JP4431181B2 - ホエイ蛋白質の改質方法 - Google Patents

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    • A23J3/08Dairy proteins

Description

本発明は、熱安定性を向上させることを特徴とするホエイ蛋白質の改質方法、及び当該方法によって改質されたホエイ蛋白質に関する。
ホエイ蛋白質は乳中に存在する蛋白質であり、主にチーズやカゼインを製造する際の副生成物としてよく知られている。ホエイ蛋白質は良質な蛋白質成分であり、ミネラル分も豊富なことから、様々な食品に使用されている。また、食品以外でもシャンプー、リンス及びクリーム等の化粧品にも利用されている。
幅広い用途に利用される一方で、ホエイ蛋白質は熱安定性が低く、70〜90℃の加熱ですみやかに変性することが知られている(非特許文献1)。ところが、例えば、食品の製造の工程では、熱殺菌を行う場合が多いが、この熱殺菌のための温度域は、ホエイ蛋白質の変性温度域を超えることが通常である。このため、変性温度域での加熱によりホエイ蛋白質が変性し、粘度上昇、ゲル化、凝集などの発生をきたして、製品の風味や外観に悪影響を及ぼすため、製品中のホエイ蛋白質配合量を制限したり、他の蛋白質原料に代替したりする必要があった。
熱殺菌による製品に対する悪影響を減少させるために、従来から、ホエイ蛋白質は物理的処理、あるいは化学的処理等によって予め変性させてから使用する方法が知られている。すなわち、あらかじめ変性させたホエイ蛋白質を使用することにより、殺菌時の加熱によるホエイ蛋白質の新たな熱変性の割合を減少させて、加熱変性による粘度上昇、ゲル化、凝集などの影響を少なくする方法が知られている。
特許文献1では、pH調整や予熱処理等の処理を行った後、酵素であるトランスグルタミナーゼを用いて加熱することにより、ホエイ蛋白質を変性させる方法が開示されている。特許文献2では、金属元素を含むホエイ蛋白質溶液に対し、不溶物を除去した後に、有機溶媒と混合して得られる蛋白質性微小粒子の製造方法が開示されている。
その他、加熱によるホエイ蛋白質の変性処理と、剪断によるホエイ蛋白質粒子の微粒化処理を組み合わせた方法が知られている。ここで蛋白質の微粒化は、ホエイ蛋白質の凝集や沈殿、濃厚感の発生を防止することを目的とするものである。
例えば、特許文献3においては、ホエイ蛋白濃縮物に高剪断をかけながら蛋白の変性温度以上に加熱することによって得られる、実質的に非凝集性の変性蛋白球状粒子またはその凝集体を含有する固形ヨーグルトが開示されている。
しかし、特許文献1は酵素や金属元素を含む原料を使用する点、特許文献2は有機溶媒を使用する点など、ホエイ蛋白質単独による変性ホエイ蛋白質の製造方法を提供するものではなかった。また、酵素や有機溶媒を使用する場合には、製品からの十分な除去を行うために、これを安全、確実に実施する作業設備の確保、及び厳格な管理が必要であり、簡便な方法ではなかった。
特許文献3においては、変性蛋白球状粒子の製造方法として「特表平6−509475号公報」が挙げられており、これに該当する変性蛋白球状粒子として、シンプレス100(CPケルコ社製)を挙げているが、これは、食品製造時に他の原料と混合し、高温殺菌して、アイスクリームやスープ等を製造した場合、製品について食感(ざらつき、粉っぽさ、濃厚感など)や外観(ゲル、凝集など)を指標とした風味試験(官能評価)において、食品の種類によって、過度の濃厚感や、ざらつき感の残った不良の評価となってしまうという問題点が生じていた。
特開2000−4786号公報 特開平7−184556号公報 特許第3798249号公報 山内、横山編集、「ミルク総合事典」、第3版、朝倉書店、1998年、第61頁
上述のように、ホエイ蛋白質は、食品の製造の工程において必要とされる熱殺菌を行った場合に、変性温度域での加熱となるために熱変性して、粘度上昇、ゲル化、凝集などを生じる。これらの現象は製品の風味や外観に好ましくなく、さらに、ホエイ蛋白質を多量に配合した製品をプレート式殺菌機に通液する場合、プレート内に変性したホエイ蛋白質が付着、堆積しやすく、これを除去する手入れが煩雑であるという問題が生じていた。
このように、ホエイ蛋白質が好ましくない変性を生じることがないようにするためには、ホエイ蛋白質に対してあらかじめ処理(改質処理)を行って改質ホエイ蛋白質とすることが必要である。
しかし、従来の技術によって、ホエイ蛋白質に改質を行って改質ホエイ蛋白質を製造する方法、及び得られた改質ホエイ蛋白質は、上述のように、いずれも十分なものではなかった。
従って、本発明の目的は、酵素や有機溶媒等の添加物を使用することなく、ホエイ蛋白質を改質して、熱安定性を向上可能な改質方法、すなわち、改質後の加熱処理によって風味や外観に悪影響を生じないことを可能とする、ホエイ蛋白質の改質方法(改質ホエイ蛋白質の製造方法)、及び該方法によって得られる改質ホエイ蛋白質を提供することにある。
そこで、本発明者らは、前記課題を解決するために鋭意検討した結果、薄膜円筒状に旋回するホエイ蛋白質溶液と、これに対して円心方向から放射状に流れるホエイ蛋白質溶液を接触混合によって混合したホエイ蛋白質溶液を、円筒状の固定攪拌槽内に薄膜円筒状に旋回させて、高速剪断しながら加熱することによって、ホエイ蛋白質を改質する方法に到達した。この改質方法によれば、ホエイ蛋白質の適切な変性と微粒化を達成することができ、この改質ホエイ蛋白質は、食品等の製造時に必要とされる高温での加熱や殺菌を行っても、粘度上昇、ゲル化、蛋白凝集等が生じることが無く、製品の風味や外観に悪影響を与えることがない。すなわち、この方法によれば、ホエイ蛋白質の熱安定性を顕著に向上させることができる。
前記課題を解決する本願第一の発明は、熱安定性を向上させることを特徴とするホエイ蛋白質の改質方法であって、以下の1)〜4)の工程を含む改質方法である。
1)ホエイ蛋白質をホエイ蛋白質溶液に調製する工程、
2)円筒の外周を、所定の剪断速度にて薄膜状に旋回しながら流れる前記ホエイ蛋白質溶液と、旋回しながら流れるホエイ蛋白質溶液とは別に、円筒の円心から放射状に流れる前記ホエイ蛋白質溶液を接触混合する工程、
3)混合したホエイ蛋白質溶液を剪断速度5,000s−1〜25,000s−1で剪断しながら76〜120℃に昇温する工程、
4)昇温したホエイ蛋白質溶液を当該温度で保温しながら、剪断速度5,000s−1〜25,000s−1で8分〜0.1秒剪断する工程。
ホエイ蛋白質溶液は、好ましくはホエイ蛋白質の5〜18質量%溶液である。好適な実施の態様において、上記工程2)、3)、4)は、同時に連続して行われる。
また、本願第一の発明は、以下の1)〜4)の工程を含む改質方法でもある。
