JP4423661B2 - メトキシシリル基含有シラン変性ポリアミドイミド樹脂、樹脂組成物、および硬化膜 - Google Patents

メトキシシリル基含有シラン変性ポリアミドイミド樹脂、樹脂組成物、および硬化膜 Download PDF

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本発明は、メトキシシリル基含有シラン変性ポリアミドイミド樹脂、メトキシシリル基含有シラン変性ポリアミドイミド樹脂組成物ならびにメトキシシリル基含有シラン変性ポリアミドイミド樹脂硬化物および硬化膜に関する。
ポリイミド系重合体は、耐熱性や電気的性質に優れ、しかも柔軟性を有するため、耐熱性材料や絶縁性材料として、成形物、フィルム、コーティング剤等の各種形態で幅広く用いられているが、これらの中で、特にポリアミドイミド皮膜は、安価で、絶縁性が高い為、広く用いられている。
一般に、ポリアミドイミド樹脂は、トリカルボン酸とジイソシアネートを原料とし、これらを縮合反応させて合成される。ポリアミドイミド樹脂は、分子量が大きくなるにつれ、柔軟性や弾性率が向上するため、力学強度は向上するが、ポリエーテルイミドなど他のエンジニアリング・プラスチックと比較して十分とは言えない。また、このようなポリイミド系重合体は金属などの基材に対して密着性が充分でないといった問題があった。
そのため、密着性等を向上させるべく、ポリアミド樹脂に特定のエポキシ当量を有するエポキシ樹脂を混合したポリアミドイミド樹脂組成物(特許文献1参照)を用いる方法、特定の粘度、酸価等を有するポリアミドイミド樹脂を用いる方法(特許文献2参照)やトリアルキルアミンやアルコキシ化メラミン樹脂を用いる方法(特許文献3参照)等が提案されているが、これらの方法においても十分な密着性や力学強度を達成することができなかった。
ところで、本出願人は、分子末端をアルコキシシランで変性したシラン変性ポリアミドイミド樹脂を提案した(特許文献4参照)。当該シラン変性ポリアミドイミド樹脂を硬化して得られる硬化膜は、ポリアミドイミドが有する柔軟性を保持しつつ、ポリアミドイミドより優れた弾性率や耐摩耗性を発現するものであった。
特開平7−238138号公報 特開平7−292319号公報 特開平10−247422号公報 特開2001−240670号公報
本発明は、従来のポリアミドイミド樹脂を超える柔軟性を有しながら、しかも耐熱性と特に金属類に対する密着性に優れた硬化膜を収得しうるメトキシシリル基含有シラン変性ポリアミドイミド樹脂組成物を提供することを目的とする。
本発明者は、前記問題を解決すべく、検討を行った結果、本出願人らが先に提案した発明において、特定の高分子ポリオールを原料とするポリアミドイミド樹脂を使用して得られるメトキシシリル基含有シラン変性ポリアミドイミド樹脂を用いることで、著しい柔軟性の向上を達成し、かつ、密着性も同等以上の硬化膜を収得しうることを見出した。
すなわち、本発明は、ポリカーボネートポリオール、ポリエステルポリオールおよびポリカプロラクトンポリオールからなる群より選ばれる少なくとも1種の高分子ポリオール(a)とジイソシアネート化合物(b)を反応させポリイソシアネートとした後に、トリカルボン酸無水物(c)を反応させて得られる分子末端にカルボキシル基または酸無水物基を有するポリアミドイミド樹脂(A)と、エポキシアルコール(d)とメトキシシラン部分縮合物(e)との脱メタノール反応によって得られるエポキシ基含有メトキシシラン部分縮合物(B)とを反応させてなるメトキシシリル基含有シラン変性ポリアミドイミド樹脂;当該メトキシシリル基含有シラン変性ポリアミドイミド樹脂を含有するメトキシシリル基含有シラン変性ポリアミドイミド樹脂組成物;当該メトキシシリル基含有シラン変性ポリアミドイミド樹脂組成物を硬化させることより得られる硬化物および硬化膜に関する。
本発明によれば、メトキシシリル基含有シラン変性ポリアミドイミド樹脂中にポリオールセグメントが導入されているため、従来のポリアミドイミド樹脂を超える柔軟性を有しながら、耐熱性と密着性にも優れた硬化膜を収得しうるメトキシシリル基含有シラン変性ポリアミドイミド樹脂組成物を提供することができる。また、当該メトキシシリル基含有シラン変性ポリアミドイミド樹脂は、特に金属に対する密着性が著しく向上したものである。
本発明のメトキシシリル基含有シラン変性ポリアミドイミド樹脂は、ポリカーボネートポリオール、ポリエステルポリオールおよびポリカプロラクトンポリオールからなる群より選ばれる少なくとも1種の高分子ポリオール(a)(以下、(a)成分という)とジイソシアネート化合物(b)(以下、(b)成分という)、トリカルボン酸無水物(c)(以下、(c)成分という)から得られる分子末端にカルボキシル基または酸無水物基を有するポリアミドイミド樹脂(A)(以下、(A)成分という)と、エポキシアルコール(d)(以下、(d)成分という)とメトキシシラン部分縮合物(e)(以下、(e)成分という)との脱メタノール反応によって得られるエポキシ基含有メトキシシラン部分縮合物(B)(以下、(B)成分という)とを反応させることにより得られる。
本発明において使用される(A)成分は、(a)〜(c)成分を反応させることにより得られる分子中にアミド結合とイミド結合を有する樹脂であって、その分子末端がカルボキシル基および/または酸無水物基になるように調製されたものである。
本発明に用いられる(a)成分としては、ポリカーボネートポリオール、ポリエステルポリオール、またはポリカプロラクトンポリオールであれば特に制限されず、公知のものを使用することができる。
