JP2886386B2 - 板金製ポンプケーシング - Google Patents

板金製ポンプケーシング

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JP2886386B2 JP12017392A JP12017392A JP2886386B2 JP 2886386 B2 JP2886386 B2 JP 2886386B2 JP 12017392 A JP12017392 A JP 12017392A JP 12017392 A JP12017392 A JP 12017392A JP 2886386 B2 JP2886386 B2 JP 2886386B2
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flange
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は板金製ポンプケーシング
に係り、特にステンレススチール等の鋼板をプレス成形
して製作するポンプケーシングに関する。
【0002】
【従来の技術】従来から一枚のステンレススチール等の
鋼板をプレスにより深絞りしてポンプケーシングを製作
することが行われている。そして、プレス成形したポン
プケーシングに吸込フランジおよび吐出フランジを溶接
等によって固着している。斯かるポンプケーシングの吸
込フランジおよび吐出フランジは、相手側の配管との接
続を強固にするために、フランジ単体の剛性を確保する
必要がある。そのため、従来、比較的厚いステンレス鋼
板を使用してプレス成形により製作するか、又は、薄い
ステンレス鋼板を使用してプレス成形によりフランジ本
体を製作するとともに、このフランジ本体に裏板等の補
強材を溶接等により固着していた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来のプレス製ポンプ
ケーシングの吸込フランジおよび吐出フランジは、上述
したように、厚板をプレス成形により製作するか、又
は、薄板をプレス成形したフランジ本体に補強材を設け
て製作することにより、フランジ単体の剛性を確保する
ようにしていた。そのため、前者の場合(厚板のプレス
成形)には、プレス成形が容易ではなく、又、ポンプケ
ーシングがステンレス製の場合、フランジもステンレス
製にしなければならないため材料費が高価になるという
問題点があった。一方、後者の場合(薄板を補強)に
は、部品点数が増加し、製作コストが上昇するという問
題点があった。
【0004】また、各種の規格(JIS,DIN等)に
基づいた多種類のフランジを用意して規格に合わせてポ
ンプケーシングに接合しているため、フランジ及びポン
プケーシングの製作が煩雑になるという問題点があっ
た。
【0005】本発明は上述の事情に鑑みなされたもの
で、その目的とする処は、吸込フランジおよび吐出フラ
ンジのフランジ単体の剛性が確保できるとともに、フラ
ンジの主要部をポンプケーシングとは異なった材質を選
択でき、かつ、各種規格に対応可能な板金製ポンプケー
シングを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上述した目的を達成する
ため、本発明の板金製ポンプケーシングは、ケーシング
本体と、吸込フランジ及び/又は吐出フランジとを備え
た板金製ポンプケーシングにおいて、前記吸込フランジ
及び吐出フランジの少なくとも一方は、前記ケーシング
本体に接続されるとともに吸込配管又は吐出配管に設け
られた相手側フランジとのシール面を構成する環状の中
間リングと、該中間リングにねじ込みによって固定され
るとともに前記相手側フランジとの接続部を構成するフ
ランジ本体とからなることを特徴とするものである。
【0007】
【作用】前述した構成からなる本発明によれば、吸込フ
ランジ及び吐出フランジの少なくとも一方は、環状の中
間リングと、該中間リングにねじ込みによって固定され
た厚肉のフランジ本体とにより構成したため、フランジ
本体をプレス成形以外の方法(例えば、鋳造等)で製作
でき、フランジ単体の剛性を容易に確保することができ
るとともに、耐食性を必要とするポンプケーシングの場
合でも、非接液部のフランジ本体をケーシング本体とは
別材質の、例えば、鋳鉄等を使用することが可能とな
