JP2002009579A - 圧電共振子およびそれを用いた圧電フィルタ - Google Patents

圧電共振子およびそれを用いた圧電フィルタ

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JP2002009579A JP2000189125A JP2000189125A JP2002009579A JP 2002009579 A JP2002009579 A JP 2002009579A JP 2000189125 A JP2000189125 A JP 2000189125A JP 2000189125 A JP2000189125 A JP 2000189125A JP 2002009579 A JP2002009579 A JP 2002009579A
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雅樹 竹内
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  • Piezo-Electric Or Mechanical Vibrators, Or Delay Or Filter Circuits (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 インピーダンスが小さく、スプリアス振動の
影響の少ない圧電共振子を得るとともに、圧電共振子の
スプリアス振動の影響によって生じる通過帯域中のリッ
プルが小さく、広い通過帯域を有する圧電フィルタを得
る。 【解決手段】 圧電共振子10は、基板12を含む。基
板12上に、誘電体薄膜14、1対の電極薄膜16、圧
電体薄膜18からなる振動部20を形成する。この圧電
共振子10に、厚み縦振動または厚みすべり振動のn次
モードを励振する。電極薄膜16対向部の半径をr、振
動部20の厚みをtとしたとき、r≧20t/nの条件
を満足するように設定する。このような圧電共振子10
をラダー型に接続することにより、圧電フィルタを形成
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は圧電共振子および
それを用いた圧電フィルタに関し、特にたとえば、厚み
縦振動または厚みすべり振動を用いた圧電共振子と、そ
れを複数個組合せて構成した圧電フィルタに関する。
【0002】
【従来の技術】厚み縦振動基本波を用いた圧電共振子と
して、たとえば図13(a)(b)に示すような圧電共
振子が報告されている(K.NAKAMURA, H.SASAKI, H.SHIM
IZU :Faculty of Engineering, Tohoku University "Zn
O/SiO2-DIAPHRAGM COMPOSITERESONATOR ON A SILICON W
AFER", ELECTRONICS LETTERS 9th July 1981 vol.17No.
14 )。この圧電共振子1は、誘電体層2として厚さ
2.5μmのSiO2 層を使用し、圧電体層3として厚
さ4.5μmのZnO層が使用されている。そして、圧
電体層3の両面に、対向する1対の電極層4a,4bが
形成される。電極層4a,4bの対向する部分の平面形
状は、350μm×140μmの長方形である。
【0003】このような圧電共振子1の共振特性が、図
14に示されている。図14において、最も大きいレス
ポンスが厚み縦振動基本波のS0 モードと呼ばれる共振
であり、所望する共振(主振動)である。このような主
振動より高周波側に、小さいレスポンスがあり、主振動
に近い順に、S1 ,S2 ,S3 ・・・モードと呼ばれて
いる。これらのモードは、特性上ないほうが好ましい共
振(スプリアス振動)である。これらのスプリアス振動
は、電極径によりその状態が変わり、電極径が大きくな
るほどレスポンスが大きくなり、また主振動に接近して
くるという性質をもっている。そのため、従来において
は、スプリアス振動の影響を避けるため、電極径を十分
小さくし、スプリアス振動を主振動から隔離するととも
に、そのレスポンスも小さくするという対策が採られて
いた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、電極径
は、スプリアス振動だけでなく、主振動にも影響を及ぼ
す。電極径が小さくなると、電極面積が減少するため、
共振子のインピーダンスが増加し、主振動のレスポンス
が小さくなる。このように、共振子のスプリアス振動と
インピーダンスとはトレードオフの関係にあり、一方を
改善すると他方が悪化するという問題を抱えていた。
