JP4435927B2 - 弾性経編地 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は分割可能な伸縮性を有する弾性経編地に関する。
【0002】
【従来の技術】
フェンデーションなどのインナー、スポーツ衣料、アウターなどの衣服には、地組織の非弾性糸に弾性糸を組み合わせた弾性経編地が多く使用され、通常トリコット編機、ラッセル編機の全巾を利用して弾性経編地を編成する。従ってファンデーションなどの衣服を弾性経編地から作るには、1m以上の巾を有する弾性経編地から、目的とする衣服の形状に応じて設計された複数の弾性経編地片を裁断により作り、これら複数の弾性経編地片を縫製することによって衣服製品を得ることになる。しかし、衣服の裾部分については、裁断しただけでは裁断部から糸が突出したり、ほつれたりするので、弾性経編地片の端部を折り返したり、かがり縫いにより縫製されているが、このような方法では、裾部分が厚くなり、着用感や外観が悪くなるという問題が生じる。経編地においては従来一部の編地において抜き糸による編地分割を行う例があり、裁断工程を経なくとも目的の幅の編地を得ることも可能である。しかしながら、しばしば問題となるのは、編地がまくれる、いわゆるカールという現象を生じる生地の場合で、特に伸縮性の良好な編地に発生しやすく、たて、及びよこ方向に伸縮性を有する、いわゆる2ウェイ経編地挿入による編地では特にこの現象が顕著である。このような伸縮性を有する編地においては、従来の抜き糸による編地分割は不可能とされていた。
これらのように、現在、薄地軽量でたて、及びよこ方向にも伸縮性があり、カールの発生が無く、かつ、抜き糸による編地分割が可能な弾性経編地は見られないのが現状である。
【0003】
【発明が解決するための課題】
本発明は薄地軽量で、たて、及びよこ方向にも伸縮性があり、カールの発生が無く安定した編地が得られ、かつ、抜き糸による編地分割が可能な弾性経編地を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、前記課題を解決するため鋭意検討した結果、弾性糸を用い、特定された組織の2ウェイ経編地を製造することにより本発明の目的が達成されることを見出し本発明をなすに至った。
すなわち、本発明は1種以上の非弾性糸と、第1弾性糸からなる弾性経編地に、鎖編みの第2弾性糸が少なくとも1部のコースでニットしながら配置されている弾性経編地と、非弾性糸の鎖編みを含んでなる、抜き糸ウェールの少なくとも片側は、2本以上の弾性糸を含んでなる分割可能な弾性経編地との、2種の編地が隣接してた経編地であることを特徴とする。
【0005】
本発明の課題の一つであるカール発生のない安定した編地は、1種以上の第1弾性糸からなる弾性経編地のそれぞれのウェールに、鎖編みの第2弾性糸が少なくとも1部のコースでニットしながら配置されていることにより達成される。
本発明においてニットするとはオープンループまたはクローズドループを作ることを意味する。また挿入とはオープンループまたはクローズドループを形成させずに糸を配置することを意味する。
【0006】
例えば、経編機のフロント筬に非弾性糸、ミドル筬に第2弾性糸、バック筬に第1弾性糸を配置し、組織は、フロント筬とバック筬で2ウェイと呼ばれるハーフ組織、すなわち、フロント筬10/23、バック筬12/10による組織を地組織とし、この地組織にミドル筬の第2弾性糸で、10/01、10/10、あるいは、場合によっては、10/00/01/11など、少なくとも1部のコースでニットしている鎖編み組織を組み合わせればよい。また、第2弾性糸の鎖編みは、少なくとも1部のコースでニットしていることが必要であるが、挿入部分は、10/00/01/11などのように、同一の編成ウェール間に配置する方が、編地の安定性に優れる。
【0007】
しかし、例えば10/01/10/01/12/21/12/21のように、鎖編みが横のウェールに移動する場合は、編地安定性を損なうことなく、鎖編みが横のウェールに移動することにより生じる柄効果が得られる。この場合、鎖編みは少なくとも4コース同一ウェール内で連続することが必要であり、また、第2弾性糸は、全てのコースでニットしながら配置されていると、寸法安定性と耐カール性をより向上することが出来る。
