重量部が好ましく、100重量部を超えると、押出し性が悪くなる場合がある。
【0024】
(F)成分のトリアゾール基を含有する有機化合物は、本発明組成物の自己消炎性を更に向上させるための任意成分である。トリアゾール基を含有する有機化合物の具体例としては、ベンゾトリアゾール、及びそのシロキサン変性体等のベンゾトリアゾールの誘導体が挙げられる。
【0025】
(F)成分の添加量は、(A)成分100重量部に対して0.1〜5重量部が好ましい。0.1重量部未満だと自己消炎性の向上はあまりなく、5重量部を超えても自己消炎性の更なる向上は得られない場合がある。
【0026】
本発明の組成物には、更に必要に応じて(A)成分と(B)成分の硬化を促進するための触媒を添加することができる。その代表的なものとしては、テトラメチルグアニジルプロピルトリメトキシシラン、テトラメチルグアニジルプロピルジメトキシシラン、ジブチル鉛(II)−エチルオクトエート、ジブチル錫ジアセテート、ジブチル錫(II)−エチルヘキソエート、ジブチル錫ジラウレート、ブチル錫トリ−2−エチルヘキソエート、ジブチル錫アセチルアセトナート、鉄(II)−エチルヘキソエート、コバルト(II)−エチルヘキソエート、マンガン(II)−エチルヘキソエート、カプリル酸第1錫、ナフテン酸錫、オレイン酸錫、ブチル錫、ナフテン酸亜鉛、ステアリン酸亜鉛、ナフテン酸チタン等のモノカルボン酸の金属塩、テトラブチルチタネート、テトラフェニルチタネート、テトラ−2−エチルヘキシルチタネート、テトラオクタデシルチタネート、トリエタノールアミンチタネート及びエチレングリコールチタネート、米国特許第3294739号に開示されているオルガノシロキシ基がSi−O−Tiによりチタン原子に結合しているオルガノシロキシチタン化合物、米国特許第3334067号に開示されているようなβ−ジカルボニルチタン化合物、ヘキシルアミン、ドデシルアミン等のアミン、酢酸ヘキシルアミン、リン酸ドデシルアミン等のアミン塩、ベンジルトリメチルアンモニウムアセテート等の第4級アンモニウム塩、酢酸カリウム等のアルカリ金属の塩がある。
【0027】
上記硬化促進触媒の添加量は、(A)成分100重量部に対して0.001〜10重量部が好ましく、特に、0.01〜5重量部が好ましい。
【0028】
本発明の組成物は、これら(A)、(B)、(C)及び(D)の必須成分と、(E)及び(F)の任意成分に加え、必要に応じて上記の硬化促進触媒等を配合することによって得られるが、本発明においては更に必要に応じ、本発明の目的を損なわない範囲で、各種有機溶剤、非反応性の低分子オルガノポリシロキサン、酸化マグネシウム、アルミナ、酸化亜鉛、酸化鉄等の各種充填剤や顔料、炭酸マンガンやアゾビスイソブチロニトリル等の難燃化剤、水酸化セリウムや酸化セリウムのような熱安定剤、シランカップリング剤のような接着向上剤等、室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物の添加剤として従来公知とされる添加剤を配合してもよい。
【0029】
本発明の組成物は、硬化前は押出し性に優れ、硬化後は自己消炎性に優れ、かつその自己消炎性が経時で変化することがなく、保存安定性も優れたシリコーンゴムになるという特性を有するため、様々な用途に用いることができるが、発熱や発火の危険性がある電気・電子部品の接着剤、より好ましくはCRTと樹脂との接着剤として使用することが望ましい。
【0030】
【実施例】
以下、実施例及び比較例を示して本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。なお、実施例及び比較例中で部とあるのは重量部を意味し、粘度は25℃における値である。
【0031】
各種特性の測定は次の試験方法に従って測定した。
押出し性:プラスチック製カートリッジに室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物を充填し、2kg/cm2の圧力で押出した時の吐出量(g/秒)を測定した。
ゴム物性:室温硬化性オルガノポリシロキサンを室温で7日間硬化させ、厚さ2mmのシリコーンゴムシートを作製し、次いでこのシリコーンゴムシートの物理特性(硬さ、引張強さ、伸び)をJIS K6249に従って測定した。
自己消炎性の測定(難燃性):UL−94の難燃性の試験方法に従った。室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物を硬化させて得た厚さ0.8mmのシリコーンゴムシートを長さ127mm、幅12.7mmに切断して試験片とした。この試験片を無風下に垂直につるし、下から1000BTU/ft3のガスバーナーの炎を10秒間ずつ2回あて、それぞれの炎が消えるまでの時間(秒)を測定した。試験片5本について各々2回の接炎試験を行ない、計10回の合計値を自己消炎性(単位:秒)とした。
【0032】
[実施例1]
粘度20,000mPa・sのα,ω−ジヒドロキシ−ジメチルポリシロキサン100部に、平均粒子径が10μmの、エチルトリメトキシラン処理した水酸化アルミニウム微粉末100部、及び上記ジメチルポリシロキサンに対し白金金属として22ppmの塩化白金酸の2−エチルヘキサノール溶液を、室温で順次混合し、更に減圧下で均一になるまで混合した。
