JP4434206B2 - 厚み縦圧電共振子 - Google Patents

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Description

本発明は、厚み縦振動モードを利用したエネルギー閉じ込め型の厚み縦圧電共振子であって、利用しようとする厚み縦振動モードの応答の共振周波数及び/または反共振周波数の温度による変化を抑制する構成を備えた厚み縦圧電共振子に関する。
従来より、圧電共振子は、圧電発振子、圧電フィルタなどの様々な圧電共振部品に用いられている。また、使用周波数に応じて、種々の圧電振動モードを利用した圧電共振子が知られている。
例えば、下記の特許文献1では、図22に示す厚み縦圧電共振子101が開示されている。厚み縦圧電共振子101は、厚み縦振動モードの3倍波を利用している、エネルギー閉じ込め型の圧電共振子である。ここでは、ストリップ型の矩形板状の圧電体102が用いられている。圧電体102の上面に、第1の共振電極103が形成されており、下面に第2の共振電極104が形成されている。共振電極103,104は、圧電体102の長さ方向中央において圧電体102を介して表裏対向されている。また、共振電極103,104は、圧電体102の全幅に至るように形成されている。
圧電体102の幅をW、厚みをtとし、d=t/3としたときに、W/dが7.7以下とされており、それによって、厚み縦振動の3倍波を利用した場合に現れる所望でない不要スプリアスを抑圧することができるとされている。
他方、下記の特許文献2には、厚み縦振動の3倍波を利用した同様のエネルギー閉じ込め型圧電共振子が開示されており、ここでは、圧電体の幅Wと厚みTとの比W/Tを特定の範囲とすることにより、共振周波数−反共振周波数間及びその近傍における不要スプリアスを効果的に抑圧することができるとされている。
また、下記の特許文献3には、厚み縦振動の3倍波を利用したエネルギー閉じ込め型の圧電共振子において、圧電体として、Pb、Ti、Li、Sr及びMnを含む特定の組成のペロブスカイト型複合酸化物を用いることにより、発振周波数の温度特性が改善されるとされている。すなわち、特許文献3では、−20℃〜+80℃における発振周波数の温度による変化が小さくされ得ると記載されている。
特開平11−8527号公報 特開平10−290139号公報 特開平11−130526号公報
近年、圧電発振子においては、発振周波数の温度による変化が小さいことがより強く求められている。例えば、0〜70℃の温度範囲で、発振周波数は常温における発振周波数±100ppm程度の範囲内であることが求められている。
上記特許文献3に記載の厚み縦振動モードの3倍波を利用した圧電発振子では、特定の組成の圧電体を用いることにより発振周波数の温度による変化が低減されるとされている。しかしながら、このような材料の選択だけでは、発振周波数の変化量を例えば0〜70℃の温度範囲で±100ppm内とすることは非常に困難であった。例えば、特許文献3における図1のNo.14で示されている圧電発振子においても、上記要求は満たされない。
さらに、圧電共振子の周波数温度特性は、使用する圧電体を製造する際の分極電圧あるいは分極後の熱処理温度などの様々な条件によって変化する。従って、組成により温度特性を制御しようとしたとしても、実際の製造工程の各種条件により温度特性が設計温度特性からずれるおそれがあった。すなわち、圧電体を構成する材料の組成によってのみ、温度特性を正確に設定することは非常に困難であった。
加えて、組成範囲の選択のような材料開発には、多くの実験及び時間を必要とし、要求される温度特性を確実に見出すことは容易ではなく、多大の労力を必要とせざるを得なかった。
他方、上記特許文献1,2に記載の圧電共振子では、共振周波数と反共振周波数との間における所望でないスプリアスの抑圧が図られている。そして、このようなスプリアスを抑制するために、上記のような圧電共振子の寸法が特定の範囲とされている。しかしながら、特許文献2,3では、上記のように、所望でないスプリアスの抑圧もしくはシフトにより、周波数特性を改善することが述べられているが、共振周波数の温度特性自体については言及されていない。すなわち、特許文献2,3では、圧電体の寸法を調整することによりスプリアスの抑圧が考えられているため、このようなスプリアスの抑圧を可能とする寸法によっては、様々な温度特性を有することとなる。従って、温度変化による特性の変化を確実に小さくすることは困難であった。すなわち、0〜70℃の温度範囲で±100ppm以内とすることは困難であった。
本発明の目的は、上述した従来技術の現状に鑑み、広い温度範囲に渡り周波数特性の変化が生じ難い、周波数温度特性に優れた厚み縦圧電共振子を提供することにある。
