JP4438525B2 - 燃料電池用セルモジュール及びその製造方法、並びに燃料電池 - Google Patents

燃料電池用セルモジュール及びその製造方法、並びに燃料電池 Download PDF

Info

Publication number
JP4438525B2
JP4438525B2 JP2004174746A JP2004174746A JP4438525B2 JP 4438525 B2 JP4438525 B2 JP 4438525B2 JP 2004174746 A JP2004174746 A JP 2004174746A JP 2004174746 A JP2004174746 A JP 2004174746A JP 4438525 B2 JP4438525 B2 JP 4438525B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
cell module
fuel cell
nano
electrolyte membrane
conductive material
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2004174746A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2005353496A (ja
Inventor
治通 中西
成亮 村田
信平 阿部
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyota Motor Corp filed Critical Toyota Motor Corp
Priority to JP2004174746A priority Critical patent/JP4438525B2/ja
Publication of JP2005353496A publication Critical patent/JP2005353496A/ja
Priority to US11/639,133 priority patent/US20100227255A1/en
Application granted granted Critical
Publication of JP4438525B2 publication Critical patent/JP4438525B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01MPROCESSES OR MEANS, e.g. BATTERIES, FOR THE DIRECT CONVERSION OF CHEMICAL ENERGY INTO ELECTRICAL ENERGY
    • H01M8/00Fuel cells; Manufacture thereof
    • H01M8/10Fuel cells with solid electrolytes
    • H01M8/1004Fuel cells with solid electrolytes characterised by membrane-electrode assemblies [MEA]
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B82NANOTECHNOLOGY
    • B82YSPECIFIC USES OR APPLICATIONS OF NANOSTRUCTURES; MEASUREMENT OR ANALYSIS OF NANOSTRUCTURES; MANUFACTURE OR TREATMENT OF NANOSTRUCTURES
    • B82Y30/00Nanotechnology for materials or surface science, e.g. nanocomposites
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01MPROCESSES OR MEANS, e.g. BATTERIES, FOR THE DIRECT CONVERSION OF CHEMICAL ENERGY INTO ELECTRICAL ENERGY
    • H01M4/00Electrodes
    • H01M4/86Inert electrodes with catalytic activity, e.g. for fuel cells
    • H01M4/90Selection of catalytic material
    • H01M4/9075Catalytic material supported on carriers, e.g. powder carriers
    • H01M4/9083Catalytic material supported on carriers, e.g. powder carriers on carbon or graphite
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01MPROCESSES OR MEANS, e.g. BATTERIES, FOR THE DIRECT CONVERSION OF CHEMICAL ENERGY INTO ELECTRICAL ENERGY
    • H01M8/00Fuel cells; Manufacture thereof
    • H01M8/10Fuel cells with solid electrolytes
    • H01M2008/1095Fuel cells with polymeric electrolytes
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/30Hydrogen technology
    • Y02E60/50Fuel cells
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P70/00Climate change mitigation technologies in the production process for final industrial or consumer products
    • Y02P70/50Manufacturing or production processes characterised by the final manufactured product

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Electrochemistry (AREA)
  • Nanotechnology (AREA)
  • Materials Engineering (AREA)
  • General Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Sustainable Energy (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Composite Materials (AREA)
  • Condensed Matter Physics & Semiconductors (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Sustainable Development (AREA)
  • Crystallography & Structural Chemistry (AREA)
  • Manufacturing & Machinery (AREA)
  • Fuel Cell (AREA)
  • Inert Electrodes (AREA)

