JP4435944B2 - 水中ポンプにおけるサクションカバーおよびストレーナの定着構造 - Google Patents

水中ポンプにおけるサクションカバーおよびストレーナの定着構造 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の技術分野】
本発明は、水中ポンプにおけるサクションカバーおよびストレーナの定着構造に関するものである。
【0002】
【従来技術とその問題点】
水中ポンプにおいて耐摩耗性を保有させるためポンプケーシングをゴム製とした場合、その組立に普通のボルトを使用すれば、締付時における圧縮力によりポンプケーシングの軸方向の寸法が一定に保てなくなる。そのため従来は図7に示すような構造により、スペーサ兼用の高価な特殊ボルト108aを用いてサクションカバー110と共にポンプケーシング101を仕切板105へ結合させている。しかしポンプケーシング101およびサクションカバー110と同時にストレーナ113を取付けることはできず、ポンプケーシング101およびサクションカバー110を袋ナット付ボルト108bにより定着させたのち、図8に示すよう改めてストレーナ113をナット108cで定着しなければならず、組立工数が増すと共に部品点数も多くなる。また、ゴム製ポンプケーシング101の周壁の要所(通常3ヶ所)がボルト108aによって線状に補強されるに過ぎないため、ポンプ運転時の内圧によりポンプケーシング101が変形してポンプ機能に影響を及ぼすことになる。
【0003】
【発明の目的】
本発明の目的は、従来のような高価な特殊ボルトを用いることなくゴム製ポンプケーシングの軸方向の寸法を一定に保つことができると共に内圧による変形を防止でき、サクションカバーの定着操作に伴ってストレーナの定着がボルトレスの態様で行われ、組立工数および部品点数を減少させてローコストにポンプを生産し得るポンプケーシングおよびストレーナの定着構造を提供することにある。
【0004】
【発明の構成】
本発明に係る水中ポンプにおけるサクションカバーおよびストレーナの定着構造では、内部が渦流室に形成されるポンプケーシングの周壁構成部材をゴム等の耐摩耗弾性材料製となし、該部材の外周面に後記環状ストレーナの周壁内周面へ近接する膨出部と周壁内周面から離隔する陥所とを隔在させ、陥所から膨出部へ移行する部位で内側へ面して後記受圧誘導辺の当接する受圧面を縦設し、周壁構成部材の上面に重合される剛体製シールプレートの下面周辺部より前記陥所へ当接される補強壁を配設し、該補強壁の側縁部を前記受圧面へ対向する受圧誘導辺に形成すると共に外側に締付用ボルト螺装孔を有する取付座を付設し、剛性を保有して上面周辺部を前記周壁構成部材の下面に重合されるサクションカバーの中央にポンプ吸込口を開口させ周辺部に上記螺装孔と同心状のボルト頭係止孔を配設し、前記補強壁の下端は前記周壁構成部材の下端よりも上方にあってサクションカバー上面との間に若干の間隙が形成され、周壁に通水孔を配設し底板周辺部には前記ボルト頭係止孔と同心状に配設されたボルト操作窓を有する剛体製の環状ストレーナを前記周壁構成部材の外周面に嵌合させ、締付用ボルトの先端をボルト頭係止孔を介して取付座の螺装孔へ螺装しボルト頭の頚部でボルト頭係止孔の孔縁部を押圧させることにより、ポンプケーシングの周壁構成部材とサクションカバーが一体に結合されると共に周壁構成部材が縦方向に圧縮されて径方向に膨出する作用が、受圧誘導辺に接する受圧面付近で外径方向へ誘導されて膨出部がストレーナ周壁の内周面へ圧接するよう構成した。
【0005】
【実施例】
以下実施例の図1ないし図6により説明をする。
【0006】
1は内部が渦巻室2に形成されるポンプケーシングの周壁構成部材であって、ゴム等の耐摩耗弾性材料で作られており外周面は後記環状ストレーナ13の周壁内面へ近接する膨出部1aと、周壁内周面から離隔する陥所1bとが隔在し、陥所1bから膨出部1aへ移行する部位で内側へ面して後記受圧誘導辺6eの当接する受圧面1cが縦設されている。3はモータ軸4の導下部に嵌着されて渦巻室2内に収容された羽根車、5は前記周壁構成部材1の上面に重合されてポンプケーシングの上壁を構成する剛体製のシールプレートであり、その下面周辺部の要所より周壁構成部材1の外周面の陥所1bへ当接される補強壁6・・・・6が配設されており、該補強壁6・・・・6の各側縁部は前記受圧面1cに対向する受圧誘導辺6eに形成されている。7は各補強壁6・・・・6の外側に付設された取付座であり、その下面には締付用ボルト8の螺装孔9がそれぞれ穿設されている。10は前記周壁構成部材1の下面に重合されてポンプケーシングの下壁を構成するサクションカバーであり、中央にポンプ吸込口11を開口させて周辺部には前記螺装孔9・・・・9と同心状のボルト頭係止孔12・・・・12を配設して、金属等の硬質材料で作られ、或いはゴム等の耐摩耗弾性材料の内部に金属板を埋装するなどにより剛性が保有させられている。前記補強壁6・・・・6の下端は前記周壁構成部材1の下端よりもやや上方にあってサクションカバー10の上面との間に若干の間隙gが形成されている。13は周壁に通水孔14・・・・14を配設した剛体製の環状ストレーナであり、その底板周辺部には前記ボルト頭係止孔12・・・・12と同心状にボルト操作窓16・・・・16を有している。
【0007】
受圧誘導辺6e・・・・6eを受圧面1cへ対向させた状態でシールプレート5を周壁構成部材1の上面へ重合させ、該周壁構成部材1の下面にはサクションカバー10を重合させ、ボルト 頭係止孔12・・・・12を介して締付用ボルト8・・・・8の先端部を螺装孔9・・・・9へ螺装し、サクションカバー10を周壁構成部材1の下面へ仮止めした状態で、環状ストレーナ13をポンプケーシングの周壁構成部材1の外周面に嵌合させ、環状ストレーナ13の底板下方から操作窓16・・・・16を介して締付用ボルト8・・・・8を螺着し、ボルト頭15・・・・15の頚部でボルト係止孔12・・・・12の孔縁部を押圧させることにより、ポンプケーシングの周壁構成部材1とサクションカバー10が一体に結合されると共に周壁構成部材1が縦方向に圧縮されて径方向に膨出する作用が、受圧誘導辺6e・・・・6eに接する受圧面1c・・・・1c付近で外径方向へ誘導されて膨出部1aがストレーナ13の周壁内周面へ圧接する。つまり、ストレーナ13はボルトレスの態様でポンプケーシングの外周へ強固に嵌着されることになる。また、ポンプケーシングの周壁構成部材1の外周面の陥所1b・・・・1bは補強壁6・・・・6の存在により広範囲に亘って面状に補強せられ、内圧によって変形することを防止されるが、同時に、サクションカバー10の結合時においてポンプケーシングの軸方向の寸法が該補強壁6・・・・6によって一定に保たれることになる。
【0008】
【発明の効果】
本発明に係る水中ポンプにおけるサクションカバーおよびストレーナの定着構造によれば、従来のような高価な特殊ボルトを用いることなくゴム製ポンプケーシングの軸方向の寸法を一定に保つことができると共に内圧による変形を防止でき、サクションカバーの定着操作に伴ってストレーナの定着がボルトレスの態様で行われ、組立工数および部品点数を減少させてローコストにポンプを生産し得るという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施例におけるサクションカバーおよびストレーナの定着構造を示す要部縦断側面図である。
【図2】 本発明構造を構成するポンプケーシングの側壁構成部材の底面図である。
【図3】 本発明構造を構成するサクションカバー(ポンプケーシングの下壁構成部材)の底面図である。
【図4】 本発明構造を構成するシールプレート(ポンプケーシングの上壁構成部材)の底面図である。
【図5】 本発明構造におけるポンプケーシングの周壁構成部材とシールプレートを嵌合させた状態を示す底面図である。
【図6】 図5のA−A線における縦断側面図である。
【図7】 従来の定着構造を示す要部縦断側面図であって、ポンプケーシングおよびサクションカバーをシールプレートに結合した状態である。
【図8】 図7の状態から更にストレーナを結合させた状態を示す。
【符号の説明】
1 ポンプケーシングの周壁構成部材
1a 膨出部
1b 陥所
1c 受圧面
2 渦巻室
5 シールプレート
6 補強壁
6e 受圧誘導辺
7 取付座
8 締付用ボルト
9 螺装孔
10 サクションカバー
11 ポンプ吸込口
12 ボルト頭係止孔
13 環状ストレーナ
14 通水孔
15 ボルト頭
16 ボルト操作窓
g 間隙