1)ホエイ蛋白質をホエイ蛋白質溶液に調製する工程、
2)円筒の外周を、所定の剪断速度にて薄膜状に旋回しながら流れる前記ホエイ蛋白質溶液と、旋回しながら流れるホエイ蛋白質溶液とは別に、円筒の円心から放射状に流れる前記ホエイ蛋白質溶液を接触混合する装置に、ホエイ蛋白質を投入する工程、
3)投入したホエイ蛋白質溶液を剪断速度5,000s−1〜25,000s−1で剪断しながら76〜120℃に昇温する工程、
4)昇温したホエイ蛋白質溶液を当該温度で保温しながら、剪断速度5,000s−1〜25,000s−1で8分〜0.1秒剪断する工程。
ホエイ蛋白質溶液は、好ましくはホエイ蛋白質の5〜18質量%溶液である。好適な実施の態様において、上記工程2)、3)、4)は、同時に連続して行われる。
さらに、本願第一の発明は、剪断が、円筒状の攪拌槽内に回転軸を同心に設け、円筒体に半径方向の小孔を多数貫通して設けた多孔円筒部を外周側に備えたことを特徴とする、攪拌槽より僅かに小径の回転羽根を該回転軸に取り付けられた装置において、回転羽根の高速回転によりホエイ蛋白質溶液を攪拌槽の内面に薄膜円筒状に拡散しながら剪断することを好ましい態様としている。
前記課題を解決する本願第二の発明は、本願第一の発明における改質方法によって改質されたホエイ蛋白質である。
また、本願発明は、以下の[1]〜[7]にある。
[1]
以下の1)、2A)の工程:
1)ホエイ蛋白質からホエイ蛋白質溶液を調製する工程、
2A)ホエイ蛋白質溶液を、薄膜円筒状に旋回して流れるホエイ蛋白質溶液へ、連続的に接触混合しながら、連続的に接触混合されて薄膜円筒状に旋回して流れるホエイ蛋白質溶液を、76〜120℃の範囲にある温度で、剪断速度5,000s−1〜25,000s−1で8分〜0.1秒間剪断する工程
を含む、ホエイ蛋白質を改質して、改質ホエイ蛋白質を製造する方法。
[2]
接触混合が、
円筒状の固定攪拌槽内に回転軸を同心に設け、固定攪拌槽より僅かに小径の回転羽根を該回転軸に取り付けられた装置であって、前記回転羽根が、円筒体に半径方向の小孔を多数貫通して設けた多孔円筒部を外周側に備えた装置を使用して、
多孔円筒部内部に導入されたホエイ蛋白質溶液が多孔円筒部の小孔を通じて、回転羽根の高速回転により固定攪拌槽と多孔円筒部の間を薄膜円筒状に旋回して流れるホエイ蛋白質溶液へと、接触混合することによって行われる、[1]に記載の方法。
[3]
剪断が、
円筒状の固定攪拌槽内に回転軸を同心に設け、固定攪拌槽より僅かに小径の回転羽根を該回転軸に取り付けられた装置であって、前記回転羽根が、円筒体に半径方向の小孔を多数貫通して設けた多孔円筒部を外周側に備えた装置を使用して、
回転羽根の高速回転により、ホエイ蛋白質溶液を、回転羽根の高速回転により固定攪拌槽と多孔円筒部の間を薄膜円筒状に旋回して流しながら剪断することによって行われる、[1]〜[2]の何れかに記載の方法。
[4]
ホエイ蛋白質溶液が、ホエイ蛋白質の5〜18質量%溶液である、[1]〜[3]の何れかに記載の方法。
[5]
ホエイ蛋白質の改質が、加熱処理した後の風味及び/又は外観を、改質前と比較して維持及び/又は向上させることである、[1]〜[4]の何れかに記載の方法。
[6]
85℃、10分間加熱処理後の平均粒子径が0.3〜13.8μmである[1]〜[5]の何れかに記載の方法で製造された、改質ホエイ蛋白質。
本発明による改質ホエイ蛋白質は、飲食品に配合した場合においても、加熱殺菌処理(加熱)によるホエイ蛋白粒子の凝集、ゲル化、沈殿などを生じず、食感や風味の良好な製品を提供することが可能である。すなわち、食品素材として、ゼリー、プリン、アイスクリーム、ドリンクヨーグルト、ジュース、乳飲料、加工乳、コーヒー、スポーツドリンク、スープ、焼成食品、粉乳、育児用調製粉乳、及び流動食等の食品群に好適に使用することが可能である。その他、低脂肪食品用の脂肪代替原料として、あるいはシャンプー、リンスやクリーム等の化粧品にも好適に使用することが可能である。本発明による改質ホエイ蛋白質は、分散性がよくて沈殿せず、ざらつき等がなく喉越しもよいために、例えばドリンクヨーグルトなどの飲料に特に適したものである。
さらに、本発明による改質ホエイ蛋白質は、酵素や有機溶媒等の添加物を使用することがないために、極めて安心して飲食品に使用することができる。また、酵素や有機溶媒等の添加物を製品から除去するための製造上の工夫も全く必要がない。
次に、本発明の好ましい実施形態について詳細に説明する。ただし、本発明は以下の実施形態に限定されず、本発明の範囲内で自由に変更することができる。なお、本明細書において百分率は特に断りのない限り質量による表示である。
〔ホエイ蛋白質〕
本発明で原料として使用するホエイ蛋白質は、牛乳由来の蛋白質であるホエイであれば、如何なるものでも使用することができる。例えば、牛乳、脱脂乳、全脂粉乳、脱脂粉乳等のホエイを含有する原料から、常法により精製して得られるホエイである。
ホエイの精製法としては、牛乳または脱脂粉乳にレンネット等を加えてカゼインと乳脂肪を取り除く方法や、前記工程からさらにゲル濾過法、限外濾過法、イオン交換法等により処理する方法があり、これらの方法で得られるWPC(ホエイ蛋白濃縮物)、またはWPI(ホエイ蛋白分離物)などを使用することができる。また、市販のWPCやWPIなどの各種ホエイ蛋白質を使用することもできる。その他、生乳、脱脂乳、脱脂粉乳などのホエイ蛋白質を含有する通常の乳製品をそのまま使用することもできる。
なお、粉体物を溶解する際の溶媒は特に制限されるものではないが、水、生乳、脱脂乳などが好適に用いられる。
本発明の改質方法に用いられるホエイ蛋白質(原料)としては、蛋白質ベースの価格が安価で入手しやすく、ホエイ蛋白質の効率的な処理が行える点を考慮して、蛋白質含量の高いホエイ蛋白濃縮物のWPC80(独、ミライ社製。商品名:ミライ80)を使用することが好ましい。なお、本発明にて使用するWPC80やWPC50の数値は吹上製品中のホエイ蛋白質含有量であり、WPC80であればホエイ蛋白質が約80%とされ、WPC50であれば、ホエイ蛋白質が約50%とされる。
〔改質〕
本明細書におけるホエイ蛋白質の「改質」とは、以下に定義する「熱安定性」の判定において「良好」である状態を具備したものを意味する。すなわち、「改質」されたホエイ蛋白質(改質ホエイ蛋白質)とは、「熱安定性」が「良好」であるホエイ蛋白質を意味する。この熱安定性の良好とは、具体的には、加熱処理した後の風味及び/又は外観を、改質前と比較して維持及び/又は向上させることである。
〔ホエイ蛋白質の改質方法〕
本発明の改質方法は、以下の1)〜4)の工程を含む改質方法を含んでなる。
1)ホエイ蛋白質をホエイ蛋白質溶液、好ましくはホエイ蛋白質の5〜18質量%溶液に調製する工程、
