JP4460501B2 - 微小試料台 - Google Patents

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Description

本発明は、電子顕微鏡観察などに供するための微小試料片を固定する微小試料台に関する。
半導体ウエハや半導体デバイスから採取した微小試料片を透過型電子顕微鏡(TEM)で観察するには、微小試料片の電子線照射領域(観察領域)を極力薄くする必要がある。このような薄片化技術としては、平板状の試料台を立設して、その上面に微小試料片を立てて固定し、微小試料片の表面にほぼ平行に、つまり試料台の上面にほぼ垂直に、集束イオンビームを照射して微小試料片を薄くする技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開2003−35682号公報(第5頁、図9)
微小試料片を試料台上面に立てて固定する観察法では、目的とする試料観察に対応できない場合がある。
(1)請求項1に係る微小試料の薄片化方法は、台座メッシュに貼着した微小試料台に固定した平板状の微小試料を集束イオンビームにより薄片化処理する方法であって、基部と、基部の上部に設けられ、基部よりも側面の厚みが薄く、厚みの方向と直交する方向に所定間隔を開けて複数個設けられる固定部とを有する多段形状の微小試料台を作製する工程と、固定部の側面に平滑化処理を施す工程と、平滑化処理を施した固定部の厚みの方向に平行な側面に、上端を前記固定部の上面から突出させながら、平板状の微小試料の端面を接して固定する工程と、微小試料台を台座メッシュに貼着する工程と、固定部の側面に固定された微小試料に、基部に集束イオンビームが照射されないように固定部の上方から集束イオンビームを照射することにより、当該微小試料を薄片化する処理を施す工程と、を含むことを特徴とする。
本発明の微小試料台によれば、その側面を平滑化処理してあるので、微小試料を側面に確実に固定することができ、多様な観察が可能となる。
以下、本発明の実施の形態による微小試料台について図1〜13を参照しながら説明する。
〈第1の実施の形態〉
図1は、本発明の実施の形態による微小試料台を台座メッシュに貼り付けた状態を模式的に示す図であり、図1(a)は正面図、図1(b)は側面図である。図2は、実施の形態による微小試料台の構造を模式的に示す斜視図である。図1、図2では、XYZ直交座標で方向を表す。
図1を参照すると、微小試料台10は、ほぼ半円板形状の台座メッシュ100の表面に貼着されている。微小試料台10は、半導体ウエハや半導体デバイスから採取した平板状の微小試料片Sを保持して、透過型電子顕微鏡(TEM)観察あるいはオージェ電子分光(AES)等に供するために、微小試料片Sの薄片化調製を行う作業台として用いられる。そして、微小試料台10は、顕微鏡観察あるいは分光分析の際には、薄片化された微小試料片Sを保持したまま顕微鏡装置あるいは分光装置にセットされる。
図1、図2を参照しながら微小試料台10について詳しく説明する。微小試料台10は、全てシリコン製であり、後述する単結晶シリコンウエハから一体で作製される。微小試料台10を側面から見ると、図1(b)に示されるように中心線SPに対して左右対称であり、上下方向(Z方向)に4段を有する多段構造であり、上方の段ほど厚さ(Y方向の長さ)が薄い。また、微小試料台10を正面から見ると、図1(a)に示されるように、微小試料台10の第1段11と第2段12はX方向に延設されているが、第3段と第4段とから成る2段は、5つに分離しており、第3段13〜53と第4段14〜54とからそれぞれ構成される5つの突状部分は、X方向に配列して第2段12の上面からZ方向に突設されている。第3段と第4段とから成る突状部分1〜5は、高さ(Z方向の長さ)及び厚さ(Y方向の長さ)は一律であるが、幅(X方向の長さ)は微小試料片Sの寸法などに応じて任意に形成することができる。例えば、第4段14〜54の厚さを5μm一定とし、幅を5〜500μmの範囲で任意に変えることができる。
図13は、図2に示される微小試料台10の縦断面図であり、その断面は、突状部分1の中央を通ってY−Z面に平行である。図13は、段差による傾斜角度を示している。図13(a)は、第4段14のエッジ14eと第3段13のエッジ13eとの傾斜角度θ1、図13(b)は、第4段14のエッジ14eと第2段12のエッジ12eとの傾斜角度θ2、図13(c)は、第4段14のエッジ14eと第1段11のエッジ11eとの傾斜角度θ3を表す。傾斜角度θ1は、5〜30°に入るように、第4段14の厚さと高さおよび第3段13の厚さが調整されている。なお、傾斜角度θ1、θ2、θ3のすべてが5〜30°であることが望ましい。
