JP4714889B2 - シリコン角柱およびその製造法 - Google Patents

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Description

【技術分野】
【0001】
本発明は、シリコン角柱およびその製造法に関する。
【背景技術】
【0002】
シリコンウエハへの加工法の一つとして、結晶異方性エッチングが知られている。結晶異方性エッチングとは、KOHなどのエッチング溶液がある結晶方位に対してはエッチングが進むが、特定の結晶方位に対しては著しくエッチング反応が進まないことを利用して、特定の形状に加工していくエッチング法のことである。
シリコンウエハはシリコン結晶のインゴットを板状にスライスしたもので、その単結晶はダイヤモンド構造をとっている。このシリコン単結晶の結晶面は、(100)面と(110)面と(111)面などを有しており、エッチング加工は、これらの結晶面によって様々な研究が行われている。
シリコンの異方性エッチングに関する多くの研究は、従来より、(100)基板に関するものである。例えば、レジスト等で適度なパターニングを施し、シリコン(100)基板を異方性エッチングすると(111)面を側面に持つピラミッド型の溝が形成される。この(100)面のエッチング技術を使った具体例としては、三角形状に加工できることを活かしたDNAナノピンセットやマイクロコネクタ用ソケット、センサデバイスなどであり、シリコンの異方性エッチングに関する研究の多くは、この(100)基板に関するものである。
一方、(100)面とは異なる(110)面を異方性エッチングすると、(111)面を側面に持つ垂直な溝が形成されることも知られている。このシリコン(110)基板に関する文献については、垂直な壁の形状は形成できるので、その垂直壁面を活かしてハーフミラーやエタロン、またマイクロミラーなどを作成する研究が報告されている(特許文献1、非特許文献1,2参照)。
以上のように、従来の結晶異方性エッチングを用いたシリコン加工技術では、ピラミッド形状を活かした物や垂直壁面を有する溝あるいは壁を有する物が多かった。一方、シリコンを角柱形状に加工した物は全く存在せず、その加工法も未だ知られていない。
このような状況の中で、本発明者は、シリコン角柱が得られれば、さまざまな産業分野で、これまで考えられていなかった用途、たとえばフィルタ用母型や微細高密度電極などの用途が生じることに鑑み、アスベクト比の高いシリコン角柱の加工技術を鋭意研究した結果、本発明を完成するに至った。
【特許文献1】
特開平8−90431
【非特許文献1】
Y.Uenishi,M.Tsugai,and M.Mehregany,″Micro−opto mechanical devices fabricated by anisotropic etching of(110)silicon,″Proc.IEEE Micro Electro Mechanical Systems Workshop,Oiso Japan,pp.319−324,(1994).
【非特許文献2】
Y.Uenishi,M.Tsugai,and M.Mehregany,″Micro−opto mechanical devices fabricated by anisotropic etching of(110)silicon,″J.Micromech.Microeng.,Vol.5,pp.305−312(1995)
【発明の開示】
【0003】
ところで、従来のシリコンの(110)面加工技術を発展的に応用すると、シリコン(110)基板にレジストを四角くパターニングし、異方性エッチングすれば角柱が得られるように考えられるが、実際は不可能である。それは、(111)面が交差したとき、谷で交差した底点は1点に集まりエッチストップとして機能するが、山の頂点ではエッチストップとして機能しないからである。したがって、単なるパターニングではない新たな加工プロセスの原理が必要とされていたのである。
上記事情に鑑み、本発明は全く新たな技術原理に基づくシリコン角柱の製法を提供することを目的とする。また、本発明は、アスペクト比の高いシリコン角柱を提供することを目的とする。
第1発明のシリコン角柱の製造法は、(110)面のシリコンウエハを用い、該シリコンウエハの内部にある基板表面に垂直な二つの(111)面に沿った面を有するアライメント用形状を形成するアライメント形状形成工程と、前記一方の(111)面にアライメントした壁面を有する垂直壁を形成する第1次異方性エッチング工程と、前記垂直壁に対し前記他方の(111)面にアライメントした壁面を有する角柱を形成する第2次異方性エッチング工程とを順に実行することを特徴とする。
