JPH11115135A - 積層フィルムおよび農業用シート - Google Patents

積層フィルムおよび農業用シート

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JPH11115135A
JPH11115135A JP9296444A JP29644497A JPH11115135A JP H11115135 A JPH11115135 A JP H11115135A JP 9296444 A JP9296444 A JP 9296444A JP 29644497 A JP29644497 A JP 29644497A JP H11115135 A JPH11115135 A JP H11115135A
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Japan
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laminated film
film
polyester
layer
laminated
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JP9296444A
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Shunichi Osada
俊一 長田
Kenji Tsunashima
研二 綱島
Katsutoshi Miyagawa
克俊 宮川
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Toray Industries Inc
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Toray Industries Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐候性、耐引裂性、施工性、透明性に優れ
た、農業用シートや建築用表面被覆フィルム、ガラス飛
散防止フィルムに用いて好適な積層フィルムを提供す
る。 【解決手段】 厚み方向に3層以上積層されており、少
なくとも、ポリエステルを主成分とする層と、2,2−
ビス(4’−β−ヒドロキシアルコキシフェニル)プロ
パンを共重合したポリエステルを主成分とする層とを含
む積層フィルムであって、該積層フィルムの耐候性試験
60時間後の伸度Laと耐候性試験前の伸度Lbとの比
(La/Lb)が0.7以上であることを特徴とする積
層フィルム。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、積層フィルムに関
し、更に詳しくは、耐候性、耐引裂性、透明性、施工性
に優れた積層フィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、ポリエステルフィルムに耐候
性を付与する手段として、ポリエステルフィルムに紫外
線吸収剤を練り込んだものや、アクリル樹脂中に紫外線
吸収剤を混合し、ポリエステル表面に塗布乾燥して積層
したもの(例えば特公平4−2101号公報)、ポリエ
チレンテレフタレートフィルムの屈折率や密度を特定範
囲としたもの(例えば特公昭53−40627号公報)
などが知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上述した従来
の技術には次のような問題がある。すなわち、紫外線吸
収剤を練り込んだ場合には、ポリエステルフィルムその
ものの耐候性寿命、いわゆる伸度劣化には効果がある
が、フィルム表面の耐候性が不十分なため表層部分の劣
化が促進され、表面に亀裂などが発生してヘイズがアッ
プし、透明性が低下するという問題がある。
【0004】また、紫外線吸収剤を混合塗布したものに
は、紫外線吸収剤の分散性によって耐候性にばらつきが
生じたり、たとえ均一分散しても紫外線カット効率が不
十分なため十分な耐候性を付与できないという問題があ
る。
【0005】また、ポリエチレンテレフタレートフィル
ムの屈折率や密度を特定範囲としてそのフィルムの耐候
性を向上させる方法には、若干の効果は認められるもの
の、所詮、長期の耐候寿命という点においては不十分で
あり、大幅な改善効果を得ることは難しい。
【0006】耐候性フィルムは、主な用途として、農業
