JP3089870B2 - シリコン基体の加工方法 - Google Patents
シリコン基体の加工方法Info
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Description
状をもつマイクロ機構部品を作製するためのシリコン基
体の加工方法に関する。
いはドライエッチングにより高精度の加工ができるた
め、半導体素子の材料としてばかりでなく、微細な寸
法、形状をもつマイクロ機構部品の材料として用いられ
る。図2(a) 、(b) はそのようなマイクロ機構部品の一
例を示し、シリコン基板1に貫通孔2、3および凹部4
を加工して枠部5、厚肉部6、薄肉部7を形成したもの
である。このような部品を形成するのには、従来は、図
3(a) 〜(c) あるいは図4(a) 〜(c) に示す工程がとら
れている。すなわち、図3(a) に示すように、単結晶シ
リコン基板1の両面にシリコン酸化膜11およびシリコン
窒化膜12を被加工部が露出するように被着し、図3(b)
に示すように、まず深掘り側から弗酸系溶液でシリコン
基板1を加工して凹部21、4を形成し、つぎに図3(c)
に示すように、浅掘り側からアルカリ系溶液で加工して
貫通孔2および3を形成する。あるいは、図4(a) 〜
(c) に示すように、まず浅掘り側から上記と同様に弗酸
系溶液で加工して凹部22、30を形成し、つぎに深掘り側
をアルカリ系溶液で加工して枠部5、厚肉部6、薄肉部
7を形成する。
エッチングでシリコン基板を加工する方法において、エ
ッチング液に弗酸系溶液を用いる場合、エッチングが等
方的に進行するので生ずる凹部形状が丸みを帯びてしま
い、垂直な側壁形状は得られない。それゆえ、各部の寸
法精度が低くなってしまうという欠点がある。一方、ア
ルカリ系溶液を用いる場合、凹部は単結晶シリコン基板
1の面方位に応じて垂直に形成できるが、エッチングが
面方位に依存するため、任意の面方位をもつ単結晶シリ
コン基板に任意の形状厚肉部6あるいは薄肉部7を形成
することが困難である。また、シリコン基板の面方位が
限定されるため、設計上で限定条件が多くなるという欠
点がある。さらに、上記ウェットエッチング法の場合、
シリコン基板に加工用マスクを被着させる際、被着でき
るマスク厚さにはある程度限りがあるため、エッチング
により形成される凹部深さに限界がある。すなわち、深
さ400 μm以上の加工を行いたいときなどには適さな
い。さらに、上記方法は1枚のシリコン基板内に数百個
同時に形成するときなど、形成される各部の寸法、形状
がシリコン基板内でばらつくことがあり、歩留まりが低
下する場合がある。また、酸およびアルカリを用いるの
で作業性が非常に悪いことや、量産時にはエッチング液
の状態の維持管理に厳重な注意が必要なことなどの問題
点もある。
ライエッチングにより貫通孔および凹部を容易に形成す
るシリコン基体の加工方法を提供することにある。
めに、本発明によれば、シリコン基体の一面から対向す
る他面に達する貫通孔および一面から所定の深さを有す
る凹部をドライエッチングで形成するシリコン基体の加
工方法において、シリコン基体の一面および他面にマス
クを形成し、そのマスクの開口部を通じて、凹部を一面
からの、貫通孔を両面からの六弗化硫黄および酸素の混
合ガスを用いたドライエッチングにより形成するシリコ
ン基体の加工方法であって、被加工面積の大きい部分の
マスク開口部を、サイドエッチングにより残存しなくな
る程度の幅をもつマスクを介して隣接する複数の開口部
に分割するものとする。また、別の本発明によれば、シ
リコン基体の一面から対向する他面に達する貫通孔およ
び一面から所定の深さを有する凹部をドライエッチング
で形成するシリコン基体の加工方法において、シリコン
基体の一面および他面にマスクを形成し、そのマスクの
開口部を通じて、凹部を一面からの、貫通孔を両面から
の六弗化硫黄および酸素の混合ガスを用いたドライエッ
チングにより形成するシリコン基体の加工方法であっ
て、シリコン基体を、凹部深さに対応する厚さを持つ部
分と凹部の残り厚さに対応する厚さを持つ部分とをシリ