Claims (1)

  1. 内部が渦流室に形成されるポンプケーシングの周壁構成部材をゴム等の耐磨耗弾性材料製となし、該部材の外周面に後記環状ストレーナの周壁内周面へ近接する膨出部と周壁内周面から離隔する陥所と隔在させ、陥所から膨出部へ移行する部位で内側へ面して後記受圧誘導辺の当接する受圧面を縦設し、周壁構成部材の上面に重合される剛体製シールプレートの下面周辺部より前記陥所へ当接される補強壁を配設し、該補強壁の側縁部を前記受圧面へ対向する受圧誘導辺に形成すると共に外側に締付用ボルト螺装孔を有する取付座を付設し、剛性を保有して上面周辺部を前記周壁構成部材の下面に重合されるサクションカバーの中央にポンプ吸込口を開口させ周辺部に上記螺装孔と同心状のボルト頭係止孔を配設し、前記補強壁の下端は前記周壁構成部材の下端よりも上方にあってサクションカバー上面との間に若干の間隙が形成され、周壁に通水孔を配設し底板周辺部には前記ボルト頭係止孔と同心状に配設されたボルト操作窓を有する剛体製の環状ストレーナを前記周壁構成部材の外周面に嵌合させ、締付用ボルトの先端をボルト頭係止孔を介して取付座の螺装孔へ螺装しボルト頭の頚部でボルト頭係止孔の孔縁部を押圧させることにより、ポンプケーシングの周壁構成部材とサクションカバーが一体に結合されると共に周壁構成部材が縦方向に圧縮されて径方向に膨出する作用が受圧誘導辺に接する受圧面付近で外径方向へ誘導されて膨出部がストレーナ周壁の内周面へ圧接するよう構成したことを特徴とする、水中ポンプにおけるサクションカバーおよびストレーナの定着構造。
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