【0005】たとえば、この共振子を発振子に利用する
ため、スプリアス振動が十分小さくなるまで電極径を小
さくすると、スプリアス振動がなくなり、発振周波数が
何らかの原因でスプリアス振動のほうに移動する心配は
なくなるが、共振子のインピーダンスの増加により発振
しなくなる。逆に、発振可能なインピーダンスになるま
で電極径を大きくすると、スプリアス振動が主振動に接
近し、そのレスポンスも大きくなるため、何らかの原因
でスプリアス振動のほうで発振することがあり、発振周
波数が不安定になるという問題があった。
【0006】また、このような圧電共振子を組合せたラ
ダー型フィルタでは、インピーダンスとスプリアス振動
とのトレードオフの関係から、スプリアス振動を抑える
ために電極径を小さくすると、共振子のインピーダンス
を十分に下げることができず、また主振動のレスポンス
を大きくすることができないことから、ラダー型フィル
タの特性上、挿入損失が大きくなり、帯域を広くするこ
とができないという問題があった。逆に、電極径を大き
くすると、スプリアス振動が主振動に接近、干渉し、こ
れを組合せたラダー型フィルタでは、通過帯域中に大き
いリップルが生じるという問題があった。
【0007】それゆえに、この発明の主たる目的は、イ
ンピーダンスが小さく、スプリアス振動の影響の少ない
圧電共振子を提供することである。また、この発明の目
的は、圧電共振子のスプリアス振動の影響によって生じ
る通過帯域中のリップルが小さく、広い通過帯域を有す
る圧電フィルタを提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】この発明は、少なくとも
1層以上の圧電体、もしくは圧電体と誘電体の多層構造
からなる振動部と、振動部に形成される少なくとも1対
の対向する電極とを含む厚み縦振動または厚みすべり振
動のn次モードを利用した圧電共振子において、電極対
向部の平面形状が円形または円形を内包する任意の形状
であって、円形の半径をr、電極の対向部における振動
部の厚みをtとしたとき、半径rが、r≧20t/nの
範囲にあることを特徴とする、圧電共振子である。この
ような圧電共振子において、機械的品質係数Qmが10
00以上の圧電共振子の場合、円形の半径rが、r≧4
0t/nの範囲にあることが好ましい。また、機械的品
質係数Qmが1000より小さい圧電共振子の場合、円
形の半径rが、r≧20t/nの範囲にあることが好ま
しい。これらの圧電共振子において、振動部が圧電体お
よび誘電体の多層構造からなる圧電共振子の場合、圧電
体および誘電体の少なくとも1つの弾性定数の温度係数
が、他の圧電体および誘電体の弾性定数の温度係数と逆
符号であることが好ましい。また、振動部が複数の圧電
体の多層構造からなる圧電共振子の場合、圧電体の少な
くとも1つの弾性定数の温度係数が、他の圧電体の弾性
定数の温度係数と逆符号であることが好ましい。さら
に、この発明は、複数の圧電共振子を組合せた圧電フィ
ルタであって、上述のいずれかの圧電共振子を少なくと
も1つ含む、圧電フィルタである。
【0009】圧電体に対向電極を形成した共振子では、
インピーダンスの周波数特性において、円形の電極の半
径をr、電極対向部の厚みをtとしたとき、r/tが小
さくなるほど主振動とスプリアス振動とが離れていき、
r/tが大きくなるほどスプリアス振動が主振動に接近
することがわかっている。従来は、電極径を小さくする
ことにより、主振動からスプリアス振動を離すようにし
ていたが、この発明では、電極径を十分に大きくするこ
とにより、主振動の近傍にスプリアス振動を集中させる
ことにより、主振動の周波数において確実に共振させよ
うとするものである。電極径を大きくすることにより、
インピーダンスを小さくすることができ、しかも、主振
動の近傍にスプリアス振動が集中するため、主振動の周
波数において確実に共振させることができる。このよう
な効果を得ることができる電極の半径rは、電極の対向
部の厚みをtとし、n次モードの振動を用いる場合、r
≧20t/nの範囲にあることが必要である。なお、電
極径rの範囲については、特に圧電共振子の機械的品質
係数Qmが1000以上の場合には、r≧40t/nで
あり、機械的品質係数Qmが1000より小さい場合に
は、r≧20t/nである。振動部が圧電体と誘電体の
多層構造または複数の圧電体の多層構造である場合、そ
れらの層の少なくとも1つと他の層との関係において、
弾性定数の温度係数が逆符号であれば、適当な組合せに
より、全体として温度変化による周波数変化をほぼ0に
することができる。したがって、温度変化に対して安定
