JP4437414B2 - 車輪用軸受装置 - Google Patents

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この発明は、自動車における車輪用軸受装置に関する。
車輪用軸受では、転動体の転走面を形成した外方部材および内方部材のうちの回転側の部材に車輪取付用のフランジが設けられ、このフランジにブレーキロータと重ねて車輪のリムが取付けられる(例えば、特許文献1)。
ブレーキロータは、現在は鉄製のものが主流であるが、自動車において燃費向上のために各部品の軽量化が強く求められている。このため、ブレーキロータにアルミ合金製のものを用いることが試みられている。アルミ合金は比重が鋼の略1/3であるから、鋼に比べて不足する剛性を補うために厚肉構造等に形成したとしても、従来の鉄製のブレーキロータの重量を軽減できる。今後、軽量化のためにアルミ合金製のものの使用が増えると考えられる。
特開2000−301401号公報
しかし、アルミ合金製のブレーキロータは、車輪用軸受装置における車輪取付フランジの形成された鋼製の回転側部材と、金属同士の電位差を生じる材質の関係となる。そのため、回転側部材におけるブレーキロータとの接触面に泥塩水等がかかると、電池が形成され、電極腐食が発生する。電極腐食が発生すると、その接触面で固着することがあり、市場等における補修点検時の作業性が阻害される。この電極腐食は、絶縁材を介在させると防止することができるが、部品点数が増加し、そのため部品管理が煩雑となるうえ、車輪用軸受装置への車輪の組付けに手間がかかる。
なお、自動車において、ナックルについては軽量化のためにアルミ合金製としたものが普及している。アルミ合金製ナックルと車輪用軸受装置の外方部材との間でも、電池形成による腐食の問題がある。その対策としては、車輪用軸受装置におけるナックルとの接触面、例えば外方部材のフランジ部分に、電食防止性に優れた皮膜処理として、Zn−Niめっきと、6価クロム含有のクロメート処理とを施すことが提案されている(例えば、特願2002−266051号)。
ただし、従来の電食防止用のクロメート処理におけるクロメートには、環境に有害な6価クロムが含まれている。近年、環境問題の高揚に伴って、6価クロムの使用を規制しようとする傾向にある。例えば、欧州環境規制により、6価クロムは使用できなくなる。
この発明の目的は、アルミ合金製のブレーキロータを使用しても、電食の発生が防止でき、ブレーキロータの固着を抑えることができる車輪用軸受装置を提供することである。 この発明の他の目的は、表面処理に環境に対する有害物質を含まず、かつ耐食性能に優れたものとすることである。
この発明の車輪用軸受装置は、内周に複列の転走面を有する外方部材と、上記転走面に対向する転走面を有する内方部材と、両列の対向する転走面間に介在した転動体とを有し、車体に対して車輪を回転自在に支持する車輪用軸受装置において、上記外方部材および内方部材のうちの回転側の部材が車輪取付用のフランジを有し、かつこのフランジの根元部からアウトボード側に突出するブレーキパイロット部を有し、上記フランジはアルミ合金製のブレーキロータと重なって車輪のリムが取付けられるものであり、このフランジのブレーキロータとの接触面および上記ブレーキパイロット部に電食防止皮膜を設け、この電食防止皮膜は、上記フランジのブレーキロータとの当接面を覆うブレーキロータ当接面覆い部分と、上記フランジの根元部からアウトボード側に突出して設けられるブレーキパイロット部を覆うブレーキパイロット部覆い部分とを有することを特徴とする。
