JP4423439B2 - 塗膜転写具 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、文字修正用塗膜、接着用粘着膜、装飾用塗膜等を被転写体に押圧転写するための塗膜転写具の技術分野に属する。
【0002】
【従来の技術】
図4は、従来の塗膜転写具の概略構成を示し、図4(a)はケースを省略した概略上面図、図4(b)は図4(a)のb−b線断面図である。
この塗膜転写具10は、支軸42,44を具えたケース40、ケース40から外部に突出する転写ヘッド50、各支軸に回転可能に嵌合された繰出コア20と巻取コア30、及び基材テープ表面に塗膜が塗布された転写テープTからなる。
転写テープTは繰出コア20に巻き回されており、転写ヘッド50において被転写体(図示せず。)に塗膜を押圧転写した後、残った基材テープが巻取コア30に巻き取られるようになっている。
繰出コア20と巻取コア30とが連動して回転するように、両コア20,30にはゴムベルトBが掛け回され、これによって両コアの連動機構が構成されている。
【0003】
この連動機構は、転写テープTのたるみを防ぐため、常に巻き取り長さが繰り出し長さより長くなるように回転連動している。繰り出し長さより巻き取り長さの方が長いため、転写テープTには大きな引張り力がかかるが、連動機構の部品同士がスリップすることによって、転写テープTには過大な力がかからないようになっている。
【0004】
連動機構がスリップするときのトルクを「スリップトルク」と呼ぶ。このスリップトルクの値は、支軸42,44とコア20,30の接触状況、各部品の変形、製作精度のばらつき等によって周期的に変動するが、このスリップトルクが一定値より小さくなると、巻取コア30が押圧転写後の基材テープを巻き取ることができなくなり、転写テープTがたるんでしまう。このときのスリップトルクの値を「巻取限界値」と呼び、図2の符号Lで示す。
図2では、符号Aで示す部分において転写テープTの巻取りが不能になる。この現象は、特に、スリップ率(後述する。)が低く変動の周期が緩やかである巻き取り初期に発生しやすい。
【0005】
塗膜転写具10の使用中に転写テープTがたるまないようにするため、従来では、スリップトルクが変動しても巻取限界値L以下にならないようにスリップトルクの平均値を高く設定すること(図3の(a)参照。)や、部品精度や組立精度を向上させて、スリップトルクの変動幅をできるだけ小さくし巻取限界値L以下にならないようにすること(図3の(b)参照。)で対応していた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、前者の場合は、巻き取り終期では、繰出コア20の転写テープTの巻き径が小さくなり、繰出コア20から転写テープTを繰り出すために大きな力が必要になるという欠点がある。後者の場合は、スリップトルクの変動幅を小さくするために、高精度の部品や潤滑剤等の特殊材料が必要となり、その分、製造コストが嵩むという問題がある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、塗膜と基材テープからなる転写テープを繰出コアから繰り出し、転写ヘッドで前記塗膜を被転写体に押圧して転写し、残った基材テープを巻取コアに巻き取る塗膜転写具であって、前記両コアを連動回転させる連動機構を有する塗膜転写具において、前記連動機構の巻き取り初期のスリップ率を34%以上に設定した塗膜転写具によって、上記の課題を解決した。
【0008】
【作用】
本発明では、塗膜転写具の連動機構の巻き取り初期のスリップ率を34%以上にしたので、スリップトルクの変動周期が短くなり、使用中にスリップトルクが巻取限界値以下に低下する時間が少なくなり、結果的に、全使用期間に亘って、転写テープのたるみが防止される。
【0009】
【発明の実施の形態】
図4は、連動機構としてベルト駆動を採用した塗膜転写具10の例である。本発明もこのような塗膜転写具について実施されるので、便宜的に図4を参照して本発明を説明する。
【0010】
上述したように、このような塗膜転写具10では、巻取コア30に巻き取られる基材テープの長さ(巻き取り長さ)が、繰出コア20から繰り出される転写テープTの長さ(繰し出し長さ)より長くなるように設計され、その差により、使用中の転写テープTに張力が与えられ、転写テープTがたるまないようになっている。
【0011】
繰り出し長さに対する巻き取り側の余分に巻き取られる長さの比率を「スリップ率」と呼び、従来の塗膜転写具では、巻き取り初期のスリップ率は、コーター等の一般機械と同じように、10%程度に設定されていた(実用新案登録第2532967号参照)。