ポリカーボネートポリオールとしては、例えば、公知のカーボネート化合物と公知の低分子ポリオールとの縮合物が挙げられる。カーボネート化合物としては、例えば、ジフェニルカーボネート、ジエチルカーボネート、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート等が挙げられる。低分子ポリオ−ル成分としては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,3−ブチレングリコール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、3,3−ジメチロールヘプタン、1,9−ノナンジオール、2−メチル−1,8−オクタンジオール、1,10−デカンジオールなどが挙げられる。なお、これらモノマー成分は1種を単独で用いても2種以上を混合して用いても良い。なお、ポリカーボネートポリオールとしては市販のものをそのまま使用しても良い。市販のポリカーボネートポリオールとしては、例えば、プラクセルCD、CD205、CD205PL、CD205HL、CD210、CD210PL、CD210HL、CD220、CD220PL、CD220HL(いずれも商品名 ダイセル化学(株)製)、ニッポラン980、ニッポラン981、ニッポラン982、ニッポラン983(いずれも商品名 日本ポリウレタン(株)製)などが挙げられる。これらは単独で用いても2種以上を混合して用いても良い。
ポリエステルポリオールとしては、例えば、公知のジカルボン酸と公知の低分子ポリオールの縮合物が挙げられる。ジカルボン酸としては、例えば、コハク酸、メチルコハク酸、2,3−ジメチルコハク酸、グルタル酸、アジピン酸、スベリン酸、2−メチル−1,8−スベリン酸、アゼライン酸、セバチン酸、1,10−デカンジカルボン酸等の脂肪族ジカルボン酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、ビフェニルジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸、などが挙げられる。低分子ポリオールとしてはポリカーボネートポリオールの製造に用いるものと同様のものが挙げられる。これらモノマー成分は1種を単独で用いても2種以上を混合して用いても良い。なお、ポリエステルポリオールとしては、市販のものをそのまま用いても良い。市販のポリエステルポリオールとしては、例えば、ニッポラン N−4002、N−4009、N−4010、N−4032、N−4040、N−4042、N−4056、N−4060、N−4070、N−4071、N−3027、N−135、N−136、N−141、N−142、N−143、N−147、N−150、N−151、N−152、N−154、N−155、N−157、N−161、N−163、N−165、N−167、N−5018、N−5019、N−5035(いずれも商品名 日本ポリウレタン(株)製)、クラポール P−510、P−1010、P−1510、P−2010、P−3010、P−4010、P−5010、P−2011、P−2012、P−520、L−1010、L−2010(いずれも商品名 (株)クラレ製)などが挙げられる。これらは単独で用いても2種以上を混合して用いても良い。
ポリカプロラクトンポリオールとしては、例えば公知のラクトンを開環重合させたものであれば特に制限されず公知のものを使用することができる。ラクトンとしては、例えば、ε−カプロラクトンなどが挙げられる。これらラクトンは単独で用いても2種以上を混合して用いても良い。なお、ポリカプロラクトンポリオールとしては、市販のものをそのまま用いても良い。市販のポリカプロラクトンポリオールとしては、例えば、プラクセル 205、L205AL、205H、205U、208、L208AL、210、210CP、210N、212、L212AL、220、220CPB、220N、220NP1、L220AL、230、230CP、240、240CP(いずれも商品名 ダイセル化学(株)製)などが挙げられる。これらは、単独で用いても2種以上を混合して用いても良い。
これらポリカーボネートポリオール、ポリエステルポリオール、およびポリカプロラクトンポリオールの数平均分子量は特に制限されないが、通常、500〜5,000程度であり、好ましくは、800〜4,000であり、より好ましくは1,000〜3,000である。数平均分子量が500未満の場合には十分な柔軟性を得ることができない傾向があり、5,000を超える場合にはジイソシアネートとの反応性が低下し、ポリアミドイミド樹脂化することが困難となり、基材との密着性が低下するなどの傾向がある。また、数平均分子量が3,000を超える場合には、高価となり、市販品として入手することが困難となる傾向がある。
また、これらポリカーボネートポリオール、ポリエステルポリオール、およびポリカプロラクトンポリオールの水酸基価は特に制限されないが、通常、22〜230 KOH mg/gであり、好ましくは28〜140 KOH mg/gであり、より好ましくは36〜113 KOH mg/gである。水酸基価が230を超える場合には十分な柔軟性を得ることができない傾向があり、22未満の場合にはジイソシアネートとの反応性が低下し、ポリアミドイミド樹脂化することが困難となり、基材との密着性が低下するなどの傾向がある。また、水酸基価が22未満の場合には高価であり、市販品として入手することが困難となる傾向がある。
(a)成分の中では、一般式(1):
Figure 0004423661
(式中、Aは炭素数1〜18のアルキレン基を示し、lは1〜20の整数を示す。)
で表されるポリカーボネートポリオール、
一般式(2):
Figure 0004423661
(式中、複数個のBは、それぞれ独立に炭素数1〜18のアルキレン基を示し、複数個のXは、それぞれ独立に炭素数1〜18のアルキレン基又はアリーレン基を示し、mは1〜20の整数を示す。)で表されるポリエステルポリオールおよび
一般式(3):
Figure 0004423661