Description

本発明は、燃料電池の発電セルとして好適なセルモジュール、特に中空形状の電解質膜を有するセルモジュール及びその製造方法、並びに該セルモジュールを単セルとして用いた燃料電池に関する。
燃料電池は、燃料と酸化剤を電気的に接続された2つの電極に供給し、電気化学的に燃料の酸化を起こさせることで、化学エネルギーを直接電気エネルギーに変換する。火力発電とは異なり、カルノーサイクルの制約を受けないので、高いエネルギー変換効率を示す。固体高分子電解質型燃料電池は、電解質として固体高分子電解質膜を用いる燃料電池であり、小型化が容易であること、低い温度で作動すること、などの利点があることから、特に携帯用、移動体用電源として注目されている。
固体高分子電解質型燃料電池では、水素を燃料とした場合、アノードでは(1)式の反応が進行する。
→ 2H + 2e …(1)
(1)式で生じる電子は、外部回路を経由し、外部の負荷で仕事をした後、カソードに到達する。そして、(1)式で生じたプロトンは、水と水和した状態で、固体高分子電解質膜内をアノード側からカソード側に、電気浸透により移動する。
また、酸素を酸化剤とした場合、カソードでは(2)式の反応が進行する。
2H + (1/2)O + 2e → HO …(2)
カソードで生成した水は、主としてガス拡散層を通り、外部へと排出される。
このように、燃料電池では、水以外の排出物がなく、クリーンな発電装置である。
従来、固体高分子電解質型燃料電池としては主に、平面状の固体高分子電解質膜の一面にアノード及び他面にカソードとなる触媒層を設け、得られた平面状の膜・電極接合体の両側にさらにそれぞれガス拡散層を設け、最後に平面状のセパレータで挟みこむことによって作製される平型の単セルを、複数積層することで得られる燃料電池スタックを有するものが開発されてきた。
固体高分子電解質型燃料電池の出力密度向上のために、固体高分子電解質膜としては非常に膜厚の薄いプロトン伝導性高分子膜が用いられている。この膜厚はすでに100μm以下のものが主流であり、さらなる出力密度向上のためにさらに薄い電解質膜を用いたとしても、単セルの厚みを現在のものより劇的に薄くすることはできない。同様に、触媒層、ガス拡散層及びセパレータ等についてもそれぞれ薄膜化が進んでいるが、それらすべての部材の薄膜化によっても、単位体積当たりの出力密度の向上には限界がある。従って、小型化の要求に対しても、今後充分に応えられなくなることが予想される。
また、前記セパレータには、通常、腐食性に優れたシート状のカーボン材料を用いる。このカーボン材料自体も高価であるが、さらに、平面状の膜・電極接合体の面全体にほぼ均一に燃料ガス及び酸化剤ガスを行き渡らせるために、前記セパレータの面上には、通常、ガス流路となる溝を微細加工するので、その加工によって、セパレータは非常に高価になってしまい、燃料電池の製造原価を押し上げていた。
以上の問題の他にも、平型の単セルには、前記ガス流路から燃料ガス及び酸化剤ガスが漏れ出さないように幾層にもスタックされた単セルの周縁を確実にシールすることが技術的に難しいこと、平面状の膜・電極接合体のたわみや変形に起因して発電効率が低下してしまうことがあることなど、多くの問題がある。
近年、中空状電解質膜の内面側と外面側にそれぞれ電極を設けたセルモジュールを基本的な発電単位とする固体高分子電解質型燃料電池が開発されている。(例えば、特許文献1〜4参照)。
通常このような中空形状のセルモジュールを有する燃料電池では、平型で使用されるセパレータに相当する部材は使用する必要がない。そして、その内面と外面とにそれぞれ異なった種類のガスを供給して発電するので、特別にガス流路を形成する必要もない。従って、その製造においては、コストの低減が見込まれる。さらに、セルモジュールが3次元形状であるので、平型の単セルに比べて体積に対する比表面積が大きくとれ、体積当たりの発電出力密度の向上が見込める。
燃料電池の出力密度を向上させるための一手段として、三相界面の制御が考えられる。電極反応は、電極触媒とプロトン伝導性物質が接し、かつ反応ガスが供給される部分、即ち三相界面で起こると考えられるが、従来から三相界面の設計は困難であって、例えば、電極触媒がプロトン伝導性物質中に埋もれ反応ガスの供給が妨げられたり、逆に電極触媒がプロトン伝導性物質から離れた位置に担持され、プロトン伝導性物質からのプロトン供給又はプロトン伝導性物質へのプロトン供与が妨げられたりしていた。これらのことから、高価な貴金属触媒が有効に利用されないという課題があった。
また、アノード側の三相界面での電極反応で発生した電子は、集電部材を通り、カソード側の三相界面に到達し、そこでの電極反応に使われるので、セルモジュールと集電部材との間の導通が良好であることが不可欠である。
セルから導通を取る方法としては、平型の単セルからなるスタックでは、単セル同士を積み重ね、比較的強い圧力を印加して押し合わせる方法が一般的である。そして、その印加される圧力により、前記膜・電極接合体とガス拡散層及びセパレータ間が密着し、効果的に導通されている。
一方、中空形状のセルモジュールは、平型の単セルで集電部材の役割を果し、セルとセルを電気的に接続するセパレータを省いて構成されるため、別途、集電部材を必要とする。
上記特許文献1では、集電部材としてTi線を用い、それをPt担持電極に取り付けることが開示されている。特許文献2に開示されている円柱状の電気化学素子では、その端部同士を導電性接続パターンで電気的に接続していることが開示されている。また、特許文献3に開示されているチューブ状の燃料電池では、触媒層に接続された外部端子が集電部材である。特許文献4では、触媒層にリード線を用いて集電電極を接続することが開示されている。そして、特許文献5では、線状の負極端子、正極端子をそれぞれ取り付けることが開示されている。
特開平9−223507号公報 特開2002−158015号公報 特開2002−260685号公報 特開2002−289220号公報 特開2002−124273号公報
上述したように、中空形状のセルモジュールにおいても、前記三相界面を制御し、その電極触媒を有効に利用できるように設計することは困難である。
また、中空形状のセルモジュールは、平型と違い、電極と集電部材の接触性を高めるための面圧を付与しにくい形状及び構造を有するため、導通が不十分となりやすい。
特に特許文献1〜5に記載されているように集電部材として線材を用いる場合には、電極と集電部材の間の接触面積が小さいため、面圧不足により、導通が不十分となる傾向がさらに大きい。
このような事情に鑑み、本発明の第1の目的は、中空形状の電解質膜であってその内面及び外面に電極である触媒層を設けたものを基本構成要素とする燃料電池用セルモジュール及び当該セルモジュールを有する燃料電池において、担持された触媒金属の電極反応への有効利用を可能とすることを目的としている。
また、本発明の第2の目的は、前記セルモジュールと前記集電部材とが互いに配置される時の圧力の印加量が少ない又はほとんどない場合でも、それらの間の電気的接続が充分になされるような構造を有するセルモジュール及びその製造方法、並びにそのセルモジュールを有する燃料電池を提供することを目的とする。
以上の問題を解決するために、本発明に係る燃料電池用セルモジュールは、中空形状の電解質膜と、当該電解質膜の中空内面及び外面に設けられた一対の電極、及び当該電極に対向する集電部材を有し、前記中空内面又は外面のうち少なくとも一方の電極は、直線状のナノ柱状体を有し、当該ナノ柱状体は、前記中空形状の電解質膜の膜面に略垂直に配向し、その一端で接合して設けられ、且つ、前記電極の前記集電部材と接触する領域において、前記ナノ柱状体の少なくとも一部が配向し、その他端が前記集電部材に接触しており、且つ、当該ナノ柱状体の表面上且つ当該ナノ柱状体間の隙間には電極触媒金属が分散されて担持されており、且つ、当該ナノ柱状体の表面にプロトン伝導性物質が設けられていることを特徴とする燃料電池用セルモジュールである。
このように燃料電池用セルモジュールにおいて、固体電解質膜に配向させたナノ柱状体上に電極触媒金属を担持させるので、電極触媒金属を高密度担持させることが可能である。また、燃料電池での電極反応は、電極触媒とプロトン伝導性物質とが接しさらに反応ガスが供給される部分、即ち三相界面にて起こるが、このセルモジュールでは、電極触媒金属を担持したナノ柱状体を、固体電解質膜に配向して電極を構成するようにしたので、発電に際し供給される反応ガスは、三相界面付近まで容易に到達し、均一に拡散される。従って、担持された電極触媒金属を電極反応に有効に利用することができる。さらに、ナノ柱状体が前記固体電解質膜の膜面に略垂直に配向され、その一端が接合され、且つ、その他端が集電部材と効果的に接触していることにより、ガス供給が良好に行われるようになり、担持された電極触媒金属を電極反応に有効に利用することができ、且つ、集電部材とセルモジュールとの密着性を高めるための面圧を外部から付加しにくい中空形状の固体電解質膜を有するセルモジュールであっても、集電部材との電気的接続は良好である。また、前記ナノ柱状体の表面にプロトン伝導性物質を有することにより、三相界面が多く形成され、担持された電極触媒金属を電極反応に有効に利用することができる。
特に、前記ナノ柱状体の長さが200μm以上であるようにすることで、よりガス供給が良好に行われるようになり、担持された電極触媒金属を電極反応に有効に利用することができ、且つ、セルモジュールと集電部材との電気的接続をより良好にすることができる。
前記電解質膜が、上記範囲内の平均孔径の孔を有する場合には、ナノ柱状体がその微細
な孔にはまり込んで固定されるので、ナノ柱状体が配向状態を保ったまま接合されやすく
なる。
前記電極触媒金属が白金又は白金と他の金属とからなる合金であることが、電極反応活
性が高いという観点から好ましい。
前記プロトン伝導性物質の上に撥水化材をさらに有する場合には、電極反応で生成する
生成水が三相界面から効率的に排除され、三相界面が形成される部位を多く保つことがで
きる。
前記電極触媒金属の粒子径が前記ナノ柱状体の外径以下である場合には、単位体積当た
りの反応に有効な触媒表面を多くすることとなるので好ましい。