用ハウスや建築用表面被覆フィルム等に使用されるが、
このような用途において、従来のポリエステルフィルム
では施工性や耐引裂性が問題となっていた。具体的に
は、従来のポリエステルフィルムは剛性で腰があり強度
のある反面、伸びが少ないため、ポリエステルフィルム
を例えば農業用ハウス等に使用し施工する際、しわが生
じたり弛んだりするなどした。このため、風などにより
ばたついたりするため、外観的にも良いものではなかっ
た。また、ポリエステルフィルムを固定するボルトから
引裂が伝播し、フィルムが破れ、ハウス内の栽培物に被
害を与えてしまうこともあった。
【0007】本発明の課題は、上記欠点を改良し、耐候
性に極めて優れ、かつ、耐引裂性、透明性、施工性に優
れた積層フィルムを提供することにあり、とくに農業用
ハウスに用いられる農業用シートに用いて好適な積層フ
ィルムを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明の積層フィルムは、厚み方向に3層以上積層
されており、少なくとも、ポリエステルを主成分とする
層と、2,2−ビス(4’−β−ヒドロキシアルコキシ
フェニル)プロパンを共重合したポリエステルを主成分
とする層とを含む積層フィルムであって、該積層フィル
ムの紫外線照射60時間後の伸度Laと紫外線照射前の
伸度Lbとの比(La/Lb)が0.7以上であること
を特徴とするものからなる。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明で言うポリエステルとは、ジカルボン酸とジオー
ルとから縮重合により得られるポリマーであり、ジカル
ボン酸とは、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、
ナフタレンジカルボン酸、アジピン酸、セバシン酸など
で代表されるものであり、また、ジオールとは、エチレ
ングリコール、トリメチレングリコール、テトラメチレ
ングリコール、シクロヘキサンジメタノール、ポリアル
キレングリコール、2,2−ビス(4’−β−ヒドロキ
シアルコキシフェニル)プロパンなどで代表されるもの
である。具体的には例えば、ポリメチレンテレフタレー
ト、ポリエチレンテレフタレート、ポリテトラメチレン
テレフタレート、ポリエチレン−p−オキシベンゾエー
ト、ポリ−1,4−シクロヘキシレンジメチレンテレフ
タレート、ポリエチレン−2,6−ナフタレートなどを
用いることができる。
【0010】これらのポリエステルとしては、ホモポリ
マーであってもコポリマーであってもよく、共重合成分
としては、例えば、ジエチレングリコール、ネオペンチ
ルグリコール、ポリアルキレングリコール、2,2−ビ
ス(4’−β−ヒドロキシアルコキシフェニル)プロパ
ンなどのジオール成分、ダイマー酸、アジピン酸、セバ
シン酸、フタル酸、イソフタル酸、2、6−ナフタレン
ジカルボン酸などのジカルボン酸成分を使用できる。
【0011】また、本発明の効果を阻害しない範囲であ
れば結晶核剤、無機粒子、難燃材、熱安定剤、酸化防止
剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤等がブレンドされていて
もかまわない。本発明でいうポリエステルを主成分とす
る層とは、上記ポリエステルを少なくとも80重量%以
上含んでなる層のことである。
【0012】本発明における2,2−ビス(4’−β−
ヒドロキシアルコキシフェニル)プロパンを共重合した
ポリエステルとしては、2,2−ビス(4’−β−ヒド
ロキシアルコキシフェニル)プロパンの共重合割合が1
モル%以上80モル%以下のポリエステルであることが
好ましい。より好ましくは、5モル%以上70モル%以
下であり、さらに好ましくは、20モル%以上50モル
%以下である。共重合割合が、1モル%以下の場合、耐
候性、施工性、透明性、耐引裂性いずれの効果も十分で
ない。また、共重合割合が80モル%以上の場合、熱収
縮率が高すぎるために施工性が悪くなる。
【0013】2,2−ビス(4’−β−ヒドロキシアル
コキシフェニル)プロパンの例としては、2,2−ビス
(4’−β−ヒドロキシメトキシフェニル)プロパン、
2,2−ビス(4’−β−ヒドロキシエトキシフェニ
ル)プロパン、2,2−ビス(4’−β−ヒドロキシプ
ロパキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4’−β