2)円筒の外周を、所定の剪断速度にて薄膜状に旋回しながら流れる前記ホエイ蛋白質溶液と、旋回しながら流れるホエイ蛋白質溶液とは別に、円筒の円心から放射状に流れる前記ホエイ蛋白質溶液を接触混合する工程、
3)混合したホエイ蛋白質溶液を剪断速度5,000s−1〜25,000s−1で剪断しながら76〜120℃に昇温する工程、
4)昇温したホエイ蛋白質溶液を当該温度で保温しながら、剪断速度5,000s−1〜25,000s−1で8分〜0.1秒剪断する工程。
本発明の好適な実施の態様において、上記2)〜4)の工程は、同時に連続して行われる。
また、本発明の改質方法(改質ホエイ蛋白質の製造方法)は、以下の1)、2A)の工程:
1)ホエイ蛋白質からホエイ蛋白質溶液(好ましくはホエイ蛋白質の5〜18質量%溶液)を調製する工程、
2A)ホエイ蛋白質溶液を、薄膜円筒状に旋回して流れるホエイ蛋白質溶液へ、接触混合連続的に接触混合しながら、連続的に接触混合されて薄膜円筒状に旋回して流れるホエイ蛋白質溶液を、76〜120℃の範囲にある温度で、剪断速度5,000s−1〜25,000s−1で8分〜0.1秒間剪断する工程
を含む、ホエイ蛋白質を改質して、改質ホエイ蛋白質を製造する方法にある。
本発明の改質方法において、ホエイ蛋白質溶液の濃度は、蛋白質換算で5〜18質量%が好ましく、剪断効率を考慮すると10〜18質量%が好ましく、さらに10〜16質量%が好ましい。すなわち、この濃度範囲でホエイ蛋白質溶液を剪断することによって、ホエイ蛋白質をゲル化や凝集を起こさずに効率よく改質することが可能である。
本発明の改質方法では、ホエイ蛋白質溶液のpHは、中性とすることができるが、やや弱酸性の領域であっても行うことができる。好ましい実施の態様において、pH5.5〜7.5の範囲、好ましくはpH6.0〜7.0の範囲、さらに好ましくはpH6.0〜6.5の範囲とすることができる。
前記濃度に調製したホエイ蛋白質溶液は、所定の剪断装置に投入して剪断を行う。この際、剪断装置の撹拌槽の温度は常温のままでもよく、攪拌槽ジャケット内の温湯による予備加熱を行って、60℃以下の任意の温度に保持した状態であってもよい。
剪断装置にホエイ蛋白質溶液を投入した後、剪断を開始し、剪断速度を5,000s−1〜25,000s−1、好ましくは10,000s−1〜25,000s−1に保持しながら、剪断装置の撹拌槽の温度を昇温させる工程(予備加熱工程)を行う。好適な実施の態様において、この昇温は極めて短時間で行われ、予備加熱と加熱処理の時間をあわせて、加熱処理の保持時間として見ることができる。
前記予備加熱の工程でホエイ蛋白質溶液を所定の温度に昇温した後、剪断処理を継続しながら、昇温後の温度でホエイ蛋白質溶液を所定時間保持して加熱処理(本加熱工程)を行う。この際、剪断速度については、剪断処理後のホエイ蛋白質の加熱テストにおいてゲル化や凝集が確認されない範囲で剪断することが好ましく、5,000s−1〜25,000s−1の範囲、さらに7,500s−1〜25,000s−1の範囲、特に10,000s−1〜25,000s−1の範囲で行うことが好ましい。また、加熱処理を行う保持時間は、保持温度によって適宜設定することが可能であるが、一般に、45分(2700秒)〜0.1秒の範囲、好ましくは30分(1800秒)〜0.1秒の範囲、さらに好ましくは20分(1200秒)〜0.1秒の範囲、さらに好ましくは10分(600秒)〜0.1秒の範囲、さらに好ましくは8分(480秒)〜0.1秒の範囲、さらに好ましくは360秒〜0.1秒の範囲、さらに好ましくは240秒〜0.1秒の範囲、さらに好ましくは120秒〜0.1秒の範囲、さらに好ましくは60秒〜0.1秒の範囲、さらに好ましくは30秒〜0.1秒の範囲、さらに好ましくは20秒〜0.1秒の範囲、特に好ましくは10秒〜0.1秒の範囲の時間で保持することが望ましい。
本発明のホエイ蛋白質の改質方法は、前記のとおり、剪断処理と加熱処理を同時進行で行うことが好ましい。これによって、ホエイ蛋白質の粒子の平均粒子径は、後記する本発明における平均粒子径の測定条件に基づいて測定した結果が、0.3〜13.8μmの範囲、好ましくは0.5〜13.4μmの範囲、さらに好ましくは0.5〜10μmの範囲、さらに好ましくは0.6〜6μmの範囲、さらに好ましくは0.6〜3.42μmの範囲、さらに好ましくは0.6〜1.87μmの範囲となり、また、改質後のホエイ蛋白質は、従来のホエイ蛋白質に比して濃厚感が少なく、滑らかな触感を有するものである。
〔剪断工程〕
剪断装置にて実施される剪断工程は、本発明の改質方法の最も特徴的な工程である。
剪断工程の好適な実施の一態様において、調製したホエイ蛋白質溶液は、固定された攪拌槽の底部の円心付近から供給され、回転羽根の高速回転により既に旋回しているホエイ蛋白質溶液に対し、円心付近から放射状に散って、回転羽根が備えている多孔円筒部の内面に到達し、回転羽根の高速回転による遠心力を受けて、多孔円筒部に多数貫通して設けられた小孔を通じて、回転羽根の多孔円筒部の外面と固定攪拌槽の内面との間に設けられている円筒型の空間へと流出し、回転羽根の高速回転によって薄膜円筒状となって旋回し、続けて供給されるホエイ蛋白質溶液は先に薄膜円筒状となって旋回しているホエイ蛋白質溶液の中へと流出し、接触して混合されて、その中に拡散される。回転羽根の多孔円筒部の内周面に到達しているホエイ蛋白質溶液は、遠心力によって内周面上に薄膜状となり、高速回転の続く間、多数貫通して設けられた小孔を通じて、回転羽根の多孔円筒部の外周面へとホエイ蛋白質溶液を供給し続ける。回転羽根の多孔円筒部の外面(外周面)と固定攪拌槽の内面(内周面)との間に設けられている円筒型の空間で薄膜円筒状となっているホエイ蛋白質溶液は、回転羽根の高速回転に連れて旋回し、遠心力で薄膜円筒状を保持しながら、固定攪拌槽内面と回転羽根の多孔円筒部外面との速度差によって剪断作用を受ける。
また、剪断工程の好適な実施の別な一態様において、調製したホエイ蛋白質溶液は、回転羽根の高速回転による遠心力を受けて、多孔円筒部に多数貫通して設けられた小孔を通じて、回転羽根の多孔円筒部の外面と固定攪拌槽の内面との間に設けられている円筒型の空間へと流出し、回転羽根の高速回転によって薄膜円筒状となって旋回しているホエイ蛋白質溶液と接触して混合されて、その中に拡散される。回転羽根の多孔円筒部の外面(外周面)と固定攪拌槽の内面(内周面)との間に設けられている円筒型の空間で薄膜円筒状となっているホエイ蛋白質溶液は、回転羽根の高速回転に連れて旋回し、遠心力で薄膜円筒状を保持しながら、固定攪拌槽内面と回転羽根の多孔円筒部外面との速度差によって剪断作用を受ける。多孔円筒部の円心方向から、多数貫通して設けられた小孔を通じて、連続して流出するホエイ蛋白質溶液は、強い遠心力を受け、回転羽根の多孔円筒部の外周面と固定攪拌槽の内周面との間で、薄膜円筒状となって旋回して流れるホエイ蛋白質溶液内に放射状に噴出しながら混合される。このとき異なる方向の流れが接触混合されることによって攪拌作用を生じ、剪断作用を効果的に助長する。