前記プロトン伝導性物質の厚みを1〜70μmとすることにより、三相界面を多く形成
することができ、担持された電極触媒金属を電極反応に有効に利用することができる。
本発明に係る燃料電池用セルモジュールを備えた燃料電池は、高い発電出力を示す。
本発明に係る燃料電池用セルモジュールは、ナノチューブ生成触媒担持体に生成されたナノ柱状体に電極触媒金属を担持する電極触媒担持工程と、前記電極触媒担持工程の後に、ナノチューブ生成触媒担持体に担持されたナノ柱状体にさらにプロトン伝導性物質を付与する付与工程と、前記付与工程の後に、電極触媒金属が担持され、且つ、プロトン伝導性物質が付与された前記ナノ柱状体を、中空形状の電解質膜の中空内面又は外面の少なくとも一方に転写し、前記ナノ柱状体の一端を前記電解質膜の膜面に略垂直に接合して配向する転写工程と、前記転写工程の後に、前記電解質膜のナノ柱状体が配向された膜面に集電部材を対向させ、前記電解質膜と一端で接合するナノ柱状体の他端と前記集電部材の当接部を、導電性接着剤を用いて接着する接着工程を有する方法で製造することができる。このように接着工程を有することで、集電部材との電気的接続がより良好なセルモジュールを製造できる。
本発明に係る燃料電池用セルモジュールの製造方法においては、前記ナノ柱状体は、ナノチューブ生成触媒担持体の表面における原料ガスの流速を2mm/sec以上として生成させたナノチューブであることが好ましい。
さらに、前記電極触媒金属は、湿式法又は乾式法のいずれかによりナノ柱状体に担持させることができる。
そして、本発明に係る燃料電池用セルモジュールの製造方法においては、前記付与工程に、前記プロトン伝導性物質の上にさらに撥水化材を付与し、前記転写工程において撥水化材が付与されたナノ柱状体を転写できるようにすることで、前記撥水化材を付与することができる。
前記付与工程は、含浸法により付与を行うことが、操作が簡単であるので好ましい。
さらに、前記付与工程は、ナノ柱状体にプロトン伝導性物質前駆体を付与し、付与後に
前記プロトン伝導性物質前駆体を重合させてプロトン伝導性物質が付与されるようにする
ことが好ましい。
本発明に係る燃料電池用セルモジュールでは、前記電極上に高密度担持された電極触媒金属とその付近の三相界面へ、反応ガスが効率よく到達する。従って、担持された電極触媒金属が電極反応に有効に働き、高い発電効率を示す。
また、本発明のセルモジュールでは、触媒を担持したナノ柱状体が前記固体電解質膜に一端が接合されて配向されている。そして、その他端が集電部材と効果的に接触するので、電極と集電部材及び固体電解質膜の間の電荷の受け渡しがスムーズになる。従って、集電部材とセルモジュールとの間に外部からの面圧を付加しにくい中空形状の固体電解質膜を有するセルモジュールであっても、集電部材との電気的接続を良好にできる。従って、本発明の中空形状の固体電解質膜を有するセルモジュールは高い発電効率を示し、そのセルモジュールを集合させて形成した燃料電池は、発電効率に優れた燃料電池となる。
以下、図面を参照して、本発明の燃料電池用セルモジュール及び燃料電池の実施形態について詳細に説明すると共に、該説明を通じて本発明のセルモジュールの製造方法の実施形態についても詳述する。なお、下記の実施形態において、発電運転に用いる燃料として水素ガス及び空気(酸素)を用いた固体高分子電解質型燃料電池を中心に説明する。但し、本発明においては下記の実施形態に制限されるものではない。
(第1実施形態)
本発明のセルモジュール及び燃料電池の第1実施形態を図1〜図4を参照して説明する。本実施形態は、その内面及び外面に、白金(Pt;電極触媒金属)を担持するカーボンナノチューブ(以下、CNTともいう)が配向された状態で接合された、チューブ状のフッ素系イオン交換樹脂(高分子電解質)膜の中空内面側及び外面側に、集電部材であるスプリングワイヤをそれぞれ配置して構成したものである。カーボンナノチューブはナノ柱状体の一種である。
図1は本実施形態のチューブ状のセルモジュールとそれに取り付けたスプリングワイヤ(集電部材)の概略斜視図である。図2は、本実施形態のチューブ状のセルモジュールとそれに取り付けたスプリングワイヤの、チューブの長さ方向に沿った切断面を示す概略断面図である。この図1及び図2のように、セルモジュール10は、チューブ状のフッ素系イオン交換樹脂11(固体電解質膜)と、その内面側に設けられたアノード(燃料極)12と、外側面に設けられたカソード(酸化剤極)13(これらアノード及びカソードを総じて「CNT電極」ということがある。)とから構成されている。そして、そのセルモジュール10の内側には、スプリングワイヤからなるアノード側集電部材21が配置され、外側には同じくスプリングワイヤからなるカソード側集電部材22が配置されている。
本発明に係るセルモジュール10の主な構成部材である固体電解質膜(本実施形態ではフッ素系イオン交換樹脂膜11)は、その形状が中空形状であるという特徴があり、特に本実施形態ではチューブ状である。中空形状であることで、様々な利点が得られる。特に大きな利点はセパレータが不要であること、及び、発電に有効な電極面積が大きくとれることである。
チューブ状電解質膜11の外径は特に制限されるものではないが、外径は0.01〜10mmであることが好ましく、0.1〜1mmであることがさらに好ましく、0.1〜0.5mmであることが特に好ましい。チューブ状電解質膜11の外径が0.01mm未満のものは、現時点では技術的な問題で製造することが難しく、一方、その外径が10mmを越えるものでは、占有体積に対する表面積が小さくなることとなって、得られるセルモジュールの単位体積当たりの発電出力が小さくなってしまうので好ましくない。
フッ素系イオン交換樹脂膜11は、プロトン伝導性の向上の点からは薄い方が好ましいが、あまりに薄すぎるとガスを隔離する機能が低下し、非プロトン水素の透過量が増大してしまう。しかしながら、従来の平型の燃料電池用単セルを積層した燃料電池と比べると、本発明に係る中空形状のセルモジュールを多数集めることにより作製された燃料電池では発電に有効な電極面積が大きくとれるので、やや厚みのある膜を用いた場合でも充分な出力を示す。かかる観点から、フッ素系イオン交換樹脂膜11の厚みは、10〜100μmであり、より好ましくは50〜60μmであり、さらに好ましくは50〜55μmである。
また、上記の外径と膜厚の好ましい範囲から、内径の好ましい範囲は0.01〜10mmであり、より好ましくは0.1〜1mmであり、さらに好ましくは0.1〜0.5mmである。
前記フッ素系イオン交換樹脂膜11は、一部又は全部の水素がフッ素で置換されたポリオレフィン骨格を有する重合体で、且つ、側鎖にプロトン交換基を有するものが好適である。好ましいプロトン交換基としては、スルホン酸基、ホスホン酸基、及び、リン酸基などが挙げられる。特に好ましいフッ素系イオン交換樹脂は、スルホン酸基を有するパーフルオロカーボンの重合体(パーフルオロカーボンスルホン酸ポリマー)である。パーフルオロカーボンスルホン酸ポリマーには、例えば米国デュポン社製ナフィオンや旭硝子社製フレミオン等のように市販されているものもある。
上記フッ素系イオン交換樹脂膜を形成する重合体の重量平均分子量は、耐久性の観点から、5000以上であることが好ましい。
本実施形態では、固体電解質膜11としてフッ素系イオン交換樹脂膜11を使用しているが、本発明に係るセルモジュール10は中空形状であり、従来の平型の単セルに比べて比表面積が大きいので、フッ素系イオン交換樹脂膜よりプロトン伝導度の低い固体電解質膜を用いても対体積比での出力密度の大きい燃料電池を作製することができる。従って、プロトン伝導性を有する固体電解質膜11であれば良く、様々なものが適用できる。また、燃料電池の構成によっては、例えば、本発明を固体酸化物燃料電池に適用した場合や、水酸化物イオンを電荷担体とする固体高分子型燃料電池に適用した場合などでは、酸素イオンや水酸化物イオンなどの他の電荷担体となるイオンを伝導する固体電解質膜でもよい。具体的にプロトン伝導性を有する固体電解質膜の例を示すと、スルホン酸基を有するポリスチレン系陽イオン交換膜等などのポリオレフィンのような炭化水素を骨格として少なくともスルホン酸基、ホスホン酸基、及び、リン酸基等のプロトン交換基のうちから一種を有するもの、特表平11−503262号公報などに開示されている、ポリベンズイミダゾール、ポリピリミジン、ポリベンゾオキサゾールなどの塩基性高分子に強酸をドープした塩基性高分子と強酸との複合体からなる固体ポリマー電解質膜、ハイドロゲル化リン酸ガラス(春日敏宏、燃料電池、VOL.3 No.3 2004等参照)などの無機質のプロトン伝導体などが挙げられる。また、多孔質ガラスの細孔中に有機化合物を導入しプロトン伝導性を付与したもの(蔵岡孝治、菊川敬、矢澤哲夫、化学と工業、第57巻、第1号、41頁、2004年)などの有機−無機ハイブリッド固体電解質膜とするものも使用可能である。
以上のようなフッ素系イオン交換樹脂膜及び必要に応じてフッ素系イオン交換樹脂膜に代えて用いられるその他の固体電解質膜には、イオン伝導路となる微細な孔が形成されていることが好ましい。上記フッ素系イオン交換樹脂膜11には、親水性のクラスタ領域と疎水性の骨格領域が形成され、そのクラスタ領域には微細な孔が存在している。固体電解質膜は5〜100nm、好ましくは5〜40nm、さらに好ましくは5〜10nmの平均孔径の微細孔を有していることが好ましい。該微細孔の細孔容積は0.1〜0.5cm/g、望ましくは0.2〜0.3cm/gであることが好ましい。フッ素系イオン交換樹脂膜11の平均孔径及び/又は細孔容積は、例えば、高分子中の親水性基含有モノマーユニットと疎水性モノマーユニットとの含有割合を変えたり、高分子鎖中でのそれらのモノマーユニットの配列を変化させたりすることで制御することができる。この範囲の平均孔径の微細孔は、水素分子の透過を妨げつつも、プロトンの透過を妨げない。従って、上記のような範囲のサイズの微細孔を有するフッ素系イオン交換樹脂膜11又はその他の固体電解質膜を使用することにより、燃料ガスのクロスリークを防ぎつつ、高いプロトン伝導度を達成することができる。