−ヒドロキシブタノキシフェニル)プロパン等が挙げら
れる。特に、2,2−ビス(4’−β−ヒドロキシエト
キシフェニル)プロパンが好ましい。2,2−ビス
(4’−β−ヒドロキシエトキシフェニル)プロパンを
共重合したポリエステルは、ビスフェノールAのエチレ
ンオキサイド付加物をジオール成分として、ジカルボン
酸成分と反応させることにより安価に製造できる。2,
2−ビス(4’−β−ヒドロキシアルコキシフェニル)
プロパンを共重合したポリエステルを主成分とする層と
は、2,2−ビス(4’−β−ヒドロキシアルコキシフ
ェニル)プロパンを共重合したポリエステルを80重量
%以上含んでなる層のことであり、本発明の効果を阻害
しない範囲であれば結晶核剤、無機粒子、難燃材、熱安
定剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤等がブレ
ンドされていてもかまわない。
【0014】本発明の積層フィルムは、厚み方向に3層
以上積層されたものである。好ましくは、5層以上64
層以下である。より好ましくは、5層以上32層以下で
ある。積層数が3層より少ない場合、界面による破壊の
伝播を抑える効果が十分でないため、紫外線によって生
じた表面劣化が伝播しやすく耐候性が十分でない。ま
た、積層フィルムの耐候性および耐引裂性は、積層数に
対して極大値を示し、その極大値はフィルム厚みによっ
て異なる。したがって、積層数に上記のような好ましい
上限も生じる。ポリエステルを主成分とする層の層厚み
は、2,2−ビス(4’−β−ヒドロキシアルコキシフ
ェニル)プロパンを共重合したポリエステルを主成分と
する層の層厚みの3倍以上15倍以下であることが好ま
しい。より好ましくは、5倍以上10倍以下である。こ
の範囲をはずれると、亀裂の伝播を抑えることが難しく
なり、耐候性および耐引裂性とも十分でなくなる。
【0015】本発明の積層フィルムを得るための積層方
法としては、マルチマニホールドダイ法、フィードブロ
ック法やスタティックミキサー法といった共押出法を用
いて各層を積層し、ダイより溶融同時押出する方法が好
ましい。マルチマニホールド法は、複数のマニホールド
を有するダイを用いる。この形式のものは、樹脂が流入
口から各層に該当するマニホールドに流入し、マニホー
ルド内でダイ幅全体にわたって流れが拡幅された後、合
流しスリットを経て吐出されるものである。
【0016】フィードブロック法とは、複数の樹脂をダ
イに送り込む前に、フィードブロックで併合流を形成さ
せ、次いで通常のシングルマニホールドダイに送り込ん
で流れを拡幅して押し出すものである。
【0017】本発明の好ましい実施の形態としては、ス
タティックミキサー法が適している。スタティックミキ
サー法は、ある配列で併合した数種の樹脂をミキサーに
より分割多層化する手法で、積層の配列が単純な配列の
繰り返しである場合、層数を飛躍的に大きくすることが
比較的容易である。
【0018】本発明の積層フィルムは延伸されているこ
とが好ましい。延伸の方法としては、同時二軸延伸や逐
次二軸延伸等が好ましい。より好ましくは、逐次二軸延
伸である。逐次二軸延伸とは、口金から押し出されたシ
ートを、ドラム上で急冷固化し、実質的に非晶質の積層
キャストフィルムをまず周速差のあるロール間で縦方向
(フィルム長手方向)に延伸し、続いてフィルムの両端
部をクリップで把持するテンターにて横方向(フィルム
幅方向)に延伸し、引き続いて熱処理する方法である。
さらに、熱処理を行う前に縦方向および/または横方向
に延伸しても構わない。熱処理温度は、100℃以上2
30℃以下であることが好ましい。より好ましくは、1
20℃以上200℃以下である。さらに好ましくは、1
30℃以上180℃以下である。熱処理温度が、100
℃より低い場合、フィルム強度が低いために耐衝撃性が
十分でない。また、熱処理温度が、230℃よりも高い
と、積層フィルムが引き裂かれる際、劈開が生じるため
引裂が非常に伝播しやすく、耐引裂性が劣ることにな
る。
【0019】本発明の積層フィルムは、後述する耐候性
試験方法において、耐候性試験60時間後の伸度Laと
耐候性試験前の伸度Lbとの比(La/Lb)が0.7
以上であることが必要である。好ましくは、La/Lb
が0.8以上1.1以下であり、さらに好ましくは、
0.9以上1.05以下である。耐候性試験60時間後
