JP4438694B2 - ワイヤーハーネスの保持構造 - Google Patents
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Description
詳しくは、上記電装品側のワイヤーハーネスは、ヘッドレスト下端部のヘッドレストステー(脚部)内に形成された挿通孔に挿通されており、コネクタが外部に露呈する構成とされている。また、車両側からくるワイヤーハーネスは、シートバック上端部のヘッドレストサポート内に形成されたヘッドレストステー用の差込孔に挿通されており、コネクタが外部に露呈する構成とされている。したがって、外部に露呈した両ワイヤーハーネスのコネクタ同士を接続することにより、電装品の配線を行うことができる。
また、上記各ワイヤーハーネスは、ヘッドレストステーの挿通孔やヘッドレストサポートの差込孔において、外部に露呈した状態として保持されるようになっている。これにより、車両側のワイヤーハーネスがヘッドレストサポートの差込孔からシートバック内にずり落ちてしまうことを防止している。よって、車両側のワイヤーハーネスがシートバック内にずり落ちないようヘッドレストサポートに保持されているので、車両側のワイヤーハーネスとヘッドレスト側のワイヤーハーネスとを容易に接続することができる。
先ず、第1の発明は、車両用シートのヘッドレストに装着された電装品への配線を行うためにシートバック内部に配索された車両側のワイヤーハーネスを、シートバック上端部に設けられた管状のヘッドレストサポート内の差込孔に挿通させて接続端子としてのコネクタを外部に露呈させた状態として保持するワイヤーハーネスの保持構造であって、管状のヘッドレストサポートは、ヘッドレストの脚部たるヘッドレストステーを差込孔内に差し込んだ状態で係合ロックさせる係合爪を有し、係合爪は進退可能であるが常時は差込孔内に附勢突出される構成とされており、ワイヤーハーネスには、その半径方向外方に突出しヘッドレストサポートの差込孔より小径内に突起部が形成されており、突起部は差込孔内に附勢突出された係合爪と当接しワイヤーハーネスのシートバック内方への移動を阻止するものである。
ここで、係合爪は、ヘッドレストの設置高さ位置を調節するための調節手段として周知のものである。すなわち、常時はばね部材等の附勢手段によってヘッドレストサポートの差込孔内に突出した状態とされている。そして、この係合爪と連動して設けられた操作部の操作を行うことにより、上記附勢に抗して係合爪を差込孔の外側に退避させることができる。
この第1の発明によれば、ヘッドレストサポートの差込孔内に挿通されたワイヤーハーネスは、突起部が差込孔内に附勢突出された係合爪と当接することにより、差込孔からシートバック内方側へずり落ちることなく保持される。また、係合爪を上記附勢に抗して差込孔の外側に退避させることにより、ワイヤーハーネスの保持状態が解除される。
この第2の発明によれば、ワイヤーハーネスに形成された突起部は、ワイヤーハーネスを軸回り方向のどの位置に向けた状態であっても、係合爪と係合する。すなわち、ワイヤーハーネスが保持され易くなる。
この第3の発明によれば、ワイヤーハーネスに形成された突起部が周縁方向の一部のみであっても、係合爪と係合させることができる。
先ず、第1の発明によれば、ヘッドレストに装着された電装品への配線を行うためにシートバック内に配索される車両側のワイヤーハーネスを、ヘッドレストサポートに特別な構成を設けることなく、コネクタを外部に露呈させた状態として保持することができる。
更に、第2の発明によれば、ワイヤーハーネスが軸回り方向のどの位置に向けられた状態であっても、ワイヤーハーネスを簡単に保持することができる。
更に、第3の発明によれば、突起部が周縁方向の一部のみに形成されているため、ワイヤーハーネスへの突起部の形成が容易となる。