本発明の剪断工程は前記剪断方法のいずれの態様をとることも可能である。
多孔円筒部の円心方向から、多数貫通して設けられた小孔を通じて、連続して流出するホエイ蛋白質溶液は、強い遠心力を受け、回転羽根の多孔円筒部の外周面と固定攪拌槽の内周面との間で、薄膜円筒状となって旋回して流れるホエイ蛋白質溶液内に放射状に噴出しながら混合される。このとき異なる方向の流れが接触混合されることによって、乱流が発生し、攪拌作用を生じて、剪断作用を効果的に助長する。
多孔円筒部の内周面上で薄膜状となっているホエイ蛋白質溶液は、多数貫通して設けられた小孔を通じて多孔円筒部の外周面へと流出した液量と同じ液量が、多孔円筒部の外面(外周面)と固定攪拌槽の内面(内周面)との間に設けられている円筒型の空間で薄膜円筒状となっているホエイ蛋白質溶液の多孔円筒部の上端及び下端を越えて再度多孔円筒部の内側に流入するために、高速回転を続ける間、上記接触混合は連続的に行われる。供給管から供給されるホエイ蛋白質溶液もこの液の流れに加わる。これによって、乱流の発生と攪拌作用、それによる剪断作用の助長は、高速回転を続ける間、継続して行われる。
剪断開始後液温が上昇し、目標温度に達した後に一定温度に保持される。温度の保持は攪拌槽に備えられたジャケット内の温湯あるいはチルド水によって調整することができる。保持時間終了後、ホエイ蛋白質溶液は剪断装置内のチルド水によってすみやかに冷却され、排出口より回収される。
なお、本発明における剪断速度は、剪断作用を与える剪断装置の攪拌羽根の先端からシリンダー壁面までの距離(クリアランス:C)と、攪拌羽根の接線方向の速度(V)との比で、1/秒(sec)の次元を有する物理量である。クリアランスが短く、攪拌羽根の接線方向の速度が大きいほど剪断速度は大きくなる。この剪断速度は次式によって求めることができる。
剪断速度(s−1)=V/C
剪断温度は、130℃までの任意の温度に調整することができるが、本発明においては、ホエイ蛋白質の品質を保持するため、76℃〜120℃の範囲、好ましくは80〜120℃の範囲、特に85〜120℃の範囲で使用することが望ましい。また、大気圧下での作業性の観点からは、76℃〜100℃の範囲、好ましくは80℃〜100℃の範囲、特に85〜100℃の範囲の温度が好ましい。剪断温度として高い温度を選択すれば、より短い保持時間で処理しても、本発明を好適に実施することができる。最低温度として76℃を含む温度範囲とする場合には、8分(480秒)以上の保持時間とすることが好ましい。最低温度として80℃を含む温度範囲とする場合には、1分(60秒)以上の保持時間とすることが好ましい。最低温度として85℃を含む温度範囲とする場合には、0.1秒以上の保持時間とすることが好ましい。本発明の好適な態様において、80℃〜120℃の範囲の温度で、480秒〜60秒の範囲の保持時間とすることができる。本発明の別の好適な態様において、85℃〜120℃の範囲の温度で、480秒〜0.1秒の範囲の保持時間とすることができる。本発明の別の好適な態様において、80℃〜100℃の範囲の温度で、480秒〜60秒の範囲の保持時間とすることができる。本発明の別の好適な態様において、85℃〜100℃の範囲の温度で、480秒〜0.1秒の範囲の保持時間とすることができる。本発明の好適な実施の態様において、76℃以上80℃未満の範囲の温度で8分以上30分以下の範囲の保持時間、80℃以上85℃未満の範囲の温度で60秒以上8分未満の範囲の保持時間、85℃以上120℃以下の範囲の温度で480秒〜0.1秒の範囲の保持時間の組み合わせとすることができる。
〔剪断装置〕
本発明で用いる剪断装置は、円筒状の固定攪拌槽内に回転軸を同心に設け、円筒体に半径方向の小孔を多数貫通して設けた多孔円筒部を外周側に備えた、固定攪拌槽より僅かに小径の回転羽根を該回転軸に取り付けられた装置において、回転羽根の高速回転によりホエイ蛋白質溶液を固定攪拌槽の内面に薄膜円筒状に拡散しながら剪断するものである。好適な態様において、固定攪拌槽内周面には凹凸が設けられている。図1は、本発明で用いる剪断装置の一例の断面の模式図である。剪断装置1は、円筒状の固定攪拌槽2の内部に、回転羽根3と、供給管4及び5を備えている。回転羽根3は、回転軸3aと、アーム3cと、アーム3cによって回転軸3aと回転可能に一体となっている多孔円筒部3bとを有している。多孔円筒部3bは図示されない多数の小孔が半径方向に貫通しており、アーム3cは図示されない連通孔が回転軸の軸方向に複数貫通している。供給管4及び5は、固定攪拌槽2の底部の円心付近に位置し、ここから剪断装置1へ、調製したホエイ蛋白質溶液が供給される。供給されたホエイ蛋白質溶液は、回転羽根3の高速回転により既に旋回しているホエイ蛋白質溶液に対し、供給管4及び5の出口付近から放射状に散って、多孔円筒部3bの内面に到達し、回転羽根3の高速回転による遠心力を受けて、多孔円筒部3bに多数貫通して設けられた小孔を通じて、多孔円筒部3bの外面と固定攪拌槽2の内面との間に設けられている円筒型の空間へと流出し、回転羽根3の高速回転によって薄膜円筒状となって旋回し、続けて供給されるホエイ蛋白質溶液は先に薄膜円筒状となって旋回しているホエイ蛋白質溶液の中へと流出し、接触して混合されて、その中に拡散される。多孔円筒部3bの外面(外周面)と固定攪拌槽2の内面(内周面)との間に設けられている円筒型の空間で薄膜円筒状となっているホエイ蛋白質溶液は、回転羽根3の高速回転に連れて旋回し、遠心力で薄膜円筒状を保持しながら、固定攪拌槽2の内面と多孔円筒部3bの外面との速度差によって剪断作用を受ける。多孔円筒部3bの円心方向から、多数貫通して設けられた小孔を通じて、連続して流出するホエイ蛋白質溶液は、強い遠心力を受け、多孔円筒部3bの外周面と固定攪拌槽2の内周面との間で、薄膜円筒状となって旋回して流れるホエイ蛋白質溶液内に放射状に噴出しながら混合される。このとき異なる方向の流れが接触混合されることによって、乱流が発生し、攪拌作用を生じて、剪断作用を効果的に助長する。多孔円筒部3bの内周面上で薄膜状となっているホエイ蛋白質溶液は、多数貫通して設けられた小孔を通じて多孔円筒部3bの外周面へと流出した液量と同じ液量が、多孔円筒部3bの外面(外周面)と固定攪拌槽2の内面(内周面)との間に設けられている円筒型の空間で薄膜円筒状となっているホエイ蛋白質溶液、及び/又は供給管から流入するために、高速回転を続ける間、上記接触混合は連続的に行われる。これによって、乱流の発生と攪拌作用、それによる剪断作用の助長は、高速回転を続ける間、継続して行われる。好適な実施の態様において、固定攪拌槽2は、図示されない温度調節装置、例えば所望の温度の水を循環可能なジャケットを備えている。好適な実施の態様において、剪断装置1は、改質処理済みのホエイ蛋白質溶液を排出するために、図示されない排出管を備えている。好適な実施の態様において、剪断装置1は、固定攪拌槽2の内部に、図示されない堰板を備えている。この図示されない堰板は、固定攪拌槽2の内面において多孔円筒部3bの上端よりも上部に位置して、固定攪拌槽2の内面から円心方向に回転軸3a付近まで伸びて、円環状の堰板となっている。この堰板は、薄膜円筒状となったホエイ蛋白質溶液が固定攪拌槽2の内面の所望しない上部にまで至ることを防ぎ、あるいは、この堰板を越えたホエイ蛋白質溶液を図示されない排出管に導いて、剪断後の改質ホエイ蛋白質溶液を連続的に流出させることを可能にする。
