JP4433307B2 - 感熱転写記録材用二軸延伸ポリエステルフィルムの製造方法 - Google Patents
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Description
アッベ屈折率計の接眼側に偏光板アナライザーを取付け、NaD線を光源とし、ヨウ化メチレンを媒液に用いて25℃で縦方向の屈折率を測定した。
275℃で溶融したポリエステル組成物中に2本の電極(ステンレス製針金)を置き、120Vの電圧を印加した時の電流(i)を測定し、これを下記式に代入して比抵抗値ρi(Ω・cm)を求めた。
ρi=(A/L)×(V/i)
A:電極間面積(cm2)、L:電極間距離(cm)、V:電圧(V)
(インク層コート材の調製)
カルナウバワックス 40質量部
エステルワックス 34質量部
酢酸ビニルーエチレン共重合体 10質量部
ステアリン酸ナトリウム 3質量部
上記の組成物を攪拌・加熱して溶融し、カーボンブラック13質量部を加えて分散・混合してインク層コート材とした。
2段のグラビアコーターを用いて、市販のポリエステルフィルム(東洋紡績社製、E5100、12μm)のコロナ放電処理面にインク層コート材(液温:85℃)を塗布後、フィルムを冷却した後、6インチ紙管に巻き取りリボンロール(インク層厚み:4μm)を得た。このフィルムロールから100mm×200mmのフィルム片(200mmがフィルムの長手方向)を切り出し標準リボンとした。
実施例及び比較例で得られたポリエステルフィルムから切り出したサンプル(110mm×200mm、200mmがフィルムの長手方向)と上記の標準リボンをヒートシールテスター(テスター産業社製、TP−701−B)を用いて100℃、0.2MPa、1秒の条件で長手方向と直角に20mmピッチで5箇所ヒートシールした後、中央部の50mm×200mmを測定サンプルとした。この測定サンプルを23℃、65%RHの環境下において、引張試験機(東洋ボールドウイン社製、テンシロンHTM−100)を用いて、チャック間距離30mm、引張り速度200mm/分でT型剥離させ、実施例及び比較例で得られたポリエステルフィルムからインクが剥離する強度(n=5の平均値)を求めた。
○ :剥離強度が59mN/50mm幅未満。
× :剥離強度が69mN/50mm幅以上。
(1)ポリエステルA
溶融比抵抗(ρi)が0.23×108Ω・cm、固有粘度(IV)が0.60dl/g、平均粒径が1.3μmの凝集シリカを1000ppm含有させた、ポリエチレンテレフタレート
(2)ポリエステルB
溶融比抵抗(ρi)が0.23×108Ω・cm、固有粘度(IV)が0.60dl/g、平均粒径が1.3μmの凝集シリカを1000ppm含有させた、ポリエチレンテレフタレート・イソフタレート共重合体(エチレンイソフタレートの繰り返し単位が10モル%)
ポリエステル原料としてポリエステルAのみを用い、120℃で24時間減圧乾燥(1.3hPa)し、単軸押出機を用いて280℃で溶融させた。次いで、45cm幅のTダイより冷却ロール(周速50m/分)上へシート状に押出し、冷却ロール周面に対向するように設置した直径が30μmのタングステンワイヤー電極から7.2kVの電圧を印加し、0.2mAの電流を流して静電密着させながら、未延伸シートを得た。該未延伸シートをテンターで、予熱温度85℃、延伸温度88℃で横方向に3.8倍延伸し(第1段目延伸)、次いで予熱温度80℃、延伸温度105℃で縦方向に3.6倍延伸し(第2弾目延伸)、さらに150℃で1.2倍再横延伸した(第3段目延伸)。次いで、二軸延伸フィルムを228℃で熱固定処理した後、横方向に210℃で2.6%、さらに150℃で0.3%、の2段階に分けて緩和熱処理して、厚さ4.5μmの二軸延伸ポリエステルフィルムを得た。
本実施例の方法で得られたフィルムの特性値を表1に示す。表1に示すように、インク剥離性に優れた感熱転写記録材用基材として好適な二軸延伸ポリエステルフィルムであった。
第3段目の延伸倍率を1.4倍とした以外は実施例1と同様にして、厚さ4.5μmの二軸延伸ポリエステルフィルムを得た。