非弾性糸と、第1弾性糸で製造される地組織の弾性経編地は、ハーフ組織の他、サテン組織、あるいは、弾性糸の挿入による組織など、任意な組織が使用可能であり、必要とする伸縮性により選定できる。
【0008】
本発明では、抜き糸による編地分割が可能な弾性経編地であり、抜き糸を除去することにより編地が分離できる。
本発明は、非弾性糸の鎖編みを含んでなる抜き糸ウェールの少なくとも片側編地が2本以上の弾性糸を含んでなる分割可能な弾性経編地であることを特徴とする。2本以上の弾性糸を含む弾性経編地は、例えば、4枚筬を使用し、フロント筬に非弾性糸、バック筬に第1弾性糸、第1ミドル筬に第2弾性糸、第2ミドル筬に第3弾性糸を配置し、フロント筬、バック筬、第1ミドル筬で、組織は、フロント筬とバック筬でハーフ組織、すなわち、フロント筬10/23、バック筬12/10とし、この組織に第1ミドル筬の第2弾性糸で、10/01、10/10、あるいは、場合によっては、10/00/01/11など、少なくとも1部のコースでニットしている鎖編み組織を組み合わせ、この組織に、第2ミドル筬で第3弾性糸を00/22、または、00/33などの挿入組織により編成すれば本願の目的は達成できる。この場合には、抜き糸ウェールでは左右の弾性経編地が抜き糸後に分割できるよう、左右に振られる挿入糸が重ならないように糸抜きする必要がある。また、別の例として、抜き糸ウェールの両側に、左右に振りながら全てのコースでニットする非弾性糸と、左右に振りながら1コース毎に交互にニットと挿入を繰り返す第1弾性糸と、交互に振りながら第1弾性糸と交互にニットと挿入を繰り返して配置される第3弾性糸により編成される編構造とし、抜き糸ウェールでは、これら第1弾性糸と、第3弾性糸とが重なる1ウェール間は、挿入部分のみとなるように第1弾性糸と第3弾性糸を糸抜きして配置し、該1ウェール間を非弾性糸の抜き糸である鎖編みで編成することにより、抜き糸の鎖編み中に第1弾性糸と第3弾性糸との挿入ループが絡むようにして、抜き糸が可能な弾性経編地を構成する。
【0009】
本発明でいう非弾性糸については特別な制限はなく、ポリエステル、ナイロン、アクリルなどの合成繊維、また、綿、羊毛、麻等の繊維が使用でき、特に、ポリエステルやナイロンを使用すれば、寸法安定性の良いインナー衣料となり、吸水性や、吸湿性を付与する場合には、綿、キュプラ、レーヨンなどの繊維を使用すればよい。また、混紡、混繊、交撚、あるいは、編機上で交編するなどにより、2種以上の糸を混合して使用することも出来る。使用する糸の糸形態についても任意で、フィラメント糸、スパン糸、あるいは、異型断面糸などでも使用可能である。これらの非弾性糸の太さについては特に限定されないが、好ましくは20〜170dtexの糸の使用であり、より好ましくは、30〜110dtexの糸の使用である。編地に薄地、軽量を求める場合にはなるべく細い糸使いとし、強度向上を求める場合には、なるべく太い糸使いとすればよい。
【0010】
本発明において、弾性糸としてはポリウレタン系、ポリエーテルエステル系等の弾性を有する糸が使用可能である。通常市販のポリウレタン系弾性糸で、例えば、乾式紡糸又は溶融紡糸したものが使用でき、ポリマーや紡糸方法には特に限定されない。弾性糸の破断伸度は400%〜1000%のもので、かつ、伸縮性に優れ、染色加工時のプレセット工程の通常処理温度180℃近辺で伸縮性を損なわないことが好ましい。また、弾性糸に、抗菌性や、吸湿、吸水性等の機能性を付与した糸も使用可能である。弾性糸の太さについても特に限定されないが、ニットループを形成する弾性糸では問題なく編成するためには好ましくは10〜170dtex、より好ましくは、30〜110dtexである。また、挿入に用いる弾性糸は、好ましくは、70〜1000dtex、より好ましくは、140〜500dtexである。このような非弾性糸と弾性糸との組合せにより安定した編地が得られ、編地として適度な弾性が得られる。なお、これらの場合、例えば、1つの筬中に例えば44dtexの弾性糸を3本通すなど、細い弾性糸をまとめて糸通しして、見かけ上太い糸使いとする方法も可能である。
