JP4432544B2 - ハードコート多層シート、およびそれを用いてなる建材窓ガラス、フラットパネルディスプレイ - Google Patents

ハードコート多層シート、およびそれを用いてなる建材窓ガラス、フラットパネルディスプレイ Download PDF

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Description

本発明は、ハードコート多層シートに関し、更に詳しくは、表面硬度が高く、耐摩耗性に優れると同時に、虹彩模様発生が抑制され視認性に優れ、かつハードコート層と基材の密着性が優れたハードコート層を有しており、更に機械的特性に優れた多層シートを基材として用いるハードコート多層シートに関するものである。
基材シート、特に二軸配向ポリエステルシートは、その機械的特性、寸法安定性、耐熱性、透明性および電気絶縁性などに優れた性質を有することから、磁気記録材料、包装材料、電気絶縁材料、各種写真材料、グラフィックアート材料、光学表示材料(例えば、反射防止シート、タッチパネル用シート)、窓張り用シートおよび銘板用シートなどの多くの用途の基材シートとして広く使用されている。しかしながら、かかる基材シートは、用途によってはシート表面の表面硬度が低く、また、耐摩耗性も不足しているため、他の固い物質との接触、摩擦あるいは引っ掻きなどによって表面に損傷を受け易く、表面に発生した損傷は商品価値を著しく低下させたり、短期間で使用不可になったりする。更に、基材に対する要求として、寸法安定性、耐熱性、透明性、および電気絶縁性などは維持し、さらなる機械特性の向上が望まれている。
ガラスについては、優れた光線透過性、ガスバリア性、寸法安定性等から、さまざまな用途に使用されている。ガラスは、建築物や自動車、特に平面CRTディスプレイ、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ、有機ELディスプレイ、フィールドエミッションディスプレイ等に代表されるフラットディスプレイの分野では、より高性能なガラスが提供されている。
しかしながら、ガラスの欠点として、破損しやすい、または破損によってガラスが飛散する、ことが挙げられる。この問題は、フラットディスプレイの分野において顕著である。フラットディスプレイは、薄肉化および軽量化の要求から、表示用ガラス自体についても薄肉化する傾向にあり、それに伴い使用時において破損しやすいといった問題がある。
このようなガラスの破損やさらに破損によって起こるガラスの飛散に関する問題に対し、ガラスに熱可塑性樹脂からなるフィルムを貼りつけることにより防止する方法が種々提案されている。
更に、例えば、ポリエステルシートからなる基材シートの場合には、その上に耐擦傷性や耐摩耗性に優れたハードコート層を設ける方法が知られている。しかしながら、通常のポリエステルシートは、表面が高度に結晶配向されているためハードコート層との接着性に乏しく、ハードコート層が基材シートから剥離してしまい、実質的に耐久性に劣るという欠点を有している。そのため、従来から、ポリエステルフィルム表面に種々の方法により接着性付与の検討がなされてきた。
従来、ポリエステルシートへの接着性付与方法としては、ポリエステル基材フィルム表面のコロナ処理、紫外線照射処理あるいはプラズマ処理などによる表面活性化法、酸、アルカリあるいはアミン水溶液などの薬剤による表面エッチング法、およびフィルム表面にアクリル樹脂、スルホン酸塩基含有ポリエステル樹脂あるいはウレタン樹脂などの各種樹脂をプライマー層として設ける方法(特許文献1〜3参照)などが既に知られている。特に、塗布によって基材フィルム上にプライマー層を設ける方法では、結晶配向が完了する前のポリエステル基材フィルムに上記樹脂成分を含有する塗液を塗布し、乾燥した後、延伸、熱処理を施して結晶配向を完了させる方法(インラインコート法)が、工程の簡略化や製造コストの点で有力視され、盛んに行われている。
また、共押し出し法や上記したインラインコート法により、柔軟化成分を共重合した2種類のポリエステル樹脂からなる接着層を積層したポリエステル系樹脂積層フィルム(特許文献4参照)や、ポリエステルフィルム表面にウレタン樹脂からなる塗布層を設け、その上にハードコート層を設ける方法(特許文献5参照)なども提案されている。
また、このようにして設けられたハードコート層はポリエステル基材やプライマー層と屈折率が異なる場合が多く、ハードコート層と基材の間に屈折率差のある明確な界面が存在するために、視認性すなわちある角度から見た時にぎらつきや部分的な虹彩状反射が発生する。この現象を改善するために、塗膜厚み精度を向上したり、ハードコート層の屈折率高くし、屈折率差を少なくする検討がなされている。(特許文献7参照)
特開昭55−15825号公報(第2頁1欄第17〜2欄第12行目) 特開昭58−78761号公報(第3頁2欄第5〜12行目) 特開昭60−248232号公報(第5頁2欄第6〜20行目) 特開平2−16050号公報(第2頁2欄第3〜第3頁2欄18行目) 特開昭62−263237号公報(第1頁1欄第4〜9行目) 特開平3−229726号公報(第1頁1欄第4〜2欄第1行目) 特開2002−241527公報([0007]〜[0008]段落)
しかしながら、前述した従来の技術には、次のような問題点がある。まず、表面エッチング法と表面活性化法は、基材多層シートとハードコート層との接着性が十分得られないのみならず、処理工程が複雑になったり処理液廃棄などの問題がある。また、ディスプレイ保護やガラス飛散防止機能として機械的特性、特に耐引き裂き性を従来に比べて飛躍的に伸ばす必要がある。
また、接着性を付与するためにアクリル樹脂やウレタン樹脂を積層したポリエステル基材フィルムを用いた場合には、積層膜は、被覆物であるハードコート層との接着性には優れるものの、ポリエステル基材フィルムとの接着性が不十分となりやすい。特に、最近は各種用途でハードコートシートが使用されるようになってきて、これまでには想像し得なかった過酷な条件下、例えば、湿度が高く、雰囲気温度も高いような状態(本発明においては、この様な状態を「湿熱下」と呼ぶ)でのハードコート層の接着性が大幅に低下し、ハードコートシートとしての機能を満足し得なくなるという事態が起こることが多くなってきた。
また、ポリエステル樹脂を積層したポリエステル基材多層シートを用いた場合には、積層膜は、ポリエステルシート基材との接着性は良好となる反面、ハードコート層との接着性に於いては十分な接着性が得られないことが多く、また、もちろん、上記アクリル樹脂やウレタン樹脂の場合と同様に、湿熱下でのハードコート層との接着性は不十分なものであった。
上記した湿熱下での接着性改良方法として、一般的には、樹脂を架橋し、接着性を向上させる方法などが考えられる。例えば、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、あるいはポリエステル樹脂にメラミン系架橋剤やイソシアネート系架橋剤、エポキシ系架橋剤、オキサゾリン系架橋剤などを添加したものがある。しかしながら、常態下での接着性と湿熱下での接着性を満足させたものは得られていない。
さらに、ハードコート層と基材多層シートの間に接着性を向上するプライマー層を設ける方法では、工程が多くなり、そのために各工程間でフィルム表面への異物の付着や、各工程中にある渡りロールなどとの接触によるフィルム表面への傷の発生により、生産性が大きく低下するし、2工程以上を経るため加工費用が高くなるなどの問題がある。
また、上記のような方法でハードコート層と基材との密着性を向上しようとして発生した虹彩状反射の改善方法として、塗膜厚み精度を向上したり、ハードコート層の屈折率を高くし、屈折率差を少なくする検討がなされているが、塗布厚み精度の向上にも限界があり、ハードコート層の屈折率を高くすると十分な硬度が発現しない、表面反射率が高くなり透過像が見えにくくなる、などの問題がある。
本発明は、従来技術における上記の欠点を解消せしめるとともに、基材多層シートとハードコート層の接着性が優れたハードコート多層シートを提供することを目的とするものである。
かかる目的を達成するため、本発明者らは鋭意研究を重ねた結果、以下の本発明を完成するに至った。
積層構造を有する基材多層シート(a)とハードコート層(b)からなるハードコート多層シートであって、
基材多層シート(a)がポリエステル(A)を主成分とする層(A層)とポリエステル(B)を主成分とする層(B層)の少なくとも2層を有し、かつ、波長400〜660nmの光線を照射した際のハードコート層(b)の反射率の平均うねり振幅が1%以下であり、
ポリエステル(A)が、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ビスフェノールAエチレンオキサイド付加物、ダイマー酸、ポリアルキレンジカルボン酸からなる群から選ばれる少なくとも1成分(成分X)を含む、少なくとも3種類のジオール誘導体およびジカルボン酸誘導体から構成され、かつ、前記成分XをポリエステルA中に0.1〜10mol%含有し、
