JPH0513799U - 塗膜転写具 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【構成】 転写テープ１の転写塗膜１ａを押圧して被転
写面４に転写させる転写ヘッド５を、転写塗膜１ａを基
材１ｂ側から押圧する姿勢で転動自在な回転体で構成
し、転写ヘッド５の転動面５ｂに、回転軸５ａ方向に沿
う多数の凸条部９を周方向に沿って設けた。 【効果】 転写ヘッドを転動させながら転写塗膜を被
転写面に転写するから、少ない操作力で転写でき、しか
も、転写テープを被転写面から引き離すと、回転軸方向
に沿って強固に転写された転写塗膜部分に沿って転写塗
膜がちぎれるから、被転写面に転写した転写塗膜の始端
形状と終端形状とが回転軸方向に沿った形状に形成さ
れ、所望転写範囲の始端位置と終端位置とに亘って正確
に転写させ易い。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、印字跡の修正用やカラーマーク用の転写塗膜が基材に設けられてい る転写テープを送り出し可能に収納するテープ収納部と、前記テープ収納部から 送り出された転写テープの転写塗膜を基材側から押圧して被転写面に転写させる 転写ヘッドとが備えられている塗膜転写具に関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来の冒記塗膜転写具として、楔状に形成された転写ヘッドの先端角部で転写 テープの転写塗膜を基材側から押圧して被転写面に転写させるものが提案されて おり（例えば特公平３−１１６３９号公報参照）、転写ヘッドの先端角部で転写 塗膜を基材側から押圧するので、所望転写範囲の始端位置と終端位置とに亘って 正確に転写塗膜を転写させやすい利点がある。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

しかし、転写ヘッドの先端角部を基材に対して摺接移動させながら転写するか ら、大きな操作力を要する欠点がある。 本考案は上記実情に鑑みてなされたものであって、転写ヘッド構造を工夫する ことにより、少ない操作力で転写でき、しかも、所望転写範囲の始端位置と終端 位置とに亘って正確に転写させ易い塗膜転写具を提供することを目的とする。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

上記目的を達成する為の本考案の特徴構成は、冒記塗膜転写具において、前記 転写ヘッドが転写塗膜を基材側から押圧する姿勢で転動自在な回転体で構成され 、前記転写ヘッドの転動面に、回転軸方向に沿う多数の凸条部が周方向に沿って 設けられている点にあり、かかる構成から次の作用効果を奏する。

【０００５】

【作用】 転写ヘッドで転写塗膜を基材側から押圧し、その状態で転写ヘッドを基材上に 沿って転動させると転写塗膜が被転写面に転写されるが、転写ヘッド転動中の転 写塗膜に対する押圧力は凸条部の角部で押圧したときが最大になり、凸条部の角 部で押圧された転写塗膜部分はその他の部分よりも強固に転写される。 そして、転写範囲の終端位置で転写ヘッドによる押圧を解除し、転写テープを 被転写面から引き離すと、回転軸方向に沿う凸条部の角部で強固に転写された転 写塗膜部分に沿って転写塗膜がちぎれる。 又、転写テープに残っている転写塗膜の始端形状も、凸条部の角部で強固に転 写された転写塗膜部分に沿ってちぎれた状態で形成される。

【０００６】

【考案の効果】

転写ヘッドを転動させながら転写塗膜を被転写面に転写するから、少ない操作 力で転写でき、しかも、転写テープを被転写面から引き離すと、回転軸方向に沿 って強固に転写された転写塗膜部分に沿って転写塗膜がちぎれるから、被転写面 に転写した転写塗膜の始端形状と終端形状とが回転軸方向に沿った形状に形成さ れ、所望転写範囲の始端位置と終端位置とに亘って正確に転写させ易い。 請求項２記載の塗膜転写具は、前記凸条部が、径方向に弾性変位自在に設けら れているから、転写テープに対する押圧力をその幅方向に分散させて、転写塗膜 をテープ幅方向に沿って万遍なく転写させ易い。