本発明によれば、上面及び下面を有し、上面と下面とを結ぶ方向である厚み方向に分極されている圧電セラミックスよりなる圧電基板と、前記圧電基板の上面及び下面においてそれぞれ部分的に形成されており、かつ圧電基板を介して対向するように配置された第1,第2の共振電極とを備え、厚み縦振動モードの3倍波を利用したエネルギー閉じ込め型の厚み縦圧電共振子において、前記圧電基板が長さ方向を有するストリップ型の形状を有し、前記第1,第2の共振電極が、前記圧電基板の上面及び下面の長さ方向中央領域において、圧電基板の全幅に至るように形成されており、共振特性を利用するための主たる応答である前記厚み縦振動モードの3倍波の応答の温度による周波数変化を抑制するために、前記主たる応答の温度による周波数変化を抑制する周波数温度変化傾向を有する抑制用応答が、前記主たる応答の温度による周波数変化を抑制するように主たる応答に結合されており、前記抑制用応答が、前記圧電基板の幅寸法に起因する応答であり、前記抑制用応答が、(a)前記主たる応答の周波数温度変化傾向と逆方向の周波数温度変化傾向を有し、または(b)前記抑制用応答の周波数温度変化傾向が、前記主たる応答の周波数温度変化傾向と同一方向でありかつ該抑制用応答の温度による周波数変化が主たる応答の温度による周波数変化よりも小さいことを特徴とする、厚み縦圧電共振子が提供される。
なお、本明細書において、結合とは、抑制用応答が主たる応答の温度による周波数変化を抑制するように近接されていて2つの振動モードが混じり合っていることをいうものとする。
本発明に係る厚み縦圧電共振子のさらに他の特定の局面では、少なくとも1つの前記幅寸法に起因する応答の共振周波数が、前記主たる応答の反共振周波数よりも高い周波数位置にある。
本発明に係る厚み縦圧電共振子のさらに他の特定の局面では、前記主たる応答の反共振周波数をFa(TE)、前記幅寸法に起因する応答の共振周波数をFr(WH)としたとき、使用温度範囲の少なくとも上限において(Fr(WH)−Fa(TE))/Fa(TE)が0より大きく0.04以下である。できれば、使用温度範囲の全域において上記範囲を満たすのが望ましい。
本発明に係る厚み縦圧電共振子のさらに他の特定の局面では、少なくとも1つの前記幅寸法に起因する応答が、前記主たる応答の共振周波数よりも低い位置にある。
本発明に係る厚み縦圧電共振子のさらに別の特定の局面では、前記主たる応答の共振周波数をFr(TE)とし、前記幅寸法に起因する応答の反共振周波数をFa(WL)としたとき、使用温度範囲の少なくとも下限において(Fr(TE)−Fa(WL))/Fr(TE)が0より大きく0.04以下である。できれば、使用温度範囲の全域において上記範囲を満たすのが望ましい。
本発明に係る厚み縦圧電共振子のさらに別の特定の局面では、前記幅寸法に起因する応答として、前記主たる応答の反共振周波数よりも高い周波数位置に位置している第1の応答と、前記主たる応答の共振周波数よりも低い周波数位置に位置している第2の応答とを有する。
本発明に係る厚み縦圧電共振子のさらに他の特定の局面では、前記主たる応答の共振周波数をFr(TE)、反共振周波数をFa(TE)、前記第1の応答の共振周波数をFr(WH)、前記第2の応答の反共振周波数をFa(WL)としたときに、使用温度範囲の少なくとも上限において(Fr(WH)−Fa(TE))/Fa(TE)が0より大きく0.04以下であり、かつ使用温度範囲の少なくとも下限において(Fr(TE)−Fa(WL))/Fr(TE)が0より大きく、0.04以下とされている。できれば、それぞれ使用温度範囲の全域において上記範囲を満たすのが望ましい。
本発明に係る厚み縦圧電共振子では、様々な厚み縦振動モードを利用することができ、例えば主たる応答として、厚み縦振動の高調波の応答を用いることができ、本発明のより限定的な局面では、厚み縦振動の3倍波を利用した厚み縦圧電共振子が提供される。
また、本発明に係る厚み縦圧電共振子では、第1,第2の共振電極と圧電基板層を介して対向するように圧電基板内に設けられた少なくとも1層の内部電極がさらに備えられていてもよい。
(発明の効果)
本発明に係る厚み縦圧電共振子では、厚み方向に分極されている圧電基板の上面及び下面において、第1,第2の共振電極が圧電基板を介して対向するように形成されており、従って、第1,第2の共振電極から交流電界を印加することにより、エネルギー閉じ込め型の厚み縦振動モードを利用した共振特性を得ることができる。しかも、共振特性を利用するための主たる応答の温度による周波数変化を抑制するために、該周波数変化を抑制する周波数温度変化傾向を有する抑制用応答が、主たる応答の温度による周波数変化を抑制するように主たる応答に結合されている。従って、利用する主たる応答の温度による周波数変化が小さくされ、温度特性に優れた厚み縦圧電共振子を提供することができる。
本発明では、共振特性上に現れる、共振周波数及び/または反共振周波数の温度変化を抑制する周波数温度変化傾向を有する抑制用応答を利用するものであるため、例えば0〜70℃の温度範囲内で±100ppm以内のように、温度変化による周波数特性の変化量を非常に小さくすることができる。