ポリエステル(B)が、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ビスフェノールAエチレンオキサイド付加物、ダイマー酸、ポリアルキレンジカルボン酸からなる群から選ばれる少なくとも1成分(成分X)を含む、少なくとも3種類のジオール誘導体およびジカルボン酸誘導体から構成され、かつ、前記成分XをポリエステルB中に10〜60mol%含有することを特徴とするハードコート多層シート。
本発明によれば、基材多層シートにハードコート層を積層させ、かつ波長400〜660nmでのハードコート層側の反射率の平均うねり振幅が1%以下させることにより、接着性に優れ、高い表面硬度耐摩耗性に優れ、虹彩模様発生が抑制され視認性に優れたハードコート多層シートを得ることができる。また、製膜と同時にハードコート層を設けることが可能であり、生産性に優れるとともに、ハードコート層と基材多層シートとの接着性が極めて良好であり、更に機械的特性に優れたハードコート多層シートが得られる。
本発明のハードコート多層シートは、積層構造を有する基材多層シート(a)と、ハードコート層(b)からなるハードコート多層シートであって、基材多層シート(a)がポリエステル(A)を主成分とする層とポリエステル(B)を主成分とする層の少なくとも2層を有し、かつ、波長400〜660nmの光線を照射した際のハードコート層(b)の反射率の平均うねり振幅が1%以下であることを特徴とするハードコート多層シートを有するものである。
基材となる基材多層シートは、ポリエステルAを主成分とする層とポリエステルBを主成分とする層とが厚み方向に規則的に積層され、少なくともそれらの層数が2以上である基材多層シートであって、ポリエステルAおよびポリエステルBが、少なくとも3種類のジオール誘導体およびジカルボン酸誘導体から構成され、ポリエステルBがそれらの1成分(成分X)を10〜60mol%含有してなり、かつ、ポリエステルAが前記成分Xを0.1〜10mol%含有してなることが好ましい。ここで各成分量は、各層内に含まれる成分Xと同種のジカルボン酸誘導体もしくはジオール誘導体全体に対する割合である。
成分Xとしては、好ましくは、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ビスフェノールAエチレンオキサイド付加物、ダイマー酸、ポリアルキレンジカルボン酸、より好ましくは、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ビスフェノールAエチレンオキサイド付加物であり、さらに好ましくは1,4−シクロヘキサンジメタノールである。成分Xがこのような場合、本発明の目的とする耐引裂性・高透明性を効率よく同時に達成できる。ポリエステルBが剛直でかつ衝撃吸収性に優れているため、衝撃によって伝わるクラックの伝播を抑制するため、耐引裂性や耐衝撃性の向上を達成できるものである。また、このようなポリエステルBは、透明性に優れるとともに、常温にて経時変化し白化することがほとんどないので、視認性にも優れる。
本発明におけるポリエステルとは、ジカルボン酸誘導体とジオール誘導体との重縮合体であるポリエステル樹脂を含み、例えばポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレン−2,6−ナフタレート、ポリ1,4−シクロヘキサンジメチレンテレフタレート、1,4−シクロヘキサンジメタノール共重合ポリエチレンテレフタレートなどを用いることができる。特にポリエチレンテレフタレートは、安価であるため、非常に多岐にわたる用途に用いることができ、効果が高い。また、これらの樹脂はホモ樹脂であってもよく、共重合体またはブレンド体であってもよい。
ここで、本発明のポリエステルAとしては結晶性ポリマーであることが好ましく、またポリエステルBとしては非晶性ポリマーであることが好ましい。また、各層を構成するポリエステルは、その引張弾性率が1400MPa以上であることが好ましい。より好ましくは1550MPa以上であり、さらに好ましくは1700MPa以上である。一般に熱可塑性樹脂の引張弾性率が1400MPaより低い場合には、室温下でも経時にて白化する傾向にあり、ヘイズが増加することから好ましくない。
本発明のジカルボン酸誘導体としてはテレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、1,4−ナフタレン酸、1,5−ナフタレン酸、2,6−ナフタレン酸、4,4’−ジフェニルジカルボン酸、4,4’−ジフェニルスルホンジカルボン酸、セバシン酸、ダイマー酸などが挙げられ、またそれらをエステル化したものなどが挙げられる。また、ジオール誘導体としては1,2−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタジオール、ジエチレングリコール、ポリアルキレングリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ビスフェノールAエチレンオキサイド付加物などが挙げられる。
このような構成をとることにより、高い引裂強度を有しながら、加工時に受ける熱履歴によって発生する白化が抑制されるため、高度な光学機能を併せ持つガラス保護シートもしくはディスプレイ反射防止シートを提供できるようになるものである。
ここで、本発明のポリエステルを主成分とする層とは、そのポリエステルを少なくとも70wt%以上含んで成る層のことであり、このポリエステルはホモ樹脂であってもよく、共重合またはブレンドであってもよい。また、各層中には、各種添加剤、例えば、酸化防止剤、帯電防止剤、結晶核剤、無機粒子、有機粒子、減粘剤、熱安定剤、滑剤、赤外線吸収剤、紫外線吸収剤などが添加されていてもよい。
本発明の層数としては好ましくは、10層以上であり、より好ましくは20層以上である。層数が10層より少ない場合、十分な耐引裂性が得られず好ましくない。特に、本発明者らの各種の知見によれば、層数の上限は、特に限定されるものではなく、例えば、数100層程度でも良いものであるが、生産面の点などから600層や1000層程度とするのが良い。このようなことから、本発明者らの知見によれば、好ましい層数の範囲は10〜1000層、より好ましくは30〜600層である。さらに好ましくは31〜128層である。
本発明のハードコート多層シートを構成する基材多層シートは、少なくともポリエステルAを主成分とする層とポリエステルBを主成分とする層とを厚み方向に規則的に積層した構造を有していることが好ましい。
ポリエステルA、ポリエステルB、ポリエステルCの3種からなる場合には、A(BCA)n、A(BCBA)n、A(BABCBA)nなどの規則的順列で積層されることがより好ましい。ここでnは繰り返しの単位数であり、例えばA(BCA)nにおいてn=3の場合、厚み方向にABCABCABCAの順列で積層されているものである。また、2種類のポリエステルからなる場合、それらが交互に積層された構造を有することが好ましい。
すなわち、本発明において、「少なくともポリエステルAを主成分とする層とポリエステルBを主成分とする層とが、厚み方向に規則的に積層した構造」とは、積層フィルム中のポリエステルAを主成分とする層とポリエステルBを主成分とする層との厚み方向における配置の序列がランダムな状態ではないことを言い、ポリエステルAを主成分とする層とポリエステルBを主成分とする層以外の第3の層以上についてはその配置の序列については特に限定されるものではない。
本発明のポリエステルAおよびポリエステルBは、上述の通り、少なくとも3種類のジオール誘導体およびジカルボン酸誘導体から構成することが好ましい。また、本発明では、ポリエステルBがそれらの1成分(成分X)を10〜60mol%含有してなり、かつポリエステルAが前記成分Xを0.1〜10mol%以下含有してなることが好ましい。より好ましくは、ポリエステルBが成分Xを20〜40mol%含有してなることがより好ましい。また、ポリエステルAが少なくともXを0.2〜5mol%含有してなるとより好ましい。ポリエステルAを主成分とする層にXが0.1mol%より少なく含まれている場合には、高温下での白化の原因である表面へのオリゴマー析出を抑制できず、ヘイズが上昇する。ポリエステルAを主成分とする層にXが10mol%より多く添加されると白化抑制には効果があるものの、引裂強度が大幅に低減するものである。
このようにポリエステルBと共通の成分Xを、ポリエステルAを主成分とする層に特定量含有させることにより、オリゴマーの析出を防止し、高温下での白化を大幅に低減できるようになったものである。