第2発明のシリコン角柱の製造法は、(110)面のシリコンウエハを用い、該シリコンウエハの内部にある基板表面に垂直な二つの(111)面を有するシリコンウエハを用い、前記二つの(111)面に沿った面を有するアライメント用形状を形成するアライメント形状形成工程と、前記一方の(111)面にアライメントしたレジストパターニングを施して、シリコンウエハに結晶異方性エッチング加工をして前記一方の(111)面が垂直な壁面となるように加工して垂直壁を形成する第1次異方性エッチング工程と、前記垂直壁の壁面を含めシリコンウエハの表面に保護膜を形成する保護膜形成工程と、前記他方の(111)面にアライメントしたレジストパターニングを施して、シリコンウエハに結晶異方性エッチング加工をして前記垂直壁の部分で前記他方の(111)面が垂直な壁面となるように加工して角柱を形成する第2次異方性エッチング工程とを順に実行することを特徴とする。
第3発明のシリコン角柱の製造法は、(110)面のシリコンウエハを用い、該シリコンウエハの内部にある基板表面に垂直な二つの(111)面を有するシリコンウエハを用い、前記二つの(111)面に沿った面を有するアライメント用形状を形成するアライメント形状形成工程と、前記一つの(111)面に沿った第1レジストパターンと、該第1レジストパターン上で前記他の(111)面に沿った第2レジストパターンを形成する保護膜形成工程と、前記隣り合う第1レジストパターンの間のシリコン面を異方性エッチングにより掘り下げて、第1レジストパターンに垂直な壁面を形成する第1次異方性エッチング工程と、前記垂直壁の側壁面を含めシリコンウエハの全面に保護膜を形成する保護膜形成工程と、前記垂直壁における第2レジストパターン部の下面にあるシリコン面を前記他の(111)面の方向に切断する切断工程と、前記シリコン面を結晶異方性エッチングにより掘り下げて、第1レジストパターン部を天面とする角柱を形成する第2次異方性エッチング工程とを順に実行することを特徴とする。
第4発明のシリコン角柱は、請求項2の製法により製造され、天面が(110)面で、4つの側面が(111)面からなり、前記四つの側面が共に前記天面に対し垂直であることを特徴とする。
第5発明のシリコン角柱は、第3発明の製法により製造され、天面が(110)面で、4つの側面が(111)面からなり、前記四つの側面が共に前記天面に対し垂直であることを特徴とする。
第6発明のシリコン角柱は、天面が(110)面で、四つの側面が(111)面からなり、前記四つの側面が共に前記天面に対し垂直であることを特徴とする。
第1発明によれば、(110)面のシリコンウエハを使い、その内部にある基板表面に垂直な二つの(111)面が出るようにエッチングするので、天面を(110)面とし、側面を(111)面とするシリコン角柱が得られる。また、エッチングは、二つの(111)面を有するアライメント形状を形成したうえで、一方の(111)面にアライメントした第1次異方性エッチングと他方の(111)面にアライメントした第2次異方性エッチングにより行うので、正確に(111)面を掘り出すことができ、天面に対し正確に垂直になった側壁を有するシリコン角柱が得られる。
第2発明によれば、アライメント形状形成工程と第1次異方性エッチング工程と第2次異方性エッチング工程とを有するので、第1発明の効果を全て継承しているので、天面に対し側壁面が垂直なシリコン角柱が得られる。そして、第2発明では、第1次異方性エッチングと第2次異方性エッチングとの間に保護膜形成工程を入れているので、第1次異方性エッチングにより形成される垂直壁の側壁に保護膜を付けることができ、第2次異方性エッチング時に側壁が削られるのを防止できる。このため、第2次異方性エッチングでは保護膜の付いた側壁に交差する面だけがエッチング加工されるので、その側壁の(111)面でエッチストップしたとき角柱に仕上られることになる。よって、第2発明では正確に四つの(111)面の側壁を有し、アスペクト比の高いシリコン角柱が得られる。
第3発明によれば、アライメント形状形成工程と第1次異方性エッチング工程と第2次異方性エッチング工程とを有するので、第1発明の効果を全て継承しているので、天面に対し側壁面が垂直なシリコン角柱が得られる。そして、第3発明では、保護膜形成工程が垂直壁を形成する工程の前のシリコン表面がフラットな状態で行われるので、レジストの塗布に特別の手法を要せず、露光も特別の問題なく容易に行える。また、第1次異方性エッチングと第2次異方性エッチングとの間に保護膜形成工程を入れているので、第1次異方性エッチングにより形成される垂直壁の側壁に保護膜を付けることができ、第2次異方性エッチング時に側壁が削られるのを防止できる。このため、第2次異方性エッチングでは保護膜の付いた側壁に交差する面だけがエッチング加工されるので、その側壁の(111)面でエッチストップしたとき角柱に仕上られることになる。よって、第3発明では正確に四つの(111)面の側壁を有し、アスペクト比の高いシリコン角柱が得られる。
第4発明のシリコン角柱は、天面に対し側壁が垂直であって、アスペクト比も高いものが含まれるため、角柱形状を活かした様々な用途に適用することができる。
第5発明のシリコン角柱は、天面に対し側壁が垂直であって、アスペクト比も高いものが含まれるため、角柱形状を活かした様々な用途に適用することができる。
