JP4440399B2 - 保護層付太陽電池素子およびそれを使用した太陽電池モジュ−ル - Google Patents

保護層付太陽電池素子およびそれを使用した太陽電池モジュ−ル Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、保護層付太陽電池素子およびそれを使用した太陽電池モジュ−ルに関し、更に詳しくは、耐候性、耐熱性、耐水性、耐湿性、耐風圧性、耐降雹性、その他等の諸特性に優れ、極めて耐久性に富み、かつ、長期間の使用に対し極めて優れた信頼性を有する保護層付太陽電池素子およびそれを使用した太陽電池モジュ−ルに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、環境問題に対する意識の高まりから、クリ−ンなエネルギ−源としての太陽電池が注目され、現在、種々の形態からなる太陽電池モジュ−ルが開発され、提案されている。
一般に、上記の太陽電池モジュ−ルは、例えば、結晶シリコン太陽電池素子あるいはアモルファスシリコン太陽電池素子等を製造し、そのような太陽電池素子を使用し、表面保護層、充填剤層、光起電力素子としての太陽電池素子、充填剤層、および、裏面保護層等の順に積層し、真空吸引して加熱圧着するラミネ−ション法等を利用して製造されている。
而して、上記の太陽電池モジュ−ルは、当初、電卓への適用を始めとし、その後、各種の電子機器等に応用され、民生用の利用として、その応用範囲は急速に広まりつつあり、更に、今後、最も重要な課題として、大規模集中型太陽電池発電の実現であるとされている。
【0003】
ところで、太陽電池が具備しなければならない特性としては、光エネルギ−から電気エネルギ−への変換効率が高いこと、および、長期間の使用に対し信頼性に優れていること等が挙げられる。
例えば、使用条件として、屋外環境において、少なくとも20〜30年間の長期間にわたり安定して発電を行うことができることが必要であり、そのために、太陽電池の構造や製作工程において、太陽電池を構成する材料自体の安定性と共にそのような材料を使用して製造した太陽電池の構造自体の安定性等が充足されなければならないものである。
例えば、一般に、太陽電池モジュ−ルを構成する表面保護層としては、太陽光が入射し、これを透過する透過性に優れていると共に耐候性、耐熱性、耐水性等の諸堅牢性に優れ、かつ、水分、酸素等の侵入を防止する防湿性に優れ、更に、表面硬度が高く、かつ、表面の汚れ、ゴミ等の蓄積を防止し、その保護能力性が高いこと、その他等の条件を充足することが必要なものである。
また、太陽電池モジュ−ルを構成する充填剤層としては、太陽光が入射し、これを透過する透明性、更に、表面保護層および裏面保護層との接着性、また、光起電力素子としての太陽電池素子の表面の平滑性を保持する機能を果たすために熱可塑性、更には、光起電力素子としての太陽電池素子の保護とういことから、耐スクラッチ性、衝撃吸収性等に優れていることが必要である。
更に、太陽電池モジュ−ルを構成する裏面保護層としては、絶縁性を有すると共に耐候性、耐熱性、耐光性、耐水性等を有し、物理的あるいは化学的強度に優れ、かつ、強靱性等に優れ、更に、光起電力素子としての太陽電池素子の保護とういことから、耐スクラッチ性、衝撃吸収性等に優れていることが必要である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、現在、太陽電池を構成する材料、素材等においては、上記のような条件の総てを充足し得るものはなく、一長一短があり、太陽電池を構成する材料自体の安定性と共にそのような材料を使用して製造した太陽電池の構造自体の安定性等を十分に満足し得るものであるとは言い得ないものであるというのが実状である。
例えば、太陽電池モジュ−ルを構成する表面保護層として、現在、最も一般的に使用されているガラス板等は、太陽光の透過性に優れ、かつ、耐候性、耐熱性、耐水性等の諸堅牢性に優れ、また、防湿性にも優れ、更に、表面硬度が硬く、その保護能力性が高い等の利点を有するが、可塑性、耐衝撃性、軽量化等に欠け、更に、その加工性、施工性等に劣り、かつ、低コスト化等に欠けるという問題点がある。
また、上記の太陽電池モジュ−ルを構成する表面保護層として、フッ素系樹脂等の樹脂シ−トを使用することが提案されているが、該フッ素系樹脂シ−トの場合には、ガラス板等と比較して、可塑性、耐衝撃性、軽量化、低コスト化等に富むものではあるが、耐光性、耐熱性、耐水性等の諸堅牢性に劣り、特に、防湿性等に欠けるという問題点がある。
更に、上記のフッ素系樹脂シ−トを使用する場合には、その表面にゴミ等が蓄積し、表面が汚染するという問題点もある。
また、太陽電池モジュ−ルを構成する充填剤層においては、長期間の使用に対し、充填剤層を構成する充填剤が変質し、あるいは、それが劣化ないし分解し、それに含まれる充填剤等が溶出したり、あるいは、劣化ないし分解物を生成し、それらが太陽電池素子自体に作用し、その機能、性能等を劣化させ、太陽電池としての信頼性を著しく損なうという問題点がある。
また、太陽電池モジュ−ルを構成する裏面保護層等においても、それを形成する材料、素材等において、上記の表面保護層と同様に、一長一短があり、特に、防湿性等に欠けるという問題点があり、十分に満足し得るものであるとは言い得ないものである。
更に、それらのコストの低減化も欠かせないものである。
そこで本発明は、耐候性、耐熱性、耐水性、耐湿性、耐風圧性、耐降雹性、その他等の諸特性に優れ、極めて耐久性に富み、かつ、長期間の使用に対し極めて優れた信頼性を有する太陽電池素子およびそれを使用した太陽電池モジュ−ルを提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記のような問題点を解決すべく種々研究の結果、太陽電池素子の表面に、少なくとも、水蒸気、酸素ガス、充填剤層を構成する充填剤の劣化ないし分解物、あるいは、充填剤層から溶出する添加剤等の1種以上の透過を阻止する障壁層を設けて保護層付太陽電池素子を製造し、次いで、該保護層付太陽電池素子を使用し、表面保護層、充填剤層、保護層付太陽電池素子、充填剤層、および、裏面保護層の順に順次に積層し、それらを真空吸引して加熱圧着するラミネ−ション法等を利用して太陽電池モジュ−ルを製造したところ、耐候性、耐熱性、耐水性、耐湿性、耐風圧性、耐降雹性、その他等の諸特性に優れ、極めて耐久性に富み、その長期的な性能劣化を最小限に抑え、極めて安定性に優れ、長期間の使用に対し極めて優れた信頼性を有し、特に、水分、酸素等の侵入を防止する防湿性を著しく向上させ、かつ、その製造工程を簡略化し、より低コストで安全な太陽電池素子およびそれを使用した太陽電池モジュ−ルを製造し得ることを見出して本発明を完成したものである。
【0006】
すなわち、本発明は、太陽電池素子の表面に、少なくとも、水蒸気、酸素ガス、分解物、または、添加剤の1種以上の透過を阻止する障壁層を設けたことを特徴とする保護層付太陽電池素子およびそれを使用した太陽電池モジュ−ルに関するものである。
【0007】
【発明の実施の形態】
上記の本発明について図面等を用いて以下に更に詳細に説明する。
まず、本発明にかかる保護層付太陽電池素子およびそれを使用した太陽電池モジュ−ルについて図面等を用いて説明すると、図1は、本発明にかかる保護層付太陽電池素子の層構成についてその一例を示す概略的断面図であり、図2は、本発明にかかる保護層付太陽電池素子を使用して製造した太陽電池モジュ−ルの層構成についてその一例を示す概略的断面図である。
【0008】
まず、本発明にかかる保護層付太陽電池素子Aは、図1に示すように、太陽電池素子1の表面Pに、少なくとも、水蒸気、酸素ガス、分解物、または、添加剤の1種以上の透過を阻止する障壁層2を設けた構成からなることを基本構造とするものである。
次に、本発明にかかる保護層付太陽電池素子を使用して製造する太陽電池モジュ−ルBは、図2に示すように、上記の図1に示す保護層付太陽電池素子Aを使用し、表面保護層3、充填剤層4、上記の図1に示す保護層付太陽電池素子A、充填剤層4、裏面保護層5の順で順次に積層し、それらを真空吸引して加熱圧着するラミネ−ション法等を利用して一体化した構成からなることを基本構造とするものである。
なお、図2において、符号1、2、P等の意味は、前述と同じ意味である。
上記の例示は、本発明にかかる保護層付太陽電池素子およびそれを使用して製造した太陽電池モジュ−ルについてその一例を例示したものであり、本発明は、上記の例示に限定されるものではないことは言うまでもないことである。
例えば、本発明においては、図示しないが、本発明にかかる保護層付太陽電池素子およびそれを使用して製造した太陽電池モジュ−ルにおいて、障壁層としては、一層のみならず2層以上の複合膜から構成することもできるものである。
また、本発明において、図示しないが、本発明にかかる保護層付太陽電池素子を使用して製造した太陽電池モジュ−ルにおいては、必要ならば、難燃剤層、強化剤層、その他の任意の基材等を任意に積層することができるものである。
【0009】
次に、本発明において、上記の本発明にかかる保護層付太陽電池素子、太陽電池モジュ−ル等を構成する材料、その製造法等について説明すると、まず、本発明において、本発明にかかる保護層付太陽電池素子、太陽電池モジュ−ル等を構成する太陽電池素子としては、従来公知のもの、例えば、単結晶シリコン型太陽電池素子、多結晶シリコン型太陽電池素子等の結晶シリコン太陽電子素子、シングル接合型あるいはタンデム構造型等からなるアモルファスシリコン太陽電池素子、ガリウムヒ素(GaAs)やインジウム燐(InP)等のIII−V族化合物半導体太陽電子素子、カドミウムテルル(CdTe)や銅インジウムセレナイド(CuInSe2 )等のII−VI族化合物半導体太陽電子素子、その他等を使用することができる。
更に、薄膜多結晶性シリコン太陽電池素子、薄膜微結晶性シリコン太陽電池素子、薄膜結晶シリコン太陽電池素子とアモルファスシリコン太陽電池素子とのハイブリット素子等も使用することができる。
而して、本発明において、太陽電池素子は、例えば、ガラス基板、プラスチック基板、金属基板、その他等の基板の上に、pn接合構造等の結晶シリコン、p−i−n接合構造等のアモルファスシリコン、化合物半導体等の起電力部分が形成されて太陽電池素子を構成するものである。
そして、本発明においては、上記の太陽電池素子を構成する基板と反対の面、すなわち、太陽電池素子を構成する表面、あるいは、透明導電膜表面に、障壁層等を形成するものである。
【0010】
次に、本発明において、本発明にかかる保護層付太陽電池素子、太陽電池モジュ−ル等を構成する障壁層としては、例えば、少なくとも、水蒸気、酸素ガス、充填剤層を構成する充填剤の劣化ないし分解物、あるいは、充填剤層から溶出する添加剤等の物質の1種以上が、表面保護層、裏面保護層、あるいは、充填剤層等を透過して太陽電池素子自体に悪影響を与えるのを阻止するものであり、従って、太陽電池素子の表面に直接あるいは直接的に設けることができ、かつ、太陽光を透過する性質を有し、更に、少なくとも、水蒸気、酸素ガス、充填剤層を構成する充填剤の劣化ないし分解物、あるいは、充填剤層から溶出する添加剤等の物質の1種以上が透過するのを阻止し得る性質を有する被膜を使用することができる。
具体的には、本発明において、上記の障壁層としては、例えば、各種の樹脂による樹脂膜、バリア性樹脂によるバリア性樹脂膜、無機酸化物の蒸着膜、無機酸化物の蒸着膜を設けた樹脂フィルム、ケイ素化合物の加水分解による重縮合物からなる組成物によるコ−ティング膜、または、それらの2種以上からなる複合膜等からなる被膜を使用することができる。
【0011】