本発明の基材多層シートでは、ポリエステルAを主成分とする層の厚みが1〜30μmであることが好ましく、ポリエステルBを主成分とする層の厚みが0.1〜5μmであることが好ましい。より好ましくは、ポリエステルAを主成分とする層の厚みが3〜25μmであり、ポリエステルBを主成分とする層の厚みが0.3〜3μmである。このような構成をとることにより、高い耐引裂性を得られるばかりか、白化の原因であるオリゴマーの析出をより抑制できるようになるものである。
本発明の基材多層シートでは、全光線透過率が88%以上であり、ヘイズが6%以下であることが好ましい。より好ましくは、全光線透過率が89%以上であり、ヘイズが3%以下である。さらに好ましくは、全光線透過率が89%以上であり、ヘイズが1%以下である。これは視認性が重視されるガラス保護シートもしくはディスプレイ反射防止シートの用途では、表示が不鮮明になるためである。
本発明の基材多層シートでは、易滑層、易接着層、粘着層、反射防止膜、ハードコート層、近赤外線遮蔽層、電磁波遮蔽層、導電層、防汚層、結露防止層などが内部や表層に形成されていてもよい。これらの層としては、特に限定されず各種の従来から知られている技術等を用いることができる。これらの層を有することにより、ガラス保護シートやディスプレイとして最適となる。
次に、本発明の基材多層シートの好ましい製造方法を以下に説明するがこの製造方法に限定されるものではない。
ポリエステルAおよびポリエステルBをペレットなどの形態で用意する。ペレットは、必要に応じて、事前乾燥を熱風中あるいは真空下で行い、押出機に供給される。押出機内において、融点以上に加熱溶融された樹脂は、ギヤポンプ等で樹脂の押出量を均一化され、フィルタ等を介して異物や変性した樹脂をろ過される。さらに、樹脂はダイにて目的の形状に成形された後、吐出される。
多層シートを得るための方法としては、2台以上の押出機を用いて異なる流路から送り出された熱可塑性樹脂を、マルチマニホールドダイやフィールドブロックやスタティックミキサー等を用いて多層に積層する方法等を使用することができる。また、これらを任意に組み合わせても良い。
ダイから吐出された多層に積層されたシートは、キャスティングドラム等の冷却体上に押し出され、冷却固化され、キャスティングシートが得られる。この際、ワイヤー状、テープ状、針状あるいはナイフ状等の電極を用いて、静電気力によりキャスティングドラム等の冷却体に密着させ、急冷固化させるのが好ましい。
このようにして得られたキャスティングシートは、必要に応じて二軸延伸しても構わない。二軸延伸とは、縦方向および横方向に延伸することをいう。延伸は、逐次二軸延伸しても良いし、同時に二方向に延伸してもよい。また、さらに縦および/または横方向に再延伸を行ってもよい。
ここで、縦方向への延伸とは、フィルムに長手方向の分子配向を与えるための延伸を言い、通常は、ロールの周速差により施される。この延伸は1段階で行ってもよく、また、複数本のロール対を使用して多段階に行っても良い。延伸の倍率としては樹脂の種類により異なるが、通常、2〜15倍が好ましく、ポリエチレンテレフタレートを用いた場合には、2〜7倍が特に好ましく用いられる。
このようにして得られた一軸延伸されたフィルムに、必要に応じてハードコート面とは反対面にコロナ処理やフレーム処理、プラズマ処理などの表面処理を施した後、易滑性、易接着性、帯電防止性などの公知の機能をインラインコーティングにより付与することもできる。
次に、一軸延伸後の基材多層シートにハードコート層を設けるが詳細については下記する。
また、未延伸フィルムをステンターを用い縦延伸及び横延伸を同時に行う同時二軸延伸法は、逐次二軸延伸法に比べ工程が短くなるのでコストダウンにつながり、延伸破れやロール傷が発生しにくいため、本発明のフラットディスプレイ用ガラス保護シートとして特に有効である。同軸二軸延伸法を用いる際は、未延伸シートにハードコート層を設けることが好ましい。
本発明において、例えば、逐次二軸延伸法を用いる場合、長手方向の延伸の条件は使
用する熱可塑性樹脂により異なるが、通常は2〜15倍が好ましく、ポリエステル樹脂を用いた場合には2.5〜10倍、さらには3〜5倍の範囲が好ましい。また、延伸速度1000〜50000%/分の速度で、延伸温度は、構成比率のもっとも高い熱可塑性樹脂のガラス転移温度Tg以上、(ガラス転移温度+50℃)以下の範囲が好ましく、長手方向に延伸することにより一軸配向フィルムを得る。
次に行う幅方向の延伸は、従来から用いられているテンターを用いて、延伸温度を、構成比率のもっとも高い熱可塑性樹脂のガラス転移温度Tg以上、(ガラス転移温度Tg+80℃)以下、より好ましくは熱可塑性樹脂のガラス転移温度Tg以上、(ガラス転移温度Tg+60℃)以下の範囲とし、延伸倍率を2〜10倍、より好ましくは2.5〜5倍の範囲として行えばよい。その際の延伸速度は特に限定されないが、1000〜50000%/分が好ましい。 また、同時二軸延伸法により延伸する場合は、リニアモーターを利用した駆動方式によるテンターを用いて同時二軸延伸する方法が好ましい。同時二軸延伸の温度としては、熱可塑性樹脂のガラス転移温度Tg以上、(ガラス転移温度Tg+50℃)以下であることが好ましい。延伸温度がこの範囲を大きくはずれると、均一延伸ができなくなり、厚みむらやフィルム破れが生じ好ましくない。延伸倍率は、縦方向、横方向それぞれ2〜10倍とすればよい。延伸速度としては特に限定されないが、2000〜50000%/分が好ましい。次に、熱収縮率の低減および平面性を付与するために、必要に応じて熱処理を行う。本発明の効果である前述したとおりの低いヘイズを得るために、および長手方向および幅方向のうち少なくとも一方の破断伸度が100〜300%の範囲であり、そのときの破断応力が120〜400MPaの範囲であるという高い耐衝撃性を得るために、熱処理条件としては、定長下、微延伸下、弛緩状態下のいずれかで、(構成比率のもっとも高い熱可塑性樹脂のガラス転移温度Tg)〜(構成比率のもっとも高い熱可塑性樹脂のガラス転移点+100℃)の範囲で0.5〜60秒間行うことが好適であり、(構成比率のもっとも高い熱可塑性樹脂のガラス転移温度Tg+40℃)〜(構成比率のもっとも高い熱可塑性樹脂のガラス転移点+80℃)の範囲で0.5〜10秒間行うことがもっとも好適である。上記範囲以下では熱収縮率が大きくなり、上記した範囲以上ではヘイズが高く、耐衝撃性が低下する方向である。
特に、全光線透過率が好ましくは88%以上、より好ましくは89%以上の本発明にかかるフラットディスプレイ用ガラス保護シートは、フィルムの一方の表層に反射防止膜を有することにより得ることができる。反射防止膜としては特に限定されず、従来から知られている技術等を用いることができる。
このようにそれぞれの方法で二軸配向し熱処理を施したフィルムを、室温まで徐冷しワインダーにて巻き取る。冷却方法は、二段階以上に分けて室温まで徐冷するのが好ましい。このとき、長手方向、幅方向に0.5〜10%程度のリラックス処理を行うことは、熱寸法安定性を低減するのに有効である。冷却温度としては、一段目が(熱処理温度−20℃)〜(熱処理温度−80℃)、二段目が(一段目の冷却温度−30℃)〜(一段目の冷却温度−40℃)の範囲が好ましいが、これに限定されるものではない。上述した方法において、特に、衝撃強度が8〜40Jのハードコート多層シート を製造するには、ガラス転移温度が40℃以下である少なくとも2種類の熱可塑性樹脂から構成される多層構造を有し熱処理を(構成比率のもっとも高い熱可塑性樹脂のガラス転移温度Tg)(構成比率のもっとも高い熱可塑性樹脂のガラス転移点+100℃)の範囲で0.5〜60秒間行うことが肝要であり、更に、10〜40Jの衝撃強度を有するガラス保護フィルム を製造するには、熱処理を(構成比率のもっとも高い熱可塑性樹脂のガラス転移温度Tg+40℃)/(構成比率のもっとも高い熱可塑性樹脂のガラス転移点+80℃)の範囲で0.5〜10秒間行うことが肝要である。
そのような基材多層シートを実現するには、シート内部の粒子量を0.04wt%以下にするとともに、フィルム表面での反射を抑制するために低屈折率層を少なくとも片面に設けることにより達成することができる。
このようにして熱処理された後、均一に徐冷後、室温まで冷やして巻き取られる。また、必要に応じて、熱処理から徐冷の際に弛緩処理などを併用してもよい。
上記方法で得られた一軸延伸されたシートもしくは未延伸シートに、必要に応じてハードコート面とは反対面にコロナ処理やフレーム処理、プラズマ処理などの表面処理を施した後、水系のエマルジョンにした消泡剤、増粘剤、帯電防止剤、無機系粒子、有機系粒子、有機系潤滑剤、高分子化合物、紫外線吸収剤、光安定剤、染料、顔料あるいは安定剤などを用いることができ、これらは用途に応じて基材多層シート表面の特性を改良することができる。水系のコーティングを実施直後のウエット厚みは5〜15μmであるが、延伸中に蒸散する水がほとんどであり、表面に残る機能膜の厚みは、80nm〜500nmである。これら公知の技術を利用することによって、特に易滑性、易接着性、帯電防止性などの公知の機能をインラインコーティングにより付与することもできる。