上記車両用シート10は、シートバック12と、このシートバック12の上端部に取付けられたヘッドレスト11と、を有する。このヘッドレスト11は、下端部に一体的に設けられた一対のヘッドレストステー20が、シートバック12の上端部に一対で設けられた管状のヘッドレストサポート30内にそれぞれ差し込まれることによって取付けられている。詳しくは、図2に良く示されるように、ヘッドレストサポート30には、その上端部に、ヘッドレストステー20を差込孔31内に差し込んだ状態で移動不能に係合ロックさせる係合爪32bを有したスライドロック32が設けられている。また、図5に良く示されるように、ヘッドレストステー20には、上記スライドロック32の係合爪32bと係合する係合凹部21が外周面の高さ方向の複数の位置に形成されている。
前者の係合爪32bは、板面の中央部に、差込孔31よりもひと回り大きな形状の貫通孔32b1が形成されている。そして、係合爪32bは、ヘッドレストステー20の差し込み方向とは垂直な方向にスライド移動可能とされている。詳しくは、係合爪32bは、図3の実線で示された位置と仮想線で示された位置との間でスライド移動可能とされている。すなわち、同図の実線で示された状態では、係合爪32bの貫通孔32b1が差込孔31から位置ズレした状態、換言すると、係合爪32bの板面部分が差込孔31内に突出した状態とされている。また、同図の仮想線で示された状態では、貫通孔32b1によって差込孔31が完全に覆われた状態、換言すると、係合爪32bの板面部分が差込孔31の外側に退避した状態とされている。そして、係合爪32bは、ばね部材等の附勢手段(図示省略)によって、常時は差込孔31の内部に附勢突出された状態(同図の実線で示された状態)とされている。これにより、図2を参照して分かるように、附勢突出された係合爪32bの板面部分を、差し込まれたヘッドレストステー20の係合凹部21(図5参照)に係合ロックさせることができる
後者の操作部32aは、図3に良く示されるように、係合爪32bと一体的に設けられており、常時は係合爪32bと共に紙面内右側に附勢移動されている(同図の実線で示された位置状態)。したがって、操作部32aを上記附勢に抗して紙面内左方向に押圧操作をすることにより、係合爪32bを同方向に押動することができる。これにより、係合爪32bの板面部分を差込孔31の外側へ退避させることができる。すなわち、係合爪32bによる係合ロック状態を解除することができる。以下、この押動操作を解除操作と称する。なお、図3の実線で示されたスライドロック32の位置状態は、図2及び図4に対応して表されており、図3の仮想線で表されたスライドロック32の位置状態は、図5に対応して表されている。
なお、車両側のワイヤーハーネス50は、例えば図2で示された状態位置から、コネクタ51を上方外部に充分に引き出すことのできる程度に、長さに余裕を持たせてシートバック12の内部に配索されている。また、車両側のワイヤーハーネス50は、差込孔31内に挿通された状態では、係合爪32bの板面部分が差込孔31内に附勢突出された状態であっても、この係合爪32bによっては挿通方向への移動が阻害されない程度に嵌め合いが緩やかとなるように径寸法が設定されている。ここで、挿通方向とは、ワイヤーハーネス40,50を軸長方向に抜き差し移動させる方向のことであり、例えば図2で示される紙面内上下方向のことである。
すなわち、図2に良く示されるように、電装品側のワイヤーハーネス40は、ヘッドレストステー20の挿通孔22内に挿通されており、コネクタ41が下方外部に露呈した状態とされている。また、車両側のワイヤーハーネス50は、ヘッドレストサポート30の差込孔31内に挿通されており、コネクタ51が上方外部に露呈した状態として保持されている。このとき、スライドロック32の係合爪32bは、板面部分が差込孔31内に附勢突出された状態とされている。
そこで、先ず、外部に露呈した両コネクタ41,51を接続する。これにより、車両側のワイヤーハーネス50は、図4に良く示されるように、電装品側のワイヤーハーネス40と接続された状態で、突起部52が係合爪32bの板面部分と当接する状態位置にて保持される。なお、両コネクタ41,51の接続作業は、車両側のワイヤーハーネス50を上方外部に引き出した状態で行っても良い。