さらに、本発明において、上記範囲内の平均孔径の微細孔を有する固体電解質膜を用いる場合には、ナノチューブがその微細な孔にちょうどはまり込んで固定されるので、ナノチューブが配向状態を保ったまま接合されやすくなるという効果もある。
アノード側集電部材21及びカソード側集電部材22は、例えば金属製のワイヤをコイル状に巻くことで製造することができる。使用する金属としては、例えば、Al、Cu、Fe、Ni、Cr、Ta、Ti、Zr、Sm、In等の中から選ばれる少なくとも1種以上の金属、又はステンレス鋼などのそれらの合金が好ましい。また、その表面がAu、Pt、導電性樹脂等によりコーティングされていても良い。特に耐蝕性に優れることから、ステンレスやチタンが好ましい。そして、ワイヤの太さやコイルの巻き数は特に制限されるものではない。
アノード側集電部材21を製造する時に、そのコイルの外径を、前記チューブ状のフッ素系イオン交換膜11の内径よりも、わずかに大きくしておくことが好ましい。わずかに大きいアノード側集電部材21をフッ素系イオン交換膜11の中空部内に挿入することで、圧力がわずかに印加された状態でアノード12と接触することになるので、アノード側集電部材21が中空部内に固定され、かつ、アノード側集電部材21とアノード12との電気的な接続状態が良好になる。
また、カソード側集電部材22を製造する時に、そのコイルの内径を、チューブ状のフッ素系イオン交換膜11の外径よりも、わずかに小さくしておくことが好ましい。わずかに小さいカソード側集電部材22を、前記アノード側集電部材21を取り付けたフッ素系イオン交換膜11の外側に取り付けることで、圧力がわずかに印加された状態でカソード13と接触することになるので、カソード側集電部材22が中空部内に固定され、かつ、カソード側集電部材22とカソード13との電気的な接続状態が良好になる。
本実施形態では、このようにスプリングワイヤ形状の集電部材21、22を使用しているが、形状はスプリングワイヤ状に限られず、電気伝導性材料からなるものであればその形状は任意である。従って、線状でも筒形状でもよく、例えば、直線状金属ワイヤからなるものや、金属シート又はカーボンシート等のシート材料からなるものなどが適用できる。また、チューブ状のセルモジュールの内側に通気性を保つ程度に導電性粒子を詰めてアノード側集電部材としてもよく、さらには、セルモジュールの外側のケーシング(図示しない)に導電性粒子を詰めてカソード側集電部材としてもよい。
図3は、図2中、点線で囲った領域Aの拡大図である。この図に基づいて、カソード13の微視的構造及びカソード側集電部材22との電気的接続について説明する。なお、アノード12の微視的構造はカソード13とほぼ同じであり、また、そのアノード側集電部材21との電気的接続についても、カソード13とカソード側集電部材22との電気的接続とほぼ同様な状況なので、それらの説明は省略する。
図3に示すように、フッ素系イオン交換樹脂膜11の膜面にほぼ垂直に、長さ約500μm、外径約10nmのカーボンナノチューブ31がその一端で接合して配向されている。この接合されているカーボンナノチューブ31のうちの一部は、フッ素系イオン交換樹脂膜11に突き刺さるか又は単にその上に位置することで接合されているが、残りの一部はその膜に形成されている直径5〜10nmの孔40にはまり込んだ状態で接合されている。孔40にはまり込んだこれらのカーボンナノチューブ31は、ただ単にそれら自身がより強固に接合されているのみならず、他のただ単に膜上に位置しているカーボンナノチューブ31を支えることによって、それらの配向状態をも安定に保っている。
カーボンナノチューブ31は、200μm以上の長さとするのが望ましい。該長さが200μm未満になるとフッ素系イオン交換樹脂膜11と集電部材21,22との間隔が狭くなりすぎるため、反応ガス成分の供給、拡散量が低下して発電効率が低下することがある。
このように本実施形態ではナノ柱状体として、カーボンナノチューブ(CNT)31を用いた例を示したが、例えばナノガラスなどナノサイズの径を有する細長い形状の微細構造を持つ物質ならばなんでもよい。寸法は一般的には、細長い形状の平均径((長径+短径)/2)が100nm以下で、その平均径のアスペクト比は10以上のものであり、中でも平均径が10〜50nmかつ平均径のアスペクト比は100以上であることが好ましい。このように、ナノサイズ径をもつ細長い形状の物質(ナノ柱状体)に触媒が担持されていると、その表面での担持量が多くなる。さらに、本発明では、ナノ柱状体を中空電解質膜に配向しているので、ナノ柱状体全体が中空電解質膜に埋もれてしまうことがなく、電極反応に有効な触媒表面が大きい。このようなナノ柱状体としては、単層及び多層のカーボンナノチューブやカーボンナノホーン、ガラスナノ柱状体、セラミックナノ柱状体、金属ナノ柱状体、高分子ナノ柱状体等が挙げられる。そして、単層及び多層構造カーボンナノチューブ又はカーボンナノホーンは高い電気伝導性を合わせ持つことから好ましく、カーボンナノチューブ等のナノチューブが特に好ましい。
カーボンナノチューブ31は、アーク放電法やレーザー蒸着法、カーボンナノチューブを生成するための触媒金属(以下、「CNT生成触媒金属」という)を用い、これに炭化水素系ガスや水素系ガスを供給する等して合成するCVD法、高温・高圧条件下において一酸化炭素の不均化反応(CO+CO→C+CO)を起こさせて合成するHiPco法(P. Nikolaev, M.J.Bronikowski, R.K. Bradley, F. Rohmund, D.T. Colbert, K.A. Smith, R.E. Smalley, Chem. Phys. Lett. 313 (1999) 91-97.等参照)など、公知の合成法を利用して生成することができる。
カーボンナノチューブ31の各々には、その外壁面に電池反応を担う電極触媒金属32として平均粒径2nmの白金(Pt)が担持されている。直線状のカーボンナノチューブ31を担体とすることで、表面積が広く確保されて電極触媒金属32が高密度担持されると共に、発電中に水が過剰に発生する条件下でも、ガスの三相界面への供給、拡散性が得られ、大きな電圧低下(濃度過電圧)が生じないようになっている。
また、電極触媒金属32の平均粒子径は、カーボンナノチューブ31の外径以下のサイズであることが好ましく、1〜3nm程度の範囲とするのが有効である。1nm未満では、現実的に作製が困難であり、触媒金属の有効面が現出せず、3nmより大きいと触媒効率が低下してしまい、燃料電池とした時に高い電池電圧は得られない。
本実施形態の電極触媒金属32はPtであるが、本発明に係るセルモジュール10は中空形状であり、従来の平型の単セルに比べて比表面積が大きいので、Ptより活性の低い触媒を用いても対体積比での出力密度の大きい燃料電池を形成することができる。従って、触媒材料としては、アノード(燃料極)、カソード(空気極)において水素の酸化反応及び酸素の還元反応に触媒作用を有するものであれば良く、白金、ルテニウム、イリジウム、ロジウム、パラジウム、オスニウム、タングステン、鉛、鉄、クロム、コバルト、ニッケル、マンガン、バナジウム、モリブデン、ガリウム、アルミニウム等の金属、又はそれらの合金から選択することができる。好ましくは、Pt、及びPtと例えばRuなど他の金属とからなる合金である。
なお、カーボンナノチューブ31の表面へのPt(電極触媒金属)の担持は、例えば、塩化白金酸や白金硝酸溶液等の白金薬液のアルコール等の溶剤希釈液などを用いて行うことができ、その詳細については後述する。
図3に示すように、電極触媒金属32が担持されたカーボンナノチューブ31の外周には、更にナフィオン溶液(Aldrich Chemical社;プロトン伝導性物質)を付与することによって、ナフィオン層33が設けられており、このナフィオン層33がプロトン伝導性物質として機能し、電池反応でのプロトンの伝導性及びフッ素系イオン交換樹脂膜11との接合強度が確保されるようになっている。
本実施形態では、このように、プロトン伝導性物質としてナフィオンを用いているが、プロトン伝導性を有するポリマーや無機物を広く用いることができる。好ましくは、含フッ素高分子を骨格として少なくともスルホン酸基、ホスホン酸基、及び、リン酸基等のプロトン交換基のうちから一種を有するポリマーがある。また、スルホン酸基を有するポリスチレン系陽イオン交換膜等などのポリオレフィンのような炭化水素を骨格として少なくともスルホン酸基、ホスホン酸基、及び、リン酸基等のプロトン交換基のうちから一種を有するものや、特表平11−503262号公報などに開示されている、ポリベンズイミダゾール、ポリピリミジン、ポリベンゾオキサゾールなどの塩基性高分子に強酸をドープした塩基性高分子と強酸との複合体からなる固体ポリマー電解質膜等も使用できる。無機物としては、スルホン化したリン珪酸ガラス、ほう珪酸ソーダガラス又はγ−アルミナなどが挙げられる。特に好ましいプロトン伝導性物質は、ナフィオンなどのパーフルオロスルホン酸系ポリマー、ポリスチレンスルホン酸、リン珪酸ガラス、ほう珪酸ソーダガラス及びγ−アルミナ等である。また、ナフィオン層(プロトン伝導性物質)33の厚みは、1〜70nmであることが好ましく、10〜30nmであることがさらに好ましい。ナフィオン層33の厚みが1nm未満であると、前記カーボンナノチューブに担持された電極触媒金属へのプロトンの供給又は該電極触媒金属からのプロトンの供与が充分に行われず、一方、ナフィオン層33の厚みが70nmを超えると、プロトン伝導性物質がカーボンナノチューブを覆い過ぎてしまい、そこに担持される電極触媒金属へのガスの供給が困難になってしまう。
また、カーボンナノチューブ31上のナフィオン層33の上には更にポリテトラフルオロエチレン(撥水化材;PTFE)よりなる撥水層34として機能するPTFE層34が設けられており、電池反応で生じた生成水などの排出性が確保できるようになっている。PTFE層34はナフィオン層33の表面の少なくとも一部に形成されていればよく、さらに、一部のPTFEがナフィオン層33内部に侵入していてもよい。