【0011】
本発明において、編地中の弾性伸縮性をウェール方向で変更する際は、弾性伸縮性を変更する部分の筬に、他のウェール部分とは異なる伸縮性、あるいは異なる太さの弾性糸を糸通しして編成すれば、その部分のウェールは、他のウェールとは異なった弾性伸縮性有する編地が得られる。例えば、第2ミドル筬において、44dtexの第2弾性糸を使用し、弾性伸縮性を向上させる部分は第2弾性糸を、その部分のみ異なった太い弾性糸を筬に通すか、あるいは、同じ太さの第2弾性糸を2本以上糸通しすれば、ウェール方向に、異なった弾性伸縮性の編地となり、製品縫製時には横方向使いとして、製品上下方向に伸縮性が異なった製品を得ることができる。
【0012】
本発明のカール発生のない安定した弾性経編地は、製品を構成する布片、例えばショーツの前身頃全体に用いてもよく、また、横方向使いとして裾部分にのみ本発明の弾性経編地が用い、それに接続する部分が他の構成を有する経編地で構成されていても良い。すなわち、通常の、例えば、ハーフ組織からなる2ウェイ弾性経編地の裾部分など、1部分を特にカールのない安定した編地としたい場合には、その部分にのみ本発明による弾性経編地からなる組織構成とすれば、製品全体の機能向上がはかれる。例えば、ファンデーションにおいて、抜き糸ウェールを挟んで左右の裾部、見頃部と連結した編地を製造する場合、図1に示すような糸配列と、○印で示す筬への糸通しを行う。この場合、左右の見頃部は任意の糸本数で、必要巾フロント糸の非弾性糸とバック糸の第1弾性糸を使用してハーフ組織による弾性経編地を編成する。抜き糸部を挟む裾部では、見頃部の使用糸に加え、第1ミドル糸の第2弾性糸で鎖編みを編成することにより、編地をカールのない安定した弾性経編地とする。この場合の裾部の糸本数も任意であるが、巾が2〜10cm程度となるように糸本数を設定すればよい。抜き糸ウェールでは、フロント糸、バック糸、第1ミドル糸が抜き糸ウェールで編成されないように、それぞれ糸抜きしておく。第2ミドル糸の第3弾性糸は挿入組織00/33であり、抜き糸ウェールでは、左右の振りで交互に1本ずつ抜き糸ウェールの針に引っかかるのみとなるように、抜き糸ウェールの第3弾性糸を2本糸抜きしておく。この抜き糸ウェールに沿って、第1ミドル筬に編機後部から、例えば、エステル84dtexのチーズ糸を糸通して編成し、抜き糸ウェールは、第3弾性糸の挿入編みに、エステルの抜き糸である鎖編みが絡まって編成すれば、編地の染色加工後、抜き糸を抜くことにより編地が分割され、縫製部のごろつきがないすっきりとした、カールのない安定した裾部と見頃部が連結された製品が得られる。
【0013】
染色については、任意の染色機が使用できるが、液流染色機の使用が好ましい。セット条件としては、公知の条件範囲で可能であるが、好ましくは、プレセット時は190℃前後、仕上げセット時は170℃前後で行えば、セット性がよく、染色堅牢度面でも問題ない弾性経編地となる。
本発明の弾性経編地は、トリコット編機、ラッセル編機にて編成可能で、編機のゲージについては特に限定されないものの、20〜36ゲージ/インチの編機を、使用する糸の太さによって任意に選択すればよい。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を実施例で具体的に説明する。
【0015】
【実施例1】
仕掛け巾130インチの28ゲージ/インチの4枚筬トリコット編機を使用し、伸縮パワーがソフトであるソフトガードルを製造することにし、トリコット編機の各筬と糸種を下記のように行った。
フロント筬:ナイロン糸 33dtex/10フィラメント
第1ミドル筬:ロイカ(登録商標)(旭化成工業株式会社製、ポリウレタン弾性糸)44dtex/4フィラメント をドラフト率80%で整経した。
→これを第2弾性糸とする