次に、図1〜図3を参照しながら微小試料台10への微小試料片Sの固定について説明する。
図3は、微小試料片Sの固定位置を示す図である。図3でも、XYZ直交座標で方向を表す。図3(a)、(b)は、図2に示される微小試料台10の縦断面図であり、その断面は、図3(a)では、突状部分5の中央を通ってY−Z面に平行であり、図3(b)では、突状部分4の中央を通ってY−Z面に平行である。図3(c)は、微小試料台10をY方向に見た部分正面図である。図3(a)〜図3(c)は、微小試料片Sの固定位置のみが異なる。微小試料片Sは、微小試料台10の第4段14〜54の固定部のいずれかに固定されるが、固定する位置としては、次の3通りがある。
第1は、図3(a)に示されるように、平板上の微小試料片Sの板面がX−Z面と平行となるように、第4段54の上面(頂面)に立設する場合である。第2は、図3(b)に示されるように、微小試料片Sの板面がX−Z面と平行となるのは同じであるが、微小試料片Sの下方部分を第4段44の側面Pに接触させて設置する場合である。第3は、図3(c)に示されるように、微小試料片Sの板面がX−Z面と平行となるのは上記と同じであるが、微小試料片Sの下方部分を第4段24の側面Qに接触させて設置する場合である。側面Qは、Y−Z面と平行な面である。設置の際には、半導体ウエハや半導体デバイスから採取した微小試料片Sを、例えばナノピンセットで挟持し、第4段54の頂面上、第4段44の側面P上又は第4段24の側面Q上で位置および角度を合わせた後に、例えば接着剤で固定し、最後にナノピンセットを開いて微小試料片Sを解放する。頂面、側面のいずれの設置でも、正確に位置合わせをして確実に微小試料片Sを保持するためには、設置面は平滑であることが必要である。
図1に示すように、上述した構造と寸法を有する微小試料台10を台座メッシュ100に貼着して、第4段14〜54の頂面又は側面P,Qに設置された微小試料片Sの薄片化調製を行う。図1では、微小試料片Sが第4段54の頂面と第4段44の側面Pと第4段24の側面Qとに固定されている状態を示している。薄片化調製には、集束イオンビーム(FIB:Focused Ion Beam)で加工する方法が用いられる。FIB加工法では、例えば細く絞ったGaビームを−Z方向に向けて微小試料片Sへ照射することにより、0.1μmレベルに薄片化する。FIBを照射すると、微小試料片Sの直下にある最上段の第4段12〜54も同時に薄く加工される。このときに、図3(c)の試料固定位置を選ぶと、微小試料片Sの直下に第4段がないので、第4段を加工するという無駄がほとんどない。このFIB加工段階では、微小試料片S表面にGaビームの照射による加工変質層や付着物などが存在するため、これらを除去する必要がある。その仕上げ加工には、図1(b)に示されるように、例えばArビームをY−Z面に対して低角度で、微小試料台10の下方から微小試料片Sへ照射するイオンミリングの手法が用いられる。薄片化調製の後に、微小試料片SのTEM観察あるいはAES微小分析等を行う。例えばTEM観察の際、FIB加工とイオンミリングにより薄片化調製された微小試料片Sを図1(a)のようにセットした場合、TEMの電子線の向きはY方向である。
次に、本実施の形態の微小試料台10の製造工程について、図4〜図8に示す工程Aから工程Sまでを詳しく説明する。図4〜図8でも、図1〜3に対応させたXYZ直交座標で方向を表す。
本実施の形態の微小試料台10は、表面が(001)面の単結晶シリコンウエハを材料として作製され、微小試料台10の上下方向(Z方向)が単結晶シリコンウエハの厚さ方向となるように形成される。
図4は、微小試料台10の製造工程A〜Dを説明する図であり、図4(a1)〜(a4)は微小試料台10が形成される単結晶シリコンウエハの部分平面図、図4(b1)〜(b4)は、それぞれ図4(a1)〜(a4)のII−II線に沿った部分断面図である。
工程Aでは、単結晶シリコンウエハ101を酸化炉中で熱酸化することにより、単結晶シリコンウエハ101の表裏両面にSiO層102a,102bを形成する。なお、シリコンウエハ101の表面は、単結晶Siの主面(100)を選ぶ。
工程Bでは、SiO層102の表面にスピンコータによりレジストを塗布し、ホットプレートを用いてプリベークを行う。
