JP2008044534A - 車輪用軸受装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】軽量・コンパクト化を図ると共に、鋼製の軸受と軽合金製のナックルとの組み合せによってナックルに電食が発生するのを防止し、信頼性を向上させた車輪用軸受装置を提供する。
【解決手段】軽合金製のナックルNに内嵌され、車輪を回転自在に支承する車輪用軸受装置において、複列の転動体3、3群のうちアウター側の転動体3群のピッチ円直径PCDoがインナー側の転動体3群のピッチ円直径PCDiよりも大径に設定されると共に、外方部材2のナックルNと当接する外周面に絶縁皮膜17が形成され、外方部材2のアウター側の端部外周面に研削加工によって所定長さに亙って円筒状の支持面18が形成されているので、複列の外側転走面2a、2bを研削加工する際、支持面18がナックルNに当接することなく、ナックルNと外方部材2との間で良好な絶縁性が得られ、ナックルNに電食が発生するのを防止する。
【選択図】図1

Description

本発明は、自動車等の車輪を回転自在に支承する車輪用軸受装置、特に、懸架装置を構成するナックルがアルミ合金等の軽合金からなり、このナックルに嵌合される外方部材との間に生じる電位差によって電食を起こすのを防止した車輪用軸受装置に関するものである。
自動車の車輪を懸架装置に対して回転自在に支承する車輪用軸受装置において、最近、車両の軽量化を狙って、懸架装置を構成するナックル(図示せず)にアルミ合金やマグネシウム合金等の軽合金が使用される場合が増えてきている。一方、ナックルに嵌合される軸受は、所望の強度および転がり疲労寿命を確保するため、軸受鋼や浸炭鋼、あるいは高炭素鋼等で形成されている。このナックルを従来の鋼製からアルミ合金製のものに変更することによりバネ下重量の大幅な軽減ができるが、これには厄介な問題が内在している。すなわち、軸受とナックルが、お互い接触させた状態で2種の金属が腐食環境にさらされた場合、電位差の低い方の金属(この場合、アルミ合金製のナックル)はアノード(陽極)となって早期に腐食を起こす。こうした異種金属の組み合せによる腐食、所謂、ガルバニック腐食によって、ナックルは早期に電食を起こし、耐久性が著しく低下する。
さらに、このような鋼製の軸受と軽合金製のナックルとが接触する部分に、導電性を有する液体(電解質の水溶液)が付着すると、この導電性を有する液体が電解液となって車輪用軸受装置の周囲に電池が形成され、一層、電食を誘発して好ましくない。こうした問題を解決したものとして、図5に示す車輪用軸受装置が知られている。この車輪用軸受装置は、ブレーキロータ70と共に車輪(図示せず)を固定するハブ輪71とナックル72間に車輪用軸受50が装着され、この車輪用軸受50はナックル72に対してハブ輪71を回転自在に支承している。そして、ハブ輪71に等速自在継手73が連結されてドライブシャフト(図示せず)の動力がハブ輪71に伝達されている。
車輪用軸受50は、図6に示すように、複列アンギュラ玉軸受からなり、内周に複列の外側転走面51a、51aが形成された外輪51と、外周にこれら複列の外側転走面51a、51aに対向する内側転走面52a、52aがそれぞれ形成された一対の内輪52と、両転走面51a、52a間に保持器53を介して転動自在に収容された複列のボール54、54とを備えている。
これら内外輪52、51間の環状空間の両端開口部は、それぞれ組み合わせシールリング55、55により閉塞されている。これら組み合わせシールリング55は、外輪51に嵌合されたシールリング56と、内輪52に嵌合されたスリンガ57とからなる。このうちシールリング56は、鋼板等の金属板にプレス加工を施すことにより、断面L字形で全体が円環状に形成された芯金58と、この芯金58に加硫接着されたゴム等の弾性材59とからなる。一方、スリンガ57は、ステンレス鋼板等の金属板にプレス加工を施すことにより、断面L字形で全体が円環状に形成されている。弾性材59の内周縁部を構成する3本のシールリップ60の先端縁はスリンガ57にそれぞれ摺接されている。