撥水化材としては、フッ素系樹脂の少なくとも一種を適宜選択して用いるのが好適であるが、特に限定されるものではない。上記のポリテトラフルオロエチレン以外に、例えば、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリテトラフルオロエチレン、パーフルオロアルコキシアルカン、エチレン−テトラフルオロエチレンポリマー等も効果的な化合物として挙げることができる。また、複数種を併用してもよい。
以上のように構成されたセルモジュール10は、導電性接着剤35を用いて集電部材21,22と接合されることが好ましい。導電性接着剤としてはAgペーストなどが好適である。
以下、CNT生成触媒担持体を用いて単層カーボンナノチューブを合成する場合を例に、カーボンナノチューブの生成方法の一例を示す。
まず、必要に応じて、基体洗浄工程を行う。基体洗浄工程では、カーボンナノチューブを生成させるために使用する基体(基板等)の表面を洗浄する。例えば、基体である基板を真空にした電気炉中で加熱処理することにより洗浄を行うことができる。
次に、CNT生成触媒担持工程を行い、基体にCNT生成触媒金属を担持してカーボンナノチューブの生成に用いるCNT生成触媒担持体を作製する。具体的な方法については特に制限はなく、例えば、所望の基体の上に蒸着などによりFe等の所望のCNT生成触媒金属を均一に微粒化して担持させることでCNT生成触媒担持体とすることができる。
CNT生成触媒金属としては、Fe以外にPd、Co、Ni、W、Mo、Mn又はこれらの合金などが挙げられる。基体としては、Al、Ni、ステンレス、Si、SiC、ゼオライト、活性炭(C)等が挙げられる。CNT生成触媒担持体用の基体は任意形状のものが使用できる。中空形状の固体電解質膜の中空部内に電極触媒層(アノード又はカソード)を設ける場合には、CNT生成触媒担持体のための基体としては、該中空部の径より小さい外径の棒状体が好ましい。また、中空形状の固体電解質の外面に電極触媒層(カソード又はアノード)を設ける場合には、CNT生成触媒担持体のための基体としては、シート又は板状体が好ましい。
本発明では、基体の上に蒸着によりFeからなるCNT生成触媒金属を所望の厚み(4nm)となるように均一に担持させてCNT生成触媒担持体を作製する。
次に、カーボンナノチューブ生成工程を行う。カーボンナノチューブ生成工程では、CNT生成触媒担持体を真空の空間に配置すると共にカーボンナノチューブの生成に適した所定温度に加熱された状態とし、該CNT生成触媒担持体に原料ガス(炭化水素系ガス、アルコール系ガス、及び水素系ガス等)を供給することで、前記CNT生成触媒担持体上にカーボンナノチューブを生成させる。供給にあたり原料ガスの流量や反応温度、滞在温度を調整する、CNT生成触媒金属の大きさ(粒子径)を変える、あるいは生成されたカーボンナノチューブを更に1500〜1850℃の温度領域で加熱する、等することによって形成するカーボンナノチューブのチューブ径を制御することができる。また、原料ガスを例えばイオン銃等を用いてイオン化するなど、原料ガスの性状を、生成させようとするカーボンナノチューブの層構造や径、長さ等の形状、配向性に合わせて制御することも有用である。
CNT生成触媒担持体の表面における原料ガスの流速を、2mm/sec以上とすることによって、200μm以上のカーボンナノチューブを効率よく生成させることができる。
原料ガス供給時のCNT生成触媒担持体の温度は、400℃以上とすることが好ましい。CNT生成触媒担持体の温度が上記範囲であると、量産可能な生成速度を達成でき、また、径や長さ、配向性の均一なカーボンナノチューブを安定的に生成させることができる。特にCNT生成触媒担持体の温度を500℃〜1000℃とすることによって、均質なカーボンナノチューブをより効率よく生成させることができる。また、本工程における真空状態としては、一般に10−3〜10Pa程度が望ましい。
原料ガスには、炭化水素系ガスやアルコール系ガス(CH系ガス)、水素ガス(H系ガス)が含まれる。具体的には、炭化水素系ガス及びアルコール系ガスから選択される少なくとも一種、あるいは炭化水素系ガス及びアルコール系ガスから選択される少なくとも一種と水素系ガスから選択される少なくとも一種の両方を(場合によりガス化して)用いることができる。前記炭化水素系ガスの炭化水素成分としては、炭素数1〜6の炭化水素(例えばメタン、エタン、アセチレン、ベンゼン等)が好適に挙げられ、前記アルコール系ガスとしては、例えばメタノール、エタノール等が好適に挙げられる。CH系あるいはH系の原料が液相もしくは固相状態である場合には、予め気相にして供給することができる。また、CH系ガスとH系ガスとの混合系の場合、その混合比(CH系:H系)は、1:1〜1:20(分圧比あるいは流量比)が好ましい。
また、前記カーボンナノチューブ生成工程の後、必要に応じて、前記カーボンナノチューブ生成工程で生成させたカーボンナノチューブやカーボンナノチューブが生成されたCNT生成触媒担持体の後処理工程を行う。具体的には、以下の工程等を行うことができる。例えば、生成されたカーボンナノチューブに対し、更に1500〜1850℃で加熱することによりチューブ径を調整する処理を行うことができる。さらに、カーボンナノチューブを空気中で再び500〜600℃程度に加熱(空気酸化処理)したり、あるいは塩酸、王水等を用いた酸処理などを行うことにより、チューブ端を開口(キャップオープン)させることができる。また、前記酸処理では、前記キャップオープンさせる処理に加えて、カーボンナノチューブの生成後に行うCNT生成触媒金属の除去処理、付着したアモルファスカーボン等の煤を除去する処理、などを行うことが可能である。
次に図1〜図3で示されるセルモジュール10の作製方法の一例を以下に示す。
セルモジュール10は、チューブ状のフッ素系イオン交換樹脂膜11を用意し、CNT生成触媒担持体に生成したカーボンナノチューブ31にPt(電極触媒金属)を担持する電極触媒担持工程と、Ptが担持されたカーボンナノチューブ31をフッ素系イオン交換樹脂膜11に転写する転写工程とを、行うことによって作製される。また、カーボンナノチューブ31の上にプロトン伝導性物質を設け、さらにその上に撥水化材を設ける付与工程は、必要に応じて、前記電極触媒担持工程と転写工程との間、又は、前記転写工程の後に行うことができる。
電極触媒担持工程では、CNT生成触媒担持体に生成させたカーボンナノチューブ31に電極触媒金属(Pt)32を担持する。カーボンナノチューブ31の表面へのPtの担持は、湿式法、乾式法のいずれの方法によっても行うことができる。湿式法による場合には、エタノール等のアルコール中に塩化白金酸や白金硝酸溶液等の白金薬液を適量溶解させた溶液を付与した後、水素雰囲気中で150℃以上に加熱処理する方法が望ましい。付与は、例えば、溶液中にカーボンナノチューブ31を浸漬する、あるいはカーボンナノチューブ31の表面に滴下、噴霧(スプレー)等するなどして好適に行うことができる。また、乾式法による場合には、電子ビーム蒸着法やスパッタリング法、静電塗装法などが望ましい。
次に、必要に応じて、Ptが担持されたカーボンナノチューブ31にナフィオン溶液(プロトン伝導性物質)を付与して層厚約10nmのナフィオン層33を形成する付与工程を行う。この場合、その後の転写においてPtが担持され且つナフィオン層33が設けられたカーボンナノチューブ31が転写される。
また付与工程を設けるときには、上記のようにナフィオン層33を形成すると共に、更に形成されたナフィオン層33上にポリテトラフルオロエチレン(PTFE;撥水化材)溶液を付与してPTFE層34が更に設けられることが好ましい。この場合には、その後の転写工程において、Ptが担持され且つナフィオン層33及びPTFE層34が設けられたカーボンナノチューブ31が転写される。
付与工程でのナフィオン層33及びPTFE層34の形成は、ナフィオン溶液(プロトン伝導性物質の溶液)及びPTFE溶液(撥水化材の溶液)を用い、塗布法、浸漬法などの公知の方法により行うことができる。特に、精細なカーボンナノチューブの一本一本の表面に均一に付与できる点で特に浸漬法が好ましい。
本実施形態では、ナフィオンがプロトン伝導性物質であり、予め重合体であるものを溶媒に溶解させ、その溶液を塗布後乾燥することでナフィオン層33、即ちプロトン伝導性物質層33を設けているが、他の物質及び他の形成方法で、プロトン伝導性物質層33を設けても良い。例えば、前記付与工程で、ナフィオン溶液の代わりに、スチレンスルホン酸モノマーの溶液を用意し、各種重合開始剤等の添加物を必要に応じて加えた重合組成物溶液を用い、その液をカーボンナノチューブ31を生成させたCNT生成触媒担持体に塗布し、必要に応じて乾燥させた後、紫外線などの放射線の照射又は加熱により重合させることでプロトン伝導性物質層33を形成してもよい。このように、カーボンナノチューブ31の表面に、いわゆる「オンサイト重合」で形成したプロトン伝導性物質層33は密着性に優れるので好ましい。このオンサイト重合により形成されたプロトン伝導性物質層33上にも、撥水化材溶液を塗布し、撥水層34を設けることが好ましい。
転写工程では、Ptが担持されたカーボンナノチューブ31をCNT生成触媒担持体からフッ素系イオン交換樹脂膜11へ転写する。転写は、カーボンナノチューブ31をCNT生成触媒担持体に生成させた配向状態のまま、CNT生成触媒担持体と接しない側の端部がフッ素系イオン交換膜11と接するように配置し、両者を加熱及び加圧処理して接合体とした後、この接合体からCNT生成触媒担持体を剥離除去することによって行うことができる。
本工程での加熱及び加圧処理は、例えばホットプレス法など、加圧可能な一対の熱板等を用いて行うことができる。ここでの加熱温度は110〜130℃程度が、加圧は1〜2MPa程度が、フッ素系イオン交換樹脂膜11との接合性の観点から好ましい。
本実施形態のチューブ状のフッ素系イオン電解質膜11の中空内部にカーボンナノチューブ31を転写する場合には、フッ素系イオン電解質膜11の孔より外径が小さい棒状の基体上にカーボンナノチューブ31を形成し、それをフッ素系イオン電解質膜11の中空内部に挿入しながら、棒状基体にフッ素系イオン電解質膜11を押し付け、さらに必要に応じ熱を加えることで転写する。