また、前述した特許文献3に記載の方法では、特定の範囲の組成の圧電体を用いたとしても、実際の製造時の分極電圧や熱処理温度などにより周波数温度特性が変化せざるを得なかったのに対し、本発明では、厚み縦圧電共振子の共振特性上に現れる応答を利用しているため、周波数温度特性を確実に改善することができる。
加えて、特許文献3に記載のような材料開発による周波数温度特性を改善する方法では、利用する周波数の圧電共振子を得ようとする場合、その度毎に多数の実験を繰り返さなければならなかったのに対して、本発明によれば、材料開発に比べて容易に所望とする温度特性の厚み縦圧電共振子を提供することができる。
上記抑制用応答が、主たる応答の周波数温度変化傾向と逆方向の周波数温度変化傾向を有する場合には、抑制用応答の周波数温度変化傾向により、主たる応答の周波数温度変化傾向が相殺され、それによって温度による主たる応答の周波数変化が抑制される。
また、上記抑制用応答の周波数温度変化傾向は、主たる応答の周波数温度変化傾向と同一方向であってもよく、抑制用応答の周波数変化が主たる応答の温度による周波数変化よりも小さければ、上記抑制用応答の周波数温度変化傾向により、主たる応答の温度による周波数変化を小さくすることができる。
本発明において、圧電基板が長さ方向を有するストリップ型の矩形板状の形状を有し、第1,第2の共振電極が、圧電基板の上面及び下面の長さ方向中央領域において圧電基板の全幅に至るように形成されており、抑制用応答が、圧電基板の幅方向寸法に起因する応答である場合には、ストリップ型の厚み縦圧電共振子において、幅方向寸法を制御することにより、主たる応答の温度による周波数変化を抑制するとこができる。
また、少なくとも1つの幅寸法に起因する応答の共振周波数が、主たる応答の反共振周波数よりも高い周波数位置にある場合には、主たる応答の反共振周波数の温度による変化を小さくすることができる。少なくとも、使用温度範囲の上限において、できれば全使用温度範囲において、上記のように(Fr(WH)−Fa(TE))/Fa(TE)が0より大きく0.04以下とされている場合には、より一層効果的に主たる応答の反共振周波数の温度による変化を小さくすることができる。
幅寸法に起因する抑制用応答は、主たる応答の共振周波数よりも低い位置にあってもよく、その場合には、主たる応答の共振周波数の温度による変化を抑制することができる。少なくとも、使用温度範囲の下限において、できれば全使用温度範囲において、上記のように(Fr(TE)−Fa(WL))/Fr(TE)が0より大きく0.04以下の場合には、後述の実験例から明らかなように、主たる応答の共振周波数の温度による変化をより効果的に抑制することができる。
上記幅寸法に起因する応答として、主たる応答の反共振周波数よりも高い周波数位置に存在する第1の応答と、主たる応答の共振周波数よりも低い周波数位置に位置している第2の応答とが存在する場合には、本発明に従って、主たる応答の共振周波数及び反共振周波数の双方の温度による変化を効果的に小さくすることができる。
少なくともそれぞれ使用温度範囲の上限及び下限において、できれば全使用温度範囲において、上記のように(Fr(WH)−Fa(TE))/Fa(TE)が0より大きく0.04以下であり、かつ(Fr(TE)−Fa(WL))/Fr(TE)が0より大きく0.04以下である場合には、主たる応答の共振周波数及び反共振周波数の温度による変化をより一層効果的に抑制することができる。
主たる応答として、厚み縦振動の高調波を利用した場合には、本発明に従って、より高い周波数域で使用することができ、かつ本発明に従って温度特性が改善されている厚み縦圧電共振子を提供することができる。特に、厚み縦振動の3倍波を利用したエネルギー閉じ込め型厚み縦圧電共振子である場合には、本発明に従って、温度特性が改善された上記厚み縦圧電共振子を提供することができる。
また、本発明の厚み縦圧電共振子が、少なくとも1層の内部電極をさらに備える場合には、内部電極積層数に応じた様々な厚み縦振動の高調波を利用した厚み縦圧電共振子を提供することができる。
図1は、本発明の一実施形態に係る圧電共振子が実装基板上に搭載されている圧電共振部品を示す斜視図である。 図2は、厚み縦圧電共振子における主たる応答の温度上昇による共振特性の周波数変化を示す模式図である。 図3は、実施形態の厚み縦圧電共振子において、温度上昇時の主たる応答の周波数変化と、高域側の第1の抑制用応答の温度上昇による周波数変化を略図的に示す図である。 図4は、抑制用応答が主たる応答の近くに存在しない場合の主たる応答の温度低下による周波数変化を示す図である。 図5は、温度が低下した場合の主たる応答の周波数変化と、第2の抑制用応答の周波数変化を示す図である。 図6は、幅寸法に起因する抑制用応答が結合していない場合の共振周波数の温度による変化と、実施形態の厚み縦圧電共振子において、第1,第2の抑制用応答が主たる応答に結合されて温度特性が改善されていることを示す模式図である。 図7は、主たる応答である厚み縦振動の3倍波の応答、幅寸法に起因する抑制用応答のFr・Tの比W/Tによる変化を示す図である。 