ここで、外輪51と内輪52とを電気的に導通させるべく、弾性材59がゴム中にカーボン等の導電材粉末が混入された導電性を有する材料で形成されている。これにより、外輪51と内輪52との間を電気的に導通させるため電位差が生じ難い。したがって、この車輪用軸受50をアルミ合金等の軽合金製のナックル72に固定した状態で使用しても、スリンガ57に電食が生じ難く、また、各シールリング56、56のシール性が低下し難い。すなわち、互いに金属電位の異なる鋼製の軸受と軽合金製のナックルが接触している部分に導電性の液体が付着し、この導電性の液体が電解液となって電池が形成されても、弾性材59におけるシールリップ60の先端縁と、この先端縁が摺接するスリンガ57との摺接部分を腐食させるような電流となって流れることはない。
特開2002−21862号公報
しかしながら、こうした従来の車輪用軸受50において、3本のシールリップ60を有する弾性材59が、ゴム中にカーボン等の導電材粉末が混入された導電性を有する材料で形成されているため、シールリップとしての適正な弾性が不足して所望の接触圧が得られず、また、この種の弾性材59は耐摩耗性が低く、長期間に亙ってシール性を維持することが難しい。
また、こうした電食を防止するために、従来、例えば鋼製の軸受にメッキ等の表面処理や塗装を施し、これら両部材同士の接触部分の絶縁性を高める対策が採られているが、例えば、この外輪51の外周面に表面処理や塗装を施した場合、外輪51の外側転走面51aを研削加工する際、外周面をシュー(図示せず)によって支持する必要がある。すると、このシューと外輪51との摺接によって折角絶縁処理した外周面が剥がれ落ち、絶縁性が損なわれる恐れがあった。したがって、アルミ合金等の軽合金製のナックルを採用するに当っては、こうした問題を解決する必要があった。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、軽量・コンパクト化を図ると共に、鋼製の軸受と軽合金製のナックルとの組み合せによってナックルに電食が発生するのを防止し、信頼性を向上させた車輪用軸受装置を提供することを目的としている。
係る目的を達成すべく、本発明のうち請求項1に記載の発明は、軽合金製のナックルに内嵌され、内周に複列の外側転走面が形成された外方部材と、一端部に車輪取付フランジを一体に有し、外周にこの車輪取付フランジから軸方向に延びる小径段部が形成されたハブ輪、およびこのハブ輪の小径段部に嵌合された内輪または等速自在継手の外側継手部材からなり、外周に前記複列の外側転走面に対向する複列の内側転走面が形成された内方部材と、この内方部材と前記外方部材間に転動自在に収容された複列の転動体群とを備えた車輪用軸受装置において、前記外方部材の少なくとも前記ナックルと当接する外周面に絶縁皮膜が形成され、前記ナックルと当接する外周面以外の外周面に研削加工によって所定長さに亙って円筒状の支持面が形成されている。
このように、軽合金製のナックルに内嵌され、車輪を回転自在に支承する第1乃至第4世代構造の車輪用軸受装置において、外方部材の少なくともナックルと当接する外周面に絶縁皮膜が形成され、ナックルと当接する外周面以外の外周面に研削加工によって所定長さに亙って円筒状の支持面が形成されているので、複列の外側転走面を研削加工する際、支持面がナックルに当接することなく、ナックルと外方部材との間で良好な絶縁性が得られる。したがって、鋼製の外方部材と軽合金製のナックルとの組み合せによってナックルに電食が発生するのを防止し、信頼性を向上させた車輪用軸受装置を提供することができる。
また、請求項2の発明のように、前記外方部材の外周に前記ナックルに取り付けられるための車体取付フランジが一体に形成され、この車体取付フランジのインナー側に前記ナックルが嵌合されると共に、前記外方部材のアウター側の端部外周に前記支持面が形成されていても良いし、また、請求項3の発明のように、前記外方部材の外周に前記ナックルに取り付けられるための車体取付フランジが一体に形成され、この車体取付フランジのインナー側に前記ナックルが嵌合されると共に、前記絶縁皮膜の一部で、前記外方部材のインナー側の端面から所定の長さに亙って小径段部が形成され、この小径段部を前記支持面としても良い。
