JP4438864B2 - 基板及びこれを備えた電子装置 - Google Patents

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Description

本発明は、基板及びこれを備えた電子装置及び基板に関し、コンデンサが実装された基板及びこれを備えた電子装置に関する。
パーソナルコンピュータや家庭用ゲーム機等の電子機器においては、MPU(Micro Processing Unit)が搭載されている。このMPUの周囲には、デカップリングコンデンサが設けられている。デカップリングコンデンサの主な役割は、電源からMPUまでの電源ラインに寄生するノイズを除去すること、及び、電源電圧が変動した際にMPUに電荷を供給することである。
近年、MPUのクロックの高周波化に伴い、電源ラインには、高周波ノイズが発生し易くなっている。このため、デカップリングコンデンサとして、インピーダンス周波数特性に優れた低ESLタイプの積層セラミックコンデンサが用いられることが多い。このような低ESLタイプの積層セラミックコンデンサについて、図面を参照しながら説明する。図5は、低ESLタイプの貫通コンデンサを示した図である。図5(a)は、貫通コンデンサ100の外観斜視図である。図5(b)は、貫通コンデンサ100の積層体102の分解斜視図である。
貫通コンデンサ100は、図5(a)に示すように、積層体102及び外部電極104a,104b、106a,106bを備え、3端子コンデンサとも呼ばれている。積層体102は、直方体状を有し、セラミック層が積層されて構成されている。外部電極104a,104bは、互いに対向する積層体102の側面に形成されている。また、外部電極106a,106bは、外部電極104a,104bが形成されている側面とは異なる側面において互いに対向するように形成されている。
積層体102は、図5(b)に示すように、セラミック層108,110,112,114及びコンデンサ電極116,122及び貫通電極120を含む。セラミック層108,110,112,114は、長方形状の絶縁体層である。コンデンサ電極116,122はそれぞれ、セラミック層110,114上に形成され、引き出し電極118a,118b,124a,124bを含む。引き出し電極118a,124aはそれぞれ、コンデンサ電極116,122と外部電極106aとを電気的に接続する役割を果たす。引き出し電極118b,124bはそれぞれ、コンデンサ電極116,122と外部電極106bとを電気的に接続する役割を果たす。また、貫通電極120は、積層体102を貫通するように形成される。貫通電極120の両端はそれぞれ、外部電極104a,104bに電気的に接続される。以上のようなセラミック層108,110,112,114がこの順に積層されることにより、積層体102が構成されている。
前記貫通コンデンサ100では、コンデンサ電極116,122と貫通電極120とがセラミック層110,112を介して対向している。これにより、コンデンサ電極116,122と貫通電極120との間に容量が形成されている。該貫通コンデンサ100では、貫通電極120がホット側線路を兼ねているので、ホット側線路から容量までの距離が実質的に存在しない。そのため、貫通コンデンサ100では、例えば、ホット側線路から容量までの間に引き出し線が存在するコンデンサに比べて、インダクタンスが小さくなる。
ところで、貫通コンデンサ100は、従来、図6に示すような基板に実装されていた。図6は、貫通コンデンサ100が実装される従来の基板200を示した図である。図6(a)は、基板200の上視図である。図6(b)は、基板200及び貫通コンデンサ100の断面構造図である。図6では、貫通コンデンサ100は、点線で示してある。
図6に示すように、基板200は、基板本体202、ホット側線路204a,204b、ランド206a,206b、ビア導体208a,208b及びグランドプレーン210を備えている。貫通コンデンサ100が実装されると、外部電極104a,104bはそれぞれ、ホット側線路204a,204bと電気的に接続される。また、外部電極106a,106bはそれぞれ、ランド206a,206bと電気的に接続される。ランド206a,206bはそれぞれ、ビア導体208a,208bを介して、基板本体202に内蔵されたグランドプレーン210に電気的に接続されている。グランドプレーン210は、接地されている。