図8は、図7の矢印Dで示す位置の圧電体の横断面方向の振動変位状態をFEMで解析した結果を示す模式図である。 図9は、図7の矢印Eで示す位置の圧電体の横断面方向の振動変位状態をFEMで解析した結果を示す模式図である。 図10は、図7の矢印Fで示す位置の圧電体の横断面方向の振動変位状態をFEMで解析した結果を示す模式図である。 図11は、比較のために用意した比較例の厚み縦圧電共振子の外観を示す斜視図である。 図12は、図11に示した比較例の厚み縦圧電共振子の共振周波数の温度による変化を示す図である。 図13は、図11に示した比較例の厚み縦圧電共振子の0℃、25℃及び70℃のインピーダンス特性を示す図である。 図14は、図1に示した実施形態の厚み縦圧電共振子の周波数温度特性を示す図である。 図15は、(a)〜(c)は、図1に示した実施形態の厚み縦圧電共振子の0℃、25℃及び70℃における反共振周波数側の周波数特性を示す図である。 図16は、(a)〜(c)は、図1に示した実施形態の厚み縦圧電共振子の0℃、25℃及び70℃における共振周波数側の周波数特性を示す図である。 図17は、実施形態の厚み縦圧電共振子における主たる応答と、第1,第2の抑制用応答との周波数差を説明するための模式図である。 図18は、実施形態において、0℃から70℃に温度を変化させた際の(Fr(TE))−Fa(WL))/Fr(TE)と、共振周波数の温度による変化率Fa・TCとの関係を示す図である。 図19は、実施形態において、0℃から70℃に温度を変化させた際の(Fr(WH))−Fa(TE))/Fa(TE)と、共振周波数の温度による変化率Fa・TCとの関係を示す図である。 図20は、実施形態の厚み縦圧電共振子における比W/Tと、幅モードに基づく応答の温度特性の変化率との関係を示す図である。 図21は、本発明が適用される厚み縦圧電共振子の他の例を説明するための斜視図である。 図22は、従来の厚み縦圧電共振子の一例を示す斜視図である。
符号の説明
1…厚み縦圧電共振子
2…圧電基板
2a…上面
2b…下面
2c,2d…端面
3…第1の共振電極
4…第2の共振電極
5…接続電極
6…端子電極
7…接続電極
8…端子電極
9,10…導電性接着剤
11…実装基板
11a,11b…電極
21…厚み縦圧電共振子
22…圧電基板
22a…上面
22b…下面
23…共振電極
24…共振電極
25…内部電極
26,27…接続電極
28…端子電極
29…端子電極
以下、本発明の具体的な実施形態を説明することにより、本発明を明らかにする。
図1は、本発明の一実施形態に係る圧電共振子を有する圧電共振部品の斜視図である。本実施形態の圧電共振子1は、長さ2.2mm、幅0.54mm及び厚み0.25mmの細長い矩形板状のストリップ型の圧電体2を有する。圧電体2は、PbTiO3系圧電セラミックスにより構成されており、厚み方向に分極処理されている。もっとも、圧電体2は、他の圧電セラミックスにより構成されていてもよい。
なお、上記圧電体2において、厚み方向の電気機械結合係数k33は43.9%であり、幅方向の電気機械結合係数k31は7.7%である。また、上記分極に際しては、60℃の温度で9kV/mmの電圧を印加して分極を行った。
圧電体2の上面2aには、部分的に、すなわち中央に、長さ方向寸法0.65mm、幅方向が0.54mmである第1の共振電極3が形成されている。第1の共振電極3と圧電基板2を介して対向するように、圧電基板2の下面2bの中央に第1の共振電極3と同じ形状の第2の共振電極4が形成されている。第1,第2の共振電極3,4は、圧電基板2の全幅に至るように形成されている。
また、圧電基板2の上面2aにおいては、第1の共振電極3が接続電極5により、圧電基板2の一方端面2c側に設けられた端子電極6に電気的に接続されている。端子電極6は、圧電基板2の上面2aから端面2cに至るように形成されている。また、端子電極6は、端面2cから下面2bに至っている。
なお、上記接続電極5の幅、すなわち接続電極の圧電体2の幅方向に沿う寸法は0.15mmとし、さらに上記端子電極6の圧電体2の上面2aにおける共振電極3側の端部と上面2aと端面2cとの間の寸法は0.15mmとした。
他方、圧電基板2の下面2bにおいては、接続電極7により第2の共振電極4が、端面2cとは反対側の端面2d側に設けられた端子電極8に電気的に接続されている。端子電極8は、端面2dから下面2bに至っており、下面に至っている部分が上記接続電極7に電気的に接続されている。接続電極7及び端子電極8の圧電体2の下面2d上の平面形状については、前述した接続電極5及び端子電極6と同様とした。
上記共振電極3,4、接続電極5,7及び端子電極6,8は、適宜の導電性材料により構成され得るが、本実施形態では、0.3μmの厚みの銀の薄膜がスパッタリングにより形成されている。
