JP2006216470A - 燃料電池用セルモジュール及びこれを備えた燃料電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】 中空形状の電解質膜であってその内面及び外面に電極である触媒層を設けたものを基本構成要素とする燃料電池用セルモジュール及び当該セルモジュールを有する燃料電池において、電極触媒の電極反応への有効利用を可能とし、さらには前記中空形状電解質膜のプロトン通過性能及び保水性を高めることを目的とする。
【解決手段】 中空形状の電解質膜と、当該電解質膜の中空内面及び外面に設けられた一対の電極を有する燃料電池用セルモジュールであって、前記中空内面又は外面のうち少なくとも一方の電極は、前記電解質膜に配向されるとともに電極触媒を担持したナノ柱状体を有し、前記中空形状の電解質膜はプロトン伝導性電解質膜であり、プロトン通過方向に伸びる細孔を有し、前記一対の電極のうちプロトンを生成する電極との界面における前記細孔の平均径が、他方の電極との界面における平均径よりも大きいことを特徴とする燃料電池用セルモジュール。
【選択図】 図3

Description

本発明は、中空形状の電解質膜を有するセルモジュール及びこれを備えた燃料電池に関する。
燃料電池は、燃料と酸化剤を電気的に接続された2つの電極に供給し、電気化学的に燃料の酸化を起こさせることで、化学エネルギーを直接電気エネルギーに変換する。火力発電とは異なり、カルノーサイクルの制約を受けないので、高いエネルギー変換効率を示す。中でも、固体高分子電解質型燃料電池は、電解質として固体高分子電解質膜を用いる燃料電池であり、小型化が容易であること、低い温度で作動すること、などの利点があることから、特に携帯用、移動体用電源として注目されている。
固体高分子電解質型燃料電池では、水素を燃料とした場合、アノードでは(1)式の反応が進行する。
2 → 2H+ + 2e- ・・・(1)
(1)式で生じる電子は、外部回路を経由し、外部の負荷で仕事をした後、カソードに到達する。そして、(1)式で生じたプロトンは、水と水和した状態で、固体高分子電解質膜内をアノード側からカソード側に、電気浸透により移動する。
また、酸素を酸化剤とした場合、カソードでは(2)式の反応が進行する。
4H+ + O2 + 4e- → 2H2O ・・・(2)
カソードで生成した水は、主としてガス拡散層を通り、外部へと排出される。
このように、燃料電池は水以外の排出物がなく、クリーンな発電装置である。
従来、固体高分子電解質型燃料電池としては主に、平面状の固体高分子電解質膜の一面にアノード及び他面にカソードとなる触媒層を設け、得られた平面状の膜・電極接合体の両側にさらにそれぞれガス拡散層を設け、最後に平面状のセパレータで挟みこむことによって作製される平型の単セルを、複数積層することで得られる燃料電池スタックを有するものが開発されてきた。
固体高分子電解質型燃料電池の出力密度向上のために、固体高分子電解質膜としては非常に膜厚の薄いプロトン伝導性高分子膜が用いられている。この膜厚は100μm以下のものが主流であり、さらなる出力密度向上のためにさらに薄い電解質膜を用いたとしても、単セルの厚みを現在のものより劇的に薄くすることはできない。同様に、触媒層、ガス拡散層及びセパレータ等についてもそれぞれ薄膜化が進んでいるが、それらすべての部材の薄膜化によっても、単位体積当たりの出力密度の向上には限界がある。
また、前記セパレータには、通常、腐食性に優れたシート状のカーボン材料を用いる。このカーボン材料自体も高価であるが、さらに、平面状の膜・電極接合体の面全体にほぼ均一に燃料ガス及び酸化剤ガスを行き渡らせるために、前記セパレータの面上には、通常、ガス流路となる溝を微細加工するので、その加工によって、セパレータは非常に高価になってしまい、燃料電池の製造原価を押し上げていた。
以上の問題の他にも、平型の単セルには、前記ガス流路から燃料ガス及び酸化剤ガスが漏れ出さないように積層された複数の単セルの周縁を確実にシールすることが技術的に難しいこと、平面状の膜・電極接合体のたわみや変形に起因して発電効率が低下してしまうことがあることなど、多くの問題がある。
近年、中空状電解質膜の内面側と外面側にそれぞれ電極を設けたセルモジュールを基本的な発電単位とする固体高分子電解質型燃料電池が開発されている。(例えば、特許文献1〜4参照)。
通常このような中空形状のセルモジュールを有する燃料電池では、平型で使用されるセパレータに相当する部材は使用する必要がない。そして、その内面と外面とにそれぞれ異なった種類のガスを供給して発電するので、特別にガス流路を形成する必要もない。従って、その製造においては、製造コストの低減が見込まれる。さらに、セルモジュールが3次元形状であるので、平型の単セルに比べて体積に対する比表面積が大きくとれ、体積当たりの発電出力密度の向上が見込める。
燃料電池の出力密度を向上させるための一手段として、三相界面の制御が考えられる。電極反応は、電極触媒とプロトン伝導性物質が接し、且つ反応ガスが供給される部分、即ち三相界面で起こると考えられるが、従来から三相界面の設計は困難であって、例えば、電極触媒がプロトン伝導性物質中に埋もれ反応ガスの供給が妨げられたり、逆に電極触媒がプロトン伝導性物質から離れた位置に担持され、プロトン伝導性物質からのプロトン供給又はプロトン伝導性物質へのプロトン供与が妨げられたりしていた。これらのことから、高価な貴金属触媒が有効に利用されないという課題があった。
また、アノード側の三相界面での電極反応で発生した電子は、集電部材を通り、カソード側の三相界面に到達し、そこでの電極反応に使われるので、セルモジュールと集電部材との間の導通が良好であることが不可欠である。
セルから導通を取る方法としては、平型の単セルからなるスタックでは、単セル同士を積み重ね、比較的強い圧力を印加して押し合わせる方法が一般的である。そして、その印加される圧力により、前記膜・電極接合体とガス拡散層及びセパレータ間が密着し、効果的に導通されている。
一方、中空形状のセルモジュールは、平型の単セルで集電部材の役割を果し、セルとセルを電気的に接続するセパレータを省いて構成されるため、別途、集電部材を必要とする。
上記特許文献1では、集電部材としてTi線を用い、それをPt担持電極に取り付けることが開示されている。特許文献2に開示されている円柱状の電気化学素子では、その端部同士を導電性接続パターンで電気的に接続していることが開示されている。また、特許文献3に開示されているチューブ状の燃料電池では、触媒層に接続された外部端子が集電部材である。特許文献4では、触媒層にリード線を用いて集電電極を接続することが開示されている。そして、特許文献5では、線状の負極端子、正極端子をそれぞれ取り付けることが開示されている。