また、図7に示すように、ホット側線路204a,204bを基板本体202に内蔵した基板300もあった。該基板300では、外部電極104a,104bはそれぞれ、ランド205a,205bに電気的に接続されている。更に、ランド205a,205bはそれぞれ、ビア導体209−1a,209−2a,209−3a,209−1b,209−2b,209−3bを介して、ホット側線路204a,204bに電気的に接続されている。
図6及び図7に示す基板200,300では、高周波ノイズを含んだ直流電流が、ホット側線路204aから外部電極104aに入力する。そして、直流電流は、図6及び図7の実線の矢印に示すように、貫通電極120を通過して、外部電極104bを介して、ホット側線路204bへと出力する。一方、高周波ノイズは、図6及び図7の点線の矢印に示すように、貫通電極120とコンデンサ電極116,122との間に形成された容量により、外部電極106a,106bを介して、グランドプレーン210へと出力する。これにより、直流電流から高周波ノイズが除去される。
ところで、近年、MPUのクロックの更なる高周波化や、MPUの小型化を目的として、半導体構造の微細化が進んでいる。半導体の微細化が進むと、スレッシュホールド電圧の低下により、MPUの動作電圧が低下する。その一方で、90nmルール以下の設計ルールでは、半導体内部で生じるリーク電流が増大し、MPUの消費電力が増大する傾向にある。したがって、微細化が進んだ半導体からなるMPUには、電源から大電流を供給する必要がある。その結果、MPUの周囲に設けられた貫通コンデンサ100の貫通電極120に流れる電流の大きさが大きくなってきている。
しかしながら、貫通電極120に大電流が流れた場合には、該貫通電極120の残留抵抗(ESR)によって貫通コンデンサ100が発熱してしまう。このような発熱を抑制するために、例えば、特許文献1に記載の電子装置及び特許文献2に記載のコンデンサの実装構造が提案されている。以下に、図面を参照しながら該電子装置及びコンデンサの実装構造について説明する。図8及び図9は、特許文献1に記載の電子装置の上視図である。図10は、特許文献2に記載のコンデンサの実装構造が適用された電子装置の断面構造図である。
図8、図9及び図10に示す電子装置によれば、貫通電極120により構成される電流経路の他に、更なる電流経路を並列させて設けることにより、貫通電極120に大電流が流れることを防止している。具体的には、図8及び図9に示す電子装置では、ホット側線路204a,204b(図8及び図9では図示せず)に電気的に接続されているランド205a,205bは、配線導体207により電気的に接続されている。また、図10に示す電子装置では、外部電極104a,104bはそれぞれ、基板本体202上に設けられたランド205a,205bに電気的に接続されている。このランド205a,205bはそれぞれ、ビア導体209−1a,209−2a,209−3a,209−1b,209−2b,209−3b(ビア導体209−1a,209−1b以外については図示せず)を介して、基板本体202内に設けられたホット側線路204a,204bに電気的に接続されている。ホット側線路204aとホット側線路204bとは、配線導体207により電気的に接続されている。以上のような構成を有する電子装置によれば、ホット側線路204aから入力した電流は、貫通電極120により構成された電流経路と、配線導体207により構成された電流経路とに分かれて流れるようになる(例えば、図10参照)。その結果、貫通電極120に大電流が流れることが防止される。
しかしながら、前記電子装置は、以下に示す問題を有する。まず、図8に示す電子装置では、直線状の配線導体207が形成されている。このような直線状の配線導体207のインダクタンスは、比較的小さい。そのため、配線導体207により構成される電流経路のインピーダンスも比較的小さなものとなる。その結果、高周波ノイズの一部は、配線導体207により構成される電流経路に入力してしまう。その結果、図8に示す電子装置は、直流電流から高周波ノイズを十分に除去できないという問題を有する。
また、図9に示す電子装置では、貫通コンデンサ100を迂回するように曲がった配線導体207が形成されている。このように曲がった配線導体207は、図8に示す直線状の配線導体207よりも大きなインピーダンスを有する。したがって、図9に示す電子装置は、図8に示す電子装置より高周波ノイズを直流電流から除去することができる。しかしながら、図9に示す電子装置では、貫通コンデンサ100を迂回するように曲がった配線導体207が形成されている。そのため、図9に示す電子装置は、配線導体207を形成するためのスペースが必要となり、電子装置が大型化してしまうという問題を有する。