好適な実施の態様において、固定攪拌槽の外部はジャケットになっており、冷却水及び熱水を供給することで被処理液の加熱、冷却等の温度調整が可能である。
好適な実施の対応において、固定攪拌槽の液体出入口を含めた試料液体の一連の経路は、密閉系にすることができ、圧力ポンプ及び圧力弁が設置されている。この圧力ポンプと圧力弁の調整によって密閉系内部を任意の圧力に設定することができる。圧力ポンプは、試料液体を100℃以上に加熱する場合や、試料液体を100℃付近に加熱した際の沸騰を防止するために加圧用ポンプとして使用される。圧力ポンプの調整により、処理液の温度は130℃まで昇温することができる。
さらに、本装置は、剪断時に回転羽根と処理液の摩擦によって発熱が生じることから、剪断力が10,000s−1を超えるときは、この熱を利用してホエイ蛋白質溶液を加熱することができる。この剪断工程時のエネルギーによって発生する熱を「剪断熱」という。
本発明の攪拌工程で使用する装置としては、「フィルミックスFM-80-50」(登録商標。プライミクス社製。)を例示することができる。詳細には、特開2007−125454号公報に記載の高速攪拌装置、特に同公報の図1及び図2として挙げられた装置を例示することができる。なお、剪断装置はこれに限定されるものではなく、同様の剪断効果が得られる装置であれば、如何なるものでも使用することができる。
〔ホエイ蛋白質の熱安定性〕
改質されたホエイ蛋白質は、ホエイ蛋白質の変性温度を超える温度で再加熱を行っても、ホエイ蛋白質が凝集、ゲル化、沈殿等を引き起こさない性質、つまり良好な熱安定性を有していることから、食品製造時に加熱殺菌工程を含む飲食品の原料として好適に使用できる。
ここで、再加熱を行っても、ホエイ蛋白質が凝集、ゲル化、沈殿等を引き起こさない性質とは、具体的には食品製造時の加熱殺菌を想定した加熱テスト(85℃、10分間加熱)により、ホエイ蛋白質の粒子が凝集せずに、平均粒子径が0.3〜13.8μmの範囲を維持すること、及び官能評価における食感(ざらつき、粉っぽさ、濃厚感など)や外観(ゲル、凝集など)が良好であること(食感や外観が良好な状態で維持されていること)を意味する。
なお、本発明におけるホエイ蛋白質の熱安定性は、ホエイ蛋白質を含む試料を固形分として12.5質量%となるように溶解して試料溶液を調製し、調製した試料溶液を85℃で10分間加熱処理を行い、加熱処理後の試料溶液について、官能評価と平均粒子径の測定を行う方法によって判定することが可能である。
〔官能評価〕
本発明における官能評価とは、5〜10名のパネラーにより、前記の通り、ホエイ蛋白質を含む試料を固形分として12.5質量%となるように溶解して試料溶液を調製し、調製した試料溶液を85℃で10分間加熱処理を行い、加熱処理後の試料溶液について風味試験及び外観試験を行うものである。具体的には、食感(ざらつき、粉っぽさ、濃厚感等)及び外観(ゲル化、凝集)について、それぞれ最高の評価を3点、最低の評価を0点とする1点刻みの点数を付け、パネラーの平均点を算出する。算出した平均点Aが2<A≦3を「良」、1<A≦2を「やや良」、0≦A≦1を「不良」として評価し、これをもって、各々の評価を熱安定性「良」、「やや良」、「不良」とする判定を行うことが可能である。
〔平均粒子径〕
本発明において平均粒子径の測定は、前記の通り、製造したホエイ蛋白質を含む試料を固形分として12.5質量%となるように溶解して試料溶液を調製し、調製した試料溶液を85℃で10分間加熱処理を行い、加熱処理後の試料溶液について、レーザー回折式粒度分布測定装置等を使用してホエイ蛋白質の平均粒子径を測定することによって可能である。
ここで、官能評価に基づく熱安定性について、ホエイ蛋白質が有する物性との関係を確認した結果を参考例として記載する。
〔参考例〕
ホエイ蛋白質を含む試料を固形分として12.5質量%となるように溶解して試料溶液を調製し、調製した試料溶液を85℃で10分間加熱処理を行い、加熱処理後の試料溶液における官能評価と、加熱処理後のホエイ蛋白質における物性としてホエイ蛋白質粒子の平均粒子径との関係を検討した。
なお、本発明における平均粒子径の測定は、加熱処理後の試料溶液について、レーザー回折式粒度分布測定装置(堀場製作所製、商品名:LA−500)を使用して、循環流量2、攪拌速度2の条件で測定した時の平均粒子径(粒度累積分布の50%に相当する粒子径)の値を測定することによって行った。
その結果、表1に示されるとおり、加熱処理後のホエイ蛋白質の平均粒子径が13.9μm未満であるとき、官能評価は「良」であることが判明し、特に平均粒子径が0.3〜13.8μm以下であるときに好ましい食感・外観を有することが明らかとなった。
この結果は、加熱処理後のホエイ蛋白質の平均粒子径が13.9μm未満、特に0.3〜13.8μmの範囲であるときに、熱安定性が「良」と判定できることを意味するものである。
したがって、本発明において製造されたホエイ蛋白質の平均粒子径が0.3〜13.8μmの範囲に含まれる時、ホエイ蛋白質は改質されたと判断することができ、風味や外観に良好な効果を及ぼす微細な粒子径を有していると規定することができる。
なお、本発明において、ホエイ蛋白質の熱安定性を判定することが可能な前記官能評価試験や平均粒子径の測定試験は、「加熱テスト」と略記することがある。
〔改質されたホエイ蛋白質を含む食品等〕
本発明方法によって改質されたホエイ蛋白質は、舌触りや喉ごし等を重要視するような食品の原料として利用することが可能であり、具体的には、ゼリー、プリン、アイスクリーム、ドリンクヨーグルト、ジュース、乳飲料、加工乳、コーヒー、スポーツドリンク、スープ、焼成食品、粉乳、育児用調製粉乳、及び流動食等の食品群の原料として好適に使用することが可能である。
なお、本発明方法によって改質されたホエイ蛋白質は前記食品群に利用される以外に、シャンプー、リンス、クリーム、乳液等の化粧品等にも好適に使用することが可能である。