また、請求項4に記載の発明のように、前記複列の転動体群のうち前記車輪取付フランジに近い側の転動体群のピッチ円直径が、前記車輪取付フランジに遠い側の転動体群のピッチ円直径よりも大径に設定されていれば、前記車輪取付フランジに近い側の転動体群の個数を前記車輪取付フランジに遠い側の転動体群の個数よりも多く収容することができ、軸受スペースを有効に使い、高剛性化を図りながら軸受寿命を確保すると共に、装置の軽量・コンパクト化を図ることができる。
本発明に係る車輪用軸受装置は、軽合金製のナックルに内嵌され、内周に複列の外側転走面が形成された外方部材と、一端部に車輪取付フランジを一体に有し、外周にこの車輪取付フランジから軸方向に延びる小径段部が形成されたハブ輪、およびこのハブ輪の小径段部に圧入された内輪または等速自在継手の外側継手部材からなり、外周に前記複列の外側転走面に対向する複列の内側転走面が形成された内方部材と、この内方部材と前記外方部材間に転動自在に収容された複列の転動体群とを備えた車輪用軸受装置において、前記外方部材の少なくとも前記ナックルと当接する外周面に絶縁皮膜が形成され、前記ナックルと当接する外周面以外の外周面に研削加工によって所定長さに亙って円筒状の支持面が形成されているので、複列の外側転走面を研削加工する際、支持面がナックルに当接することなく、ナックルと外方部材との間で良好な絶縁性が得られる。したがって、鋼製の外方部材と軽合金製のナックルとの組み合せによってナックルに電食が発生するのを防止し、信頼性を向上させた車輪用軸受装置を提供することができる。
外周に軽合金製のナックルに取り付けられるための車体取付フランジを一体に有し、内周に複列の外側転走面が形成された外方部材と、一端部に車輪を取り付けるための車輪取付フランジを一体に有し、外周に前記複列の外側転走面に対向する一方の内側転走面と、この内側転走面から軸方向に延びる小径段部が形成されたハブ輪、およびこのハブ輪の小径段部に圧入され、前記複列の外側転走面に対向する他方の内側転走面が形成された内輪からなる内方部材と、この内方部材と前記外方部材間に転動自在に収容された複列の転動体群とを備え、前記小径段部の端部を塑性変形させて形成した加締部により前記内輪が軸方向に固定された車輪用軸受装置において、前記複列の転動体群のうち前記車輪取付フランジに近い側の転動体群のピッチ円直径が、前記車輪取付フランジに遠い側の転動体群のピッチ円直径よりも大径に設定されると共に、前記外方部材の少なくとも前記ナックルと当接する外周面に絶縁皮膜が形成され、前記外方部材のアウター側の端部外周面に研削加工によって所定長さに亙って円筒状の支持面が形成されている。
以下、本発明の実施の形態を図面に基いて詳細に説明する。
図1は、本発明に係る車輪用軸受装置の第1の実施形態を示す縦断面図、図2(a)は、図1の外方部材の加工方法を示す正面図、(b)は、(a)のII−II線に沿った断面図である。なお、以下の説明では、車両に組み付けた状態で車両の外側寄りとなる側をアウター側(図面左側)、中央寄り側をインナー側(図面右側)という。
この車輪用軸受装置は第3世代と呼称される従動輪用であって、内方部材1と外方部材2、および両部材1、2間に転動自在に収容された複列の転動体(ボール)3、3群を備えている。内方部材1は、ハブ輪4と、このハブ輪4に所定のシメシロを介して圧入された内輪5とからなる。
ハブ輪4は、アウター側の端部に車輪(図示せず)を取り付けるための車輪取付フランジ6を一体に有し、外周に一方(アウター側)の内側転走面4aと、この内側転走面4aから軸方向に延びる軸状部7を介して小径段部4bが形成されている。車輪取付フランジ6にはハブボルト6aが周方向等配に植設されると共に、これらハブボルト6a間には円孔6bが形成されている。この円孔6bは軽量化に寄与できるだけでなく、装置の組立・分解工程において、レンチ等の締結治具をこの円孔6bから挿入することができ作業を簡便化することができる。