特開平9−223507号公報 特開2002−158015号公報 特開2002−260685号公報 特開2002−289220号公報 特開2002−124273号公報
上述したように、中空形状のセルモジュールにおいても、前記三相界面を制御し、その電極触媒を有効に利用できるように設計することは困難である。また、中空形状のセルモジュールは、平型と違い、電極と集電部材の接触性を高めるための面圧を付与しにくい形状及び構造を有するため、導通が不十分となりやすい。
特に特許文献1〜5に記載されているように集電部材として線材を用いる場合には、電極と集電部材の間の接触面積が小さいため、面圧不足により、導通が不十分となる傾向がさらに大きい。
一方、電解質膜として、プロトン伝導性高分子電解質膜を用いる場合、上述したようにアノードで生成するプロトンは、水分子を随伴した状態Hで電解質膜の細孔内を通過し、カソード側へと移動する。そのため、乾燥した電解質膜においては、プロトンの移動が妨げられ、燃料電池の発電性能が低下してしまう。従って、電解質膜は、高い湿潤状態を保つことが重要である。
しかしながら、一般的にプロトン伝導性電解質膜として燃料電池に用いられている電解質膜の細孔のサイズでは、プロトンに随伴してアノード側からカソード側へと電解質膜内を移動してきた水は、飽和蒸気圧の関係で電解質膜から放出され、カソードへと移動してしまう。その結果、電解質膜の湿潤状態を高く保持できない場合がある。
本発明は、上記実情を鑑みて成し遂げられたものであり、中空形状の電解質膜であってその内面及び外面に電極である触媒層を設けたものを基本構成要素とする燃料電池用セルモジュール及び当該セルモジュールを有する燃料電池において、電極触媒の電極反応への有効利用を可能とし、さらには前記中空形状電解質膜のプロトン通過性能及び保水性を高めることを目的とする。
本発明の燃料電池用セルモジュールは、中空形状の電解質膜と、当該電解質膜の中空内面及び外面に設けられた一対の電極を有する燃料電池用セルモジュールであって、前記中空内面又は外面のうち少なくとも一方の電極は、前記電解質膜に配向されるとともに電極触媒を担持したナノ柱状体を有し、前記中空形状の電解質膜はプロトン伝導性電解質膜であり、プロトン通過方向に伸びる細孔を有し、前記一対の電極のうちプロトンを生成する電極との界面における前記細孔の平均径が、他方の電極との界面における平均径よりも大きいことを特徴とするものである。
本発明の燃料電池用セルモジュールは、固体電解質膜に配向させたナノ柱状体上に電極触媒を担持させるので、電極触媒を高密度担持させることが可能である。また、電極触媒を担持したナノ柱状体を、固体電解質膜に配向して電極を構成するようにしたので、発電に際し供給される反応ガスは、電極反応の場となる三相界面付近まで容易に到達し、均一に拡散される。従って、担持された電極触媒を電極反応に有効に利用することができる。
しかも、本発明のセルモジュールに備えられる電解質膜は、プロトンを生成する電極との界面における平均径が、他方の電極との界面における平均径よりも大きい細孔を有している。このような平均径を有する細孔が形成された電解質膜においては、プロトン生成電極からは多くのプロトンが電解質膜内に移動することができる一方、電解質膜内の水分が他方の電極へ移動しにくいため、膜内の湿潤状態を保持することができる。
前記他方の電極への電解質膜からの水分の放出を抑制しつつ、プロトンの移動を妨げないためには、前記他方の電極との界面における細孔の平均径が0.5〜1.0nmであることが好ましく、電解質膜の強度を保持しつつ、前記プロトン生成電極からプロトンの移動を促進するためには、前記プロトン生成電極との界面における細孔の平均径が1.5〜2.0nmであることが好ましい。
以上のような燃料電池用セルモジュールを備えた本発明の燃料電池は、発電効率に優れるものである。
本発明のセルモジュールにおいては、電極上に高密度に担持された電極触媒とその付近の三相界面へ、反応ガスが効率よく到達する。従って、電極触媒が電極反応に有効に働き、高い発電効率を示す。また、本発明のセルモジュールでは、触媒を担持したナノ柱状体が前記固体電解質膜に一端が接合されて配向されている。そして、その他端が集電部材と効果的に接触するので、電極と集電部材及び固体電解質膜の間の電荷の受け渡しがスムーズになる。従って、集電部材とセルモジュールとの間に外部からの面圧を付加しにくい中空形状の固体電解質膜を有するセルモジュールであっても、集電部材との電気的接続を良好にできる。
さらに、本発明のセルモジュールに備えられる電解質膜は、膜内に形成される細孔の径を調節することによって、当該電解質膜の両面に設けられる一対の電極のうちプロトンを生成する電極からは多くのプロトンを膜内の細孔に取り込むことができるが、膜内の細孔に取り込まれた水分子は他方の電極へと放出しにくいため、優れたプロトン伝導性を有すると同時に膜の乾燥を抑制することが可能である。
従って、本発明の中空形状の固体電解質膜を有するセルモジュールは高い発電効率を示し、そのセルモジュールを集合させて形成した燃料電池は、発電効率に優れた燃料電池となる。
本発明の燃料電池用セルモジュールは、中空形状の電解質膜と、当該電解質膜の中空内面及び外面に設けられた一対の電極を有する燃料電池用セルモジュールであって、前記中空内面又は外面のうち少なくとも一方の電極は、前記電解質膜に配向されるとともに電極触媒を担持したナノ柱状体を有し、前記中空形状の電解質膜はプロトン伝導性電解質膜であり、プロトン通過方向に伸びる細孔を有し、前記一対の電極のうちプロトンを生成する電極との界面における前記細孔の平均径が、他方の電極との界面における平均径よりも大きいことを特徴とするものである。
以下、本発明の燃料電池用セルモジュール及びこれを備えた燃料電池を、電解質膜としてプロトン伝導膜の一種である固体高分子電解質膜を用いた場合を例に説明する。尚、ここでは、固体高分子電解質膜としてパーフルオロカーボンスルホン酸樹脂膜を用い、ナノ柱状体としてカーボンナノチューブ、電極触媒として白金を用いる。
まず、図1〜図3を用いて、本発明を適用した燃料電池の一形態を説明する。図1は、本発明において用いられるセルモジュールの一形態例を示す図、図2は、本実施形態のセルモジュールのチューブの長さ方向に沿った切断面を示す断面図、図3は、図2中の点線で囲った領域Aの拡大図である。
図1、図2において、セルモジュール101は、チューブ状の電解質膜(パーフルオロカーボンスルホン酸樹脂膜)1を有し、アノード(燃料極)2が電解質膜1の中空内面側に、カソード(酸化剤極)3が電解質膜1の中空外面側に形成されている。本実施形態において、プロトン(H)は、アノード2で生成し、電解質膜1内を通常、Hの状態でカソード3側へと移動する。アノード2の内側には、アノード2に供給される反応ガスが流入する中空部(通常、水素ガス等の燃料ガスの流路)5が形成されている。中空内面側に設けられたアノード2は中空部5内を通流する燃料ガス(水素ガス)と、中空外面側に設けられたカソード3はセルモジュールの外表面を通流する酸化剤ガス(空気)と接することによって、それぞれの電極2,3に反応ガスが供給される。アノード2及びカソード3には、スプリングワイヤからなる集電体6,7がそれぞれ接続されており、集電体6,7の一端は出力端子として機能する。