また、図10に示す電子装置では、貫通電極120により構成される電流経路にビア導体209−1a,209−2a,209−3a,209−1b,209−2b,209−3bが含まれている。該ビア導体209−1a,209−2a,209−3a,209−1b,209−2b,209−3bは、比較的インダクタンスが大きい。したがって、貫通電極120により構成される電流経路のインピーダンスは、比較的大きなものとなる。そのため、ホット側線路204aから入力した高周波ノイズの一部は、配線導体207により構成される電流経路に入力してしまう。その結果、図10に示す電子装置は、直流電流から高周波ノイズを十分に除去できないという問題を有する。
特開平6−349678号公報 特開2003−282347号公報
そこで、本発明の目的は、コンデンサが実装される基板及びこれを備えた電子装置において、高いノイズ吸収性能を得ると共に、小型化を図ることである。
第1の発明は、第1の主面及び第2の主面を有する基板の該第1の主面上にコンデンサが実装された電子装置において、前記コンデンサは、本体と、前記本体を貫通している貫通電極と、前記貫通電極と容量を形成しているコンデンサ電極と、前記貫通電極の両端に電気的に接続された第1の外部電極及び第2の外部電極と、前記コンデンサ電極に電気的に接続された第3の外部電極と、を含み、前記基板は、前記第2の主面又は内部に形成された配線導体と、前記基板の内部に形成されると共に、前記配線導体に電気的に接続されたビア導体と、を含み、前記貫通電極、前記第1の外部電極及び前記第2の外部電極は、第1の電流経路を構成し、前記配線導体及び前記ビア導体は、前記第1の電流経路に対して電気的に並列接続された第2の電流経路を構成していること、を特徴とする。
第1の発明によれば、貫通電極により構成される第1の電流経路と配線導体により構成される第2の電流経路とが電気的に並列接続されている。そのため、直流電流は、第1の電流経路と第2の電流経路とに分かれて流れる。これにより、コンデンサの貫通電極に大電流が流れることが抑制される。その結果、貫通コンデンサの発熱が抑制される。
更に、第1の発明では、配線導体は、基板の内部又は第2の主面に形成されているので、コンデンサと配線導体とを平面視した状態で重ねて配置することが可能となる。すなわち、第1の発明では、基板の第1の主面上において、コンデンサを迂回するように配線導体を曲げて形成する必要がない。その結果、電子装置の小型化を図ることが可能となる。
更に、第1の発明では、以下に説明するように、高いノイズ吸収性能を得ることができる。より詳細には、第1の発明では、配線導体により構成される第2の電流経路が比較的高いインダクタンスを有するビア導体を含んでいる。故に、第2の電流経路のインピーダンスは、比較的高くなる。これにより、高周波ノイズは、貫通電極により構成される第1の電流経路に流れこみ、貫通電極とコンデンサ電極との間に形成された容量によりグランドへと流れていく。したがって、第1の発明は、効率よく高周波ノイズを直流電流から除去できる。
第1の発明において、前記ビア導体は、前記配線導体に電気的に接続された第1のビア導体及び第2のビア導体からなり、前記基板は、前記第1のビア導体に電気的に接続されると共に、前記第1の外部電極に電気的に接続された第1の接続導体と、前記第2のビア導体に電気的に接続されると共に、前記第2の外部電極に電気的に接続された第2の接続導体と、を更に含んでいてもよい。
第1の発明において、前記第1の接続導体は、前記基板の第1の主面に形成され、第1のホット側線路であり、前記第2の接続導体は、前記基板の第1の主面に形成され、第2のホット側線路であってもよい。
第1の発明において、前記基板は、前記基板の内部又は第2の主面に形成され、前記第1の接続導体に電気的に接続された第1のホット側線路と、前記基板の内部又は第2の主面に形成され、前記第2の接続導体に電気的に接続された第2のホット側線路と、を更に備えていてもよい。
第1の発明において、前記配線導体は、前記基板の法線方向から見たときに、前記コンデンサと重なっていてもよい。
第2の発明は、第1の主面及び第2の主面を有すると共に、本体を貫通する貫通電極及び該貫通電極と容量を形成しているコンデンサ電極とを含んだコンデンサが該第1の主面上に実装される基板において、前記基板の第2の主面又は内部に形成された配線導体と、前記基板の内部に形成されると共に、前記配線導体に電気的に接続されたビア導体と、を備え、前記配線導体及び前記ビア導体は、前記貫通電極により構成される第1の電流経路に対して電気的に並列接続される第2の電流経路を構成していること、を特徴とする。
