JP4426512B2 - 微小試料台 - Google Patents
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(2)請求項2の微小試料台に係る発明は、請求項1に記載の微小試料台において、最上段に設けられる固定部は、微小試料が固定される最上段と、最上段の下部に位置する第2段を含む複数段からなることを特徴とする。
(3)請求項3の微小試料台に係る発明は、請求項1または2に記載の微小試料台において、固定部の幅を5〜500μmとしたことを特徴とする。
(4)請求項4の微小試料台に係る発明は、請求項1乃至3の何れか1項に記載の微小試料台において、側面視において、固定部の上面エッジと次段の上面エッジを結ぶ傾斜線の角度θを5〜30度としたことを特徴とする。
(5)請求項5の微小試料台に係る発明は、請求項1乃至4の何れか1項に記載の微小試料台において、基部と固定部の積層方向をシリコンウエハの厚さ方向とし、そのシリコンウエハから一体で作製されることを特徴とする。
(6)請求項6の微小試料台の製造方法に係る発明は、請求項1乃至5の何れか1項に記載の微小試料台の製造方法において、少なくとも微小試料が固定される最上段に設けられる固定部の側部をエッチングにより形成することを特徴とする。
(7)請求項7の微小試料台集合体に係る発明は、請求項1乃至5の何れか1項に記載の微小試料台をウエハ上で複数同時に作製し、それら複数の微小試料台は、それらの底面でウエハと一体化されていることを特徴とする。
(8)請求項8の試料ホルダに係る発明は、請求項1乃至5の何れか1項に記載の微小試料台と、微小試料台が固着された台座とを備えることを特徴とする。
図1は、本発明の実施の形態による微小試料台を台座メッシュに貼り付けた状態を模式的に示す図であり、図1(a)は正面図、図1(b)は側面図である。図2は、実施の形態による微小試料台の構造を模式的に示す斜視図である。図1、図2では、XYZ直交座標で方向を表す。
本実施の形態の微小試料台10は、単結晶シリコンウエハを材料として作製され、微小試料台10の上下方向(Z方向)が単結晶シリコンウエハの厚さ方向となるように形成される。
工程Aでは、単結晶シリコンウエハ101を酸化炉中で熱酸化することにより、単結晶シリコンウエハ101の表裏両面にSiO2層102a,102bを形成する。なお、シリコンウエハ101の表面は、単結晶Siの主面(100)を選ぶ。
工程Bでは、SiO2層102の表面にスピンコータによりレジストを塗布し、ホットプレートを用いてプリベークを行う。
工程Cでは、フォトマスクを用い、マスクアライナーによりレジスト103のパターン露光と現像を行う。図4(a3)に示すように、X方向に形成された5個のパターンを含む領域が1つの微小試料台10を構成する単位となるので、図4(a3)には3つの単位C1,C2,C3が示されている。
工程Dでは、レジスト103をマスクとしてSiO2層102aをバッファード弗酸でウエットエッチングする。裏面側のSiO2層102は、ウエットエッチングにより除去される。
工程Eでは、残存するレジスト103をリムーバでウエットエッチングすることで除去する。
工程Fでは、シリコンウエハ101のSiO2層102aが形成された面にスパッタリングによりAl膜104を成膜する。
工程Gでは、Al膜104の表面にスピンコータによりレジストを塗布し、ホットプレートを用いてプリベークを行う。
工程Hでは、フォトマスクを用い、マスクアライナーによりレジスト105のパターン露光を行う。
工程Iでは、レジスト105をマスクとしてAl膜104を混酸P液でウエットエッチングする。SiO2層102a、Al膜104およびレジスト105からなる3層がパターン状に残る。
工程Jでは、残存するレジスト105をリムーバでウエットエッチングすることで除去する。
工程Kでは、別のシリコンウエハ201を用意し、図6(b3)に示すように、シリコンウエハ201の片方の表面にスピンコータによりレジスト202を塗布する。
工程Lでは、シリコンウエハ101の下面にシリコンウエハ201のレジスト202を塗付した面を密着させ、ホットプレートを用いてプリベークを行う。レジスト202の硬化に伴って2枚のシリコンウエハの貼着が完了する。シリコンウエハ201は、製造工程の終盤で個々の微小試料台10が分離しないように土台として用いられるものである。
工程Mでは、図7(a1)のY方向にダイシングを行い、レジスト202まで達しない深さd1の溝Y1,Y2を形成する。
工程Nでは、図7(a2)のX方向にダイシングを行い、シリコンウエハ101の厚さの途中までの深さd2(<d1)の溝X1〜X4を形成する。
工程Oでは、工程Nで形成された溝X1〜X4の底面中央にダイシングにより溝X1a〜X4aを入れて段差を形成する。溝X1a〜X4aは、レジスト202まで達しない深さd3(>d1)であり、溝X1〜X4より幅が狭い。