まず、本発明において、上記の障壁層を構成する樹脂膜について更に詳しく説明すると、かかる樹脂膜としては、例えば、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、環状ポリオレフィン系樹脂、フッ素系樹脂、ポリスチレン系樹脂、アクリロニトリル−スチレン共重合体(AS樹脂)、アクリロニトリルル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS樹脂)、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリ塩化ビニリデン系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、ポリビニルアルコ−ル系樹脂、エチレン−ビニアルコ−ル共重合体、ポリ(メタ)アクリル系樹脂、ポリカ−ボネ−ト系樹脂、ポリエチレンテレフタレ−ト、ポリエチレンナフタレ−ト等のポリエステル系樹脂、各種のナイロン等のポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリアミドイミド系樹脂、ポリアリ−ルフタレ−ト系樹脂、シリコ−ン系樹脂、ポリスルホン系樹脂、ポリフェニレンスルフィド系樹脂、ポリエ−テルスルホン系樹脂、ポリウレタン系樹脂、フェノ−ル系樹脂、メラミン系樹脂あるいは尿素樹脂等のアミノプラスト系樹脂、キシレン系樹脂、エポキシ系樹脂、アセタ−ル系樹脂、セルロ−ス系樹脂、その他等の各種の樹脂からなる樹脂膜を使用することができる。
而して、本発明において、上記の障壁層としての樹脂膜の形成法としては、例えば、上記の樹脂の1種ないし2種以上を使用し、常法により、その樹脂のフィルムないしシ−トを製造し、次いで、該樹脂のフィルムないしシ−トを、太陽電池素子の表面に、例えば、ラミネ−ト用接着剤層等を介して積層するドライラミネ−ト積層法、あるいは、アンカ−コ−ト剤層等を介して溶融押し出し樹脂層等を介して積層する溶融押し出し積層法等を用いて形成することができるものである。
あるいは、本発明においては、上記の樹脂の1種ないし2種以上を使用し、これを主成分とする樹脂組成物を調製し、次いで、太陽電池素子の表面に、上記の樹脂組成物を、通常の塗布法ないし印刷法等を用いて、あるいは、溶融押し出しコ−ト法等を用いて樹脂膜を形成することができる。
本発明において、上記の障壁層を構成する樹脂膜の厚さとしては、1〜100μm位、好ましくは、5〜50μm位が望ましいものである。
【0012】
次に、本発明において、上記の障壁層を構成するバリア性樹脂膜について更に詳しく説明すると、かかるバリア性樹脂膜としては、酸素ガスあるいは水蒸気等の透過を阻止する性質を有する樹脂、例えば、ポリ塩化ビニリデン系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリビニルアルコ−ル系樹脂、エチレン−ビニアルコ−ル共重合体、MXDナイロン樹脂、ポリエステル系樹脂、その他等のバリア性を有する樹脂を使用して形成することができる。
而して、本発明において、上記のバリア性樹脂膜の形成法としては、例えば、上記の樹脂の1種ないし2種以上を使用し、常法により、その樹脂のフィルムないしシ−トを製造し、次いで、該樹脂のフィルムないしシ−トを、太陽電池素子の表面に、前述と同様に、例えば、ラミネ−ト用接着剤層等を介して積層するドライラミネ−ト積層法、あるいは、アンカ−コ−ト剤層等を介して溶融押し出し樹脂層等を使用して積層する溶融押し出し積層法等を用いて形成することができる。
あるいは、本発明においては、上記の樹脂の1種ないし2種以上を使用し、これを主成分とする樹脂組成物を調製し、次いで、太陽電池素子の表面に、通常の塗布法ないし印刷法等を用いて、あるいは、溶融押し出しコ−ト法等を用いてバリア性樹脂層を形成することができる。
更に、本発明においては、上記の樹脂の1種ないし2種以上を使用し、これを主成分とする樹脂組成物を調製し、次いで、例えば、ポリエステル系樹脂のフィルム、あるいは、ポリアミド系樹脂のフィルム等の通常の樹脂のフィルムないしシ−トの一方の面に、上記の樹脂組成物を、通常の塗布法ないし印刷法等を用いて、あるいは、溶融押し出しコ−ト法等を用いてバリア性樹脂膜を形成し、しかる後、該バリア性樹脂膜を有する樹脂のフィルムないしシ−トを、太陽電池素子の表面に、前述と同様のドライラミネ−ト積層法、あるいは、溶融押し出し積層法等を用いて形成することができる。
本発明において、上記の障壁層を構成するバリア性樹脂膜の厚さとしては、1〜100μm位、好ましくは、5〜30μm位が望ましいものである。
【0013】
次にまた、本発明において、上記の障壁層を構成する無機酸化物の蒸着膜について更に詳しく説明すると、かかる無機酸化物の蒸着膜としては、例えば、酸化珪素、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、酸化カリウム、酸化スズ、酸化ホウ素、酸化チタン、酸化鉛、酸化ジルコニウム、酸化イットリウム、その他等の無機酸化物の蒸着膜を使用することができる。
而して、本発明において、上記の障壁層としての無機酸化の蒸着膜を設ける方法としては、太陽電池素子の表面に、例えば、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレ−ティング法等の物理気相成長法((Physical VaporDeposition法、PVD法)、あるいは、例えば、プラズマ化学気相成長法、熱化学気相成長法、光化学気相成長法等の化学気相成長法(Chemical Vapor Deposition法、CVD法)等を用いて無機酸化物の蒸着膜を形成して設けることができる。
本発明において、上記の無機酸化物の蒸着膜の厚さとしては、50〜5000Å位、好ましくは、100〜1000Å位が望ましいものである。
【0014】
次にまた、本発明において、上記の障壁層を構成する無機酸化物の蒸着膜を設けた樹脂フィルムについて更に詳しく説明すると、かかる無機酸化物の蒸着膜を設けた樹脂フィルムとしては、例えば、酸化珪素、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、酸化カリウム、酸化スズ、酸化ホウ素、酸化チタン、酸化鉛、酸化ジルコニウム、酸化イットリウム、その他等の無機酸化物の蒸着膜を設けた樹脂フィルムを使用することができる。
而して、本発明において、無機酸化物の蒸着膜を設けた樹脂フィルムの製造法としては、例えば、樹脂のフィルムないしシ−トの一方の面に、例えば、前述と同様に、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレ−ティング法等の物理気相成長法、あるいは、例えば、プラズマ化学気相成長法、熱化学気相成長法、光化学気相成長法等の化学気相成長法等を用いて無機酸化物の蒸着膜を形成することができる。
【0015】
具体的には、金属の酸化物を原料とし、これを加熱して樹脂のフィルムないしシ−トの上に蒸着する真空蒸着法、または、原料として金属または金属の酸化物を使用し、酸素を導入して酸化させて樹脂のフィルムないしシ−トの上に蒸着する酸化反応蒸着法、更に酸化反応をプラズマで助成するプラズマ助成式の酸化反応蒸着法等を用いて無機酸化物の蒸着薄膜を形成することができる。
上記において、蒸着材料の加熱方式としては、例えば、抵抗加熱方式、高周波誘導加熱方式、エレクトロンビ−ム加熱方式(EB)等にて行うことができる。
また、本発明においては、樹脂のフィルムないしシ−トの一方の面に、有機珪素化合物等の蒸着用モノマ−ガスを原料とし、キャリヤ−ガスとして、アルゴンガス、ヘリウムガス等の不活性ガスを使用し、更に、蒸着用モノマ−ガスとの反応ガスとして、酸素ガス等を使用し、低温プラズマ発生装置等を利用する低温プラズマ化学気相成長法(CVD法)を用いて酸化珪素等の無機酸化物の蒸着膜を形成することができる。
上記において、低温プラズマ発生装置としては、例えば、高周波プラズマ、パルス波プラズマ、マイクロ波プラズマ等の発生装置を使用することがてき、而して、本発明においては、高活性の安定したプラズマを得るためには、高周波プラズマ方式による発生装置を使用することが望ましい。
なお、本発明において、無機酸化物の蒸着膜としては、例えば、物理気相成長法、または、化学気相成長法、あるいは、その両者を併用して、無機酸化物の蒸着膜の1層からなる単層膜、無機酸化物の蒸着膜の2層以上からなる多層膜、または、異種の無機酸化物の蒸着膜の2層以上からなる複合膜等を形成して製造することができるものである。
【0016】
本発明において、物理気相成長法による無機酸化物の薄膜膜を形成する方法について、その具体例を挙げると、図3は、巻き取り式真空蒸着装置の一例を示す概略的構成図である。
図3に示すように、巻き取り式真空蒸着装置21の真空チャンバ−22の中で、巻き出しロ−ル23から繰り出す樹脂のフィルムないしシ−ト24は、ガイドロ−ル25、26を介して、冷却したコ−ティングドラム27に案内される。
而して、上記の冷却したコ−ティングドラム27上に案内された樹脂のフィルムないしシ−ト24の上に、るつぼ28で熱せられた蒸着源29、例えば、金属アルミニウム、あるいは、酸化アルミニウム等を蒸発させ、更に、必要ならば、酸素ガス吹出口30より酸素ガス等を噴出し、これを供給しながら、マスク31、31を介して、例えば、酸化アルミニウム等の無機酸化物の蒸着膜を成膜化し、次いで、上記において、例えば、酸化アルミニウム等の無機酸化物の蒸着膜を形成した樹脂のフィルムないしシ−ト24を、ガイドロ−ル26′、25′を介して送り出し、巻き取りロ−ル32に巻き取ることによって、本発明にかかる物理気相成長法による無機酸化物の蒸着膜を形成することができる。
なお、本発明においては、上記のような巻き取り式真空蒸着装置を用いて、まず、第1層の無機酸化物の蒸着膜を形成し、次いで、同様にして、該無機酸化物の蒸着膜の上に、更に、無機酸化物の蒸着膜を形成するか、あるいは、上記のような巻き取り式真空蒸着装置を用いて、これを2連に連接し、連続的に、無機酸化物の蒸着膜を形成することにより、2層以上の多層膜からなる無機酸化物の蒸着膜を形成することができる。
【0017】
上記において、無機酸化物の蒸着膜としては、基本的に金属の酸化物を蒸着した薄膜であれば使用可能であり、例えば、ケイ素(Si)、アルミニウム(Al)、マグネシウム(Mg)、カルシウム(Ca)、カリウム(K)、スズ(Sn)、ナトリウム(Na)、ホウ素(B)、チタン(Ti)、鉛(Pb)、ジルコニウム(Zr)、イットリウム(Y)等の金属の酸化物の蒸着膜を使用することができる。
而して、好ましいものとしては、ケイ素(Si)、アルミニウム(Al)等の金属の酸化物の蒸着膜を挙げることができる。
而して、上記の金属の酸化物の蒸着膜は、ケイ素酸化物、アルミニウム酸化物、マグネシウム酸化物等のように金属酸化物として呼ぶことができ、その表記は、例えば、SiOX 、AlOX 、MgOX 等のようにMOX (ただし、式中、Mは、金属元素を表し、Xの値は、金属元素によってそれぞれ範囲がことなる。)で表される。
また、上記のXの値の範囲としては、ケイ素(Si)は、0〜2、アルミニウム(Al)は、0〜1.5、マグネシウム(Mg)は、0〜1、カルシウム(Ca)は、0〜1、カリウム(K)は、0〜0.5、スズ(Sn)は、0〜2、ナトリウム(Na)は、0〜0.5、ホウ素(B)は、0〜1、5、チタン(Ti)は、0〜2、鉛(Pb)は、0〜1、ジルコニウム(Zr)は0〜2、イットリウム(Y)は、0〜1.5の範囲の値をとることができる。
上記において、X=0の場合、完全な金属であり、透明ではなく全く使用することができない、また、Xの範囲の上限は、完全に酸化した値である。
本発明において、一般的に、ケイ素(Si)、アルミニウム(Al)以外は、使用される例に乏しく、ケイ素(Si)は、1.0〜2.0、アルミニウム(Al)は、0.5〜1.5の範囲の値のものを使用することができる。
本発明において、上記のような無機酸化物の蒸着膜の膜厚としては、使用する金属、または金属の酸化物の種類等によって異なるが、例えば、50〜2000Å位、好ましくは、100〜1000Å位の範囲内で任意に選択して形成することが望ましい。
また、本発明においては、無機酸化物の蒸着膜としては、使用する金属、または金属の酸化物としては、1種または2種以上の混合物で使用し、異種の材質で混合した無機酸化物の蒸着膜を構成することもできる。
【0018】
次にまた、本発明において、具体的に、上記の低温プラズマ化学気相成長法による無機酸化物の蒸着膜の形成法についてその一例を例示して説明すると、図4は、上記のプラズマ化学気相成長法による無機酸化物の蒸着膜の形成法についてその概要を示す低温プラズマ化学気相成長装置の概略的構成図である。