この構成によると、車輪取付用フランジのブレーキロータとの接触面および上記ブレーキパイロット部に電食防止皮膜を設けたため、泥塩水等がかかっても、電池が形成され難く、電極腐食が防止される。そのため、電極腐食によってブレーキロータが車輪取付用フランジに固着することがなく、補修点検時のブレーキロータの取り外し作業が阻害されることがない。また電食防止皮膜を設けるため、別部材の絶縁材を介在させる場合と異なり、部品点数の増加がなく、部品管理の煩雑化や組付け性の低下が回避される。
前記電食防止皮膜は、各種のものが採用できるが、6価クロムフリークロメイトを使用したものであるものが好ましい。6価クロムフリークロメイトを使用すると、6価クロムによる有害性のないものにできる。試験によると、6価クロムフリークロメイトを使用しても、下地処理のめっき層等を適宜選定することで、6価クロム含有クロメート使用の電食防止皮膜よりも、電食防止性に優れたものとできることが確認された。
6価クロムフリークロメイトを使用した電食防止皮膜を設ける場合、この電食防止皮膜は、母材表面に設けられた第1のめっき層と、この第1のめっき層の外面に重ねて設けられた6価クロムフリークロメイトの皮膜層とを含むものとすることが好ましい。上記第1のめっき層には、亜鉛ニッケルめっき等が採用できる。
6価クロムフリークロメイトの皮膜層は、母材表面のめっき層に重ねて施されることにより、その電食発生の抑制効果が優れたものとなる。
なお、6価クロムフリークロメイトの皮膜層には、さらに外面に重ねて熱硬化型コーティング材のコーティング層を設けても良い。このようなトップコーティングとなるコーティング層を設けて3層構造とすることで、6価クロムフリークロメイトの皮膜層による電食発生の抑制効果がより一層優れたものとなる。
この発明の車輪用軸受装置は、内周に複列の転走面を有する外方部材と、上記転走面に対向する転走面を有する内方部材と、両列の対向する転走面間に介在した転動体とを有し、車体に対して車輪を回転自在に支持する車輪用軸受装置において、上記外方部材および内方部材のうちの回転側の部材が車輪取付用のフランジを有し、かつこのフランジの根元部からアウトボード側に突出するブレーキパイロット部を有し、上記フランジはブレーキロータを介して車輪のリムを取付けるものであり、このフランジのブレーキロータとの接触面および上記ブレーキパイロット部に電食防止皮膜を設け、この電食防止皮膜は、上記フランジのブレーキロータとの当接面を覆うブレーキロータ当接面覆い部分と、上記フランジの根元部からアウトボード側に突出して設けられるブレーキパイロット部を覆うブレーキパイロット部覆い部分とを有するため、アルミ合金製のブレーキロータを使用しても、電食の発生が防止でき、ブレーキロータの固着を抑えることができる。そのため補修点検時のブレーキロータの取り外し性が阻害されることがない。
前記電食防止皮膜が6価クロムフリークロメイトを使用したものである場合は、表面処理に環境に対する有害物質を含まず、かつ耐食性能に優れたものとできる。
この発明の第1の実施形態を図1ないし図3と共に説明する。この実施形態は、内輪回転タイプ、駆動輪支持用であって、第3世代型の車輪用軸受装置に適用した例を示す。
この車輪用軸受装置は、内周に複列の転走面4を有する外方部材1と、これら転走面4にそれぞれ対向する転走面5を有する内方部材2と、これら複列の転走面4,5間に介在させた複列の転動体3とを備える。転動体3はボールからなり、各列毎に保持器6で保持されている。各転走面4,5は、断面が円弧状であって、背面合わせとなるように接触角が形成され、この車輪用軸受装置は複列のアンギュラ玉軸受とされている。内外の部材2,1間に形成される環状空間のアウトボード側およびインボード側の各開口端部は、それぞれ接触式のシール7,8で密封されている。なお、アウトボード側とは、車輪用軸受装置を車体に取付けた状態で車体外側に位置する側であり、インボード側は車体内側に位置する側である。
外方部材1は、固定側の部材となるものであって、ナックル14に固定するための車体取付フランジ1aを、外周における軸方向のアウトボード側寄り位置に有する。車体取付フランジ1aは、円周方向の複数箇所に取付孔21を有している。取付孔21はねじ孔とされている。