第6発明のシリコン角柱は、天面に対し四つの側面が垂直であり、側面は(111)面のみで囲まれているので、バリや欠けの角柱となっている。よって平滑で、高いアスペクト比の角柱形状を活かした様々な用途への適用が可能である。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明に係る第1の製法のうち工程(1)〜(3)の説明図である。
第2図は、同製法のうち工程(4)〜(6)の説明図である。
第3図は、同製法のうち工程(7)〜(9)の説明図である。
第4図は、同製法のうち工程(10)〜(12)の説明図である。
第5図は、本発明に係る第2の製法のうち工程(1)〜(3)の説明図である。
第6図は、同製法のうち工程(4)〜(6)の説明図である。
第7図は、同製法のうち工程(7)〜(9)の説明図である。
第8図は、同製法のうち工程(10)〜(12)の説明図である。
第9図は、同製法のうち工程(13)〜(15)の説明図である。
第10図は、(A)図はアライメント用形状4の説明図、(B)図はアライメント用形状の拡大平面図、(C)図は同断面図である。
第図11図は、(A)図は垂直壁6の断面図、(B)図は形成されたシリコン角柱8の斜視図である。
第12図は、(A)図は第2の製法における切り目を入れない場合の問題点の説明図、(B)図は切り目を入れた状態の断面図、(C)図は第2次異方性エッチングを終えた状態の断面図である。
第13図は、第2次結晶異方性エッチングを30分行って出来た角柱のSEM写真である。
第14図は、第2次結晶異方性エッチングを1時間行って出来た角柱のSEM写真である。
第15図は、エッチングが完了して酸化膜も除去した状態のSEM写真である。
第16図は、図15の一部拡大写真である。
第17図は、シリコンウエハの結晶面方位の説明図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0005】
つぎに、本発明の実施形態を図面に基づき説明する。
((技術原理))
本発明は、(110)シリコンウエハの内部にある基板表面に垂直な(111)面を用いて天面(110)面に垂直な側壁を有する高アスペクト比の角柱を形成する点に本質的な技術原理が存する。
(110)シリコンウエハにおける(111)面の位置は、図13に示すようになっていることが知られている。同図において矢印は面の法線ベクトルである。この図より、(110)シリコンウエハにおいて、(111)面は大きく分けて、(110)面に対して垂直になっている面と斜めになっている面があることが分かる。また垂直な(111)面同士は、109.5°の角度をなしている。本発明では結晶異方性によるエッチング特性を利用し、この垂直な二つの(111)面を利用することで高アスペクト比の角柱形状を形成するものである。
また、本発明で用いるシリコンウエハは、(110)面が表面となるようにインゴットからスライスしたウエハである。
((本発明の製法))
本発明の製法には、以下に示す第1と第2の二つの方法がある。
((第1の製法))
まず、第1の製法を説明する。この製法は以下の工程(1)〜工程(12)の12工程からなる。なお、特許請求の範囲(請求項2)で特定した工程との対応関係は以下のとおりである。
・アライメント形状形成工程:(1)〜(3)
・第1次異方性エッチング工程:(4)〜(6)
・保護膜形成工程:(7)〜(8)
・第2次異方性エッチング工程:(11)〜(12)
(アライメント形状形成工程)
(1)保護膜形成
図1の(1)に示すように、シリコンウエハ1全面に結晶異方性エッチング時のマスクとなる保護膜2を成膜する。
この工程は、後の工程(2)で行うアライメント用形状を形成する目的の他に、工程(6)で結晶異方性エッチングするとき垂直壁が溶けないようにするためである。
本工程における成膜には、SiやSiOが使用でき、成膜法には、公知のCVDなどが用いられる。
なお、アライメント形状の形成と垂直壁の形成には、Siが最適である。結晶異方性エッチングを行う場合のエッチング液として代表的なものにKOHとTMAHがあり、このどちらの溶液を用いても異方性エッチングを行うことができるが、どちらの溶液を用いるかにより、マスク材をSiにするかSiOにするか選択する必要がある。Siは、KOHとTMAHで極めて溶解されにくいためエッチングの途中でSiが無くなってしまうことはなく、時間管理による膜厚制御が容易である。SiOはKOHを用いるときエッチング速度が大きいので、膜厚制御のための時間管理が困難であるが、充分な厚さの膜厚を成膜しておけばマスク材として使用できる。
(2)アライメント用形状の形成準備
図1の(2)に示すように、前記工程で形成された保護膜2(例えばSi)にアライメント用孔3(円形開口)を形成する。この加工には特別の制約はないが、例えば、RIE(Reactive ion etching反応性イオンエッチング)をシリコン面が出るまで行い、熱硫酸過水でレジストを除去することで行える。