本発明のハードコート多層シートにおいては、基材多層シートの少なくとも片面にハードコート層が積層されるが、このハードコート層は、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、メラミン系樹脂、有機シリケート化合物、シリコーン系樹脂または金属酸化物などで構成することができる。特に、硬度と耐久性などの点で、シリコーン系樹脂とアクリル系樹脂が好ましく、更に、硬化性、可撓性および生産性の点で、アクリル系樹脂、特に、活性線硬化型のアクリル系樹脂、または熱硬化型のアクリル系樹脂からなるものが好ましい。
活性線硬化型のアクリル系樹脂および熱硬化型のアクリル系樹脂とは、重合硬化成分として多官能アクリレート、アクリルオリゴマーあるいは反応性希釈剤を含むものであり、その他に必要に応じて光開始剤、光増感剤、熱重合開始剤あるいは改質剤等を含有しているものを用いてもよい。
アクリルオリゴマーとは、アクリル系樹脂骨格に反応性のアクリル基が結合されたものを始めとして、ポリエステルアクリレート、ウレタンアクリレート、エポキシアクリレートおよびポリエーテルアクリレートなどであり、また、メラミンやイソシアヌール酸などの剛直な骨格にアクリル基を結合したものなども用いられ得るが、本発明では特にウレタンアクリレートを用いると、基材フィルムとの接着性を著しく向上させることができる。
また、反応性希釈剤とは、塗布剤の媒体として塗布工程での溶剤の機能を担うと共に、それ自体が一官能性あるいは多官能性のアクリルオリゴマーと反応する基を有し、塗膜の共重合成分となるものである。
これらのアクリルオリゴマー、反応性希釈剤、光重合開始剤、光増感剤、熱重合開始剤、架橋装置などの具体例は、山下晋三、金子東助編、「架橋剤ハンドブック」、大成社1981年発行、第267頁から第275頁、第562頁から第593頁を参考とすることができるが、本発明ではこれらに限定されるものではない。
また、市販されている多官能アクリル系硬化塗料としては三菱レイヨン株式会社;(商品名“ダイヤビーム”シリーズなど)、長瀬産業株式会社;(商品名“デナコール”シリーズなど)、新中村株式会社;(商品名“NKエステル”シリーズなど)、大日本インキ化学工業株式会社;(商品名“UNIDIC”シリーズなど)、東亜合成化学工業株式会社;(商品名“アロニックス”シリーズなど)、日本油脂株式会社;(商品名“ブレンマー”シリーズなど)、日本化薬株式会社;(商品名“KAYARAD”シリーズなど)、共栄社化学株式会社;(商品名“ライトエステル”シリーズ、“ライトアクリレート”シリーズなど)などの製品を利用することができる。
また本発明では、ハードコート層の改質剤として、塗布性改良剤、消泡剤、増粘剤、帯電防止剤、無機系粒子、有機系粒子、有機系潤滑剤、有機高分子化合物、紫外線吸収剤、光安定剤、染料、顔料あるいは安定剤などを用いることができ、これらは活性線または熱による反応を損なわない範囲内でハードコート層を構成する塗布層の組成物成分として使用され、用途に応じてハードコート層の特性を改良することができる。なお、本明細書において、ハードコート層形成組成物成分の重量%表示は、原則として、硬化反応などが完了して完成したハードコート層における反応結果物に基づいて算出されるものとする。即ち、モノマーならば反応結果物中のポリマー中残基で計上する。よって、反応終了後に蒸散する溶媒等は塗布液としては含有されるとしても、ハードコート層形成組成物としては計上しない。
ハードコート層を構成するアクリル化合物の代表的なものを例示すると、1分子中に3(より好ましくは4、更に好ましくは5)個以上の(メタ)アクリロイルオキシ基を有する単量体(尚、余り多すぎる場合には、単量体は高粘度となり取り扱いし難くなり、又、高分子量とならざるを得なくなって塗布液として用いることが困難となるので、1分子中の(メタ)アクリロイルオキシ基は好ましくは10個以下である。)の少なくとも1種と、1分子中に1〜2個のエチレン性不飽和二重結合を有する単量体の少なくとも1種とからなる混合物を主たる構成成分とし、活性線硬化または熱硬化によって得られるハードコート層が、硬度、耐摩耗性および可撓性に優れている点で好ましく用いられる。
1分子中に3個以上の(メタ)アクリロイルオキシ基(但し、本明細書において「・・・(メタ)アクリ・・・」とは、「・・・アクリ・・・又は・・・メタアクリ・・・」を略して表示したものである。)を有する単量体としては、1分子中に3個以上のアルコール性水酸基を有する多価アルコールの該水酸基が、3個以上の(メタ)アクリル酸のエステル化物となっている化合物などを挙げることができる。
具体的な例としては、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレートヘキサメチレンジイソシアネートウレタンプレポリマー、ペンタエリスリトールトリアクリレートトルエンジイソシアネートウレタンプレポリマー、ペンタエリスリトールトリアクリレートイソホロンジイソシアネートウレタンプレポリマーなどを用いることができる。これらの単量体は、1種または2種以上を混合して使用することができる。
これらの1分子中に3個以上の(メタ)アクリロイルオキシ基を有する単量体の使用割合は、ハードコート層構成成分総量に対して20〜90重量%が好ましく、より好ましくは30〜80重量%、最も好ましくは30〜70重量%である。
上記単量体の使用割合が20重量%未満の場合には、十分な耐摩耗性を有する硬化被膜を得るという点で不十分な場合があり、また、その量が90重量%を超える場合は、硬化による収縮が大きく、硬化被膜に歪が残ったり、被膜の可撓性が低下したり、硬化被膜側に大きくカールするなどの不都合を招く場合がある。
次に、1分子中に1〜2個のエチレン性不飽和二重結合を有する単量体としては、ラジカル重合性のある通常の単量体ならば特に限定されずに使用することができる。
また、分子内に2個のエチレン性不飽和二重結合を有する化合物としては、下記(a)〜(f)の(メタ)アクリレート等を用いることができる。
すなわち、
(a)炭素数2〜12のアルキレングリコールの(メタ)アクリル酸ジエステル類:エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレートなど。
(b)ポリオキシアルキレングリコールの(メタ)アクリレート酸ジエステル類:ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレートなど。
(c)多価アルコールの(メタ)アクリル酸ジエステル類:ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレートなど。
(d)ビスフェノールAあるいはビスフェノールAの水素化物のエチレンオキシド及びプロピレンオキシド付加物の(メタ)アクリル酸ジエステル類:2,2’−ビス(4−アクリロキシエトキシフェニル)プロパン、2,2’−ビス(4−アクリロキシプロポキシフェニル)プロパンなど。
(e)ジイソシアネート化合物と2個以上のアルコール性水酸基含有化合物を予め反応させて得られる末端イソシアネート基含有化合物に、更にアルコール性水酸基含有(メタ)アクリレートを反応させて得られる分子内に2個以上の(メタ)アクリロイルオキシ基を有するウレタン(メタ)アクリレート類など。
および、
(f)分子内に2個以上のエポキシ基を有する化合物にアクリル酸又はメタクリル酸を反応させて得られる分子内に2個以上の(メタ)アクリロイルオキシ基を有するエポキシ(メタ)アクリレート類など。
を用いることができ、分子内に1個のエチレン性不飽和二重結合を有する化合物としては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−及びi−プロピル(メタ)アクリレート、n−、sec−、およびt−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、メトキシエチル(メタ)アクリレート、エトキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、N−ヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミド、N−ビニルピロリドン、N−ビニル−3−メチルピロリドン、N−ビニル−5−メチルピロリドンなどを用いることができる。これらの単量体は、1種または2種以上混合して使用してもよい。
これらの1分子中に1〜2個のエチレン性不飽和二重結合を有する単量体の使用割合は、ハードコート層構成成分総量に対して10〜50重量%が好ましく、より好ましくは20〜40重量%である。単量体の使用割合が50重量%を超える場合には、十分な耐摩耗性を有する硬化被膜が得られにくくなる場合がある。
また、その使用割合が10重量%未満の場合には、被膜の可撓性が低下したり、基材フィルム上に設けた積層膜との接着性が低下する場合がある。