り、材料費の低減及び製作コストの低減を図ることがで
きる。また、中間リングについては何ら変更することな
く、フランジ本体のみを取替えることができるため、J
IS規格、DIN規格等の各種フランジ規格に対応可能
となる。
【0008】
【実施例】以下、本発明に係る板金製ポンプケーシング
の一実施例を図1及び図2を参照して説明する。図1は
本発明の板金製ポンプケーシングを備えた陸上設置の横
型遠心ポンプを示す縦断面図である。図1において、符
号1はケーシング本体を構成する外ケーシングを示し、
この外ケーシング1は、ステンレススチール等の一枚の
鋼板をプレスにより深絞りして形成されている。外ケー
シング1は、円筒容器状の本体部2と、この本体部2よ
り吸込側に延設された円筒状の吸込ノズル3と、この吸
込ノズル3の反対側の開口部側に設けられたケーシング
フランジ4とを備えている。そして、本体部2の円筒状
側壁には吐出ノズル5が溶接等により固着されており、
この吐出ノズル5の先端部に吐出フランジ6が溶接等に
より接続されている。吸込ノズル3は、図2にその拡大
図が示されるように大径部3aと小径部3bとを有した
異径ノズルから構成されている。吸込ノズル3の大径部
3aの内径DN は小径部3bの内径Φよりも1.25倍
以上に設定されている。
【0009】また、吸込ノズル3に接合される吸込フラ
ンジ7は、図2に示されるように環状の中間リング7A
と、この中間リング7Aにねじ込みによって固定された
厚肉のフランジ本体7Bとからなっている。中間リング
7Aはケーシング本体と同材質のステンレススチール等
からなり、開口部7aと凹部7bと雄ねじ部7cとを有
し、その前端面が相手側フランジ(図示せず)とのシー
ル面7sになっている。そして、中間リング7Aの開口
部7aに吸込ノズル3の小径部3bが溶接により接合さ
れ、中間リング7Aの凹部7bがインロー嵌合部を構成
し、この凹部7bに吸込ノズル3の大径部3aが嵌合さ
れるとともに溶接により接合されている。一方、フラン
ジ本体7Bは、ケーシング本体とは異なった材料、例え
ば、鋳鉄(FC)等からなり、その内端部に雌ねじ部7
dを有し、この雌ねじ部7dによって中間リング7Aに
螺合されている。また、図1に示されるように、ケーシ
ングフランジ4は、モータ(図示せず)のブラケット8
に固定され支持されている。ブラケット8に固定された
ケーシングカバー9は、外ケーシング1の開口部を閉塞
するように設けられている。
【0010】一方、外ケーシング1の内側には、内ケー
シング10が設けられており、この内ケーシング10は
ステンレススチール等の一枚の鋼板をプレスにより深絞
りして形成されている。内ケーシング10は円筒容器状
の本体部11と、この本体部11より吸込側に延設され
た円筒状の吸込側部12とから構成されている。そし
て、内ケーシング10の本体部11の開口側端部は、ケ
ーシングカバー9に嵌合され支持されている。ケーシン
グカバー9は、鋳物製等からなるモータ側ブラケット8
に保持されているため、高い剛性を有し、この高い剛性
を有したケーシングカバー9に内ケーシング10は支持
されている。内ケーシング10の吸込側部12の一端
は、吸込ノズル3の近傍まで延びている。そして、内ケ
ーシング10の吸込側部12の端部と外ケーシング1の
吸込ノズル3との間隙には、弾性材からなるシール部材
13が介装されており、このシール部材13によって吸
込側(低圧側)と吐出側(高圧側)とがシールされてい
る。なお、シール部材13は高圧側と低圧側との差圧に
より吸込側に押されるため、脱落することもなく確実に
シールできる。
【0011】内ケーシング10の内側には羽根車14が
収容されており、この羽根車14は主軸15の自由端に
連結され支持されている。主軸15は軸受(図示せず)
により回転自在に支持されており、この主軸15とケー
シングカバー9との間には軸封装置16が設けられてい
る。また内ケーシング10の本体部11の内側にはガイ
ドベーンまたはボリュートを構成する案内装置17が設
置され、吸込側部12の内側には旋回防止板18が固定
されている。内ケーシング10の吸込側部12の後端部
はライナー部Lを構成し、羽根車14の吸込側の端縁部
14aとライナー部Lとの間には僅かなクリアランスが
形成されている。
【0012】前記遠心ポンプの作用を簡単に説明する