アライメント用孔3の位置と数は任意である。ただし、位置はマスクアライナーでの顕微鏡を用いた位置合わせ時に見える場所に形成する必要がある。ウエハ1全面を見ることができるマスクアライナーを使用する場合はどこに形成してもよい。数に関しては任意である。図では左右に2個づつ、計4個を示しているが、これに限ることはない。なお、離れた2点間の方がアライメント精度が高くなる。
(3)アライメント用形状の形成
図1の(3)に示すように、前記工程(2)で形成した孔3の下のシリコン面にアライメント用形状4を形成する。このため結晶異方性エッチングを行う。例えば、TMAH(溶液tetramethyl ammonium hydroxide,(CHNOH)を適当な容器に入れて60℃〜80℃程度に加熱し、ウエハを浸けてエッチングする。このときに、形成したアライメント用形状4のSEM写真は図1の(3)のとおりである。
このアライメント用形状4は、図10の(A)に示すように、保護膜2の下のシリコン面に凹んで形成されている。また、その正確な形状は、(B)図に示す平面視で六角形であり、(C)図に示す断面視で三角形の凹所である。そして、このアライメント用形状4は互いに交わる二つの垂直な(111)面を有している。この二つの(111)面がアライメントの基準となる。
(第1次異方性エッチング工程)
(4)一方の垂直な(111)面に合わせたレジストパターニング
図2の(4)に示すように、ウエハ1の表面にレジスト5を塗布し、露光現象することにより、アライメント用の一方の垂直な(111)面に合わせて複数本のライン形状をパターニングする。レジスト5は公知の材料、例えば有機系のレジスト等をとくに制限なく用いることができ、塗布法も公知の方法、例えばスピンコーターやスプレーコーターを用いることができる。また、露光法は、公知のフォトエッチングの手法を用いてよい。
レジストパターニングをアライメント用形状4の(111)面にアライメントするにはウエハとマスクの位置合わせを行う「マスクアライナー」という公知の装置を用いることができる。また、レジストパターニングは非常に微細なため、顕微鏡で観察しながら、ウエハをx,y方向とθ(回転)に移動させ、アライメント用形状4との位置合わせを行う。
このレジストパターニングは帯状のものを複数本平行に形成すると、後述するようにこの部分にシリコン角柱ができることになる。
(5)シリコン面の保護膜の除去
つぎに図2の(5)に示すように、シリコン面の保護膜2を除去して、パターニングされた保護膜2(Si)のみを残すようにする。具体的には、RIEを用いて保護膜2(Si)をエッチングし、シリコン面を出す。熱硫酸過水で洗浄し、レジストを剥離する。
なお、RIEでエッチングを行うと、レジストが無くなる前にSiがエッチングされシリコン面が出てくるが、長時間エッチングするとレジストも無くなり、レジストの下のSiもエッチングされていくため、エッチング時間に注意する必要がある。この工程によってレジストパターニングの天面にはSiの保護膜2が残されることになる。
(6)シリコン面の第1次異方性エッチング・垂直壁の形成
ここで図2の(6)に示すように、シリコンウエハ1に結晶異方性エッチングを行う。エッチング液はTMAHなど公知のエッチング液が使える。この工程で保護膜2部分の天面にはSiが残っているので、エッチングの結果、帯状の保護膜2部分に隣接するシリコン面が掘れていき、保護膜2部分の側面は垂直壁6に形成される。このとき、保護膜2部分の側面が垂直な壁面になるが、これは垂直壁6の壁面がウエハ表面の(110)面に対して垂直な二つの(111)面のうちの一つの(111)面であるためである。このときに、形成した垂直壁6は図(6)に示すSEM写真(走査電子顕微鏡写真)のとおりである。実験例では、形成された垂直壁6の高さは約30μmであった。
(保護膜形成工程)
(7)全面保護膜形成
図3の(7)に示すように、垂直壁6を形成した後、ウエハ1全面に保護膜7を形成する。この保護膜形成のため、例えばウエハを熱酸化し全面に酸化膜を形成する。この結果、図11の(A)に示すように、垂直壁6の天面6aと側面6bを含めシリコンウエハ1全面に保護膜7が形成されることになる。つまり、この工程は後の工程(11)での第2次異方性エッチングのためのマスク材を形成している。
この工程では、保護膜7として、Siではなく酸化膜(SiO)を用いている。その理由は、酸化膜を形成した方が工程(8)でのレジストパターニング後のマスク材のエッチングが容易であるためである。しかし、保護膜7をSiもしくSiOにしてRIEでエッチングを行うことも可能であり、また、Siを用いることもできる。ただこのときは膜厚、溶液をそれに合わせて適切なものにする必要がある。
酸化膜(SiO)の形成には、公知の方法を用いることができる。例えば、酸化炉を用い、炉内温度を約1000度として、そこに酸素ガスを入れるとウエハを酸化できる。酸化炉における酸化プロセスにはドライ酸化とウェット酸化があるが、いずれも利用できる。また、CVDで成膜したり、APCVD(Atmospheric Pressure Chemical Vapor Deposition)やLPCVD方法も可能であり、これらは任意に選択して良い。
(8)他方の垂直な(111)面に合わせたレジストパターニング