内輪5は、外周に他方(インナー側)の内側転走面5aが形成され、ハブ輪4の小径段部4bに圧入されると共に、この小径段部4bの端部を塑性変形(揺動加締)させて形成した加締部8によって軸方向に固定されている。
ハブ輪4はS53C等の炭素0.40〜0.80wt%を含む中高炭素鋼で形成され、内側転走面4aをはじめ、車輪取付フランジ6のインナー側の基部6cから小径段部4bに亙って高周波焼入れによって表面硬さを58〜64HRCの範囲に硬化処理されている。なお、加締部8は鍛造加工後の表面硬さの生のままとされている。これにより、車輪取付フランジ6に負荷される回転曲げ荷重に対して充分な機械的強度を有し、内輪5の嵌合部となる小径段部4bの耐フレッティング性が向上すると共に、加締加工時に微小なクラック等の発生がなく加締部8の塑性加工をスムーズに行うことができる。なお、内輪5および転動体3はSUJ2等の高炭素クロム鋼で形成され、ズブ焼入れによって芯部まで58〜64HRCの範囲に硬化処理されている。
外方部材2は、外周にアルミ合金製のナックルNに取り付けられるための車体取付フランジ2cを一体に有し、内周に複列の外側転走面2a、2bが形成されている。すなわち、ハブ輪4の内側転走面4aに対向するアウター側の外側転走面2aと、内輪5の内側転走面5aに対向するインナー側の外側転走面2bが一体に形成されている。これら両転走面間に複列の転動体3、3群が収容され、保持器9、10によって転動自在に保持されている。
この外方部材2はS53C等の炭素0.40〜0.80wt%を含む中高炭素鋼で形成され、複列の外側転走面2a、2bが高周波焼入れによって表面硬さを58〜64HRCの範囲に硬化処理されている。そして、外方部材2と内方部材1との間に形成される環状空間の開口部にはシール11、12が装着され、軸受内部に封入されたグリースの外部への漏洩と、外部から雨水やダスト等が軸受内部に侵入するのを防止している。
本実施形態では、アウター側の転動体3群のピッチ円直径PCDoがインナー側の転動体3群のピッチ円直径PCDiよりも大径に設定されている。そして、複列の転動体3、3のサイズは同じであるが、このピッチ円直径PCDo、PCDiの違いにより、アウター側の転動体3群の個数がインナー側の転動体3群の個数よりも多く設定されている。これにより、軸受スペースを有効に使い、高剛性化を図りながら軸受寿命を確保すると共に、装置の軽量・コンパクト化を図ることができる。
ハブ輪4の外周には、内側転走面4aからインナー側に向けて漸次小径となるカウンタ部13から段部7aを介して一段小径に形成された軸状部7、および内輪5が突き合わされる肩部7bを介して小径段部4bが形成されている。さらに、ピッチ円直径PCDo、PCDiの違いに伴い、ハブ輪4の内側転走面4aは内輪5の内側転走面5aよりも拡径され、この内側転走面5aの溝底径と軸状部7の外径が略同一寸法に設定されている。
一方、外方部材2において、ピッチ円直径PCDo、PCDiの違いに伴い、アウター側の外側転走面2aがインナー側の外側転走面2bよりも拡径され、アウター側の外側転走面2aから円筒状の肩部14と段部14aを介して小径側の肩部15に続き、インナー側の外側転走面2bが形成されている。そして、この外側転走面2bの溝底径と大径側の肩部14の内径が略同一寸法に設定されている。
また、ハブ輪4のアウター側端部にすり鉢状の凹所16が形成されている。この凹所16は鍛造加工によって形成され、その深さは、アウター側の内側転走面4aの溝底付近とされ、この凹所16に対応してハブ輪4のアウター側の肉厚が略均一となるように形成され、装置の軽量・コンパクト化を図っている。なお、ここでは、転動体3をボールとした複列アンギュラ玉軸受を例示したが、これに限らず転動体に円すいころを使用した複列円すいころ軸受であっても良い。