本発明において、上記のハードコート組成物を硬化させる方法としては、例えば、活性線として紫外線を照射する方法や高温加熱法等を用いることができ、これらの方法を用いる場合には、前記ハードコート組成物に、光重合開始剤または熱重合開始剤等を加えることが望ましい。
光重合開始剤の具体的な例としては、アセトフェノン、2,2−ジエトキシアセトフェノン、p−ジメチルアセトフェノン、p−ジメチルアミノプロピオフェノン、ベンゾフェノン、2−クロロベンゾフェノン、4,4’−ジクロロベンゾフェノン、4,4’−ビスジエチルアミノベンゾフェノン、ミヒラーケトン、ベンジル、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、メチルベンゾイルフォメート、p−イソプロピル−α−ヒドロキシイソブチルフェノン、α−ヒドロキシイソブチルフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンなどのカルボニル化合物、テトラメチルチウラムモノスルフィド、テトラメチルチウラムジスルフィド、チオキサントン、2−クロロチオキサントン、2−メチルチオキサントンなどの硫黄化合物などを用いることができる。これらの光重合開始剤は単独で使用してもよいし、2種以上組み合せて用いてもよい。また、熱重合開始剤としては、ベンゾイルパーオキサイドまたはジ−t−ブチルパーオキサイドなどのパーオキサイド化合物などを用いることができる。
光重合開始剤または熱重合開始剤の使用量は、ハードコート層形成組成物100重量部に対して、0.01〜10重量部が適当である。電子線またはガンマ線を硬化手段とする場合には、必ずしも重合開始剤を添加する必要はない。
本発明で用いられるハードコート層形成組成物には、製造時の熱重合や貯蔵中の暗反応を防止するために、ハイドロキノン、ハイドロキノンモノメチルエーテルまたは2,5−t−ブチルハイドロキノンなどの熱重合防止剤を加えることが望ましい。熱重合防止剤の添加量は、ハードコート層形成組成物総重量に対し、0.005〜0.05重量%が好ましい。
本発明におけるハードコート層には、ポリイソシアネート化合物、および/またはその誘導体を含有していることが含まれることが好ましい。ハードコート層中のポリイソシアネート化合物は、ハードコート層と基材フィルムとをプライマー層なしで直接接着させる機能を補助するもので、例えばポリイソシアネート化合物としては、2,4−及び/又は2,6−トリレンジイソシアネート、4,4'−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、ポリメリックMDI、1,5−ナフチレンジイソシアネート、トリジンジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート(XDI)、水添XDI、水添MDI、リジンジイソシアネート、トリフェニルメタントリイソシアネート、トリス(イソシアネートフェニル)チオフォスフェート等の少なくとも2量体以上のものが挙げられる。これらポリイソシアネート化合物は、単独又は2種以上を混合して使用することができる
これらのポリイソシアネート化合物および/またはその誘導体は、前記したハードコート層形成組成物に混合されて基材多層シートに塗布される。上記ポリイソシアネート化合物および/またはその誘導体の配合量は、接着性、表面硬度および耐湿熱性の点で、ハードコート層を形成する組成物100重量部に対し、好ましくは0.5〜50重量部、より好ましくは1〜30重量部、更に好ましくは3〜20重量部である。配合量が0.5重量部未満の場合には、接着性向上効果が不足する場合があり、また配合量が50重量部を超えると表面硬度が低下する場合がある。
本発明で用いられるハードコート層を形成する活性線硬化性または熱硬化性の組成物を含有する塗剤には、塗工時の作業性の向上、塗工膜厚のコントロール、基材多層シートとの混在層形成を目的として、有機溶剤を配合しても良いが乾燥による製膜速度低下、溶剤蒸発による乾燥炉内の防爆性などの点でできるだけ少ない方が好ましい。用いる有機溶媒としては、使用する熱可塑性樹脂の溶解性パラメーターにできるだけ近似した溶解性パラメーター(溶解性パラメーター差が好ましくは±1.0以内、より好ましくは±0.8以内)を持つ溶媒が好ましい。
たとえば熱可塑性樹脂がポリエチレンテレフタレート(溶解性パラメーター 10.7)ならばN−メチル−2−ピロリドン(溶解性パラメーター 11.3)などが好ましい。
本発明で述べる溶解性パラメーターとは、Fedorsの方法により計算される値である(計算方法は、例えば、Properties of Polymers, chapter 7(D.W.Van Kreveren著、1976、Elsevier)等に示されている)。構造によっては、含有される化学種のパラメーターが求められていないためFedorsの方法で計算できないものもあるが、その場合は近似の化学種を用いることで代用した(例えば、−SO2−についてのパラメーターはないが、−S−と、−O−、−O−の値を用いて代用することとする)。
本発明は波長400〜660nmでのハードコート層側の反射率の平均うねり振幅が1%以下でなければならない。好ましくは0.8%以下、より好ましくは0.5%以下である。ここで、反射率とはハードコート層と基材とのわずかな界面により反射した入射光に対する割合を示し、表面反射率はハードコート層表面により反射した入射光に対する割合を示す。
ハードコート層側の反射率の平均うねり振幅が1%より大きくなると蛍光灯などの波長強度分布を有する光が反射したときに虹彩模様発生し、視認性が悪化する。さらにハードコート層と基材の接着性が低下するからである。
本発明で述べる波長400〜660nmでの反射率の平均うねり振幅とは、測定面(ハードコート層面側)の反対面を60℃光沢度(JIS Z 8741)が10以下になるように粗面化、黒色に着色し、測定面を分光光度計にて入射角10度における反射率を測定したときに観測される反射率において、波長400〜660nmでのうねり(波長の変化の伴って反射率が上下に波打つ変動を示すこと)の微積分学的意味での極大値(一次微分係数=0、二次微分係数<0)と極小値(一次微分係数=0、二次微分係数>0)の差の平均値を意味する。すなわち図3に示すように波長400〜660nmにおける反射率のうねりの山頂部分頂点(極大点)を結んだ線(山頂線)とうねりの谷底部分(極小点)を結んだ線(谷底線)の2つの反射率の折れ線グラフの差を、境界点(400、660nm)を含めて20nm間隔のサンプル点13箇所(波長が(400+20×i(i=0〜13の整数))nmとなる箇所)で求めた値の平均値のことである。
本発明のハードコート多層シートの表面反射率は6%以下であることが好ましい。さらに好ましくは5.5%以下である。表面反射率は低いほど好ましい。
表面反射率が6%より大きくなると、ディスプレイ、銘板、タッチパネルなどに用いたときに太陽光や蛍光灯などが写り込み、視認性が低下し、不快な印象を与えるからである。
本発明のハードコート多層シートのヘイズは基材多層シートでは上述の通り3%以下が好ましく、ハードコート多層シートとしては6%以下であることが好ましい。
更に好ましくはハードコート多層シートとして3%以下であり、最も好ましくはハードコート多層シートとして1%以下であり、基材多層シートのヘイズとハードコート多層シートのヘイズの比率は特に限定されない。
ヘイズが6%より大きくなると、ガラス、ディスプレイ、銘板、タッチパネルなどに用いたときに、透過画像が不鮮明になるからである。
本発明で述べるハードコート層中には、本発明の効果が損なわれない範囲で、さらに各種の添加剤を必要に応じて配合することができる。例えば、酸化防止剤、光安定剤、紫外線吸収剤などの安定剤、界面活性剤、レベリング剤および帯電防止剤などを用いることができる。
ハードコート層を形成するための組成物を含有する塗剤(塗液)の塗布手段としては、各種の塗布方法、例えば、リバースコート法、グラビアコート法、ロッドコート法、バーコート法、ダイコート法またはスプレーコート法などを用いることができる。
本発明で用いられる活性線としては、紫外線、電子線および放射線(α線、β線、γ線など)などアクリル系のビニル基を重合させる電磁波が挙げられ、実用的には、紫外線が簡便であり好ましい。紫外線源としては、紫外線蛍光灯、低圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、キセノン灯または炭素アーク灯などを用いることができる。また、活性線を照射するときに、低酸素濃度下で照射を行なうと、効率よく硬化させることができる。また更に、電子線方式は、装置が高価で不活性気体下での操作が必要ではあるが、塗布層中に光重合開始剤や光増感剤などを含有させなくてもよい点で有利である。
本発明で用いられる熱硬化に必要な熱としては、スチームヒーター、電気ヒーター、赤外線ヒーターあるいは遠赤外線ヒーターなどを用いて温度を少なくとも140℃以上に加温された空気、不活性ガスを、スリットノズルを用いて基材、塗膜に吹きあてることにより与えられる熱が挙げられ、中でも200℃以上に加温された空気による熱が好ましく、更に好ましくは200℃以上に加温された窒素による熱であることが、硬化速度が早く好ましい。
