JP4429613B2 - 濃縮ボルドー液の製造方法および濃縮ボルドー液組成物 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は濃縮ボルドー液組成物及びその製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】
ボルドー液は古くから殺菌剤としてカンキツ、ウメのかいよう病、リンゴの斑点落葉病、モモのせん孔細菌病等に使用されている。しかしながら、従来のボルドー液は生石灰と水との反応により消石灰を作り、次いで硫酸銅を反応させて製造していたが、反応がうまくいかない問題があり、かつ、製造したボルドー液は希薄な散布液そのものであり、散布する場所まで大量のボルドー液を運ばなくてはならないという問題があった。
【0003】
これらの問題を解決するために、例えば、特開平2−279610号公報には分散剤として、カルボキシル基含有ビニル化合物とその他のビニル化合物との共重合物、あるいはこれらの重合物の塩を添加した濃縮ボルドーが記載されている。また、特開平2−279612号公報には、ナフタレンスルホン酸あるいはアルキルナフタレンスルホン酸、またはこれらのホルマリン縮合物のうち、いずれかの塩を添加した濃縮ボルドー液が記載されている。更に、特開2000−26222号公報および2000−26223号公報には、平均粒子径7.5μm以下で比表面積20m2/g以上の消石灰微粉末または水との混合物と硫酸銅溶液とを反応させる方法が記載されている。更に、特開2002−293707号公報にはスチリルフェニルエーテル系界面活性剤とアニオン界面活性剤を併用した製造法および濃縮ボルドーが記載されている。
【0004】
しかしながら、これらの手法で濃縮ボルドー液を調製した場合、消石灰と硫酸銅の反応に多くの時間を要し、又、反応が完結していないと、長期保存において製剤が固化する等の問題が生ずる場合もあり、再現性良く物性の良い濃縮ボルドー液を調製することが困難であった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、かかる事情に鑑み、汎用の消石灰と硫酸銅の反応を短時間で完結させることにより品質を安定化させ、製造工程及び使用場面での取り扱いを良くした、物性の良い濃縮ボルドー液を提供することを課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、1)消石灰粉末あるいは消石灰スラリーと硫酸銅水溶液とを、ポリアクリル酸系および/またはポリメタクリル酸系界面活性剤を添加して反応(工程1)を完結させた後、アニオン系界面活性剤を添加混合(工程2)することを特徴とする濃縮ボルドー液組成物の製造方法を提供する。
また、本発明は、2)消石灰粉末あるいは消石灰スラリーと硫酸銅水溶液とを、ポリアクリル酸系および/またはポリメタクリル酸系界面活性剤を添加して反応を完結させた後、アニオン系界面活性剤を添加して混合ないし湿式粉砕することにより製造されたことを特徴とする濃縮ボルドー液組成物を提供する。
更に、本発明は、3)ポリアクリル酸系および/またポリメタクリル酸系界面活性剤が、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、アクリル酸もしくはメタクリル酸とスルフォン酸系モノマーの共重合体、アクリル酸と含リンアクリル酸系モノマーもしくは含リンメタクリル酸系モノマーとの共重合体、アクリル酸もしくはメタクリル酸とメタクリル酸メトキシポリエチレングリコールとの共重合体の金属塩およびアンモニウム塩・アミン塩の1種または2種類以上の組み合わせからなる前記1)記載の濃縮ボルドー液組成物の製造法を提供する。
