JP4439192B2 - 高耐久性石英ガラス、製造方法、これを用いた部材及び装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、耐久性及び加工性が改善された石英ガラス、これを用いたプラズマを使用する装置用の部材及びこの部材を備えた装置に関し、さらに詳しくはプラズマを用いた半導体製造装置または液晶製造装置用部材として好適に使用することのできる耐久性及び加工性に優れた石英ガラス、石英ガラス部材及びこの石英ガラス部材を用いた装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
半導体製造分野や液晶製造分野においてはプラズマを用いた製造装置が多用されており、特に近年の半導体集積回路の微細化に伴いプラズマを用いたドライエッチング工程はその重要性を増しつつある。そしてこれらの製造工程では弗素系ガスや塩素系ガス等のハロゲン化物ガスが必要不可欠である。
【0003】
このハロゲン化物ガスおよびそのプラズマは、その反応性の高さからドライエッチング工程におけるエッチングガスや熱CVD工程のクリーニングガスなど様々な工程で利用されており、利用されるハロゲン化物ガスの種類も弗素系ガスであるF2、HF、CF4、C2F6、C3F8、C4F8、CHF3、SF6、NF3、塩素系ガスであるCl2、HCl、BCl3、CCl4、臭素系ガスであるBr2、HBr等その種類は極めて豊富である。また近年、温暖化係数の低いC5F8、C4F6なども提案されている(例えば非特許文献1参照。)。
【0004】
また、プラズマを用いたこれら半導体製造装置や液晶製造装置の内部では、プラズマ生成時に重要である高周波透過性に優れ、かつ比較的安価に高純度な複雑形状の部材を製造可能である石英ガラス部材が多用されている。なお石英ガラス部材が比較的安価な理由としては、石英ガラスの原料である高純度の水晶粉末が安価な点と、機械加工が容易で酸水素炎による溶着が可能である等、加工性に優れている点が挙げられる。
【0005】
このように、石英ガラスは優れた特性を多数有するものの、ハロゲン化物ガスおよびそのプラズマと接触する部位では石英ガラス表面からエッチングが進行するため、石英ガラス部材がその使用と共に徐々にエッチングされ減肉される現象が生じていた。この石英ガラスの減肉現象は石英ガラス部材の寿命を低下させるだけでなく、異常放電の原因ともなりうるため、解決すべき問題点であった。
【0006】
この問題を解決するために、石英ガラスよりプラズマによるエッチング速度が小さい材料であるアルミナの焼結体(例えば特許文献1参照。)、イットリウム・アルミニウム・ガーネットの焼結体(例えば特許文献2参照。)、窒化アルミニウムの焼結体(例えば特許文献3参照。)をプラズマと接触する部位に用いることにより、この減肉現象を軽減する試みが知られている。しかしながら、これらの材料は、高純度の原料粉末を製造することが難しく、また粒界を持つことから減肉時に粒子脱落を起こし半導体や液晶の歩留まりを低下させる等の問題を抱えていた。また、石英ガラスに比べ加工性が悪く、部材としてのコストが割高になるという欠点があった。
【0007】
そこで、石英ガラスに耐食性元素を添加することにより、高純度、低コスト、良好な加工性、低発塵性といった石英ガラスのもつ優れた特性は保ちつつ、エッチングによる減肉現象を抑制しようとする試みが行われている。これは、石英ガラスの構成元素であるSiのハロゲン化物と比較して、ハロゲン化物の昇華温度あるいは沸点が著しく高い元素を、石英ガラス中に添加することにりエッチング速度の小さい石英ガラスを提供しようという試みである。
【0008】
例えば、フッ化物の沸点がSiのフッ化物の沸点より高温度である金属を含有させ、泡と異物の含有量が100cm3あたりの投影面積で100mm2未満であることを特徴とする石英ガラスが提案されている(例えば特許文献4参照。)。
【0009】
また、Sm,Eu,Yb,Pm,Nd,Ce,Tb,Gd,Ba,Mg,Y,Tm,Dy,Ho,Er,Cd,Co,Cr,Cs,Zr,Al,In,Cu,Fe,Bi,Ga及びTiからなる群から選択された1種又は2種以上の金属元素を含有し、泡と異物の含有量が100cm3あたりの投影面積で100mm2未満、OH濃度が100〜2000ppm、表面粗さRaが0.01〜10μm、及び室温から1000℃までの放出ガス量が2mol/m3以下である石英ガラスが提案されている(例えば特許文献5参照。)。
【0010】
しかしながら、本発明者らの検討からは、石英ガラスへの上述のごとき耐食性元素の添加は、エッチング速度を低下させ耐久性を向上させるという望ましい効果だけではなく、石英ガラスの構造を破壊し逆に耐久性を低下させてしまうという望ましからざる効果をも同時に付与していることが明らかとなった。
【0011】
これは、第二成分元素の導入により石英ガラスを構成するSiO2ネットワークが切断され、結合力の弱い非架橋酸素が導入されるためであると考えられる。
【0012】
このような望ましからざる効果は、たとえば、高エネルギーのイオン入射が相対的に多くなるようなエッチング条件においては特に顕著となり、元素を添加することにより、むしろ純粋な石英ガラスよりもエッチング速度が増大し、耐久性が悪化してしまうという深刻な問題があった。
【0013】
一つの解決策として、SiO2−Al2O3−CaO,SiO2−Al2O3−MgO、SiO2−BaO−CaO、SiO2−ZrO2−CaO、SiO2−TiO2−BaOガラスが提案されている(例えば特許文献6参照。)。しかしながら、上述のガラスは半導体製造プロセスでの忌避元素であるMg,Ca、及び毒性を有するBaが必須であり好ましい解決策とは言えない。