この混合物100部にビニルトリメトキシシラン6部、テトラメチルグアニジルプロピルトリメトキシシラン0.5部を添加し、減圧下で均一になるまで混合した後、ジブチル錫ジラウレート0.3部を湿気遮断下で均一になるまで混合した。これをプラスチック製カートリッジに入れて密封した。
得られた一包装性室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物について、押出し性、流動性、硬化後のゴム物性(硬さ、引張強さ、伸び)、自己消炎性(硬化1週間後、硬化3ヶ月後、未硬化保存3ヶ月後の組成物の硬化1週間後)を測定した。これらの結果を表1に示す。
【0033】
[実施例2]
粘度20,000mPa・sのα,ω−ジヒドロキシ−ジメチルポリシロキサン100部に、平均粒子径が1.0μmの、ビニルトリメトキシシラン処理の水酸化アルミニウム微粉末100部、及び上記ジメチルポリシロキサンに対し白金金属として22ppmの塩化白金酸の2−エチルヘキサノール溶液を室温で順次混合し、更に減圧下で均一になるまで混合した。
この混合物100部にビニルトリメトキシシラン6部、テトラメチルグアニジルプロピルトリメトキシシラン0.5部を添加し、減圧下で均一になるまで混合した後、ジブチル錫ジラウレート0.3部を湿気遮断下で均一になるまで混合した。これをプラスチック製カートリッジに入れて密封した。
得られた一包装性室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物について、実施例1と同様に押出し性、流動性、各種ゴム物性、自己消炎性を測定した。これらの結果を表1に示す。
【0034】
[比較例1]
実施例1において、エチルトリメトキシラン処理した水酸化アルミニウム微粉末を、脂肪酸にて表面処理した水酸化アルミニウム微粉末に変えた以外は実施例1と同様の方法で一包装性室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物を調製した。
得られた組成物について、実施例1と同様に押出し性、流動性、各種ゴム物性、自己消炎性を測定した。これらの結果を表1に示す。
【0035】
[比較例2]
実施例1において、エチルトリメトキシシラン処理した水酸化アルミニウム微粉末を、ステアリン酸処理した水酸化アルミニウム微粉末に変えた以外は実施例1と同様の方法で一包装性室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物を調製した。得られた組成物について、実施例1と同様に押出し性、流動性、各種ゴム物性、自己消炎性を測定した。これらの結果を表1に示す。
【0036】
[比較例3]
粘度20,000mPa・sのα,ω−ジヒドロキシ−ジメチルポリシロキサン100部に平均粒子径が10μmのステアリン酸処理した水酸化アルミニウム微粉末80部、平均粒子径が10μmの表面処理されたコロイド質炭酸カルシウム20部、及び上記ジメチルポリシロキサンに対し白金金属として22ppmの塩化白金酸の2−エチルヘキサノール溶液を室温で順次混合し、更に減圧下で均一になるまで混合した。
この混合物100部にビニルトリメトキシシラン7.0部、テトラメチルグアニジルプロピルトリメトキシシラン0.5部を添加し、減圧下で均一になるまで混合した後、ジブチル錫ジラウレート0.3部を湿気遮断下で均一になるまで混合して一包装性室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物を得た。これをプラスチック製カートリッジに入れて密封した。
得られた一包装性室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物について押出し性、流動性、硬化後のゴム物性、白己消炎性を測定した。これらの結果を表1に示す。
【表1】
【0037】
[実施例3]
粘度20,000mPa・sのα,ω−ジヒドロキシ−ジメチルポリシロキサン100部に、平均粒子径が10μmの、エチルトリメトキシシラン処理の水酸化アルミニウム微粉末86部、及び上記ジメチルポリシロキサンに対し白金金属として22ppmの塩化白金酸の2−エチルヘキサノール溶液を、室温で順次混合し、更に減圧下で均一になるまで混合した。
この混合物100部にビニルトリメトキシシラン4.0部、ジイソプロポキシ−ビス(アセト酢酸エチル)チタン1.0部を湿気遮断下で均一になるまで混合した。これをプラスチック製カートリッジに入れて密封した。
得られた一包装性室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物について、実施例1と同様に押出し性、流動性、各種ゴム物性、自己消炎性を測定した。これらの結果を表2に示す。
【0038】
[実施例4]
粘度20,000mPa・sのα,ω−ジヒドロキシ−ジメチルポリシロキサン100部に、平均粒子径が10μmの、エチルトリメトキシシラン処理の水酸化アルミニウム微粉末86部、及び上記ジメチルポリシロキサンに対し白金金属として22ppmの塩化白金酸の2−エチルヘキサノール溶液を、室温で順次混合し、更に減圧下で均一になるまで混合した。
この混合物100部にビニルトリ(イソプロペノキシ)シラン4.0部、テトラメチルグアニジルプロピルトリメトキシシラン0.5部を湿気遮断下で均一になるまで混合した。これをプラスチック製カートリッジに入れて密封した。