図4(b)に示すように、繰出コア20に巻き回された転写テープTの外径をD1、繰出コア20のベルト装着部の外径をD2、巻取コア30の外径をd1、巻取コア30のベルト装着部の外径をd2とすると、減速比はD2/d2であり、この塗膜転写具10のスリップ率Sは、
S(%)=((d1/D1×D2/d2)−1)×100
と表される。
【0012】
繰出コア20のベルト装着部の外径D2、巻取コア30の外径d1、及び巻取コア30のベルト装着部の外径d2は一定であるから、塗膜転写具10のスリップ率Sは、繰出コア20に巻き回された転写テープTが繰り出されることによって変化するものであり、塗膜転写具10の使用開始直後に最も小さく、転写テープTが繰り出されるに従って次第に増加することが分かる。
【0013】
発明者は、巻き取り初期のスリップ率と転写テープのたるみの発生との関係を知るべく、以下のような実験を行なった。
すなわち、繰出コアに巻き回された転写テープ外径D1が21(mm)、繰出コアのベルト装着部外径D2が16.5(mm)、巻取コアのベルト装着部外径d2が5.6(mm)、ベルトがスリップするときのスリップトルクの変動の平均値が100(gf・cm)である塗膜転写具において、巻取コア外径d1を変化させることによってスリップ率を変化させ、たるみの発生がどのように変わるかを観察した。
それぞれの塗膜転写具について30回ずつ転写して、巻き取り初期に発生する転写テープTのたるみについて観察した結果を表1に示す。
【表1】
表1から、巻き取り初期のスリップ率Sが小さい程多くのたるみが発生し、スリップ率Sが33.3%以上になると転写テープはたるまないことが分かる。
従って、このような塗膜転写具において、巻き取り初期のスリップ率を34%以上になるように設定すれば、転写テープはたるまないことが分かる。
【0014】
この巻き取り初期のスリップ率Sを大きくするためには、
1、繰出コアに巻き回された転写テープの外径D1を小さくする。
2、繰出コアのベルト装着部の外径D2を大きくする。
3、巻取コアの外径d1を大きくする。
4、巻取コアのベルト装着部の外径d2を小さくする。
という手段がある。
【0015】
このように、塗膜転写具の巻き取り初期のスリップ率Sを34%以上に設定すると転写テープはたるまない理由としては、以下のようなことが考えられる。
【0016】
すなわち、塗膜転写具の巻き取り初期のスリップ率Sを34%以上に設定するとスリップトルクの変動周期が短くなり、塗膜転写具の使用中にスリップトルクが巻取限界値Lを下回ってもすぐに上昇するということである。すなわち、図1の符号Aで示すように、スリップトルクが巻取限界値を下回る時間が短いため、使用中に問題とならず、転写テープTがたるまなくなるということである。
また、このような方法であれば、スリップトルクの値を大きくする必要がないので、最後まで比較的小さな押圧力で転写することができるということになる。
さらに、スリップトルクの変動幅を小さくする必要もないので、高精度の部品や潤滑剤等が不要であり、製造コストを抑えることができる。
【0017】
なお、繰出コア20と巻取コア30をギヤで連動させる塗膜転写具(図示せず。)の場合も、同様にして、転写テープのたるみを防止することができる。
【0018】
【発明の効果】
本発明の塗膜転写具は、上記構成により、転写テープがたるむことなく、しかも、比較的小さな押圧力で最後まで使用することができるという効果を奏する。
また、高精度の部品等を使用する必要がないから、製造コストを抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明を実施した塗膜転写具におけるスリップトルクと時間の関係を示す図。
【図2】 従来の塗膜転写具におけるスリップトルクと時間の関係を示す図。
【図3】 転写テープのたるみを防止した従来の塗膜転写具において、スリップトルクと時間の関係を示す図。
【図4】 ベルト駆動方式の塗膜転写具の構成を示し、図(a)はケースを省略した概略上面図、図(b)は図4(a)のb−b線断面図。
【符号の説明】
10:塗膜転写具
20:繰出コア
30:巻取コア
50:転写ヘッド
T:転写テープ
B:ベルト(連動機構)
Claims (1)
- 塗膜と基材テープからなる転写テープを繰出コアから繰り出し、転写ヘッドで前記塗膜を被転写体に押圧して転写し、残った基材テープを巻取コアに巻き取る塗膜転写具であって、前記両コアを連動回転させる連動機構を有する塗膜転写具において、
前記連動機構の巻き取り初期のスリップ率を34%以上に設定したことを特徴とする、
塗膜転写具。
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