加えて、本発明は、4)アニオン系界面活性剤が、ナフタレンスルホン酸ナトリウムのホルムアルデヒド縮合物、アルキルナフタレンスルホン酸ナトリウムのホルムアルデヒド縮合物、ポリカルボン酸ナトリウム、フェノールスルホン酸ナトリウムのホルムアルデヒド縮合物、リグニンスルホン酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、ジオクチルスルホサクシネートナトリウム、高級アルコールの硫酸エステルナトリウムおよびポリスチレンスルホン酸ナトリウムから選ばれる1種または2種以上である前記1)記載の濃縮ボルドー液組成物の製造法を提供する。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明において、(工程1)で添加する界面活性剤はポリアクリル酸系界面活性剤が好ましいが、消石灰のスラリーのハードケーキ化を抑制するために、反応を遅延させない範囲で、アニオン系界面活性剤の併用も可能である。
【0008】
本発明において、(工程2)で添加する界面活性剤は、濃縮ボルドー液の取り扱い性を良くするために、より製剤の粘度を引き下げるアニオン系界面活性剤を使用するが、スチリルフェニルエーテル系などのノニオン系界面活性剤との併用も可能である。
【0009】
本発明により、長期保存においてハードケーキング等の製剤物性劣化を生じず、製剤粘度を低くすることにより、製造工程及び使用場面において取り扱い易い濃縮ボルドー液を提供することができる。
【0010】
本発明においては、消石灰と硫酸銅の混合割合は任意に変えることができ、一般に使用される4−8式、6−6式、4−12式ボルドーに適用することができる。
【0011】
本発明で使用される消石灰粉末は、特に粒子径や比表面積に制約はなく、例えば、平均粒子径が7.5μmより大きく、比表面積が20m2/gよりも小さい汎用のもので良い。
【0012】
本発明の(工程1)で用いられるポリアクリル酸系および/またはポリメタクリル酸系界面活性剤は、平均分子量2000〜10000、例えば、4000〜8000、更に具体的には約6000のポリアクリル酸のナトリウムやカリウム等の金属塩、アンモニウム塩、アミン塩およびアクリル酸および/またはメタクリル酸とスルフィン酸系モノマーの共重合体、アクリル酸および/またはメタクリル酸とフォスフィン酸系モノマーとの共重合体、アクリル酸および/またはメタクリル酸と無水マレイン酸との共重合体、アクリル酸および/またはメタクリル酸とメタクリル酸メトキシポリエチレングリコールとの共重合体から選ばれる1種または2種以上の組み合わせである。(工程1)でのアニオン系界面活性剤の使用は消石灰と硫酸銅の反応を遅くするが、濃縮ボルドー液の固形成分を高含量にするために、消石灰のスラリーのハードケーキ化を抑制する必要があるため、反応を遅延させない範囲で、アニオン系界面活性剤の併用も可能である。
【0013】
本発明の(工程2)で用いられるアニオン系界面活性剤は、ナフタレンスルホン酸ナトリウムのホルムアルデヒド縮合物、アルキルナフタレンスルホン酸ナトリウムのホルムアルデヒド縮合物、ポリカルボン酸ナトリウム、フェノールスルホン酸ナトリウムのホルムアルデヒド縮合物、リグニンスルホン酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、ジオクチルスルホサクシネートナトリウム、高級アルコールの硫酸エステルナトリウムおよびポリスチレンスルホン酸ナトリウムから選ばれる1種または2種以上の組み合わせである。
【0014】
本発明においては、凍結防止剤としてメタノール、エタノール、イソプロパノール、グリセリン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、プルロニック等の1種または2種以上を、(工程1)あるいは(工程2)の段階で更に添加することもできる。また、(工程2)で、スチリルフェニルエーテル系やアルキルフェニルエーテル系ノニオン界面活性剤のリン酸エステルを用いると、凍結防止効果を付与することができる。
【0015】
本発明において、製剤の相分離を防ぐ目的で、ポリビニルアルコール、カルボキシメチルセルロース、キサンタンガム、ベントナイト等の1種または2種以上を(工程2)の段階で更に添加することもできる。
【0016】
本発明において、(工程1)において消石灰と硫酸銅とを反応させた後、製剤中での分散性を良くする目的で、ビーズミル等による湿式粉砕により固形成分を微粒子化してもよい。
【0017】
本発明において、(工程1)で50℃以上に加熱した水に硫酸銅を溶解した硫酸銅溶液を用いることにより、濃縮ボルドー液の固形成分を高含量にすることができる。
【0018】