ここで、アルミ合金製のナックルNに取り付けられる外方部材2は、ナックルNに当接する外周面、すなわち、インナー側の端部の外周面にダクロタイズド処理によって絶縁皮膜17(図中クロスハッチングにて示す)が形成されている。これにより、鋼製の外方部材2と軽合金製のナックルNとの組み合せによってナックルNに電食が発生するのを防止することができる。表面処理としてはダクロタイズド処理以外にも、例えば、ニッケルや亜鉛等のメッキ、あるいは、カチオン電着塗装やフッ素系電着塗装等の塗装を例示することができる。なお、絶縁皮膜17は、マスキング等の工数を削減するために外周面全域に形成してもよい。
さらに、外方部材2の外周面で、絶縁被膜17が形成されたインナー側の端部の反対側、すなわち、アウター側の端部の外周面が研削加工によって円筒面からなる支持面18が形成されている。図2は、外方部材2における複列の外側転走面2a、2bを研削加工する方法を示しているが、外方部材2のアウター側の端面がバッキングプレート19に吸着されると共に、一対のシュー20、20が支持面18に摺接して芯合わせされた状態で外方部材2が回転自在に支持されている。この状態で、総型砥石21によって複列の外側転走面2a、2bおよび肩部15が同時に研削加工される。総型砥石21の外周面は、複列の外側転走面2a、2bの外郭形状に対応した形状に予め成形されている。
このように、本実施形態では、ナックルNに当接する外方部材2の外周面に絶縁皮膜17が形成されると共に、ナックルNに当接しない外方部材2の外周面に研削加工によって支持面18が形成されているので、シュー20と外方部材2との摺接によって絶縁被膜17が剥がれ落ちることなく、ナックルNと外方部材2との間で良好な絶縁性が得られる。したがって、装置の軽量・コンパクト化を図ると共に、鋼製の外方部材2と軽合金製のナックルNとの組み合せによってナックルNに電食が発生するのを防止し、信頼性を向上させた車輪用軸受装置を提供することができる。
図3は、本発明に係る車輪用軸受装置の第2の実施形態を示す縦断面図、図4は、図3の外方部材の加工方法を示す説明図である。なお、本実施形態は、前述した実施形態と基本的には外方部材の構成が異なるのみで、その他前述した実施形態と同一部品同一部位には同じ符号を付してその詳細な説明を省略する。
本実施形態は、ナックルNに当接する外方部材22の外周面、すなわち、インナー側の端部の外周面にダクロタイズド処理によって絶縁皮膜17が形成されている。そして、さらに、端面から所定の長さに亙って外周面が研削加工によって絶縁皮膜17の一部を削り取って小径段部となる支持面23が形成されている。図4は、外方部材22における複列の外側転走面2a、2bを研削加工する方法を示しているが、前述した実施形態と異なり、外方部材22のインナー側の端面がバッキングプレート19に吸着されると共に、シュー20が支持面23に摺接して芯合わせが行われる。この状態で、総型砥石21によって複列の外側転走面2a、2bおよび肩部15が同時に研削加工される。
このように、本実施形態では、ナックルNに当接する外方部材2の外周面に絶縁皮膜17が形成されると共に、この絶縁皮膜17の一部を研削加工によって削り取られて支持面18が形成されているので、安定して外方部材22をシュー20によって支持することができると共に、削り取られた支持面23はナックルNに当接せず、ナックルNと外方部材22との間で良好な絶縁性が得られる。したがって、装置の軽量・コンパクト化を図ると共に、鋼製の外方部材22と軽合金製のナックルNとの組み合わせによってナックルNに電食が発生するのを防止することができる。
以上、本発明の実施の形態について説明を行ったが、本発明はこうした実施の形態に何等限定されるものではなく、あくまで例示であって、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、さらに種々なる形態で実施し得ることは勿論のことであり、本発明の範囲は、特許請求の範囲の記載によって示され、さらに特許請求の範囲に記載の均等の意味、および範囲内のすべての変更を含む。