(式中、複数個のYは、それぞれ独立に炭素数1〜18のアルキレン基を示し、nは1〜20の整数を示す)で表されるポリカプロラクトンポリオールからなる群より選ばれる少なくとも一種を用いることが、耐熱性の点から好ましい。また、両末端にのみ水酸基を有するポリカーボネートポリオール、ポリエステルポリオールまたはポリカプロラクトンポリオールを用いることが、分子末端にカルボキシル基または酸無水物基を有する(A)成分を製造するうえで、特に好ましい。水酸基が1つのものでは、(A)成分を製造するうえで、反応が進まず高分子量とはなりにくく、分子末端がカルボキシル基または酸無水物基とはならず、(B)成分との反応性が低下するなどの傾向があり、また、その硬化膜が脆く、柔軟性に劣る傾向がある。また、水酸基が3つ以上のものではポリマー鎖間での架橋が起こり、反応途中でゲル化するなど、作業性に劣る傾向にある。
本発明に用いられる(b)成分としては、特に制限されず、公知のポリイソシアネート化合物を用いることができる。具体的には、例えば、4,4′−ジフエニルメタンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、3,3′−ジメチル−4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、m−キシレンジイソシアネート、m−テトラメチルキシレンジイソシアネート等の芳香族イソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、4,4′−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、トランスシクロヘキサン−1,4−ジイソシアネート、水添m−キシレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート等の脂肪族イソシアネートなどが挙げられる。これらのうちでは耐熱性の点から芳香族イソシアネートが好ましく、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート、トリレンジイソシアネートが特に好ましい。これらは単独で使用してもよいが、結晶性が高くなるので2種類以上を組み合わせて使用することが好ましい。
本発明に用いられる(c)成分としては、酸無水物基を有する3価のカルボン酸またはその誘導体であれば特に制限されず、公知のものを使用することができる。具体的には、例えば、トリメリット酸無水物、ブタン−1,2,4−トリカルボン酸一無水物、ナフタレン−1,2,4−トリカルボン酸一無水物等が挙げられる。なお、必要に応じて、この一部をピロメリット酸二無水物、3,3´,4,4´−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,3′,4,4´−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、1,2,5,6−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、2,3,5,6−ピリジンテトラカルボン酸二無水物、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、3,4,9,10−ペリレンテトラカルボン酸二無水物、4,4´−スルホニルジフタル酸二無水物、m−ターフェニル−3,3´,4,4´−テトラカルボン酸二無水物、4,4−オキシジフタル酸二無水物、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2,2−ビス(2,3−、または3,4−ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、2,2−ビス(2,3−または3,4−ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、2,2−ビス[4−(2,3−または3,4−ジカルボキシフェノキシ)フェニル]プロパン二無水物、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2,2−ビス[4−(2,3−または3,4−ジカルボキシフェノキシ)フェニル]プロパン二無水物、1,3−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン二無水物、ブタンテトラカルボン酸二無水物、ビシクロ−[2,2,2]−オクト−7−エン−2:3:5:6−テトラカルボン酸二無水物等のテトラカルボン酸二無水物、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、アゼライン酸、スベリン酸、セバシン酸、デカン二酸、ドデカン二酸、ブタジエン二酸、ダイマー酸等の脂肪族ジカルボン酸、イソフタル酸、テレフタル酸、フタル酸、ナフタレンジカルボン酸、オキシジ安息香酸等の芳香族ジカルボン酸などに置換してもよい。これらの使用量は、酸無水物基を有する3価のカルボン酸またはその誘導体の総量に対して10モル%未満とすることが好ましい。これらの使用量が10モル%を超える場合には、(A)成分を製造する際の反応率が低下し、作業性が低下する傾向にある。
本発明の(A)成分は、(a)〜(c)成分を公知の方法により反応させることにより得られる。具体的には、(a)成分と(b)成分を反応させ、ポリイソシアネートを製造した後に、さらに(c)成分を反応させればよい。本発明の(A)成分を製造する際、酸無水物基とイソシアネート基との反応によってイミド結合が生じ、また、カルボキシル基とイソシアネート基との反応によってアミド結合を生じる。(A)成分を合成する際の前記構成成分の反応割合は、実質的にカルボキシル基および/または酸無水物基が分子末端に残存する割合であれば特に限定されない。(a)成分と(b)成分を反応させたイソシアネート化合物は空気中や溶剤中の水分と反応することを考慮して、イソシアネート基のモル数に対するカルボキシル基および/または酸無水物基のモル数、が1.00以上であって1.15を超えない範囲とすることが好ましく、1.03以上であって1.10を超えない範囲とすることがより好ましい。1.00未満であると、生成した樹脂の両末端がカルボキシル基または酸無水物基とはならず、(B)成分との反応性が低下する傾向がある。 また、1.15を超える場合には硬化膜が脆く、柔軟性に劣る傾向がある。