コン酸化膜を介して接合することにより形成し、そのシ
リコン酸化膜をエッチングストップ層として用い、貫通
孔は両面からのエッチング部の間に残存するエッチング
ストップ層を除去することにより形成するものとする。
ングによれば、特開平2−275626号公報に記載されてい
るようにシリコン基体の一面に垂直な側壁をもつ凹部が
形成される。従って、シリコン基体の対向する両面にマ
スクを形成し、貫通孔は両面からのドライエッチングに
より、凹部は一面からのドライエッチングにより形成す
れば、面に垂直な側壁をもつ貫通孔と凹部の双方を形成
することが容易である。また、このようなSF6 とO2
の混合ガスを用いたドライエッチングにおいて、シリコ
ンとシリコン酸化膜との選択比が100 以上もあるので、
シリコン基体中にシリコン酸化膜を埋没させておけば、
エッチングストップ層として用いることができ、所定の
深さの凹部を高精度で形成することができる。
するための本発明の実施例ならびに参考例を図を引用し
て述べる。図1(a) 〜(c) に示した参考例では、まず、
厚さ500 μmのシリコン基板1の両面に厚さ1μmのア
ルミニウム薄膜を形成し、燐硝酸等のエッチング液を用
いてシリコン基板1の両面にアルミニウムからなるマス
クパターン8、9を形成する。次に、図5に示すような
陽極結合方式の平行平板型ドライエッチング装置を用い
て片面づつエッチングを行う。この装置は、特開平2−
280324号公報に記載されているもので、反応室31内にス
テージを兼ねる下部電極32と5〜100mm の範囲にある距
離離れて上部電極33とが対向している。反応室の底板34
の周辺部に分散して設けられた排気管35が底板と平行に
下部電極32の中心に向かって開口している。上部電極33
にはマッチングチューナ36を介して高周波電源37が接続
されている。反応室31の頂部38と上部電極33の接続体39
との間隙40が反応ガス41の導入口となる。このような陽
極結合方式の平行平板型ドライエッチング装置の反応室
31内の下部電極ステージ32上に、シリコン基板1をマス
ク8を上にして置き、反応室31内に酸素ガス混合比が1
〜50%範囲で混合させたSF6 ガスとO2 ガスとの混合
ガス41を流入させ前記反応室31内を10〜90Paの圧力に保
持して下部電極32と対向した上部電極33との間に0.3〜
2.0W/cm2 の高周波電力を印加して、マスク8の開口
部に露出するシリコンとプラズマ42内に存在するラジカ
ルや反応ガスイオンとの間に物理化学的反応等を起こさ
せることで被加工部のシリコンを除去し、図1(b) に示
すように、シリコン基板1に凹部21および4を形成する
深掘り加工を行う。つぎに、シリコン基板1を裏返して
マスク9が上面にくるように下部電極ステージ32上に置
き、図1(c) に示すように加工して垂直な貫通孔2、3
を形成する浅掘り加工を行う。上記工程により垂直な側
壁をもつ貫通孔2、3が形成される。したがって、図2
に示すような枠部5、貫通孔2および3、厚肉部6、薄
肉部7をシリコン基板に複数同時に形成できる。
凹部21、4を形成し、次に、浅掘り加工を行って貫通溝
2、3を形成したが、逆に浅掘り加工を先に行ってもよ
い。また深さ十数μm程度の浅掘り加工の場合、陰極結
合方式のドライエッチング装置、すなわち反応性イオン
エッチング (RIE) 装置によって行ってもよい。この
ような加工順序の入れ替えが可能なことは、以下の各実
施例ならびに参考例においても同様である。
から弗酸などのエッチング液により形成し、他面上のマ
スク8はアルミ膜で形成する。こうして、図1について
述べた参考例と同様に貫通孔2、3および凹部4をシリ
コン基板に複数同時に形成する。特に、シリコン酸化膜
マスクを用いると、アルミニウムマスクに較べてサイド
エッチング量が半分になるため、シリコン基板に幅の狭
い貫通溝を作る場合などに非常に有利になる。また、シ
リコン基板1上に半導体デバイスが形成されている場合
などにはアルミニウムマスクを用いることができないと
きにも有効である。ただし、シリコン酸化膜はSF6 と