ここでは、チューブ状電解質膜の内面側にアノード、外面側にカソードが設けられているが、各電極の配置は特に限定されるものではなく、内面側にカソード、外面側にアノードが設けられてもよい。また、反応ガス(酸化剤ガス、燃料ガス)の流通方向も特に限定されるものではない。また、図2において、セルモジュールの中空部は、セルモジュールの両端が開口し、その一方が中空部へのガス入口、他方が中空部からのガス出口となる構造を有しているが、セルモジュールの一端のみで開口し、そこから中空内へガスを供給する構造(いわゆるデッドエンド)を有するものであってもよい。
図3に示すように、電解質膜1には、アノード2側からカソード3側へと延在する細孔4が複数形成されている。細孔4は、プロトンを生成するアノード2と電解質膜1との界面における平均径が、カソード3と電解質膜1との界面における平均径よりも大きくなるようなテーパー形状を有している。
ここで、細孔の径とは、個々の細孔に対して最小二乗法に従って特定される真円の径であり、細孔の平均径とは、複数の細孔の径(長径と短径の平均値)の平均値(細孔の径の和/細孔の数)である。
本発明の燃料電池用セルモジュールは、以上のように電解質膜1におけるプロトン通過方向に伸びる細孔4の平均径が、電解質膜1へのプロトンの入口となるアノード2との界面において大きく、プロトンの電解質膜1からの出口となるカソード3との界面において小さいことを特徴とする電解質膜を備えるものである。このように細孔のプロトン入口側の平均径を大きくすることによって、より多くのプロトンが電解質膜に入り込み、カソード側へと移動することができる。一方、細孔のプロトン出口側の平均径を小さくすることによって、水和した状態のプロトンHがそのまま電解質膜から抜け出てしまうことを抑制し、HOを電解質膜内に留め、プロトンをHの状態でカソードへと移動させることができる。
すなわち、上記のように電解質膜の細孔の平均径を、電解質膜へのプロトンの入口となるアノードとの界面において大きく、電解質膜からプロトンの出口となるカソード3との界面において小さくすることによって、多くのプロトンをアノード側からカソード側へと移動させることができると同時に、プロトンに随伴して電解質膜内を移動する水分子はカソードとの界面においてプロトンから引き離し、電解質膜内に留めることが可能である。従って、本発明のセルモジュールはプロトン伝導性に優れ、しかも、電解質膜の乾燥によるプロトン伝導性の低下を防止することが可能である。
プロトンHのカソードへの移動を妨げることなく、且つ、水分子のカソードへの放出を抑制するためには、電解質膜とカソードとの界面における細孔の平均径は、0.5nm〜1.0nmであることが好ましく、特に、細孔径の分布が、上記範囲内の平均径を有し、且つ、該孔の平均径を中心とする正規分布の1σ以内の範囲内(すなわち±1σの範囲内)に0.1〜1.5nmの細孔径を有する細孔が集中していることが好ましい。
一方、より多くのプロトンをアノード側から電解質膜内へと取り込むことができるように、電解質膜とアノードとの界面における細孔の径は大きいほど良いが電解質膜の強度の点から、電解質膜とカソードとの界面における細孔の平均径は、1.5nm〜2.0nmであることが好ましく、特に、細孔径の分布が、上記範囲内の平均径を有し、且つ、該孔の平均径を中心とする正規分布の1σ以内の範囲内に1.0nm〜2.5nmの細孔径を有する細孔が集中していることが好ましい。
細孔4の径の測定方法は、特に限定されない。例えば、電子顕微鏡で細孔4の寸法を測定し、最小二乗法に従って最も近い真円の径を算出する方法が挙げられる。そして、細孔の平均径は、最低1万個以上の細孔をランダムに抽出し、上記方法によって電解質膜の各面における個々の細孔径を算出し、該各面における細孔径の和を測定した細孔の数で割って求めることができる。さらに、水銀圧入法またはN(窒素ガス)吸着法によっても測定することが可能である。
また、本発明において、上記範囲内の径を有する細孔を有する電解質膜を用いる場合には、ナノ柱状体がその細孔にちょうどはまり込んで固定することができるので、ナノ柱状体が配向状態を保ったまま接合されやすくなるという効果もある。
また、電解質膜の細孔の容積は0.1〜0.5cm/g、特に0.2〜0.3cm/gであることが好ましい。
尚、本実施形態においては、電解質膜1の細孔は、アノード側からカソード側に向かって滑らかに傾斜したテーパー形状を有しているが、本発明において電解質膜に形成される細孔は、プロトン生成電極(本実施形態においてはアノード2)との界面における平均径が他方の電極(本実施形態においてはカソード3)との界面における平均径よりも大きい形状を有するものであれば、その形状は特に限定されるものではない。例えば、上記他方の電極との界面付近で急激にその径が小さくなるような形状であってもよいし、電解質膜内部において複雑に曲がりくねった形状であってもよい。
本実施形態においては、電解質膜としてパーフルオロカーボンスルホン酸樹脂膜を用いているが、本発明における電解質膜はこれに限らず、その他のフッ素系イオン交換樹脂膜を用いることができる。フッ素系イオン交換樹脂膜としては、一部又は全部の水素がフッ素で置換されたポリオレフィン骨格を有する重合体で、且つ、側鎖にプロトン交換基を有するものが好適である。好ましいプロトン交換基としては、スルホン酸基、ホスホン酸基、及び、リン酸基などが挙げられる。特に好ましいフッ素系イオン交換樹脂は、パーフルオロカーボンスルホン酸樹脂である。パーフルオロカーボンスルホン酸樹脂には、例えば米国デュポン社製ナフィオン(商品名)や旭硝子社製フレミオン(商品名)等のように市販されているものもある。
上記フッ素系イオン交換樹脂膜を形成する重合体の重量平均分子量は、耐久性の観点から、5000以上であることが好ましい。
本発明に係るセルモジュール101は中空形状であり、従来の平型の単セルに比べて比表面積が大きいので、フッ素系イオン交換樹脂膜よりプロトン伝導度の低い固体電解質膜を用いても対体積比での出力密度の大きい燃料電池を作製することができる。従って、様々なプロトン伝導性を有する固体電解質膜を適用できる。