ハードコート層の厚さは、用途に応じて決定すればよいが、通常0.1〜30μmが好ましく、より好ましくは1〜15μmである。ハードコート層の厚さが0.1μm未満の場合には十分硬化していても薄すぎるために表面硬度が十分でなく傷が付きやすくなる傾向にあり、一方、厚さが30μmを超える場合には、折り曲げなどの応力により硬化膜にクラックが入りやすくなる傾向にある。
また、本発明の効果が損なわれない範囲において、ハードコート層の最外層に図柄などの印刷層を設けてもよい。
また、得られたハードコート多層シートを、各種の方法で各種機能フィルムなどと貼り合わせて用いることもできる。
例えば、本発明のハードコート多層シートを、ハードコート層を設けたのとは反対面に各種粘着剤を用いて相手材と貼り合わせ、該相手材に耐摩耗性や耐擦傷性などのハードコート層の機能を付与して用いることもできる。このとき用いられる粘着剤としては、2つの物体をその粘着作用により接着させる接着剤であれば特に限定されず、ゴム系、アクリル系、シリコーン系あるいはポリビニルエーテル系などからなる接着剤を用いることができる。
更に、粘着剤は、溶剤型粘着剤と無溶剤型粘着剤の2つに大別される。乾燥性、生産性、加工性において優れた溶剤型粘着剤は依然として主流であるが、近年、公害、省エネルギ−、省資源、安全性などの点で無溶剤型粘着剤に移り変わりつつある。中でも、活性線を照射することで秒単位で硬化し、可撓性、接着性、耐薬品性などに優れた特性を有する粘着剤である活性線硬化型粘着剤を使用することが好ましい
活性線硬化型アクリル系粘着剤の具体例は、日本接着学会編集、「接着剤データブック」、日刊工業新聞社1990年発行、第83頁から第88頁を参考とすることができるが、これらに限定されるものではない。市販品として多官能アクリル系紫外線硬化塗料として、日立化成ポリマー株式会社;(商品名“XY”シリーズなど)、東邦化成工業株式会社;(商品名“ハイロック”シリーズなど)、株式会社スリーボンド;(商品名“スリーボンド”シリーズなど)、東亜合成化学工業株式会社;(商品名“アロンタイト”シリーズなど)、セメダイン株式会社;(商品名“セメロックスーパー”シリーズなど)などの製品を利用することができるがこれらに限定されるものではない。
この種の粘着剤は、通常の二軸延伸ポリエステルフィルムに塗布した場合には、接着性が不十分となり、各種のプライマー処理、例えば、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂などからなる積層膜を設けることにより、ポリエステルフィルムと粘着剤層との接着性を向上させることができる。
なお、本発明では、片面にハードコート層を形成し、その反対面にこれらの粘着剤層との接着性を向上させるプライマー層を形成することができるが、このプライマー層は、ハードコート層を形成する活性線硬化性または熱硬化性組成物を含む塗液を塗布するときに同時にその裏面に塗布し、乾燥、場合によっては延伸を行ない設けても良いことは言うまでもない。
本発明のハードコート多層シートを得る方法としては、1軸延伸されており、かつ結晶配向は未完了である熱可塑性フィルムの少なくとも片面に、ハードコート組成物を含む塗剤を塗布し、その後、予熱工程を経て1軸延伸方向に対し直角方向に延伸され熱固定、更に必要に応じて活性線照射処理される製造方法がよい。
本発明者らはこのように製造することおよび基材熱可塑成樹脂と溶解度パラメーターが近似する組成物、より詳しくは基材熱可塑性樹脂とハードコート組成物を含む塗剤の組成物の溶解度パラメーターの差が±1.0以内、より好ましくは±0.8以内である組成物を塗布することにより、結晶配向完了前の基材多層シート表面にハードコート組成物が浸透する事で、ハードコート層と基材フィルムとの界面を不明確化し、得られるハードコート多層シートの反射率における平均うねり振幅を低減することができると推定している。また更に本製造方法はフィルムを製造すると同時にハードコート層を設けられることによって界面接着性、塵埃の付着防止、コスト面でのメリットが大きくなる。
本発明のハードコート多層シートの基材を構成する熱可塑性樹脂のガラス転移温度は、それぞれ50℃以上であることが好ましい。熱可塑性樹脂のガラス転移温度が50℃より低い場合には、ディスプレイ用途 として使用した際に、太陽光やディスプレイから発せられる熱により、寸法変化や変色、あるいは白化を引き起こす可能性が生じてくる。
該ガラス転移温度の上限は、特に限定されないが、結晶性の熱可塑性樹脂の場合は25
0℃以下であることが好ましく、220℃以下であることがより好ましい。250℃を越えると、製膜性が困難となる場合があるので注意する必要がある。
本発明では、ポリエチレンテレフタレートを主たる成分とする層と、エチレンテレフタレートおよび1,4-シクロヘキサンジメタノールを主たる構成成分とする共重合ポリエステルを主たる成分とする層とが、厚み方向に交互に積層されていることがより好ましい。このような構成の場合に、本発明の目的とする耐衝撃性、高透明性を効率よく同時に達成できる。
本発明のハードコート多層シートは、衝撃強度が8〜40Jの範囲であることを要する。より好ましくは10〜40Jの範囲である。上記衝撃強度は振り子型衝撃試験機を用いて測定した衝撃吸収エネルギーを指す。上記範囲未満では、ガラス保護シートとしての強度が不足し、ガラスの破損および破損後のガラス片の飛散を効果的に防止できない。また、上記範囲よりも大きい場合では取り扱い性の観点から好ましくない。
本発明のハードコート多層シート は、長手方向および幅方向のうち少なくとも一方の破断伸度が100〜300%の範囲であることが好ましい。より好ましくは130〜250%の範囲である。また、そのときの破断応力は120〜400MPaの範囲内を示すものであることが好ましく、中でも150〜250MPaの範囲がより好ましい。破断伸度および破断応力が上記範囲未満では、ガラス保護シート としての防爆性能が不足し、ガラスの破損および破損後のガラス片の飛散を効果的に防止できない。また、上記範囲以上では取り扱い性の観点から好ましくない。
本発明のハードコート多層シートは、その使用の一態様として、フラットパネルディスプレイ用ガラスの前面に貼り付けて好適に用いることが出来る。その理由として本発明のハードコート多層シートは、シート表面の表面硬度が高く、また、耐摩耗性も満足しているため、他の固い物質との接触、摩擦あるいは引っ掻きなどによって表面に損傷を受けにくく、表面に発生した損傷は商品価値を著しく低下させたり、短期間で使用不可になったりすることが少ない。更に、寸法安定性、耐熱性、透明性、および電気絶縁性などは維持し、さらなる機械特性の向上を満たしているためである。フラットパネルディスプレイとは、たとえば平面CRTディスプレイ、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ、有機ELディスプレイ、フィールドエミッションディスプレイ等であり、反射防止シートとしての機能を付与し好適に用いられる。反射防止シートとしての機能を付与する方法は、公知の技術を用いることが出来、通常、ハードコート多層シートのハードコート層の上面に高屈折の層を設け、更にその上面に低屈折層を設ける事によって達成することができる。
ガラスについては、優れた光線透過性、ガスバリア性、寸法安定性等から、さまざまな用途に使用されている。ガラスは、建築物や自動車、フラットパネルディスプレイ、ではより高性能なガラスが提供されている。
しかしながら、ガラスの欠点として、破損しやすい、または破損によってガラスが飛散する、ことが挙げられる。この問題は、フラットパネルディスプレイの分野において顕著であった。フラットディスプレイは、薄肉化および軽量化の要求から、表示用ガラス自体についても薄肉化する傾向にあり、それに伴い使用時において破損しやすいといった問題があった。このようなガラスの破損やさらに破損によって起こるガラスの飛散に関する問題に対し、本発明のハードコート多層シートは、シート表面の表面硬度が高く、また、耐摩耗性も満足しているため、他の固い物質との接触、摩擦あるいは引っ掻きなどによってガラス表面に損傷を受けにくく、破損し飛散する問題を低減できる。更に、寸法安定性、耐熱性、透明性、および電気絶縁性などは維持し、さらなる機械特性の向上を満たしているため、使用態様として、建材用や車両用等の窓ガラスの少なくとも片面に貼り付けて好適に用いられる。また、これら用途以外でも本発明のガラス保護フィルム の特徴を活かすことができるガラス保護用途があれば、その用途にも使用することができる。その応用範囲がこれらに限られるものではない。
[特性の測定方法および効果の評価方法]
本発明における特性の測定方法および効果の評価方法は次のとおりである。
(1)常態下接着性