本発明によれば、第1の電流経路と第2の電流経路とが設けられているので、貫通コンデンサの発熱が抑制される。また、本発明によれば、配線導体が、基板の内部又は第2の主面に形成されているので、電子装置の小型化を図ることが可能となる。また、本発明によれば、配線導体により構成される第2の電流経路にビア導体が含まれているので、効率よく高周波ノイズを直流電流から除去できる。
以下に、本発明の一実施形態に係る基板及びこれを備えた電子装置について図面を参照しながら説明する。
(電子装置の構成)
図1は、本発明の一実施形態に係る電子装置10を示した図である。図1(a)は、電子装置10の上視図である。図1(b)は、電子装置10の断面構造図である。図2は、電子装置10の基板12の分解斜視図である。図1及び図2では、貫通コンデンサ100は点線で示してある。また、図1(a)の上視図において、貫通コンデンサ100の長辺方向をx軸方向とし、貫通コンデンサ100の短辺方向をy軸方向とし、x軸方向とy軸方向と直交する方向をz軸方向と規定する。
電子装置10は、基板12及び貫通コンデンサ100を備える。貫通コンデンサ100は、図5を用いて既に説明を行ったので、説明を省略する。基板12は、図1及び図2に示すように、基板本体13、ホット側線路14a,14b、ランド16a,16b、ビア導体18a,18b、グランドプレーン20、ビア導体22−1a,22−2a、22−3a,22−1b,22−2b,22−3b及び配線導体24を備える。基板12の第1の主面には、貫通コンデンサ100が実装されている。以下、図1(b)において、基板12の上側の面を第1の主面とし、基板12の下側の面を第2の主面とする。
基板本体13は、例えば、樹脂層が複数層積層されることにより形成された回路基板である。ホット側線路14a,14bは、基板本体13の第1の主面上に設けられ、x軸方向に延びる配線である。図1及び図2に図示しないホット側線路14aの一端には、例えば、電源が電気的に接続される。一方、ホット側線路14aの他端は、図1(b)及び図2に示すように、貫通コンデンサ100の外部電極104aに電気的に接続されている。また、図1及び図2に図示しないホット側線路14bの一端には、例えば、MPUが電気的に接続される。一方、ホット側線路14bの他端は、図1(b)及び図2に示すように、貫通コンデンサ100の外部電極104bに電気的に接続されている。これにより、外部電極104a、貫通電極120及び外部電極104bは、ホット側線路14aとホット側線路14bとの間において、第1の電流経路を形成している。
配線導体24は、基板本体13内において、x軸方向に延びる配線であり、図2に示すように、基板12の法線方向から見たときに、貫通コンデンサ100と重なっている。配線導体24は、貫通電極120よりも直流抵抗が小さくなるように設計されている。配線導体24の両端はそれぞれ、z軸方向から平面視した場合に、ホット側線路14a,14bに重なっている。そして、ホット側線路14aの他端(外部電極104aが接続された端部)と配線導体24の一端とは、z軸方向に延びるビア導体としてのビア導体22−1a,22−2a,22−3aにより電気的に接続されている。一方、ホット側線路14bの他端(外部電極104bが接続された端部)と配線導体24の他端とは、z軸方向に延びるビア導体としてのビア導体22−1b,22−2b,22−3bにより電気的に接続されている。これにより、ビア導体22−1a,22−2a,22−3a、配線導体24及びビア導体22−1b,22−2b,22−3bは、ホット側線路14aとホット側線路14bとの間において、第1の電流経路に電気的に並列接続された第2の電流経路を形成している。第2の電流経路は、第1の電流経路よりも小さなインピーダンスを有していることが好ましい。
ランド16a,16bは、基板本体13の第1の主面上に設けられ、y軸方向に延びる配線である。ランド16a,16bの一端はそれぞれ、図1及び図2に示すように、貫通コンデンサ100の外部電極106a,106bに電気的に接続されている。