具体的にプロトン伝導性を有する固体電解質膜の例を示すと、スルホン酸基を有するポリスチレン系陽イオン交換膜等などのポリオレフィンのような炭化水素を骨格として少なくともスルホン酸基、ホスホン酸基、及び、リン酸基等のプロトン交換基のうちから一種を有するもの、特表平11−503262号公報などに開示されている、ポリベンズイミダゾール、ポリピリミジン、ポリベンゾオキサゾールなどの塩基性高分子に強酸をドープした塩基性高分子と強酸との複合体からなる固体ポリマー電解質膜、ハイドロゲル化リン酸ガラス(春日敏宏、燃料電池、VOL.3 No.3 2004等参照)などの無機質のプロトン伝導体などが挙げられる。また、多孔質ガラスの細孔中に有機化合物を導入しプロトン伝導性を付与したもの(蔵岡孝治、菊川敬、矢澤哲夫、化学と工業、第57巻、第1号、41頁、2004年)などの有機−無機ハイブリッド固体電解質膜とするものも使用可能である。
パーフルオロカーボンスルホン酸樹脂膜1の細孔径や細孔容積は、例えば、高分子中の親水性基含有モノマーユニットと疎水性モノマーユニットとの含有割合を変えたり、高分子鎖中でのそれらのモノマーユニットの配列を変化させたりすることで制御することができる。また、多孔質ガラスの細孔中に有機化合物を導入しプロトン伝導性を付与した電解質膜の細孔径や細孔容積は、例えば、分相法によって制御することができる。分相法は、組成の異なる2種類のガラス相に分相するガラスを用いて多孔質ガラスを作製する方法であり、熱処理による分相によって生成した2相のうち、一方の相を酸や熱水によって溶解除去することによって、細孔(空隙)を形成し、微細な細孔を多数有する多孔質ガラスを作製することができる。分相法において、細孔の径や細孔容積は、熱処理の時間や温度、温度勾配によって制御が可能である。具体的には、例えば、分相現象を起こすような膜状のガラスにおいて一方の面と他方の面との熱処理温度を変えることによって、熱処理温度が高い面側では大きな径を有する細孔、熱処理温度が低い面側では小さな径を有する細孔を形成することが可能である。
電解質膜の細孔の形成方法は上記した方法以外にも、例えば、ナノサイズの凸部を有するアルミナやゼオライト等の多孔体及びナノチューブ等を用いた鋳型加工、X線や電子線やレーザー等の照射による機械加工、その他一般的に用いられている微細加工等の方法を用いることができる。
本発明のセルモジュールにおいて、電解質膜は、その形状が中空形状であるという特徴があり、特に本実施形態ではチューブ状である。中空形状であることで、様々な利点が得られる。特に大きな利点はセパレータが不要であること、及び、発電に有効な電極面積が大きくとれることである。
チューブ状電解質膜の外径は特に制限されるものではないが、0.01〜10mmであることが好ましく、0.1〜1mmであることがさらに好ましく、0.1〜0.5mmであることが特に好ましい。チューブ状電解質膜の外径が0.01mm未満のものは、現時点では技術的な問題で製造することが難しく、一方、その外径が10mmを越えるものでは、占有体積に対する表面積が小さくなることとなって、得られるセルモジュールの単位体積当たりの発電出力が小さくなってしまうので好ましくない。
パーフルオロカーボンスルホン酸樹脂膜は、プロトン伝導性の向上の点からは薄い方が好ましいが、あまりに薄すぎるとガスを隔離する機能が低下し、非プロトン水素の透過量が増大してしまう。しかしながら、従来の平型の燃料電池用単セルを積層した燃料電池と比べると、本発明に係る中空形状のセルモジュールを多数集めることにより作製された燃料電池では発電に有効な電極面積が大きくとれるので、やや厚みのある膜を用いた場合でも充分な出力を示す。かかる観点から、パーフルオロカーボンスルホン酸樹脂膜の厚みは、10〜100μmであり、より好ましくは50〜60μmであり、さらに好ましくは50〜55μmである。
また、上記の外径と膜厚の好ましい範囲から、内径の好ましい範囲は0.01〜10mmであり、より好ましくは0.1〜1mmであり、さらに好ましくは0.1〜0.5mmである。
本実施形態は、電解質膜1の内面及び外面に、電極触媒(白金)9を担持するナノ柱状体(カーボンナノチューブ)8が配向された状態で接合され、アノード2及びカソード3が形成されている。このように電解質膜に配向させたカーボンナノチューブ8上に電極触媒9を担持させることによって、電極触媒9を高密度担持させることが可能である。また、燃料電池での電極反応は、電極触媒とプロトン伝導性物質とが接しさらに反応ガスが供給される部分、即ち三相界面にて起こるが、このセルモジュールでは、電極触媒9を担持したカーボンナノチューブ8を、電解質膜1に配向して電極2,3を構成するようにしたので、発電に際し供給される反応ガスは、三相界面付近まで容易に到達し、均一に拡散される。従って、担持された電極触媒を電極反応に有効に利用することができる。
尚、本実施形態においては、アノード2及びカソード3が共に、電極触媒を担持したカーボンナノチューブを電解質膜の膜面に配向させた構造を有しているが、本発明においては、少なくとも一方の電極が上記のような構造を有していればよいものである。
図3においては、電解質膜1の膜面にほぼ垂直に、カーボンナノチューブ8がその一端で接合して配向されている。カーボンナノチューブ(ナノ柱状体)8が電解質膜1の膜面に略垂直に配向されているようにすることで、よりガス供給が良好に行われるようになり、担持された電極触媒(白金)を電極反応に有効に利用することができ、且つ、セルモジュールと集電部材との電気的接続をより良好にすることができるため好ましい。
電解質膜1に接合されているカーボンナノチューブ8のうちの一部は、電解質膜1に突き刺さるか又は単にその上に位置することで接合されているが、残りの一部は電解質膜1に形成されている細孔4にはまり込んだ状態で接合されている。細孔4にはまり込んだこれらのカーボンナノチューブ8は、ただ単にそれら自身がより強固に接合されているのみならず、他のただ単に膜上に位置しているカーボンナノチューブ8を支えることによって、それらの配向状態をも安定に保っている。
カーボンナノチューブ8は、200μm以上の長さとするのが望ましい。該長さが200μm未満になるとチューブ状電解質膜1と集電部材6,7との間隔が狭くなりすぎるため、反応ガス成分の供給、拡散量が低下して発電効率が低下することがある。
本実施形態ではナノ柱状体として、カーボンナノチューブ(CNT)8を用いた例を示したが、本発明においてナノ柱状体は、例えばナノガラスなどナノサイズの径を有する細長い形状の微細構造を持つ物質ならばなんでもよい。寸法は一般的には、軸方向に細長い形状を有し、横断面の径(横断面が真円でない場合には、各ナノ柱状体の横断面に対して、最小二乗法に従って特定される真円の径)が1nm以下で、軸方向長さと径のアスペクト比は10以上のものであることが好ましい。このように、ナノサイズ径をもつ細長い形状の物質(ナノ柱状体)に触媒が担持されていると、その表面での担持量が多くなる。