上記の図4に示すように、本発明においては、プラズマ化学気相成長装置41の真空チャンバ−42内に配置された巻き出しロ−ル43から樹脂のフィルムないしシ−ト44を繰り出し、更に、該樹脂のフィルムないしシ−ト44を、補助ロ−ル45を介して所定の速度で冷却・電極ドラム46周面上に搬送する。
而して、本発明においては、ガス供給装置47、48および、原料揮発供給装置49等から酸素ガス、不活性ガス、有機珪素化合物等の蒸着用モノマ−ガス、その他等を供給し、それらからなる蒸着用混合ガス組成物を調整しなから原料供給ノズル50を通して真空チャンバ−42内に該蒸着用混合ガス組成物を導入し、そして、上記の冷却・電極ドラム46周面上に搬送された樹脂のフィルムないしシ−ト44の上に、グロ−放電プラズマ51によってプラズマを発生させ、プラズマ雰囲気下にて蒸着用混合ガスを反応させて、酸化珪素等の無機酸化物の蒸着膜を形成し、製膜化する。
本発明においては、その際に、冷却・電極ドラム46は、チャンバ−外に配置されている電源52から所定の電力が印加されており、また、冷却・電極ドラム46の近傍には、マグネット53を配置してプラズマの発生が促進されており、次いで、上記で酸化珪素等の無機酸化物の蒸着膜を形成した樹脂のフィルムないしシ−ト44は、補助ロ−ル54を介して巻き取りロ−ル55に巻き取って、本発明にかかるプラズマ化学気相成長法による無機酸化物の蒸着膜を製造することができるものである。
なお、図中、56は、真空ポンプを表す。
【0019】
上記の例示は、その一例を例示するものであり、これによって本発明は限定されるものではないことは言うまでもないことである。
図示しないが、本発明においては、無機酸化物の蒸着膜としては、無機酸化物の蒸着膜の1層だけではなく、2層あるいはそれ以上を積層した多層膜の状態でもよく、また、使用する材料も1種または2種以上の混合物で使用し、また、異種の材質で混合した無機酸化物の蒸着膜を構成することもできる。
また、本発明においては、上記のような低温プラズマ化学気相成長装置を用いて、まず、第1層の無機酸化物の蒸着膜を形成し、次いで、同様にして、該無機酸化物の蒸着膜の上に、更に、無機酸化物の蒸着膜を形成するか、あるいは、上記のような低温プラズマ化学気相成長装置を用いて、これを2連に連接し、連続的に、無機酸化物の蒸着膜を形成することにより、2層以上の多層膜からなる無機酸化物の蒸着膜を形成することができる。
【0020】
上記において、酸化珪素等の無機酸化物の蒸着膜を形成する有機珪素化合物等の蒸着用モノマ−ガスとしては、例えば、1.1.3.3−テトラメチルジシロキサン、ヘキサメチルジシロキサン、ビニルトリメチルシラン、メチルトリメチルシラン、ヘキサメチルジシラン、メチルシラン、ジメチルシラン、トリメチルシラン、ジエチルシラン、プロピルシラン、フェニルシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、その他等を使用することができる。
本発明において、上記のような有機珪素化合物の中でも、1.1.3.3−テトラメチルジシロキサン、または、ヘキサメチルジシロキサンを原料として使用することが、その取り扱い性、形成された蒸着膜の特性等から、特に、好ましい原料である。
また、上記において、不活性ガスとしては、例えば、アルゴンガス、ヘリウムガス等を使用することができる。
【0021】
本発明において、上記で形成される酸化珪素の蒸着膜は、有機珪素化合物等のモノマ−ガスと酸素ガス等とが化学反応し、その反応生成物がプラスチックシ−トの上に密接着し、緻密な、柔軟性等に富む薄膜を形成することができ、通常、一般式SiOX (ただし、Xは、0〜2の数を表す)で表される酸化珪素を主体とする連続状の蒸着膜である。
而して、上記の酸化珪素の蒸着膜としては、透明性、バリア性等の点から、一般式SiOX (ただし、Xは、1.3〜1.9の数を表す。)で表される酸化珪素の蒸着膜を主体とする薄膜であることが好ましいものである。
上記において、Xの値は、モノマ−ガスと酸素ガスのモル比、プラズマのエネルギ−等により変化するが、一般的に、Xの値が小さくなればガス透過度は小さくなるが、膜自身が黄色性を帯び、透明性が悪くなる。
また、上記の酸化珪素の蒸着膜は、珪素(Si)と酸素(O)を必須構成元素として有し、更に、炭素(C)と水素(H)のいずれが一方、または、その両者の元素を微量構成元素として含有する酸化珪素の蒸着膜からなり、かつ、その膜厚が、50Å〜500Åの範囲であり、更に、上記の必須構成元素と微量構成元素の構成比率が、膜厚方向において連続的に変化しているものである。
更に、上記の酸化珪素の蒸着膜は、炭素からなる化合物を含有する場合には、その膜厚の深さ方向において炭素の含有量が減少していることを特徴とするものである。
【0022】
而して、本発明において、上記の酸化珪素の蒸着膜について、例えば、X線光電子分光装置(Xray Photoelectron Spectroscopy、XPS)、二次イオン質量分析装置(Secondary Ion Mass Spectroscopy、SIMS)等の表面分析装置を用い、深さ方向にイオンエッチングする等して分析する方法を利用して、酸化珪素の蒸着膜の元素分析を行うことより、上記のような物性を確認することができる。
また、本発明において、上記の酸化珪素の蒸着膜の膜厚としては、膜厚50Å〜2000Å位であることが望ましく、具体的には、その膜厚としては、100〜1000Å位が望ましく、而して、上記において、1000Å、更には、2000Åより厚くなると、その膜にクラック等が発生し易くなるので好ましくなく、また、100Å、更には、50Å未満であると、バリア性の効果を奏することが困難になることから好ましくないものである。
上記のおいて、その膜厚は、例えば、株式会社理学製の蛍光X線分析装置(機種名、RIX2000型)を用いて、ファンダメンタルパラメ−タ−法で測定することができる。
また、上記において、上記の酸化珪素の蒸着膜の膜厚を変更する手段としては、蒸着膜の体積速度を大きくすること、すなわち、モノマ−ガスと酸素ガス量を多くする方法や蒸着する速度を遅くする方法等によって行うことができる。
【0023】
ところで、本発明において、本発明にかかる無機酸化物の蒸着膜として、例えば、物理気相成長法と化学気相成長法の両者を併用して異種の無機酸化物の蒸着膜の2層以上からなる複合膜を形成して使用することもできるものである。
而して、上記の異種の無機酸化物の蒸着膜の2層以上からなる複合膜としては、まず、樹脂のフィルムないしシ−トの上に、化学気相成長法により、緻密で、柔軟性に富み、比較的にクラックの発生を防止し得る無機酸化物の蒸着膜を設け、次いで、該無機酸化物の蒸着膜の上に、物理気相成長法による無機酸化物の蒸着膜を設けて、2層以上からなる複合膜からなる無機酸化物の蒸着膜を構成することが望ましいものである。
勿論、本発明においては、上記とは逆くに、樹脂のフィルムないしシ−トの上に、先に、物理気相成長法により、無機酸化物の蒸着膜を設け、次に、化学気相成長法により、緻密で、柔軟性に富み、比較的にクラックの発生を防止し得る無機酸化物の蒸着膜を設けて、2層以上からなる複合膜からなる無機酸化物の蒸着膜を構成することもできるものである。
なお、本発明においては、後述する充填剤層等との密接着性、親和性等を向上させるために、無機酸化物の蒸着膜面に、例えば、気体をア−ク放電により電離させることにより生じるプラズマガスを利用して表面改質を行なうプラズマ表面処理法等を利用してプラズマ処理面、あるいは、コロナ放電処理法等を利用してコロナ処理面等を形成することができるものである。
【0024】
次に、本発明において、上記の無機酸化物の蒸着膜を設けた樹脂のフィルムを構成する樹脂のフィルムとしては、基本的には、無機酸化物の蒸着膜等を形成する際の蒸着条件等に耐え、かつ、それらの無機酸化物の蒸着膜等との密接着性に優れ、それらの膜の特性を損なうことなく良好に保持し得ることができ、また、基材としての強度、耐久性等に優れた各種の樹脂のフィルムないしシ−トを使用することができる。
具体的には、上記の各種の樹脂のフィルムないしシ−トとしては、例えば、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、環状ポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、アクリロニトリル−スチレン共重合体(AS樹脂)、アクリロニトリルル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS樹脂)、ポリ塩化ビニル系樹脂、フッ素系樹脂、ポリ(メタ)アクリル系樹脂、ポリカ−ボネ−ト系樹脂、ポリエチレンテレフタレ−ト、ポリエチレンナフタレ−ト等のポリエステル系樹脂、各種のナイロン等のポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリアミドイミド系樹脂、ポリアリ−ルフタレ−ト系樹脂、シリコ−ン系樹脂、ポリスルホン系樹脂、ポリフェニレンスルフィド系樹脂、ポリエ−テルスルホン系樹脂、ポリウレタン系樹脂、アセタ−ル系樹脂、セルロ−ス系樹脂、その他等の各種の樹脂のフィルムないしシ−トを使用することができる。
本発明においては、上記の樹脂のフィルムないしシ−トの中でも、フッ素系樹脂シ−ト、環状ポリオレフィン系樹脂シ−ト、ポリカ−ボネ−ト系樹脂シ−ト、ポリ(メタ)アクリル系樹脂シ−ト、ポリアミド系樹脂シ−ト、または、ポリエステル系樹脂シ−トを使用することが好ましいものである。
【0025】
本発明において、上記の各種の樹脂のフィルムないしシ−トとしては、例えば、上記の各種の樹脂の1種ないしそれ以上を使用し、押し出し法、キャスト成形法、Tダイ法、切削法、インフレ−ション法、その他等の製膜化法を用いて、上記の各種の樹脂を単独で製膜化する方法、あるいは、2種以上の各種の樹脂を使用して多層共押し出し製膜化する方法、更には、2種以上の樹脂を使用し、製膜化する前に混合して製膜化する方法等により、各種の樹脂のフィルムないしシ−トを製造し、更に、要すれば、例えば、テンタ−方式、あるいは、チュ−ブラ−方式等を利用して1軸ないし2軸方向に延伸してなる各種の樹脂のフィルムないしシ−トを使用することができる。
本発明において、各種の樹脂のフィルムないしシ−トの膜厚としては、6〜300μm位、より好ましくは、10〜200μm位が望ましい。
【0026】
なお、上記において、上記の各種の樹脂の1種ないしそれ以上を使用し、その製膜化に際して、例えば、フィルムの加工性、耐熱性、耐候性、機械的性質、寸法安定性、抗酸化性、滑り性、離形性、難燃性、抗カビ性、電気的特性、その他等を改良、改質する目的で、種々のプラスチック配合剤や添加剤等を添加することができ、その添加量としては、極く微量から数十%まで、その目的に応じて、任意に添加することができる。
また、上記において、一般的な添加剤としては、例えば、滑剤、架橋剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、充填剤、強化剤、補強剤、帯電防止剤、難燃剤、耐炎剤、発泡剤、防カビ剤、顔料、その他等を使用することができ、更には、改質用樹脂等も使用することがてきる。
【0027】
また、本発明において、各種の樹脂のフィルムないしシ−トの表面は、無機酸化物の蒸着膜等との密接着性等を向上させるために、必要に応じて、予め、所望の表面処理層を設けることができる。
本発明において、上記の表面処理層としては、例えば、コロナ放電処理、オゾン処理、酸素ガス若しくは窒素ガス等を用いた低温プラズマ処理、グロ−放電処理、化学薬品等を用いて処理する酸化処理、その他等の前処理を任意に施し、例えば、コロナ処理層、オゾン処理層、プラズマ処理層、酸化処理層、その他等を形成して設けることができる。
上記の表面前処理は、別工程で実施してもよく、また、例えば、低温プラズマ処理やグロ−放電処理等による表面前処理の場合は、上記の無機酸化物の蒸着膜等を形成する前処理としてインライン処理により前処理で行うことができ、このような場合は、その製造コストを低減することができるという利点がある。