内方部材2は、回転側の部材となるものであって、車輪取付フランジ2aを有するハブ輪2Aと、このハブ輪2Aの端部外径に嵌合した別体の内輪2Bとで構成されている。ハブ輪2Aおよび内輪2Bに各列の転走面5がそれぞれ形成される。車輪取付フランジ2aは内方部材2のアウトボード側端部に位置しており、この車輪取付フランジ2aよりもアウトボード側に突出して、ブレーキパイロット部22およびホイールパイロット部23が設けられている。この車輪取付フランジ2aに、ブレーキロータ15を介して車輪16のリムがボルト18で取付けられる。ブレーキパイロット部22およびホイールパイロット部23は、それぞれブレーキロータ15および車輪16のリムの内径面に嵌合して位置決めを行う部分である。ブレーキロータ15は、ディスクブレーキにおけるブレーキディスクであり、アルミ合金製のものとされている。
ハブ輪2Aの内径孔には、駆動軸における等速ジョイント25の外側継手部材25aにおける軸部26が挿通されている。軸部26は、先端が雄ねじ部とされ、ナット27でハブ輪2Aに締め付け固定されている。
ナックル14は、車体(図示せず)に取付けられた部材であって、この車輪用軸受装置に対して軸受ハウジングとなる。ナックル14は、軸受嵌合孔14aを有し、この軸受嵌合孔14aの外周に沿う周方向複数箇所に、ボルト挿通孔14bが設けられている。外方部材1は、外径面における車体取付フランジ1aよりもインボード側の部分がナックル14の軸受取付孔14aに嵌合し、車体取付フランジ1aがナックル14の側面に当接する状態で、ボルト19(図1)によりナックル14に取付けられる。ボルト19は、ナックル14のボルト挿通孔14bに挿通され、ねじ軸部分が車体取付フランジ1aの取付孔21に螺合する。
ナックル14は、アルミ合金製である。車輪用軸受装置の外方部材1、内方部材2、および転動体3は、炭素鋼または高炭素クロム鋼等の鋼製である。
図2に示すように、内方部材2のハブ輪2Aにおける車輪取付フランジ2aの外面、および各パイロット部22,23に、電食防止皮膜17が設けられている。この内方部材2側の電食防止皮膜17は、車輪取付フランジ2aのブレーキロータ当接面覆い部分173 と、各パイロット部覆い部分174 とを有する。
また、外方部材1におけるナックル14との接触面(図1参照)にも、電食防止皮膜17が設けられている。この電食防止皮膜17は、外方部材1の外径面におけるナックル14が外嵌する外径面部分、および車体取付フランジ1aのナックル当接側となる片側の側面にわたり、連続して設けられている。すなわち、電食防止皮膜17は、外方部材1の外径面覆い部分171 と、フランジ覆い部分172 とを有する。
電食防止皮膜17は、6価クロムフリークロメイトを使用したものとされる。この電食防止皮膜17は、例えば図3(A)に示すように、外方部材1等の母材28の表面に設けられた第1のめっき層17aと、このめっき層17aの外面に重ねて設けられた6価クロムフリークロメイトの皮膜層17bと、この皮膜層17bの外面に重ねて設けられた熱硬化型コーティング材のコーティング層17cとを設けた3層構造のものとされる。熱硬化型コーティング材には低温熱硬化型コーティング材が用いられる。低温熱硬化型コーティング材としては一液性低温熱硬化型コーティング材等が用いられる。
電食防止皮膜17は、この他に、図3(B)に示すように、第1のめっき層17aと6価クロムフリークロメイトの皮膜層17bとでなる2層構造としても良い。
電食防止皮膜17の具体例として、次の各例のものが用いられる。括弧内は各層の材質を示す。
・(Zn−Niめっき)+(6価クロムフリークロメイト)+(低温熱硬化型コーティング)
・(Zn−Niめっき)+(6価クロムフリークロメイト)