さらに、本発明では、ナノ柱状体を中空電解質膜に配向しているので、ナノ柱状体全体が中空電解質膜に埋もれてしまうことがなく、電極反応に有効な触媒表面が大きい。このようなナノ柱状体としては、単層及び多層のカーボンナノチューブやカーボンナノホーン、ガラスナノ柱状体、セラミックナノ柱状体、金属ナノ柱状体、高分子ナノ柱状体等が挙げられる。そして、単層及び多層構造カーボンナノチューブ又はカーボンナノホーンは高い電気伝導性を合わせ持つことから好ましく、カーボンナノチューブ等のナノチューブが特に好ましい。
カーボンナノチューブ8は、アーク放電法やレーザー蒸着法、カーボンナノチューブを生成するための触媒金属(以下、「CNT生成触媒金属」という)を用い、これに炭化水素系ガスや水素系ガスを供給する等して合成するCVD法、高温・高圧条件下において一酸化炭素の不均化反応(CO+CO→C+CO)を起こさせて合成するHiPco法(P. Nikolaev, M.J.Bronikowski, R.K. Bradley, F. Rohmund, D.T. Colbert, K.A. Smith, R.E. Smalley, Chem. Phys. Lett. 313 (1999) 91-97.等参照)など、公知の合成法を利用して生成することができる。
カーボンナノチューブ8の各々には、その外壁面に電池反応を担う電極触媒9として白金(Pt)が担持されている。直線状のカーボンナノチューブ8を担体とすることで、表面積が広く確保されて電極触媒9が高密度担持されると共に、発電中に水が過剰に発生する条件下でも、ガスの三相界面への供給、拡散性が得られ、大きな電圧低下(濃度過電圧)が生じないようになっている。
本実施形態の電極触媒9はPtであるが、本発明に係るセルモジュール101は中空形状であり、従来の平型の単セルに比べて比表面積が大きいので、Ptより活性の低い触媒を用いても対体積比での出力密度の大きい燃料電池を形成することができる。従って、触媒材料としては、アノード(燃料極)における水素の酸化反応及び/又はカソード(空気極)における酸素の還元反応に触媒作用を有するものであれば良く、白金(Pt)、ルテニウム(Ru)、イリジウム(Ir)、ロジウム(Rh)、パラジウム(Pd)、オスニウム(Os)、タングステン(W)、鉛(Pb)、鉄(Fe)、クロム(Cr)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、マンガン(Mn)、バナジウム(V)、モリブデン(Mo)、ガリウム(Ga)、アルミニウム(Al)等の金属、又はそれらの合金から選択することができる。好ましくは、Pt、及びPtと例えばRuなど他の金属とからなる合金である。
なお、カーボンナノチューブ8の表面へのPt(電極触媒)9の担持は、例えば、塩化白金酸や白金硝酸溶液等の白金薬液のアルコール等の溶剤希釈液などを用いて行うことができ、その詳細については後述する。
図3に示すように、電極触媒9が担持されたカーボンナノチューブ8の外周には、更にパーフルオロカーボンスルホン酸樹脂溶液(例えば、Aldrich Chemical社製、ナフィオン)等のプロトン伝導性物質(プロトン伝導性物質層10)が配置されていることが好ましい。ナノ柱状体の表面にプロトン伝導性物質層10を設けることによって、電池反応でのプロトンの伝導性及びフッ素系プロトン伝導性電解質膜である電解質膜1との接合強度が確保されるようになっている。
本実施形態では、このように、プロトン伝導性物質としてパーフルオロカーボンスルホン酸樹脂を用いているが、本発明においてナノ柱状体表面に配置されるプロトン伝導性物質は特に限定されず、プロトン伝導性を有するポリマーや無機物を広く用いることができる。好ましくは、含フッ素高分子を骨格として少なくともスルホン酸基、ホスホン酸基、及び、リン酸基等のプロトン交換基のうちから一種を有するポリマーがある。また、スルホン酸基を有するポリスチレン系陽イオン交換膜等などのポリオレフィンのような炭化水素を骨格として少なくともスルホン酸基、ホスホン酸基、及び、リン酸基等のプロトン交換基のうちから一種を有するものや、特表平11−503262号公報などに開示されている、ポリベンズイミダゾール、ポリピリミジン、ポリベンゾオキサゾールなどの塩基性高分子に強酸をドープした塩基性高分子と強酸との複合体からなる固体ポリマー電解質膜等も使用できる。
無機物としては、スルホン化したリン珪酸ガラス、ほう珪酸ソーダガラス又はγ−アルミナなどが挙げられる。特に好ましいプロトン伝導性物質は、ナフィオン(商品名、デュポン社製)などのパーフルオロスルホン酸系ポリマー、ポリスチレンスルホン酸、リン珪酸ガラス、ほう珪酸ソーダガラス及びγ−アルミナ等である。
また、カーボンナノチューブ8上のプロトン伝導性物質層(プロトン伝導性物質)10の上には更にポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等の撥水化剤よりなる撥水層11を設け、電池反応で生じた生成水などの排出性が確保できるようにすることが好ましい。撥水層11はプロトン伝導性物質層10の表面の少なくとも一部に形成されていればよく、さらに、一部の撥水化剤がプロトン伝導性物質層10内部に侵入していてもよい。
撥水化材としては、フッ素系樹脂の少なくとも一種を適宜選択して用いるのが好適であるが、特に限定されるものではない。上記のポリテトラフルオロエチレン以外に、例えば、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリテトラフルオロエチレン、パーフルオロアルコキシアルカン、エチレン−テトラフルオロエチレンポリマー等も効果的な化合物として挙げることができる。また、複数種を併用してもよい。
以上のように構成されたセルモジュール101は、導電性接着剤12を用いて集電部材6,7と接合されることが好ましい。導電性接着剤としてはAgペーストなどが好適である。
図1〜3に示すように、電極2,3と集電部材6,7とが接触する領域に、カーボンナノチューブ8(ナノ柱状体)の少なくとも一部が設けられている燃料電池用セルモジュールにおいては、カーボンナノチューブ8が電解質膜1に配向され、その一端が接合され、且つ、その他端が集電部材6,7と効果的に接触している。従って、集電部材6,7とセルモジュール101との間に外部からの面圧が付加されておらず、しかも、スプリングワイヤ状の集電部材6,7が、セルモジュール101と線接触しており、その接触面積は少ないにも関わらず、セルモジュール101と集電部材6,7との電気的接続は良好である。
アノード側集電部材6及びカソード側集電部材7は、例えば金属製のワイヤをコイル状に巻くことで製造することができる。使用する金属としては、例えば、Al、Cu、Fe、Ni、Cr、Ta、Ti、Zr、Sm、In等の中から選ばれる少なくとも1種以上の金属、又はステンレス鋼などのそれらの合金が好ましい。また、その表面がAu、Pt、導電性樹脂等によりコーティングされていても良い。特に耐蝕性に優れることから、ステンレスやチタンが好ましい。そして、ワイヤの太さやコイルの巻き数は特に制限されるものではない。