フッ素系イオン電解質膜11の外面に対しては、シート状基体上にカーボンナノチューブを形成し、そのシートのカーボンナノチューブ面を内側にして前記フッ素系イオン交換樹脂膜11を圧力を加えながら巻き込み、必要に応じて加熱して転写する。
上記のように加熱及び加圧した後、CNT生成触媒担持体を剥離除去することで転写が完了する。このような転写工程によれば、生成時の配向状態をほぼ維持したまま、カーボンナノチューブ31がフッ素系イオン交換樹脂膜11に接合される。そのため、カーボンナノチューブ生成工程において生成されたカーボンナノチューブ31が、CNT生成触媒担持体の担持面に対しほぼ垂直に直線状に生成されているときには、これを転写することでフッ素系イオン交換樹脂膜11の膜面に対しほぼ垂直な状態で、直線状のカーボンナノチューブ31を設けることが可能である。このようにほぼ垂直に配向させる技術として、特願2002−51391号に記載の方法や、「基板上に合成されたカーボンナノチューブを熱可塑性材料への転写によりほぼ垂直に配向させる方法」を応用することができる。
このようにして作製したセルモジュール10から電気を効率よく取り出すために、アノード側集電部材21及びカソード側集電部材22を取り付ける。この取り付け工程では、導電性接着剤35を併用し、セルモジュール10と集電部材21,22との密着性及び電気的接続状態を高めることが好ましい。
導電性接着剤35は、取り付ける前に予めセルモジュール10のアノード12上(内面側)及びカソード13上(外面側)又はアノード側集電部材21及びカソード側集電部材22に塗布する。この塗布は公知の方法で行える。
そして、前記チューブ状のフッ素系イオン交換膜11の内径よりも、そのコイルの外径をわずかに大きく作製したスプリングワイヤ状のアノード側集電部材21を、コイルの巻き方向に絞ることで、そのコイルの見かけの外径を小さくしながらフッ素系イオン交換膜11の中空部内に挿入する。次にコイルを絞っていた力を開放することで、前記セルモジュール10の内面側に圧力がわずかに印加された状態で固定できる。こうすることによって、アノード側集電部材21とアノード12を電気的に接続する。
次に、前記チューブ状のフッ素系イオン交換膜11の外径よりも、そのコイルの内径をわずかに小さく作製したスプリングワイヤ状のカソード側集電部材22を、コイルの巻きとは反対方向にねじり、そのコイルの見かけの内径を大きくしながら、そのコイル内に、前記アノード側集電部材21を組み込んだフッ素系イオン交換膜11を挿入する。次にコイルをねじっていた力を開放することで、前記セルモジュール10の外面側に圧力がわずかに印加された状態で固定できる。こうすることによって、カソード側集電部材21とカソード13を電気的に接続する。
以上説明した本実施形態のチューブ状(中空形状)のセルモジュール10では、その内側にアノード12、外側にカソード13が形成されているので、チューブ状セルモジュール10内部に水素を含む燃料ガス又はメタノール等の液体燃料、チューブ外部に酸素を含む酸化剤ガスを供給することで発電する。これに対し、逆に内側にカソード、外側にアノードを形成し、チューブ状セルモジュール内部に酸素を含む酸化剤ガス、チューブ外部に水素を含む燃料ガス又はメタノール等の液体燃料を供給することで発電することもできる。
図4は、以上のようにして作製したセルモジュールに集電部材21,22を取り付け、さらにそれらを集合させて、燃料電池とした状態を説明する図である。実際に燃料電池60として使用する時には、複数のセルモジュール10を並列につないでセルモジュール集合体61とし、さらにそのセルモジュール集合体61を直列につなぐ。
本実施形態のセルモジュール10によれば、固体電解質膜11に配向させたカーボンナノチューブ31上に電極触媒金属32を担持させるので、電極触媒金属32が電極面積比で高密度担持され、且つ、発電に際し供給される反応ガスは、カーボンナノチューブ31上に形成された三相界面付近まで容易に到達し、均一に拡散される。従って、担持された電極触媒金属32を電極反応に有効に利用することができる。
また、本実施形態のセルモジュール10では、カーボンナノチューブ31が前記固体電解質膜11に配向され、その一端が接合され、かつ、その他端が集電部材21,22と効果的に接触している。従って、集電部材21,22とセルモジュール10との間に外部からの面圧が付加されておらず、しかも、スプリングワイヤ状の集電部材21,22が、セルモジュール10と線接触しており、その接触面積は少ないにも関わらず、セルモジュール10と集電部材21,22との電気的接続は良好である。
なお、本発明においては、カーボンナノチューブに比べ、電気伝導性に劣るナノガラスなどのナノチューブを用いる場合でも、セルモジュールと集電部材との電気的接続は良好である。その理由は次のように推測される。
ナノチューブは、微視的には固体電解質膜と集電部材間にほぼ垂直に多数乱立している。しかも、このナノチューブ表面は良好な水の伝達路として作用しうる。ナノチューブ上で集電部材の近傍にある電極触媒は、ナノチューブ表面からイオンを供給され気相から反応ガスを供給されることで電極反応を行い、発生した電荷は集電部材へとホッピング等の機構で移動する。つまり、ナノチューブにより、集電部材の近傍に反応場が形成されることで、生じた電荷がホッピング等によりすぐに集電部材に移動できるので、セルモジュールと集電部材との電気的接続が良好になっていると考えられる。
(第2実施形態)
本発明のセルモジュールの第2の実施形態を図5及び図6を参照して説明する。本実施形態は、第1実施形態のセルモジュールにおいて、その中空内面側(アノード側)及び外面側(カソード側)に更に拡散層を設け、CNT電極(アノード及びカソード)を触媒層と拡散層とで構成するようにしたものである。なお、発電のための燃料は、第1実施形態で使用した燃料を用いることができ、第1実施形態と同様の構成要素には同一の参照符号を付してその詳細な説明を省略する。
本実施形態では、図5に示すように、セルモジュール70はチューブ状のフッ素系イオン交換樹脂膜11と、その中空内面側にカーボンナノチューブ31を配向させてなるアノード触媒層72と、外面側にカーボンナノチューブ31を配向させてなるカソード触媒層73と、アノード触媒層72に対向してチューブ状のフッ素系イオン交換樹脂膜11の内面側に設けられたアノード拡散層74と、カソード触媒層73に対向してチューブ状のフッ素系イオン交換樹脂膜11の外面側に設けられたカソード拡散層75で構成されている。
アノード拡散層74及びカソード拡散層75としては、電気伝導性の多孔質体が利用できる。例えば、カーボンクロス、カーボンペーパー、カーボンフェルト及びそれらを撥水化処理したもの;Ti、Al、Cu、Fe、Ni、Cr、Ta、Ti、Zr、Sm、Inの中から選ばれる少なくとも1種以上の金属又はステンレス鋼などのそれらの合金から形成される多孔質金属及びそれらの表面がAu、Pt、導電性樹脂等によりコーティングされたもの;などが挙げられる。
これら拡散層74,75は構造部材としても働くので、セルモジュール70が頑丈になり耐久性が向上する。
第2実施形態のセルモジュール70を作製する方法としては、チューブ状のアノード拡散層74を先に形成し、次にその外面側にナノチューブ31を転写することで、拡散層/ナノチューブ層中間体を作製する。この拡散層/ナノチューブ層中間体の外面側に固体電解質膜11を溶液からの塗布法や、固体膜を接合することで設ける。さらにその外面側にナノチューブ31を転写する。そして、そのさらに外面側にカソード拡散層75を設ける。
このように、本実施形態のセルモジュール70の場合、構造部材でもあるアノード拡散層74をまずチューブ状に作製することで、その後の全ての工程を、その拡散層チューブ74の外面側から行ってセルモジュール70を作製することができるので、セルモジュール70を容易に作製することができる。
また、第2実施形態のセルモジュール70によれば、図6に示すように、導電性材料からなる拡散層74,75を触媒層72,73上に設けることで、電極触媒金属による電極反応で生成した電荷が拡散層74,75に容易に到達でき、さらにはその導電性の拡散層74,75から集電部材21,22へと効率よく電荷が移動できる。従って、本実施形態のセルモジュール70は、集電部材21,22と良好に電気的に接続されている。
(変形例)
図7は本発明に係るセルモジュールの第1変形例であって、第2実施形態の外面側の拡散層を省いて構成したものである。
図8は本発明に係るセルモジュールの第2変形例であって、第2実施形態の中空内面側の拡散層を省いて構成したものである。この場合、外面側の拡散層95をまずチューブ状に作製し、その中空内面側に各層を設けることができる。
第1実施形態のチューブ状のセルモジュールとそれに取り付けたスプリングワイヤ(集電部材)の概略斜視図。 第1実施形態のチューブ状のセルモジュールとそれに取り付けたスプリングワイヤの、チューブの長さ方向に沿った切断面を示す概略断面図。 図2中、点線で囲った領域Aの拡大図。 セルモジュール/集電部材を集合させて、燃料電池とした状態の概略説明図。 第2実施形態のチューブ状のセルモジュールとそれに取り付けたスプリングワイヤの、チューブの長さ方向に沿った切断面を示す概略断面図。 図5中、点線で囲った領域Bの拡大図。 本発明に係るセルモジュールの第1変形例を示す概略断面図。 本発明に係るセルモジュールの第2変形例を示す概略断面図。
符号の説明
10…セルモジュール
11…フッ素系イオン交換樹脂膜(固体電解質膜)
12…CNT電極(アノード)
13…CNT電極(カソード)
21…スプリングワイヤ(アノード側集電部材)
22…スプリングワイヤ(カソード側集電部材)
31…カーボンナノチューブ
32…電極触媒金属
33…ナフィオン層(プロトン伝導性物質層)
34…PTFE層(撥水層)
35…導電性接着剤
40…微細孔
51…導線
52…導線
60…燃料電池
61…セルモジュール集合体
70…セルモジュール
72…触媒層
73…触媒層
74…アノード拡散層
75…カソード拡散層
76…アノード
77…カソード
80…セルモジュール
82…触媒層
83…触媒層(カソード)
84…アノード拡散層
86…アノード
90…セルモジュール
92…触媒層(アノード)
93…触媒層
95…カソード拡散層
97…カソード