本発明において使用される各成分の量は特に制限されるものではないが、消石灰は好ましくは1〜40重量%、硫酸銅は好ましくは1〜20重量%である。(工程1)で添加するポリアクリル酸系および/またはポリメタクリル酸系界面活性剤は0.01〜10重量%、好ましくは0.1〜5重量%、(工程2)で添加するアニオン系界面活性剤は0.01〜10重量%、好ましくは0.1〜5重量%、また、凍結防止剤を20重量%以下、好ましくは10重量%以下加えても良く、さらに相分離防止剤を20重量%以下、好ましくは10重量%以下添加しても良い。
(工程1)の反応温度は20〜50℃、好ましくは35〜45℃である。熟成時間は反応温度によって決まるが、30分から10時間、好ましくは1〜5時間である。(工程2)で加えるアニオン系界面活性剤は湿式粉砕の前に一度に加えても良いが、粉砕前と粉砕後に分割して加えるのが好ましい。分割の割合は0.01/1から1/0.01、好ましくは0.1/1から1/0.1である。
【0019】
本発明の濃縮ボルドー液は、例えば次のようにして製造する。
平均粒子径が約8μmで比表面積が約10m2/gの消石灰微粉末とポリアクリル酸系および/またはポリメタクリル酸系界面活性剤を水に分散・溶解させ、水温50℃の水に溶かした硫酸銅を20〜40分かけて約40℃に維持するように徐々に加える。さらに、35〜40℃で混合及び剪断による微粉砕を行ないながら、消石灰と硫酸銅の反応を完結させる。反応完結品にアニオン系界面活性剤を添加し、攪拌混合後、湿式粉砕を行ない濃縮ボルドー液を製造する。
【0020】
【実施例】
以下に実施例をあげて本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれに何ら制限されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、各成分の種類及びその配合割合を自由に変更することが可能である。
【0021】
実施例1
消石灰粉末(平均粒径:7.8μm、比表面積:8.4m2/g)231gとポリアクリル酸ナトリウム(RDI−09901、日本乳化剤(株)製)10gを水道水224mlによく分散・溶解した溶液に、アンカー翼の付いたスリーワンモーター(TYPE HEIDON製、型式1200G)で攪拌しながら、硫酸銅5水塩175gを45℃の温水350mlに溶解させた溶液を、約20分かけて徐々に加え、さらに約37℃で2時間熟成してボルドー液を得る。次に、ナフタレンスルホン酸ナトリウムホルマリン縮合物(TPP−12809、日本乳化剤(株)製)を10g添加し、更にビーズミルを用いて1,910rpmで1分間処理することにより、固形分濃度約35%の6−6式濃縮ボルドー液約1kgを製造した。
【0022】
実施例2
消石灰粉末(平均粒径:7.8μm、比表面積:8.4m2/g)346.5gとポリアクリル酸ナトリウム(RDI−09901、日本乳化剤(株)製)10gを水道水371mlによく分散・溶解した溶液に、アンカー翼の付いたスリーワンモーター(TYPE HEIDON製、型式1200G)で攪拌しながら、硫酸銅5水塩87.5gを45℃の温水175mlに溶解させた溶液を、約20分かけて約40℃を維持しながら徐々に加え、さらに約37℃で2時間熟成し、ボルドー液を得る。次に、ナフタレンスルホン酸ナトリウムホルマリン縮合物(TPP−12809、日本乳化剤(株)製)を10g添加し、更にビーズミルを用いて8,000rpmで1分間処理することにより、固形分濃度約35%の4−12式濃縮ボルドー液約1kgを製造した。
【0023】
実施例3
消石灰粉末(平均粒径:7.8μm、比表面積:8.4m2/g)231gとポリアクリル酸ナトリウム(RDI−09901、日本乳化剤(株)製)10gを水道水224mlによく分散・溶解した溶液に、アンカー翼の付いたスリーワンモーター(TYPE HEIDON製、型式1200G)で攪拌しながら、硫酸銅5水塩175gを45℃の温水350mlに溶解させた溶液を、約20分かけて約40℃を維持しながら徐々に加え、さらに約37℃で2時間熟成しボルドー液を得る。次に、ナフタレンスルホン酸ナトリウムホルマリン縮合物(TPP−12809、日本乳化剤(株)製)を2.5g添加して流動性を増し、ビーズミルを用いて1,910rpmで1分間処理した後、さらにナフタレンスルホン酸ナトリウムホルマリン縮合物(RDI−11902、日本乳化剤(株)製)5.5gを添加・混合することにより、固形分濃度約35%の6−6式濃縮ボルドー液約1kgを製造した。