図3の(8)に示すように、この工程では、アライメント用形状4のもう一つの垂直な(111)面に合わせてレジストパターニングをする。
このため、ウエハ1上面にレジスト8を塗布する。この工程では、厚膜レジスト(膜厚30μm)を塗布するのが好ましい。このとき、垂直壁6の高さをすべてコートする必要がある。従って膜厚の厚いレジストを形成できる厚膜レジスト(PMER、SU−8等)を用いている。レジスト塗布の方法としてはスピンコーター以外にも全面に塗布できれば良いので、スプレーコートなども使用できる。さらに、レジストの代わりに金属を付着させて、それをマスク材に使用することもできる。そして、もう一方の垂直な(111)面に合わせて複数本のライン形状をパターニングする。このときのアライメント方法は工程(4)と同じでよい。レジストパターニング後の様子は図(8)のSEM写真のとおりである。この工程で、工程(6)で形成した垂直壁6と本工程で形成したレジストパターン8とで井桁状に囲まれた部分に酸化膜7が残されることになる。
(9)シリコン面の保護膜除去
次に、図3の(9)に示すように、レジスト8をマスクにして酸化膜7をエッチングする。このとき、シリコンウエハ1の表面が出てくるまで酸化膜エッチングを行う。このエッチング法としては、フッ酸の溶液にウエハを浸けて酸化膜のエッチングをしてもよく、RIE(イオン加工)を用いてもエッチングしてもよい。このエッチングにより垂直壁6においてもレジスト8で保護されていない部分の酸化膜が取れ、シリコン表面が出てくる。この結果、垂直壁6の長手方向において、酸化膜7の付着した部分と除去された部分が交互に形成される。
(10)レジスト除去・シリコン面を出す
図4の(10)に示すように、工程(8)で塗布したレジスト8を剥離する。剥離した状態は図10のSEM写真のとおりであり、この状態はもう一方の垂直な(111)面に合わせて、酸化膜7がライン状に垂直壁6の上面と側面を保護している状態である。しかも、酸化膜7は垂直壁6の長手方向において、間隔をあけて存在した状態となる。この飛々に存在する酸化膜7によって、角柱を形成する準備ができたことになる。
レジストの除去は工程(5)の方法と同じで、熱硫酸過水(硫酸と過酸化水素水を3:1の割合で混合したもの)で行う。レジストの剥離方法は他にもあり、任意の方法を使ってよい。
(第2次異方性エッチング工程)
(11)シリコン面の第2次異方性エッチング
次に、図4の(11)に示すように、酸化膜7をマスクにしてシリコンウエハ1により第2次異方性エッチングを行う。エッチング液はTMAHなどが使え、この工程の異方性エッチングは、工程(6)と同じ方法でよい。
そして、ウエハ1のシリコン面が掘れたとき先の工程(6)で形成された垂直な(111)面とはもう一方の垂直な(111)面で(天面のマスク部の端の箇所の(111)面で)エッチストップするので、この結果、シリコン角柱8が残る。
(12)保護膜除去
最後に、図4の(12)に示すように、酸化膜を除去する。この工程はフッ酸で行ってもよく、RIEで除去してもよい。この結果、シリコン基板上にシリコン角柱8が林立した状態となる。
図11の(B)は、シリコン角柱8が基板1上に形成された状態を示している。このように形成された複数本のシリコン角柱8は、基板1上に林立したまま使ってもよく、任意の角柱8を切り取って適宜の用途に使用してもよい。
(第1の製法の利点)
上記第1の製法の利点は、以下のとおりである。
a:(110)面のシリコンウエハを用い、その内部にある基板表面に垂直な二つの(111)面が出るようにエッチングするので、天面を(110)面とし、側面を(111)面とするシリコン角柱が得られる。
b:エッチングは、二つの垂直な(111)面を有するアライメント形状を形成したうえで、一方の(111)面にアライメントした第1次異方性エッチングと他方の(111)面にアライメントした第2次異方性エッチングにより行うので、正確に垂直な(111)面を掘り出すことができ、天面に対し正確に垂直になった側壁を有するシリコン角柱8が得られる。
c:第1次異方性エッチングと第2次異方性エッチングとの間に保護膜形成工程を入れているので、第1次異方性エッチングにより形成される垂直壁6の側壁に保護膜7を付けることができ、第2次異方性エッチング時に側壁が削られるのを防止できる。このため、第2次異方性エッチングでは保護膜7の付いた側壁に交差する面だけがエッチング加工されるので、その側壁の(111)面でエッチストップしたとき角柱8に仕上られることになる。よって、正確に四つの垂直な(111)面の側壁を有し、原理的にアスペクト比の高いシリコン角柱8が得られる。
(第1の製法で得られたシリコン角柱)
上記第1の製法で作製されたシリコン角柱8は、四面とも垂直な(111)面で囲まれた角柱形状となる。また、本製法によって実験的に制作した角柱の高さは約30μmであるが、原理的には高アスペクト比の形状を形成することができる。