(a)〜(c)の使用量として好ましくは、(a)成分1モルに対し、(b)成分を2〜20モル使用し、(c)成分は、[(c)成分のモル数]/[(b)成分のモル数−(a)成分のモル数]=1.00〜1.15程度とすることであり、より好ましくは(a)成分1モルに対し、(b)成分を3〜10モル程度使用し、(c)成分は、[(c)成分のモル数]/[(b)成分のモル数−(a)成分のモル数]=1.03〜1.10程度とすることである。(b)成分の使用量が2モル未満の場合には(a)成分と(b)成分のみで長鎖ポリウレタンを形成してしまうため、(c)成分との反応性が低下する傾向にある。また、(b)成分の使用量が20モルを超える場合には、ポリアミドイミド樹脂(A)固形分中の、(a)成分の割合が少なく、十分な効果が得られにくい傾向にある。なお、(a)成分の使用割合が、(A)成分の固形分中の5〜70重量%程度とすることで柔軟性を著しく向上させることができるため好ましい。
このようにして得られた(A)成分の重量平均分子量は、GPCによるスチレン換算値で、5,000〜70,000程度であることが好ましく、10,000〜60,000であることがより好ましく、15,000〜50,000であることが特に好ましい。重量平均分子量が5,000未満であると、耐熱性や密着性等の膜特性が低下する傾向があり、70,000を超えると、高粘度化や反応時間が長くなるなど、作業性に劣る傾向がある。
本発明に用いられる(B)成分は、(d)成分と(e)成分を脱メタノール反応させることにより得られる。
(d)成分としては、分子中にエポキシ基および水酸基を有するものであれば、特に制限されず公知のものを使用することができる。(d)成分としては、通常、
一般式(4):
Figure 0004423661
(式中、pは1〜10の整数を表す。)で表される化合物を用いることが、得られるメトキシシリル基含有シラン変性ポリアミドイミド樹脂硬化物の柔軟性が向上するため好ましい。なお、一般式(4)においてpが3以上のものを用いた場合には毒性が低くなり、かつメトキシシリル基含有シラン変性ポリアミドイミド樹脂硬化物の柔軟性の向上が著しいため特に好ましい。
本発明に用いられる(e)成分としては、
一般式(6):R−Si(OCH
(Rはメチル基またはメトキシ基を表す)で表される加水分解性メトキシシランモノマーを、酸または塩基触媒、および水の存在下で加水分解し、部分的に縮合させて得られるものが用いられる。 当該(e)成分の1分子中のSiの平均個数は2〜100程度であることが好ましく、一般式(5):
Figure 0004423661
(式中、Rはメチル基またはメトキシ基を示し、qは1〜7の整数を表す)で表されるメトキシシラン部分縮合物を用いることが特に好ましい。Siの平均個数が2未満であると、(d)成分との脱メタノール反応の際、反応せず、メタノールと一緒に系外に流出するメトキシシラン類の量が増えるため好ましくない。また、100を超えると、(d)成分との反応性が悪くなり、目的とする(B)成分が得られにくくなる傾向がある。
(d)成分と(e)成分との使用割合は、特に限定されないが、通常は、((e)成分のメトキシシリル基の当量)/((d)成分の水酸基の当量)=1/1〜100/1程度となる仕込み比率で、(e)成分と(d)成分を脱メタノール反応させることが好ましい。上記仕込み比率が大きくなると、未反応の(e)成分の割合が増加し、また該比率が小さくなると、残存する未反応の(d)成分によって硬化物の耐熱性が悪くなる傾向があるため、前記仕込み比率は、1.3/1〜20/1とするのがより好ましい。
(d)成分と(e)成分の反応は、例えば、これら各成分を仕込み、加熱して生成するメタノールを留去しながら、脱メタノール反応を行う。反応温度は50〜150℃程度、好ましくは70〜110℃である。なお、脱メタノール反応を、110℃を超える温度で行うと、反応系中でメトキシシランの縮合に伴って、反応生成物の分子量が上がりすぎ高粘度化やゲル化する傾向がある。このような場合には、脱メタノール反応を反応途中で停止させる等の方法により、高粘度化、ゲル化を防止できる。また、脱メタノール反応を、70℃未満の温度で行うと、反応時間が長くなる傾向があり、好ましくない。
また、上記の(e)成分と(d)成分の脱メタノール反応に際しては、反応促進のために従来公知の触媒の内、オキシラン環を開環しないものを使用することができる。該触媒としては、例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウム、マグネシウム、カルシウム、バリウム、ストロンチウム、亜鉛、アルミニウム、チタン、コバルト、ゲルマニウム、錫、鉛、アンチモン、砒素、セリウム、カドミウム、マンガン等の金属;これら金属の酸化物、有機酸塩、ハロゲン化物、アルコキシド等が挙げられる。これらの中でも、特に、有機錫、有機酸錫が好ましく、具体的には、ジブチル錫ジラウレート、オクチル酸錫等が有効である。
また、上記反応は溶剤中で行うこともできる。溶剤としては、(e)成分と(d)成分を溶解するものであれば特に制限はない。このような有機溶剤としては、例えば、N−メチル−2−ピロリドン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、キシレン等の非プロトン性溶媒を用いるのが好ましい。
こうして得られた(B)成分は、(1分子当たりのSiの平均個数)/(1分子あたりのエポキシ基の平均個数)の値が、1/1〜20/1程度の範囲内であることが好ましい。この値が1/1未満であると脱メタノール反応時間が長くなる傾向があり、またこの値が20/1を超えると(B)成分中のエポキシ基の割合が少なくなり、(A)成分との反応時にゲル化を生じる傾向がある為、好ましくない。
なお、(B)成分を構成するすべての分子がエポキシ基を含有する必要はなく、上記割合となるエポキシ基を含有していればよい。すなわち、当該部分縮合物(B)は、未反応の(e)成分を上限20重量%程度まで含んでいてもよい。