と、吸込ノズル3より吸い込まれた流体は、内ケーシン
グ10の吸込側部12を通って羽根車14内に導かれ
る。回転する羽根車14から吐出された流体は、案内装
置17によって圧力回収がなされ、内ケーシング10の
本体部11に穿設された開口部11aより外ケーシング
1と内ケーシング10との間の空間に流入し、その後、
外ケーシング1に形成された吐出ポート2aから吐出ノ
ズル5を経て図示されない吐出配管に排出される。内ケ
ーシング10から外ケーシング1と内ケーシング10と
の間の空間に流入した流体はシール部材13によって吸
込側への流入が防止されている。なお、仮想線で示され
るように内ケーシング10から吐出された流体を吐出ノ
ズル5に導くためのガイド板19を設けても良い。
【0013】本実施例においては、吸込フランジ7を、
環状の中間リング7Aと、中間リング7Aに固定された
厚肉のフランジ本体7Bとにより構成したため、フラン
ジ本体7Bをプレス成形以外の方法で製作でき、フラン
ジ単体の剛性を確保することができる。また、吸込フラ
ンジ7を、接液部の中間リング7Aと非接液部のフラン
ジ本体7Bとして分割できるため、フランジ本体7Bを
ケーシング本体とは別材質の、例えば、鋳鉄等を使用す
ることが可能となり、材料費の低減及び製作コストの低
減を図ることができる。また、本実施例によれば、フラ
ンジ本体7Bが取替え可能であるため、JIS規格、D
IN規格等の各種フランジ規格に対応可能となる。な
お、図1に示す実施例においては、吸込フランジに本発
明のフランジを適用したが、吐出フランジに適用した場
合も全く同様である。
【0014】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
吸込フランジを、環状の中間リングと、中間リングに固
定された厚肉のフランジ本体とにより構成したため、フ
ランジ本体をプレス成形以外の方法で製作でき、フラン
ジ単体の剛性を確保することができる。また、フランジ
を接液部の中間リングと非接液部のフランジ本体とに分
割できるため、フランジ本体をケーシング本体とは別材
質の、例えば、鋳鉄等を使用することが可能となり、材
料費の低減及び製作コストの低減を図ることができる。
【0015】また、本発明によれば、フランジ本体が中
間リングとは別個に単独で取替え可能であるため、JI
S規格、DIN規格等の各種フランジ規格に対応可能と
なる。また、フランジ本体は中間リングにねじ込みによ
って固定されるため、相手側配管フランジのボルト孔の
位置ずれに対応可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る板金製ポンプケーシングを備えた
遠心ポンプの断面図である。
【図2】図1のノズル部及びフランジ部の拡大断面図で
ある。
【符号の説明】
1 外ケーシング 2 本体部 3 吸込ノズル 4 ケーシングフランジ 5 吐出ノズル 6 吐出フランジ 7 吸込フランジ 7A 中間リング 7B フランジ本体 8 ブラケット 9 ケーシングカバー 10 内ケーシング 11 本体部 12 吸込側部 13 シール部材 14 羽根車 15 主軸 16 軸封装置 17 案内装置

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ケーシング本体と、吸込フランジ及び/
    又は吐出フランジとを備えた板金製ポンプケーシングに
    おいて、前記吸込フランジ及び吐出フランジの少なくと
    も一方は、前記ケーシング本体に接続されるとともに
    込配管又は吐出配管に設けられた相手側フランジとのシ
    ール面を構成する環状の中間リングと、該中間リングに
    ねじ込みによって固定されるとともに前記相手側フラン
    ジとの接続部を構成するフランジ本体とからなることを
    特徴とする板金製ポンプケーシング。
  2. 【請求項2】 前記中間リングは移送流体との接液部を
    構成し前記ケーシング本体とともに耐食性材料からな
    り、前記フランジ本体は非接液部を構成し前記ケーシン
    グ本体とは別材質からなることを特徴とする請求項1記
    載の板金製ポンプケーシング。
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