このように四つの側面が全て(111)面で構成されているということは、原子の結合状態が安定していることを意味し、外力に対して非常に高い剛性をもつことになる。したがって、断面積に対して高さの高い角柱、すなわち高アスペクト比の角柱に仕上げても実用的用途に供することが可能となる。
また、四つの側壁面原子の結晶面に沿って形成されるので非常に平滑にもなる。このため、角柱形状を活かした様々な用途に適用することができる。
((第2の製法))
つぎに、第2の製法を説明する。
第2の製法は、いったん形成した垂直壁に切れ目を入れる製法であるが、本製法における結晶方位の考え方は、第1の製法と同じである。本製法の場合は、レジストのパターニングを加工していないウエハ、すなわち高い段差を形成していないウエハにパターニングできるため、プロセスが非常に容易であるという長所がある。
つぎに、全工程を順を追って説明するが、つぎの工程(1)〜(5)は、先に説明した第1の製法と同じであるので、詳細は省略し、簡略化した説明とする。
なお、特許請求の範囲(請求項3)で特定した工程との対応関係は、以下のとおりである。
・アライメント形状形成工程:(1)〜(3)
・保護膜形成工程:(4)〜(9)
・第1次異方性エッチング工程:(10)
・保護膜形成工程:(11)〜(12)
・切断工程:(13)
・第2次異方性エッチング工程:(14)〜(15)
(アライメント用形状形成工程)
(1)保護膜形成
図5の(1)に示すように、シリコンウエハ1全面に保護膜2を形成する。この保護膜2は工程(2)のアライメント用形状の形成時と工程(10)の第1次異方性エッチング時のマスクを形成するものである。この保護膜2は、例えばSiをLPCVDにより成膜することで得られる。
(2)アライメント用形状の形成準備
図5の(2)に示すように、保護膜2としてのSiにアライメント用孔3をエッチングにより形成する。
(3)アライメント用形状の形成
図5の(3)に示すように、TMAHにより結晶異方性エッチングを行い、アライメント用形状の下のシリコン面にアライメント用形状4を形成する。このアライメント用形状は図10に示す六角形の凹所であり、この六角形凹所には、二つの垂直な(111)面が形成されている。
(保護膜形成工程)
(4)垂直な(111)面に合わせたレジストパターニング
図6の(4)に示すように、シリコンウエハ1の表面にレジスト5を塗布し、アライメント用形状の一方の垂直な(111)面に合わせて、複数本のレジストパターニングを形成する。アライメントの手法は、前記第1の製法と同じである。
(5)シリコン面の保護膜の除去
図6の(5)に示すように、いったん工程(1)で形成した保護膜2(Si)をエッチングにより除去する。これにより、レジスト5部分以外でシリコン面が出る。
(6)全面保護膜形成
つぎに、第1の製法における工程(6)「異方性エッチング」をせずに、本製法の工程(6)として、図6の(6)に示す全面保護膜を形成する工程を実行する。すなわち、前工程で用いたレジストを剥離した後、シリコンウエハ全面に保護膜4としての酸化膜を形成する。前工程(5)ではウエハに保護膜(Si)が帯状にパターニングされているので、帯状のSi部分は酸化されず、シリコン面のみに保護膜4(SiO)が形成される。
本工程(6)で形成する保護膜4は工程(10)での垂直壁形成時のマスク材となるものである。
(7)他の垂直な(111)面に合わせたレジストパターニング
次に、図7の(7)に示すように、もう一方の垂直な(111)面に合わせて複数本のレジスト8をパターンニングする。アライメントの手法は、前記第1の製法と同じである。
(8)シリコン面の保護膜除去
ここで、図7の(8)に示すように、レジスト8をマスクにして保護膜2(Si)と保護膜4(SiO)をイオンエッチング等により除去する。
(9)レジスト除去・シリコン面を出す
ついで、図7の(9)に示すように、レジスト8を剥離する。そうすると、レジスト8の跡に、複数本の帯状部分が現れ、各帯状部分には、保護膜2(Si)と保護膜4(SiO)が交互に並ぶことになる。
以上の工程(4)〜(9)により、帯状部分にSiOとSiが交互に保護膜2,4として形成されるが、このように保護膜2,4が交互に現れるように成膜するのは、工程(12)で保護膜2(Si)を除去してシリコン面を出して、工程(13)で現れたシリコン面の部分を一方の垂直な(111)面に合わせて切り目を入れるためである。
上記(4)〜(9)の工程によると、シリコンウエハ1が平坦な状態で2つの垂直な(111)面にアライメントしたマスクを形成できるので、マスクの形成が容易であるという点がある。なぜならば段差の高さが数百μmあるような壁にレジストを塗布しパターニングするには厚膜レジストを塗布するなど様々な工夫が必要となる。レジストの塗布だけであればスプレーコート法を用いる等の工夫で可能であるが、露光については深い溝に光が入っていかず、底面まで露光できない等の様々な問題を解決しなければならない。よって、本製法のように、ウエハ表面がフラットな状態のままで2つの垂直な(111)面に合わせてマスク材が形成できると、製作が容易になるという点で利点が大きい。