メトキシシリル基含有シラン変性ポリアミドイミド樹脂は、前記(A)成分と前記(B)成分とを反応させて得られる。この反応は、主に、該(A)成分のカルボキシル基および/または酸無水物と該(B)成分のエポキシ基との間で生じる、オキシラン環の開環エステル化反応である。ここで、(B)成分のメトキシシリル基自体は、反応系内に存在する水分等と反応することも考えられるが、通常は開環エステル化反応には関与しないため、通常、メトキシシリル基は、該メトキシシリル基含有シラン変性ポリアミドイミド樹脂中に60%程度以上残存することになる。なお、メトキシシリル基を80%以上残存させることにより弾性率がより向上するため好ましい。
上記メトキシシリル基含有シラン変性ポリアミドイミド樹脂の製造は、例えば、前記(A)成分と前記(B)成分を仕込み、加熱して開環エステル化反応させることにより行われる。反応温度は、通常、40〜130℃程度、好ましくは70〜110℃である。反応温度が40℃未満であると反応時間が長くなり、また130℃を超えると副反応であるメトキシシリル部位同士の縮合反応が進行しやすくなるため、いずれも好ましくない。反応温度が40〜130℃程度の場合の全反応時間は、4〜16時間程度である。
上記メトキシシリル基含有シラン変性ポリアミドイミド樹脂の硬化残分中のシリカ分は、1%以上15%未満程度であることが好ましい。シリカ分が1%未満であると、本発明の効果が得られにくく、また15%以上であるとフィルムの透明性が失われる傾向があるため好ましくない。ここで硬化残分とはメトキシシリル基含有シラン変性ポリアミドイミド樹脂が溶剤の蒸発、硬化反応を通じて得られた固形分の重量割合であり、この硬化反応とは分子末端に存在するメトキシシリル部位のゾル−ゲル硬化を意味する。
なお、当該反応は、発熱制御、高粘度化防止のため、溶剤の存在下で行うことが好ましい。当該溶剤としては、(A)成分と(B)成分をともに溶解する有機溶剤であれば特に制限はない。このような有機溶剤としては、例えば、N−メチル−2−ピロリドンやジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドなどが使用できる。また、これらの良溶媒に前記(A)成分と前記(B)成分を析出しない範囲で、キシレンやトルエン等の貧溶媒を溶媒全体の30重量%以下の範囲で使用してもよい。
反応系内へ前記溶剤を添加する方法は、特に限定されないが、通常は、(i)(c)成分と、(a)成分と(b)成分から得られるジイソシアネートとから、前記(A)成分を合成する時に加えた溶剤をそのまま使用する;(ii)(d)成分と(e)成分とから前記(B)成分を合成する時に加えた溶剤をそのまま使用する;(iii)前記(A)成分と前記(B)成分との反応の前に加える、といった3つの方法から少なくとも1つを選択すればよい。
また、前記(A)成分と前記(B)成分の反応には、反応を促進するための触媒を使用できる。例えば、1,8−ジアザ−ビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン、トリエチレンジアミン、ベンジルジメチルアミン、トリエタノールアミン、ジメチルアミノエタノール、トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール等の三級アミン類;2−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、2−ヘプタデシルイミダゾール、ベンズイミダゾール等のイミダゾール類;トリブチルホスフィン、メチルジフェニルホスフィン、トリフェニルホスフィン、ジフェニルホスフィン、フェニルホスフィンなどの有機ホスフィン類;テトラフェニルホスホニウム・テトラフェニルボーレート、2−エチル−4−メチルイミダゾール・テトラフェニルボーレート、N−メチルモルホリン・テトラフェニルボーレート等のテトラフェニルボロン塩等を挙げることができる。触媒は、(A)成分100重量部に対し、0.1〜5重量部程度の割合で使用するのが好ましい。
当該メトキシシリル基含有シラン変性ポリアミドイミド樹脂は、その分子中に上記(B)成分に由来するメトキシシリル基を有している。当該メトキシシリル基は、溶剤の蒸発や加熱処理により、または水分(湿気)との反応より、ゾル−ゲル反応や脱メタノール縮合反応して、相互に縮合した硬化物を形成する。かかる硬化物は、ゲル化した微細なシリカ部位(シロキサン結合の高次網目構造)を有するものである。
本発明のメトキシシリル基含有シラン変性ポリアミドイミド樹脂組成物は、かくして得られたメトキシシリル基含有シラン変性ポリアミドイミド樹脂と溶剤を含有するものである。溶剤としては、(A)成分と(B)成分とを反応させる際に用いた溶媒をそのまま使用することができる。これらの中では、N−メチル−2−ピロリドンやジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドなどが好ましい。
また本発明のメトキシシリル基含有シラン変性ポリアミドイミド樹脂組成物は、硬化膜の線膨張率の調整などを目的に、更にフィラー等を含有させることができる。メトキシシリル基含有シラン変性ポリアミドイミド樹脂のメトキシシリル基はフィラー等の表面と同様の結合をし、フィラーの分散性を助け、硬化膜の寸法安定性を向上させる。このようなフィラーとしては、カーボン、シリカ、アルミナ、チタニア、二硫化モリブテンなどの公知のフィラーが挙げられる。
当該樹脂組成物には、本発明の目的を逸脱しない範囲で、所望により、従来公知のポリアミドイミド樹脂、前記メトキシシラン部分縮合物、前記(B)成分等を、適宜配合しても良い。
上記樹脂組成物は、通常、硬化残分が10〜50重量部程度の液状であるのが適当である。また、その溶媒としては、例えば、前記の開環エステル化反応に用いた溶媒や、エステル系、ケトン系、アルコール系、フェノール系等の極性溶剤を使用できる。また、当該溶剤に、キシレン、トルエン等のメトキシシリル基含有シラン変性ポリアミドイミド樹脂の溶解性が悪い溶媒を併用することもできる。