図1に示すように、上記厚み縦圧電共振子1は、導電性接着剤9,10により実装基板11に接合されている。実装基板11は、アルミナなどの絶縁性セラミックスなどの適宜の絶縁性材料で構成されている。実装基板11には、電極11a,11bが形成されている。電極11a,11bは、実装基板11の上面から両側面を経て下面を至るように形成されている。圧電共振子1の端子電極6,8が、それぞれ、導電性接着剤9,10により、電極11a,11bに電気的に接続されるとともに、機械的に接合されている。
なお、エネルギー閉じ込め型の厚み縦圧電共振子1の振動部の振動を妨げないために、振動部、すなわち共振電極3,4が対向している部分の下方に空隙が設けられている。すなわち、共振電極4の下面と、実装基板11との間に空隙が形成されるように、厚みを有する導電性接着剤9,10により圧電共振子1が実装基板11に実装されている。
上記厚み縦圧電共振子1では、端子電極6,8から交流電界を印加すると、共振電極3,4が対向しているエネルギー閉じ込め型の圧電振動部が厚み方向に振動し、厚み縦振動の3倍波による共振特性を利用することができる。
なお、圧電体2は厚み方向の振動にともなって幅方向や長手方向にも振動する。そして、共振電極3,4が圧電体2の幅方向全幅にわたって形成されているため、幅方向の振動は圧電体2の幅寸法によって変化する複数の幅モードの共振周波数を有する。本願では、例えば幅モードのような幅方向の共振を幅寸法に起因する応答と呼ぶ。
ところで、一般に、圧電セラミックスを用いて構成された厚み縦圧電共振子では、その共振特性は、温度が高くなると共振周波数及び反共振周波数が高周波側に移動するように変化する。すなわち、厚み縦圧電共振子1は、正の周波数温度変化傾向を有することが多い。より具体的には、図2に示すように、常温(25℃)において、実線で示す共振特性を有する厚み縦圧電共振子では、温度が25℃より高くなると、破線で示すように共振周波数及び反共振周波数が高周波側にシフトすることが多い。
本実施形態の厚み縦圧電共振子1では、このような共振周波数及び反共振周波数の温度変化による変動が小さくなるように幅寸法に起因する応答が主たる応答の反共振周波数よりも高周波側において、該主たる応答の反共振周波数近傍に隣接されている。
これを、図3を参照して説明する。図3に示すように、矢印Aで示す主たる応答よりも高域側に、幅モードに基づく抑制用応答Bが位置している。この幅モードに基づく抑制用応答Bは、常温では実線で示す位置に存在するが、常温よりも温度が高くなると破線で示すように低周波数側に移動する。すなわち、抑制用応答Bは、負の周波数温度変化傾向を有する。
常温から例えば使用温度範囲の上限である70℃程度に温度が上昇した場合、図2に示したように、上記抑制用応答が主たる応答の近くに存在しない場合には、図2の破線で示すように主たる応答の周波数位置が高周波数側に移動する。すなわち、温度変化による共振周波数及び反共振周波数の変化が大きくならざるを得ない。
これに対して、本実施形態では、図3に示すように、抑制用応答Bが、主たる応答Aの反共振周波数の高域側において、該反共振周波数近傍に位置している。従って、温度が高くなると、破線で示すように抑制用応答Bの周波数位置が低下し、主たる応答Aの反共振周波数の高域側への移動が抑制されることになる。すなわち、主たる応答の正の周波数温度変化傾向が、抑制用応答の負の周波数温度変化傾向により相殺され、それによって主たる応答の温度変化による周波数変化が効果的に抑制される。
他方、常温よりも低温側に温度が変化した場合には、図4に示すように、主たる応答Aは、破線で示すように低周波数側にシフトする。
これに対して、本実施形態では、図5に示すように、主たる応答Aの低域側に、幅モードに基づく第2の抑制用応答Cが位置している。この第2の抑制用応答Cは、常温では実線で示す位置に存在し、温度が低くなると、破線で示すように周波数位置が高くなるように変動する。すなわち、常温よりも低温に温度が変化した場合、主たる応答の周波数位置が低くなるのに対し、第2の抑制用応答Cの周波数位置が高くなり、それによって主たる応答Aの共振周波数の温度低下による低周波側へのシフトが抑制される。
従って、本実施形態では、第1,第2の抑制用応答B,Cが、主たる応答の反共振周波数Fa及び共振周波数Frの高周波側及び低周波側の近傍に、上記抑制作用を有するように近づけられ、結合されているため、常温から高温側あるいは低温側への温度変化による共振特性の周波数変化を効果的に小さくすることができる。これを、図6に略図的に示す。
図6は、常温(25℃)における共振周波数Frを基準として、それよりも温度が上昇した場合及び低下した場合の共振特性の変化を示す。実線が、上記第1,第2の抑制用応答が主たる応答に結合するように構成されていない参考例としての厚み縦圧電共振子の場合の結果であり、破線が、上記実施形態に従って、第1,第2の抑制用応答が主たる応答に結合されている場合の結果を示す。
図6の破線で示されているように、本実施形態によれば、常温よりも低い温度域から高温側、例えば0℃〜70℃程度の広い温度範囲に渡り、温度変化による共振周波数及び反共振周波数の変化を効果的に小さくすることができ、例えば±100ppm以内とすることができる。