グランドパターン20は、図1(b)及び図2に示すように、基板本体13内であって、基板本体13の第1の主面と配線導体24との間の層に形成された平面状の導体である。グランドパターン20は、接地されている。ランド16a,16bの他端(外部電極106a,106bが接続された端部と反対側の端部)とグランドパターン20とはそれぞれ、z軸方向に延びるビア導体としてのビア導体18a,18bにより電気的に接続されている。これにより、コンデンサ電極116,122とグランドパターン20とは、外部電極106a,106b及びビア導体18a,18bを介して電気的に接続される。
更に、グランドパターン20には、図2に示すように、ビア導体22−1a,22−2a、22−3a,22−1b,22−2b,22−3bの太さよりも大きな孔が形成されており、ビア導体22−1a,22−2a、22−3a,22−1b,22−2b,22−3bは、これらの孔を通過している。これにより、ビア導体22−1a,22−2a、22−3a,22−1b,22−2b,22−3bとグランドパターン20とが短絡することを防止している。
(効果)
以上のように構成された基板12及びこれを備えた電子装置10によれば、貫通電極120により構成される第1の電流経路と配線導体24により構成される第2の電流経路とが電気的に並列接続されている。そのため、直流電流は、図1(b)の実線の矢印に示すように、ホット側線路14aから第1の電流経路と第2の電流経路とに分かれて流れる。これにより、貫通コンデンサ100の貫通電極120に大電流が流れることが抑制される。特に、本実施形態では、第1の電流経路を構成する配線導体24の直流抵抗が、第2の電流経路を構成する貫通電極120の直流抵抗より小さくなっているので、直流電流の大半は、配線導体24により構成される第1の電流経路に流れるようになる。その結果、貫通コンデンサ100の発熱が効果的に抑制される。
更に、基板12及び電子装置10では、配線導体24は、基板本体13内部に形成されているので、図1及び図2に示すように、貫通コンデンサ100と配線導体24とをz軸方向から見て重ねて配置することが可能となる。すなわち、電子装置10では、図9のように、貫通コンデンサ100を迂回するように配線導体207を曲げて形成する必要がない。その結果、基板12及び電子装置10の小型化を図ることが可能となる。
更に、基板12及び電子装置10では、以下に説明するように、高いノイズ吸収性能を得ることができる。より詳細には、図10に示す電子装置では、ホット側線路204aとホット側線路204bとは、配線導体207により直接に接続されている。一方、貫通コンデンサ100の貫通電極120とホット側線路204a,204bとは、ビア導体209−1a,209−2a,209−3a,209−1b,209−2b,209−3bにより電気的に接続されている。ビア導体は、一般的に、比較的高いインダクタンスを有する。そのため、貫通電極120により構成される電流経路は、比較的高いインピーダンスを有する。したがって、高周波ノイズの一部は、配線導体207を流れてしまう。その結果、図10に示す電子装置では、十分に直流電流から高周波ノイズを除去することができなかった。
これに対して、電子装置10では、ホット側線路14a,14bと配線導体24とがビア導体22−1a,22−2a、22−3a,22−1b,22−2b,22−3bにより電気的に接続されている。故に、配線導体24及びビア導体22−1a,22−2a、22−3a,22−1b,22−2b,22−3bにより構成される第2の電流経路のインピーダンスは、比較的高くなる。これにより、高周波ノイズは、貫通電極120により構成される第1の電流経路に流れこみ、貫通電極120とコンデンサ電極116,122との間に形成された容量によりグランドへと流れていく。したがって、電子装置10は、図10に示す電子装置に比べて、効率よく高周波ノイズを直流電流から除去できる。
(変形例)
以上のように構成された基板12及びこれを備えた電子装置10は、前記実施形態に限られず、適宜変形することが可能である。図3は、電子装置10の変形例に係る電子装置10'を示した図である。図3(a)は、電子装置10'の上視図である。図3(b)は、電子装置10'の断面構造図である。図3では、貫通コンデンサ100は点線で示してある。また、図3(a)の上視図において、貫通コンデンサ100の長辺方向をx軸方向とし、貫通コンデンサ100の短辺方向をy軸方向とし、x軸方向とy軸方向と直交する方向をz軸方向と規定する。図3において、図1と同じ構成については、同じ参照符号が付してある。
電子装置10と電子装置10'との間の相違点は、電子装置10では、ホット側線路14a,14bが基板本体13の第1の主面上に設けられているのに対して、電子装置10'では、ホット側線路14a,14bが基板本体13内に設けられている点である。以下、この相違点を中心に説明を行う。