アノード側集電部材6を製造する時に、そのコイルの外径を、チューブ状の電解質膜1の内径よりも、わずかに大きくしておくことが好ましい。わずかに大きいアノード側集電部材6を電解質膜1の中空部内に挿入することで、圧力がわずかに印加された状態で集電部材6とアノード2とが接触することになるので、アノード側集電部材6が中空部内に固定され、且つ、アノード側集電部材6とアノード2との電気的な接続状態が良好になる。
また、カソード側集電部材7を製造する時に、そのコイルの内径を、チューブ状電解質膜1の外径よりも、わずかに小さくしておくことが好ましい。わずかに小さいカソード側集電部材7を、アノード側集電部材6を取り付けた電解質膜1の外側に取り付けることで、圧力がわずかに印加された状態で集電部材7とカソード3とが接触することになるので、カソード側集電部材7がセルモジュールの外面に固定され、且つ、カソード側集電部材7とカソード3との電気的な接続状態が良好になる。
本実施形態では、このようにスプリングワイヤ形状の集電部材6、7を使用しているが、形状はスプリングワイヤ状に限られず、電気伝導性材料からなるものであればその形状は任意である。従って、線状でも筒形状でもよく、例えば、直線状金属ワイヤからなるものや、金属シート又はカーボンシート等のシート材料からなるものなどが適用できる。また、チューブ状のセルモジュールの内側に通気性を保つ程度に導電性粒子を詰めてアノード側集電部材としてもよく、さらには、セルモジュールの外側のケーシング(図示しない)に導電性粒子を詰めてカソード側集電部材としてもよい。
以下、CNT生成触媒担持体を用いて単層カーボンナノチューブを合成する場合を例に、カーボンナノチューブの生成方法の一例を示す。
まず、必要に応じて、基体洗浄工程を行う。基体洗浄工程では、カーボンナノチューブを生成させるために使用する基体(基板等)の表面を洗浄する。例えば、基体である基板を真空にした電気炉中で加熱処理することにより洗浄を行うことができる。
次に、CNT生成触媒担持工程を行い、基体にCNT生成触媒金属を担持させてカーボンナノチューブの生成に用いるCNT生成触媒担持体を作製する。具体的な方法については特に制限はなく、例えば、所望の基体の上に蒸着などによりFe等の所望のCNT生成触媒金属を均一に微粒化して担持させることでCNT生成触媒担持体とすることができる。
CNT生成触媒金属としては、Fe以外にPd、Co、Ni、W、Mo、Mn又はこれらの合金などが挙げられる。基体としては、Al、Ni、ステンレス、Si、SiC、ゼオライト、活性炭(C)等が挙げられる。CNT生成触媒担持体用の基体は任意形状のものが使用できる。中空形状の固体電解質膜の中空部内に電極触媒層(アノード又はカソード)を設ける場合には、CNT生成触媒担持体のための基体としては、該中空部の径より小さい外径を有する棒状体が好ましい。また、中空形状の固体電解質の外面に電極触媒層(カソード又はアノード)を設ける場合には、CNT生成触媒担持体のための基体としては、シート又は板状体が好ましい。
本発明では、基体の上に蒸着によりFeからなるCNT生成触媒金属を所望の厚み(4nm)となるように均一に担持させてCNT生成触媒担持体を作製する。
次に、カーボンナノチューブ生成工程を行う。カーボンナノチューブ生成工程では、CNT生成触媒担持体を真空の空間に配置すると共にカーボンナノチューブの生成に適した所定温度に加熱された状態とし、該CNT生成触媒担持体に原料ガス(炭化水素系ガス、アルコール系ガス、及び水素系ガス等)を供給することで、前記CNT生成触媒担持体上にカーボンナノチューブを生成させる。
原料ガスの供給にあたり原料ガスの流量や反応温度、滞在温度を調整する、CNT生成触媒金属の大きさ(粒子径)を変える、あるいは生成されたカーボンナノチューブを更に1500〜1850℃の温度領域で加熱する、等することによって形成するカーボンナノチューブのチューブ径を制御することができる。また、原料ガスを例えばイオン銃等を用いてイオン化するなど、原料ガスの性状を生成させようとするカーボンナノチューブの層構造や径、長さ等の形状、配向性に合わせて制御することも有用である。
CNT生成触媒担持体の表面における原料ガスの流速は、2mm/sec以上とすることが好ましい。このような流速で原料ガスを供給することによって、長さが200μm以上のカーボンナノチューブを効率よく生成させることができる。
原料ガス供給時のCNT生成触媒担持体の温度は、400℃以上とすることが好ましい。CNT生成触媒担持体の温度が上記範囲であると、量産可能な生成速度を達成でき、また、径や長さ、配向性の均一なカーボンナノチューブを安定的に生成させることができる。特にCNT生成触媒担持体の温度を500℃〜1000℃とすることによって、均質なカーボンナノチューブをより効率よく生成させることができる。また、本工程における真空状態としては、一般に10−3〜10Pa程度が望ましい。
原料ガスには、炭化水素系ガスやアルコール系ガス(CH系ガス)、水素ガス(H系ガス)が含まれる。具体的には、炭化水素系ガス及びアルコール系ガスから選択される少なくとも一種、あるいは炭化水素系ガス及びアルコール系ガスから選択される少なくとも一種と水素系ガスから選択される少なくとも一種の両方を(場合によりガス化して)用いることができる。前記炭化水素系ガスの炭化水素成分としては、炭素数1〜6の炭化水素(例えばメタン、エタン、アセチレン、ベンゼン等)が好適に挙げられ、前記アルコール系ガスとしては、例えばメタノール、エタノール等が好適に挙げられる。CH系あるいはH系の原料が液相もしくは固相状態である場合には、予め気相にして供給することができる。また、CH系ガスとH系ガスとの混合系の場合、その混合比(CH系:H系)は、1:1〜1:20(分圧比あるいは流量比)が好ましい。
また、前記カーボンナノチューブ生成工程の後、必要に応じて、前記カーボンナノチューブ生成工程で生成させたカーボンナノチューブやカーボンナノチューブが生成されたCNT生成触媒担持体の後処理工程を行う。具体的には、以下の工程等を行うことができる。例えば、生成されたカーボンナノチューブに対し、更に1500〜1850℃で加熱することによりチューブ径を調整する処理を行うことができる。さらに、カーボンナノチューブを空気中で再び500〜600℃程度に加熱(空気酸化処理)したり、あるいは塩酸、王水等を用いた酸処理などを行うことにより、チューブ端を開口(キャップオープン)させることができる。また、前記酸処理では、前記キャップオープンさせる処理に加えて、カーボンナノチューブの生成後に行うCNT生成触媒金属の除去処理、付着したアモルファスカーボン等の煤を除去する処理、などを行うことが可能である。
次に図1〜図3で示されるセルモジュール101の作製方法の一例を以下に示す。