・(Znめっき)+(6価クロムフリークロメイト)+(低温熱硬化型コーティング)
・(Znめっき)+(6価クロムフリークロメイト)
・(Zn−Ni−Feめっき)+(6価クロムフリークロメイト)+(低温熱硬化型コーティング)
・(Zn−Ni−Feめっき)+(6価クロムフリークロメイト)
・(カドミウムめっき)+(6価クロムフリークロメイト)+(低温熱硬化型コーティング)
・(カドミウムめっき)+(6価クロムフリークロメイト)
6価クロムフリークロメイトの主成分としては、次の2種類が挙げられる。
・硝酸クロム+無機塩
・硫酸クロム+無機塩
上記無機塩としては、硝酸塩、硫酸塩、および塩酸塩のいずれを用いても良い。
なお、一般のクロメートの主成分は、無水クロム酸(または重クロム酸)+無機塩(硝酸、硫酸、塩酸)である。その無水クロム酸(または重クロム酸)に、6価クロムが入っている。
6価クロムフリークロメイトは、一般の6価クロム含有のクロメイトに対して、無水クロム酸(または重クロム酸)の代わりに、6価クロムを含まない硝酸クロムまたは硫酸クロムを用いたものである。
この構成の車輪用軸受装置によると、ハブ輪2Aとブレーキロータ15とは、ハブ輪2Aが鋼材であり、ブレーキロータ15がアルミ合金製であるため、互いに電位差を生じる金属材同士の関係となる。しかし、ハブ輪2Aの車輪取付フランジ2aおよび各パイロット部22,23に電食防止皮膜17を設けたため、両者の接触面に泥塩水等がかかっても、電池が成形されることがなく、ブレーキロータ15とハブ輪2Aとの接触面で電極腐食を生じることが防止される。電食防止皮膜17により、錆の発生も防止される。そのため、電食腐食や錆によるブレーキロータ15とハブ輪2Aとの固着が防止され、自動車の使用後の補修時におけるブレーキロータ15の取り外し性の困難が解消される。また、電食防止皮膜17を設けるため、別部材の絶縁材を介在させる場合と異なり、部品点数の増加がなく、部品管理の煩雑化や組付け性の低下が回避される。
電食防止皮膜17は、この実施形態では6価クロムフリークロメイトを使用したため、6価クロムによる有害性のないものにできる。試験によると、6価クロムフリークロメイトを使用しても、第1のめっき層17a等を適宜選定することで、6価クロム含有クロメート使用の電食防止皮膜よりも、電食防止性に優れたものとできることが確認された。
また、この実施形態では、外方部材1のナックル14との接触面も電食防止皮膜17で覆ったため、ナックル14にアルミ合金製のものが使用されても、両者の接触面に電極腐食が生じることが防止される。そのため、自動車の使用後の補修時におけるナックル14からの車輪用軸受装置の取り外し性の困難が解消される。
図4は、この発明における他の実施形態を示す。この実施形態は、図1〜図3に示す第1の実施形態の車輪用軸受装置において、従動輪支持用としたものである。従動輪支持用であるため、ハブ輪2Aは中心部に内径孔を有していない。内輪2Bのハブ輪2Aへの固定は、ハブ輪2Aに設けた加締部2bで行っている。この例においても、ハブ輪2Aにおける車輪取付用フランジ2aのブレーキロータ接触面(図1参照)、および各パイロット部22,23の表面に電食防止皮膜17を施し、また外方部材1のナックル14(図1参照)に対する接触面に電食防止皮膜17を施している。電食防止皮膜17の重なり構成,材質は、第1の実施形態に示した各例のものが使用できる。この実施形態におけるその他の構成は、第1の実施形態と同じであるので、対応部分に同一符号を付してその説明を省略する。なお、この実施形態の場合、車輪取付フランジ1aは、外方部材1の外周における軸方向の中間位置に設けられている。