本発明に係る車輪用軸受装置は、アルミ合金等の軽合金からなるナックルに支持固定される第1乃至第4世代構造の車輪用軸受装置に適用することができる。
本発明に係る車輪用軸受装置の第1の実施形態を示す縦断面図である。 (a)は、図1の外方部材の加工方法を示す正面図である。 (b)は、(a)のII−II線に沿った断面図である。 本発明に係る車輪用軸受装置の第2の実施形態を示す縦断面図である。 図3の外方部材の加工方法を示す説明図である。 従来の車輪用軸受装置を示す縦断面図である。 同上、車輪用軸受を示す縦断面図である。
符号の説明
1・・・・・・・・・内方部材
2、22・・・・・・外方部材
3・・・・・・・・・転動体
4・・・・・・・・・ハブ輪
4a、5a・・・・・内側転走面
4b・・・・・・・・小径段部
5・・・・・・・・・内輪
6・・・・・・・・・車輪取付フランジ
6a・・・・・・・・ハブボルト
6b・・・・・・・・円孔
6c・・・・・・・・基部
7・・・・・・・・・軸状部
7a・・・・・・・・段部
7b、14、15・・肩部
8・・・・・・・・・加締部
9、10・・・・・・保持器
11、12・・・・・シール
13・・・・・・・・カウンタ部
14a・・・・・・・段部
16・・・・・・・・凹所
17・・・・・・・・絶縁皮膜
18、23・・・・・支持面
19・・・・・・・・バッキングプレート
20・・・・・・・・シュー
21・・・・・・・・総型砥石
50・・・・・・・・車輪用軸受
51・・・・・・・・外輪
51a・・・・・・・外側転走面
52・・・・・・・・内輪
52a・・・・・・・内側転走面
53・・・・・・・・保持器
54・・・・・・・・ボール
55・・・・・・・・組み合わせシールリング
56・・・・・・・・シールリング
57・・・・・・・・スリンガ
58・・・・・・・・芯金
59・・・・・・・・弾性材
60・・・・・・・・シールリップ
70・・・・・・・・ブレーキロータ
71・・・・・・・・ハブ輪
72・・・・・・・・ナックル
73・・・・・・・・等速自在継手
N・・・・・・・・・ナックル
PCDi・・・・・・インナー側の転動体のピッチ円直径
PCDo・・・・・・アウター側の転動体のピッチ円直径

Claims (4)

  1. 軽合金製のナックルに内嵌され、内周に複列の外側転走面が形成された外方部材と、
    一端部に車輪取付フランジを一体に有し、外周にこの車輪取付フランジから軸方向に延びる小径段部が形成されたハブ輪、およびこのハブ輪の小径段部に嵌合された内輪または等速自在継手の外側継手部材からなり、外周に前記複列の外側転走面に対向する複列の内側転走面が形成された内方部材と、
    この内方部材と前記外方部材間に転動自在に収容された複列の転動体群とを備えた車輪用軸受装置において、
    前記外方部材の少なくとも前記ナックルと当接する外周面に絶縁皮膜が形成され、前記ナックルと当接する外周面以外の外周面に研削加工によって所定長さに亙って円筒状の支持面が形成されていることを特徴とする車輪用軸受装置。
  2. 前記外方部材の外周に前記ナックルに取り付けられるための車体取付フランジが一体に形成され、この車体取付フランジのインナー側に前記ナックルが嵌合されると共に、前記外方部材のアウター側の端部外周に前記支持面が形成されている請求項1に記載の車輪用軸受装置。
  3. 前記外方部材の外周に前記ナックルに取り付けられるための車体取付フランジが一体に形成され、この車体取付フランジのインナー側に前記ナックルが嵌合されると共に、前記絶縁皮膜の一部で、前記外方部材のインナー側の端面から所定の長さに亙って小径段部が形成され、この小径段部が前記支持面とされている請求項1に記載の車輪用軸受装置。
  4. 前記複列の転動体群のうち前記車輪取付フランジに近い側の転動体群のピッチ円直径が、前記車輪取付フランジに遠い側の転動体群のピッチ円直径よりも大径に設定されている請求項1乃至3いずれかに記載の車輪用軸受装置。
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