O2 の混合ガスを用いたドライエッチングにおけるシリ
コンとの選択比がアルミニウムマスクに比して小さいた
め、深い凹部の加工や厚い基板への貫通孔の加工におけ
る両面のマスクに用いることはできないが、200 μm程
度以下の厚さのシリコン基板への加工の際には両面のマ
スクに用いることができる。
によりエッチング速度などのエッチング特性が変化する
ことが知られている。そこで、上記被加工面積の差がエ
ッチング速度に大きく影響することがある。すなわち、
被加工面積が大きい部分でエッチング速度が大きくな
り、所定の深さ加工されても、被加工面積が小さい部分
ではエッチング速度がそれより小さいため所定の深さま
で加工されないことがある。それゆえ、両面から加工し
た際、部分的に貫通しない箇所ができるという問題があ
る。そこで、図6(a) に図2(a) と逆の側から示すよう
に、深掘り加工される凹部のうちの被加工面積の小さい
凹部21に、性能に影響を与えない程度に拡大部分23、24
を付加することで凹部4の加工面積とほぼ等しくする。
これにより、深掘り加工の際のエッチング速度を同等に
することができ、図6(b) に示すように凹部21の加工深
さが凹部4と等しくなる。
差のある場合の実施例を示し、被加工面積の大きい被加
工部を、他の被加工部、この場合は貫通孔2を形成する
部分と同等の被加工面積に分割する幅の狭いマスク81を
形成しておく〔図7(a) 〕。次に、上記の参考例と同様
の条件で深掘り加工を行う〔図7(b) 〕。このとき、マ
スク81により区分された開口部からの加工速度は凹部21
の加工速度と同等になるが、マスク81の幅が狭いため、
狭い隔壁82が残留せず、垂直な側壁をもつ大きな面積の
凹部4が形成される〔図7(c) 〕。
例では、シリコン酸化膜をエッチングストップ層として
用いている。この場合は、厚さ470 μmのシリコン基板
1の上にシリコン酸化膜11を介してたとえば厚さ30μm
のシリコン層10が積層されている。このような基体は、
2枚の単結晶シリコン板をシリコン酸化膜を介して密着
させ、加熱して張り合わせたのち、必要に応じて研削に
よって所定の厚さにすることにより容易に作ることがで
きる。この場合、両面にアルミニウムマスク8、9を設
け〔図8(a) 〕、図1に示した参考例と同様に深掘り加
工〔図8(b) 〕および浅掘り加工を行うと、シリコンと
シリコン酸化膜のドライエッチングにおける選択比が10
0 以上あり、どの面からのエッチングもシリコン酸化膜
で停止する。したがって、この後シリコン酸化膜11をオ
ーバーエッチングなどで除去すれば、図2と同様な形状
をもつマイクロ機構部品が複数同時に作製される〔図8
(c) 〕。この実施例においても、シリコン基板1の厚さ
が200 μm以上あるときは、シリコン層10の加工のため
の浅掘り側のマスクをシリコン酸化膜で形成することも
有効である。また、厚さ200 μm以下の場合は両面のマ
スクをシリコン酸化膜に置き換えてもよい。
トップ層を有する基体を、たとえば厚さ470 μmのシリ
コン基板の一面上にシリコン酸化膜を形成し、その上に
たとえば30μmの多結晶シリコン層を積層することによ
り形成してもよい。図9(a) 〜(e) に示した参考例は、
被加工面積の差がある場合の別の方法で、凹部を加工す
る側のマスク8に大きい開口部83のみを形成しておく
〔同図(a) 〕。そして上記の各例と同様に深掘り加工を
行うと、凹部4のみが形成される〔同図(b) 〕。次に、
一旦マスク8を除去し、あらためて全面をマスク8の材
料、この場合はアルミニウムで覆う。したがって、凹部
4の内面をアルミニウム膜80で覆われるが、この場合は
貫通孔2を形成する部分に開口部84を形成する〔同図
(c) 〕。そして再度深掘り加工を行うと、凹部21も形成
される〔同図(d) 〕。このあと浅掘り加工を行えば図2
に示したマイクロ機構部品が得られる〔同図(e) 〕。も
ちろん、マスク8、9の双方あるいは一方をシリコン酸
化膜で形成してもよい。
スを用いたドライエッチングにより両面から加工するこ
とにより、シリコン基体に所定の深さの凹部と貫通孔の