した共振周波数を有し、かつスプリアス振動による影響
の少ない圧電共振子を得ることができる。複数の圧電共
振子を組合せて圧電フィルタとする場合、この発明の圧
電共振子を用いることにより、スプリアス振動によって
生じる圧電フィルタの通過帯域中のリップルを小さく抑
えることができる。また、圧電共振子のスプリアス振動
を主振動の近傍に集中させることにより、これらが干渉
して、主振動単独の場合より共振周波数と反共振周波数
の差Δfが大きくなり、通過帯域の広い圧電フィルタを
得ることができる。
【0010】この発明の上述の目的,その他の目的,特
徴および利点は、図面を参照して行う以下の実施の形態
の詳細な説明から一層明らかとなろう。
【0011】
【発明の実施の形態】図1はこの発明の圧電共振子の一
例を示す平面図であり、図2はその断面図解図である。
この圧電共振子10は、たとえば共振周波数が100M
Hz以上の厚み縦振動の基本波(n=1)を利用したも
のである。圧電共振子10は、基板12を含む。基板1
2は、たとえばSi、パイレックス(登録商標)ガラ
ス、石英などで形成される。基板12上には、誘電体薄
膜14と、電極薄膜16を両面に有する圧電体薄膜18
の多層構造からなる振動部20が形成される。ここで、
誘電体薄膜14としては、たとえばSiO2 などが用い
られるが、その他にも、SiN,Al23 などを用い
ることができる。また、電極薄膜16としては、たとえ
ばAlなどが用いられるが、その他にも、Au,Ag,
Cuなどを用いることができる。さらに、圧電体薄膜1
8としては、たとえばZnOなどが用いられるが、その
他にも、AlN,PZTなどを用いることができる。な
お、対向する電極薄膜18が形成された振動部20に対
応する部分においては、エッチング、レーザー加工、サ
ンドブラストなどの方法によって、基板12が除去さ
れ、振動部20が振動できるようにしてある。
【0012】電極薄膜16対向部の形状としては、たと
えば円形となるように形成される。ここでは、振動部2
0の厚みが約2μmとなるように形成され、電極薄膜1
6の半径が200μmとなるように形成される。このよ
うに、振動部20の厚みをt、電極薄膜16の半径をr
としたとき、r≧20t/nの条件を満たすように形成
される。特に、圧電共振子10の機械的品質係数Qmが
1000以上である場合、電極薄膜16の半径rは、r
≧40t/nの範囲になることが好ましい。なお、電極
薄膜16の形状としては、円形に限らず、図3に示すよ
うな円形を内包する四角形、図4に示すような円形を内
包する六角形、図5に示すような円形を内包する八角形
など、上述の条件を満たす円形を内包する多角形にする
ことができる。対向する2つの電極薄膜16は、振動部
20の対向する端部に引き出される。
【0013】このような圧電共振子10の共振特性が、
図6に示されている。図6からわかるように、この発明
の圧電共振子10では、主振動の後方のスプリアス振動
がない共振特性を得ることができる。この圧電共振子1
0の特性を説明するために、主振動(S0 モード)とス
プリアス振動(S1 モード〜S9 モード)の関係を図7
に示した。図7において、横軸は共振周波数を示し、縦
軸は電極薄膜16の半径rと振動部20の厚みtとの比
r/tを示している。図7において、ある電極半径から
横軸に平行な線を引き、各モードの曲線との交点から横
軸に向けて垂線を下ろしたとき、横軸との交点の値が各
モードの共振周波数を示す。
【0014】図7から、電極半径rを小さくしていく
と、つまり縦軸から引いた直線を下方に移動すると、ス
プリアス振動が主振動から離れていき、電極半径が十分
に小さくなると、各スプリアス振動を示す曲線との交点
をもたなくなる、すなわち、スプリアス振動が発生しな
くなることがわかる。従来は、この性質を利用して、電
極半径を小さくすることで、スプリアス振動を隔離もし
くは抑制していた。
【0015】一方、電極半径rを大きくしていくと、つ
まり縦軸から引いた直線を上方に移動すると、スプリア
ス振動が主振動に接近してくる。この性質を利用して、
電極半径rを十分に大きくし、主振動近傍にスプリアス
振動を集中させたものが、この発明の圧電共振子10で
ある。この場合、電極半径rの大きさが不十分である
と、従来の圧電共振子と同様に、主振動後方にスプリア
ス振動が発生、あるいは主振動にスプリアス振動が重な
り歪んだ共振特性となる。有限要素法解析および実験に
より、r/tは20/n以上で主振動近傍にスプリアス
振動が集中し、図6に示すような良好な特性が得られる
ことがわかった。特に、共振子の機械的品質係数Qmが
1000以上の場合、r/tは40/n以上であるとき