【0024】
実施例4
消石灰粉末(平均粒径:7.8μm、比表面積:8.4m2/g)346.5gとポリアクリル酸ナトリウム(RDI−09901、日本乳化剤(株)製)10gを水道水371mlによく分散・溶解した溶液に、アンカー翼の付いたスリーワンモーター(TYPE HEIDON製、型式1200G)で攪拌しながら、硫酸銅5水塩87.5gを45℃の温水175mlに溶解させた溶液を、約20分かけて約40℃を維持しながら徐々に加え、さらに約37℃で2時間熟成し、ボルドー液を得る。次に、ナフタレンスルホン酸ナトリウムホルマリン縮合物(TPP−12809、日本乳化剤(株)製)2.5gを添加して流動性を増し、更にビーズミルを用いて8,000rpmで1分間処理し、さらにナフタレンスルホン酸ナトリウムホルマリン縮合物(RDI−11902、日本乳化剤(株)製)5.5gを添加・混合することにより、固形分濃度約35%の4−12式濃縮ボルドー液約1kgを製造した。
【0025】
実施例5
消石灰粉末(平均粒径:7.8μm、比表面積:8.4m2/g)231gとメタクリル酸とメタクリル酸メトキシポリエチレングリコールとの共重合体(RDI−01001、日本乳化剤(株)製)10gを水道水224mlによく分散・溶解した溶液に、アンカー翼の付いたスリーワンモーター(TYPE HEIDON製、型式1200G)で攪拌しながら、硫酸銅5水塩175gを45℃の温水350mlに溶解させた溶液を、約20分かけて約40℃を維持しながら徐々に加え、さらに約37℃で2時間熟成しボルドー液を得る。次に、ナフタレンスルホン酸ナトリウムホルマリン縮合物(TPP−12809、日本乳化剤(株)製)を2.5g添加して流動性を増し、ビーズミルを用いて1,910rpmで1分間処理した後、さらにナフタレンスルホン酸ナトリウムホルマリン縮合物(RDI−11902、日本乳化剤(株)製)5.5gを添加・混合することにより、固形分濃度約35%の6−6式濃縮ボルドー液約1kgを製造した。
【0026】
実施例6
消石灰粉末(平均粒径:7.8μm、比表面積:8.4m2/g)231gとメタクリル酸とメタクリル酸メトキシポリエチレングリコールとの共重合体(RDI−01001、日本乳化剤(株)製)10gを水道水371mlによく分散・溶解した溶液に、アンカー翼の付いたスリーワンモーター(TYPE HEIDON製、型式1200G)で攪拌しながら、硫酸銅5水塩87.5gを45℃の温水175mlに溶解させた溶液を、約20分かけて約40℃を維持しながら徐々に加え、さらに約37℃で2時間熟成し、ボルドー液を得る。次に、ナフタレンスルホン酸ナトリウムホルマリン縮合物(TPP−12809、日本乳化剤(株)製)2.5gを添加して流動性を増し、更にビーズミルを用いて8,000rpmで1分間処理し、さらにナフタレンスルホン酸ナトリウムホルマリン縮合物(RDI−11902、日本乳化剤(株)製)5.5gを添加・混合することにより、固形分濃度約35%の4−12式濃縮ボルドー液約1kgを製造した。
【0027】
比較例1
消石灰粉末(平均粒径:7.8μm、比表面積:8.4m2/g)231gとポリアクリル酸ナトリウム(RDI−09901、日本乳化剤(株)製)10gを水道水224mlによく分散・溶解した溶液に、アンカー翼の付いたスリーワンモーター(TYPE HEIDON製、型式1200G)で攪拌しながら、硫酸銅5水塩175gを45℃の温水350mlに溶解させた溶液を、約20分かけて徐々に加え、さらに約37℃で2時間熟成してボルドー液を得る。次に、このボルドー液をみづほ式真空乳化装置(みづほ工業(株)製、型式PVQ−3)のホモジナイザーを用い、10,000rpmで5分間解砕混合したところ、ホイップクリーム状になり、6−6式濃縮ボルドー液を製造することができなかった。
【0028】
比較例2