また、上記樹脂組成物におけるメトキシシリル基含有シラン変性ポリアミドイミド樹脂の含有量は、特に限定されないが、通常、メトキシシリル基含有シラン変性ポリアミドイミド樹脂組成物の硬化残分中の50重量%程度以下であることが好ましい。
また、前記メトキシシリル基含有シラン変性ポリアミドイミド樹脂組成物には、本発明の効果を損なわない範囲で、各種用途の必要に応じて、フィラー、可塑剤、耐候剤、酸化防止剤、熱安定剤、滑剤、帯電防止剤、増白剤、着色剤、導電剤離型剤、表面処理剤、粘度調節剤、カップリング剤等を配合してもよい。
本発明のメトキシシリル基含有シラン変性ポリアミドイミド樹脂組成物を、基材に塗工した後、加熱乾燥、硬化させることにより、所望の硬化膜が形成できる。メトキシシリル基含有シラン変性ポリアミドイミド樹脂組成物は(B)成分から誘導されるシリカによって、密着性が向上する。一方で、(a)成分によって柔軟で伸張率の高い硬化膜を得ることができる。本発明のメトキシシリル基含有シラン変性ポリアミドイミド樹脂組成物から得られる硬化膜の伸張率は通常、15〜500%程度であり、上記の各種用途に最適である。
本発明のメトキシシリル基含有シラン変性ポリアミドイミド樹脂組成物から硬化膜を得る方法は特に限定されないが、従来公知のコーティング法を用いることができ、コーティング機器としては、ロールコーター、アプリケーター、バーコーター、コンマコーター、ダイコーター、スクリーン印刷機、ディップコーター、スピンコーター等が挙げられる。また基材としては、特に制限されず、用途に応じ、種々のものを用いることができ、具体的には、例えば、各種金属、金属酸化物(セラミック)、ガラス、プラスチック等が挙げられる。
硬化膜の膜厚は特に限定されないが、0.5〜150μmで用いることが好ましい。0.5μm未満では膜厚精度が出にくく、また150μmを超えると発泡が生じやすい。乾燥・硬化条件は使用した極性溶剤が揮発する温度以上であれば特に限定されないが、完全に硬化させる為には150〜300℃程度で1〜60分程度加熱し、製膜するのが好ましい。また膜厚が50μmを超える場合には、乾燥・硬化時に発泡が生じるおそれがある為、前段階として80〜150℃程度で1〜30分程度、予備乾燥を行うことが好ましい。
また、本発明のメトキシシリル基含有シラン変性ポリアミドイミド樹脂組成物から独立した硬化フィルムを得る場合には、上記基材上にコーティングした後、80〜150℃程度で1〜30分程度予備乾燥した後、基材から剥離し、150〜300℃程度で1〜60分程度加熱することにより製膜するのが好ましい。
以下、製造例、実施例および比較例を挙げて、本発明をより一層具体的に説明する。なお、各例中、%は原則として重量基準である。
製造例1
攪拌機、冷却管、窒素導入管及び温度計を備えた反応装置に、(a)成分としてプラクセルCD
CD220(ダイセル化学(株)製1,6−ヘキサンジオール系ポリカーボネートジオールの商品名。一般式(1)においてAがすべてヘキサメチレン基を示し、lの平均値が13であり、数平均分子量が2,000であるポリカーボネートジオール)500.0g(0.25モル)及び、(b)成分として4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート312.82g(1.25モル)と、N−メチル−2−ピロリドン203.21gを仕込み、窒素気流下60℃で1時間反応させ、ポリカーボネートジイソシアネートを得た。更に、この反応液に(c)成分として無水トリメリット酸201.74g(1.05モル)、及びN−メチル−2−ピロリドン1186.63gを仕込み、100℃で2時間反応させた。ついで、1時間かけて150℃まで昇温した後、5時間反応させた。その後、冷却し、N−メチル−2−ピロリドン/キシレン=4/1(重量比)になるように希釈し、不揮発分35重量%のポリカーボネートセグメント導入ポリアミドイミド樹脂(A−1)溶液を得た。当該ポリカーボネートセグメント導入ポリアミドイミド樹脂の重量平均分子量(GPC測定によるスチレン換算値)は42,000であった。
製造例2
製造例1と同様の反応装置に、(a)成分としてプラクセル 220(ダイセル化学(株)製ポリカプロラクトンジオールの商品名。一般式(3)においてYがすべてペンタメチレン基を示し、nの平均値が17であり、数平均分子量が2,000であるポリカプロラクトンジオール)500.0g(0.25モル)及び、(b)成分として4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート312.82g(1.25モル)と、N−メチル−2−ピロリドン203.21gを仕込み、窒素気流下60℃で1時間反応させ、ポリカプロラクトンジイソシアネートを得た。更に、この反応液に(c)成分として無水トリメリット酸201.74g(1.05モル)、及びN−メチル−2−ピロリドン1186.63gを仕込み、100℃で2時間反応させた。ついで、1時間かけて150℃まで昇温した後、5時間反応させた。その後、冷却し、N−メチル−2−ピロリドン/キシレン=4/1(重量比)になるように希釈し、不揮発分35重量%のポリカプロラクトンセグメント導入ポリアミドイミド樹脂(A−2)溶液を得た。当該ポリカプロラクトンセグメント導入ポリアミドイミド樹脂の重量平均分子量(GPC測定によるスチレン換算値)は43,000であった。
製造例3(ポリアミドイミド樹脂(C)の製造)
製造例1と同様の反応装置に、N−メチル−2−ピロリドン1175g、キシレン294g、無水トリメリット酸345.8gと4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート437.3gを入れ、窒素気流下90℃で2時間反応させた。ついで、窒素気流を止め、1時間かけて135℃まで温度を上昇させた後、15時間反応を継続した。その後、冷却し、N−メチル−2−ピロリドン/キシレン=4/1(重量比)で希釈し、不揮発分25%のポリアミドイミド樹脂(C)溶液を得た。当該ポリアミドイミド樹脂の重量平均分子量(GPC測定によるスチレン換算値)は30,000であった。