図5は、この発明におけるさらに他の実施形態を示す。この実施形態は、図1ないし図3に示す第1の実施形態の車輪用軸受装置において、同じく駆動輪支持用であるが、第2世代型のものとしてある。この実施形態では、内方部材2が、ハブ輪2Cと、このハブ輪2Cの外周に嵌合させた2個の内輪2D,2Eとからなり、これら2個の内輪2D,2Eに各列の軌道面5が形成されている。外方部材1は、第1の実施形態と同じく一体の部材であり、車体取付用フランジ1aを有している。
この例においても、ハブ輪2Cにおける車輪取付用フランジ2aのブレーキロータ接触面および各パイロット部22,23、並びに外方部材1のナックル14に対する接触面に電食防止皮膜17を施している。電食防止皮膜17の重なり構成,材質は、第1の実施形態に示した各例のものが使用できる。この実施形態におけるその他の構成は、第1の実施形態と同じであるので、対応部分に同一符号を付してその説明を省略する。
図6は、この発明のさらに他の実施形態を示す。この実施形態は、外方部材1が回転する形式の車輪用軸受装置に適用した例である。同図において、外方部材1側に設けられた部分であるか内方部材2側に設けられた部分であるかを問わず、機能的に第1の実施形態の各部と対応する部分には同一符号を付してある。
この実施形態は、それぞれ転走面4,5を設けた外方部材1および内方部材2のうち、内方部材2が固定輪とされる。内方部材2は2つの内輪2D,2Eからなり、ナックル14に設けられた軸部14cの外周に嵌合してナット27により締め付け固定されている。外方部材1は、アウトボード側端の付近に車輪取付フランジ1bを有していて、この車輪取付フランジ1bよりもアウトボード側に突出して、ブレーキパイロット部22およびホイールパイロット部23が設けられている。この車輪取付フランジ1bに、ブレーキロータ15を介して車輪16のリムがボルト18で取付けらる。ブレーキロータ15は、図示の例ではドラムブレーキにおけるブレーキドラムであり、アルミ合金製のものとされている。ブレーキロータ15の円筒部15aにおけるインボード側端と対向して、ナックル14に防塵板31が取付けられており、円筒部15aのインボード側と防塵板31との間でラビリンスシールが形成されている。
上記外方部材1における車輪取付フランジ1bの外面、および各パイロット部22,23に、電食防止皮膜17が設けられている。この外方部材1側の電食防止皮膜17は、車輪取付フランジ1bのブレーキロータ当接面覆い部分173 と、各パイロット部覆い部分174 とを有する。電食防止皮膜17には第1の実施形態と同じく、6価クロムフリークロメイトを使用した2層または3層の皮膜とされている。
なお、この実施形態では、ブレーキパイロット部22がホイールパイロット部23よりも大径のものとしてあるが、例えば図7に示すように、ブレーキパイロット部22がホイールパイロット部23と同径のものであっても良い。すなわち、外方部材1に設けられた外径均一の円筒状部分の基端側がブレーキパイロット部22となり、先端側がホイールパイロット部23となるものであっても良い。
図1〜図5に示した内輪回転型の車輪用軸受装置においても、図7の実施形態と同様にブレーキパイロット部22がホイールパイロット部23とは同径のものであっても良い。
図1〜図5に示した内輪回転型の車輪用軸受装置においても、図6の実施形態と同様にブレーキロータ15がドラムブレーキにおけるブレーキドラムであっても良い。逆に図6の実施形態のブレーキロータ15がディスクブレーキにおけるブレーキディスクであっても良い。
次に、試験例を説明する。車輪用軸受装置における内方部材2に電食防止皮膜17を施したものについて、塩水噴霧を行い、その噴霧後、960時間経過するまでの外観観察を行った。
試験条件は、JIS Z2371に準拠した塩水噴霧試験であり、塩水濃度は5w%、雰囲気温度は35℃とした。