【0014】
また、Nd2O3・SiO2・Al2O3ガラスおよび、Dy2O3・SiO2・Al2O3ガラスも提案されている(例えば特許文献7参照。)。しかしながら、原料が高価なNdやDyを多量に使用し経済的でないうえに、ガラス化が比較的困難な組成であり、実用的ではなかった。
【0015】
また、周期律表第3B族の1種類である第一の金属元素と、Zr、Y、ランタノイド及びアクチノイドからなる群より選ばれた少なくとも1種類である第2の金属元素を併せて0.1〜20wt%含有する石英ガラスが提案されている(例えば特許文献8参照。)。しかしながら、上述のガラスは金属元素の添加量が多くなると、ガラス状態(非晶質構造)は保たれているものの、クラックや気泡、白濁などを生じ易く、実用可能なガラスの製造が困難になるという問題点が有った。
【0016】
【非特許文献1】
井田徹ら、セミコン・ジャパン2002, NAVIGATOR,39〜49頁,2002年
【特許文献1】
特開平5−217946号公報
【特許文献2】
特開平10−236871号公報
【特許文献3】
特開平10−275524号公報
【特許文献4】
特開2002−137927号公報
【特許文献5】
特開2002−193634号公報
【特許文献6】
特開2002−121047号公報
【特許文献7】
特許第3261044号公報
【特許文献8】
特開2002−220257号公報
【0017】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、ハロゲン化物ガス及び/又はそのプラズマを用いる半導体製造装置または液晶製造装置の部材として、充分な耐久性を有する石英ガラスを、高純度でかつ石英ガラスの持つ良好な加工性、低発塵性を失うことなく提供すること、及びこのような優れた石英ガラスを備えた装置を提供することを目的としている。
【0018】
さらには、内在気泡やクラックが無く、かつ、ハロゲン化物ガス及び/又はそのプラズマに対する耐食性を高めた石英ガラスを得ることを目的としている。
【0019】
またさらには、可視光に対して実質的に透明な高耐久性石英ガラスを得ることを目的としている。
【0020】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、かかる課題を解決するために鋭意検討した結果、Alと、周期律表第2A族元素、第3A族元素及び第4A族元素からなる群より選ばれる1種以上の元素(M)(以下、本明細書では、「周期律表第2A族元素、第3A族元素及び第4A族元素からなる群より選ばれる1種以上の元素(M)」を、単に「元素(M)」ということがある。)とを、石英ガラス中に同時に含有させることで、ハロゲン化物ガス及び/又はそのプラズマを用いる半導体製造装置または液晶製造装置の部材として好適に使用することのできる耐久性の高い石英ガラスを、高純度でかつ石英ガラスの持つ良好な加工性、低発塵性を失うことなく提供できることを見出した。
【0021】
さらに、Alと上記元素(M)の含有量の総和を金属元素中の百分率で30原子%以上、より好ましくは40原子%以上とすることにより、ガラス中にクラックや気泡が無く、かつ、ハロゲン化物ガス及び/又はそのプラズマに対する耐食性が高い石英ガラスが得られることを見出し、本願発明を完成するに至った。
【0022】
以下、本発明を詳細に説明する。
【0023】
本発明の高耐久性ガラスは、Alと、周期律表第2A族元素、第3A族元素及び第4A族元素からなる群より選ばれる1種以上の元素(M)とを含有する。
【0024】
ここで、石英ガラス中に含有させたAlと前記元素(M)とは、以下に述べる共同効果により、石英ガラス中の非架橋酸素や、ネットワーク構成に寄与しないAl原子を低減し、ハロゲン化物ガスおよびそのプラズマに対する耐久性を向上させる働きを担う。
【0025】
Alおよび前記元素(M)は、そのハロゲン化物の沸点あるいは昇華温度がSiX4(Xはハロゲン元素)よりも高温度であることから、ハロゲン化物ガスおよびそのプラズマによるエッチング速度が石英ガラス単体のエッチング速度よりも極めて小さい。その結果としてエッチング時に石英ガラス表面に添加元素の酸化物あるいはハロゲン化物が濃縮され、あたかも保護膜であるかのように作用することにより、添加元素が石英ガラスのハロゲン化物ガスおよびそのプラズマに対する耐久性向上に寄与するのである。
【0026】
しかしながら、前記元素(M)を石英ガラスに単独で添加した場合、これらの元素は石英ガラス中では陽イオンとして存在し、電気的中性を保つためにSiO2ネットワークが切断され、陽イオンと弱く結合した非架橋酸素が生成されることが知られている。非架橋酸素と陽イオンの結合は、SiO2ネットワークを構成しているSi−O結合と比較すると、数分の1程度の結合強度しか持たないため、これらの非架橋酸素の生成は石英ガラスの耐久性を損なう要因の一つで有ると考えられる。
【0027】
いっぽう、石英ガラスにAlを単独で添加した場合、Al原子はイオン半径が小さいため、SiO2ネットワーク内に取込まれ、酸素4配位位置にあるSi原子を置換することにより比較的結合力の強いAl−O結合(4配位Al)を形成可能である。しかしながらAlはSiより価数が一つ少ないため、SiO2ネットワーク全体としては負の電荷を帯びることになる。したがって、ガラス全体で電気的中性を保つためには、Al原子の一部はSiO2ネットワークに入ることが出来ず、比較的酸素との結合が弱いSiO2ネットワーク外に吐き出されると考えられる。