製造例4(エポキシ基含有メトキシシラン部分縮合物(B−1)の製造)
製造例1と同様の反応装置に、グリシドール(日本油脂(株)製、商品名「エピオールOH」)125gおよびテトラメトキシシラン部分縮合物(多摩化学(株)製、商品名「メチルシリケート51」、Siの平均個数4)800gを仕込み、窒素気流下、攪拌しながら、90℃に昇温後、触媒としてジブチル錫ジラウレート0.5gを加え、脱メタノール反応させた。反応中、メタノールを反応系内から分水器を使って留去し、その量が、約90gに達した時点で、冷却した。昇温後冷却開始までに要した時間は6時間であった。50℃に冷却後、窒素吹き込み管と分水器を取り去り、減圧ラインを繋いで、13kPaで約15分間、系内に残存するメタノールを減圧によって除去した。この間、減圧によって約21gのメタノールが除去された。その後、フラスコを室温まで冷却し、810gのエポキシ基含有メトキシシラン部分縮合物(B−1)を得た。
なお、仕込み時の(テトラメトキシシラン部分縮合物のメトキシ基の当量)/(グリシドールの水酸基の当量)の比率は10、(生成物1分子当たりのSiの平均個数)/(生成物1分子当たりのエポキシ基の平均個数)は4である。
製造例5(エポキシ基含有メトキシシラン部分縮合物(B−2)の製造)
製造例1と同様の反応装置に、グリシドール(日本油脂(株)製、商品名「エピオールOH」)250g及びテトラメトキシシラン部分縮合物(多摩化学(株)製、商品名「メチルシリケート51」、Siの平均個数4)800gを仕込み、窒素気流下、攪拌しながら、90℃に昇温後、触媒としてジブチル錫ジラウレート1.00gを加え、脱メタノール反応させた。反応中、メタノールを反応系内から分水器を使って留去し、その量が、約90gに達した時点で、冷却した。昇温後冷却開始までに要した時間は9時間であった。50℃に冷却後、窒素吹き込み管と分水器を取り去り、減圧ラインを繋いで、13kPaで約15分間、系内に残存するメタノールを減圧によって除去した。この間、減圧によって約21gのメタノールが除去された。その後、フラスコを室温まで冷却し、930gのエポキシ基含有メトキシシラン部分縮合物(B−2)を得た。
尚、仕込み時の(テトラメトキシシラン部分縮合物のメトキシ基の当量)/(グリシドールの水酸基の当量)の比率は5、(生成物1分子当たりのSiの平均個数)/(生成物1分子当たりのエポキシ基の平均個数)は2である。
実施例1(メトキシシリル基含有シラン変性ポリカーボネートセグメント導入ポリアミドイミド樹脂の製造)
製造例1と同様の反応装置に、製造例1で得たポリカーボネートセグメント導入ポリアミドイミド樹脂(A−1)溶液1000gと製造例4で得たエポキシ基含有メトキシシラン部分縮合物(B−1)15.14gを仕込み、90℃に昇温後、8時間反応させた。N−メチル−2−ピロリドン/キシレン=4/1(重量比)の混合液で希釈し、冷却し、不揮発分30%のメトキシシリル基含有シラン変性ポリカーボネートセグメント導入ポリアミドイミド樹脂溶液を得た。
実施例2〜4
実施例1において、ポリカーボネートセグメント導入ポリアミドイミド樹脂(A−1)溶液またはポリカプロラクトンセグメント導入ポリアミドイミド樹脂(A−2)溶液、エポキシ基含有アルコキシシラン部分縮合物(B−1もしくはB−2)の種類及び使用量、反応時間を表1に示すように変更した以外は、実施例1と同様に反応させ、それぞれ不揮発分30%のメトキシシリル基含有シラン変性ポリオールセグメント導入ポリアミドイミド樹脂溶液を得た。
Figure 0004423661
実施例5
実施例1で得たメトキシシリル基含有シラン変性ポリアミドイミド樹脂溶液を、N−メチル−2−ピロリドン/キシレン=4/1(重量比)の混合液で希釈して、不揮発分25%とし、メトキシシリル基含有シラン変性ポリアミドイミド樹脂組成物を得た。
実施例6〜8
メトキシシリル基含有シラン変性ポリアミドイミド樹脂を、表2に示すように変更したほかは、実施例5と同様にして、それぞれメトキシシリル基含有シラン変性ポリアミドイミド樹脂組成物として得た。
Figure 0004423661
比較例1
製造例1と同様の反応装置に、製造例3で得たポリアミドイミド樹脂溶液(C)1000gと製造例4で得たエポキシ基含有アルコキシシラン部分縮合物(B−1)10.81gを仕込み、90℃に昇温後、8時間反応させた。得られたシラン変性ポリアミドイミド樹脂溶液を、N−メチル−2−ピロリドン/キシレン=4/1(重量比)の混合液で希釈し、不揮発分25%のシラン変性ポリアミドイミド樹脂組成物を得た。
比較例2
製造例1と同様の反応装置に、製造例3で得たポリアミドイミド樹脂溶液(C)1000gと製造例5で得たエポキシ基含有アルコキシシラン部分縮合物(B−2)23.86gを仕込み、90℃に昇温後、12時間反応させた。得られたシラン変性ポリアミドイミド樹脂溶液を、N−メチル−2−ピロリドン/キシレン=4/1(重量比)の混合液で希釈し、冷却し、不揮発分25%のシラン変性ポリアミドイミド樹脂組成物を得た。
比較例3
製造例1で得たポリカーボネートセグメント導入ポリアミドイミド樹脂溶液(A−1)を、そのまま比較用樹脂組成物とした。
比較例4
製造例1で得たポリカーボネートセグメント導入ポリアミドイミド樹脂溶液(A−1)200gにテトラメトキシシラン部分縮合物(多摩化学(株)製、商品名「メチルシリケート51」)を2.47g混合した溶液を、比較用樹脂組成物とした。
比較例5
製造例2で得たポリカプロラクトンセグメント導入ポリアミドイミド樹脂溶液(A−2)を、そのまま比較用樹脂組成物とした。
比較例6
製造例2で得たポリカプロラクトンセグメント導入ポリアミドイミド樹脂溶液(A−2)200gにテトラメトキシシラン部分縮合物(多摩化学(株)製、商品名「メチルシリケート51」)を2.47g混合した溶液を、比較用樹脂組成物とした。
(コーティング膜の作製)