Claims (14)

  1. 中空形状の電解質膜と、当該電解質膜の中空内面及び外面に設けられた一対の電極、及び当該電極に対向する集電部材を有し、
    前記中空内面又は外面のうち少なくとも一方の電極は、直線状のナノ柱状体を有し、当該ナノ柱状体は、前記中空形状の電解質膜の膜面に略垂直に配向し、その一端で接合して設けられ、且つ、前記電極の前記集電部材と接触する領域において、前記ナノ柱状体の少なくとも一部が配向し、その他端が前記集電部材に接触しており、且つ、当該ナノ柱状体の表面上且つ当該ナノ柱状体間の隙間には電極触媒金属が分散されて担持されており、且つ、当該ナノ柱状体の表面にプロトン伝導性物質が設けられていることを特徴とする、燃料電池用セルモジュール。
  2. 前記ナノ柱状体の長さが200μm以上である、請求項1に記載の燃料電池用セルモジュール。
  3. 前記中空形状の電解質膜が平均孔径5〜100nmの孔を有している、請求項1又は2に記載の燃料電池用セルモジュール。
  4. 前記電極触媒金属が白金又は白金と他の金属とからなる合金である、請求項1乃至3のいずれかに記載の燃料電池用セルモジュール。
  5. 前記プロトン伝導性物質の上に撥水化材をさらに有する、請求項1乃至4のいずれかに記載の燃料電池用セルモジュール。
  6. 前記電極触媒金属の粒子径が前記ナノ柱状体の外径以下である、請求項1乃至5のいずれかに記載の燃料電池用セルモジュール。
  7. 前記プロトン伝導性物質の厚みが1〜70μmである、請求項1乃至6のいずれかに記載の燃料電池用セルモジュール。
  8. 請求項1乃至7のいずれかに記載の燃料電池用セルモジュールを備えた燃料電池。
  9. ナノチューブ生成触媒担持体に生成されたナノ柱状体に電極触媒金属を担持する電極触媒担持工程と、
    前記電極触媒担持工程の後に、ナノチューブ生成触媒担持体に担持されたナノ柱状体にさらにプロトン伝導性物質を付与する付与工程と、
    前記付与工程の後に、電極触媒金属が担持され、且つ、プロトン伝導性物質が付与された前記ナノ柱状体を、中空形状の電解質膜の中空内面又は外面の少なくとも一方に転写し、前記ナノ柱状体の一端を前記電解質膜の膜面に略垂直に接合して配向する転写工程と、
    前記転写工程の後に、前記電解質膜のナノ柱状体が配向された膜面に集電部材を対向させ、前記電解質膜と一端で接合するナノ柱状体の他端と前記集電部材の当接部を、導電性接着剤を用いて接着する接着工程を有することを特徴とする、燃料電池用セルモジュールの製造方法。
  10. 前記ナノ柱状体は、ナノチューブ生成触媒担持体の表面における原料ガスの流速を2mm/sec以上として生成されたナノチューブである、請求項9に記載の燃料電池用セルモジュールの製造方法。
  11. 前記電極触媒金属は、湿式法又は乾式法のいずれかによりナノ柱状体に担持された、請求項9又は10に記載の燃料電池用セルモジュールの製造方法。
  12. 前記付与工程は、前記プロトン伝導性物質の上にさらに撥水化材を付与し、前記転写工程において撥水化材が付与されたナノ柱状体を転写できるようにした、請求項9乃至11のいずれかに記載の燃料電池用セルモジュールの製造方法。
  13. 前記付与工程は、含浸法により付与を行う、請求項9乃至12のいずれかに記載の燃料電池用セルモジュールの製造方法。
  14. 前記付与工程は、ナノ柱状体にプロトン伝導性物質前駆体を付与し、付与後に前記プロトン伝導性物質前駆体を重合させてプロトン伝導性物質が付与されるようにした、請求項9乃至13のいずれかに記載の燃料電池用セルモジュールの製造方法。
JP2004174746A 2004-06-11 2004-06-11 燃料電池用セルモジュール及びその製造方法、並びに燃料電池 Expired - Fee Related JP4438525B2 (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004174746A JP4438525B2 (ja) 2004-06-11 2004-06-11 燃料電池用セルモジュール及びその製造方法、並びに燃料電池
US11/639,133 US20100227255A1 (en) 2004-06-11 2006-12-15 Cell module for fuel cell, method for forming cell module, and fuel cell