好ましい実施の態様において、本発明による改質されたホエイ蛋白質は、走査型プローブ顕微鏡によって観察した場合に、その改質ホエイ蛋白質粒子表面に微細な突起物が観察される。好ましい実施の態様において、この微細な突起の数は、5μm×5μmの範囲の粒子表面に、100〜100,000個の範囲で存在する。また、好ましい実施の態様において、この微細な突起の直径は、10〜200nmの範囲にもある。さらに、好ましい実施の態様において、この微細な突起の高さ(最大部)は、10〜500nmの範囲にもある。この微細な突起は、食品製造時の加熱殺菌工程を想定したホエイ蛋白質の変性温度を超える温度での再加熱を行っても、改質ホエイ蛋白質が凝集、ゲル化、沈殿等を引き起こさず、食感が良好(ざらつき、粉っぽさ、不快な濃厚感が感じられない等)であるという性質に寄与しているものと推察される。
次に実施例を示して本発明を更に詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
〔実施例1〕
(製造方法)
ホエイ蛋白質としてWPC35(独、ミライ社製。商品名:ミライ35)及びWPC60(独、ミライ社製。商品名:ミライ60)を一対一の割合で混合したもの(以降、これを「WPC50相当」と記載することがある)を常温水に溶解して、固形分濃度が12.5質量%(ホエイ蛋白質として10質量%)のホエイ蛋白質溶液を調製した。次いで、当該ホエイ蛋白質溶液を剪断装置「フィルミックスFM-80-50」に投入した。剪断装置の剪断速度を25,000s−1に設定して剪断を開始し、ホエイ蛋白質溶液の温度が85℃に達するまで予備加熱を行い(昇温工程)、85℃に到達してから1分間保持した後、剪断を終了した。剪断終了後は、撹拌槽の外側に設置されたジャケット内にチルド水を通液し、撹拌槽を冷却した後、剪断装置からホエイ蛋白質溶液を回収した。なお、前記剪断処理工程における85℃での保持時間は0.1秒(加熱保持工程)であった。
そこで、当該剪断処理を実施したホエイ蛋白質について85℃で10分間加熱処理を行い、平均粒子径測定と官能評価からなる加熱テストを行った結果、ホエイ蛋白質の平均粒子径が1.21μmであり、ざらつき感の感じられない良好な食感を有することが判明し、ホエイ蛋白質の熱安定性が向上していることが確認された。
なお、剪断処理を終了した時点でホエイ蛋白質溶液におけるホエイ蛋白質の平均粒子径を測定したところ、0.89μmであることが確認された。
〔実施例2〕
実施例1と同様の方法で得られたホエイ蛋白質改質品を配合したコーンスープを表2に記載の配合割合で製造した。なお、ホエイ蛋白質改質品は、WPC80(独、ミライ社製。商品名:ミライ80)を本発明の改質方法に基づいて改質し、さらに噴霧乾燥したもの(改質WPC80噴霧乾燥品(固形分97%))である。
(製造方法)
はじめにバターを溶解水に投入して、50℃に加温した。これに、改質WPC80噴霧乾燥品、及びその他の原料である脱脂粉乳、コーンピューレ、チキンエキス、野菜エキス、食塩、及びグリセリン脂肪酸エステルを投入した。原料を投入した後、ホモミキサー(プライミクス社製)で8000rpm、3分の条件で分散溶解した。さらに、110℃、2秒の加熱殺菌を行った。
その後、ホモジナイザー(三丸機械工業社製)で、12MPaの条件で均質化し、10℃に冷却して、コーンスープを製造した。
製造したコーンスープは、凝集やゲル等の発生がなく、外観、風味がいずれも良好であった。
〔実施例3〕
実施例1と同様の方法で得られたホエイ蛋白質改質品を配合したアイスクリームを表3に記載の配合割合で製造した。なお、ホエイ蛋白質改質品は、WPC35(独、ミライ社製。商品名:ミライ35)を本発明の改質方法に基づいて改質し、さらに噴霧乾燥したもの(改質WPC35噴霧乾燥品(固形分97%))である。
(製造方法)
50℃に加温した溶解水に、改質WPC35噴霧乾燥品(固形分97%)、及び加糖脱脂練乳、無塩バター、グラニュー糖、粉飴、グリセリン脂肪酸エステル、グアーガム、カラギナンを添加し、ホモミキサー(プライミクス社製)にて8000rpm、2分の条件で分散溶解した。
次いで、ホモジナイザー(三丸機械工業社製)で12MPaの条件で均質し、85℃、10秒間の条件で殺菌した後、10℃に冷却してアイスクリームミックスを調製した。
調製したアイスクリームミックスは、アイスクリームフリーザー(カルピジャーニ(CARPIGIANI)社製L12/C)を用いてフリージングし、オーバーラン30%になるように調整してアイスクリームを製造した。
製造したアイスクリームは、組織が滑らかでざらつき等が感じられず、風味は良好であった。
次に試験例を示して本発明を詳細に説明する。
〔試験例1〕
本試験は、本発明の方法によって改質されたホエイ蛋白質と、従来の方法で剪断処理されたホエイ蛋白質について、加熱テスト後の平均粒子径と官能評価を検討するために行った。
(1)試料の調製
実施例1と同様の方法で調製した改質ホエイ蛋白質(改質WPC50相当)を試験試料1とした。
前記特許文献6(特許第3798249号公報)に記載された剪断処理が実施されたホエイ蛋白質である「シンプレス100(Simplesse 100)」(CPケルコ社製:ホエイ蛋白質含有量約50%)を対照試料1とした。
さらに、特表2003−535609号公報に記載された方法により処理されたホエイ蛋白質を対照試料2とした。対照試料2の調製方法は次のとおりである。すなわち、シンプレス100(対照試料1)を常温水に溶解して20質量%溶液を調製し、調製した溶液を、T.K.ホモミキサー・マークII(プライミクス社製)を使用して剪断速度10,000s−1で剪断しながら、77℃で加熱処理し、30分間保持した。加熱処理後、常温まで冷却した後、ホモジナイザー(APV社)を用いて50MPaの単段にて3回均質化処理を実施して対照試料2を調製した。
なお、改質処理を一切実施していないホエイ蛋白質(実施例1にて使用したWPC50相当)を陰性試料1とした。
尚、対照試料1及び2で使用するシンプレス100の成分組成は、WPC50相当と同様のホエイ蛋白質含有量であり、試験試料1の成分とほぼ同様である。
(2)試験方法
各試料について、加熱テスト(官能評価試験と平均粒子径の測定試験)を実施した。
すなわち、官能評価試験は、5〜10名程度のパネラーにより、各試料を固形分として12.5質量%となるように溶解して試料溶液を調製し、調製した試料溶液を85℃で10分間加熱処理を行い、その後、食感(ざらつき、粉っぽさ、濃厚感等)及び外観(ゲル化、凝集等)について、それぞれ最高の評価を3点、最低の評価を0点とする1点刻みの点数を付け、パネラーの平均点を算出する。算出した平均点Aが2<A≦3を「良」、1<A≦2を「やや良」、0≦A≦1を「不良」として評価した。