【0028】
また、Al原子のさらに他の一部は、前述周期律表第4A族元素添加時と同様に、非架橋酸素を生成していることも考えられる。
【0029】
ラジカルによる化学的エッチングだけではなく、イオンの入射による物理的エッチングの寄与が大きいようなエッチング条件下においては、上述のような弱い結合の存在がプラズマに対する耐久性を相対的に悪化させている原因であると考えられる。
【0030】
そこで、本発明者らは、前記元素(M)の添加により生じる正の電荷を、SiO2ネットワークを構成するSiを置換したAlにより生じる負の電荷により補償する方法(電荷補償)により、非架橋酸素の生成を抑えられることを明らかにした。すなわち前記元素(M)と、Alを同時に加えた場合、その共同効果によりSiO2ネットワークが修復/安定化されるため、各成分の単独添加時と比較して、プラズマに対する耐久性が著しく向上することを明らかにした。
【0031】
いうまでもなく、Alおよび前記元素(M)は、石英ガラスに含有させる濃度が高ければ高いほど、ハロゲン化物ガスおよびそのプラズマに対する耐久性が向上する傾向がある。しかしながら、Alもしくは前記元素(M)を、それぞれ個別に石英ガラスに添加した場合、非晶質状態を保ちつつ添加できる元素濃度には限界がある。たとえば一般的なガラスの製造方法の一つである電気溶融法では、Alの添加量がSiに対して15原子%程度でX線回折図形に結晶質の存在を示すピークが出現しはじめる。また、前記元素(M)の添加量についても、同様に3〜10原子%を超えるとX線回折図形に結晶質の存在を示すピークが出現しはじめる。このような結晶質の存在は、たとえば、加工時に割れを引き起こすなど、石英ガラスのもつ優位性の一つである優れた加工性を損ない、また、たとえば、エッチング時に脱離してパーティクルの原因となる。いっぽう、前記元素(M)と、Alを同時に添加する本発明の方法によれば、石英ガラス中へのこれらの元素の溶解度は著しく増加する。したがって、本発明の方法は、石英ガラスへの元素の高濃度添加による耐プラズマ性の向上という、実用上非常に有用な効果をも併せ持つことになる。
【0032】
しかしながら、Alと前記元素(M)の添加量を徐々に増やしていき、総添加量(Al+M)がSiに対して15〜20原子%程度になると、ガラス状態(非晶質)は保たれているものの、クラックや目視レベルの気泡が多量に発生してしまう。すなわち、ガラス化組成範囲内であったとしても、組成によっては実用に耐えうるガラスを得るのが難しいことが明らかとなった。この現象は、石英ガラス中のAlと前記元素(M)の含有量を増やしていった際に、そのガラス構造が不連続に変化することに起因していると考えられるが、詳細は不明である。
【0033】
本発明者らの検討によれば、Alと前記元素(M)の含有量の総和(Al+M)を金属元素中30原子%以上、より好ましくは40原子%以上とすることにより、クラックや目視レベルの気泡を含まない高耐久性石英ガラスを得ることが可能となった。
【0034】
さらには、元素(M)が、周期律表第3A族の元素からなる群より選ばれる1種以上の元素からなる高耐久性石英ガラスであって、Si−Al−M三成分系三角図で表したときに、各金属元素の原子比(Si:Al:M)=70:20:10、50:20:30、30:40:30、30:50:20、45:50:5、70:25:5の各点を結ぶ範囲内にその組成を有することにより、クラックや目視レベルの気泡を含まない良好な高耐久性石英ガラスが得られることが明らかとなった。
【0035】
また、本発明の高耐久性石英ガラスは、上述のように実質的に気泡を含まないものが好ましく、より具体的には、厚み10mmの高耐久性石英ガラスに対し、波長400〜700nmの光を照射して直線透過率を測定した場合に、80%以上となることが好ましい。このようにすることで、可視光に対して実質的に透明な高耐久性石英ガラスとなる。
【0036】
前記元素(M)を単独で添加した石英ガラスを作製すると、通常、白濁し不透明なガラスが得られる。これは、ガラス中に生成される微細な気泡および分相による入射光の乱反射が原因と考えられるが、Alと前記元素(M)を同時に添加した場合は、広い組成範囲で透明なガラスを得ることが可能となる。本発明の石英ガラスを半導体製造装置等の覗き窓などに利用する場合には、このような透明なガラスが好適である。また、セラミックス焼結体ほどではないものの、前述のような微細気泡の存在や分相は、不均一なエッチングを引起こし、パーティクルの原因ともなるため、均質なガラスと比較すれば好ましいとは言えない。
【0037】
本発明者らの調査によれば、前述のような微細気泡および分相は、SiO2と前記元素(M)との液相不混和領域の近傍組成で起こることが判った。したがってガラスの組成を液相不混和領域から遠ざける事により、前述微細気泡の発生と分相は抑えられ、ある値(元素の種類、添加量により異なる)以上では透明なガラスとなることが明らかとなった。ちなみに、ガラス組成を液相不混和領域から遠ざけるには、Alと前記元素(M)の原子比(Al/M)を大きくする、またはAlと前記元素(M)の総添加量(Al+M)を大きくするなどの方法が有効である。
【0038】
本発明は、本質的には周期律表第2A族元素及び第3A族元素及び第4A族元素からなる群より選ばれる1種のみ用いても、または、2種以上を組合せ用いても良い。
【0039】