の伸度Laと耐候性試験前の伸度Lbとの比(La/L
b)が0.7より小さい場合、農業用ハウス、ガラス飛
散防止フィルム、建築用表面被覆フィルムに用いると、
耐候性が十分でないため、3年から4年でフィルムがボ
ロボロになる。本発明の積層フィルムは、その特徴であ
る多層積層構造のために、例え表面が劣化しても表層部
の割れや亀裂が伝播しにくいために、フィルム全体がボ
ロボロになりづらく、耐候性に優れる。ここで、La/
Lbは理論的には1以上になることはあり得ないが、測
定誤差によりLa/Lbが1以上になることはある。
【0020】本発明においては、少なくとも、積層フィ
ルムを構成するポリエステルを主成分とする層が、紫外
線吸収剤を含有していることが好ましい。また、少なく
とも2,2−ビス(4’−β−ヒドロキシアルコキシフ
ェニル)プロパンを共重合したポリエステルを主成分と
する層が、紫外線吸収剤を含有していてもよい。より好
ましくは、該積層フィルムを構成する各層が、紫外線吸
収剤を含有している。各層に紫外線吸収剤が含有してい
ると、表面が劣化しても表層の割れや亀裂が内部まで伝
播しにくく、耐候性、耐引裂性、施工性が経時変化しに
くい。
【0021】本発明で言う紫外線吸収剤としては、サリ
チル酸エステル系、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾ
ール系、ヒドロキシベンゾエート系、シアノアクリレー
ト系などのものが好ましい。より好ましくは、ベンゾフ
ェノン系、ベンゾトリアゾール系のものである。これら
紫外線吸収剤としては、モノマーであってもよいが、サ
リチル酸エステル系、ベンゾフェノン系、ベンゾトリア
ゾール系、ヒドロキシベンゾエート系、シアノアクリレ
ート系などからなる基本骨格を有するモノマーを共重合
したポリマーであってもよい。
【0022】本発明の積層フィルムにおいては、該積層
フィルムの少なくとも片面に紫外線吸収剤を含む層が存
在することが好ましい。紫外線吸収剤を含む層は、紫外
線吸収剤を含んでなるポリエステルを主成分とする層、
あるいは紫外線吸収剤を含んでなる2,2−ビス(4’
−β−ヒドロキシアルコキシフェニル)プロパンを共重
合したポリエステルを主成分とする層のいずれでもよ
い。より好ましくは、該積層フィルムの片面が紫外線吸
収剤を含んでなるポリエステルを主成分とする層であ
る。また、積層フィルムの少なくとも片面に紫外線吸収
剤を有する層がコーティングされていても構わない。
【0023】本発明の積層フィルムの少なくともある一
方向の引裂伝播抵抗は、18,000N/m以上である
ことが好ましい。より好ましくは、25,000N/m
以上である。さらに好ましくは、積層フィルムの引裂伝
播抵抗の異方性がほとんどないとよく、少なくともある
一方向の引裂伝播抵抗とそれとほぼ直角の方向の引裂伝
播抵抗が、18,000N/m以上であるとよい。積層
フィルムの少なくともある一方向の引裂伝播抵抗が、1
8,000N/m以上であると、農業用ハウスや建築用
表面被覆フィルムに使用した際に、霰や雹などによりフ
ィルムが傷ついても、フィルムが大きな破れを生じたり
せず、また、フィルムを固定するボルトからの裂けが起
こりにくくなる。
【0024】本発明の積層フィルムの少なくとも一方向
の80℃における熱収縮率が、0.5%以上であること
が好ましい。より好ましくは、1%以上である。さらに
好ましくは、積層フィルムの80℃における熱収縮率の
異方性がほとんどないとよく、少なくともある一方向の
熱収縮率とそれとほぼ直角の方向の熱収縮率が、0.5
%以上であるとよい。積層フィルムの少なくともある一
方向の80℃における熱収縮率が0.5%以上である
と、農業用ハウスや建築用表面被覆フィルムとして施工
した際に、フィルムがしばらくすると熱により収縮する
ため、弛みやしわがなくなり、外観的にも良好なものと
なる。
【0025】本発明の積層フィルムは、農業用ハウスの
シートに適している。本発明の積層フィルムを、農業用
シートに使用する際には、積層フィルムの表面に防汚
性、防傷性等をコーティング等により付与してやるとよ
い。これらを付与することにより、砂塵やほこりによる
汚れや、フィルム表面の傷の生成を抑えることができ、
それによってフィルムの光線透過度を損なわなくてす
む。また、農業用ハウスの内面側になる面に、防曇性を
付与することにより、ハウス内部の湿気による曇りを低