工程Pでは、Al膜104のパターンをマスクとしてICP−RIE(inductively coupled plasma - reactive ion etching)により、シリコンウエハ101を厚さ方向(−Z方向)にドライエッチングする。このドライエッチングにより、シリコンウエハ101のAl膜104のパターンが存在しない領域は一様に厚さを減じ、溝X1a〜X4aはレジスト202まで達する深さとなる。この工程で、図8(b2)に示されるように、3段のステップが形成される。
工程Qでは、Al膜104のパターンを混酸P液でウエットエッチングして除去する。
工程Rでは、露出したSiO2層102aのパターンをマスクとしてICP−RIEによりシリコンウエハ101を厚さ方向(−Z方向)にドライエッチングする。このドライエッチングにより、シリコンウエハ101のSiO2層102aのパターンが存在しない領域は一様に厚さを減じる。そして、3段のステップがそれぞれ掘り下げられるとともに、SiO2層102aのパターンによる最上段のステップが新たに形成され、図8(b3)に示されるように、4段のステップが形成される。一方、工程Mで形成した深さd1の溝Y1,Y2も、工程P、工程Rの2回のICP−RIEによりレジスト202まで達する深さとなる。
工程Sでは、SiO2層102aのパターンをバッファード弗酸でウエットエッチングして除去する。
最後に、土台として用いられたシリコンウエハ201と接着剤として用いられたレジスト202を除去することにより、個々の微小試料台10を分離し、微小試料台10が完成する。
図9は、実施の形態による微小試料台10の分離直前の状態を模式的に示す斜視図であり、同じ形状寸法の3個の微小試料台10が規則正しく配列している様子を表している。
(1)FIB加工により微小試料片Sの薄片化調製を行う際に、微小試料台10は、高さ方向に先細った4段構造を有し、第4段14〜54の固定部の厚さが薄く形成されているので、FIBによる加工量を少なくすることができ、加工時間の短縮を図ることができる。また、厚さ方向に対称形状を呈するので、厚さを薄く形成してもバランスが保たれ、加工中や加工後の形状安定性が高い。さらに、対称構造であるので、非対称のものと比べて製造プロセスを単純化できる。
(2)Ar+ビームを低角度で微小試料片Sへ照射するイオンミリングの際に、微小試料台10は、高さ方向に先細った4段構造を有し、傾斜角度θ1を5〜30°としているので、微小試料台10に遮蔽されることなくAr+ビームを微小試料片Sへ照射することができる。また、厚さ方向に対称形状を呈するので、微小試料片Sの表裏両面を同じ条件で加工処理できる。
(3)マイクロマシニング技術によりシリコンウエハから微小試料台10を一体で多数同時に作製できるので、1個当りの製造コストを大幅に削減できる。また、微小試料台10の高さ方向がシリコンウエハの厚さ方向になるので、材料取りに有利である。
11:第1段 12:第2段
13,23,33,43,53:第3段
14,24,34,44,54:第4段
100:台座メッシュ 101:シリコンウエハ
102:SiO2層 103,105:レジスト
104:Al膜 S:微小試料片
X1〜X4、X1a〜X4a、Y1,Y2:溝
Claims (8)
- 加工処理が施される微小試料を固定するものであって、台座に固定される微小試料台において、
前記微小試料台はシリコンからなり、基部となる第1段と、前記微小試料が固定される最上段に設けられる固定部とを有する多段形状となし、側面視の形状が、上段の構造体ほど細くなる左右対称の多段形状を呈しており、
前記最上段に設けられる固定部は、上面の位置が同一の高さにある突状部分を複数個並設して形成されていることを特徴とする微小試料台。 - 請求項1に記載の微小試料台において、
前記最上段に設けられる固定部は、前記微小試料が固定される最上段と、前記最上段の下部に位置する第2段を含む複数段からなることを特徴とする微小試料台。 - 請求項1または2に記載の微小試料台において、
前記固定部の幅を5〜500μmとしたことを特徴とする微小試料台。 - 請求項1乃至3の何れか1項に記載の微小試料台において、
前記側面視において、前記固定部の上面エッジと次段の上面エッジを結ぶ傾斜線の角度θを5〜30度としたことを特徴とする微小試料台。 - 請求項1乃至4の何れか1項に記載の微小試料台において、
前記基部と固定部の積層方向をシリコンウエハの厚さ方向とし、そのシリコンウエハから一体で作製されることを特徴とする微小試料台。 - 請求項1乃至5の何れか1項に記載の微小試料台の製造方法において、
少なくとも前記微小試料が固定される最上段に設けられる固定部の側部をエッチングにより形成することを特徴とする微小試料台の製造方法。 - 請求項1乃至5の何れか1項に記載の微小試料台をウエハ上で複数同時に作製し、それら複数の微小試料台は、それらの底面で前記ウエハと一体化されていることを特徴とする微小試料台集合体。
- 請求項1乃至5の何れか1項に記載の微小試料台と、前記微小試料台が固着された台座とを備えることを特徴とする試料ホルダ。
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