工程Cでは、フォトマスクを用い、マスクアライナーによりレジスト103のパターン露光と現像を行う。図4(a3)に示すように、X方向に形成された5個のパターンを含む領域が1つの微小試料台10を構成する単位となるので、図4(a3)には3つの単位C1,C2,C3が示されている。
工程Dでは、レジスト103をマスクとしてSiO層102aをバッファード弗酸でウエットエッチングする。裏面側のSiO層102bは、ウエットエッチングにより除去される。
図5は、微小試料台10の製造工程E〜Hを説明する図であり、図5(a1)〜(a4)は単結晶シリコンウエハの部分平面図、図5(b1)〜(b4)は、それぞれ図5(a1)〜(a4)のII−II線に沿った部分断面図である。
工程Eでは、残存するレジスト103をリムーバでウエットエッチングすることで除去する。
工程Fでは、シリコンウエハ101のSiO層102aが形成された面にスパッタリングによりAl膜104を成膜する。
工程Gでは、Al膜104の表面にスピンコータによりレジストを塗布し、ホットプレートを用いてプリベークを行う。
工程Hでは、フォトマスクを用い、マスクアライナーによりレジスト105のパターン露光、現像を行い、レジスト105の不要部分を除去する。
図6は、微小試料台10の製造工程I〜Kを説明する図であり、図6(a1)、(a2)は単結晶シリコンウエハの部分平面図、図6(b1)、(b2)は、それぞれ図6(a1)、(a2)のII−II線に沿った部分断面図である。図6(b3)は、別のシリコンウエハの部分断面図、図6(b4)は、別のシリコンウエハと貼り合わされたシリコンウエハ101の部分断面図である。
工程Iでは、レジスト105をマスクとしてAl膜104を混酸P液でウエットエッチングする。SiO層102a、Al膜104およびレジスト105からなる3層がパターン状に残る。
工程Jでは、残存するレジスト105をリムーバでウエットエッチングすることで除去する。
工程Kでは、別のシリコンウエハ201を用意し、図6(b3)に示すように、シリコンウエハ201の片方の表面にスピンコータによりレジスト202を塗布する。
工程Lでは、シリコンウエハ101の下面にシリコンウエハ201のレジスト202を塗付した面を密着させ、ホットプレートを用いてプリベークを行う。レジスト202の硬化に伴って2枚のシリコンウエハの貼着が完了する。シリコンウエハ201は、製造工程の終盤で個々の微小試料台10が分離しないように土台として用いられるものである。
図7は、微小試料台10の製造工程M〜Oを説明する図であり、図7(a1)〜(a3)は単結晶シリコンウエハの部分平面図、図7(b1)〜(b3)は、それぞれ図7(a1)〜(a3)のII−II線に沿った部分断面図である。
工程Mでは、図7(a1)のY方向にダイシングを行い、レジスト202まで達しない深さd1の溝Y1,Y2を形成する。
工程Nでは、図7(a2)のX方向にダイシングを行い、シリコンウエハ101の厚さの途中までの深さd2(<d1)の溝X1〜X4を形成する。
工程Oでは、工程Nで形成された溝X1〜X4の底面中央にダイシングにより溝X1a〜X4aを入れて段差を形成する。溝X1a〜X4aは、レジスト202まで達しない深さd3(>d1)であり、溝X1〜X4より幅が狭い。
図8は、微小試料台10の製造工程P〜Sを説明する図であり、図8(a1)〜(a4)は単結晶シリコンウエハの部分平面図、図8(b1)〜(b4)は、それぞれ図8(a1)〜(a4)のII−II線に沿った部分断面図である。
工程Pでは、Al膜104のパターンをマスクとしてICP−RIE(inductively coupled plasma - reactive ion etching)により、シリコンウエハ101を厚さ方向(−Z方向)にドライエッチングする。このドライエッチングにより、シリコンウエハ101のAl膜104のパターンが存在しない領域は一様に厚さを減じ、溝X1a〜X4aはレジスト202まで達する深さとなる。この工程で、図8(b2)に示されるように、3段のステップが形成される。
工程Qでは、Al膜104のパターンを混酸P液でウエットエッチングして除去する。