消石灰粉末(平均粒径:7.8μm、比表面積:8.4m2/g)198gとアルキルナフタレンスルホン酸ナトリウムのホルムアルデヒド縮合物(TPP−12809、日本乳化剤(株)製)10gをヒスコトロン型式NS−60(日音理科器械製作所(株)製)で水道水230gに分散・溶解させた溶液に、アンカー翼の付いたスリーワンモーター(TYPE HEIDON製、型式1200G)で攪拌しながら、硫酸銅5水塩150gを50℃の温水402mlに溶解させた溶液を約20分かけて徐々に加え、スラリーの青色が濃くなりほとんど変化しなくなるまで、6時間混合して、ボルドー液を得る。次に、ナフタレンスルホン酸ナトリウムホルマリン縮合物(TPP−12809、日本乳化剤(株)製)を10g添加し、更にビーズミルを用いて1,910rpmで1分間処理することにより、固形分濃度約35%の6−6式濃縮ボルドー液約1kgを製造した。
【0029】
比較例3
消石灰粉末198gとポリオキシエチレンが付加したスチリルフェニルエーテルリン酸エステルナトリウム塩5gをヒスコトロン型式NS−60(日音理科器械製作所(株)製)で水道水230gに分散・溶解させた溶液に、アンカー翼の付いたスリーワンモーター(TYPE HEIDON製、型式1200G)で攪拌しながら、硫酸銅5水塩150gを50℃の温水407mlに溶解させた溶液を約20分かけて徐々に加えた。次いでみづほ式真空乳化装置(みづほ工業(株)製、型式PVQ−3)のホモジナイザーを用い、10,000rpmで1分間解砕混合し、40℃で30分間保った。その後、ポリオキシエチレンが付加したスチリルフェニルエーテルリン酸エステルナトリウム塩10gを加え、みづほ式真空乳化装置(みづほ工業(株)製、型式PVQ−3)のホモジナイザーを用い、10,000rpmで5分間解砕混合したところ、ホイップクリーム状になり、6−6式濃縮ボルドー液を製造することができなかった。
【0030】
比較例4
消石灰粉末317gとポリオキシエチレンが付加したスチリルフェニルエーテルリン酸エステルナトリウム塩5gをヒスコトロン型式NS−60(日音理科器械製作所(株)製)で水道水330gに分散・溶解させた溶液に、アンカー翼の付いたスリーワンモーター(TYPE HEIDON製、型式1200G)で攪拌しながら、硫酸銅5水塩80gを50℃の温水258gに溶解させた溶液を約20分かけて徐々に加えた。次いでみづほ式真空乳化装置(みづほ工業(株)製、型式PVQ−3)のホモジナイザーを用い、10,000rpmで1分間解砕混合し、40℃で30分間保った。その後、ポリオキシエチレンが付加したスチリルフェニルエーテルリン酸エステルナトリウム塩10gを加え、みづほ式真空乳化装置(みづほ工業(株)製、型式PVQ−3)のホモジナイザーを用い、10,000rpmで5分間解砕混合したところ、ホイップクリーム状になり、4−12式濃縮ボルドー液を製造することができなかった。
【0031】
比較例5
消石灰粉末198gとアルキルナフタレンスルホン酸ナトリウムのホルムアルデヒド縮合物20gをヒスコトロン型式NS−60(日音理科器械製作所(株)製)で水道水230gに分散・溶解させた溶液に、アンカー翼の付いたスリーワンモーター(TYPE HEIDON製、型式1200G)で攪拌しながら、硫酸銅5水塩150gを50℃の温水402mlに溶解させた溶液を約20分かけて徐々に加えた。次いでみづほ式真空乳化装置(みづほ工業(株)製、型式PVQ−3)のホモジナイザーを用い、10,000rpmで5分間解砕混合し、約1kgの6−6式濃縮ボルドー液を製造した。
【0032】
比較例6
消石灰粉末317gとアルキルナフタレンスルホン酸ナトリウムのホルムアルデヒド縮合物20gをヒスコトロン型式NS−60(日音理科器械製作所(株)製)で水道水330gに分散・溶解させた溶液に、アンカー翼の付いたスリーワンモーター(TYPE HEIDON製、型式1200G)で攪拌しながら、硫酸銅5水塩80gを50℃の温水253gに溶解させた溶液を約20分かけて徐々に加えた。次いでみづほ式真空乳化装置(みづほ工業(株)製、型式PVQ−3)のホモジナイザーを用い、10,000rpmで5分間解砕混合し、約1kgの4−12式濃縮ボルドー液を製造した。
【0033】
比較例7