上記の表面前処理は、各種の樹脂のフィルムないしシ−トと無機酸化物の蒸着膜等との密接着性を改善するための方法として実施するものであるが、上記の密接着性を改善する方法として、その他、例えば、各種の樹脂のフィルムないしシ−トの表面に、予め、プライマ−コ−ト剤層、アンダ−コ−ト剤層、アンカ−コ−ト剤層、接着剤層、あるいは、蒸着アンカ−コ−ト剤層等を任意に形成して、表面処理層とすることもできる。
上記の前処理のコ−ト剤層としては、例えば、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリウレタン系樹脂、エポキシ系樹脂、フェノ−ル系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、ポリエチレンあるいはポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂あるいはその共重合体ないし変性樹脂、セルロ−ス系樹脂、その他等をビヒクルの主成分とする樹脂組成物を使用することができる。
【0028】
次に、本発明において、上記の無機酸化物の蒸着膜を設けた樹脂フィルムを使用し、これを、例えば、太陽電池素子の表面に、前述と同様に、ラミネ−ト用接着剤層等を介して積層するドライラミネ−ト積層法、あるいは、アンカ−コ−ト剤層等を介して溶融押し出し樹脂層等を使用して積層する溶融押し出し積層法等を用いて積層して、障壁層としての無機酸化物の蒸着膜を設けた樹脂フィルムを太陽電池素子の表面に形成することができる。
【0029】
次にまた、本発明において、上記の障壁層を構成するケイ素化合物の加水分解による重縮合物からなる組成物によるコ−ティング膜について更に詳しく説明すると、かかるコ−ティング膜を形成するには、まず、ケイ素化合物を主成分とし、その原料をそのまま、または、エタノ−ルやイソプロパノ−ルのような適当な溶剤に溶解し、それを化学量論的に必要な水、好ましくは、1部または数部過剰の水と接触させて加水分解を行い、該加水分解による重縮合物からなる組成物を調製する。
上記の加水分解は、一般に、−20〜130℃、好ましくは、0℃〜30℃の温度、あるいは、選択的に使用する溶剤の沸点等において行うことが好ましい。
まて、上記において、水と接触させる最良の方法としては、とりわけ、使用する原料の反応性により異なる。
そのため、例えば、溶解した原料を過剰の水にゆっくりと滴下することもできるし、あるいは、水を選択的に溶解した原料に一度に、または、数回に分けて加えることもできる。
また、水をそのまま加えるのではなく、その代わりに、水を含む有機系あるいは無機系溶剤を使用し、水を反応混合物に導入するのも有利である。
多くの場合、水分を含む吸着材、例えば、分子ふるい、および、水を含む有機溶剤、例えば、30%濃度のエタノ−ルを使って水を反応混合物に導入するのが特にていしていることが分かっている。
また、水が形成される反応、例えば、酸とアルコ−ルからエステルを形成する反応により水を加えることができる。
溶剤を使用する場合は、上記の、効果的に使用できる低級脂肪族アルコ−ルの他に、ケトン類、好ましくはアセトンやメチルイソブチルケトンのような低級ジアルキルケトン類、エステル類、好ましくはジエチルエ−テルのような低級ジアルキルエ−テル、テトラヒドロフラン(THF)、アミド類、エステル類、特に、酢酸エチル、ジメチルホルムアミドおよびそれらの混合物が適している。
【0030】
上記の 加水分解による重縮合は、選択的に、触媒、例えば、プロトンまたはヒドロキシルイオンを放出する化合物、または、アミン類を加えて行うことができる。
適当な触媒の暦としては、塩酸や酢酸のような有機または無機酸、アンモニア、アルカリ金属水酸化物およびアルカリ土類金属水酸化物、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、または、水酸化カルシウムのような有機、または、無機塩類、および、反応媒体に可溶なアミン類、例えば、低級アルキルアミン類またはアルタノ−ルアミン類がある。
揮発性の酸および塩基、特に、塩酸、アンモニアおよびトリエチルアミンが特に好ましい。
触媒の全濃度は、例えば、1リットル当たり3モルまででよい。
原料化合物のすべてが加水分解(重縮合)開始時に既に存在している必要はなく、実際、特定の場合には、これらの化合物の一部だけを最初に水と接触させ、残りの化合物は、、後で加えるのが有利であることがある。
加水分解による重縮合の際に沈殿をできるだけ避けるために、水を何段階かに、例えば、3段階に分けて加えるのが好ましい。
第一段階では、例えば、加水分解による化学量論的に必要な水の量の十分の一から二十分の一を加える。
短時間の攪拌後、化学量論的量の水の五分の一から十分の一を加え、さらに短時間攪拌後、最終的に化学量論的にやや過剰の水が存在するような量の水を加える。
加水分解による重縮合時間は、特定の原料成分およびその量的比率、選択的に使用する触媒、反応温度、等により異なる。
一般的に、加水分解による重縮合は大気圧で行うが、加圧または減圧下で行うこともできる。
水の添加が完了したら、混合物を好ましくは長時間、例えば、2〜3時間、室温またはやや高い温度で攪拌して、ケイ素化合物の加水分解による重縮合物からなる組成物を調製する。
【0031】
次に、本発明においては、上記で調整した組成物を、例えば、フロ−ティングナイフコ−ト法、ナイフオ−バ−ロ−ルコ−ト法、インバ−ティドナイフコ−ト法、スクイ−ズロ−ルコ−ト法、リバ−スロ−ルコ−ト法、ロ−ルコ−ト法、グラビアロ−ルコ−ト法、キスロ−ルコ−ト法、エア−ブレ−ドコ−ト法、ディップコ−ト法、フロ−コ−ト法、スピンコ−ト法、スプレイコ−ト法、バ−コ−ト法、カ−テンフロ−コ−ト法、その他等のコ−ティング法、あるいは、グラビア印刷、オフセット印刷、シルクスクリ−ン印刷、転写印刷、その他等の印刷法を用いて、太陽電池素子の表面に塗布ないし印刷し、次に、乾燥、更には、エ−ジング処理等を施して、本発明にかかるコ−ティング膜を形成することができる。
上記において、コ−ティング膜の膜厚としては、0.1〜75g/m2 (乾燥状態)位、より好ましくは、1.0〜50g/m2 (乾燥状態)位が望ましい。
【0032】
なお、本発明において、上記のケイ素化合物の加水分解による重縮合物からなる組成物によるコ−ティング膜を熱的手段あるいは電離放射線等を照射して硬化させる場合には、ケイ素化合物の加水分解による重縮合物からなる組成物中に、予め、開始剤等を添加しておくことが好ましいものである。
上記の開始剤としては、市販の光重合反応開始剤を使用することができる。
これらの開始剤の例としては、例えば、スイス、チバガイギ−社製のイルガキュア185(1−ヒドロキシシクロヘキシル フェニル ケトン)、イルガキュア500(1−ヒドロキシシクロヘキシル フェニル ケトン+ベンゾフェノン)、および、その他のイルガキュア型の光反応開始剤、グロキュア1173、1116、1396、1174および1020(スイス、メルク社製)、ベンゾフェノン、2−クロロチオキサントン、2−メチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、ベンゾイン、4.4′−ジメトキシベンゾイン、ベンゾイン エチル エ−テル、ベンゾイン イソプロピル エ−テル、ベンゾイン ジメチル エ−テル、1.1.1−トリクロロアセトフェノン、ジエトキシアセトフェノンおよびジベンゾスベロンを使用することができる。
適当な熱反応開始剤は、特に、過酸化ジアシル、ペルオキシニ炭酸塩、アルキルペルエステル、過酸化ジアルキル、ペルケタ−ル、過酸化ケトンおよびアルキルペルオキシドの形の有機性過酸化物を使用することができる。
熱的反応開始剤の特定の、および、好ましい例としては、過酸化ジベンゾイル、過安息香tert−ブチルおよびアゾビスイソブチロニトリルを使用することができる。
勿論、イオン重合反応を開始する開始剤の使用も可能である。
特に、エポキシ基を持つ基R′(例えば、グリシジルオキシプロピルトリメトキシシラン)を含む、後述する一般式(1)で示す化合物では、陽イオン重合反応を開始させるUV開始剤が有効であることが分かっている。
これらの場合、同じ条件下で陽イオンによる硬化結果は、フリ−ラジカル開始剤による硬化より良いことが多いものである。
反応開始剤は、通常の量で、組成物中に添加することができ、例えば、30〜50重量%の固形分を含む組成物中には、0.5〜2重量%(全量に対して)の量で開始剤を加えることができる。
【0033】
また、本発明において、コ−ティング膜の硬化方法としては、塗布ないし印刷後、乾燥してから硬化させるものである。
次いで、使用した開始剤の形に応じて、コ−ティング膜を熱的、または、照射により(例えば、紫外線ランプ、レ−ザ−、等を使用して)公知の方法で硬化させることができる。
後述するエポキシ基を持つ基R′を含むコ−ティング膜の場合には、熱的硬化が特に有利であり、一方、不飽和C−C結合を持つ基R′を含むコ−ティング膜の場合には、照射による硬化が、通常、より有利であることが分かっている。
【0034】
ところで、本発明において、上記のケイ素化合物としては、一般式R′SiR3 (ただし、式中、R′は、加水分解に対して安定で、熱および/または電離放射線の照射により重合可能な基を表し、Rは、OH基および/または加水分解を受けやすい基を表す。)で表されるケイ素化合物の1種ないし2種以上を使用することができる。
上記において、一般式R′SiR3 中のR′が、エポキシ原子団、または、C−Cの二重結合を持つ原子団を含む基からなることが望ましいものである。
上記のエポキシ原子団を含む基としては、具体的には、グリシジルオキシアルキル基、特に、アルキル部分に1〜4個の炭素原子団を持つ基であり、特に好ましい例としては、γ−グリシジルオキシプロピル基を使用ことができる。
また、上記において、一般式R′SiR3 中のR′が、C−Cの二重結合を持つ原子団を含む基としては、選択的に置換したアルケニルおよびアルキニル基で、例えば、2〜20個の、好ましくは、2〜10個の炭素原子および少なくとも一つのC−C二重結合を持つ直鎖、側鎖または環状基で、特に、ビニル、1−および2−プロペニル、ブテニル、イソブテニル、スチレルおよびプロパルギルのような低級アルケニル基、および、アルキニル基、あるいは、メタクリル基またはアクリル基を含む原子団を含む基を使用することが特に好ましいものである。
【0035】
次に、 上記において、一般式R′SiR3 中のRの例としては、例えば、水素、ハロゲン、アルコキシ、ヒドロキシル、アルキニルカルボニル等を使用することができる。
本発明において、特に好ましい具体例としては、例えば、メトキシ、エトキシ、n−およびi−プロポキシ、n−、sec−およびtert−ブトキシ、イソブトキシ、β−メトキシエトキシ、アセチルオキシ、プロピオニルオキシ、モノメチルアミノ、モノエチルアミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、N−エチルアニリノ、メチルカルボニル、エチルカルボニル、メトキシカルボニルおよびエトキシカルボニル等を例示することがてきる。
なお、本発明において、一般式R′SiR3 中のR基は、最終生成物の中には存在せず、加水分解により失われ、その加水分解生成物もすぐに、または、後に適当な方法で除去しなければならないので、置換基を持たず、メタノ−ル、エタノ−ル、プロパノ−ルおよびブタノ−ル等の低級アルコ−ル類のような、低分子量の加水分解物を生じるようなR基が特に好ましいものである。
【0036】
本発明においては、一般式R′SiR3 で表されるケイ素化合物は、全部またはその一部を予備縮合の形で、即ち、一般式R′SiR3 で表されるケイ素化合物の部分加水分解物により生じた化合物を単独で、または、後述する一般式で表される有機金属化合物のような他の加水分解性化合物と混合して使用することができる。
そのようなオリゴマ−は、好ましくは反応媒体に可溶で、直鎖または環状の、低分子量の、縮合度が、例えば、薬2〜100、特に、約2〜6である部分縮合物(ポリオルガノシロキサン)を使用することが好ましい。