実施例5〜8、比較例1〜6で得た樹脂組成物を、それぞれガラス板、ステンレス、銅板、アルミ上にアプリケーター(ウエット50μm)でコートし、乾燥器に入れ、80℃で10分、120℃で30分、200℃で30分、段階的に乾燥、硬化させた後、室温となるまで放置し、膜厚10μmの硬化フィルムを得た。
(鉛筆硬度の測定)
ガラス板上に作製した硬化フィルムの表面の鉛筆硬度を、JIS
K5400に準拠して、鉛筆硬度の測定をおこなった。評価結果を表3に示す。
Figure 0004423661
(密着性)
実施例5〜8、および比較例1〜6の金属箔積層体をJIS K5400の一般試験法によるゴバン目セロハンテープ剥離試験を行い、以下の基準で判定した。評価結果を表4に示す。
◎:100/100
〇:99〜90/100
△:89〜50/100
×:49〜0/100
Figure 0004423661
表4から明らかなように、実施例のコーティング膜はいずれも基材に対する密着性に優れるものである。
(硬化フィルムの調製)
実施例5〜8、比較例1〜6で得た樹脂組成物を、それぞれPETフィルム上にアプリケーター(ウエット100μm)でコートし、乾燥器に入れ、80℃で10分予備乾燥した後、PETフィルム上から硬化フィルムを剥離した。さらに乾燥器中で120℃で30分、200℃で30分、段階的に乾燥、硬化させた後、室温となるまで放置し、膜厚25μmの硬化フィルムを得た。
比較例4及び6から得られた硬化膜は、白濁しているうえ脆いため、PETフィルム上から剥がす際、多数のクラックが入り、下記試験には使用できなかった。
(フィルムの力学強度)
得られた硬化フィルムをガラス板から剥ぎ取り、ダンベル1号で切り抜き、テンシロン試験機(オリエンテック社製、商品名 UCT−500)を用いて、5mm/分の引っ張り速度で、フィルムを引き伸ばし、破断するまでのフィルム伸び(最大伸張)を測定した。25℃で3回、同じ方法で引っ張り試験を行った。測定値の平均を表5に示す。
Figure 0004423661
表5から明らかなように、実施例に基づく硬化フィルムの伸張率は、いずれもメトキシシリル基含有シラン変性ポリアミドイミド樹脂の硬化フィルム(比較例1や2)の伸張率より大きくなっており、フィルムの柔軟性が高められていると認められる。また、比較例3や5と比較して明らかなように、実施例に基づく硬化フィルムの弾性率、破断強度はともに向上し、強靭な皮膜を形成していると認められる。
本発明のメトキシシリル基含有シラン変性ポリアミドイミド樹脂樹脂組成物は、耐熱コーティング剤、銅線などの金属線のエナメル線用絶縁ワニス、プリント基板用絶縁コート剤、潤滑コーティング剤用バインダー、導電ペースト、金属を基材とする各種耐熱塗料等として使用できる。また、当該樹脂組成物を硬化して得られる硬化膜は、エナメル線用絶縁層やフレキシブルプリント板用絶縁層、テ−プ・オ−トメイティッド・ボンディング(TAB)用絶縁層、チップ・オン・フィルム(COF)用絶縁層、耐熱コーティング膜、電子部品用ベルト材料、複写機やOA機器などの耐熱ベルトの他、エンジン、ガスケット、エアコン等の自動車部品用コーティング剤として使用することができる。

Claims (7)

  1. ポリカーボネートポリオール、ポリエステルポリオールおよびポリカプロラクトンポリオールからなる群より選ばれる少なくとも1種の高分子ポリオール(a)とジイソシアネート化合物(b)を反応させポリイソシアネートとした後に、トリカルボン酸無水物(c)を反応させて得られる分子末端にカルボキシル基または酸無水物基を有するポリアミドイミド樹脂(A)と、エポキシアルコール(d)とメトキシシラン部分縮合物(e)との脱メタノール反応によって得られるエポキシ基含有メトキシシラン部分縮合物(B)とを反応させてなるメトキシシリル基含有シラン変性ポリアミドイミド樹脂。
  2. 高分子ポリオール(a)が、
    一般式(1):
    Figure 0004423661
    (式中、Aは炭素数1〜18のアルキレン基を示し、lは1〜20の整数を示す。)、一般式(2):
    Figure 0004423661
    (式中、複数個のBは、それぞれ独立に炭素数1〜18のアルキレン基を示し、複数個のXは、それぞれ独立に炭素数1〜18のアルキレン基又はアリーレン基を示し、mは1〜20の整数を示す。)
    および一般式(3):
    Figure 0004423661

    (式中、複数個のYは、それぞれ独立に炭素数1〜18のアルキレン基を示し、nは1〜20の整数を示す)
    なる群よりから選ばれる少なくとも1種の高分子ポリオールである請求項1記載のメトキシシリル基含有シラン変性ポリアミドイミド樹脂。
  3. 高分子ポリオール(a)の使用割合が、分子末端にカルボキシル基または酸無水物基を有するポリアミドイミド樹脂(A)固形分中の5〜70重量%である請求項1または2に記載のメトキシシリル基含有シラン変性ポリアミドイミド樹脂。
  4. エポキシアルコール(d)が、
    一般式(4):
    Figure 0004423661
    (式中、pは1〜10の整数を表す。)で表される化合物である請求項1〜3のいずれか記載のメトキシシリル基含有シラン変性ポリアミドイミド樹脂。
  5. メトキシシラン部分縮合物(e)が、
    一般式(5):
    Figure 0004423661
    (式中、Rはメチル基またはメトキシ基を示し、qは1〜7の整数を表す)で表されるメトキシシラン部分縮合物である請求項1〜4のいずれかに記載のメトキシシリル基含有シラン変性ポリアミドイミド樹脂。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載のメトキシシリル基含有シラン変性ポリアミドイミド樹脂および溶剤を含有することを特徴とするメトキシシリル基含有シラン変性ポリアミドイミド樹脂組成物。
  7. 請求項6のメトキシシリル基含有シラン変性ポリアミドイミド樹脂組成物を基材に塗工した後、加熱硬化して得られる硬化膜。
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