に、良好な特性が得られることがわかった。良好な特性
を得るためには、r/tはより大きいほうが好ましい。
また、電極径が大きいほど圧電共振子10のインピーダ
ンスを下げることができるため、この発明の圧電共振子
では、インピーダンスの低下とスプリアス振動の影響低
減を両立することができる。
【0016】また、主振動近傍にスプリアス振動を集中
させることにより、これらが干渉し、図8に示すよう
に、主振動単独の場合よりも、共振周波数と反共振周波
数との差Δfが大きくなるという効果もある。このよう
な性質により、電極半径の小さい主振動単独で振動して
いる圧電共振子を用いてラダー型フィルタを構成する場
合に比べて、この発明の圧電共振子10を用いた場合の
ほうが、通過帯域の広いフィルタを構成することができ
るという特徴がある。
【0017】図1および図2に示す構造と同じ圧電共振
子10について、機械的品質係数Qmを500とし、電
極半径rを115μmに変えて測定した共振特性が、図
9に示されている。なお、圧電共振子10のQm値は、
振動部20を構成する薄膜の材料や構成比率を変えるこ
とにより、コントロールすることができる。この圧電共
振子10では、Qm値が1000以上の圧電共振子に比
べて、電極半径rが小さくても、スプリアス振動の影響
を小さくすることができる。
【0018】電極半径rを小さくしていくと、スプリア
ス振動は主振動から離れていく傾向にある。したがっ
て、電極半径が小さくなると、共振部と反共振部との間
にリップルが生じやすくなる。一方、共振子のQm値が
小さくなると、機械的振動における損失が大きくなり、
レスポンスとしては小さくなっていく。そこで、共振子
のQm値を小さくし、スプリアス振動のレスポンスを小
さくすることで、リップルの影響を低減することがで
き、小さい電極半径でスプリアス振動の影響を小さくで
きるという効果を得ることができる。有限要素法解析お
よび実験により、Qm値が1000より小さい場合、r
/tは20/n以上で主振動近傍にスプリアス振動が集
中し、図9に示すように、良好な特性が得られることが
わかった。したがって、Qm値を低くすることは、特に
小型の圧電共振子が要求される場合に有用である。
【0019】また、図1および図2に示す圧電共振子に
おいて、振動部20の構成を圧電体ZnOと誘電体Si
2 をそれぞれ1層とし、計2層の構造として、振動部
20全体の厚みを約2μm、膜厚比(SiO2 膜厚/Z
nO膜厚)を0.53とすると、共振子の共振周波数温
度係数(TCF:Temperature Coefficient of Frequen
cy)が0の共振子を得ることができる。つまり、温度変
化に対して、共振周波数が変化しない圧電共振子を得る
ことができる。
【0020】図10は、ZnOとSiO2 の2層からな
る厚み縦振動共振子の基本波、2倍波について、その膜
厚比とTCFの関係を示したものである。ZnOの弾性
定数の温度係数がマイナスであるのに対して、SiO2
の弾性定数の温度係数はプラスである。したがって、両
者を適当な比率で組合せることにより、図10に示すよ
うに、TCFが0である圧電共振子を得ることができ
る。
【0021】さらに、図11に示すように、この発明の
圧電共振子10を用いて、ラダー型フィルタ30を形成
することができる。この場合、電極半径が150μmの
素子と、200μmの素子が準備され、直列側に150
μmの圧電共振子10aが用いられ、並列側に200μ
mの圧電共振子10bが用いられる。このとき、直列側
共振子10aの共振周波数と並列側共振子10bの反共
振周波数とが一致するように、各共振子の厚み構成が微
調整される。この回路はバンドパスフィルタとなり、図
12に示すような通過特性を得ることができる。
【0022】このようなバンドパスフィルタ30におい
て、従来の圧電共振子を用いた場合、並列側共振子の主
振動より高周波側に発生するスプリアス振動により、フ
ィルタの通過帯域中に大きいリップルが生じる。それに
対して、この発明の圧電共振子10を用いることによ
り、通過帯域中のリップルを小さく抑えることができ
る。また、共振子のΔfが従来の圧電共振子より広がる
ため、通過帯域幅の広いフィルタを得ることができる。
【0023】
【発明の効果】この発明によれば、インピーダンスが小
さく、スプリアス振動の影響の少ない圧電共振子を得る
ことができる。また、共振子のQm値を下げることによ
り、より小さい電極半径でスプリアス抑制効果を有する
圧電共振子を得ることができ、小型で低スプリアスの圧
電共振子を得ることができる。さらに、振動部を構成す