周期律表第2A族元素および3A族元素、4A族元素について比較すると、4A族元素は2A族元素や3A族元素に比べ、フッ化物の沸点が高く安定性が低いため、耐食効果が比較的小さい。また、2A族元素はAl−(2A)−Si−Oの化合物が存在するため、高温で結晶化しやすい。したがって周期律表第3A族元素が好ましく、周期律表第3A族元素とを石英ガラスに共存させることが好ましい。
【0040】
周期律表第2A族元素としてはBe,Mg,Ca,Sr,Ba,Raの各元素が使用可能であるが、イオン半径が比較的大きく移動度が小さいため半導体素子に悪影響を及ぼしにくく、かつ毒性を持たないSrが好ましい。
【0041】
周期律表第3A族元素としてはSc,Y,La,Ce,Pr,Nd,Pm,Sm,Eu,Gd,Tb,Dy,Ho,Er,Tm,Yb,Luの各元素が使用可能であるが、コストの点からはY,La,Ceなどが好ましく、AlとY,La,Ceとを石英ガラスに共存させることが好ましい。さらにY,La,Ceについて比較すると、なかでもLaとCeがコストの点で好ましく、特にLaは可視域に吸収を持たないため好ましい。
【0042】
このため、気泡が入りにくく、かつプラズマ耐久性が高いという本発明の効果をよく発揮できる高耐久性石英ガラスとして、元素としてAl及びLaを有する石英ガラスであって、AlとLaの総添加量(Al+La)が金属元素の原子%で45〜65%、かつAlとLaの原子比(Al/La)が1.5〜3であることが好ましいものとなる。
【0043】
周期律表第4A族元素としてはTi,Zr,Hfが挙げられる。中でも、コストの点からはTiとZrが好ましい。
【0044】
いうまでもなく本発明の高耐久性石英ガラスは、Si,O,Alおよび前記元素(M)以外の金属不純物を含まないことが好ましく、より具体的にはNa、Fe、Cu等の含有量を1ppm以下に抑えることが好ましい。これにより本発明の高耐久性石英ガラスは、半導体製造プロセスにおいて好適に使用されるのである。したがって本発明の高耐久性石英ガラスに使用される原料粉末も高純度であることが好ましい。
【0045】
【発明の実施の形態】
本発明の石英ガラス部材は、Alと、周期律表第2A族元素及び第3A族元素及び第4A族元素からなる群より選ばれる1種以上の元素(M)とを石英ガラス中に同時に含有させることを特徴とし、ハロゲン化物ガスまたは/およびそのプラズマを利用する半導体製造装置や液晶製造装置の内部にて用いられる耐久性に優れた石英ガラス部材である。ここで言う製造装置の内部とは、ハロゲン化物ガスまたは/およびそのプラズマに接触する部材を指している。
【0046】
本発明の石英ガラス部材は半導体製造装置や液晶製造装置の内部に設置された反応容器内にてハロゲン化物ガスを導入し、これに高周波やマイクロ波を印加しプラズマを発生させる装置において使用されるものであり、特に石英ガラス部材の減肉が著しいドライエッチング装置等において好適に用いることができる。
【0047】
本発明の高耐久性石英ガラスは、ハロゲン化物ガス及びそのプラズマによる石英ガラスの腐食速度を1としたとき、腐食速度が0.5以下、より好ましくは0.1以下であることが好ましく、このような物性を有することで、上述のエッチング処理を好ましく進行させることができる。
【0048】
ハロゲン化物ガスとしては弗素系ガスであるF2、HF、CF4、C4F8、CHF3、NF3、SF6、塩素系ガスであるCl2、HCl、BCl3、CCl4、臭素系ガスであるBr2、HBr等が挙げられる。本発明はこれらのハロゲン化物ガスおよびそのプラズマによる石英ガラス部材の腐蝕を低減し、高い耐久性を付与することに主たる目的があるが、この目的を実現しているのは本発明の石英ガラス中に含まれるAlと前記元素(M)との共同効果によるものである。
【0049】
すなわちこれらの添加元素は、そのハロゲン化物の沸点あるいは昇華温度がSiX4(Xはハロゲン元素)よりも高温度であることから、添加元素のハロゲン化物ガスおよびそのプラズマによるエッチング速度が石英ガラス単体のエッチング速度よりも極めて小さい。その結果としてエッチング時に本発明の石英ガラス表面に添加元素の酸化物あるいはハロゲン化物が濃縮され、あたかも保護膜であるかのように作用することにより、添加元素が石英ガラスのハロゲン化物ガスおよびそのプラズマに対する耐久性向上に寄与するのである。また、Alと前記元素(M)との共同効果により、SiO2ネットワークが修復/安定化されるため、さらにプラズマに対する耐久性が向上するのである。そしてこれらの効果は本発明の石英ガラスのどの位置においても発現可能な現象であり、石英ガラスの減肉現象がどれほど進行しようともその効果が低下することがないため、これらの添加元素を石英ガラス表面に薄膜化して用いる場合よりも遙かに寿命が長いという特徴を有している。
【0050】
<添加元素の原子比>
本発明における共同効果は、電荷のバランスからは、前記元素(M)の価数をnとした場合、前記元素(M)が原子比で1に対して、Alがnの場合にもっとも効果を発揮すると予想される。しかしながら、一般的な石英ガラスの製造工程においては、溶融温度・溶融時間・冷却速度などの製造条件や各成分の石英ガラス中での拡散速度などにより、各成分の石英ガラス中の分散性は影響を受け、必ずしもガラス中に均一に分散されるとは限らない。したがって、最も効果が高い原子比はガラスの製造条件や添加元素によりある程度の幅を持つことになる。本発明者らの調査によれば、Alと前記元素(M)との原子比は、0.05〜20であればおおむね良好な共同効果を得ることが可能である。
【0051】