また、平均粒子径の測定試験は、前記加熱処理後の試料溶液について、レーザー回折式粒度分布測定装置(堀場製作所製、商品名:LA−500)を使用して、循環流量2、攪拌速度2の条件で測定した時の平均粒子径(粒度累積分布の50%に相当する粒子径)の値を測定することによって行った。
(3)試験結果
本試験の結果は表4に示すとおりである。表4は、加熱テストによる各試料の平均粒子径と官能評価を示すものである。
その結果、本発明の方法で改質されたホエイ蛋白質である試験試料1は、加熱テスト(85℃、10分の加熱処理)の結果、風味、外観等の官能評価は良であった。また、平均粒子径は、1.21μmであり、風味や外観に良好な効果を及ぼす微細な粒子径を維持していることが判明した。その結果、試験試料1の熱安定性は良と判定された。
しかしながら、対照試料1や対照試料2においては、平均粒子径が加熱テスト後に試験試料1に比して増大(対照試料1:94.02μm、対照試料2:15.03μm)し、官能評価においても、凝集が発生し、濃厚感も感じられたため、評価は不良であった。その結果、対照試料1および対照試料2のいずれも熱安定性総合評価は不良(×)と判定された。
なお、陰性試料1は、加熱テストによってホエイ蛋白質のゲル化が生じ、平均粒子径は測定不能であり、官能評価も不良であった。
(4)考察
なお、試験試料1については、改質処理した溶液を、NIROドライヤー(NIRO社製)を用いて噴霧乾燥した。得られた噴霧乾燥品を固形分として12.5質量%溶液に調製して、加熱テストを実施したところ、平均粒子径はほとんど変化せず、官能評価も良の評価が得られた。よって、本試験例の設定条件であれば、減圧濃縮、噴霧乾燥による熱安定性への影響(変化)は生じないことが確認された。
〔試験例2〕
本試験は、ホエイ蛋白質濃度が異なるホエイ蛋白質原料について、実施例1に記載の剪断加熱処理した際の熱安定性を確認するために行った。
(1)試料の調製
実施例1と同様の方法で調製した改質ホエイ蛋白質(改質WPC50相当)を試験試料1とした。
また、ホエイ蛋白質原料にWPC80(ホエイ蛋白質含量:80質量%)を使用して実施例1と同様に調製した改質ホエイ蛋白質を試験試料2とし、ホエイ蛋白質原料にWPC35(ホエイ蛋白質含量:35質量%)を使用して実施例1と同様に調製した改質ホエイ蛋白質を試験試料3としてそれぞれ調製した。
(2)試験方法
各試料は、試験例1と同様の加熱テストを行った。
(3)試験結果
本試験の結果は表5に示すとおりである。表5は、加熱テストによる各試料の平均粒子径と官能評価を示すものである。
その結果、ホエイ蛋白質原料(粉末)において、ホエイ蛋白質含量が35質量%、50質量%、80質量%のいずれであっても、本発明による改質方法によって、風味や外観に良好な効果を及ぼす微細な粒子径を維持し、官能評価も全て良好であり、熱安定性が向上(熱安定性:良)することが判明した。
〔試験例3〕
本試験は、ホエイ蛋白質を加熱剪断処理する際の蛋白質濃度を検討するために行った。
(1)試料の調製
試料として、ホエイ蛋白質原料で蛋白質含量の高いWPC80(独、ミライ社製)を使用した。
(2)試験方法
加熱剪断処理を行う際のホエイ蛋白質溶液の濃度を、蛋白質含量として5質量%から20質量%の範囲に調製した試料を使用して、実施例1において、剪断速度を25,000s−1とし、本加熱工程における加熱温度を85℃、加熱保持時間を30秒に設定したこと以外は同様の方法に基づいて改質ホエイ蛋白質を調製し、それぞれ試験例1と同様の加熱テストを行った。
(3)試験結果
本試験の結果は表6に示すとおりである。表6は、加熱テストによる各試料の平均粒子径と官能評価を示すものである。
その結果、ホエイ蛋白質の蛋白質含量が5質量%〜18質量%の場合、加熱テストの結果、平均粒子径に大きな変化はなく、いずれも風味や外観に良好な効果を及ぼす微細な粒径を維持しており、風味も良好であり、熱安定性総合評価は良好と判定された。
これに対し、蛋白質含量が20質量%の場合、改質工程終了直後において、ホエイ蛋白質はゲル化し、加熱テスト後の平均粒子径は測定できず、官能評価も不良の結果となった。
〔試験例4〕
本試験は、ホエイ蛋白質の加熱剪断処理工程における剪断速度を検討するために行った。
(1)試料の調製
試料として、ホエイ蛋白質原料で蛋白質含量の高いWPC80(独、ミライ社製)を使用した。
(2)試験方法
実施例1に記載の改質方法において、剪断速度を3,000s−1〜25,000s−1の条件で実施した以外は同様の方法に基づいて改質ホエイ蛋白質を調製し、それぞれ試験例1と同様の加熱テストを行った。
(3)試験結果
本試験の結果は表7に示すとおりである。表7は、加熱テストによる各試料の平均粒子径と官能評価を示すものである。
剪断速度を5,000s−1〜25,000s−1の範囲にした場合は、加熱テストにおいても平均粒子径の大きな変化はなく、いずれも風味や外観に良好な効果を及ぼす微細な粒径を維持しており、風味も良好であった。しかし、剪断速度を3,000s−1に設定した条件においては剪断直後においてゲル化を生じ、加熱テスト後の平均粒子径は測定できず、官能評価も不良の結果となった。
従って、剪断速度については、5,000s−1〜25,000s−1であることが好ましく、剪断熱のみで加熱できることから10,000s−1〜25,000s−1であることがさらに好ましい。
〔試験例5〕
本試験は、ホエイ蛋白質の加熱剪断処理工程における加熱保持温度と保持時間を検討するために行った。
(1)試料の調製
試料として、ホエイ蛋白質原料に蛋白質含量の高いWPC80(独、ミライ社製)を使用した。
(2)試験方法
実施例1に記載の改質方法において、剪断速度を15,000s−1とし、さらに本加熱工程における加熱温度を74〜120℃とし、加熱保持時間を0.1〜3600秒(60分)として実施した以外は同様の方法に基づいて改質ホエイ蛋白質を調製し、それぞれ試験例1と同様の加熱テストを行った。
(3)試験結果
本試験の結果は表8に示すとおりである。表8は、加熱テストによる各試料の平均粒子径と官能評価を示すものである。
その結果、加熱温度85℃、加熱保持時間0.1秒の設定において、加熱テストの結果は、平均粒子径に大きな変化はなく、風味も良好であることから、熱安定性総合評価は良好と判定された。また、加熱温度が95℃、110℃及び120℃のときは、加熱保持時間が0.1秒の場合においていずれも加熱テストの結果は良好であった。
よって、設定温度が85℃以上の場合であれば、加熱保持時間が0.1秒であっても、本改質方法を適用することができる。