次に、スライドロック32の操作部32aを解除操作する。これにより、図5に良く示されるように、係合爪32bの板面部分が差込孔31の外側に退避する。したがって、この状態では、車両側のワイヤーハーネス50がシートバック12内方(紙面内下方)に移動可能な状態となるため、ヘッドレストステー20を差込孔31内に差し込む操作に伴ってシートバック12内方に落ち込ませることができる。
なお、車両側のワイヤーハーネス50は、シートバック12内方に落ち込んだ後には、スライドロック32の解除操作を止めて係合爪32bの板面部分を差込孔31内に附勢突出させても、この係合爪32bによっては挿通方向への移動が阻害されることはない。すなわち、ヘッドレストステー20を差込孔31内に差し込んだ状態では、ヘッドレスト11の設置高さ位置の調整移動を行う範囲内では、常に車両側のワイヤーハーネス50はスライドロック32の下方側に位置しているからである。
更に、両ワイヤーハーネス40,50のコネクタ41,51をシートバック12やヘッドレスト11の外部に露呈させた状態として保持することができるため、両ワイヤーハーネス40,50の接続を外部位置で視認して行うことができ、接続作業防止に好適である。また、車両側のワイヤーハーネス50を、図2に示される保持状態位置から上方外部に引き出してコネクタ41,51の接続作業を行うこともできるため、作業性の自由度を高めることができる。
例えば、図6に良く示されるように、車両側のワイヤーハーネス50の突起部53を、同ワイヤーハーネス50の周縁方向の複数の方角に突出させた形状としてもよい。この場合には、いずれかの突起部53をスライドロック32の係合爪32bと当接させることにより、ワイヤーハーネス50を保持させることができる。なお、図6に示された突起部53は、ワイヤーハーネス50の周縁方向に、90度の角度を成して形成されている。ここで、突起部は、できるだけ広い方角に突出形成されていることが好ましい。すなわち、突起部を係合爪と当接させる位置に位置合わせし易くなるからである。
また、突起部52がワイヤーハーネス50の上端部近傍の周縁に形成されたものを示したが、この位置は特に限定されない。例えば、突起部の形成される位置を下げることにより、ワイヤーハーネスをシートバック内から引き出した状態で保持することができる。
11 ヘッドレスト
12 シートバック
20 ヘッドレストステー
21 係合凹部
22 挿通孔
30 ヘッドレストサポート
31 差込孔
32 スライドロック
32a 操作部
32b 係合爪
32b1 貫通孔
40 ワイヤーハーネス
41 コネクタ
50 ワイヤーハーネス
51 コネクタ
52 突起部
53 突起部
Claims (3)
- 車両用シートのヘッドレストに装着された電装品への配線を行うためにシートバック内部に配索された車両側のワイヤーハーネスを、前記シートバック上端部に設けられた管状のヘッドレストサポート内の差込孔に挿通させて接続端子としてのコネクタを外部に露呈させた状態として保持するワイヤーハーネスの保持構造であって、
前記管状のヘッドレストサポートは、前記ヘッドレストの脚部たるヘッドレストステーを前記差込孔内に差し込んだ状態で係合ロックさせる係合爪を有し、該係合爪は進退可能であるが常時は該差込孔内に附勢突出される構成とされており、
前記ワイヤーハーネスには、その半径方向外方に突出し前記ヘッドレストサポートの差込孔より小径内に突起部が形成されており、該突起部は前記差込孔内に附勢突出された係合爪と当接し前記ワイヤーハーネスのシートバック内方への移動を阻止することを特徴とするワイヤーハーネスの保持構造。 - 請求項1に記載のワイヤーハーネスの保持構造であって、
前記突起部は、前記ワイヤーハーネスの周縁に円形の鍔形状として形成されていることを特徴とするワイヤーハーネスの保持構造。 - 請求項1に記載のワイヤーハーネスの保持構造であって、
前記突起部は、前記ワイヤーハーネスの周縁方向の複数の方角に突出して形成されていることを特徴とするワイヤーハーネスの保持構造。
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