常態下(23℃、相対湿度65%)で、ハードコートフィルムのハードコート層上に1mm2 のクロスカットを100個入れ、ニチバン株式会社製セロハンテープをその上に貼り付け、ゴムローラーを用いて、荷重19.6Nで3往復させ、押し付けた後、90度方向に剥離し、ハードコート層層の残存した個数により4段階評価(◎:100、○:80〜99、△:50〜79、×:0〜49)した。(◎)と(○)を接着性良好とした。
(2)湿熱下接着性
ハードコートフィルムを、湿熱下(80℃、相対湿度85%)で48時間放置した。処理後、直ちに取り出し、常態下(23℃、相対湿度65%)で5分間放置後、上記(1)常態下接着性と同様の評価を行なった。
(3)耐摩耗性
スチールウール#0000でハードコート層表面を荷重を変更し、それぞれの荷重において一定荷重下で10往復(速度10cm/s)摩擦し、耐傷性(傷が付かなかった)があった最大荷重を測定した。2kg/cm2が実用上問題ないレベルであり、合格とした。
(4)鉛筆硬度
HEIDON(新東科学株式会社製)を用いてJIS K−5400に従って 測定した。2H以上を合格とした。
(5)表面反射率および平均うねり振幅測定
日立製作所製,60mmφ積分球を装備したU−3410型分光光度計を用いて入射角10度における反射率を測定した。
測定サンプルは裏面反射の影響をなくすために、測定面(ハードコート層面側)の裏面を240番のサンドペーパーで粗面化した後、黒色マジックインキにて着色した。裏面反射の影響有無の判定は、処理後の裏面の光沢度(入射角60゜、受光角60゜)が10以下であれば、裏面反射の影響はないと判断した。光沢度はデジタル変角光沢度計UGV−5B(スガ試験機株式会社製)を用いてJIS Z 8741に従って測定した。
波長400〜660nmにおける反射率を測定し、そのうねりの山頂部分結んだ線(山頂線)とうねりの谷底部分を結んだ線(谷底線)について、20nm間隔のサンプル点において各波長(11箇所、波長が(400+20×i(i=0〜13の整数))nmとなる箇所)における差(山頂線−谷底線)を求め、その平均を平均うねり振幅とした。
また、波長550nmにおける山頂線と谷底線の平均値を表面反射率とした。
表面反射率は6%以下を合格とした。
平均うねり振幅が1%以下を合格とした。
(6)全光線透過率およびヘイズ
直読式ヘイズメーター HGM−2DP(C光源用)(スガ試験機器製作所)を用いて測定した。ヘイズ(%)は拡散透過率を全光線透過率で除し、100を乗じて算出した。なお、n数は5回とし、その平均値を採用した。ヘイズは6%以下を合格とした。
(7)虹彩模様の有無
裏面反射の影響をなくすために、表面反射率および平均うねり振幅測定時と同様に測定面(ハードコート層面側)の裏面を240番のサンドペーパーで粗面化した後、黒色マジックインキにて着色して調整したサンプルを、暗室にて、3波長蛍光灯(ナショナル パルック 3波長形昼白色(F.L 15EX-N 15W))の直下30cmに置き、視点を変えながらサンプルを目視したときに、虹彩模様が視認できるか否かで評価した。
虹彩模様がはっきり見える:有
虹彩模様が見えない:無
無を合格とした。
(8)視認性
ハードコートフィルムの下に写真を置き、ハードコートフィルムを通して写真を見たときの像がはっきり見えるかどうかを調べた。
像が鮮明に見える:◎
像が少しぼやける:○
像がぼやけ、見えにくい:△
像が見えない:×
(9)引裂強度
重荷重引裂試験機(東洋精機製)を用いて、JIS K 7128−2(エレメンドルフ引裂法)に基づいて引裂強さ(gf)を測定した。この計測値に9.8を乗じて、測定したフィルムの厚みで除して引裂強度mN/μmとした。
なお、この引裂強度は縦方向および横方向のそれぞれ20サンプルの試験結果を平均化したものとした。なお、実質的に引き裂けなかった場合はオーバーレンジとして、3200gfとして計算した。なお測定値は機械長手方向の測定値(MD)/幅方向の測定値(TD)の形態で測定値を表示した。
(10)引張弾性率(ヤング率)
各層を構成する熱可塑性樹脂のヤング率は、ASTM試験方法D882−88に従って行う。サンプルフィルムは25℃の温度に制御したキャスティングドラム上で急冷固化し、静電印加装置を用いて、ドラムとフィルムの密着性を向上させる事により得られた未延伸フィルムを用いた。測定はインストロンタイプの引張試験機(オリエンテック(株)製フィルム強伸度自動測定装置“テンシロンAMF/RTA−100”)を用いて測定したものであり、幅10mmの試料フィルムを、試長間100mm、引張り速度200mm/minの条件で引張り、ヤング率を求めた。
(11)固有粘度
オルトクロロフェノールを溶媒として用い25℃で測定した。なお、n数は3回とし、その平均値を採用した。
(12)層構成および層厚み
フィルムの層構成は、フィルムをミクロトームを用いて断面を切り出したサンプルについて、電子顕微鏡観察により求めた。すなわち、透過型電子顕微鏡HU−12型((株)日立製作所製)を用い、フィルムの断面を3000〜200000倍に拡大観察し、断面写真を撮影、層構成および各層厚みを測定した。
(13)結晶性
各層の厚み方向の結晶性を評価するためにレーザーラマン分光法で、カルボニル伸縮振動に由来するピークである1730cm-1付近のラマンバンドの半値幅を求めた。半値幅は各層表層から厚み方向に3点測定した値の平均値とした。
〈測定装置〉
Jobin Yvon社製Ramanor T−64000
マイクロプローブ:100倍対物レンズ
光源:Ar+レーザー(レーザー照射部は直径1μm)
回折格子:1800gr/mm
励起波長:514.5nm
検出器:CCD(Jobin Yvon社製)
〈測定条件〉
レーザーパワー:30mW
〈測定試料〉
サンプルはエポキシ包埋後、ミクロトームで断面を出した。
(14)融点及びガラス転移点
ガラス転移温度示差走査熱量計として、セイコー電子工業(株)製DSC RDC220、
データ解析装置として同社製ディスクステーションSSC/5200を用いて測定した。測定条件としては、アルミパンにサンプル約5mgを封入し、300℃で5分間保持、液体窒素で急冷した後、昇温速度20℃/分で測定した。
(15)層構成成分の同定
各層の成分を分析する方法として、上記(14)と共にSPECTRA-TECH社製 顕微赤外分光分析装置:IRμsを用い、光源には炭化ケイ素棒発熱体(グローバ)検出波数範囲は4000〜650cm-1で積算回数を500〜1000回行い、透過法を用いて各層の赤外スペクトルを得た。
次に、実施例に基づいて本発明を説明するが、本発明は必ずしもこれらに限定されるものではない。
<塗剤A>
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(DPHA:日本化薬株式会社製)85重量部、ポリエステルアクリレート(M−7100:東亞合成株式会社製)5重量部、ポリイソシアネート(スミジュールN3300:住化バイエルウレタン株式会社製)10重量部の混合塗布組成物を作成した。
<塗剤B>
塗剤Aにおいて、ポリイソシアネートを添加しなかったこと以外は、塗剤Aと同様にして作成し、塗剤Bとした。
<塗剤C>
塗剤Aをトルエンとメチルエチルケトンを重量比で50対50となるように調整した混合溶媒で濃度60wt%となるように調整し塗剤Cとした。
<塗剤D>
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(DPHA:日本化薬株式会社製)85重量部、ポリエステルアクリレート(M−7100:東亞合成株式会社製)5重量部、ポリイソシアネート(スミジュールI:住化バイエルウレタン株式会社製)10重量部の混合塗布組成物を作成した。
<塗剤E>
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(DPHA:日本化薬株式会社製)80重量部、ポリエステルアクリレート(M−7100:東亞合成株式会社製)5重量部、ポリイソシアネート(スミジュールI:住化バイエルウレタン株式会社製)10重量部、サーロホービック100(富士シリシア化学株式会社製)5重量部の混合塗布組成物を作成した。
<塗剤F>
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(DPHA:日本化薬株式会社製)70重量部、ポリエステルアクリレート(M−7100:東亞合成株式会社製)5重量部、N−メチル−2−ピロリドン24重量部、イルガキュア2959(チバスペシャリティーケミカルズ株式会社製)1重量部の混合塗布組成物を作成した。
(実施例1)
ハードコート多層シートとの基材として、ポリエステルAとして固有粘度0.65のポリエチレンテレフタレート(PET)98wt%とエチレングリコールに対し1,4−シクロヘキサンジメタノールが30mol%共重合された固有粘度0.75の共重合ポリエチレンテレフタレート(30mol%CHDM共重合PET)2wt%を用いた。