減し、効率よく作物を栽培することが可能になる。
【0026】したがって、本発明の積層フィルムを農業
用シートに使用した際には、耐候性、耐引裂性、施工
性、透明性に優れることから、従来の農業用シートに比
較して、長期間使用することが可能であり、外観等も優
れたものが得られる。また、本発明の積層フィルムは、
耐候性、耐引裂性が要求される建築用表面被覆フィルム
およびガラス飛散防止フィルムにも適している。
【0027】[物性値の価法] (1)耐候性試験、耐候性 紫外線劣化促進試験機”アイスーパー”SUV−F1型
(岩崎電気(株)製)を用いて照射テストを行った。耐
候性試験は、紫外線照射8時間に引き続いて結露4時間
を1サイクルとして行った。耐候性試験の時間は、この
紫外線照射時間と結露の時間を合わせたものである。耐
候性は、耐候性試験60時間後の伸度Laと耐候性試験
前の伸度Lbとの比(La/Lb)が0.7以上の場合
を「○」とし、0.7より小さい場合を「×」とした。
【0028】(2)透明性 耐候性試験を行ったサンプルの透明性を、目視にて判定
した。透明性は、フィルムが褐色あるいは黄色に着色し
た場合を「×」、わずかな変色しか見られなかった場合
を「○」、ほとんど変色がなかった場合を「◎」とし
た。
【0029】(3)伸度 オリエンテック(株)製引張試験機RTA−100型に
幅10mmのサンプルフィルムをチャック間長さ50m
mとなるようにセットし、23℃、65%RHの条件下
で引張速度200mm/分で引張試験を行い、フィルム
の破断時の伸びを伸度とした。
【0030】(4)引裂伝播抵抗、耐引裂性 (株)東洋精機製作所のエレメンドルフ引裂試験機を用
いた。フィルムを縦63.5mm、横50.8mmの長
方形にサンプリングし、横方向に沿う両つかみの中央で
横方向に直角に(つまり、縦方向に)12.7mmの切
れ目を作り、切れ目の無い残りの50.8mm長部分に
対する引裂力(N)を求める。この力をフィルムの厚み
で除して引裂伝播抵抗(N/m)とした。耐引裂性の指
標として、18,000N/mより小さいものを「×」
とし、それ以上もしくは引き裂かれなかったものを
「○」とした。
【0031】(5)熱収縮率 JIS K−7127に規定される方法にしたがって測
定した。ただし、オーブンの温度は80℃、保持時間は
30分とした。
【0032】
【実施例】本発明を実施例に基づいて説明する。 実施例1〜3 ベンゾフェノン系紫外線吸収剤を2重量%含有するポリ
エチレンテレフタレート(A)[極限粘度0.65、ガ
ラス転移温度79℃]のペレットを180℃で3時間真
空乾燥した後、280℃に加熱された押出機1に供給し
た。また、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤を2重量%含
有する2,2−ビス(4’−β−ヒドロキシアルコキシ
フェニル)プロパンを30モル%共重合したエチレンテ
レフタレート(B)[極限粘度0.66、ガラス転移温
度78℃]のペレットを280℃に加熱された押出機2
[ベント口付き二軸押出機]に供給した。各押出機から
押し出されたポリエステルA、Bは、ミキサー部にて両
表層がポリエチレンテレフタレートであるように厚み方
向に交互に積層され、Tダイよりシート状に成形した。
積層数は、ミキサーのエレメント数により調整した。さ
らにこのシートを表面温度25℃の冷却ドラム上に静電
気力で密着固化し、未延伸キャストフィルムを得た。そ
の後、90℃に設定したロール群で加熱し、縦方向に
3.3倍延伸後、テンターに導き、100℃の熱風で予
熱後、横方向に3.4倍延伸し、そのまま、テンター内
で140℃の熱風にて熱処理を行い、室温まで徐冷後、
巻き取った。得られたフィルムの厚みは50μmであっ
た。得られた結果を表1に示す。積層数および積層比に
依存するものの、耐候性、透明性、耐引裂性とも「○」
であった。
【0033】比較例1 ベンゾフェノン系紫外線吸収剤を2重量%含有するポリ
エチレンテレフタレート(A)[極限粘度0.65、ガ
ラス転移温度79℃]のペレットを180℃で3時間真
空乾燥した後、280℃に加熱された押出機1に供給し
た。押出機から押し出されたポリエステルAは、Tダイ
によりシート状に成形した。さらにこのシートを表面温
度25℃の冷却ドラム上に静電気力で密着固化し、未延
伸キャストフィルムを得た。その後、90℃に設定した
ロール群で加熱し、縦方向に3.3倍延伸後、テンター