なお、上記第1,第2の抑制用応答の周波数位置を上記のように位置させるには、上記第1,第2の抑制用応答を生じる幅モードの周波数特性をそれぞれ制御すればよい。図7は、常温での上記幅モードによる応答の周波数定数(Fr・T)と、圧電基板2の幅Wと厚みTとの比W/Tとの関係を示す。また、図8〜図10は、図7のD〜Fの位置における圧電基板体2の中心を通る横断面の有限要素法による解析で得られた振動姿態を示す各模式図である。
図7及び図8〜図10から明らかなように、比W/Tを選択することにより、上記主たる応答である厚み縦振動モードの3倍波の応答と、上記幅方向振動の応答とが結合することがわかる。結合していない場合には、主たる応答は、厚み方向が支配的な振動変位を示すのに対し、上記結合度が高くなると、幅方向への変位が大きくなることがわかる。
また、厚み縦振動の3倍波は、正の周波数温度変化傾向を示すが、上記第1,第2の抑制用応答として用いられる幅モードに基づく応答は、前述したように負の周波数温度特性を有する。従って、第1,第2の抑制用応答を、主たる応答の温度特性と相殺し得るように結合することにより、全体としての温度特性の改善を図り得ることがわかる。
上記幅寸法に起因する第1,第2の抑制用応答の位置は、図7及び図8〜図10の結果から明らかなように、W/T比を上記結合が生じるように選択すればよい。
従って、W/T比を、上記幅方向振動モードに基づく第1,第2の抑制用応答が、厚み縦振動の3倍波の応答である主たる応答に上記のように結合するようにW/T比を選択することにより、上記実施形態に従って温度特性を改善することができる。
次に、上記実施形態と、比較例としての従来例の厚み縦圧電共振子の周波数温度特性を具体的に比較することとする。
図11は、比較のために用意した従来の厚み縦圧電共振子の斜視図である。圧電共振子121は、長さ2.2mm、幅1.6mm及び厚み0.24mmの矩形板状の圧電基板122を有する。この圧電基板122における厚み方向の電気機械結合係数k33は43.9%であり、幅方向の電気機械結合係数k31は7.7%である。圧電基板122の上面には、直径0.80mmの円形の第1の共振電極123が形成されている。特に図示はしないが、共振電極123と対向するように圧電基板122の下面に同一形状の第2の共振電極が形成されている。共振電極123は、接続電極124を介して端子電極125に電気的に接続されている。
なお、接続電極124の幅、すなわち圧電基板122の幅方向に沿う寸法は0.25mmとし、端子電極125の共振電極123側の端部と、端子電極125の圧電基板122の上面と端面とのなす端縁に至っている部分との間の距離は0.30mmとした。
下面の第2の共振電極も同様に接続電極を介して端子電極に電気的に接続されている。圧電基板122を厚み方向に分極されたPbTiO3基板により構成し、各種電極はスパッタリングにより形成された厚み0.3μmの銀の薄膜により構成した。圧電基板122の厚みを制御することにより、厚み縦振動の3倍波を主たる応答とするエネルギー閉じ込め型の厚み縦圧電共振子121を作製した。
このようにして得られた比較例の厚み縦圧電共振子121を使った発振回路の発振周波数温度特性を図12に示す。図12から明らかなように、−40℃から70℃に至るにつれて、すなわち温度が上昇するにつれて、発振周波数Foscの変化率Fosc・TC(ppm)が大きくなることがわかる。すなわち、共振周波数及び反共振周波数が、図13(a),(b)及び(c)にそれぞれ0℃、25℃及び75℃の共振特性を示すように、温度が高くなるにつれて高域側にシフトすることがわかる。
他方、図14は、上記実施形態の厚み縦圧電共振子1を使った発振周波数温度特性を示す図である。ここでは、15個の厚み縦圧電共振子1の結果が示されている。すなわち、各温度における15個の厚み縦圧電共振子の共振周波数Foscの変化量Fosc・TCの上限、下限及び平均値が示されている。
また、図15(a)〜(c)に、上記厚み縦圧電共振子1の0℃、25℃及び70℃の共振特性の反共振周波数近傍をそれぞれ拡大して示す。図16(a)〜(c)は、0℃、25℃及び70℃における上記厚み縦圧電共振子1の共振特性の共振周波数側の変化をそれぞれ示す図である。
図14〜図16から明らかなように、温度が上昇するにつれて、反共振周波数Fa(TE)よりも高周波側に位置する第1の抑制用応答WHが反共振周波数Fa(TE)に近づき、それによって反共振周波数Fa(TE)の高域側への移動が抑制されていることがわかる。同様に、低域側においては、共振周波数Fr(TE)よりも低域側に位置している第2の抑制用応答(WL)が70℃から0℃に温度が低下するにつれて高周波側に移動し、それによって主たる応答の共振周波数Fr(TE)の温度低下による低域側への移動が抑制されていることがわかる。