また、ポリエステルBとしてエチレングリコールに対し1,4−シクロヘキサンジメタノールが30mol%共重合された固有粘度0.75の共重合ポリエチレンテレフタレートを用いた。ここで、本発明の共重合成分Xとしては、1,4−シクロヘキサンジメタノールであり、ポリエステルA中のXの成分量としては0.54mol%である。これらポリエステルAおよびBは、それぞれ乾燥した後、押出機に供給した。なお、ポリエステルAの引張弾性率は、1800MPaであり、ポリエステルBの引張弾性率は1720MPaであった。
ポリエステルAおよびBは、それぞれ、押出機にて280℃の溶融状態とし、ギヤポンプおよびフィルタを介した後、フィードブロックにて合流させた。合流した熱可塑性樹脂AおよびBは、スタティックミキサーに供給し、ポリエステルAが16層、ポリエステルBが15層からなる厚み方向に交互に積層された構造とし、両表層部分がポリエステルAとなった。ここで、積層厚み比がA/B=10になるよう、吐出量にて調整した。
このようにして得られた計31層からなる積層体をTダイに供給しシート状に成形した後、静電印加しながら、表面温度25℃に保たれたキャスティングドラム上で急冷固化した。
得られたキャストシートは、90℃に設定したロール群で加熱し、縦方向に2.8倍延伸後、この一軸延伸シートの片面に上記配合の塗材を均一に塗布しハードコート層を作りこの一軸延伸ハードコート多層シートをテンターに導き、125℃の熱風で予熱後、横方向に3.5倍に延伸した。延伸したフィルムは、更に連続的に5%の幅方向の弛緩処理をさせながら230℃の熱処理ゾーンで24秒間の熱処理を施し塗膜硬化、熱固定させた後、室温まで徐冷後、巻き取った。このようにして得られたハードコート多層シートは、総厚みが125μm、ハードコート層厚みが5μmの透明性に優れたものであった。その結果を表1に示す。
(実施例2)
実施例1において、塗剤Aの代わりに、ポリイソシアネートを含まない塗剤Bを用いたこと以外は、実施例1と同様にしてハードコート多層シートを作成した。
結果を表1に示す。その結果を、表1に示す
(比較例1)
A4サイズにカットした厚み150μmの二軸配向PETフィルム(“ルミラー”(登録商標)T60(東レ株式会社製))の表面に、水性ポリウレタン樹脂を乾燥後の厚みが1μmとなるように塗布し、150℃で1分乾燥してプライマー層を設けた。該プライマー層上に、塗剤Cを最終積層厚みが25.0μmとなるように塗布した後、120℃で1分間熱処理し、引き続きフィルムを金属枠で固定し、230℃で1分間の熱処理を行い、塗膜を硬化させ、ハードコートフィルムを作成した。表1に示すとおり、表面うねり振幅2.4%、表面反射率5.2%、ヘイズ0.8%であり、常態接着性は良好であったが、湿熱下接着性が不十分であった。また、視認性も不良であった。
(比較例2)
平均粒径0.4μmのコロイダルシリカを0.015重量%と平均粒径1.5μmのコロイダルシリカを0.005重量%含有するポリエチレンテレフタレート(以下PET)(極限粘度0.62dl/g)チップを、180℃で十分に真空乾燥した後、押し出し機に供給し、285℃で溶融後、T字型口金からシート状に押し出し、静電印加キャスト法を用いて表面温度20℃の鏡面キャストドラムに巻き付けて冷却固化し未延伸シートとした。このようにして得られた未延伸シートを、95℃に加熱したロール群で長手方向に3.5倍延伸し、1軸延伸フィルムを得た。この1軸延伸フィルムの片面に、上述の塗剤Fをダイコート方式で35μm厚に塗布した。塗剤Aが塗布されたフィルムの両端をクリップで把持しつつ90℃の予熱ゾーンに導き、引き続き100℃の加熱ゾーンで幅方向に3.3倍延伸した。更に連続的に3%の幅方向の弛緩処理をさせながら210℃の熱処理ゾーンで10秒間の熱処理を施し、塗布面より9cmの高さにセットした120W/cmの照射強度を有する高圧水銀灯で、紫外線を窒素雰囲気下で5秒間照射し、塗膜を硬化させた。このようにして得られたハードコートフィルムは、総厚みが125μm、ハードコート層厚みが5μmの透明性に優れたものであった。その結果を表1に示す。表1に示すとおり、実施例と比較して、1/5以下の引裂強度しか得られなかった。
(比較例3)
A4サイズにカットした厚み150μmの二軸配向PETフィルム(“ルミラー”(登録商標)T60(東レ株式会社製))。ハードコート層を設けなかった。表1に示すとおり、表面うねり振幅0%、表面反射率7.2%、ヘイズ0.8%であったが、耐摩耗性、鉛筆硬度が悪かった。
(比較例4)
基材を実施例1と同様の方法で厚み150μmの多層シートを作成し、ハードコート層を設けなかった。その結果を表1に示す。
(実施例3)
実施例1において、塗剤Aの代わりに、ポリイソシアネートを変更した塗剤Dを用いたこと以外は、実施例1と同様にしてハードコート多層シートを作成した。その結果を表1に示す。
(実施例4)
実施例1において、塗剤Aの代わりに、塗剤Eを用いたこと以外は、実施例1と同様にしてハードコート多層シートを作成した。その結果を表1に示す。その結果を表1に示す。
Figure 0004432544
このようにして得られた本発明のハードコート多層シートは、製膜工程内で一気にハードコート層を設けることができるので生産性が良く、表面硬度が高く、耐摩耗性に優れ、ハードコート層と基材フィルムとの密着性が優れており、かつ虹彩模様発生が抑制され視認性に優れているので、広範な用途で使用できる。特に、タッチパネル用基材、銘板用基材などとして好適に使用できるが、その応用範囲がこれらに限定されるものではない。
本発明のハードコート多層シートの概略図 本発明のハードコート多層シートの概略図(ハードコート多層シートと水系コーティングの組合せの図) 反射率のうねり振幅を示した波長/反射率グラフ
符号の説明
1 ハードコート層(b層)
2 基材多層シート(a層)を構成するポリエステルB(B層)
3 基材多層シート(a層)を構成するポリエステルA(A層)
4 基材多層シート(a層)を構成するポリエステルC(C層)
5 易滑・易接着層(水系塗材)
6 山頂線
7 谷底線
8 ハードコート層側の反射率曲線
9 うねり振幅

Claims (9)

  1. 積層構造を有する基材多層シート(a)とハードコート層(b)からなるハードコート多層シートであって、
    基材多層シート(a)がポリエステル(A)を主成分とする層(A層)とポリエステル(B)を主成分とする層(B層)の少なくとも2層を有し、かつ、波長400〜660nmの光線を照射した際のハードコート層(b)の反射率の平均うねり振幅が1%以下であり、
    ポリエステル(A)が、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ビスフェノールAエチレンオキサイド付加物、ダイマー酸、ポリアルキレンジカルボン酸からなる群から選ばれる少なくとも1成分(成分X)を含む、少なくとも3種類のジオール誘導体およびジカルボン酸誘導体から構成され、かつ、前記成分XをポリエステルA中に0.1〜10mol%含有し、
    ポリエステル(B)が、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ビスフェノールAエチレンオキサイド付加物、ダイマー酸、ポリアルキレンジカルボン酸からなる群から選ばれる少なくとも1成分(成分X)を含む、少なくとも3種類のジオール誘導体およびジカルボン酸誘導体から構成され、かつ、前記成分XをポリエステルB中に10〜60mol%含有することを特徴とするハードコート多層シート。
  2. A層を構成するポリエステル(A)が結晶性ポリマーであり、かつ、B層を構成するポリエステル(B)が非結晶性ポリマーであることを特徴とする請求項1に記載のハードコート多層シート。
  3. 該ハードコート層の表面反射率が6%以下であり、かつ、該ハードコート多層シートのヘイズが6%以下であることを特徴とする請求項1または2に記載のハードコート多層シート。
  4. 該ハードコート層がアクリレート硬化物を主成分としていることを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載のハードコート多層シート。
  5. 該基材多層シートが31〜128層からなり、かつ、該基材多層シートの少なくとも1層が1,4-シクロヘキサンジメタノールを構成成分とするポリエステルを含有してなることを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載のハードコート多層シート。
  6. 請求項1〜のいずれかに記載のハードコート多層シートを用いてなるガラス保護シート。
  7. 請求項1〜のいずれかに記載のハードコート多層シートを用いてなる反射防止シート。
  8. 請求項に記載のガラス保護シートを用いてなる建材窓ガラス。
  9. 請求項に記載のハードコート多層シートを用いた反射防止シートを用いてなるフラットパネルディスプレイ。
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