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004174746A JP4438525B2 (ja) 2004-06-11 2004-06-11 燃料電池用セルモジュール及びその製造方法、並びに燃料電池

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2005353496A JP2005353496A (ja) 2005-12-22
JP4438525B2 true JP4438525B2 (ja) 2010-03-24

Family

ID=35587773

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004174746A Expired - Fee Related JP4438525B2 (ja) 2004-06-11 2004-06-11 燃料電池用セルモジュール及びその製造方法、並びに燃料電池

Country Status (2)

Country Link
US (1) US20100227255A1 (ja)
JP (1) JP4438525B2 (ja)

Families Citing this family (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4440711B2 (ja) * 2004-06-11 2010-03-24 トヨタ自動車株式会社 燃料電池用セルモジュール及びその製造方法、並びに燃料電池
JP4939051B2 (ja) * 2005-12-28 2012-05-23 キヤノン株式会社 固体高分子型燃料電池の触媒電極の製造方法
JP5084180B2 (ja) * 2006-06-06 2012-11-28 トヨタ自動車株式会社 チューブ型固体電解質燃料電池
JP2009009815A (ja) * 2007-06-28 2009-01-15 Toyota Central R&D Labs Inc 電極触媒基板及びその製造方法、並びに、固体高分子型燃料電池
JP5402662B2 (ja) * 2010-01-18 2014-01-29 トヨタ自動車株式会社 膜電極接合体及び膜電極接合体の製造方法
JP5093287B2 (ja) * 2010-04-13 2012-12-12 トヨタ自動車株式会社 膜電極接合体及び燃料電池
EP2858155B1 (en) * 2012-07-02 2016-05-11 Panasonic Intellectual Property Management Co., Ltd. Membrane electrode assembly for solid polymer fuel cell, method for producing same, and solid polymer fuel cell
WO2014025743A1 (en) * 2012-08-07 2014-02-13 Cornell University Binder free and carbon free nanoparticle containing component, method and applications
KR101878334B1 (ko) * 2014-01-27 2018-07-13 울산과학기술원 레독스 플로우 전지 및 그의 제조 방법
JP2017224514A (ja) * 2016-06-16 2017-12-21 株式会社デンソー 燃料電池用電極、燃料電池および触媒体
US10153497B2 (en) * 2017-03-02 2018-12-11 Saudi Arabian Oil Company Modular electrochemical cell and stack design

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1997047052A1 (en) * 1996-06-05 1997-12-11 Southwest Research Institute Cylindrical proton exchange membrane fuel cells and methods of making same
TW531928B (en) * 2000-09-29 2003-05-11 Sony Corp Fuel cell
JP3894002B2 (ja) * 2002-03-07 2007-03-14 株式会社豊田中央研究所 膜電極接合体並びにこれを備える燃料電池及び電気分解セル

Also Published As

Publication number Publication date
JP2005353496A (ja) 2005-12-22
US20100227255A1 (en) 2010-09-09

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4440711B2 (ja) 燃料電池用セルモジュール及びその製造方法、並びに燃料電池
JP5108240B2 (ja) 燃料電池及び燃料電池の製造方法
US7790304B2 (en) Catalyst layers to enhance uniformity of current density in membrane electrode assemblies
JP4553823B2 (ja) 燃料電池用電極、燃料電池用膜−電極接合体及び燃料電池システム
US20100227255A1 (en) Cell module for fuel cell, method for forming cell module, and fuel cell
JP4907163B2 (ja) 燃料電池用電極、これを備えた燃料電池、及び燃料電池用電極の製造方法
JP4977945B2 (ja) 膜電極接合体及びその製造方法、並びに燃料電池
US20040167014A1 (en) Nanostructured proton exchange membrane fuel cells
US7820316B2 (en) Membrane electrode assembly and fuel cell
CN100477349C (zh) 用于燃料电池的膜电极组件
CA2624776A1 (en) Nanowire structures comprising carbon
JP2007526616A (ja) 白金が少ない燃料電池、触媒およびその製造方法
CN111527633A (zh) 催化剂、其制备方法、包含所述催化剂的电极、膜-电极组件和燃料电池
JP4539145B2 (ja) 膜電極接合体及び燃料電池
KR20200080152A (ko) 촉매, 이의 제조 방법, 이를 포함하는 전극, 이를 포함하는 막-전극 어셈블리, 및 이를 포함하는 연료 전지
JP2006252967A (ja) 燃料電池用固体高分子電解質膜、および、これを用いた燃料電池
KR101162472B1 (ko) 연료전지 전극 및 그 제조방법
JP2008135274A (ja) 燃料電池の製造方法
KR101167409B1 (ko) 연료 전지용 막-전극 접합체, 연료 전지 및 그 제조방법
JP2010027574A (ja) 燃料電池用電極及び燃料電池用電極の製造方法
JP2006216470A (ja) 燃料電池用セルモジュール及びこれを備えた燃料電池
JP5017981B2 (ja) 燃料電池用触媒電極形成用ワニスおよびその製造方法ならびにそれを用いた触媒電極の製造方法
JP2009064591A (ja) 燃料電池用電極とその製造方法並びに該電極を用いた膜電極接合体
JP2006216469A (ja) 燃料電池用セルモジュール及びこれを備えた燃料電池
JP2007048572A (ja) 燃料電池用膜電極接合体の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20060919

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20080624

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20080729

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20080929

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20091215

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20091228

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130115

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130115

Year of fee payment: 3

RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20120703

A072 Dismissal of procedure [no reply to invitation to correct request for examination]

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A072

Effective date: 20121030

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130115

Year of fee payment: 3

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees