JP4433808B2 - エンジンの前部構造 - Google Patents

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Description

本発明は、エンジンの前部構造に関する。
シリンダヘッド上に配設したカムシャフトに取り付けたカムプーリと、カムプーリの下方位置に配設した駆動プーリとを、エンジンの前側位置においてタイミングベルトによって駆動連結するエンジンの前部構造として、そのカムプーリ、駆動プーリ、及びタイミングベルトを収容するベルト収容室を、シリンダヘッドカバーとシールプレートとによってその後側を画成し、ベルトカバーによってその前部を画成する構造が知られている(例えば特許文献1,2参照)。この構造では、ベルト収容室への水等の侵入を防止すべく、ベルトカバーと、シリンダヘッドカバー及びシールプレートとの間に、ガスケット又はシールラバーを介設している。
特開平6−101471号公報 特開平6−146915号公報
ところが、上記特許文献1,2に開示されているように、ベルト収容室の水密性を確保するために、ガスケットやシールラバーを設けたのでは、部品点数の増大によりコストが増大すると共に、タイミングベルトのリペア等のために取り外したベルトカバーを、再び取り付ける際にガスケット等を正確に取り付けなければならず、サービス性が低下する。
そこで、ベルト収容室の構造として、ガスケット等を省略したシールラバーレス構造を採用したいという要求があるが、シールラバーレス構造においては、ベルトカバーと、シリンダヘッドカバー及びシールプレートとを相互に密着させなければシール性を確保することができず、各部材の寸法交差が厳しくなって逆にコストアップを招くという不都合がある。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、エンジン前側に、ベルトカバー等によって区画されたベルト収容室が設けられたエンジンの前部構造において、コストを増大させることなく、そのベルト収容室の確実なシール性が確保可能なシールラバーレス構造を提供することにある。
本発明のエンジンの前部構造は、シリンダヘッド上にカムシャフトを配設したエンジンの前部構造である。
上記構造は、上記カムシャフトの前端部に取り付けられたカムプーリと、上記カムプーリに巻きかけられて、エンジン本体の前側に配設されるタイミングベルトと、上記タイミングベルトによって上記カムプーリと駆動連結される駆動プーリと、上記カムプーリ、タイミングベルト、及び駆動プーリを収容するベルト収容室と、上記シリンダヘッドの上部に配設されて、その前側部分によって上記カムプーリが位置する上記ベルト収容室の後部上側を画成するシリンダヘッドカバーと、上記シリンダヘッドカバーの前側部分の下端に連続してエンジン本体の前側面に配置され、上記カムプーリ下側である上記ベルト収容室の後部下側を画成するシールプレートと、上記シリンダヘッドカバー及びシールプレートに対してエンジン前側から重ね合わされてボルト締結されかつ、エンジン上下方向に延びて上記タイミングベルト室の前部を画成するベルトカバーと、を備える。
そして、上記シリンダヘッドカバーは、その前端に、上記カムプーリを囲むように配設された前向きのヘッドカバーシール面を有し、上記シールプレートは、上記タイミングベルトの両側外方位置で上下方向に延びる、エンジン前後方向に上記ヘッドカバーシール面と略同じ位置に位置する前向きのプレートシール面を有し、上記ベルトカバーは、その後面側に、上記ヘッドカバーシール面と当接する第1シール面と、上記プレートシール面と当接する第2シール面と、を有し、上記エンジン本体に組み付けたシリンダヘッドカバーの上記ヘッドカバーシール面を、上記ベルトカバーを組み付ける前の状態において、上記エンジン本体に組み付けたシールプレートの上記プレートシール面よりも所定距離だけエンジン前方に位置させる。
この構成によると、カムシャフトに取り付けられたカムプーリと、このカムプーリを駆動する駆動プーリと、上記カムプーリと駆動プーリとを駆動連結するタイミングベルトとは、エンジンの前側に設けられたベルト収容室に収容される。
上記ベルト収容室は、その後部上側がシリンダヘッドカバーによって画成され、その後部下側がシールプレートによって画成される。また、ベルト収容室の前部は、上記シリンダヘッドカバー及びシールプレートに対してエンジン前側から重ねあわされてボルト締結されるベルトカバーによって画成される。
上記ベルト収容室は、シリンダヘッドカバーのヘッドカバーシール面と、ベルトカバーの第1シール面とが当接することによって、その上側部分のシールがなされ、シールプレートのプレートシール面とベルトカバーの第2シール面とが当接することによって、上記その下側部分のシールがなされる。
上記ヘッドカバーシール面とプレートシール面とは、互いにエンジン前後方向に略同じ位置に位置するが、上記シリンダヘッドカバーとシールプレートとをそれぞれエンジン本体に組み付け、ベルトカバーを組み付ける前の状態においては、上記ヘッドカバーシール面が上記プレートシール面よりも所定距離だけエンジン前方に位置するように設定されている。
これにより、ベルトカバーを組み付ける際には、エンジン前側に突出しているヘッドカバーシール面とそのベルトカバーの第1シール面とが当接し、その後にボルトの締め付けによって各部材の微小な弾性変形を伴いながら、プレートシール面と第2シール面とが当接する。従って、ベルトカバーの第1シール面とヘッドカバーシール面とは密着状態となり、水密性が確実になる。このことは、水等のアタックによって水が浸入し易いベルト収容室の上側において確実なシールが実現することを意味する。また、ベルト収容室の下側は、水等のアタックが少なく水が余り浸入しない位置であるため、そのシール性を大幅に高める必要がない。こうして、シールラバーレス構造であっても、ベルト収容室の十分なシール性が確保される。
また、ヘッドカバーシール面を、プレートシール面よりもエンジン前方に予め位置させる設計であるため、各部材の寸法交差を厳しくしなくても、ヘッドカバーシール面と第1シール面とは互いに密着する。その結果、寸法交差によるコストの増大を伴うことなく、シールラバー等を省略することによるコスト低減が図られる。
上記シリンダヘッドカバーは、その前端部の外周縁から外方に立設し、その前側壁面が上記ヘッドカバーシール面を形成する第1立壁と、上記第1立壁よりもエンジン後側における外周縁から外方に立設し、上記第1立壁との間で外方に開口する凹溝を形成する第2立壁と、をさらに有するものとし、上記ベルトカバーは、上記第1シール面の外周縁部からエンジン後側に突出して、上記シリンダヘッドカバーのヘッドカバーシール面と凹溝の開口とを覆うカバー片をさらに有するものとしてもよい。
この構成によると、ベルト収容室の上側においては、ヘッドカバーシール面及び第1シール面の当接部分と、外部との間に、第1及び第2の2つの立壁が介在すると共に、その両立壁間に凹溝が形成される。さらに、上記第1立壁と凹溝の開口がそれぞれカバー片によって覆われる。これにより、両シール面の当接部分への水等の浸入が防止されると共に、上記第2立壁を越えて水等が浸入したとしても凹溝にトラップされ、シール面まで水等が到達することが防止される。こうして、シール性が大幅に向上する。
上記カバー片を、上記第1シール面の外周縁部から第2シール面の外周縁部に亘って、連続的に延ばし、上記ベルトカバーを、上記第2シール面の内方側位置で該第2シール面に沿って略上下方向に延びる、エンジン後側に突出したバッフル壁をさらに有するものとして、上記第2シール面を、上記カバー片と上記バッフル壁とに挟まれるようにしてもよい。
この構成によると、ベルト収容室の下側においては、プレートシール面と第2シール面との当接部分がカバー片とバッフル壁との間に位置するため、水跳ね等による下方からの飛水に対しても、先ずカバー片によって水等が上記両シール面の当接部分に浸入することが抑制され、さらにその当接部分によってベルト収容室内への水等の浸入が防止される。また、仮に両シール面の当接部分を通過して水等が内側に浸入したとしても、バッフル壁によってベルト収容室内への浸入が阻まれて、そのバッフル壁に沿って水を下方に排水することが可能になる。こうして、ベルト収容室の下側においても十分なシール性が確保される。
上記ベルトカバーは、上記シリンダヘッドカバーに当接するヘッドカバー当接部と、該ヘッドカバー当接部の下端から下方に向かうに従ってエンジン本体の中心線に対し左右方向の一側に傾斜した、上記シールプレートと当接するプレート当接部と、を含むものとして、上記プレート当接部の左右方向他側縁部を、上記ヘッドカバー当接部の左右方向他側縁部よりも上記エンジンの内方側に位置させてもよい。
この場合において、上記ベルトカバーを、上記ヘッドカバー当接部とプレート当接部との境界部分における左右方向他側位置で上記カバー片の一部を切り欠いてなる、上記凹溝内の排水用開口をさらに有するものとしてもよい。
この構成によると、ヘッドカバー当接部とプレート当接部との境界部分における左右方向他側縁部は、エンジンの外方に位置するが、この位置で上記カバー片の一部を切り欠いて排水用開口を設けることにより、シリンダヘッドカバーの前端部に設けた凹溝に浸入した水等が、外部に排水される。こうして、ベルト収容室の下側に水が浸入することが防止可能になる。
以上説明したように、本発明のエンジンの前部構造は、シリンダヘッドカバーのヘッドカバーシール面を、シールプレートのプレートシール面よりも所定距離だけエンジン前方に位置させることによって、ベルト収容室の上側であるベルトカバーの第1シール面とヘッドカバーシール面とが密着状態となり、シールラバーレス構造であっても、ベルト収容室の十分なシール性を確保することができる。
また、各部材の寸法交差を厳しくしなくても、ヘッドカバーシール面と第1シール面とは互いに密着するため、寸法交差によるコストの増大を伴うことなく、シールラバー等を省略することによるコスト低減を図ることができる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る筒内直噴式ディーゼルエンジン1を、その吸気系及び排気系等の一部の部材を取り除いて示す正面図である。同図において、11はシリンダブロック、12はシリンダブロック11の上側に配設されるシリンダヘッド、4はシリンダヘッド12の上側に配設されるシリンダヘッドカバー、3は後述するタイミングベルト24を収容するベルトカバーである。
このエンジン1は、図示は省略するが、その本体部の長手方向であるエンジン前後方向(図1の紙面に直交する方向)に第1、第2、第3、第4の4つの気筒が前側(図1の手前側)から後側(図1の奥側)に向かって順番に並設された直列4気筒エンジンであり、エンジン1の右側(図の左側)には吸気系が、その左側(図の右側)には排気系がそれぞれ設けられる。
また、図示は省略するが、上記各気筒には、その先端の噴孔が気筒内に臨むインジェクタが気筒中心線に沿うように配置されて、シリンダヘッド12に対して直立に支持されている。上記シリンダヘッド12上には、図1,2に示すように、それぞれエンジン1の前後方向に延びる2つのカムシャフト27,28が、エンジン1の左右方向に並設されている。
上記シリンダブロック11の下部には、後述するギヤ列を収容するギヤケース8が取り付けられている。このギヤケース8は、上記シリンダブロック11側に配置されるリヤカバー81と、このリヤカバー81の前側に配置されるフロントカバー82とからなり、両カバー81,82がエンジン前後方向に重なった状態で、複数のボルトによって上記シリンダブロック11に固定されている。
図1に示すように、上記シリンダブロック11の下部位置において、上記気筒列方向に延びるクランクシャフト6の前端側には、そのクランクシャフト6と一体的に回転するクランクギヤ61が取り付けられている。また、上記ギヤケース8の吸気側上部位置には、上記インジェクタに燃料を供給する燃料ポンプのポンプ軸71に取り付けられたポンプギヤ7が配設されていて、このポンプギヤ7は、上記ポンプ軸71と一体的に回転する。
上記ポンプギヤ7とクランクギヤ61との間には、第1及び第2アイドルギヤ62,63が介設されていて、上記クランクシャフト6の駆動力が、第1及び第2アイドルギヤ62,63を介して上記ポンプ軸71に伝達される。
また、上記ポンプギヤ7のエンジン下方位置には、真空ポンプ(図示省略)の駆動軸に取り付けられた真空ポンプギヤ64が配設されて上記第1アイドルギヤ62と噛み合い、その真空ポンプギヤ64の吸気側斜め下方位置には、パワーステアリング装置用の油圧ポンプ(図示省略)に取り付けられた油圧ポンプギヤ65が配設されて、上記真空ポンプギヤ64と噛み合っている。
上記クランクギヤ61にはさらに、そのクランクギヤ61の排気側斜め上方に配設された第3アイドルギヤ66と、オイルポンプ(図示省略)の駆動軸に取り付けられ、上記クランクギヤ61の下側に位置するオイルポンプギヤ67とがそれぞれ噛み合っている。
また、上記第1アイドルギヤ62には、上記クランクシャフト6に対して吸気側に配設された右側バランスシャフト(図示省略)の右バランサーギヤ68が、上記第3アイドルギヤ66には、上記クランクシャフト6に対して排気側に配設された左側バランスシャフト(図示省略)の左バランサーギヤ69が、それぞれ噛み合っている。
上記燃料ポンプのポンプ軸71には、上記ポンプギヤ7よりも先端側(エンジン1の前方側)に、図1,2に示すように、ポンププーリ21が取り付けられていて、このポンププーリ21は上記ポンプ軸71と一体的に回転する。
また、上記シリンダヘッド12上に配設された吸気側及び排気側の2つのカムシャフト27,28には、その前端部分に吸気側及び排気側のカムプーリ22,23が取り付けられている。
上記ポンププーリ21と各カムプーリ22,23とは、タイミングベルト24によって駆動連結されている。タイミングベルト24は、ポンププーリ21から排気側のカムプーリ23、吸気側のカムプーリ22を経て、再びポンププーリ21に回行するようになっており、エンジン上下方向(気筒中心線)に対して下端が吸気側に近づくように傾斜して配設されている。尚、タイミングベルト24の緩み側(図1の右側)スパンには、オートテンショナ25が配置される一方、その張り側(図1の左側)スパンにはアイドラプーリ26が配置されている。
上記の各プーリ21〜23、タイミングベルト24、テンショナ25、アイドラ26によって構成されるベルト機構は、エンジン本体の前側に設けられたベルト収容室10内に収容される。
このベルト収容室10は、上記シリンダヘッド12の上部に配設されたシリンダヘッドカバー4によって、その後部上側が画成されると共に、上記シリンダヘッドカバー前側部分の下端に連続してエンジン本体の前側面に配置されたシールプレート5によって、その後部中央が画成されかつ、上記ギヤケース8のフロントカバー82によって、その後部下側が画成される。
また、上記ベルト収容室10の前側は、上記シリンダヘッドカバー4、シールプレート5、及び上記フロントカバー82の一部に対してエンジン前後方向に重なって配設されたベルトカバー3によって画成される。このベルトカバー3は、上記シリンダヘッドカバー4、シールプレート5及び上記フロントカバー82に対して、水平方向に延びる複数のボルトによって締結される。
上記シリンダヘッドカバー4は、図2,3に示すように、前面視で略矩形状に形成されていて、シリンダヘッドカバー4とシリンダヘッド12との間に形成される動弁室と、上記ベルト収容室10とを区画する区画壁41を有している。この区画壁41には、下方に開口する略台形状の切欠部42が形成されており、図示は省略するが、この切欠部42には2つのカムシャフト27,28を回転支持するカムジャーナルが内嵌する。そして、その区画壁41よりもエンジン前側に、上方に拡大しつつ前方に延設する延設部43が形成されており、この延設部43の外周壁によって上記カムプーリ22,23の一部が囲まれる。
そして、図2,4,6に示すように、上記延設部43の前端周縁から外方向に第1立壁44が立設していて、後述するように、この第1立壁44の前端面によって上記ベルトカバー3に当接するヘッドカバーシール面45が形成される。
また、上記延設部43には、上記第1立壁44よりもエンジン後側位置において、その外周縁から外方向に第2立壁46が立設している。この第1及び第2立壁44,46の間には、外方向に開口する凹溝47が形成されている。尚、上記第2立壁46の先端は、上記第1立壁44の先端よりも外方向に突出している。
上記シールプレート5は、図4に示すように、薄板状の部材であって、エンジン本体の前側面に対して固定される。上記シールプレート5の上端部は、図4の上図に示すように、上記シリンダヘッドカバー4の下端部分よりもエンジン前側に位置し、上記シリンダヘッドカバー4の下端部分とシールプレート5の上端部分はエンジン前後方向に重なって配置される。また、上記シールプレート5の上端縁には、2つのカムシャフト27,28が配設される半円状の切り欠き51,51が、左右方向に並んで形成されている。
また、図2に示すように、上記シールプレート5の下端部は、上記フロントカバー82の上端部よりも後側で、エンジン前後方向に重なっている。
そして、上記シールプレート5の左右両側縁は、上記ベルトカバー3の両側縁に沿う所定の湾曲形状を有していて、図4,7に示すように、その各側縁からエンジン前側に立設されて、ベルト収容室10の外周囲を区画する側壁52と、その側壁52の前端で屈曲して外側方に拡がるシール片53とを有し、後述するように、そのシール片53の前端面によって上記ベルトカバー3に当接するプレートシール面54が形成される。
尚、上記シール片53は、図2,4に示すように、上下方向の所定位置においてエンジン前後方向に屈曲していて、その屈曲部分よりも上側のプレートシール面54は、エンジン前側に位置して、上記シリンダヘッドカバー4のヘッドカバーシール面45とエンジン前後方向に対して略同じ位置に位置する。一方、上記屈曲部分よりも下側のプレートシール面54は、上記上側のプレートシール面54よりもエンジン後側に位置する。
また、上記吸気側のシール片53は、シールプレート5の上端から下端に亘って連続的に形成されているのに対し、排気側のシール片53は、その上端から略中間位置まで形成されていて、それよりも下方には形成されていない。
上記ベルトカバー3は、図1,2,5に示すように、その上側部分であって上記シリンダヘッドカバー4と当接するヘッドカバー当接部3aと、その中間部分であって上記シールプレート5と当接するプレート当接部3bと、その下側部分であって上記フロントカバー82と当接するギヤカバー当接部3cと、が、上下方向に連続して一体的に形成されている。
上記ヘッドカバー当接部3aは、シリンダヘッドカバー4の前側部分の形状に対応して、全体としてエンジン前面視で略矩形状に形成されている。
上記プレート当接部3bは、上記ヘッドカバー当接部3aの下端から下方に向かうに従って吸気側に傾斜する形状を有し、その吸気側の側縁は、上記上記ヘッドカバー当接部3aの吸気側の側縁よりもエンジン外方に位置している一方、その排気側の側縁は、上記ヘッドカバー当接部3aの排気側の側縁よりもエンジン内方に位置している。また、排気側の側縁上部と吸気側の側縁下部とがそれぞれ外方に膨出していて、この膨出部分に上記アイドラ26とテンショナ25とがそれぞれ配設される。
上記ギヤカバー当接部3cは、上記プレート当接部3bに連続して、その傾斜と同じ方向に傾斜していて、その下端は上記ポンププーリ21を覆うように円弧形状に形成されている。