本発明において、効果的に使用される一般式R′SiR3 で表されるケイ素化合物の特定の例としては、γ−(メタ)アクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリクロロシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシランおよびビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シラン、および、γ−グリシジルオキシプロピルトリメトキシシラン等を挙げることができる。
【0037】
次に、本発明においては、上記の一般式R′SiR3 で表されるケイ素化合物は、好ましくは単独で使用せず、ガラスやセラミックスを形成するのに一般的に使用する一般式MRn (ただし、式中、Mは、ケイ素、アルミニウム、チタン、ジルコニウム、バナジウム、ホウ素、または、スズから選ばれた元素を表し、Rは、OH基および/または加水分解を受けやすい基を表し、nは、金属元素の価数を表す。)で表される有機金属化合物の1種ないし2種以上を混合し、これらの化合物の加水分解、好ましくは完全加水分解により、相当する酸化物の水和物に転換して使用することができる。
上記の一般式MRn で表される有機金属化合物において、金属元素としては、例えば、ケイ素、アルミニウム、チタン、ジルコニウム、バナジウム、ホウ素、スズ等を使用することができ、勿論、本発明においては、ここに記載されていない他の元素の化合物も使用することができる。
また、上記の一般式MRn で表される有機金属化合物において、Rとしては、同一でも異なっていても良く、好ましい形態における意味を含めて前述の一般式R′SiR3 で表されるケイ素化合物の場合におけるRと同じように定義することができる。
本発明において、上記の一般式MRn で表される有機金属化合物は、前述の一般式R′SiR3 で表されるケイ素化合物と、モル比で1:99〜99:1の割合で好ましく混合させて使用することが可能である。
【0038】
更に、本発明においては、本発明にかかるコ−ティング膜を形成するには、上記の一般式R′SiR3 で表されるケイ素化合物と一般式MRn で表される有機金属化合物との他に、バインダ−成分として、水素結合形成基を有する樹脂の1種ないし2種以上を添加、混合することもできる。
上記の水素結合形成基を有する樹脂としては、例えば、ヒドロキシル基を有するポリマ−とその誘導体、例えば、ポリビニルアルコ−ル、ポリビニルアセタ−ル、エチレン−ビニルアルコ−ル共重合体、フェノ−ル樹脂、メチロ−ルメラミン樹脂等とその誘導体、カルボキシル基を有するポリマ−とその誘導体、例えば、ポリ(メタ)アクリル酸、無水マレイン酸、イタコン酸等の重合性不飽和酸の単位を含む単独または共重合体と、これらのポリマ−のエステル化物等、例えば、酢酸ビニル等のビニルエステル、メタクリル酸メチル等の(メタ)アクリル酸エステル等の単位を含む単独または共重合体、エ−テル結合を有するポリマ−、例えば、ポリアルキレンオキシド、ポリオキシアルキレングリコ−ル、ポリビニルエ−テル等の他、ケイ素樹脂等、アミド結合を有するポリマ−、例えば、>N(COR)−結合(式中、Rは、水素原子、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアリ−ル基を示す)を有するポリオキサゾリンやポリアルキレンイミンのN−アシル化物、>NC(O)−結合を有するポリビニルピロリドンとその誘導体、ウレタン結合を有するポリウレタン、尿素結合を有するポリマ−、アミド結合を有するポリマ−等を使用しにることがてきる。
而して、本発明において、上記の水素結合形成基を有する樹脂は、前述の一般式R′SiR3 で表されるケイ素化合物と一般式MRn で表される有機金属化合物との混合物に対し、重量比で1:99〜99:1の割合で、好ましくは、5〜30の割合で混合させて使用することが可能である。
【0039】
更にまた、本発明において、上記の障壁層としては、上述した各種の樹脂による樹脂膜、バリア性樹脂膜、無機酸化物の蒸着膜、無機酸化物の蒸着膜を設けた樹脂フィルム、または、ケイ素化合物の加水分解による重縮合物からなる組成物によるコ−ティング膜の2種以上からなる複合膜等からなる被膜を使用することができる。
具体的には、例えば、各種の樹脂による樹脂膜、バリア性樹脂によるバリア性樹脂膜、無機酸化物の蒸着膜、または、無機酸化物の蒸着膜を設けた樹脂フィルムの無機酸化物の蒸着膜の上に、ケイ素化合物の加水分解による重縮合物からなる組成物によるコ−ティング膜を設けた2種以上からなる被膜を使用することができる。
なお、本発明においては、無機酸化物の蒸着膜を設けた樹脂フィルム等は、無機酸化物の蒸着膜と樹脂フィルムとを複合膜とし、2種以上からなる被膜とみなすこともできるものである。
【0040】
次にまた、上記の障壁層を設ける方法において、上記のドライラミネ−ト積層法におけるラミネ−ト用接着剤層を構成するラミネ−ト用接着剤としては、例えば、ポリ酢酸ビニル系接着剤、アクリル酸のエチル、ブチル、2−エチルヘキシルエステル等のホモポリマ−、あるいは、これらとメタクリル酸メチル、アクリロニトリル、スチレン等との共重合体等からなるポリアクリル酸エステル系接着剤、シアノアクリレ−ト系接着剤、エチレンと酢酸ビニル、アクリル酸エチル、アクリル酸、メタクリル酸等のモノマ−との共重合体等からなるエチレン共重合体系接着剤、セルロ−ス系接着剤、ポリエステル系接着剤、ポリアミド系接着剤、ポリイミド系接着剤、尿素樹脂またはメラミン樹脂等からなるアミノ樹脂系接着剤、フェノ−ル樹脂系接着剤、エポキシ系接着剤、ポリウレタン系接着剤、反応型(メタ)アクリル系接着剤、クロロプレンゴム、ニトリルゴム、スチレン−ブタジエンゴム等からなるゴム系接着剤、シリコ−ン系接着剤、アルカリ金属シリケ−ト、低融点ガラス等からなる無機系接着剤、その他等の接着剤を使用することがてきる。
上記の接着剤の組成系は、水性型、溶液型、エマルジョン型、分散型等のいずれの組成物形態でもよく、また、その性状は、フィルム・シ−ト状、粉末状、固形状等のいずれの形態でもよく、更に、接着機構については、化学反応型、溶剤揮発型、熱溶融型、熱圧型等のいずれの形態でもよいものである。
而して、上記の接着剤は、例えば、ロ−ルコ−ト法、グラビアロ−ルコ−ト法、キスコ−ト法、その他等のコ−ト法、あるいは、印刷法等によって施すことができ、そのコ−ティング量としては、0.1〜10g/m2 (乾燥状態)位が望ましい。
【0041】
なお、上記のラミネ−ト用接着剤中には、紫外線劣化等を防止するために、紫外線吸収剤および/または酸化防止剤を添加することができる。
上記の紫外線吸収剤としては、太陽光中の有害な紫外線を吸収して、分子内で無害な熱エネルギ−へと変換し、高分子中の光劣化開始の活性種が励起されるのを防止するものであり、例えば、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾ−ル系、サルチレ−ト系、アクリルニトリル系、金属錯塩系、ヒンダ−ドアミン系、超微粒子酸化チタン(粒子径、0.01〜0.06μm)あるいは超微粒子酸化亜鉛(0.01〜0.04μm)等の無機系等の紫外線吸収剤の1種ないしそれ以上を使用することができる。
また、上記の酸化防止剤としては、前述の高分子の光劣化あるいは熱劣化等を防止するものであり、例えば、フェノ−ル系、アミン系、硫黄系、燐酸系、その他等の酸化防止剤を使用することができる。
更に、上記の紫外線吸収剤あるいは酸化防止剤としては、例えば、ポリマ−を構成する主鎖または側鎖に、上記のベンゾフェノン系等の紫外線吸収剤あるいは上記のフェノ−ル系等の酸化防止剤を化学結合させてなるポリマ−型の紫外線吸収剤あるいは酸化防止剤等も使用することができる。
上記の紫外線吸収剤および/または酸化防止剤の含有量としては、その粒子形状、密度等によって異なるが、約0.1〜10重量%位が好ましい。
【0042】
また、上記の障壁層を設ける方法における溶融押し出し積層法において、より強固な接着強度を得るために、例えば、アンカ−コ−ト剤等の接着助剤等を使用し、そのアンカ−コ−ト剤層を介して、積層することができる。
上記のアンカ−コ−ト剤としては、例えば、アルキルチタネ−ト等の有機チタン系、イソシアネ−ト系、ポリエチレンイミン系、ポリプタジエン系、その他等の水性ないし油性の各種のアンカ−コ−ト剤を使用することができる。
上記のアンカ−コ−ト剤は、例えば、ロ−ルコ−ト、グラビアロ−ルコ−ト、キスコ−ト、その他等のコ−ティング法を用いてコ−ティングすることができ、そのコ−ティング量としては、0.1〜5g/m2 (乾燥状態)位が望ましい。
【0043】
なお、本発明において、上記の障壁層を設ける際に、その密接着性を改善するために、更に、例えば、予め、プライマ−コ−ト剤層等を任意に形成して、表面処理層とすることもできる。
上記のプライマ−コ−ト剤としては、例えば、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリウレタン系樹脂、エポキシ系樹脂、フェノ−ル系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、ポリエチレンあるいはポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂あるいはその共重合体ないし変性樹脂、セルロ−ス系樹脂、その他等をビヒクルの主成分とする樹脂組成物を使用することができる。なお、本発明においては、例えば、ロ−ルコ−ト、グラビアロ−ルコ−ト、キスコ−ト、その他等のコ−ティング法を用いてコ−ティングしてプライマ−コ−ト剤層を形成することができ、而して、そのコ−ティング量としては、0.1〜5g/m2 (乾燥状態)位が望ましい。
【0044】
次に、本発明において、太陽電池モジュ−ルを構成する表面保護層について説明すると、かかる表面保護層としては、太陽光の透過性、絶縁性等を有し、更に、耐候性、耐熱性、耐光性、耐水性、耐風圧性、耐降雹性、耐薬品性、防湿性、防汚性、その他等の諸特性を有し、物理的あるいは化学的強度性、強靱性等に優れ、極めて耐久性に富み、更に、光起電力素子としての太陽電池素子の保護とういことから、耐スクラッチ性、衝撃吸収性等に優れていることが必要である。
上記の表面保護層としては、具体的には、例えば、公知のガラス板等は勿論のこと、更に、例えば、フッ素系樹脂、ポリアミド系樹脂(各種のナイロン)、ポリエステル系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、環状ポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、ポリカ−ボネ−ト系樹脂、アセタ−ル系樹脂、セルロ−ス系樹脂、その他等の各種の樹脂のフィルムないしシ−トを使用することができる。
上記の樹脂のフィルムないしシ−トとしては、例えば、2軸延伸した樹脂のフィルムないしシ−トも使用することができる。
また、上記の樹脂のフィルムないしシ−トにおいて、その膜厚としては、12〜200μm位、より好ましくは、25〜150μm位が望ましい。
【0045】
次に、本発明において、太陽電池モジュ−ルを構成する表面保護層の下に積層する充填剤層について説明すると、かかる充填剤層としては、太陽光が入射し、これを透過して吸収することから透明性を有することが必要であり、また、表面保護層との接着性を有することも必要であり、更に、光起電力素子としての太陽電池素子の表面の平滑性を保持する機能を果たすために熱可塑性を有すること、更には、光起電力素子としての太陽電池素子の保護とういことから、耐スクラッチ性、衝撃吸収性等に優れていることが必要である。
具体的には、上記の充填剤層としては、例えば、フッ素系樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体、アイオノマ−樹脂、エチレン−アクリル酸、または、メタクリル酸共重合体、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリエチレンあるいはポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂をアクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、フマ−ル酸等の不飽和カルボン酸で変性した酸変性ポリオレンフィン系樹脂、ポリビニルブチラ−ル樹脂、シリコ−ン系樹脂、エポキシ系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、その他等の樹脂の1種ないし2種以上の混合物を使用することができる。