なお、本製法において、工程(1)でまず保護膜2(Si)を成膜しているが、この前に保護膜4(SiO)を先に成膜し、その後に保護膜2(Si)を成膜すれば工程(5)でシリコンが出てきている部分が保護膜4(SiO)が出てくることになり、そのまま工程(7)のパターニングを行うようにしてもよい。つまり、最初に保護膜4(SiO)を成膜することによっても、その結果、工程(6)と同じ形状が得られる。
(第1次異方性エッチング工程)
(10)シリコン面の第1次異方性エッチング
ここで、図8の(10)に示すように、結晶異方性エッチングを用いることによりシリコン面を掘り下げて垂直壁6を形成する。この工程でのエッチングにより、帯状の保護膜2,4の部分はエッチングされず、保護膜2,4に隣接するシリコン面が掘れていき、保護膜2,4が形成された帯状部分は垂直壁6に形成される。このとき、垂直壁6の側面が垂直になるが、これは垂直壁6の壁面がウエハ表面の(110)面に対して垂直な二つの(111)面のうちの一つの(111)面であるためである。
(保護膜形成工程)
(11)垂直壁に保護膜形成
図8の(11)に示すように、ウエハ1全体を熱酸化により保護膜7として酸化膜(SiO)を形成する。この結果、垂直壁6の天面と側面に保護膜7が形成されることになる。つまり、この工程は後の第2次結晶異方性エッチングのためのマスク材を形成している。
(12)垂直壁上面の保護膜一部除去
ここで、図8の(12)に示すように、垂直壁6上面の保護膜2(Si)をエッチングにより除去する。この工程のエッチングにはRIEが使用できる。この工程の目的は、この部分を第2次異方性エッチングで除去するためである。
(切断工程)
(13)垂直壁を切る
図9の(13)に示すように、垂直壁6において保護膜2を除去した部分に切れ目を入れる。切れ目を入れる手段は何でもよく、例えばダイシングソーやレーザー加工などが使える。この切れ目を入れる目的は別の斜めの(111)面でエッチストップするのを防止し、垂直な面までエッチングを進行させるためである。すなわち、切れ目がない場合は、図12の(A)に示すように、斜めの(111)面が現れて、互いの底点が1点で合うと、そこでエッチストップして、それ以上エッチング加工が進行しなくなる。これに対し、同図(B)に示すように、切れ目の跡10が縦に形成されていると、側方に向かってエッチングが進んでいき、同図(C)に示すように垂直な(111)面が現れたときエッチストップすることになる。この垂直な(111)面を現出させることが角柱を作るための必須の要件となっている。
(第2次異方性エッチング工程)
(14)シリコン面の第2次結晶異方性エッチング
図9の(14)に示すように、最後にTMAHで第2次結晶異方性エッチングを行う。この工程でのエッチングの結果、垂直壁6の一部で切れ目を入れた箇所のシリコン面が掘れていき、その切れ目を入れた側面部分は結晶(111)面に沿って垂直に形成される。これは垂直壁6の壁面がウエハ表面の(110)面に対して垂直な二つの(111)面のうちの他の(111)面であるためである。なお、垂直壁6の形成済みの壁面には保護膜7が付いているので、第2次異方性エッチング時に側壁が削られるのを防止できる。このため、第2次異方性エッチングでは保護膜の付いた側壁に交差する面だけがエッチング加工されるので、その側壁の(111)面でエッチストップしたとき角柱に仕上げられることになる。なお、垂直壁6の天面には保護膜7(SiO)が残っている。
この第2次結晶異方性エッチングの結果、天面に保護膜7が残ったままのシリコン角柱8が形成される。
図13は第2次結晶異方性エッチングを30分行って出来た角柱のSEM写真、図14は同じく1時間後のSEM写真、図15はエッチングが完了して酸化膜も除去した状態のSEM写真、図16は図15の一部拡大写真である。
図13の状態では、出来上りつつある角柱の根元には斜面が残っており、側面には薄い酸化膜も付いている。図14の状態では根元の斜面がほとんど無くなっている。図15の状態ではきれいな角柱に仕上っている。この仕上った状態では、図16に示すように角柱の側面が極めて平滑に仕上っている。
(15)酸化膜除去
図9の(15)に示すように、保護膜7(SiO)を除去するとシリコン角柱8が出現する。このシリコン角柱8は図11の(B)に示すものと同様にシリコンウエハ1に多数本のシリコン角柱8が林立したものである。
(第2の製法の利点)
上記第2の製法の利点は、以下のとおりである。
a:(110)面のシリコンウエハを用い、その内部にある基板表面に垂直な二つの(111)面が出るようにエッチングするので、天面を(110)面とし、側面を(111)面とするシリコン角柱が得られる。
b:エッチングは、二つの垂直な(111)面を有するアライメント形状を形成したうえで、一方の(111)面にアライメントした第1次異方性エッチングと他方の(111)面にアライメントした第2次異方性エッチングにより行うので、正確に垂直な(111)面を掘り出すことができ、天面に対し正確に垂直になった側壁を有するシリコン角柱8が得られる。
c:保護膜形成工程が垂直壁6を形成する工程の前のシリコン表面がフラットな状態で行われるので、レジストの塗布に特別の手法を要せず、露光も特別の問題なく容易に行える。