このヘッドカバー当接部3a、プレート当接部3b及びギヤカバー当接部3cからなるベルトカバー3は、エンジン前側で略上下方向に拡がる前端壁部31と、その前端壁部31の外周縁からエンジン後側に立設し、上記ベルト収容室10の外周囲を区画する側壁部32と、を含む。この前端壁部31及び側壁部32はそれぞれ、上記ヘッドカバー当接部3a、プレート当接部3b及びギヤカバー当接部3cの各境界部分において互いに連続している。
上記ヘッドカバー当接部3aにおける前端壁部31は、上記2つのカムプーリ22,23が配設される位置で長円形状に形成されており、この長円の外周縁に連なる側壁部32の後端から外方向にシール壁33が拡がっている。このシール壁33の後端面が、上記シリンダヘッドカバー4のヘッドカバーシール面45と当接する第1シール面34とされている。また、図2,5に示すように、上記ヘッドカバー当接部3aは、上記第1シール面34の外周縁で屈曲してエンジン後側に突出するカバー片35を有している。このカバー片35は、上記ベルトカバー3をシリンダヘッドカバー4に対して組み付けた際に、シリンダヘッドカバー4の、第1立壁44と凹溝47の開口とをそれぞれ覆うようになっている(図7参照)。
上記プレート当接部3bにおいても、上記側壁部32の後端から外方向にシール壁33が拡がっていて、そのシール壁33は、上記ヘッドカバー当接部3aのシール壁33の下端と連続している。このシール壁33の裏面(エンジン後方を向いた面)によって上記シールプレート5のプレートシール面54と当接する第2シール面36が形成される。このプレート当接部3bにおけるシール壁33は、上記シールプレート5のシール片53に対応して、上下方向の所定位置においてエンジン前後方向に屈曲していて、その屈曲部分よりも上側の第2シール面36は、エンジン前側に位置して、上記第1シール面34とエンジン前後方向に対して略同じ位置に位置する。一方、上記屈曲部分よりも下側の第2シール面36は、上記第1シール面34よりもエンジン後側に位置する。
また、上記プレート当接部3bも、上記第2シール面36の外周縁で屈曲してエンジン後側に突出するカバー片35を有している。このカバー片35は、その吸気側においては上記ヘッドカバー当接部3aのカバー片35と連続している一方、排気側においては、ヘッドカバー当接部3aとプレート当接部3bとの境界部分で一部が切り欠かれていて、これにより、上記シリンダヘッドカバー4の凹溝47に連通する開口37が形成されている(図5参照)。
さらに、上記プレート当接部3bの裏面側(エンジン後側)には、図5,7に示すように、上記カバー片35に対して所定距離だけ内方側で、その端縁形状に沿うように上下方向に延びるバッフル壁38がエンジン後側に立設している。上記第2シール面36は、カバー片35とバッフル壁38との間に位置する。尚、排気側のバッフル壁38は、プレート当接部3bの下端位置で、ヘッドカバー内方側に延びている。
また、吸気側のカバー片35は、プレート当接部3bの下端のボルト孔位置でヘッドカバー外方側に屈曲しており、この位置で上記カバー片35とバッフル壁38との間の通路の開口が形成されている。
上記ギヤカバー当接部3cは、上記ヘッドカバー当接部3a及びプレート当接部3bのシール壁に代わり、その外周縁部に沿って形成されたシール部39を有している。このシール部39は、上記フロントカバー82の前端面に形成されたシール部83に対してシール部材(図示省略)を介在した状態で当接し、それによってギヤカバー当接部3cとフロントカバー82との間のシールをする(図2参照)。
そして、上記シリンダヘッドカバー4とシールプレート5とは、それぞれエンジン本体に組み付けた状態であって、上記ベルトカバー3を組み付ける前の状態において、図2,4に示すように、そのヘッドカバーシール面45が、プレートシール面54(プレートシール面54の上側部分)に対して、所定距離tだけエンジン前側に位置する。
このことによって、上記ベルトカバー3をエンジン前側から上記シリンダヘッドカバー4及びシールプレート5に重ね合わせて組み付ける際には、エンジン前側に突出しているヘッドカバーシール面45とベルトカバー3の第1シール面34とが先に当接し(図6参照)、その後にボルトの締め付けによって各部材の微小な弾性変形を伴いながら、プレートシール面54と第2シール面36(屈曲部分の上側及び下側を含む)とが当接する(図7参照)。その結果、ベルトカバー3の第1シール面34とヘッドカバーシール面45とは密着状態となり、水密性が確実になる。
こうして、水等のアタックによって水が浸入し易いベルト収容室10の上側において確実なシールを実現することができる一方で、ベルト収容室10の下側は、その上側よりもシール性が低下したとしても、水等のアタックが少なく水が余り浸入しない位置であるため、そのことによる不都合はない。こうして、シールラバーレス構造であっても、ベルト収容室10の十分なシール性を確保することができる。
また、上記のシールラバーレス構造は、ヘッドカバーシール面45を、プレートシール面54よりもエンジン前方に予め位置させる設計であるため、各部材の寸法交差を厳しくしなくても、ヘッドカバーシール面45と第1シール面34とは互いに密着する。その結果、寸法交差によるコストの増大を伴うことなく、シールラバー等を省略することによるコスト低減を図ることができる。
さらに、図6に示すように、シリンダヘッドカバー4の前端部に、第1立壁44と第2立壁46とを設けると共に、その両立壁44,46の間に凹溝47を形成することによって、ベルト収容室10の上側においては、ヘッドカバーシール面45及び第1シール面34の当接部分と外部との間に、2つの立壁44,46と凹溝47とが介在することになる。これにより、上記第1立壁44と凹溝47の開口がそれぞれベルトカバー3に設けたカバー片35によって覆われることと相俟って、両シール面34,45の当接部分への水等の浸入が防止されると共に、上記第2立壁46を越えて水等が浸入したとしても凹溝47にトラップされ、シール面34,45まで水等が到達することが防止される。こうして、水等の浸入し易いベルト収容室上側のシール性を、大幅に向上することができる。
さらに、上記凹溝47によってトラップされた水等は、図1,5に示すように、ヘッドカバー当接部3aとプレート当接部3bとの境界部分における排気側縁部に形成した開口37から外部に排出され、ベルト収容室10の下側に水が浸入することを防止することが可能になる。
一方、図7に示すように、ベルトカバー3のプレート当接部3bにおいては、プレートシール面54と当接する第2シール面36を、カバー片35とバッフル壁38とで挟むことにより、水跳ね等によって下方からの飛水に対しても、先ずカバー片35によって水等が上記両シール面36,54の当接部分に浸入することが抑制され、さらにその当接部分によってベルト収容室10内への水等の浸入が防止される。また、仮に両シール面36,54の当接部分を通過して水等が内側に浸入したとしても、バッフル壁38によってベルト収容室10の内部への浸入は阻まれて、そのバッフル壁38に沿って水は排水される(プレート当接部3bの吸気側下端に設けた開口から排出される)。こうして、ベルト収容室10の下側においても十分なシール性を確保することができる。
尚、本発明は、DOHCエンジンに限定されるものではない。例えばSOHCエンジンに適用することも可能である。
実施の形態に係る、吸排気系等の部材を取り外した状態におけるエンジンの正面図である。 図1のA−A断面図である。 シリンダヘッドカバーの一部を示す正面図及び平面図である。 シールプレートの正面図及び平面図である。 ベルトカバーの背面図である。 シリンダヘッドカバーとベルトカバーとのシール部分を拡大して示す拡大断面図である。 図5のB−B断面説明図である。
符号の説明
1 エンジン
10 ベルト収容室
12 シリンダヘッド
21 ポンププーリ(駆動プーリ)
22,23 カムプーリ
24 タイミングベルト
27,28 カムシャフト
3 ベルトカバー
34 第1シール面
35 カバー片
36 第2シール面
37 開口
38 バッフル壁
3a ヘッドカバー当接部