セルモジュール101は、例えば、上記したような細孔を複数有するチューブ状の電解質膜1を用意し、CNT生成触媒担持体に生成したカーボンナノチューブ8にPt(電極触媒)9を担持する電極触媒担持工程と、Ptが担持されたカーボンナノチューブ8を電解質膜1に転写する転写工程とを、行うことによって作製される。また、カーボンナノチューブ8の上にプロトン伝導性物質層10を配置し、さらにその上に必要に応じて撥水化材11を設ける付与工程は、必要に応じて、前記電極触媒担持工程と転写工程との間、又は、前記転写工程の後に行うことができる。
電極触媒担持工程では、CNT生成触媒担持体に生成させたカーボンナノチューブ8に電極触媒(Pt)9を担持させる。カーボンナノチューブ8の表面へのPtの担持は、湿式法、乾式法のいずれの方法によっても行うことができる。湿式法による場合には、エタノール等のアルコール中に塩化白金酸や白金硝酸溶液等の白金薬液を適量溶解させた溶液を付与した後、水素雰囲気中で150℃以上に加熱処理する方法が望ましい。上記溶液のカーボンナノチューブ表面への付与は、例えば、上記溶液中にカーボンナノチューブ8を浸漬する、あるいはカーボンナノチューブ8の表面に上記溶液を滴下、噴霧(スプレー)等するなどして好適に行うことができる。また、乾式法による場合には、電子ビーム蒸着法やスパッタリング法、静電塗装法などが望ましい。
次に、必要に応じて、Ptが担持されたカーボンナノチューブ8にプロトン伝導性物質(パーフルオロカーボンスルホン酸樹脂)を付与して層厚約10nmのプロトン伝導性物質層10を形成する付与工程を行う。この場合、その後の転写においてPtが担持され且つプロトン伝導性物質層10が設けられたカーボンナノチューブ8が転写される。
また、付与工程を設けるときには、上記のようにプロトン伝導性物質層10を形成すると共に、形成されたプロトン伝導性物質層10上にさらにポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等の撥水化材溶液を付与して撥水層11が更に設けられることが好ましい。この場合には、その後の転写工程において、Ptが担持され且つプロトン伝導性物質層10及び撥水層11が設けられたカーボンナノチューブ8が転写される。
付与工程でのプロトン伝導性物質層10及び撥水層11の形成は、パーフルオロカーボンスルホン酸樹脂溶液(プロトン伝導性物質の溶液)及びPTFE溶液(撥水化材の溶液)を用い、塗布法、浸漬法などの公知の方法により行うことができる。精細なカーボンナノチューブの一本一本の表面に均一に付与できる点で浸漬法が特に好ましい。
本実施形態では、パーフルオロカーボンスルホン酸樹脂がプロトン伝導性物質であり、予め重合体であるものを溶媒に溶解させ、その溶液を塗布後乾燥することでプロトン伝導性物質層10を設けているが、他の物質及び他の形成方法で、プロトン伝導性物質層10を設けても良い。例えば、前記付与工程で、パーフルオロカーボンスルホン酸樹脂溶液の代わりに、スチレンスルホン酸モノマーの溶液を用意し、各種重合開始剤等の添加物を必要に応じて加えた重合組成物溶液を用い、当該重合組成物溶液をカーボンナノチューブ8を生成させたCNT生成触媒担持体に塗布し、必要に応じて乾燥させた後、紫外線などの放射線の照射又は加熱により重合させることでプロトン伝導性物質層10を形成してもよい。このように、カーボンナノチューブ8の表面に、いわゆる「オンサイト重合」で形成したプロトン伝導性物質層10は密着性に優れるので好ましい。このオンサイト重合により形成されたプロトン伝導性物質層10上にも、撥水化材溶液を塗布し、撥水層11を設けることが好ましい。
転写工程では、Ptが担持されたカーボンナノチューブ8をCNT生成触媒担持体から電解質膜1へ転写する。転写は、カーボンナノチューブ8をCNT生成触媒担持体に生成させた配向状態のまま、CNT生成触媒担持体と接しない側の端部が電解質膜1と接するように配置し、両者を加熱及び加圧処理して接合体とした後、この接合体からCNT生成触媒担持体を剥離除去することによって行うことができる。
本工程での加熱及び加圧処理は、例えばホットプレス法など、加圧可能な一対の熱板等を用いて行うことができる。パーフルオロカーボンスルホン酸樹脂膜1との接合性の観点から、ここでの加熱温度は110〜130℃程度、加圧は1〜2MPa程度が好ましい。
本実施形態のチューブ状の電解質膜1の中空内部にカーボンナノチューブ8を転写する場合には、電解質膜1の中空部内径より外径が小さい棒状の基体上にカーボンナノチューブを形成し、それを電解質膜1の中空内部に挿入しながら、棒状基体に電解質膜1を押し付け、さらに必要に応じ熱を加えることで転写する。
電解質膜1の外面に対しては、シート状基体上にカーボンナノチューブを形成し、そのシートのカーボンナノチューブ面を内側にして前記電解質膜1を圧力を加えながら巻き込み、必要に応じて加熱して転写する。
上記のように加熱及び加圧した後、CNT生成触媒担持体を剥離除去することで転写が完了する。このような転写工程によれば、生成時の配向状態をほぼ維持したまま、カーボンナノチューブ8が電解質膜1に接合される。そのため、カーボンナノチューブ生成工程において生成されたカーボンナノチューブ8が、CNT生成触媒担持体の担持面に対しほぼ垂直に直線状に生成されているときには、これを転写することで電解質膜1の膜面に対しほぼ垂直な状態で、直線状のカーボンナノチューブ8を設けることが可能である。このようにほぼ垂直に配向させる技術として、特願2002−51391号に記載の方法や、「基板上に合成されたカーボンナノチューブを熱可塑性材料への転写によりほぼ垂直に配向させる方法」を応用することができる。
このようにして作製したセルモジュール101から電気を効率よく取り出すために、アノード側集電部材6及びカソード側集電部材7を取り付ける。この取り付け工程では、導電性接着剤12を併用し、セルモジュール101と集電部材6,7との密着性及び電気的接続状態を高めることが好ましい。
導電性接着剤12は、取り付ける前に予めセルモジュール101のアノード2上(内面側)及びカソード3上(外面側)或いはアノード側集電部材6及びカソード側集電部材7に塗布する。この塗布は公知の方法で行える。
そして、前記チューブ状の電解質膜1の内径よりも、そのコイルの外径をわずかに大きく作製したスプリングワイヤ状のアノード側集電部材6を、コイルの巻き方向に絞ることで、そのコイルの見かけの外径を小さくしながらチューブ状電解質膜1の中空部内に挿入する。次にコイルを絞っていた力を開放することで、前記セルモジュール101の内面側に圧力がわずかに印加された状態で固定できる。こうすることによって、アノード側集電部材6とアノード2を電気的に接続する。