また、SiO2−Al2O3−前記元素(M)の酸化物の3元系組成物の融液発生温度は組成により大きく異なる。融液発生温度が極小になる組成は、前記元素(M)の種類に依存し、一般にその組成から離れるほど、組成物が完全に溶融する温度が高くなり、ガラス化が難しくなって行く。そこで、前記元素(M)がおもに周期律表第2A族の少なくとも1種以上の元素からなる場合は、Alと前記元素(M)との原子比(Al/M)を概ね0.1〜5とすることにより、容易にガラスを製造することが可能となる。また、前記元素(M)がおもに周期律表第3A族の少なくとも1種以上の元素からなる場合は、Alと前記元素(M)との原子比(Al/M)が0.5〜10、より好ましくは1〜6とすることにより、容易にガラスを製造することが可能となる。
【0052】
いうまでもなく、充分な高温とガラス化に必要な冷却速度を与えることにより、上記以外の組成においてもガラスを得ることは可能である。
【0053】
<本発明の高耐久性石英ガラスの製造方法>
更に本発明をその製造方法を例示することによって詳しく説明するが、本発明はこれらの製造法により何ら限定されるものではない。
【0054】
まず、本発明で石英ガラスに添加される原料は、前記元素(M)の酸化物、炭酸塩、硝酸塩など、Alの酸化物、硝酸塩などが使用可能である。また、前記元素(M)とAlの化合物を使用しても良い。前記元素(M)とAlの化合物を使用することにより、前記元素(M)とAlを同時に添加することにより発現する共同効果がより効果的に実現されるため好ましい。ガラス化の方法としては、電気溶融法、プラズマ溶融法、酸水素炎溶融法などが使用可能であるが、本発明の効果を発揮させるためには、本組成系ガラスの高温粘性、製造設備の点を考慮すれば、広い組成範囲において良好な原料の溶融、ガラス化を実現可能な電気溶融により製造することが好ましい。
【0055】
以下、製造方法を例示することによって更に詳しく説明する。
【0056】
前記元素(M)の酸化物粉末または炭酸塩粉末とAlの酸化物を水晶粉末とともに容器に入れ、十分に攪拌・混合する。これを電気溶融法または酸水素炎溶融法、好ましくは電気溶融法にて溶融し本発明の高耐久性石英ガラスを得る。
【0057】
また他の方法では、前記元素(M)の酸化物または炭酸塩とAlの酸化物と水晶粉末をエタノール等の溶媒とともに容器に入れ、十分攪拌しながら溶媒を蒸発させる。これにより水晶粉末表面には上記添加元素の酸化物または炭酸塩が付着する。これを電気溶融法または酸水素炎溶融法、好ましくは電気溶融法にて溶融し本発明の高耐久性石英ガラスを得る。
【0058】
また他の方法では、前記元素(M)の硝酸塩とAlの硝酸塩を水等の溶媒に溶解させ、この溶液に水晶粉末を入れ、十分攪拌しながら溶媒を蒸発させる。これにより水晶粉末表面には上記添加元素の硝酸塩が析出する。これを電気溶融法または酸水素炎溶融法、好ましくは電気溶融法にて溶融し本発明の石英ガラスを得る。
【0059】
このようにして得た石英ガラスは基本的にはガラス質であることが望ましいが、微結晶が析出していても構わない。
【0060】
また、この石英ガラスは気泡や粒界を持たず緻密であることが望ましい。これはハロゲン化物ガスおよびそのプラズマによる減肉現象が粒界や気泡のある場所で特に進行しやすいためであり、また粒界や気泡の存在は機械的特性の悪化にもつながるためである。
【0061】
また、添加元素と石英ガラスの相溶性を改善するための成分として、またプレス成形する際のバインダー成分として、石英ガラス中に前記元素(M)またはAl以外の元素を微量に添加しても構わない。プレス成型用のバインダーとしてアクリル系有機物質等を添加しても構わない。
【0062】
このようにして得た石英ガラスを加工して半導体製造装置または液晶製造装置の部材とする際、その表面形状は特に限定されない。ただし、表面の凹凸はハロゲン化物ガスおよびそのプラズマによる減肉を増長させる傾向があるため、特にハロゲン化物ガスおよびそのプラズマによる減肉が激しい部位については研磨やファイアーポリッシュなどの方法によりその表面粗さを低く抑えた方がより望ましい。
【0063】
【実施例】
以下、本発明を実施例を用いてさらに詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
例1
粒径5μm以下の各種添加元素の酸化物または炭酸塩と粒径100μmの水晶粉末を十分攪拌・混合し、これを電気溶融炉にて溶融し石英ガラスを作製した。こうして得られた石英ガラスに含まれる添加元素の濃度は、蛍光X線分光分析法により求めた。なお、添加元素の濃度は、金属元素中の原子%で示した。さらに、作製した石英ガラスを粉砕しX線回折(XRD)測定を行った。また、作製した石英ガラスを切り出し、両面を研磨し10mm厚とし、分光光度計にて直線透過率を測定した。また、透明性を、目視により判定した。
【0064】
次に、作製した石英ガラスからスライドグラス大の板材を切り出し、これを鏡面研磨し、研磨面にマスクを施した。これを平行平板型プラズマエッチング装置(アネルバ製:DEM−451)の電極上に配置し、CF4/O2/Ar混合ガス中で300W、4時間プラズマエッチングを行った。その後マスクを除去し、マスク部(非エッチング部)とエッチング部の段差を表面粗さ計にて測定することで、各試料のエッチング速度を求めた。これらの結果を、試料No、試料、添加元素の量(原子%)、Alと前記元素(M)との原子比(Al/M)、XRDの結果、透明性、試料No.1の石英ガラスのエッチング速度を1としたときの相対エッチング速度(試料No.1の石英ガラスのエッチング速度は6.09μm/hr)、として、周期律表第2A族元素に関しては表1に、周期律表第3A族元素に関しては表2に、、周期律表第4A族元素に関しては表3に示す。
【0065】
【表1】
表1中、※印で示される、試料No1〜9、35は、比較例を示す。
【0066】
表1から分かるように、フッ素系プラズマなどに対する耐久性が非常に高い材料として知られる試料No35のαアルミナセラミックス(焼結体)よりも、高い耐プラズマ性を有する組成もある。
【0067】
表1中、XRDの項目については、回折図形が非晶質を示すハローパターンのみである場合を○、結晶質の存在を示すピークが出現した場合を×、ピークは出現するが僅かな場合を△とした。ここで、「×」印を付した試料は、低発塵性というガラス本来の優位性から考えれば好ましい組成ではないが、セラミックス製耐プラズマ部材などで問題となっている粒界に比べれば、これらの試料に見られる結晶粒は非常に小さいことから、発塵の問題もそれほど重大ではない。
【0068】
表1中、透過率は、厚み10mmの試料に波長400〜700nmの光を照射したときの直線透過率の最低値を示している。
【0069】
表1中、ガラス性状は、目視観察の結果である。周期律表第2A族元素の単独添加時は、全て不透明のガラスが得られているが、Alと周期律表第2A族元素を同時に添加することにより、広い組成範囲で透明なガラスが得られることが判る。さらに、Alと周期律表第2A族元素の総添加量が30原子%以上では、クラックや気泡の無い良好なガラスが得られることが判る。
【0070】
尚、ガラス性状の判定基準としては、「◎」透明、かつ、内部にφ0.5mm以上の気泡およびクラックを実質的に含まないもの、「○」半透明であるが、内部にφ0.5mm以上の気泡およびクラックを少量含むもの、「△」半透明であるが、内部にφ0.5mm以上の気泡およびクラックを比較的多く含むもの、「×」不透明、とした。
【0071】
また、図1に添加元素の総量(原子%(at%))と、石英ガラスを1とした場合の相対エッチングレートの関係を示す。図1中、X線回折測定において結晶性ピークが観測された組成を、破線・白抜きマーカーで示し区別した。図1から判るとおり、元素の総添加量が増加するとともに、石英ガラスに対する相対エッチングレートは低下するが、その程度はAl,Mgの単独添加に比べて、Al−Mg同時添加では明らかに大きい。また、単独添加では、非晶質状態を保ったままそれほど多くを添加することはできないが、同時添加では、総添加量が16原子%を超えても非晶質状態が保たれている。すなわち、非晶質状態(低パーティクル)かつ、低腐食速度(高プラズマ耐久性)という、これまでの材料であるセラミックスや元素を単独で添加した石英ガラスには無い優れた特徴を有することが判る。なお、また、Mg,Sr及びBaについてその効果は同様であり、周期律表第2A族元素であれば本質的に本発明の効果が得られることが判る。
【0072】
図2は、添加元素の総量(Al+Mg)を一定とし、AlとMgの原子比(Mg/(Mg+Al)を変化させた時の、石英ガラスを1とした場合の相対エッチングレートを示している。AlとMgを同時に添加することにより、AlまたはMgを各々単独で添加した場合より、プラズマ耐久性が向上していることが判る。
【0073】
【表2】
表2中、※印で示される、試料No1〜6、35〜37、43〜45、58〜59は、比較例を示す。
【0074】
表2から分かるように、フッ素系プラズマなどに対する耐久性が非常に高い材料として知られる試料No35のαアルミナセラミックス(焼結体)よりも、高い耐プラズマ性を有する組成もある。
表2中、XRDの項目については、回折図形が非晶質を示すハローパターンのみである場合を○、結晶質の存在を示すピークが出現した場合を×、ピークは出現するが僅かな場合を△とした。
【0075】
表2中、透過率は、厚み10mmの試料に波長400〜700nmの光を照射したときの直線透過率の最低値を示している。
【0076】
表2中、ガラス性状は、目視観察の結果である。周期律表第3A族元素の単独添加時は、全て不透明のガラスが得られているが、Alと周期律表第3A族元素を同時に添加することにより、広い組成範囲で透明なガラスが得られることが判る。さらに、Alと周期律表第3A族元素の総添加量が40原子%以上では、クラックや気泡の無いガラスが得られることが判る。
【0077】
また、表2中、試料No.56のAl−La添加石英ガラスについて、ガラス中に含まれるNa,K,Ti,Cr,Fe,Cuの各金属元素を分析したところ、全て1ppm以下であった。
【0078】
また、図3に添加元素の総量(原子%(at%))と、石英ガラスを1とした場合の相対エッチングレートの関係を示す。図3中、X線回折測定において結晶性ピークが観測された組成を、破線・白抜きマーカーで示し区別した。図3から判るとおり、Y,La及びCeと、Alとを同時に添加することにより、Y,La及びCeやAlを各々単独で添加した場合に比べて、明らかにプラズマに対する耐久性が向上している。また、Y,La及びCeについてその効果は同様であり、周期律表第3A族元素であれば本質的に本発明の効果が得られることが判る。
【0079】
図4は、添加元素の総量(Al+La)を6原子%一定とし、AlとLaの原子比(Al/(Al+La)を変化させた時の、石英ガラスを1とした場合の相対エッチングレートを示している。AlとLaを同時に添加することにより、AlまたはLaを各々単独で添加した場合より、プラズマ耐久性が向上していることが判る。
【0080】
【表3】
表3中、※印で示される、試料No1〜6、65〜66は、比較例を示す。
【0081】
また、表3中、XRDの項目については、回折図形が非晶質を示すハローパターンのみである場合を○、結晶質の存在を示すピークが出現した場合を×、ピークは出現するが僅かな場合を△とした。
【0082】
また、図5に添加元素の総量(原子%(at%))と、石英ガラスを1とした場合の相対エッチングレートを示す。図5中、X線回折測定において結晶性ピークが観測された組成を、白抜きマーカーで示し区別した。図5から分かるように、TiとAlとを石英ガラス中に同時に添加することにより、Alを単独で添加したときよりも高いプラズマ耐久性を示した。また、ZrとAlとを石英ガラス中に同時に添加することにより、非晶質状態を保ったまま、ZrまたはAlを単独で添加したときよりも高いプラズマ耐久性を示した。
【0083】
図6は、Alを含有する種々の酸化物のAl−Kα蛍光X線ピーク波長の、金属AlのAl−Kα蛍光X線ピーク波長からのシフト量(Δ2θ)を示している。このときX線源にはRhを用いた。図6中CaAl2O4(β−トリディマイト型構造)および合成ゼオライト(A−4型)は4配位Alの代表的酸化物、α−Al2O3は6配位Alの代表的酸化物として知られている。図6から判るとおり、蛍光X線のピークシフト量(Δ2θ)は、4配位Alでは測定誤差もあるがおおむね0.04〜0.06[deg.]の範囲にあり、6配位Alではおおむね0.08〜0.10[deg.]の範囲にある。
【0084】
比較例である、試料No.3のAlを11原子%添加した石英ガラスのピークシフト量は、0.07[deg.]程度でありネットワークを構成する4配位のAl原子だけではなく、ネットワーク構成に寄与しないAl原子(6配位)も混在していることが示唆される。いっぽう、AlとMgを同時に添加した場合は、ピークシフト量は0.04〜0.06[deg.]であり、ほとんどのAl原子が4配位で存在していることが示唆される。
例2
純度99.99%の水晶粉末、純度99.99%のアルミナ粉末、および純度99.99%の酸化ランタン粉末を、重量比でSiO2:Al2O3:La2O3=35:25:40となるように秤量し、十分攪拌・混合したのち、これを電気溶融炉にて溶融しガラスとした。得られたガラスを酸で溶解したのち、ICP−Mass分析法により微量不純物の含有量を分析した。その結果、Si、Al、La以外の、Na,Fe,Cu,Ni,Crなどの金属不純物は、1ppm以下であった。
【0085】
つぎに、得られたガラスをシャドウリングに加工し、エッチング装置に取り付け、数時間のダミーランの後、シリコンウェーハを投入し、30秒間エッチングを行った際のウェーハ上への不純物転写量を調べた。その結果、Na=1010atoms/cm2、Fe=109atoms/cm2、Cu<109atoms/cm2であり、半導体製造に好適に使用できることが判った。
【0086】
これに対し、SiO2原料に8号珪砂を使用する以外は、前述の例と同様の手順にてガラスを作製した。得られたガラスを酸で溶解したのち、ICP分析法により不純物の含有量を分析したところ、Na=1000ppm、Fe=2000ppm、Cu=100ppmであった。
【0087】
つぎに、得られたガラスをシャドウリングに加工し、エッチング装置に取り付け、数時間のダミーランの後、シリコンウェーハを投入し、30秒間エッチングを行った際のウェーハ上への不純物転写量を調べた。その結果、Na=1013atoms/cm2、Fe=1013atoms/cm2、Cu=1012atoms/cm2であり、半導体素子に悪影響を及ぼすため半導体製造には使用できないことが判った。
【0088】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、ハロゲン化物ガスおよびそのプラズマを用いる半導体製造装置または液晶製造装置の部材として好適に使用することのできる耐久性の高い石英ガラス部材を、高純度でかつ石英ガラスの持つ良好な加工性、低発塵性を失うことなく製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】添加元素の総量と、石英ガラスを1とした場合の相対エッチング速度を示す図である。図1中、X軸(横軸)は元素総添加量(Al+M)(単位は、原子%(at%))を、Y軸(縦軸)は試料No.1の石英ガラスのエッチング速度を1としたときの相対エッチング速度を示す。また、図1中、Al添加は黒菱形(◆)、Mg添加は黒四角(■)、AlとMgとの比率が原子比で1:1の場合は黒三角(▲)、AlとMgとの比率が原子比で2:1の場合は黒丸(●)、AlとSrとの比率が原子比で2:1の場合はアスタリスク(*)、AlとSrとの比率が原子比で0.6:1の場合はクロス(×)、AlとBaとの比率が原子比で2:1の場合は十字(+)で示す。さらに、各試料のうち、X線回折測定において結晶性ピークが観測された組成を、破線・白抜きマーカーで示し区別した。
【図2】添加元素の総量を一定とし、AlとMgの比を変えた場合の相対エッチング速度を示す図である。図2中、X軸(横軸)はMg/(Mg+Al)重量分率(単位は、重量%)を、Y軸(縦軸)は試料No.1の石英ガラス(N材)のエッチング速度を1としたときの相対エッチング速度を示す。また、図2中、添加量が1重量%は黒丸(●)、5重量%は黒三角(▲)、8重量%は黒四角(■)、11.6重量%は白丸(○)、16重量%は白三角(△)、22重量%は白四角(□)で示す。
【図3】添加元素の総量と、石英ガラスを1とした場合の相対エッチング速度を示す図である。図3中、X軸(横軸)は元素総添加量(Al+M)(単位は、原子%(at%))を、Y軸(縦軸)は試料No.1の石英ガラスのエッチング速度を1としたときの相対エッチング速度を示す。また、図3中、Al添加は黒菱形(◆)、Y添加は十字(+)、La添加はクロス(×)、Ce添加はアスタリスク(*)、AlとYとの比率が原子比で3:1の場合は黒四角(■)、AlとLaとの比率が原子比で3:1の場合は黒三角(▲)、AlとCeとの比率が原子比で3:1の場合は黒丸(●)、AlとLaとCeの比率が原子比で6:1:1の場合は横棒(−)で示す。さらに、各試料のうち、X線回折測定において結晶性ピークが観測された組成を、破線・白抜きマーカーで示し区別した。
【図4】添加元素の総量(Al+La)を6原子%一定とし、AlとLaの原子比(Al/(Al+La)を変化させた時の、相対エッチング速度を示す図である。図4中、X軸(横軸)は元素総添加量(Al+X)(単位は、原子%(at%))を、Y軸(縦軸)は試料No.1の石英ガラスのエッチング速度を1としたときの相対エッチング速度を示す。
【図5】添加元素の総量と、石英ガラスを1とした場合の相対エッチング速度を示す図である。図5中、X軸(横軸)は元素総添加量(Al+X)(単位は、原子%(at%))を、Y軸(縦軸)は試料No.1の石英ガラスのエッチング速度を1としたときの相対エッチング速度を示す。また、図5中、Al添加は黒菱形(◆)、Zr添加は黒四角(■)、AlとTiとの比率が原子比で1:1の場合はバツ印(×)、AlとZrとの比率が原子比で4:1の場合は黒三角(▲)、AlとZrとの比率が原子比で6:1の場合は黒丸(●)で示す。さらに、各試料のうち、X線回折測定において結晶性ピークが観測された組成を、白抜きマーカーで示し区別した。
【図6】Alを含有する各種酸化物からのAl−Kα線のピーク位置の化学シフト(Δ2θ)を示す図である。図6中、Y軸(縦軸)は金属AlからのAl−Kα線のピーク位置を0[deg.]としたときの値である。また、図6中、各点の上下の幅を示す図は測定値の標準偏差(測定数n=3)である。さらに、各点は、左から順に、CaAl2O4(β−トリディマイト型構造)、合成ゼオライト(A−4型)、試料No.12、試料No.16、試料No.19、試料No.3、α−Al2O3の焼結体(試料No.35)、α−Al2O3の粉末、を示す。
【符号の説明】
1:CaAl2O4(β−トリディマイト型構造)
2:合成ゼオライト(A−4型)
3:試料No.12
4:試料No.16
5:試料No.19
6:試料No.3
7:α−Al2O3の焼結体(試料No.35)
8:α−Al2O3の粉末
Claims (12)
- ハロゲン化物ガス及び/又はそのプラズマを使用する装置に用いられ、Siと、Alと、周期律表第3A族元素からなる群より選ばれる1種以上の元素(M)と酸素からなる高耐久性ガラス部材であって、Si−Al−M三成分系三角図で表したときに、各金属元素の原子比(Si:Al:M)=70:20:10、50:20:30、30:40:30、30:50:20、45:50:5,70:25:5の各点を結ぶ範囲内にその組成を有することを特徴とする高耐久性ガラス部材。
- Y,La及びCeからなる群より選ばれる1種以上の元素と、Alとを含有することを特徴とする請求項1に記載の高耐久性ガラス部材。
- LaとAlとを含有することを特徴とする請求項1に記載の高耐久性ガラス部材。
- 構造が実質的に非晶質であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の高耐久性ガラス部材。
- 厚み10mmの高耐久性ガラスに対し、波長400〜700nmの光を照射して直線透過率を測定した場合に、80%以上となることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の高耐久性ガラス部材。
- Alが主に4配位で存在することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の高耐久性ガラス部材。
- ハロゲン化物ガス及び/またはそのプラズマによる石英ガラスの腐食速度を1としたとき、腐食速度が0.5以下であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の高耐久性ガラス部材。
- 元素としてAl及びLaを有する石英ガラスであって、AlとLaの総添加量(Al+La)が金属元素の原子%で45〜65%、かつAlとLaの原子比(Al/La)が1.5〜3であることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の高耐久性ガラス部材。
- Na、Fe、Cuの含有量がいずれも1ppm以下であることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の高耐久性ガラス部材。
- 元素(M)、Al及びSiを含む原料粉末を容器に入れ、混合後、電気溶融法により溶融することを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の高耐久性ガラス部材の製造方法。
- 請求項1〜9のいずれかに記載の高耐久性ガラス部材を備えた半導体製造装置。
- 請求項1〜9のいずれかに記載の高耐久性ガラス部材を備えた液晶製造装置。
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