ところで、上記のような厚み縦圧電共振子1における抑制用応答と、主たる応答との周波数差については、厚み縦圧電共振子1における幅方向寸法と厚みとの比W/Tを変化させることにより制御することができる。すなわち、上記第1,第2の抑制用応答は、幅寸法に起因する応答であるため、W/Tを変化させることにより、上記周波数差を容易に設定することができ、すなわち主たる応答に対し第1,第2の抑制用応答を結合させ、それによって主たる応答の共振周波数及び反共振周波数の移動を抑制することができる。
言い換えれば、上記主たる応答の温度による特性の周波数変化が抑制されるように、上記周波数差が設定され、該周波数差に応じたW/Tとすることにより、上記実施形態に従って温度変化による周波数特性の変化を抑制することができる。
これを、図17〜図19を参照してより具体的に説明する。図17は、主たる応答と、第1,第2の抑制用応答との周波数の関係を示す模式図である。いま、主たる応答の共振周波数をFr(TE)、反共振周波数をFa(TE)とする。そして、第1の抑制用応答WHの共振周波数をFr(WH)、第2の抑制用応答WLの反共振周波数をFa(WL)とする。この場合、主たる応答の高域側においては、周波数差Fr(WH)−Fa(TE)が上記効果が得られるように選択されればよく、低域側においては、Fr(TE)−Fa(WL)の周波数差が上記抑制作用が得られるように決定されればよい。
図18及び図19は、上記周波数差を変化させた場合の厚み縦圧電共振子1を使った発振回路の発振周波数Foscの温度による変化率Fosc・TC(ppm)の変化を示す図である。図18及び図19の横軸はそれぞれ、0℃における(Fr(TE)−Fa(WL))/Fr(TE)、70℃における(Fr(WH)−Fa(TE))/Fa(TE)を示している。図18から明らかなように、低域側については、0℃から70℃に温度を変化させた場合、0℃において(Fr(TE)−Fa(WL))/Fr(TE)〔以下、式(1)とする〕が、0.04以下であれば、発振周波数の周波数温度特性の変化率Fosc・TCを4ppm/℃以下とし得ることがわかる。
同様に、高域側については、0℃から70℃に温度が変化した場合、70℃において(Fr(WH)−Fa(TE))/Fa(TE)〔以下、式(2)とする〕を0.04以下とすれば、発振周波数の周波数温度特性の変化率Fosc・TCを4ppm/℃以下とし得ることがわかる。従って、好ましくは、前述した式(1)及び(2)を満たすように比W/Tを決定すればよく、それによって厚み縦圧電共振子1の温度による周波数特性の変化をより小さくすることができる。
なお、比W/Tの値によって、上記幅寸法に起因する応答の温度特性の傾きは変化する。すなわち、図20に示すように、比W/Tが変化すると、幅寸法に起因する応答の温度特性の変化率が変化することがわかる。より具体的には、W/Tが小さくなるに従って、幅寸法に起因する応答の温度による変化は負の方向に大きくなることがわかる。また、低域側の第2の抑制用応答WLと、高域側の第1の抑制用応答WHの温度特性の傾きにはほとんど差のないことがわかる。
また、圧電共振子1においては、共振子としての容量を確保するためには、比W/Tは実質的には1.5以上であることが望ましい。従って、上記実施形態の厚み縦圧電共振子1において温度特性を制御するに際して用いられる抑制用応答としての幅寸法に起因する応答は、−300ppm/℃以上、0ppm/℃未満の温度特性の傾斜を有することが望ましい。
なお、上記実施形態では、厚み縦振動の3倍波を利用した厚み縦圧電共振子1につき説明したが、本発明は、3倍波を利用したものに限定されない。図21は、本発明が適用される厚み縦圧電共振子の他の例を説明するための斜視図である。
厚み縦圧電共振子21では、矩形板状の圧電基板22の上面に第1の共振電極23が、下面に第2の共振電極24が形成されている。厚み縦圧電共振子21は、圧電基板22内に、共振電極23,24と対向する内部電極25を有する。第1,第2の共振電極23,24は、それぞれ、圧電基板22の一方の端面22cに設けられた端子電極26に電気的に接続されている。他方、内部電極25は、他方の端面22dに設けられた端子電極27に電気的に接続されている。上記圧電基板22は、PbTiO3系セラミックスのような適宜の圧電セラミックスにより構成されており、厚み方向に分極処理されている。また、各種電極は、厚み縦圧電共振子1と同様に適宜の導電性材料により形成され得る。
なお、厚み縦圧電共振子21は、厚み縦圧電共振子1と同様に、実装基板11に実装されている。
厚み縦圧電共振子21では、上記第1,第2の共振電極23,24と、内部電極25との間に交流電界を印加することにより厚み縦振動の2倍波が主たる応答として利用され得る。このような厚み縦振動の2倍波を利用した厚み縦圧電共振子21においても、比W/Tを、第1,第2の抑制用応答が主たる応答に結合して、主たる応答の温度変化による周波数変動を抑制し得るように構成することにより、第1の実施形態の場合と同様に温度変化による周波数特性の変化を小さくすることができる。