図3に示すように、基板本体13の第1の主面には、ランド30a,30bが設けられている。このランド30a,30bは、図1のホット側線路14a,14bと同じ位置に設けられている。ただし、ランド30a,30bは、図1のホット側線路14a,14bに比べてx軸方向に短く形成されている。
図3に示すように、ホット側線路14a,14bは、基板本体13内において、x軸方向に延びるように設けられている。ホット側線路14a,14bの一端はそれぞれ、ランド30a,30bの一端とz軸方向から平面視した状態で重なるように設けられている。そして、ホット側線路14a,14bとランド30a,30bとはそれぞれ、ビア導体32−1a,32−2a,32−3a,32−1b,32−2b,32−3bにより電気的に接続されている。その他の電子装置10'の構成については、電子装置10と同じ構成であるので、説明を省略する。
以上のような構成を有する電子装置10'においても、電子装置10と同様に、貫通コンデンサ100の発熱を抑制できると共に、電子装置10の小型化を図ることができ、更に、効率よく高周波ノイズを直流電流から除去できる。
なお、電子装置10及び電子装置10'では、配線導体24は、基板本体13内に設けられているが、配線導体24は、例えば、基板本体13の第2の主面に設けられてもよい。更に、電子装置10'において、ホット側線路14a,14bが、基板本体13の第2の主面に設けられてもよい。
(解析結果及び実験結果)
本願発明者は、本願発明の効果をより明確にするために、以下に示す解析及び実験を行った。具体的には、図7に示す電子装置のモデル(以下、第1のモデルと称す)と、図10に示す電子装置のモデル(以下、第2のモデルと称す)と、図3に示す電子装置10'のモデル(以下、第3のモデルと称す)とを準備した。第1のモデル及び第2のモデルは、本願発明である第3のモデルに対する比較例に相当する。これら3種類のモデルの挿入損失特性を、アジレント・テクノロジー株式会社製ネットワークアナライザを用いて計算した。以下に、解析条件を示す。
基板は、10mm×10mmの3層基板とした。基板厚みは、1.2mmとした。基板の2層目には、グランドプレーンを設けた。また、貫通コンデンサは、4.5mm×3.2mm×2.0mmのサイズのセラミックコンデンサとした。貫通コンデンサのセラミック層の厚みは、1μmとした。2枚組みの内部電極を6組積層した。また、各電極は、ニッケルで形成されているものとした。
以上のような解析条件で、第1のモデル〜第3のモデルの挿入損失特性を計算したところ、図4に示す結果が得られた。図4は、第1のモデル〜第3のモデルの挿入損失特性と周波数との関係を示したグラフである。縦軸は、挿入損失を示し、横軸は、周波数を示す。
図4に示すように、本願発明である第3のモデルの挿入損失特性は、第1のモデルの挿入損失特性と第2のモデルの挿入損失特性との間に位置している。図10に示す第2のモデルと図3に示す第3のモデルとの相違点は、配線導体を含んだ電流経路にビア導体が含まれているか否かである。すなわち、解析結果によれば、図3に示す第3のモデルのように、配線導体を含んだ電流経路にビア導体が含まれることにより、電子装置の挿入損失特性が向上することが理解できる。
ただし、第1のモデルは、第3のモデルよりも挿入損失特性が優れている。これは、図7に示すように、第1のモデルでは、電流経路が2つに分かれておらず、高周波ノイズが全て貫通コンデンサの貫通電極に入力するためである。
更に、本願発明者は、第1のモデル〜第3のモデルのホット側電極間の直流抵抗をHIOKI製マルチメータにより計測する実験を行った。実験結果を、以下の表1に示す。
Figure 0004438864
表1によれば、本願発明に係る第3のモデルの直流抵抗は、第1のモデルの直流抵抗よりも小さくなることが理解できる。すなわち、本願発明に係る第3のモデルでは、貫通コンデンサの発熱を抑制できることが理解できる。
以上のように、第1のモデルは、挿入損失特性を向上させることはできるが、貫通コンデンサの発熱を抑制することが困難である。また、第2のモデルは、貫通コンデンサの発熱を抑制することはできるが、挿入損失特性を向上させることが困難である。
一方、第3のモデルは、図4及び表1に示すとおり、挿入損失特性を向上させつつ、貫通コンデンサの発熱を抑制することが可能となる。