得られた一包装性室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物について、実施例1と同様に押出し性、流動性、各種ゴム物性、自己消炎性を測定した。これらの結果を表2に示す。
【0039】
[実施例5]
粘度20,000mPa・sのα,ω−ジヒドロキシ−ジメチルポリシロキサン100部に、平均粒子径が10μmの、エチルトリメトキシシラン処理の水酸化アルミニウム微粉末86部、及び上記ジメチルポリシロキサンに対し白金金属として22ppmの塩化白金酸の2−エチルヘキサノール溶液を、室温で順次混合し、更に減圧下で均一になるまで混合した。
この混合物100部にビニルトリス(メチルエチルケトオキシム)シラン6部、ジブチル錫ジラウレート0.1部を湿気遮断下で均一になるまで混合した。これをプラスチック製カートリッジに入れて密封した。
得られた一包装性室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物について、実施例1と同様に押出し性、流動性、各種ゴム物性、自己消炎性を測定した。これらの結果を表2に示す。
【0040】
[実施例6]
粘度20,000mPa・sのα,ω−ジヒドロキシ−ジメチルポリシロキサン100部に、平均粒子径が10μmの、エチルトリメトキシシラン処理の水酸化アルミニウム微粉末86部、及び脂肪酸処理炭酸カルシウム粉末29部、結晶性シリカ粉末29部、上記ジメチルポリシロキサンに対し白金金属として22ppmの塩化白金酸の2−エチルヘキサノール溶液を、室温で順次混合し、更に減圧下で均一になるまで混合した。
この混合物100部にビニルトリメトキシシラン4.0部、ジイソプロポキシ−ビス(アセト酢酸エチル)チタン1.0部を湿気遮断下で均一になるまで混合した。これをプラスチック製カートリッジに入れて密封した。
得られた一包装性室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物について、実施例1と同様に押出し性、流動性、各種ゴム物性、自己消炎性を測定した。これらの結果を表2に示す。
【0041】
[実施例7]
粘度20,000mPa・sのα,ω−ジヒドロキシ−ジメチルポリシロキサン100部に、平均粒子径が10μmの、エチルトリメトキシシラン処理の水酸化アルミニウム微粉末86部、及びベンゾトリアゾール3部、上記ジメチルポリシロキサンに対し白金金属として22ppmの塩化白金酸の2−エチルヘキサノール溶液を室温で順次混合し、更に減圧下で均一になるまで混合した。
この混合物100部にビニルトリメトキシシラン4.0部、ジイソプロポキシ−ビス(アセト酢酸エチル)チタン1.0部を添加し、湿気遮断下で均一になるまで混合した。これをプラスチック製カートリッジに入れて密封した。
得られた一包装性室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物について、実施例1と同様に押出し性、流動性、各種ゴム物性、自己消炎性を測定した。これらの結果を表2に示す。
【0042】
【表2】
【0043】
【発明の効果】
本発明の室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物によれば、硬化前は押出し性に優れ、硬化後は自己消炎性に優れ、かつその自己消炎性が経時で変化することがなく、保存安定性も優れたシリコーンゴムとなり得る室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物が得られ、この組成物は、電気・電子部品、CRT用の接着剤として有用である。
Claims (5)
- (A)25℃における粘度が100〜500,000mPa・sであり、分子鎖末端が水酸基又はアルコキシ基で封鎖されたジオルガノポリシロキサン 100重量部
(B)ケイ素原子に結合した加水分解可能な基を1分子中に3個以上有するシラン化合物又はその部分加水分解物 0.1〜30重量部
(C)アルコキシシランで表面処理された、平均粒子径が50μm以下の水酸化アルミニウム粉末 50〜300重量部
(D)白金金属触媒 白金金属として1〜200ppm
を含有することを特徴とする電気・電子部品の接着剤用室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物。 - 更に、(E)コロイド質炭酸カルシウム5〜100重量部を含有する請求項1記載の室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物。
- 更に、(F)トリアゾール基を含有する有機化合物0.1〜5重量部を含有する請求項1又は2記載の室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物。
- 請求項1〜3のいずれか1項記載の室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物を電気・電子部品の接着剤として用いた電気・電子部品。
- 電気・電子部品がCRTであることを特徴とする請求項4記載の電気・電子部品。
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