なお、本発明においては、上記の充填剤層を構成する樹脂には、耐熱性、耐光性、耐水性等の耐候性等を向上させるために、その透明性を損なわない範囲で、例えば、架橋剤、熱酸化防止剤、光安定剤、紫外線吸収剤、光酸化防止剤、その他等の添加剤を任意に添加し、混合することができるものである。
而して、本発明においては、太陽光の入射側の充填剤としては、耐光性、耐熱性、耐水性等の耐候性を考慮すると、フッ素系樹脂、エチレン−酢酸ビニル系樹脂が望ましい素材である。
なお、上記の充填剤層の厚さとしては、200〜1000μm位、好ましくは、350〜600μm位が望ましい。
【0046】
次に、本発明において、太陽電池モジュ−ルを構成する太陽電池素子の下に積層する充填剤層について説明すると、かかる充填剤層としては、上記の表面保護層の下に積層する充填剤層と同様に、裏面保護層との接着性を有することも必要であり、更に、光起電力素子としての太陽電池素子の裏面の平滑性を保持する機能を果たすために熱可塑性を有すること、更には、光起電力素子としての太陽電池素子の保護とういことから、耐スクラッチ性、衝撃吸収性等に優れていることが必要である。
しかし、上記の太陽電池モジュ−ルを構成する太陽電池素子の下に積層する充填剤層としては、上記の表面保護層の下に積層する充填剤層と異なり、必ずも、透明性を有することを必要としないものである。
具体的には、上記の充填剤層としては、前述の表面保護層の下に積層する充填剤層と同様に、例えば、フッ素系樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体、アイオノマ−樹脂、エチレン−アクリル酸、または、メタクリル酸共重合体、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリエチレンあるいはポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂をアクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、フマ−ル酸等の不飽和カルボン酸で変性した酸変性ポリオレンフィン系樹脂、ポリビニルブチラ−ル樹脂、シリコ−ン系樹脂、エポキシ系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、その他等の樹脂の1種ないし2種以上の混合物を使用することができる。
なお、本発明においては、上記の充填剤層を構成する樹脂には、耐熱性、耐光性、耐水性等の耐候性等を向上させるために、その透明性を損なわない範囲で、例えば、架橋剤、熱酸化防止剤、光安定剤、紫外線吸収剤、光酸化防止剤、その他等の添加剤を任意に添加し、混合することができるものである。
なお、上記の充填剤層の厚さとしては、200〜1000μm位、より好ましくは、350〜600μm位が望ましい。
【0047】
次に、本発明において、太陽電池モジュ−ルを構成する裏面保護層について説明すると、かかる裏面保護層としては、絶縁性の樹脂のフィルムないしシ−ト、あるいは、金属板ないし箔等を使用することができ、更に、耐熱性、耐光性、耐水性等の耐候性を有し、物理的あるいは化学的強度性、強靱性等に優れ、更に、光起電力素子としての太陽電池素子の保護とういことから、耐スクラッチ性、衝撃吸収性等に優れていることが必要である。
上記の裏面保護層としては、具体的には、例えば、ポリアミド系樹脂(各種のナイロン)、ポリエステル系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、環状ポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリカ−ボネ−ト系樹脂、アセタ−ル系樹脂、セルロ−ス系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、フッ素系樹脂、その他等の各種の樹脂のフィルムないしシ−トを使用することができる。
上記の樹脂のフィルムないしシ−トとしては、例えば、2軸延伸した樹脂のフィルムないしシ−トも使用することができる。
また、上記の樹脂のフィルムないしシ−トにおいて、その膜厚としては、12〜200μm位、より好ましくは、25〜150μm位が望ましい。
【0048】
なお、本発明において、本発明にかかる太陽電池モジュ−ルを製造する際しては、その強度、耐候性、耐スクラッチ性、その他等の諸堅牢性を向上させるために、その他の素材、例えば、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、アイオノマ−樹脂、エチレン−アクリル酸エチル共重合体、エチレン−アクリル酸またはメタクリル酸共重合体、メチルペンテンポリマ−、ポリブテン系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、ポリ塩化ビニリデン系樹脂、塩化ビニル−塩化ビニリデン共重合体、ポリ(メタ)アクリル系樹脂、ポリアクリルニトリル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、アクリロニトリル−スチレン共重合体(AS系樹脂)、アクリロニトリル−ブタジェン−スチレン共重合体(ABS系樹脂)、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリカ−ボネ−ト系樹脂、ポリビニルアルコ−ル系樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体のケン化物、フッ素系樹脂、ジエン系樹脂、ポリアセタ−ル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ニトロセルロ−ス、その他等の公知の樹脂のフィルムないしシ−トから任意に選択して使用することができる。
本発明において、上記のフィルムないしシ−トは、未延伸、一軸ないし二軸方向に延伸されたもの等のいずれのものでも使用することができる。
また、その厚さは、任意であるが、数μmから300μm位の範囲から選択して使用することができる。
更に、本発明においては、フィルムないしシ−トとしては、押し出し成膜、インフレ−ション成膜、コ−ティング膜等のいずれの性状の膜でもよい。
【0049】
次に、本発明において、本発明にかかる太陽電池モジュ−ルを製造する方法について説明すると、かかる製造法としては、公知の方法、例えば、上記の表面保護層、充填剤層、本発明にかかる光起電力素子としての太陽電池素子、充填剤層、および、裏面保護層を、その順次に積層し、更に、必要ならば、各層間に、その他の素材を任意に積層し、次いで、これらを、真空吸引等により一体化して加熱圧着するラミネ−ション法等の通常の成形法を利用し、上記の各層を一体成形体として加熱圧着成形して、太陽電池モジュ−ルを製造することができる。
上記において、必要ならば、各層間の接着性等を高めるために、(メタ)アクリル系樹脂、オレフィン系樹脂、ビニル系樹脂、その他等の樹脂をビヒクルの主成分とする加熱溶融型接着剤、溶剤型接着剤、光硬化型接着剤、その他等を使用することができる。
上記の接着剤中には、紫外線吸収剤、酸化防止剤等を任意に添加することができるものである。
【0050】
また、上記の積層において、各積層対向面には、密接着性を向上させるために、必要に応じて、例えば、コロナ放電処理、オゾン処理、酸素ガス若しくは窒素ガス等を用いた低温プラズマ処理、グロ−放電処理、化学薬品等を用いて処理する酸化処理、その他等の前処理を任意に施すことができる。
更に、上記の積層においては、各積層対向面に、予め、プライマ−コ−ト剤層、アンダ−コ−ト剤層、接着剤層、あるいは、アンカ−コ−ト剤層等を任意に形成して、表面前処理を行うこともできる。
上記の前処理のコ−ト剤層としては、例えば、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリウレタン系樹脂、エポキシ系樹脂、フェノ−ル系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、ポリエチレンあるいはポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂あるいはその共重合体ないし変性樹脂、セルロ−ス系樹脂、その他等をビヒクルの主成分とする樹脂組成物を使用することができる。
また、上記において、コ−ト剤層の形成法としては、例えば、溶剤型、水性型、あるいは、エマルジョン型等のコ−ト剤を使用し、ロ−ルコ−ト法、グラビアロ−ルコ−ト法、キスコ−ト法、その他等のコ−ト法を用いてコ−トすることができる。
【0051】
【実施例】
次に、本発明について実施例を挙げて更に具体的に本発明を説明する。
実施例1
(1).まず、アモルファスシリコンからなる太陽電池素子を並列に配置した厚さ50μmのポリアラミドフィルムを使用し、これを巻き取り式真空蒸着装置の送り出しロ−ルに装着し、次いで、これをコ−ティングドラムの上に繰り出して、その太陽電池素子面に、下記の条件で、アルミニウムを蒸着源に用い、酸素ガスを供給しながら、エレクトロンビ−ム(EB)加熱方式による反応真空蒸着法により、膜厚500Åの酸化アルミニウムの蒸着薄膜からなる障壁層を形成した。
(蒸着条件)
蒸着源:アルミニウム
真空チャンバ−内の真空度:7.5×10-6mbar
蒸着チャンバ−内の真空度:2.1×10-6mbar
EB出力:40KW
フィルム搬送速度:600m/分
次に、上記で膜厚500Åの酸化アルミニウムの蒸着薄膜を形成した後、その蒸着直後に、その酸化アルミニウムの蒸着薄膜面に、グロ−放電プラズマ発生装置を使用し、プラズマ出力、1500W、酸素ガス(O2 ):アルゴンガス(Ar)=19:1からなる混合ガスを使用し、混合ガス圧6×10-5Torr、処理速度420m/minで酸素/アルゴン混合ガスによるプラズマ処理を行ってプラズマ処理面を形成した。
(2).次に、上記で障壁層を形成した太陽電池素子を使用し、厚さ3mmのガラス板、厚さ400μmのエチレン−酢酸ビニル共重合体シ−ト、上記の酸化アルミニウムの蒸着薄膜のプラズマ処理面を有する太陽電池素子、厚さ400μmのエチレン−酢酸ビニル共重合体シ−ト、および、厚さ100μmの環状ポリオレフィン樹脂フィルムを、上記の太陽電池素子の酸化アルミニウムの蒸着薄膜のプラズマ処理面を上に向けて順次に積層し、更に、各層間にアクリル系樹脂の接着剤層を介して積層し、更に、加熱圧着し、一体化して、本発明にかかる太陽電池モジュ−ルを製造した。
【0052】
実施例2
(1).まず、アモルファスシリコンからなる太陽電池素子を並列に配置した厚さ50μmのポリアラミドフィルムを使用し、これをプラズマ化学気相成長装置の送り出しロ−ルに装着し、次に、そのフィルムをコ−ティングドラムの上に繰り出して、その太陽電池素子面に、下記の蒸着条件で製膜化して、膜厚1000Åの酸化珪素の蒸着薄膜からなる障壁層を形成した。
(蒸着条件)
反応ガス混合比:ヘキサメチルジシロキサン:酸素ガス:ヘリウム=1:10:10(単位:slm)
真空チャンバ−内の真空度:5.0×10-6mbar
蒸着チャンバ−内の真空度:6.0×10-2mbar
冷却・電極ドラム供給電力:20kW
フィルムの搬送速度:80m/分
蒸着面:コロナ処理面
次に、上記で膜厚1000Åの酸化珪素の蒸着薄膜を形成した後、その蒸着直後に、その酸化珪素の蒸着薄膜面に、上記の実施例1と同様にして、プラズマ処理してプラズマ処理面を形成した。
(2).次に、上記で形成した酸化珪素の蒸着薄膜のプラズマ処理面を有する太陽電池素子を使用し、厚さ50μmのフッ系樹脂シ−ト、厚さ400μmのエチレン−酢酸ビニル共重合体シ−ト、上記の酸化珪素の蒸着薄膜のプラズマ処理面を有する太陽電池素子、厚さ400μmのエチレン−酢酸ビニル共重合体シ−ト、および、厚さ100μmの環状ポリオレフィン樹脂フィルムを、上記の太陽電池素子の酸化珪素の蒸着薄膜のプラズマ処理面を上に向けて順次に積層し、更に、各層間にアクリル系樹脂の接着剤層を介して積層し、更に、加熱圧着し、一体化して、本発明にかかる太陽電池モジュ−ルを製造した。
【0053】
実施例3
(1).まず、アモルファスシリコンからなる太陽電池素子を並列に配置した厚さ50μmのポリアラミドフィルムを使用し、その太陽電池素子の表面に、ポリウレタン系樹脂の初期縮合物に、エポキシ系のシランカップリング剤(8.0重量%)とブロッキング防止剤(1.0重量%)を添加し、十分に混練してなるプライマ−樹脂組成物を使用し、これをグラビアロ−ルコ−ト法により、膜厚0.5g/m2 (乾燥状態)になるようにコ−ティングしてプライマ−層を形成した。
更に、上記で形成したプライマ−層の面に、紫外線吸収剤として、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤(2.0重量%)を含有する2液硬化型のウレタン系ラミネ−ト用接着剤を使用し、これを、上記と同様に、グラビアロ−ルコ−ト法により、膜厚5.0g/m2 (乾燥状態)になるようにコ−ティングしてラミネ−ト用接着剤層を形成した。
次に、上記で形成したラミネ−ト用接着剤層面に、厚さ12μmの2軸延伸ポリエチレンテレフタレ−トフィルムを対向させて重ね合わせ、しかる後、、その両者をドライラミネ−ト積層して障壁層を形成した。
(2).次に、上記で障壁層を形成した太陽電池素子を使用し、厚さ50μmの環状ポリオレフィン系樹脂シ−ト、厚さ400μmのエチレン−酢酸ビニル共重合体シ−ト、上記の2軸延伸ポリエチレンテレフタレ−トフィルムからなる障壁層を有する太陽電池素子、厚さ400μmのエチレン−酢酸ビニル共重合体シ−ト、および、厚さ50μmのフッ素系樹脂シ−トを、上記の太陽電池素子の障壁層面を上に向けて順次に積層し、更に、各層間にアクリル系樹脂の接着剤層を介して積層し、更に、加熱圧着し、一体化して、本発明にかかる太陽電池モジュ−ルを製造した。
【0054】
実施例4
障壁層を構成する素材として、片面にポリ塩化ビニリデン系樹脂組成物によるコ−ティング膜を有する2軸延伸ポリエチレンテレフタレ−トフィルムを使用し、以下、上記の実施例3と全く同様に行って、上記のポリ塩化ビニリデン系樹脂組成物によるコ−ティング膜を有する2軸延伸ポリエチレンテレフタレ−トフィルムを、アモルファスシリコンからなる太陽電池素子を並列に配置した厚さ50μmのポリアラミドフィルムの太陽電池素子の表面にドライラミネ−ト積層して障壁層を形成し、更に、上記で障壁層を形成した太陽電池素子を使用し、上記の実施例3と全く同様に行って、同様な本発明にかかる太陽電池モジュ−ルを製造した。
【0055】
実施例5
(1).まず、アモルファスシリコンからなる太陽電池素子を並列に配置した厚さ50μmのポリアラミドフィルムを使用し、その太陽電池素子の表面に、下記の金属アルコキシド化合物を含むゾルゲル組成物を使用し、これをグラビアロ−ルコ−ト法を用いてコ−ティングし、次いで、120℃で1時間乾燥し、コ−ティング量2.0g/m2 (乾燥状態)からなるコ−ティング膜を形成して、障壁層を製造した。
(金属アルコキシド化合物を含むゾルゲル組成物)
45モル%のメタクリルオキシプロピルトリメトキシシランおよび30モル%のメチルトリメトキシシランの混合物に、室温で25モル%のアルミニウムsec−ブチラ−トを攪拌しながら、ゆっくりと滴下した。
滴下後、混合物を更に5分間攪拌し、その後15℃に冷却した。
完全に加水分解するのに必要な水量の15分の1を、攪拌しながら徐徐に滴下した。
更に5分間攪拌した後、8℃に冷却した。
次に、完全に加水分解するのに必要な水量の16分の2を、攪拌しながら徐徐に滴下した。
更に15分間攪拌した。
最後に、加水分解を完了させ、塗布用のゾルゲル組成物を調製した。
(2).次に、上記で障壁層を形成した太陽電池素子を使用し、厚さ3mmのガラス板、厚さ400μmのエチレン−酢酸ビニル共重合体シ−ト、上記のコ−ティング膜を有する太陽電池素子、厚さ400μmのエチレン−酢酸ビニル共重合体シ−ト、および、厚さ50μmの2軸延伸ポリエチレンテレフタレ−トフィルムを、上記の太陽電池素子のアルミニウムの蒸着薄膜の面を上に向けて順次に積層し、更に、各層間にアクリル系樹脂の接着剤層を介して積層し、更に、加熱圧着し、一体化して、本発明にかかる太陽電池モジュ−ルを製造した。
【0056】
実施例6
(1).まず、厚さ50μmのエチレンとテトラフロロエチレンとのコポリマ−からなるフッ素系樹脂フィルム(ETFE)を使用し、これを巻き取り式真空蒸着装置の送り出しロ−ルに装着し、次いで、これをコ−ティングドラムの上に繰り出して、そのコロナ処理面に、下記の条件で、アルミニウムを蒸着源に用い、酸素ガスを供給しながら、エレクトロンビ−ム(EB)加熱方式による反応真空蒸着法により、膜厚500Åの酸化アルミニウムの蒸着薄膜を形成した。
を製造した。
(蒸着条件)
蒸着源:アルミニウム
真空チャンバ−内の真空度:7.5×10-6mbar
蒸着チャンバ−内の真空度:2.1×10-6mbar
EB出力:40KW
フィルム搬送速度:600m/分
次に、上記で膜厚500Åの酸化アルミニウムの蒸着薄膜を形成した後、その蒸着直後に、その酸化アルミニウムの蒸着薄膜面に、グロ−放電プラズマ発生装置を使用し、プラズマ出力、1500W、酸素ガス(O2 ):アルゴンガス(Ar)=19:1からなる混合ガスを使用し、混合ガス圧6×10-5Torr、処理速度420m/minで酸素/アルゴン混合ガスによるプラズマ処理を行ってプラズマ処理面を形成した。
(2).他方、アモルファスシリコンからなる太陽電池素子を並列に配置した厚さ50μmのポリアラミドフィルムの表面(太陽電池素子面)に、2液硬化型のポリウレタン系樹脂の初期縮合物に、エポキシ系のシランカップリング剤(8.0重量%)とブロッキング防止剤(1.0重量%)を添加し、十分に混練してなるプライマ−樹脂組成物を使用し、これをグラビアロ−ルコ−ト法により、膜厚0.5g/m2 (乾燥状態)になるようにコ−ティングしてプライマ−層を形成した。
更に、上記で形成したプライマ−層の面に、紫外線吸収剤として、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤(2.0重量%)を含有する2液硬化型のウレタン系ラミネ−ト用接着剤を使用し、これを、上記と同様に、グラビアロ−ルコ−ト法により、膜厚5.0g/m2 (乾燥状態)になるようにコ−ティングしてラミネ−ト用接着剤層を形成した。
次に、上記で形成したラミネ−ト用接着剤層面に、上記で製造した膜厚500Åの酸化アルミニウムの蒸着薄膜を有するフッ素系樹脂フィルムのプラズマ処理面を対向させて重ね合わせ、しかる後、、その両者をドライラミネ−ト積層して障壁層を形成した。
(3).次に、上記で障壁層を形成した太陽電池素子を使用し、厚さ3mmのガラス板、厚さ400μmのエチレン−酢酸ビニル共重合体シ−ト、上記の酸化アルミニウムの蒸着薄膜を有するフッ素系樹脂フィルムからなる障壁層を設けた太陽電池素子、厚さ400μmのエチレン−酢酸ビニル共重合体シ−ト、および、厚さ100μmの環状ポリオレフィン樹脂フィルムを、上記の太陽電池素子の障壁層面を上に向けて順次に積層し、更に、各層間にアクリル系樹脂の接着剤層を介して積層し、更に、加熱圧着し、一体化して、本発明にかかる太陽電池モジュ−ルを製造した。
【0057】
実施例7
(1).まず、厚さ50μmのエチレンとテトラフロロエチレンとのコポリマ−からなるフッ素系樹脂フィルム(ETFE)を使用し、これをプラズマ化学気相成長装置の送り出しロ−ルに装着し、次に、そのフッ素系樹脂フィルムをコ−ティングドラムの上に繰り出して、そのコロナ処理面に、下記の蒸着条件で製膜化して、膜厚1000Åの酸化珪素の蒸着薄膜を形成して障壁層を製造した。
(蒸着条件)
反応ガス混合比:ヘキサメチルジシロキサン:酸素ガス:ヘリウム=1:10:10(単位:slm)
真空チャンバ−内の真空度:5.0×10-6mbar
蒸着チャンバ−内の真空度:6.0×10-2mbar
冷却・電極ドラム供給電力:20kW
フィルムの搬送速度:80m/分
蒸着面:コロナ処理面
次に、上記で膜厚1000Åの酸化珪素の蒸着薄膜を形成した後、その蒸着直後に、その酸化珪素の蒸着薄膜面に、上記の実施例1と同様にして、プラズマ処理してプラズマ処理面を形成した。
(2).他方、アモルファスシリコンからなる太陽電池素子を並列に配置した厚さ50μmのポリアラミドフィルムの表面(太陽電池素子面)に、2液硬化型のポリウレタン系樹脂の初期縮合物に、エポキシ系のシランカップリング剤(8.0重量%)とブロッキング防止剤(1.0重量%)を添加し、十分に混練してなるプライマ−樹脂組成物を使用し、これをグラビアロ−ルコ−ト法により、膜厚0.5g/m2 (乾燥状態)になるようにコ−ティングしてプライマ−層を形成した。
更に、上記で形成したプライマ−層の面に、2液硬化型のウレタン系アンカ−コ−ト剤を使用し、これを、上記と同様に、グラビアロ−ルコ−ト法により、膜厚0.1g/m2 (乾燥状態)になるようにコ−ティングしてアンカ−コ−ト剤層を形成した。
次に、上記で形成したアンカ−コ−ト剤層面に、低密度ポリエチレンを使用し、これを厚さ30μmに溶融押し出ししながら、上記で形成した膜厚1000Åの酸化珪素の蒸着薄膜を有するフッ素系樹脂フィルムからなる障壁層を押し出しラミネ−ト積層した。
(3).次に、上記で形成した酸化珪素の蒸着薄膜を有するフッ素系樹脂フィルムからなる障壁層を有する太陽電池素子を使用し、厚さ50μmのフッ系樹脂シ−ト、厚さ400μmのエチレン−酢酸ビニル共重合体シ−ト、上記の酸化珪素の蒸着薄膜を有するフッ素系樹脂フィルムからなる障壁層を有する太陽電池素子、厚さ400μmのエチレン−酢酸ビニル共重合体シ−ト、および、厚さ100μmの環状ポリオレフィン樹脂フィルムを、上記の太陽電池素子面を上に向けて順次に積層し、更に、各層間にアクリル系樹脂の接着剤層を介して積層し、更に、加熱圧着し、一体化して、本発明にかかる太陽電池モジュ−ルを製造した。
【0058】
実施例8
(1).厚さ50μmの環状ポリオレフィン樹脂フィルムを使用し、これをプラズマ化学蒸着装置の送り出しロ−ルに装着し、下記の条件で膜厚200Åの酸化珪素の蒸着薄膜をそのコロナ処理面に形成した。
(蒸着条件)
反応ガス混合比:ヘキサメチルジシロキサン:酸素ガス:ヘリウム=1:10:10(単位:slm)
真空チャンバ−内の真空度:5.5×10-6mbar
蒸着チャンバ−内の真空度:6.5×10-2mbar
冷却・電極ドラム供給電力:18kW
フィルムの搬送速度:80m/分
蒸着面:コロナ処理面
次に、上記で膜厚200Åの酸化珪素の蒸着膜を形成した環状ポリオレフィン樹脂フィルムについて、その蒸着直後に、その酸化珪素の蒸着膜面に、上記の実施例1と全く同様にして、プラズマ処理してプラズマ処理面を形成した。
(2).次に、45モル%のメタクリルオキシプロピルトリメトキシシランおよび30モル%のメチルトリメトキシシランの混合物に、室温で25モル%のアルミニウムsec−ブチラ−トを攪拌しながら、ゆっくりと滴下した。
滴下後、混合物を更に5分間攪拌し、その後15℃に冷却した。
完全に加水分解擦るのに必要な水量の15分の1を、攪拌しながら徐徐に滴下した。
更に5分間攪拌した後、8℃に冷却した。
次に、完全に加水分解するのに必要な水量の16分の2を、攪拌しながら徐徐に滴下した。
更に15分間攪拌した。
最後に、加水分解を完了させ、塗布用の組成物を調製した。
次に、上記で調製した塗布用の組成物を使用し、これを、上記の(1)で製造した酸化珪素の蒸着膜のプラズマ処理面に、グラビアロ−ルコ−ト法を用いてコ−ティングし、次いで、120℃で1時間乾燥し、コ−ティング量2.0g/m2 (乾燥状態)からなるコ−ティング膜を形成して、障壁層を製造した。
(3).他方、アモルファスシリコンからなる太陽電池素子を並列に配置した厚さ50μmのポリアラミドフィルムの表面(太陽電池素子面)に、2液硬化型のポリウレタン系樹脂の初期縮合物に、エポキシ系のシランカップリング剤(8.0重量%)とブロッキング防止剤(1.0重量%)を添加し、十分に混練してなるプライマ−樹脂組成物を使用し、これをグラビアロ−ルコ−ト法により、膜厚0.5g/m2 (乾燥状態)になるようにコ−ティングしてプライマ−層を形成した。
更に、上記で形成したプライマ−層の面に、2液硬化型のウレタン系アンカ−コ−ト剤を使用し、これを、上記と同様に、グラビアロ−ルコ−ト法により、膜厚0.1g/m2 (乾燥状態)になるようにコ−ティングしてアンカ−コ−ト剤層を形成した。
次に、上記で形成したアンカ−コ−ト剤層面に、低密度ポリエチレンを使用し、これを厚さ30μmに溶融押し出ししながら、上記で形成した膜厚200Åの酸化珪素の蒸着薄膜とコ−ティング膜とを有する環状ポリオレフィン樹脂フィルムからなる障壁層を押し出しラミネ−ト積層した。
(4).次に、上記で形成した酸化珪素の蒸着薄膜とコ−ティング膜とを有する環状ポリオレフィン樹脂フィルムからなる障壁層を有する太陽電池素子を使用し、厚さ3mmのガラス板、厚さ400μmのエチレン−酢酸ビニル共重合体シ−ト、上記の酸化珪素の蒸着薄膜を有する環状ポリオレフィン樹脂フィルムからなる障壁層を有する太陽電池素子、厚さ400μmのエチレン−酢酸ビニル共重合体シ−ト、および、厚さ100μmの環状ポリオレフィン樹脂フィルムを、上記の太陽電池素子面を上に向けて順次に積層し、更に、各層間にアクリル系樹脂の接着剤層を介して積層し、更に、加熱圧着し、一体化して、本発明にかかる太陽電池モジュ−ルを製造した。
【0059】
実施例9
(1).厚さ50μmの環状ポリオレフィン樹脂フィルムを使用し、これを巻き取り式真空蒸着装置の送り出しロ−ルに装着し、次いで、これをコ−ティングドラムの上に繰り出して、下記の条件で、アルミニウムを蒸着源に用い、酸素ガスを供給しながら、エレクトロンビ−ム(EB)加熱方式による反応真空蒸着法により、上記の環状ポリオレフィン樹脂フィルムの片面に、膜厚220Åの酸化アルミニウムの蒸着膜を形成した。
(蒸着条件)
蒸着源:アルミニウム
真空チャンバ−内の真空度:7.5×10-6mbar
蒸着チャンバ−内の真空度:2.1×10-6mbar
EB出力:25kW
フィルム搬送速度:480m/分
次に、上記で膜厚220Åの酸化アルミニウムの蒸着膜を形成した環状ポリオレフィン樹脂フィルムについて、その蒸着直後に、その酸化アルミニウムの蒸着膜面に、グロ−放電プラズマ発生装置を使用し、プラズマ出力、1500W、酸素ガス(O2 ):アルゴンガス(Ar)=19:1からなる混合ガスを使用し、混合ガス圧6×10-5Torr、処理速度420m/minで酸素/アルゴン混合ガスによるプラズマ処理を行ってプラズマ処理面を形成した。
(2).次に、エチルシリケ−ト25g、エタノ−ル25g、2N塩酸1.86g及び水1.51gを混合し、80℃で1〜2時間攪拌した。
この時、上記の混合物のエチルシリケ−トと水のモル比は、1:1.51であった。
次いで、エポキシシラン(東レダウコ−ニング株式会社製、商品名、SH6040)2.5gを加えて攪拌した。
これにポリビニルアルコ−ル(クラレ株式会社製、重合度 2000)を10%含む水溶液1.7gを加え、更に、1〜2時間攪拌し、次に、透明となった時点で、N.N−ジメチルベンジルアミン32重量%エタノ−ル溶液0.1gを加えて、塗布用の組成物を調製した。
次に、上記で調製した塗布用の組成物を使用し、これを、上記の(1)で製造した酸化アルミニウムの蒸着膜のプラズマ処理面に、グラビアロ−ルコ−ト法を用いてコ−ティングし、次いで、120℃で1時間乾燥し、コ−ティング量2.0g/m2 (乾燥状態)からなるコ−ティング膜を形成して、障壁層を製造した。
(3).他方、アモルファスシリコンからなる太陽電池素子を並列に配置した厚さ50μmのポリアラミドフィルムの表面(太陽電池素子面)に、2液硬化型のポリウレタン系樹脂の初期縮合物に、エポキシ系のシランカップリング剤(8.0重量%)とブロッキング防止剤(1.0重量%)を添加し、十分に混練してなるプライマ−樹脂組成物を使用し、これをグラビアロ−ルコ−ト法により、膜厚0.5g/m2 (乾燥状態)になるようにコ−ティングしてプライマ−層を形成した。
更に、上記で形成したプライマ−層の面に、紫外線吸収剤として、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤(2.0重量%)を含有する2液硬化型のウレタン系ラミネ−ト用接着剤を使用し、これを、上記と同様に、グラビアロ−ルコ−ト法により、膜厚5.0g/m2 (乾燥状態)になるようにコ−ティングしてラミネ−ト用接着剤層を形成した。
次に、上記で形成したラミネ−ト用接着剤層面に、上記で製造した膜厚220Åの酸化アルミニウムの蒸着薄膜とコ−ティング膜とを有する環状ポリオレフィン樹脂フィルムからなる障壁層のプラズマ処理面を対向させて重ね合わせ、しかる後、、その両者をドライラミネ−ト積層して障壁層を形成した。
(4).次に、上記で障壁層を形成した太陽電池素子を使用し、厚さ3mmのガラス板、厚さ400μmのエチレン−酢酸ビニル共重合体シ−ト、上記の酸化アルミニウムの蒸着薄膜とコ−ティング膜とを有する環状ポリオレフィン樹脂フィルムからなる障壁層を設けた太陽電池素子、厚さ400μmのエチレン−酢酸ビニル共重合体シ−ト、および、厚さ100μmの環状ポリオレフィン樹脂フィルムを、上記の太陽電池素子の障壁層面を上に向けて順次に積層し、更に、各層間にアクリル系樹脂の接着剤層を介して積層し、更に、加熱圧着し、一体化して、本発明にかかる太陽電池モジュ−ルを製造した。
【0060】
比較例1
厚さ3mmのガラス板、厚さ400μmのエチレン−酢酸ビニル共重合体シ−ト、アモルファスシリコンからなる太陽電池素子を並列に配置した厚さ50μmのポリアラミドフィルム、厚さ400μmのエチレン−酢酸ビニル共重合体シ−ト、および、厚さ50μmの2軸延伸ポリエチレンテレフタレ−トフィルムを、その太陽電池素子面を上に向けて、アクリル系樹脂の接着剤層を介して積層して、太陽電池モジュ−ルを製造した。
【0061】
比較例2
厚さ3mmのガラス板、厚さ400μmのエチレン−酢酸ビニル共重合体シ−ト、アモルファスシリコンからなる太陽電池素子を並列に配置した厚さ50μmのポリアラミドフィルム、厚さ400μmのエチレン−酢酸ビニル共重合体シ−ト、および、厚さ50μmのポリフッ化ビニル樹脂シ−トを対向させて、かつ、その太陽電池素子面を上に向けて、アクリル系樹脂の接着剤層を介して積層して、太陽電池モジュ−ルを製造した。
【0062】

比較例3 .
厚さ50μmのポリフッ化ビニル樹脂シ−ト、厚さ400μmのエチレン−酢酸ビニル共重合体シ−ト、アモルファスシリコンからなる太陽電池素子を並列に配置した厚さ50μmのポリアラミドフィルム、厚さ400μmのエチレン−酢酸ビニル共重合体シ−ト、および、厚さ100μmのポリジシクロペンタジエン樹脂シ−トを対向させて、かつ、その太陽電池素子面を上に向けて、アクリル系樹脂の接着剤層を介して積層して、太陽電池モジュ−ルを製造した。
【0063】
実験例
上記の実施例1〜9で製造した太陽電池モジュ−ルと比較例1〜3で製造した太陽電池モジュ−ルについて、下記の評価試験を行った。
(1).全光線透過率の測定
これは、実施例1〜9にかかる障壁層についてカラ−コンピュ−タ−により全光線透過率(%)を測定した。
なお、太陽電池素子の表面に、直接障壁層を設ける場合には、基材フィルムとして、厚さ50μmの2軸延伸ポリエチレンテレフタレ−トフィルムを使用し、これに障壁層を設けて、測定した。
(2).太陽電池モジュ−ル評価試験
これは、JIS規格C8917−1989に基づいて、太陽電池モジュ−ルの環境試験を行い、試験前後の光起電力の出力を測定して、比較評価した。
(3).水蒸気バリア性と酸素バリア性の測定
上記の水蒸気バリア性は、実施例1〜9で製造した本発明にかかる太陽電池モジュ−ルと比較例1〜3にかかる太陽電池モジュ−ルにかかる障壁層について、温度40℃、湿度90%RHの条件で、米国、モコン(MOCON)社製の測定機〔機種名、パ−マトラン(PERMATRAN)〕にて測定し、更に、上記の酸素バリア性は、上記と同様の対象物について、温度23℃、湿度90%RHの条件で、米国、モコン(MOCON)社製の測定機〔機種名、オクストラン(OXTRAN)〕にて測定した。
なお、太陽電池素子の表面に、直接障壁層を設ける場合には、基材フィルムとして、厚さ50μmの2軸延伸ポリエチレンテレフタレ−トフィルムを使用し、これに障壁層を設けて、測定した。
上記の測定結果について下記の表1に示す。
【0064】
Figure 0004440399
上記の表1において、水蒸気透過度の単位は、〔g/m2 /day・40℃・100%RH〕であり、また、酸素透過度の単位は、〔cc/m2 /day・23℃・90%RH〕である。
【0065】
上記の表1に示す測定結果より明らかなように、実施例1〜9のものは、水蒸気バリア性、酸素バリア性に優れており、更に、障壁層を設けていることから、その出力低下率も低いものであった。
これに対し、比較例1〜3のものは、障壁層を設けていないことから、水蒸気バリア性、酸素バリア性に劣り、そのため、その出力低下率が、高いという問題点があった。
【0066】
【発明の効果】
以上の説明で明らかなよう、本発明は、太陽電池素子の表面に、少なくとも、水蒸気、酸素ガス、充填剤層を構成する充填剤の劣化ないし分解物、あるいは、充填剤層から溶出する添加剤等の1種以上の透過を阻止する障壁層を設けて保護層付太陽電池素子を製造し、次いで、該保護層付太陽電池素子を使用し、表面保護層、充填剤層、保護層付太陽電池素子、充填剤層、および、裏面保護層の順に積層し、それらを真空吸引して加熱圧着するラミネ−ション法等を利用して太陽電池モジュ−ルを製造して、耐候性、耐熱性、耐水性、耐湿性、耐風圧性、耐降雹性、その他等の諸特性に優れ、極めて耐久性に富み、その長期的な性能劣化を最小限に抑え、極めて安定性に優れ、長期間の使用に対し極めて優れた信頼性を有し、特に、水分、酸素等の侵入を防止する防湿性を著しく向上させ、かつ、その製造工程を簡略化し、より低コストで安全な太陽電池素子およびそれを使用した太陽電池モジュ−ルを製造し得ることができるというものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる保護付太陽電池素子についてその一例の層構成の概略を示す概略的断面図である。
【図2】本発明にかかる太陽電池モジュ−ルについてその一例の層構成の概略を示す概略的断面図である。
【図3】物理気相成長法による無機酸化物の蒸着膜を形成する方法についてその概要を示す巻き取り式真空蒸着装置の概略的構成図である。
【図4】化学気相成長法による無機酸化物の蒸着膜を形成する方法についてその概要を示す低温プラズマ化学気相成長装置の概略的構成図である。
【符号の説明】
A 保護層付太陽電池素子
B 太陽電池モジュ−ル
1 太陽電池素子
P 太陽電池素子の表面
2 障壁層
3 表面保護層
4 充填剤層
5 裏面保護層

Claims (2)

  1. 太陽電池素子の表面に、少なくとも、水蒸気、酸素ガス、分解物、または、添加剤の1種以上の透過を阻止する障壁層を設け、上記太陽電池素子が、結晶シリコン太陽電池素子またはアモルファスシリコン太陽電池素子で構成され、かつ、上記障壁層が、無機酸化物の蒸着膜の上に、または無機酸化物の蒸着膜を設けた樹脂フィルムの無機酸化物の蒸着膜の上に、ケイ素化合物の加水分解による重縮合物からなる組成物によるコ−ティング膜を設けた構成からなることを特徴とする保護層付太陽電池素子。
  2. 表面保護層、充填剤層、太陽電池素子の表面に、少なくとも、水蒸気、酸素ガス、分解物、または、添加剤の1種以上の透過を阻止する障壁層を設けた構成からなる保護層付太陽電池素子、充填剤層、および、裏面保護層を順次に積層した太陽電池モジュールであって、上記太陽電池素子が、結晶シリコン太陽電池素子またはアモルファスシリコン太陽電池素子で構成され、かつ、上記障壁層が、無機酸化物の蒸着膜の上に、または無機酸化物の蒸着膜を設けた樹脂フィルムの無機酸化物の蒸着膜の上に、ケイ素化合物の加水分解による重縮合物からなる組成物によるコ−ティング膜を設けた構成からなることを特徴とする太陽電池モジュ−ル。
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