次に、前記チューブ状の電解質膜1の外径よりも、そのコイルの内径をわずかに小さく作製したスプリングワイヤ状のカソード側集電部材7を、コイルの巻きとは反対方向にねじり、そのコイルの見かけの内径を大きくしながら、そのコイル内に、前記アノード側集電部材6を組み込んだセルモジュール101を挿入する。次にコイルをねじっていた力を開放することで、前記セルモジュール101の外面側に圧力がわずかに印加された状態で固定できる。こうすることによって、カソード側集電部材7とカソード3を電気的に接続する。
以上説明した本実施形態のチューブ状(中空形状)のセルモジュール101では、その内側にアノード2、外側にカソード3が形成されているので、チューブ状セルモジュール101内部に水素を含む燃料ガス又はメタノール等の液体燃料、チューブ外部に酸素を含む酸化剤ガスを供給することで発電する。これに対し、逆に内側にカソード、外側にアノードを形成し、チューブ状セルモジュール内部に酸素を含む酸化剤ガス、チューブ外部に水素を含む燃料ガス又はメタノール等の液体燃料を供給することで発電することもできる。
以上のようにして集電部材6,7が取り付けられたセルモジュール101は、複数集合させて、並列又は直列につないでセルモジュール集合体とし、さらにそのセルモジュール集合体を並列又は直列につないで用いることができる。
尚、本発明においては、カーボンナノチューブに比べ、電気伝導性に劣るナノガラスなどのナノチューブを用いる場合でも、セルモジュールと集電部材との電気的接続は良好である。その理由は次のように推測される。
ナノチューブは、微視的には固体電解質膜と集電部材間にほぼ垂直に多数乱立している。しかも、このナノチューブ表面は良好な水の伝達路として作用しうる。ナノチューブ上で集電部材の近傍にある電極触媒は、ナノチューブ表面からイオンを供給され気相から反応ガスを供給されることで電極反応を行い、発生した電荷は集電部材へとホッピング等の機構で移動する。つまり、ナノチューブにより、集電部材の近傍に反応場が形成されることで、生じた電荷がホッピング等によりすぐに集電部材に移動できるので、セルモジュールと集電部材との電気的接続が良好になっていると考えられる。
本発明のセルモジュールは、上記セルモジュール101において、その中空内面側(アノード側)及び外面側(カソード側)に更に拡散層を設け、電極2,3を触媒層と拡散層とで構成するようにする(セルモジュール102)こともできる(図4、5参照。図5は、図4中の領域Bの拡大図)。この場合、セルモジュール102はチューブ状の電解質膜1と、その中空内面側にカーボンナノチューブ8を配向させてなるアノード触媒層13と、外面側にカーボンナノチューブ8を配向させてなるカソード触媒層14と、アノード触媒層13を介してチューブ状の電解質膜1の内面側に設けられたアノード拡散層15と、カソード触媒層14を介してチューブ状の電解質膜1の外面側に設けられたカソード拡散層16で構成されている。
アノード拡散層15及びカソード拡散層16としては、電気伝導性の多孔質体が利用できる。例えば、カーボンクロス、カーボンペーパー、カーボンフェルト及びそれらを撥水化処理したもの;Ti、Al、Cu、Fe、Ni、Cr、Ta、Ti、Zr、Sm、Inの中から選ばれる少なくとも1種以上の金属又はステンレス鋼などのそれらの合金から形成される多孔質金属及びそれらの表面がAu、Pt、導電性樹脂等によりコーティングされたもの;などが挙げられる。
これら拡散層15,16は構造部材としても働くので、セルモジュール102が頑丈になり耐久性が向上する。
セルモジュール102を作製する方法としては、チューブ状のアノード拡散層15を先に形成し、次にその外面側にナノチューブ8を転写することで、拡散層/ナノチューブ層中間体を作製する。この拡散層/ナノチューブ層中間体の外面側(ナノチューブ層側)に電解質膜1を溶液からの塗布法や、固体膜を接合することで設ける。さらにその外面側にナノチューブ8を転写する。そして、そのさらに外面側にカソード拡散層16を設ける。
このように、本実施形態のセルモジュール102の場合、構造部材でもあるアノード拡散層15をまずチューブ状に作製することで、その後の全ての工程を、その拡散層チューブ15の外面側から行ってセルモジュール102を作製することができるので、セルモジュール102を容易に作製することができる。
また、セルモジュール102においては、図5に示すように、導電性材料からなる拡散層15,16を触媒層13,14上に設けることで、電極触媒9による電極反応で生成した電荷が拡散層15,16に容易に到達でき、さらにはその導電性の拡散層15,16から集電部材6,7へと効率よく電荷が移動できる。従って、セルモジュール102は、集電部材6,7と良好に電気的に接続されている。
尚、ここでは、拡散層を一対の電極2,3の両方に設けたが、拡散層は、アノード2のみ、若しくはカソード3のみに設けてもよい。
本発明のチューブ状のセルモジュールとそれに取り付けたスプリングワイヤ(集電部材)の一形態例を示す概略斜視図。 図1のチューブ状のセルモジュールとそれに取り付けたスプリングワイヤの、チューブの長さ方向に沿った切断面を示す概略断面図。 図2中、点線で囲った領域Aの拡大図。 本発明のチューブ状のセルモジュールとそれに取り付けたスプリングワイヤの他の形態例を示す図であって、チューブの長さ方向に沿った切断面を示す概略断面図。 図4中、点線で囲った領域Bの拡大図。
符号の説明
101…セルモジュール
1…中空電解質膜(パーフルオロカーボンスルホン酸樹脂膜)
2…カソード
3…アノード(プロトン生成電極)
4…電解質膜の細孔
5…中空部
6、7…集電体(スプリングワイヤ)
8…カーボンナノチューブ
9…電極触媒
10…プロトン伝導性物質層
11…撥水層
12…導電性接着剤
102…セルモジュール
13…アノード触媒層
14…カソード触媒層
15…アノード拡散層
16…カソード拡散層

Claims (3)

  1. 中空形状の電解質膜と、当該電解質膜の中空内面及び外面に設けられた一対の電極を有する燃料電池用セルモジュールであって、前記中空内面又は外面のうち少なくとも一方の電極は、前記電解質膜に配向されるとともに電極触媒を担持したナノ柱状体を有し、前記中空形状の電解質膜はプロトン伝導性電解質膜であり、プロトン通過方向に伸びる細孔を有し、前記一対の電極のうちプロトンを生成する電極との界面における前記細孔の平均径が、他方の電極との界面における平均径よりも大きいことを特徴とする燃料電池用セルモジュール。
  2. 前記他方の電極との界面における細孔の平均径が0.5〜1.0nm、前記プロトン生成電極との界面における細孔の平均径が1.5〜2.0nmである請求項1に記載の燃料電池用セルモジュール。
  3. 請求項1又は2に記載の燃料電池用セルモジュールを備えた燃料電池。
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