工程Rでは、露出したSiO層102aのパターンをマスクとしてICP−RIEによりシリコンウエハ101を厚さ方向(−Z方向)にドライエッチングする。このドライエッチングにより、シリコンウエハ101のSiO層102aのパターンが存在しない領域は一様に厚さを減じる。そして、3段のステップがそれぞれ掘り下げられるとともに、SiO層102aのパターンによる最上段のステップが新たに形成され、図8(b3)に示されるように、4段のステップが形成される。一方、工程Mで形成した深さd1の溝Y1,Y2も、工程P、工程Rの2回のICP−RIEによりレジスト202まで達する深さとなる。
工程Sでは、SiO層102aのパターンをバッファード弗酸でウエットエッチングして除去する。
ここで、工程RのICP−RIE加工プロセスによる第3段13〜53と第4段14〜54の形成と、そのプロセスによって形成されたスキャロップの平滑化について詳細に説明する。このICP−RIEの加工プロセスは、保護膜形成ステップとドライエッチングステップの繰り返しからなるサイクル工程であり、ボッシュプロセスと呼ばれている。ICP−RIE加工プロセスによる単結晶シリコンウエハの厚さ方向の加工では、側面(凹部の壁面)にスキャロップと称する周期的な凹凸パターンが形成される。本発明は、微小試料片Sを第4段14〜54の側面PあるいはQに確実に固定するために、スキャロップを平滑化する。
先ず、スキャロップが形成されるメカニズムについて説明する。
図9は、単結晶シリコンウエハの部分断面図であり、ICP−RIE加工プロセスによるスキャロップ形成のメカニズムを説明する図である。図9(a)に示されるように、単結晶シリコンウエハ301の表面にレジストパターン302を形成し、このレジストパターン302をマスクとしてICP−RIE加工プロセスを行う。先ず、図9(b)に示されるように保護膜303を形成する。保護膜303は、反応性ガスとしてCを用い、CVDの原理にて形成される。次に、図9(c)に示されるように、レジストパターン302をマスクとしてドライエッチングを行う。このドライエッチングは、反応性ガスとしてSFを用い、シリコンウエハ301の下部に電極を配置してシリコンウエハ301の上部に生成したプラズマのイオンをシリコンウエハ301に垂直入射させる異方性エッチングである。保護膜303は容易に除去され、シリコンウエハ301が厚さ方向にエッチングされ、凹部301aが形成される。
続いて、図9(d)では、図9(b)で示したのと同様に保護膜304を形成し、図9(e)では、図9(c)で示したのと同様のドライエッチングにより凹部301bを形成する。このような保護膜形成とドライエッチングを1サイクルとして、さらに、図9(f)、図9(g)に示す工程を行い、最終的に凹部301cを形成する。この凹部301cの側面(壁面)には、紙面に垂直な縞模様のスキャロップSCが形成され、その凹凸はサイクル数だけ形成される。
スキャロップSCを平滑化するために、第1の実施の形態では等方性ドライエッチングを行う。図10は、第1の実施の形態による微小試料台10の部分側面図であり、図10(a)〜図10(d)の順に工程が進行する。
図10(a)は、工程RのICP−RIE加工プロセスが終了している平滑化処理前の状態を示す。第3段13と第4段14の側面全周にはスキャロップSCが形成されている。
図10(b)は、平滑化処理開始時の状態を示す。この平滑化処理では、微小試料台10が形成されているシリコンウエハを真空容器に入れ、反応性ガスとしてSFとOの混合ガスを用い、減圧雰囲気で微小試料台10の頂面および側面Pなどを同時にエッチングする。
図10(c)は、平滑化処理の終了直前の状態を示す。微小試料台10は、寸法変化を伴いながらその表面が均一にエッチングされ、スキャロップSCの凹凸段差が大幅に減少する。凹凸段差減少の原理としては、凹凸表面では、凸部の方が凹部よりも反応性ガスが供給され易く、エッチング速度が大きいことが考えられる。
図10(d)は、平滑化処理完了の状態を示す。スキャロップSCが形成された表面シリコン層をエッチングにより連続的に除去することで、平滑な側面P,Qが現れる。なお、この平滑化処理により、微小試料台10の頂面も平滑化されるとともに、微小試料台10の全面がエッチングされるため、微小試料台10の各部の寸法が減少する。この等方性ドライエッチングによる平滑化では、側面P,Qの平均表面粗さRaは、例えば処理前の30nmから6nm程度まで減少した。
上述した平滑化処理工程は、工程Rと工程Sの間に入れてもよいし、工程Sの後に行ってもよい。以上のように、工程Aから工程Sまで、または工程Aから平滑化処理工程までを順次行うことにより、複数の微小試料台10が形成される。最後に、土台として用いられたシリコンウエハ201と接着剤として用いられたレジスト202を除去することにより、個々の微小試料台10を分離し、微小試料台10が完成する。