続いて、加熱温度を80℃、加熱時間を60秒にしたときの加熱テストの結果は平均粒子径、風味共に良好であった。しかし、加熱温度80℃、加熱時間0.1秒に短縮すると、加熱テストの官能評価の結果において凝集が発生した。よって、加熱時間を80℃に設定した場合は、少なくとも60秒以上の加熱であれば本改質方法を適用できる。
また、加熱温度を76℃にした場合は、加熱保持時間が480秒では、加熱テストの結果が平均粒子径、風味共に良好であった。しかし、加熱保持時間420秒のときは、加熱テスト後において平均粒子径の増大がみられ、官能評価も不良であった。
最後に、設定温度74℃、加熱時間3600秒(60分)の条件において、加熱テストによりホエイ蛋白質がゲル化し、官能評価においても不良の結果となった。
これらの結果より、本発明の改質方法における本加熱の加熱温度及び加熱保持時間は、76〜120℃の任意の設定温度に昇温し、その設定温度にて8分〜0.1秒の処理をすることが好ましい。中でも、短時間で効率的に処理するには、ホエイ蛋白質溶液を85〜120℃に昇温し、0.1秒保持することが好ましい。
〔試験例6〕
本試験は、本発明の改質方法による改質ホエイ蛋白質の乾燥品と、従来のホエイ蛋白質の乾燥品との粒子表面の形状を比較検討するために行った。
(1)試料の調製
実施例1と同様の方法で調製した改質ホエイ蛋白質溶液(改質WPC50相当)の乾燥品を試験試料1とした。
また、シンプレス100(Simplesse 100、CPケルコ社製:ホエイ蛋白質含有量約50%)の粉末を対照試料1とした。
そして、実施例1に記載されたホエイ蛋白質粉末混合品(ホエイ蛋白質含有量約50%)を固形分として6質量%に溶解したものに85℃、360秒の加熱処理を行い、次いで高圧ホモジナイザー(APV社製)を用いて100MPaで均質処理し、これを噴霧乾燥したものを対照試料2とした。
(2)試験方法
走査型プローブ顕微鏡を用いて各試料を観察した。以下に測定方法の条件を示す。
使用機器 :SFT−3500(商品名:島津製作所製)
動作モード :ダイナミックモード
カンチレバー:OMCL−AC240TS
走査範囲 :5μm×5μm
(3)試験結果
本試験では測定エリアを5μm×5μmとした。得られた画像を図2(試験試料1)および図3(対照試料1および対照試料2)に示す。
図2から明らかなように、画像から確認される試験試料1の粒子表面には、直径200nm以下、高さ500nm以下の微細な突起物が約150個観察された。一方、図3から明らかなように、対照試料1、対照試料2では、試験試料1で確認された微細な突起物は観察されず、粒子表面の形状が本発明の改質ホエイ蛋白質と異なることが示された。
なお、本発明の改質ホエー蛋白質の粒子表面に確認された微細な突起は、食品製造時の加熱殺菌工程を想定したホエイ蛋白質の変性温度を超える温度での再加熱を行っても、改質ホエイ蛋白質が凝集、ゲル化、沈殿等を引き起こさず、食感(ざらつき、粉っぽさ、濃厚感など)が良好であるという性質に寄与しているものと推察される。
本発明の改質方法によって改質されたホエイ蛋白質は、従来のホエイ蛋白質と比較して顕著に熱安定性が向上したものであり、高温殺菌等による粘度上昇、ゲル化、蛋白凝集等を防止できるため、熱処理工程を含む様々な飲食品、化粧品等の原料として好適に使用することができる。本発明の改質ホエイ蛋白質はそのまま液体として使用することができるが、必要に応じて濃縮して濃縮液を得ることもでき、さらには濃縮液を乾燥し、粉末を得ることもできるため、長距離輸送や長期保存にも対応することが可能である。
図1は本発明で用いる剪断装置の一例の断面の模式図である。 図2は本発明による改質ホエイ蛋白質粒子表面の走査型プローブ顕微鏡画像を示す図である。 図3は対照試料であるホエイ蛋白質粒子表面の走査型プローブ顕微鏡画像を示す図である。
符号の説明
1. 剪断装置
2. 固定攪拌槽
3. 回転羽根
3a. 回転羽根の回転軸
3b. 回転羽根の多孔円筒部
3c. 回転羽根のアーム
4. 供給管
5. 供給管

Claims (8)

  1. 以下の1)、2A)の工程:
    1)ホエイ蛋白質からpH5.5〜7.0のホエイ蛋白質溶液を調製する工程、
    2A)ホエイ蛋白質溶液を、薄膜円筒状に旋回して流れるホエイ蛋白質溶液へ、連続的に接触混合しながら、連続的に接触混合されて薄膜円筒状に旋回して流れるホエイ蛋白質溶液を、76〜120℃の範囲にある温度で、剪断速度5,000s‐1〜25,000s‐1で8分〜0.1秒間剪断する工程
    を含む、ホエイ蛋白質を改質して、改質ホエイ蛋白質を製造する方法。
  2. 接触混合が、
    円筒状の固定攪拌槽内に回転軸を同心に設け、固定攪拌槽より僅かに小径の回転羽根を該回転軸に取り付けられた装置であって、前記回転羽根が、円筒体に半径方向の小孔を多数貫通して設けた多孔円筒部を外周側に備えた装置を使用して、
    多孔円筒部内部に導入されたホエイ蛋白質溶液が多孔円筒部の小孔を通じて、回転羽根の高速回転により固定攪拌槽と多孔円筒部の間を薄膜円筒状に旋回して流れるホエイ蛋白質溶液へと、接触混合することによって行われる、請求項1に記載の方法。
  3. 剪断が、
    円筒状の固定攪拌槽内に回転軸を同心に設け、固定攪拌槽より僅かに小径の回転羽根を該回転軸に取り付けられた装置であって、前記回転羽根が、円筒体に半径方向の小孔を多数貫通して設けた多孔円筒部を外周側に備えた装置を使用して、
    回転羽根の高速回転により、ホエイ蛋白質溶液を、回転羽根の高速回転により固定攪拌槽と多孔円筒部の間を薄膜円筒状に旋回して流しながら剪断することによって行われる、請求項1〜2の何れかに記載の方法。
  4. ホエイ蛋白質溶液が、ホエイ蛋白質の5〜18質量%溶液である、請求項1〜3の何れかに記載の方法。
  5. ホエイ蛋白質の改質が、加熱処理した後の風味及び/又は外観を、改質前と比較して維持及び/又は向上させることである、請求項1〜4の何れかに記載の方法。
  6. 85℃、10分間加熱処理後の平均粒子径が0.3〜13.8μmである、請求項1〜5の何れかに記載の方法で製造された、改質ホエイ蛋白質。
  7. 以下の1)、2A)の工程:
    1)ホエイ蛋白質からpH5.5〜7.0のホエイ蛋白質溶液を調製する工程、
    2A)ホエイ蛋白質溶液を、薄膜円筒状に旋回して流れるホエイ蛋白質溶液へ、連続的に接触混合しながら、連続的に接触混合されて薄膜円筒状に旋回して流れるホエイ蛋白質溶液を、76〜120℃の範囲にある温度で、剪断速度5,000s‐1〜25,000s‐1で8分〜0.1秒間剪断する工程
    を含む、ホエイ蛋白質の熱安定性を向上する方法。
  8. 請求項7に記載の方法によって、熱安定性が向上した、熱安定性改質ホエイ蛋白質を製造する方法。
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