3b プレート当接部
4 シリンダヘッドカバー
44 第1立壁
45 ヘッドカバーシール面
46 第2立壁
47 凹溝
5 シールプレート
54 プレートシール面

Claims (4)

  1. シリンダヘッド上にカムシャフトを配設したエンジンの前部構造であって、
    上記カムシャフトの前端部に取り付けられたカムプーリと、
    上記カムプーリに巻きかけられて、エンジン本体の前側に配設されるタイミングベルトと、
    上記タイミングベルトによって上記カムプーリと駆動連結される駆動プーリと、
    上記カムプーリ、タイミングベルト、及び駆動プーリを収容するベルト収容室と、
    上記シリンダヘッドの上部に配設されて、その前側部分によって上記カムプーリが位置する上記ベルト収容室の後部上側を画成するシリンダヘッドカバーと、
    上記シリンダヘッドカバーの前側部分の下端に連続してエンジン本体の前側面に配置され、上記カムプーリの下側である上記ベルト収容室の後部下側を画成するシールプレートと、
    上記シリンダヘッドカバー及びシールプレートに対してエンジン前側から重ね合わされてボルト締結されかつ、エンジン上下方向に延びて上記タイミングベルト室の前部を画成するベルトカバーと、を備え、
    上記シリンダヘッドカバーは、その前端に、上記カムプーリを囲むように配設された前向きのヘッドカバーシール面を有し、
    上記シールプレートは、上記タイミングベルトの両側外方位置で上下方向に延びる、エンジン前後方向に上記ヘッドカバーシール面と略同じ位置に位置する前向きのプレートシール面を有し、
    上記ベルトカバーは、その後面側に、上記ヘッドカバーシール面と当接する第1シール面と、上記プレートシール面と当接する第2シール面と、を有し、
    上記エンジン本体に組み付けたシリンダヘッドカバーの上記ヘッドカバーシール面は、上記ベルトカバーを組み付ける前の状態において、上記エンジン本体に組み付けたシールプレートの上記プレートシール面よりも所定距離だけエンジン前方に位置しているエンジンの前部構造。
  2. 請求項1に記載の前部構造において、
    上記シリンダヘッドカバーは、その前端部の外周縁から外方に立設し、その前側壁面が上記ヘッドカバーシール面を形成する第1立壁と、上記第1立壁よりもエンジン後側における外周縁から外方に立設し、上記第1立壁との間で外方に開口する凹溝を形成する第2立壁と、をさらに有し、
    上記ベルトカバーは、上記第1シール面の外周縁部からエンジン後側に突出して、上記シリンダヘッドカバーのヘッドカバーシール面と凹溝の開口とを覆うカバー片をさらに有しているエンジンの前部構造。
  3. 請求項2に記載の前部構造において、
    上記カバー片は、上記第1シール面の外周縁部から第2シール面の外周縁部に亘って、連続的に延びていて、
    上記ベルトカバーは、上記第2シール面の内方側位置で該第2シール面に沿って略上下方向に延びる、エンジン後側に突出したバッフル壁をさらに有し、
    上記第2シール面は、上記カバー片と上記バッフル壁とに挟まれているエンジンの前部構造。
  4. 請求項2又は3に記載の前部構造において、
    上記ベルトカバーは、上記シリンダヘッドカバーに当接するヘッドカバー当接部と、該ヘッドカバー当接部の下端から下方に向かうに従ってエンジン本体の中心線に対し左右方向の一側に傾斜した、上記シールプレートと当接するプレート当接部と、を含み、
    上記プレート当接部の左右方向他側縁部は、上記ヘッドカバー当接部の左右方向他側縁部よりも上記エンジンの内方側に位置し、
    上記ベルトカバーは、上記ヘッドカバー当接部とプレート当接部との境界部分における左右方向他側位置で上記カバー片の一部を切り欠いてなる、上記凹溝内の排水用開口をさらに有しているエンジンの前部構造。
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