【０００７】

【実施例】

次に本考案の実施例を図面に基づいて説明する。 〔第１実施例〕 図１は、白色の感圧転写塗膜１ａが基材１ｂに軽接着されてフィルム状に形状 保持されている画像修正用転写テープ１を送出リール２にロール状に巻き付けて 送り出し可能に収納するテープ収納部３と、収納部３から送り出されたテープ１ の感圧転写塗膜１ａを基材１ｂ側から押圧して被転写面４に転写させる転写ヘッ ド５とがケース６に備えられている塗膜転写具を示す。 前記テープ１は、送出リール２から転写ヘッド５を通過して、送出リール２の 回転軸芯とほぼ平行な軸芯まわりで回転可能な巻取リール７に巻掛けられ、送出 リール２と巻取リール７とをケース６内の一側面側に設けた連動機構８で連動連 結して、テープ１の送出リール２からの送り出しにともなって、転写ヘッド５で 塗膜１ａが転写された後の基材１ｂを巻取リール７に巻取るように構成されてい る。 前記連動機構８は、送出リール２に固定されている大径プーリ２ａと巻取リー ル７に固定されている小径プーリ７ａとに亘ってゴム製の伝動ベルト８ａを巻掛 けて構成され、巻取リール７の回転数を送出リール２の回転数よりも多くして、 テープ１のリール２，７に対する巻付き径の変動にもかかわらず、巻取リール７ による巻付け速度を送出リール２からの送り出し速度よりも常に早くするととも に、巻取リール７による巻付け速度と送出リール２からの送り出し速度との速度 差を伝動ベルト８ａとプーリ２ａ，７ａとのスリップで吸収することで、テープ １に過大な張力が作用することを防止しながら、巻取リール７に確実に巻取られ るように構成してある。 前記転写ヘッド５は、塗膜１ａを基材１ｂ側から押圧する姿勢で転動自在な樹 脂製の回転体で構成され、図２に示すように、一体形成された軸５ａを介してケ ース６に支承されているとともに、この転写ヘッド５の転動面５ｂに、回転軸５ ａ方向に沿う多数の凸条部９が周方向に沿って歯車状に一体形成されている。 前記凸条部９は、回転方向に向けて周方向に倒れ込むツメ車状に形成され、材 料樹脂の弾性力で径方向に弾性変位自在に設けられている。 前記テープ１は、シリコーン樹脂等による剥離層が形成されている樹脂製或い は紙製の基材１ｂに、顔料、結合剤、分散剤等を配合して構成される塗膜１ａが 前記剥離層を介して軽接着されてフィルム状に形状保持され、塗膜１ａに形成し た粘着層を介して被転写面４に接着されるものである。 〔第２実施例〕 第１実施例で示した転写ヘッド５に代え、図３に示すように、平歯車の歯のよ うな凸条部９が細かいピッチで一体形成されている転写ヘッド５を設けて実施し ても良い。 この場合、転写ヘッド５全体を軟質樹脂で一体形成して、凸条部９を径方向に 弾性変位自在に設けることが望ましい。 その他の構成は第１実施例と同様である。 〔第３実施例〕 第１実施例で示した転写ヘッド５に代え、図４に示すように、全体を多面体の 柱状に形成して、多面体の角部が凸条部９に構成されている転写ヘッド５を設け て実施しても良い。 この場合も、転写ヘッド５全体を軟質樹脂で一体形成して、凸条部９を径方向 に弾性変位自在に設けることが望ましい。 その他の構成は第１実施例と同様である。 〔第４実施例〕 第１乃至第３実施例で示した転写ヘッド５に代え、図５に示すように、軸５ａ が一体形成されている軸部材１０ａに、凸条部９が一体形成されている筒状部材 １０ｂを外嵌して転写ヘッド５を構成し、軸部材１０ａと筒状部材１０ｂとの一 方を硬質材料で形成し、他方を軟質材料で形成して凸条部９を径方向に弾性変位 自在に設けても良い。 尚、図中、凸条部９を第２実施例の凸条部９と同様の形状で示したが、第１実 施例又は第３実施例の凸条部９と同様の形状であっても良いことは勿論である。 〔その他の実施例〕 ア．本考案による塗膜転写具は、加熱転写ヘッドで感熱転写塗膜を基材側から加 熱しながら被転写面に押圧して転写させるものであっても良い。 イ．本考案による塗膜転写具は、転写塗膜でマークを付けるカラーマーカーとし て使用するものであっても良い。 ウ．本考案による塗膜転写具は、使用後の基材を巻き取る巻取リールを備えるも のに限定されない。 エ．転写ヘッドの材質は樹脂に限定されず、ゴム，金属或いはこれらの組み合わ せであっても良い。

【０００８】 尚、実用新案登録請求の範囲の項に図面との対照を便利にするために符号を記 すが、該記入により本考案は添付図面の構成に限定されるものではない。

【図面の簡単な説明】

【図１】塗膜転写具の内部を示す側面図

【図２】塗膜転写具の要部正面図

【図３】塗膜転写具の別実施例を示す要部側面図

【図４】塗膜転写具の別実施例を示す要部側面図

【図５】塗膜転写具の別実施例を示す要部側面図

【符号の説明】

１ａ 転写塗膜 １ｂ 基材 １ 転写テープ ３ テープ収納部 ４ 被転写面 ５ 転写ヘッド ５ａ 回転軸 ５ｂ 転動面 ９ 凸条部

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 転写塗膜（１ａ）が基材（１ｂ）に設け
   られている転写テープ（１）を送り出し可能に収納する
   テープ収納部（３）と、前記テープ収納部（３）から送
   り出された転写テープ（１）の転写塗膜（１ａ）を基材
   （１ｂ）側から押圧して被転写面（４）に転写させる転
   写ヘッド（５）とが備えられている塗膜転写具におい
   て、前記転写ヘッド（５）が転写塗膜（１ａ）を基材
   （１ｂ）側から押圧する姿勢で転動自在な回転体で構成
   され、前記転写ヘッド（５）の転動面（５ｂ）に、回転
   軸（５ａ）方向に沿う多数の凸条部（９）が周方向に沿
   って設けられていることを特徴とする塗膜転写具。
2. 【請求項２】 前記凸条部（９）が、径方向に弾性変位
   自在に設けられている請求項１記載の塗膜転写具。