図11は、第1の実施の形態による微小試料台10の分離直前の状態を模式的に示す斜視図であり、同じ形状寸法の3個の微小試料台10が規則正しく配列している様子を表している。
上記の製造工程では、3個の微小試料台10についての一連の作製手順を説明したが、実際の製造工程は、シリコンウエハ単位で行われる、いわゆるバッチ処理である。このバッチ処理では、フォトリソグラフィーやダイシングなどを用いるマイクロマシニングにより、1枚のシリコンウエハから多数の微小試料台10を一括で作製することができ、大幅な製造コストの削減が期待できるものである。さらに、微小試料台10の高さ方向がシリコンウエハの厚さ方向になるように加工するので、材料を無駄なく使用できる。
以上説明したように、本実施の形態の微小試料台10は、下記(1)〜(4)の作用効果を奏する。
(1)最上段である第4段14〜54の側面P,Qに平滑化処理が施され、表面粗さが小さくなっているので、側面P,Qに微小試料片を安定させて確実に固定することができる。その結果、上面のみならず側面も微小試料を固定する面として使用でき、微小試料設置の多様性が増す。上面も平滑化されてなお良好である。
(2)平滑化処理に等方性ドライエッチングを用いるので、微小試料台10が高温に曝されることがなく、レジストなどの有機物やアルミなどの金属が存在していてもプロセスは可能である。
(3)マイクロマシニング技術によりシリコンウエハから微小試料台10を一体で多数同時に作製できるので、1個当りの製造コストを大幅に削減できる。また、微小試料台10の高さ方向がシリコンウエハの厚さ方向になるので、材料取りに有利である。
(4)厚さ方向に対称形状を呈するので、厚さを薄く形成してもバランスが保たれ、FIB加工中や加工後の形状安定性が高い。さらに、対称構造であるので、非対称のものと比べて製造プロセスを単純化できる。
〈第2の実施の形態〉
第2の実施の形態の微小試料台10Aは、第1の実施の形態の微小試料台10と同様の寸法形状を有し、材料や製造工程も基本的には同じであるが、平滑化処理は第1の実施の形態とは異なる。したがって、本実施の形態では、重複する説明は省略し、平滑化処理工程とその結果のみを説明する。
第2の実施の形態においても、平滑化処理工程は、図8に示される工程Rと工程Sの間、または工程Sの後に行われる。工程RのICP−RIEにより生成したスキャロップSCを平滑化するために、第1の実施の形態では等方性ドライエッチングを行ったが、本実施の形態では、熱処理を用いる。
図12は、第2の実施の形態による微小試料台10Aの部分側面図であり、図12(a)〜図12(c)の順に工程が進行する。
図12(a)は、工程RのICP−RIEが終了している平滑化処理前の状態を示す。第3段13Aと第4段14Aの側面全周にはスキャロップSCが形成されている。
図12(b)は、熱酸化による酸化膜形成時の状態を示す。この熱酸化処理では、微小試料台10Aが形成されているシリコンウエハを熱酸化炉に入れ、処理用ガスとしてHとOの混合ガスを用い、炉内温度を1000℃に保持する。このような高温雰囲気で微小試料台10Aの頂面および側面P1に熱酸化膜OXを形成する。すなわち、スキャロップSCが形成されている表面層が熱酸化膜OXに変化する。
図12(c)は、平滑化処理完了の状態を示す。すなわち、バッファード弗酸で熱酸化膜OXを溶解除去することにより、側面P1,Q1が平滑となる。熱酸化膜OXの厚さをスキャロップSCの凹凸差より厚くすることにより、十分な平滑化効果が得られる。凹凸段差減少の原理としては、凹凸表面では、凸部の方が凹部よりも処理用ガスが供給され易く、熱拡散による酸化物の生成速度が大きいことが考えられる。このような熱酸化膜OXの形成と除去のプロセスは、繰り返し行うことで平滑化の効果が高まる。この熱酸化による平滑化では、側面P1,Q1の平均表面粗さRaは、例えば処理前の30nmから1nm程度まで減少した。
第2の実施の形態の微小試料台10Aも、第1の実施の形態の微小試料台10についての作用効果(1)、(3)および(4)を奏する。さらに、平滑化の度合いとしては、第1の実施の形態の等方性ドライエッチングより優れている。
上記の実施の形態による微小試料台10,10Aには様々な変形が考えられる。例えば、微小試料台は、側面視で対称形状に限ることなく、非対称形状でもよい。また、第3段と第4段とから成る2段の突状部分1〜5が5つに分離しているが、突状部分は1つでもよいし、任意の複数に分離していてもよい。また、微小試料台の段数は4段のみに限らない。さらに、平滑化処理のタイミングは、微小試料台10,10Aの分離前でも分離後でもよい。
本発明は、その特徴を損なわない限り、以上説明した実施の形態に何ら限定されない。特に、平滑化処理は、上記の実施の形態で示した2つの手段のみに限定されない。また、平滑化処理は、スキャロップに限らず、各種の微細な凹凸の除去、低減のために適用可能である。
本発明の第1の実施の形態に係る微小試料台を台座メッシュに貼り付けた状態を模式的に示す図であり、図1(a)は正面図、図1(b)は側面図である。 本発明の第1の実施の形態に係る微小試料台の構造を模式的に示す斜視図である。 微小試料片Sの微小試料台に対する固定位置を示す図である。図3(a)、(b)は、図2に示される微小試料台10の縦断面図である。図3(c)は、微小試料台10をY方向に見た部分正面図である。 第1の実施の形態に係る微小試料台の製造工程A〜Dを説明する図であり、図4(a1)〜(a4)は材料であるシリコンウエハ101の部分平面図、図4(b1)〜(b4)はII−II線に沿った部分断面図である。 第1の実施の形態に係る微小試料台の製造工程E〜Hを説明する図であり、図5(a1)〜(a4)は材料であるシリコンウエハ101の部分平面図、図5(b1)〜(b4)はII−II線に沿った部分断面図である。 第1の実施の形態に係る微小試料台の製造工程I〜Kを説明する図であり、図5(a1)、(a2)は材料であるシリコンウエハ101の部分平面図、図5(b1)、(b2)はII−II線に沿った部分断面図である。図5(b3)は、別のシリコンウエハの部分断面図、図5(b4)は、別のシリコンウエハと貼り合わされたシリコンウエハ101の部分断面図である。 第1の実施の形態に係る微小試料台の製造工程M〜Oを説明する図であり、図7(a1)〜(a3)は材料であるシリコンウエハ101の部分平面図、図7(b1)〜(b3)はII−II線に沿った部分断面図である。 第1の実施の形態に係る微小試料台の製造工程P〜Sを説明する図であり、図8(a1)〜(a4)は材料であるシリコンウエハ101の部分平面図、図8(b1)〜(b4)はII−II線に沿った部分断面図である。 単結晶シリコンウエハの部分断面図であり、図9(a)〜図9(g)は、ICP−RIEによるスキャロップ形成のメカニズムを順に説明する図である。 第1の実施の形態に係る微小試料台10の部分側面図であり、図10(a)〜図10(d)の順に工程が進行する。 第1の実施の形態に係る微小試料台の分離直前の状態を模式的に示す斜視図である。 第2の実施の形態に係る微小試料台10Aの部分側面図であり、図12(a)〜図12(c)の順に工程が進行する。 図2に示される微小試料台10の縦断面図であり、段差による傾斜角度を示す。
符号の説明
1〜5:突状部分 10,10A:微小試料台
11:第1段 12,12A:第2段
13,23,33,43,53,13A:第3段
14,24,34,44,54,14A:第4段
100:台座メッシュ 101:シリコンウエハ
102:SiO層 103,105:レジスト
104:Al膜 OX:熱酸化膜
P,P1,Q,Q1:側面 S:微小試料片
SC:スキャロップ
X1〜X4、X1a〜X4a、Y1,Y2:溝

Claims (1)

  1. 台座メッシュに貼着した微小試料台に固定した平板状の微小試料を集束イオンビームにより薄片化処理する方法であって、
    基部と、前記基部の上部に設けられ、前記基部よりも側面の厚みが薄く、前記厚みの方向と直交する方向に所定間隔を開けて複数個設けられる固定部とを有する多段形状の微小試料台を作製する工程と、
    前記固定部の側面に平滑化処理を施す工程と、
    前記平滑化処理を施した前記固定部の厚みの方向に平行な側面に、上端を前記固定部の上面から突出させながら、前記微小試料の端面を接して固定する工程と、
    前記微小試料台を前記台座メッシュに貼着する工程と、
    前記固定部の側面に固定された前記微小試料に、前記基部に前記集束イオンビームが照射されないように前記固定部の上方から前記集束イオンビームを照射することにより、当該微小試料を薄片化する処理を施す工程と、を含むことを特徴とする微小試料の薄片化方法。
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