すなわち、本発明は、厚み縦振動の3倍波だけでなく、2倍波などの他の高調波を利用した厚み縦圧電共振子にも適用することができる。さらに、本発明では、厚み縦振動を利用する限り、2倍波や3倍波以外の高調波を利用した厚み縦圧電共振子にも適用することができる。上記実施形態では、主たる応答の高域側に第1の抑制用応答を、低域側に第2の抑制用応答を主たる応答に結合するように近接させた場合には、第1の抑制用応答または第2の抑制用応答のいずれか一方のみが主たる応答に結合されていてもよい。その場合には、結合されている抑制用応答により、該抑制用応答側への主たる応答の温度による周波数変化を抑制することができる。
上記実施形態では、主たる応答の変化を抑制する抑制用応答として、幅モードに基づく応答が用いられていたが、幅モード以外の振動モードに基づく応答を抑制用応答として用いてもよい。その場合には、使用する抑制用応答の振動姿態に応じて、W/T以外の寸法等を調整すればよい。
さらに、上記実施形態では、共振周波数及び/または反共振周波数の温度変化を相殺する温度変化傾向を有する抑制用応答が用いられていたが、抑制用応答の周波数温度変化傾向の極性は、主たる応答の周波数温度変化傾向の極性と同一であってもよく、その場合には、主たる応答の温度による周波数変化よりも、抑制用応答の温度による周波数変化が小さければよく、その場合においても、主たる応答の温度変化による周波数変化を抑制することができる。

Claims (8)

  1. 上面及び下面を有し、上面と下面とを結ぶ方向である厚み方向に分極されている圧電セラミックスよりなる圧電基板と、
    前記圧電基板の上面及び下面においてそれぞれ部分的に形成されており、かつ圧電基板を介して対向するように配置された第1,第2の共振電極とを備え、厚み縦振動モードの3倍波を利用したエネルギー閉じ込め型の厚み縦圧電共振子において、
    前記圧電基板が長さ方向を有するストリップ型の形状を有し、前記第1,第2の共振電極が、前記圧電基板の上面及び下面の長さ方向中央領域において、圧電基板の全幅に至るように形成されており、
    共振特性を利用するための主たる応答である前記厚み縦振動モードの3倍波の応答の温度による周波数変化を抑制するために、前記主たる応答の温度による周波数変化を抑制する周波数温度変化傾向を有する抑制用応答が、前記主たる応答の温度による周波数変化を抑制するように主たる応答に結合されており、
    前記抑制用応答が、前記圧電基板の幅寸法に起因する応答であり、
    前記抑制用応答が、(a)前記主たる応答の周波数温度変化傾向と逆方向の周波数温度変化傾向を有し、または(b)前記抑制用応答の周波数温度変化傾向が、前記主たる応答の周波数温度変化傾向と同一方向でありかつ該抑制用応答の温度による周波数変化が主たる応答の温度による周波数変化よりも小さいことを特徴とする、厚み縦圧電共振子。
  2. 少なくとも1つの前記幅寸法に起因する応答の共振周波数が、前記主たる応答の反共振周波数よりも高い周波数位置にある、請求項に記載の厚み縦圧電共振子。
  3. 前記主たる応答の反共振周波数をFa(TE)、前記幅寸法に起因する応答の共振周波数をFr(WH)としたとき、使用温度範囲の少なくとも上限において(Fr(WH)−Fa(TE))/Fa(TE)が0より大きく0.04以下である、請求項に記載の厚み縦圧電共振子。
  4. 少なくとも1つの前記幅寸法に起因する応答が、前記主たる応答の共振周波数よりも低い位置にある、請求項に記載の厚み縦圧電共振子。
  5. 前記主たる応答の共振周波数をFr(TE)とし、前記幅寸法に起因する応答の反共振周波数をFa(WL)としたとき、使用温度範囲の少なくとも下限において(Fr(TE)−Fa(WL))/Fr(TE)が0より大きく0.04以下である、請求項に記載の厚み縦圧電共振子。
  6. 前記幅寸法に起因する応答として、前記主たる応答の反共振周波数よりも高い周波数位置に位置している第1の応答と、前記主たる応答の共振周波数よりも低い周波数位置に位置している第2の応答とを有する、請求項に記載の厚み縦圧電共振子。
  7. 前記主たる応答の共振周波数をFr(TE)、反共振周波数をFa(TE)、前記第1の応答の共振周波数をFr(WH)、前記第2の応答の反共振周波数をFa(WL)としたときに、
    使用温度範囲の少なくとも上限において(Fr(WH)−Fa(TE))/Fa(TE)が0より大きく0.04以下であり、かつ使用温度範囲の少なくとも下限において(Fr(TE)−Fa(WL))/Fr(TE)が0より大きく0.04以下であることを特徴とする、請求項に記載の厚み縦圧電共振子。
  8. 前記第1,第2の共振電極と圧電基板層を介して対向するように前記圧電基板内に設けられた少なくとも1層の内部電極をさらに備える、請求項1〜のいずれか1項に記載の厚み縦圧電共振子。
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