消石灰粉末198gとアルキルナフタレンスルホン酸ナトリウムのホルムアルデヒド縮合物20gをヒスコトロン型式NS−60(日音理科器械製作所(株)製)で水道水230gに分散・溶解させた溶液に、アンカー翼の付いたスリーワンモーター(TYPE HEIDON製、型式1200G)で攪拌しながら、硫酸銅5水塩150gを50℃の温水402mlに溶解させた溶液を約20分かけて徐々に加えた。次いでみづほ式真空乳化装置(みづほ工業(株)製、型式PVQ−3)のホモジナイザーを用い、10,000rpmで1分間解砕混合し、40℃で30分保った。その後、アルキルナフタレンスルホン酸ナトリウムのホルムアルデヒド縮合物10gを加え、みづほ式真空乳化装置(みづほ工業(株)製、型式PVQ−3)のホモジナイザーを用い、10,000rpmで5分間解砕混合し、約1kgの6−6式濃縮ボルドー液を製造した。
【0034】
比較例8
消石灰粉末317gとアルキルナフタレンスルホン酸ナトリウムのホルムアルデヒド縮合物5gをヒスコトロン型式NS−60(日音理科器械製作所(株)製)で水道水300gに分散・溶解させた溶液に、アンカー翼の付いたスリーワンモーター(TYPE HEIDON製、型式1200G)で攪拌しながら、硫酸銅5水塩80gを50℃の温水258gに溶解させた溶液を約20分かけて徐々に加えた。次いでみづほ式真空乳化装置(みづほ工業(株)製、型式PVQ−3)のホモジナイザーを用い、10,000rpmで1分間解砕混合し、40℃で30分保った。その後、アルキルナフタレンスルホン酸ナトリウムのホルムアルデヒド縮合物10gを加え、みづほ式真空乳化装置(みづほ工業(株)製、型式PVQ−3)のホモジナイザーを用い、10,000rpmで5分間解砕混合し、約1kgの4−12式濃縮ボルドー液を製造した。
【0035】
比較例9
消石灰微粉末198gとポリオキシエチレンが付加したスチリルフェニルエーテルリン酸エステルナトリウム塩5gをヒスコトロン型式NS−60(日音理科器械製作所(株)製)で水道水230gに分散・溶解させた溶液に、アンカー翼の付いたスリーワンモーター(TYPE HEIDON製、型式1200G)で攪拌しながら、硫酸銅5水塩150gを50℃の温水407gに溶解させた溶液を徐々に加えた。次いでみづほ式真空乳化装置(みづほ工業(株)製、型式PVQ−3)のホモジナイザーを用い、10,000rpmで1分間解砕混合し、反応を完結させるために40℃で30分間保った。その後、アルキルナフタレンスルホン酸ナトリウムのホルムアルデヒド縮合物10gを加え、みづほ式真空乳化装置(みづほ工業(株)製、型式PVQ−3)のホモジナイザーを用い、10,000rpmで5分間解砕混合し、6−6式濃縮ボルドー液を製造した。
【0036】
比較例10
消石灰微粉末317gとポリオキシエチレンが付加したスチリルフェニルエーテルリン酸エステルナトリウム塩10gをヒスコトロン型式NS−60(日音理科器械製作所(株)製)で水道水330gに分散・溶解させた溶液に、アンカー翼の付いたスリーワンモーター(TYPE HEIDON製、型式1200G)で攪拌しながら、硫酸銅5水塩80gを50℃の温水253gに溶解させた溶液を徐々に加えた。次いでみづほ式真空乳化装置(みづほ工業(株)製、型式PVQ−3)のホモジナイザーを用い、10,000rpmで1分間解砕混合し、反応を完結させるために40℃で30分間保った。その後、アルキルナフタレンスルホン酸ナトリウムのホルムアルデヒド縮合物10gを加え、みづほ式真空乳化装置(みづほ工業(株)製、型式PVQ−3)のホモジナイザーを用い、10,000rpmで5分間解砕混合し、4−12式濃縮ボルドー液を製造した。
【0037】
比較例11
市販の6−6式濃縮ボルドー液。
【0038】
比較例12
市販の4−12式濃縮ボルドー液。
【0039】
以上のようにして得られた実施例及び比較例の濃縮ボルドー液を用いて、以下の評価試験を行なった。
【0040】
観察・試験例
実施例及び比較例で製造した各濃縮ボルドー液について、以下の観察・試験を行いその物性を比較した。1)消石灰と硫酸銅反応後(工程1)の液の状態、微粉砕後(工程2)の液の状態、7日間室温放置後の液の状態、2)100mlのスピッチ管を使用して、水道水で6−6式では20倍希釈、4−12式では30倍希釈して10回転倒後の経過時間による懸垂性を沈降の割合(上澄み境界部の下部からの容量%)で測定した。3)各濃縮ボルドー液100gをポリエチレン袋に充填し、0℃×1日間と50℃×1日間を繰り返すサイクル試験を14日間行い、サイクル試験前後の粒子径及び粘度測定を行なった。また、サイクル試験後の製剤の状態について目視によって観察した。