d:第1次異方性エッチングと第2次異方性エッチングとの間に保護膜7を形成するので、第1次異方性エッチングにより形成される垂直壁6の側壁に保護膜7を付けることができ、第2次異方性エッチング時に側壁が削られるのを防止できる。このため、第2次異方性エッチングでは保護膜7の付いていない面だけがエッチング加工され、その側壁の(111)面でエッチストップしたとき角柱に仕上られることになる。よって、正確に四つの垂直な(111)面の側壁を有し、シリコン角柱8が得られる。
(第2の製法で得られたシリコン角柱)
上記第2の製法で作製されたシリコン角柱8は、四面とも垂直な(111)面で囲まれた角柱形状を形成することができる。また、本製法によって原理的には高アスペクト比の形状を形成することができる。
このように四つの側面が全て(111)面で構成されているということは、原子の結合状態が安定していることを意味し、バリや欠けが生じないことになる。したがって、断面積に対して高さの高い角柱、すなわち高アスペクト比の角柱に仕上げても実用的用途に供することが可能となる。
また、四つの側壁面は非常に平滑にもなる。このため、角柱形状を活かした様々な用途に適用することができる。
((本発明のシリコン角柱))
本発明のシリコン角柱は、天面に対し四つの側面が垂直であり、側面は(111)面のみで囲まれているので、バリや欠けの無い角柱となる。よって、高いアスペクト比の角柱が出来、電極など様々な用途への適用が可能である。
【産業上の利用可能性】
【0006】
本発明のシリコン角柱は、さまざまな産業分野で、各種の用途に適用できる。たとえばフィルタ用母型や微細高密度電極などの用途が考えられるが、これらの用途に限られるものではない。

Claims (6)

  1. (110)面のシリコンウエハを用い、
    該シリコンウエハの内部にある基板表面に垂直な二つの(111)面に沿った面を有するアライメント用形状を形成するアライメント形状形成工程と、
    前記一方の(111)面にアライメントした壁面を有する垂直壁を形成する第1次異方性エッチング工程と、
    前記垂直壁に対し前記他方の(111)面にアライメントした壁面を有する角柱を形成する第2次異方性エッチング工程と
    を順に実行することを特徴とするシリコン角柱の製造法。
  2. (110)面のシリコンウエハを用い、
    該シリコンウエハの内部にある基板表面に垂直な二つの(111)面に沿った面を有するアライメント用形状を形成するアライメント形状形成工程と、
    前記一方の(111)面にアライメントしたレジストパターニングを施して、シリコンウエハに結晶異方性エッチング加工をして前記一方の(111)面が垂直な壁面となるように加工して垂直壁を形成する第1次異方性エッチング工程と、
    前記垂直壁の壁面を含めシリコンウエハの表面に保護膜を形成する保護膜形成工程と、
    前記他方の(111)面にアライメントしたレジストパターニングを施して、シリコンウエハに結晶異方性エッチング加工をして前記垂直壁の部分で前記他方の(111)面が垂直な壁面となるように加工して角柱を形成する第2次異方性エッチング工程と
    を順に実行することを特徴とするシリコン角柱の製造法。
  3. (110)面のシリコンウエハを用い、
    該シリコンウエハの内部にある基板表面に垂直な二つの(111)面に沿った面を有するアライメント用形状を形成するアライメント形状形成工程と、
    前記一つの(111)面に沿った第1レジストパターンと、該第1レジストパターン上で前記他の(111)面に沿った第2レジストパターンを形成する保護膜形成工程と、
    前記隣り合う第1レジストパターンの間のシリコン面を異方性エッチングにより掘り下げて、第1レジストパターンに垂直な壁面を形成する第1次異方性エッチング工程と、
    前記垂直壁の側壁面を含めシリコンウエハの全面に保護膜を形成する保護膜形成工程と、
    前記垂直壁における第2レジストパターン部の下面にあるシリコン面を前記他の(111)面の方向に切断する切断工程と、
    前記シリコン面を結晶異方性エッチングにより掘り下げて、第1レジストパターン部を天面とする角柱を形成する第2次異方性エッチング工程と
    を順に実行することを特徴とするシリコン角柱の製造法。
  4. 請求項2の製法により製造され、天面が(110)面で、4つの側面が(111)面からなり、前記四つの側面が共に前記天面に対し垂直であることを特徴とするシリコン角柱。
  5. 請求項3の製法により製造され、天面が(110)面で、4つの側面が(111)面からなり、前記四つの側面が共に前記天面に対し垂直であることを特徴とするシリコン角柱。
  6. 天面が(110)面で、四つの側面が(111)面からなり、前記四つの側面が共に前記天面に対し垂直であることを特徴とする角柱状のシリコン角柱。
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