に導き、100℃の熱風で予熱後、横方向に3.4倍延
伸し、そのまま、テンター内で140℃の熱風にて熱処
理を行い、室温まで徐冷後、巻き取った。得られたフィ
ルムの厚みは50μmであった。得られた結果を表1に
示す。耐候性、透明性、耐引裂性とも「×」であった。
また、熱収縮率は0.3%であった。
【0034】実施例4 実施例1の方法を用いて得られたフィルムの表面に、ベ
ンゾトリアゾール系モノマー共重合アクリル樹脂からな
る紫外線吸収層を片面にコーティングした。この紫外線
吸収層の厚みは2μmであった。耐候性、耐引裂性とも
「○」であり、透明性は「◎」であった。また、熱収縮
率は1.5%であった。
【0035】比較例2 比較例1の方法を用いて得られたフィルムの表面に、ベ
ンゾトリアゾール系モノマー共重合アクリル樹脂からな
る紫外線吸収層を片面にコーティングした。この紫外線
吸収層の厚みは2μmであった。耐候性・透明性とも
「○」であり、耐引裂性は「×」であった。また、熱収
縮率は0.3%であった。
【0036】
【表1】
【0037】
【発明の効果】本発明の積層フィルムは、耐候性、耐引
裂性、施工性、透明性に優れており、農業用シートや建
築用表面被覆フィルム、ガラス飛散防止フィルムに利用
した際には、従来に比べ外観も良く長期間使用すること
ができる。

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 厚み方向に3層以上積層されており、少
    なくとも、ポリエステルを主成分とする層と、2,2−
    ビス(4’−β−ヒドロキシアルコキシフェニル)プロ
    パンを共重合したポリエステルを主成分とする層とを含
    む積層フィルムであって、該積層フィルムの耐候性試験
    60時間後の伸度Laと耐候性試験前の伸度Lbとの比
    (La/Lb)が0.7以上であることを特徴とする積
    層フィルム。
  2. 【請求項2】 前記ポリエステルを主成分とする層が紫
    外線吸収剤を含有している、請求項1に記載の積層フィ
    ルム。
  3. 【請求項3】 前記2,2−ビス(4’−β−ヒドロキ
    シアルコキシフェニル)プロパンを共重合したポリエス
    テルを主成分とする層が紫外線吸収剤を含有している、
    請求項1に記載の積層フィルム。
  4. 【請求項4】 前記積層フィルムの少なくとも片面に紫
    外線吸収剤を含む層が設けられている、請求項1ないし
    3のいずれかに記載の積層フィルム。
  5. 【請求項5】 引裂伝播抵抗が、少なくとも一方向にお
    いて18,000N/m以上である、請求項1ないし4
    のいずれかに記載の積層フィルム。
  6. 【請求項6】 少なくとも一方向の80℃における熱収
    縮率が0.5%以上である、請求項1ないし5のいずれ
    かに記載の積層フィルム。
  7. 【請求項7】 厚み方向に5層以上積層されている、請
    求項1ないし6のいずれかに記載の積層フィルム。
  8. 【請求項8】 前記ポリエステルを主成分とする層のポ
    リエステルが、ポリエチレンテレフタレートである、請
    求項1ないし7のいずれかに記載の積層フィルム。
  9. 【請求項9】 請求項1ないし8のいずれかに記載の積
    層フィルムを含んでなる農業用シート。
JP9296444A 1997-10-15 1997-10-15 積層フィルムおよび農業用シート Pending JPH11115135A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005186613A (ja) * 2003-12-05 2005-07-14 Toray Ind Inc 二軸延伸積層フィルム、合わせガラス用フィルムおよび合わせガラス
JP2005254472A (ja) * 2004-03-09 2005-09-22 Toray Ind Inc ハードコート多層シート、およびそれを用いてなる建材窓ガラス、フラットパネルディスプレイ
US7410686B2 (en) 2001-11-09 2008-08-12 Toray Industries, Inc. Protective film for glass

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