【0041】
消石灰と硫酸銅反応後の液の状態とそれを微粉砕した後の液の状態及びそれを室温にて7日間放置した時の液の状態を表1、表2、表3に示す。
【0042】
【表1】
【0043】
【表2】
【0044】
【表3】
【0045】
当該発明による製剤は、製造の(工程1)においても(工程2)においても流動性が良好で、安定した製造が可能であり、安定した品質のものが得られるが、比較例1〜8では、ホイップクリーム状になって製剤が得られなかったり、反応が完結しておらず貯蔵中にハードケーキを生じた。比較例2においては、比較的安定性は良いものの長い反応時間を要している。比較例9・比較例10ではスラリーの状況は問題なかった。比較例11・比較例12の市販濃縮ボルドー液は7日後でも製剤の状況は変わらず良好であった。
【0046】
懸垂性の測定結果を表4、表5、表6に示す。
【0047】
【表4】
【0048】
【表5】
【0049】
【表6】
【0050】
当該発明による製剤は、希釈分散性が市販品はじめ比較例に比べて良好であり、やや良好な比較例9・比較例10よりも優れていた。
【0051】
粘度と粒径の測定結果を表7、表8、表9に示す。
【0052】
【表7】
【0053】
【表8】
【0054】
【表9】
【0055】
当該発明による製剤は、製造直後の物性とサイクル試験後の物性がほとんど変わらず良い物性を示したが、比較例では反応が完了していないものはサイクル試験後にハードケーキを生じ、製剤として実用に適さないものであった。比較例9・比較例10、市販品の比較例11・比較例12はサイクル試験後も物性に大きな変化は認められなかった。
【0056】
【発明の効果】
以上の結果からわかるように、本発明によって、希釈時の分散性が良く、長期保存において製剤物性が劣化することなく、製造工程及び使用場面での取り扱い性が良い濃縮ボルドー液を、汎用の消石灰粉末から再現性良く製造することができる。
Claims (4)
- ポリアクリル酸金属塩、ポリメタクリル酸金属塩、アクリル酸もしくはメタクリル酸とメタクリル酸メトキシポリエチレングリコールとの共重合体、および当該共重合体の金属塩から選択される界面活性剤を添加して、消石灰粉末あるいは消石灰スラリーと硫酸銅水溶液との反応を完結させた後、ナフタレンスルホン酸ナトリウムのホルムアルデヒド縮合物を添加して湿式粉砕することを特徴とする濃縮ボルドー液組成物の製造方法。
- ポリアクリル酸金属塩、ポリメタクリル酸金属塩、アクリル酸もしくはメタクリル酸とメタクリル酸メトキシポリエチレングリコールとの共重合体、および当該共重合体の金属塩から選択される界面活性剤を添加して、消石灰粉末あるいは消石灰スラリーと硫酸銅水溶液との反応を完結させた後、ナフタレンスルホン酸ナトリウムのホルムアルデヒド縮合物を添加して湿式粉砕することにより製造することを特徴とする濃縮ボルドー液組成物。
- ポリアクリル酸金属塩、ポリメタクリル酸金属塩、アクリル酸もしくはメタクリル酸とメタクリル酸メトキシポリエチレングリコールとの共重合体、および当該共重合体の金属塩から選択される界面活性剤に、スチリルフェニルエーテル系界面活性剤、スチレンと無水マレイン酸の共重合体、スチレンと無水マレイン酸共重合体のメトキシポリエチレングリコールエステル化物の金属塩、そのアンモニウム塩、およびそのアミン塩から選択される1種または2種類以上を添加することを特徴とする、請求項1に記載の製造方法。
- メタノール、エタノール、イソプロパノール、グリセリン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、プルロニック、スチリルフェニルエーテル系界面活性剤、アルキルフェニルエーテル系界面活性剤から選択される1種または2種類以上を凍結防止剤として添加する工程を含む、請求項1または3に記載の製造方法。
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