第2ミドル筬:ロイカ(登録商標)(旭化成工業株式会社製、ポリウレタン弾性糸)155dtex/18フィラメント をドラフト率80%で整経し、一つの筬の中に該弾性糸を1本通した。 →これを第3弾性糸とする
バック筬:ロイカ(登録商標)(旭化成工業株式会社製、ポリウレタン弾性糸)44dtex/4フィラメント をドラフト率80%で整経した。
→これを第1弾性糸とする
【0016】
弾性経編地を横方向使いとしてソフトガードルを縫製したときのソフトガードルの部位と編み組織、糸使いを表1に示し、その際の糸通し方法を図1に示す。図1では糸本数のイメージ図であるが、左右の見頃部はフロント糸と、バック糸を800本使用してハーフ組織による弾性経編地を編成し、抜き糸部を挟む裾部では、見頃部の使用糸に加え、第1ミドル糸で鎖編みを編成して、編地をカールのない安定した弾性経編地とする。この場合の裾部の糸本数は100本を裾部として使用した。抜き糸部では、フロント糸、バック糸、第1弾性糸が抜き糸部のウェールで編成されないように、それぞれ糸抜きしておく。第2ミドル糸は弾性糸の挿入組織であり、抜き糸部のウェールでは、左右の振りで交互に1本ずつ抜き糸部のウェールの針に引っかかるのみとなるように、抜き糸部の第2弾性糸を1本糸抜きしておく。
【0017】
この抜き糸部のウェールに沿って、第1ミドル長に編機後部からエステル糸84dtex/36フィラメントのチーズ糸を糸通して編成し、抜き糸ウェールは、第2弾性糸の挿入編みに、エステルの抜き糸である鎖編みが絡まって編成されるようにした。また、編地は4分割可能なように、左端から、見頃部、裾部、抜き糸ウェール、裾部、見頃部、抜き糸ウェール、見頃部、裾部、抜き糸ウェール、裾部、見頃部の順で、それぞれの部分は同糸本数で配置した。ただし、中央の抜き糸ウェールの部分のみ、1cm巾間裾部と同様の糸配置、組織とした。
【0018】
この編成条件で得られた編地を、精錬し、190℃45秒にてプレセットした。プレセット時の密度設定は、110コース/インチ×60ウェール/インチとし、プレセット後に液流染色機にて125℃で30分間染色を行った。さらにこの後、有り長、有り幅で170℃45秒にて仕上げセットを行い、弾性経編地を作成した。得られた弾性経編地は、編地全巾が4分割可能で、抜き糸を抜いた分割後はそれぞれ45cm巾の編地が得られた。この編地を横横方向使いで縫製する事により裾部はカールのない安定した編地となり、縫製部のごろつきのない品位が極めて高いソフトガードルが得られた。
【0019】
【比較例】
実施例1に於いて、見頃部の編地のみ、すなわちフロント筬にナイロン糸33dtex/10フィラメント,バック筬にロイカ(登録商標)(旭化成工業株式会社製、ポリウレタン弾性糸)44dtex/4フィラメントを使用してハーフ組織を仕掛け、巾130インチで編成し、実施例1と同様の条件で染色仕上げを行った。この編地を使用して、実施例1と同じデザインのソフトガードルを縫製したが、裾部には別に用意した伸縮性が高いパワーの編地を裾部として切り替え縫製により縫合した。
その結果、縫製時には編地のカールが甚だしく縫製に手間がかかった。
また、このソフトガードルを着用した結果、裾部伸縮パワーの異なる部分の縫合部ごろつきが気になり、また、裾の折り返し部分も厚く表地に響き、着用感、外観ともよくない製品であった。
【0020】
【実施例2】
仕掛け巾130インチの28ゲージ/インチの4枚筬トリコット編機を使用し、ソフトガードルを製造することにし、トリコット編機の各筬と糸種を下記のように行った。
フロント筬:ナイロン糸33dtex/10フィラメント
第1ミドル筬:ロイカ(登録商標)(旭化成工業株式会社製、ポリウレタン弾性糸)44dtex/4フィラメントをドラフト率80%で整経した。
→これを第2弾性糸とする
第2ミドル筬:ロイカ(登録商標)(旭化成工業株式会社製、ポリウレタン系弾性糸)44dtex/4フィラメント をドラフト率80%で整経し、一つの筬の中に該弾性糸を1本通した。
→これを第3弾性糸とする
バック筬:ロイカ(登録商標)(旭化成工業株式会社製、ポリウレタン弾性糸)44dtex/4フィラメント をドラフト率80%で整経した。
→これを第1弾性糸とする
【0021】
この弾性経編地で、編地の横方向使いでソフトガードルを縫製したときのガードルの部位と編み組織、糸使いを表2に示し、その際の糸通し方法を図2に示す。
図2では糸本数のイメージ図であるが、実施例2では左右の見頃部はフロント糸と、第2ミドル糸、バック糸をそれぞれ800本使用して表2に示す組織による弾性経編地を編成し、抜き糸部を挟む裾部では、見頃部の使用糸に加え、第1ミドル糸で鎖編みを編成して、編地をカールのない安定した弾性経編地とする。なお、裾部では第1ミドル糸の弾性糸の糸本数は100本を裾部として使用した。抜き糸ウェールでは、フロント糸、第1ミドル糸が抜き糸ウェールで編成されないようにそれぞれ糸抜きしておく。第2ミドル糸、バック糸は抜き糸ウェールの両側で、左右に振りながら1コース毎に交互にニットと挿入を繰り返す第1弾性糸と、交互に振りながら第1弾性糸と交互にニットと挿入を繰り返して配置される第2弾性糸により編成される編構造とする。この場合、抜き糸ウェールでは、これら第1弾性糸と、第3弾性糸とが重なる1ウェール間は、挿入部分のみとなるように第1弾性糸と第3弾性糸を糸抜きして配置し、該1ウェール間を非弾性糸の抜き糸である鎖編みで編成することにより、抜き糸の鎖編み中に第1弾性糸と第3弾性糸との挿入ループが絡むように設定した。この抜き糸ウェールに沿って、第1ミドル筬に編機後部からエステル糸84dtex/36フィラメントのチーズ糸を糸通して編成し、抜き糸ウェールは、第1弾性糸と第3弾性糸の挿入編みに、エステルの抜き糸である鎖編みが絡まって編成されるようにした。
【0022】
また、編地は4分割可能なように、左端から、見頃部、裾部、抜き糸ウェール、裾部、見頃部、抜き糸ウェール、見頃部、裾部、抜き糸ウェール、裾部、見頃部、の順でそれぞれの部分は同糸本数で配置した。ただし、中央の抜き糸ウェールの部分のみ、抜き糸可能なように、1cm巾間裾部と同様の糸配置、組織とした。
この編成条件で得られた編地を、精錬し、190℃45秒にてプレセットした。プレセット時の密度設定は、110コース/インチ×60ウェール/インチとし、プレセット後に液流染色機にて125℃で30分間染色を行った。さらにこの後、有り長、有り幅で170℃45秒にて仕上げセットを行い、弾性経編地を作成した。得られた弾性経編地は、編地全巾が4分割可能で、抜き糸を抜いた分割後はそれぞれ45cm巾の編地が得られ、この編地を横横方向使いで縫製する事により裾部のカールのない安定した編地が得られ、裾部と見頃部とで製品の伸縮性が異なることにより、着用感の優れ、かつ、縫製部のごろつきのない品位が極めて高い製品が得られた。
【0023】
【表1】
【0024】
【表2】
【0025】
【発明の効果】
本発明の弾性経編地は、薄手軽量、かつカールのない安定した編地であるとともに編地の分割が可能で縫製しやすく、製品着用時にも優れた耐カール性があり、縫合部のごろつきのない着用感にも優れる製品となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の弾性経編地の例を製造するに当たり、その糸配列を示す図。
【図2】本発明の弾性経編地の他の例を製造するに当たり、その糸配列を示す図。
Claims (3)
- 少なくとも下記A、Bの弾性経編地が隣接していることを特徴とする弾性経編地。
A.1種以上の非弾性糸と、第1弾性糸からなる弾性経編地に、鎖編みの第2弾性糸が少なくとも1部のコースでニットしながら配置されている弾性経編地。
B.非弾性糸の鎖編みを含んでなる抜き糸ウェールの少なくとも片側は、2本以上の弾性糸を含んでなる分割可能な弾性経編地。
ただし、それぞれの弾性糸はポリウレタン系弾性糸またはポリエーテルエステル系弾性糸である。 - 3種の弾性糸が含有されていることを特徴とする請求項1記載の弾性経編地。
- 第2弾性糸による鎖編みが、裾部で巾が2〜10cmであることを特徴とする請求項1または2に記載の弾性経編地。
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