図1(a)は、本発明の一実施形態に係る電子装置の上視図である。図1(b)は、該電子装置の断面構造図である。 前記電子装置の基板の分解斜視図である。 図3(a)は、変形例に係る電子装置の上視図である。図3(b)は、該電子装置の断面構造図である。 第1のモデル〜第3のモデルの挿入損失特性と周波数との関係を示したグラフである。 。図5(a)は、貫通コンデンサの外観斜視図である。図5(b)は、貫通コンデンサの積層体の分解斜視図である。 図6(a)は、従来の基板の上視図である。図6(b)は、従来の基板及び貫通コンデンサの断面構造図である。 図7(a)は、従来の基板の上視図である。図7(b)は、従来の基板及び貫通コンデンサの断面構造図である。 特許文献1に記載の電子装置の上視図である。 特許文献1に記載の電子装置の上視図である。 特許文献2に記載のコンデンサの実装構造が適用された電子装置の断面構造図である。
符号の説明
10,10' 電子装置
12 基板
13 基板本体
14a,14b ホット側線路
16a,16b,30a,30b ランド
18a,18b,22−1a,22−2a,22−3a,22−1b,22−2b,22−3b,32−1a,32−2a,32−3a,32−1b,32−2b,32−3b ビア導体
20 グランドプレーン
24 配線導体
100 貫通コンデンサ
102 積層体
104a,104b,106a,106b 外部電極
108,110,112,114 セラミック層
116,122 コンデンサ電極
120 貫通電極

Claims (6)

  1. 第1の主面及び第2の主面を有する基板の該第1の主面上にコンデンサが実装された電子装置において、
    前記コンデンサは、
    本体と、
    前記本体を貫通している貫通電極と、
    前記貫通電極と容量を形成しているコンデンサ電極と、
    前記貫通電極の両端に電気的に接続された第1の外部電極及び第2の外部電極と、
    前記コンデンサ電極に電気的に接続された第3の外部電極と、
    を含み、
    前記基板は、
    前記第2の主面又は内部に形成された配線導体と、
    前記基板の内部に形成されると共に、前記配線導体に電気的に接続されたビア導体と、
    を含み、
    前記貫通電極、前記第1の外部電極及び前記第2の外部電極は、第1の電流経路を構成し、
    前記配線導体及び前記ビア導体は、前記第1の電流経路に対して電気的に並列接続された第2の電流経路を構成していること、
    を特徴とする電子装置。
  2. 前記ビア導体は、前記配線導体に電気的に接続された第1のビア導体及び第2のビア導体からなり、
    前記基板は、
    前記第1のビア導体に電気的に接続されると共に、前記第1の外部電極に電気的に接続された第1の接続導体と、
    前記第2のビア導体に電気的に接続されると共に、前記第2の外部電極に電気的に接続された第2の接続導体と、
    を更に含むこと、
    を特徴とする請求項1に記載の電子装置。
  3. 前記第1の接続導体は、前記基板の第1の主面に形成され、第1のホット側線路であり、
    前記第2の接続導体は、前記基板の第1の主面に形成され、第2のホット側線路であること、
    を特徴とする請求項2に記載の電子装置。
  4. 前記基板は、
    前記基板の内部又は第2の主面に形成され、前記第1の接続導体に電気的に接続された第1のホット側線路と、
    前記基板の内部又は第2の主面に形成され、前記第2の接続導体に電気的に接続された第2のホット側線路と、
    を更に備えること、
    を特徴とする請求項2に記載の電子装置。
  5. 前記配線導体は、前記基板の法線方向から見たときに、前記コンデンサと重なっていること、
    を特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の電子装置。
  6. 第1の主面及び第2の主面を有すると共に、本体を貫通する貫通電極及び該貫通電極と容量を形成しているコンデンサ電極とを含んだコンデンサが該第1の主面上に実装される基板において、
    前記基板の第2の主面又は内部に形成された配線導体と、
    前記基板の内部に形成されると共に、前記配線導体に電気的に接続されたビア導体と、
    を備え、
    前記配線導体及び前記ビア導体は、前記貫通電極により構成される第1の電流経路に対して電気的に並列接続される第2の電流経路を構成していること、
    を特徴とする基板。
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