双方を、それぞれが側壁が垂直で、高い寸法精度を持つ
ように形成することができる。したがって、シリコン基
体から複雑な形状のマイクロ機構部品を作製することが
可能になった。さらに、シリコン酸化膜をエッチングス
トップ層として用いることにより、より高精度の加工が
可能になる。
(a) ないし(c) の順に示す断面図
部品を示し、(a) は平面図、(b) は断面図
いし(c) の順に示す断面図
ないし(c) の順に示す断面図
の断面図
機構部品を示し、(a) は平面図、(b) は断面図
(a) ないし(d) の順に示す断面図
を(a) ないし(c) の順に示す断面図
を(a) ないし(e) の順に示す断面図
Claims (2)
- 【請求項1】シリコン基体の一面から対向する他面に達
する貫通孔および一面から所定の深さを有する凹部をド
ライエッチングで形成するシリコン基体の加工方法にお
いて、シリコン基体の一面および他面にマスクを形成
し、そのマスクの開口部を通じて、凹部を一面からの、
貫通孔を両面からの六弗化硫黄および酸素の混合ガスを
用いたドライエッチングにより形成するシリコン基体の
加工方法であって、被加工面積の大きい部分のマスク開
口部を、サイドエッチングにより残存しなくなる程度の
幅をもつマスクを介して隣接する複数の開口部に分割す
ることを特徴とするシリコン基体の加工方法。 - 【請求項2】シリコン基体の一面から対向する他面に達
する貫通孔および一面から所定の深さを有する凹部をド
ライエッチングで形成するシリコン基体の加工方法にお
いて、シリコン基体の一面および他面にマスクを形成
し、そのマスクの開口部を通じて、凹部を一面からの、
貫通孔を両面からの六弗化硫黄および酸素の混合ガスを
用いたドライエッチングにより形成するシリコン基体の
加工方法であって、シリコン基体を、凹部深さに対応す
る厚さを持つ部分と凹部の残り厚さに対応する厚さを持
つ部分とをシリコン酸化膜を介して接合することにより
形成し、そのシリコン酸化膜をエッチングストップ層と
して用い、貫通孔は両面からのエッチング部の間に残存
するエッチングストップ層を除去することにより形成す
ることを特徴とするシリコン基体の加工方法。
Priority Applications (1)
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JP04347393A JP3089870B2 (ja) | 1992-12-28 | 1992-12-28 | シリコン基体の加工方法 |
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JPH06204183A JPH06204183A (ja) | 1994-07-22 |
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Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP04347393A Expired - Fee Related JP3089870B2 (ja) | 1992-12-28 | 1992-12-28 | シリコン基体の加工方法 |
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KR20190009890A (ko) * | 2017-07-20 | 2019-01-30 | 류기택 | 탈취금형 및 이것의 제조 방법 |
KR20190009889A (ko) * | 2017-07-20 | 2019-01-30 | 류기택 | 탈취금형 및 이것의 제조 방법 |
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- 1992-12-28 JP JP04347393A patent/JP3089870B2/ja not_active Expired - Fee Related
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