供試体としては、図4の実施形態にかかる車輪用軸受装置における内方部材2について、その電食防止皮膜17を、(Zn−Niめっき)+(6価クロムフリークロメイト)+(低温熱硬化型コーティング)とした実施例と、この実施例に対して電食防止皮膜17を(Zn−Niめっき)+(6価クロム含有クロメイト)+(低温熱硬化型コーティング)に変えた比較例とについて行った。
試験結果を、評点方法と共に表1に示す。
Figure 0004437414
上記の表1より、噴霧後240時間経過の時点までは、比較例となる6価クロム含有クロメイト使用のものの方が錆の発生が少ない点で優れているが、480時間経過した後では、960時間経過の時点においても、逆に実施例における6価クロムフリークロメイト使用のものの方が錆の発生が少なく、優れていることがわかる。
これより、実際の使用を考えると、6価クロムフリークロメイトを使用した実施例品の方が電食防止性に優れていると考えられる。なお、電食防止皮膜17の具体例として示した他の皮膜についても同様の結果を得られたが、ここでは省略する。
なお上記各実施形態では、電食防止皮膜17を6価クロムフリークロメイト使用のものとしたが、電食防止皮膜17は、例えば焼付型水溶性塗料の塗膜や、パウダーコーティクの皮膜であっても良い。パウダーコーティクの皮膜には、ポリエステル、エポキシ樹脂、アクリル樹脂等の各種の樹脂が使用できる。この発明とは異なるが、防錆処置として、ガスケットを車輪取付用のフランジ2a,1bとブレーキロータ15との間に挟み込んでも良い。ガスケットのコーティングとしては、シリコン、グラファイト等が挙げられる。
また、上記各実施形態では、玉軸受形式の車輪用軸受装置に適用した場合につき説明したが、この発明は円すいころ軸受形式の車輪用軸受装置にも適用することができる。
この発明の第1の実施形態にかかる車輪用軸受装置を周辺部品と共にに示す断面図である。 同車輪用軸受装置の断面図である。 同軸受の電食防止皮膜の各例を示す部分拡大断面図である。 この発明の他の実施形態における車輪用軸受装置を示す断面図である。 この発明のさらに他の実施形態にかかる車輪用軸受装置を周辺部品と共に示す断面図である。 この発明のさらに他の実施形態にかかる車輪用軸受装置を周辺部品と共に示す断面図である。 この発明のさらに他の実施形態にかかる車輪用軸受装置である。
符号の説明
1…外方部材
1a…車体取付フランジ
2…内方部材
2a…車輪取付フランジ
2A…ハブ輪
3…転動体
4,5…転走面
14…アルミ合金製のナックル
15…アルミ合金製のブレーキロータ
17…電食防止皮膜

Claims (3)

  1. 内周に複列の転走面を有する外方部材と、上記転走面に対向する転走面を有する内方部材と、両列の対向する転走面間に介在した転動体とを有し、車体に対して車輪を回転自在に支持する車輪用軸受装置において、
    上記外方部材および内方部材のうちの回転側の部材が車輪取付用のフランジを有し、かつこのフランジの根元部からアウトボード側に突出するブレーキパイロット部を有し、上記フランジはアルミ合金製のブレーキロータを介して車輪のリムを取付けるものであり、このフランジのブレーキロータとの接触面および上記ブレーキパイロット部に電食防止皮膜を設け、この電食防止皮膜は、上記フランジのブレーキロータとの当接面を覆うブレーキロータ当接面覆い部分と、上記フランジの根元部からアウトボード側に突出して設けられるブレーキパイロット部を覆うブレーキパイロット部覆い部分とを有することを特徴とする車輪用軸受装置。
  2. 請求項1において、前記電食防止皮膜が6価クロムフリークロメイトを使用したものである車輪用軸受装置。
  3. 請求項2において、前記電食防止皮膜が、母材表面に設けられた第1のめっき層と、この第1のめっき層の外面に重ねて設けられた6価クロムフリークロメイトの皮膜層とを含む車輪用軸受装置。
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