る圧電体と誘電体の弾性定数の温度係数を互いに逆符号
とし、適切な膜厚比で組合せることにより、TCFを0
にすることが可能となる。そのため、温度変化に対して
安定した共振周波数を有し、かつスプリアス振動の低減
された圧電共振子を得ることができる。また、この発明
の圧電共振子を用いることにより、圧電共振子のスプリ
アス振動の影響により通過帯域内に生じるリップルが小
さく、しかも、共振子のΔfが大きいことにより、より
広い通過帯域を有するバンドパスフィルタを得ることが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の圧電共振子の一例を示す平面図であ
る。
【図2】図1に示す圧電共振子の断面図解図である。
【図3】この発明の圧電共振子の他の例を示す平面図で
ある。
【図4】この発明の圧電共振子のさらに他の例を示す平
面図である。
【図5】この発明の圧電共振子の別の例を示す平面図で
ある。
【図6】図1に示す圧電共振子の共振特性を示す特性図
である。
【図7】圧電共振子の主振動とスプリアス振動との関係
を示す特性図である。
【図8】この発明の圧電共振子の共振特性と主振動単独
を用いた圧電共振子の共振特性を示す特性図である。
【図9】機械的品質係数Qmを500にしたときの圧電
共振子の共振特性を示す特性図である。
【図10】ZnOとSiO2 の2層からなる圧電共振子
の基本波および2倍波について、膜厚比とTCFとの関
係を示す図である。
【図11】この発明の圧電共振子を組合せたラダー型フ
ィルタを示す等価回路図である。
【図12】図11に示すラダー型フィルタの通過特性を
示す特性図である。
【図13】(a)(b)は従来の圧電共振子の一例を示
す図解図である。
【図14】図13に示す従来の圧電共振子の共振特性を
示す特性図である。
【符号の説明】
10 圧電共振子 12 基板 14 誘電体薄膜 16 電極薄膜 18 圧電体薄膜 20 振動部 30 ラダー型フィルタ
フロントページの続き (72)発明者 塚井 紀充 京都府長岡京市天神二丁目26番10号 株式 会社村田製作所内 Fターム(参考) 5J108 AA01 AA04 AA07 BB04 BB07 DD01 DD02 DD06 FF02 FF04

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも1層以上の圧電体、もしくは
    圧電体と誘電体の多層構造からなる振動部、および前記
    振動部に形成される少なくとも1対の対向する電極を含
    む厚み縦振動または厚みすべり振動のn次モードを利用
    した圧電共振子において、 前記電極対向部の平面形状が円形または円形を内包する
    任意の形状であって、前記円形の半径をr、前記電極の
    対向部における前記振動部の厚みをtとしたとき、前記
    半径rが、r≧20t/nの範囲にあることを特徴とす
    る、圧電共振子。
  2. 【請求項2】 機械的品質係数Qmが1000以上の圧
    電共振子であって、前記円形の半径rが、r≧40t/
    nの範囲にあることを特徴とする、請求項1に記載の圧
    電共振子。
  3. 【請求項3】 機械的品質係数Qmが1000より小さ
    い圧電共振子であって、前記円形の半径rが、r≧20
    t/nの範囲にあることを特徴とする、請求項1に記載
    の圧電共振子。
  4. 【請求項4】 前記振動部は圧電体および誘電体の多層
    構造からなる圧電共振子であって、前記圧電体および前
    記誘電体の少なくとも1つの弾性定数の温度係数が、他
    の圧電体および誘電体の弾性定数の温度係数と逆符号で
    あることを特徴とする、請求項1ないし請求項3のいず
    れかに記載の圧電共振子。
  5. 【請求項5】 前記振動部は複数の圧電体の多層構造か
    らなる圧電共振子であって、前記圧電体の少なくとも1
    つの弾性定数の温度係数が、他の圧電体の弾性定数の温
    度係数と逆符号であることを特徴とする、請求項1ない
    し請求項3のいずれかに記載の圧電共振子。
  6. 【請求項6】 複数の圧電共振子を組合せた圧電フィル
    タであって、請求項1ないし請求項5のいずれかに記載
    の圧電共振子を少なくとも1つ含む、圧電フィルタ。
JP2000189125A 2000-06-23 2000-06-23 圧電共振子およびそれを用いた圧電フィルタ Expired - Lifetime JP3498682B2 (ja)

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