本実施例2の製造方法で得られたフィルムの特性値を表1に示す。表1に示すように、インク剥離性に優れた感熱転写記録材用基材として好適な二軸延伸ポリエステルフィルムであった。
第2段目の延伸倍率を3.9倍とした以外は実施例1と同様にして、厚さ4.5μmの二軸延伸ポリエステルフィルムを得た。
本実施例3の製造方法で得られたフィルムの特性値を表1に示す。表1に示すように、インク剥離性に優れた感熱転写記録材用基材として好適な二軸延伸ポリエステルフィルムであった。
第2段目の延伸倍率を3.3倍とした以外は実施例1と同様にして、厚さ4.5μmの二軸延伸ポリエステルフィルムを得た。
本実施例4の製造方法で得られたフィルムの特性値を表1に示す。表1に示すように、インク剥離性に優れた感熱転写記録材用基材として好適な二軸延伸ポリエステルフィルムであった。
ポリエステル原料としてポリエステルA及びBを用い、A/B=97/3(質量%)となるように配合した以外は実施例1と同様にして、厚さ4.5μmの二軸延伸ポリエステルフィルムを得た。
本実施例5の製造方法で得られたフィルムの特性値を表1に示す。表1に示すように、インク剥離性に優れた感熱転写記録材用基材として好適な二軸延伸ポリエステルフィルムであった。
第3段目の延伸を行わず、熱固定ゾーンにおいて150℃のゾーンと228℃のゾーンで緊張熱処理した以外は実施例1と同様にして、厚さ4.5μmの二軸延伸ポリエステルフィルムを得た。
本比較例1で得られたフィルムの特性値を表1に示す。表1に示すように、インク剥離性に劣り、感熱転写記録材用基材として好ましくなかった。
第3段目の延伸倍率を1.6倍とした以外は実施例1と同様にして製膜しようとしたが、熱固定ゾーンでフィルムが破断し、ポリエステルフィルムを安定して得ることができなかった。
第2段目の延伸倍率を2.3倍とした以外は実施例1と同様にして厚さ4.5μmの二軸延伸ポリエステルフィルムを得た。
本比較例3で得られたフィルムの特性値を表1に示す。表1に示すように、インク剥離性に劣り、感熱転写記録材用基材として好ましくなかった。
第2段目の延伸倍率を4.7倍とした以外は実施例1と同様にして製膜しようとしたが、熱固定ゾーンでフィルムが破断し、ポリエステルフィルムを安定して得ることができなかった。
第1段目の延伸倍率を2.8倍とした以外は実施例1と同様にして厚さ4.5μmの二軸延伸ポリエステルフィルムを得た。
本比較例5で得られたフィルムの特性値を表1に示す。表1に示すように、インク剥離性に劣り、感熱転写記録材用基材として好ましくなかった。
第1段目の延伸倍率を4.7倍とした以外は実施例1と同様にして製膜しようとしたが、熱固定ゾーンでフィルムが破断し、ポリエステルフィルムを安定して得られなかった。
Claims (3)
- 共重合成分が10モル%以下であるエチレンテレフタレートを主体とするポリエステルを逐次二軸延伸してなる感熱転写記録材用二軸延伸ポリエステルフィルムの製造方法であって、
前記の逐次二軸延伸を横延伸、縦延伸、横延伸の順に行い、
第1段目の横延伸を、ポリエステルのガラス転移温度以上の温度で、横方向に3.0〜4.5倍延伸し、第2段目の縦延伸を、ポリエステルのガラス転移温度以上の温度で、縦方向に2.5〜3.9倍延伸し、第3段目の横延伸を、ポリエステルのガラス転移温度以上の温度で、横方向に1.2〜1.5倍延伸し、
フィルムの縦方向の屈折率を1.640〜1.670となるように製造することを特徴とする感熱転写記録材用二軸延伸ポリエステルフィルムの製造方法。 - 前記ポリエステルの固有粘度が0.52〜0.65dl/gであり、前記フィルムの150℃で30分間熱処理した時の無重力下での熱収縮率が3.0%以下である、請求項1に記載の感熱転写記録材用二軸延伸ポリエステルフィルムの製造方法。
- 前記フィルムの厚みが2〜6μmである、請求項1または2に記載の感熱転写記録材用二軸延伸ポリエステルフィルムの製造方法。
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