JP4422083B2 - 遊技機用筐体 - Google Patents
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Description
そこで本願発明は、特に樹脂製の筐体を用いた遊技機において、筐体を島に固定する際、筐体天板と島設備の上側の筐体固定部との間の隙間にフレキシブルに対応可能な遊技機用筐体を提供することを目的とする。
なお、括弧内の符号は、発明の実施の形態において用いた符号を示し、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
(特徴点)
(請求項1)
請求項1記載の発明は、次の点を特徴とする。
すなわち、請求項1記載の発明は、上方に向かって突出するリブ(16)を形成した天板(17)を備える合成樹脂製の遊技機用筐体(10)に係る。そして、前記天板(13)は、前記リブ(16)により囲まれたスペーサ収納部(収納部17)を有し、このスペーサ収納部(17)には、遊技機設置設備の筐体固定部(上枠3)と前記天板(13)の間の隙間を埋めるためのスペーサ(20)が上下方向に移動自在に取り付けられている。
そして、前記スペーサ(20)は、前記スペーサ収納部(17)に収納された状態で筐体設置時に前記筐体固定部(3)の下面と当接する当接部(上面板21)と、前記スペーサ収納部(17)の側壁に摺接する立面部(側面板22)とを少なくとも備えている。また、前記スペーサ(20)と前記天板(13)の間には、前記スペーサ(20)を上方に付勢するスプリング(28)と、このスプリング(28)により上方に付勢されているスペーサ(20)を、前記立面部(22)の下端が前記スペーサ収納部(17)を形成するリブ(16)の上端から露出しない高さ位置で保持する保持部材(フック25,係止突起131)とが設けられている。
またここで、前記スプリング(28)は、例えば、「立面部」の底面又は当接部(21)の裏面と、スペーサ収納部(17)の底面(すなわち天板(13)のリブ(16)が形成されている面であって凹状のスペーサ収納部(17)の底の部分)との間に設置され、常態においてスペーサ(20)を上側方向に押し上げているものである。前記「保持部材」は、スプリング(28)により上方に押し上げられているスペーサ(20)が、スペーサ収納部(17)から飛び出してしまわないようにするためのものである。
ここで、前記スペーサ(20)を前記天板(13)に固定する手段としては、ネジ止めや係止部と被係止部との係合とすることができる。また、この固定手段は、前記「保持部材」を兼ねていてもよいものである。例えば、スペーサ(20)を天板(13)に固定しているネジを緩めることにより、緩めた分だけスペーサ(20)がスプリング(28)により押し上げられてスペーサ収納部(17)から突出するようにすることができる。
スペーサ(20)は、あらかじめ筐体(10)の天板(13)に固定されている。そして、筐体固定部(3)と天板(13)との間に隙間がない場合には、スペーサ(20)を天板(13)に固定したまま、スペーサ(20)を筐体固定部(3)に固定する。これにより、筐体(10)は間接的に筐体固定部(3)に固定される。
筐体固定部(3)と天板(13)との間に隙間がある場合には、まずスペーサ(20)と天板(13)との固定を解除する。なお、固定の解除は、筐体(10)を遊技機設置設備の定位置に配置してから行ってもよいし、筐体(10)を遊技機設置設備の定位置に配置する前に行うようにしてもよい。スペーサ(20)と天板(13)との固定が解除されることにより、スペーサ(20)はスプリング(28)の反発力により上方に押し上げられる。
本発明によれば、スペーサ(20)はスペーサ収納部(17)の内部を一定範囲において上下動自在に形成してあるので、天板(13)の上面からスペーサ(20)の上面までの高さ寸法を微調整することができる。
(図面の説明)
図1乃至図6は、本発明の実施の形態を示すものである。
図1及び図2はスロットマシンの筐体とスペーサを示す斜視図、図3はスロットマシンの据え付け状態を示す断面図、図4は筐体とスペーサの断面図、図5及び図6はスペーサの取り付け状態を示す図である。
(スロットマシン1)
スロットマシン1は、図3に示すように、正面側に開口部11を有する箱形の筐体10と、開口部11を閉塞可能かつ開閉自在に筐体10に取り付けられた前扉30とから成る。前記筐体10の内部には、表面に複数の図柄が表示された回転リールを備えるリールユニット40と、特に図示しないがメダルを貯留するとともに払い出すためのホッパー装置や電源装置、スロットマシン10の全体の動作を制御するための制御装置が設けられている。前記前扉30の正面には、特に図示しないが、回転リールの図柄を視認可能な図柄表示窓が形成されており、回転リールの回転及び停止を操作するためのスタートスイッチ、ストップスイッチ等の操作手段が設けられている。また、前扉30の下部には、ホッパー装置から払い出されるメダルを貯留するための下皿が設けられている。
また、いわゆる面替えといわれるスロットマシン1の台交換の際には、筐体10を島に固定したまま、少なくともリールユニット40と制御装置を新機種に対応したものに交換することにより、遊技内容の異なる新たなスロットマシンとして使用することができるようになっている。なお、面替えの際には、前扉30も交換するようにしてもよい。また、前扉30を、筐体10の開口上部を塞ぐ上扉と、開口下部を塞ぐ下扉とに分割し、上扉のみを新機種に対応したものに交換するようにしてもよい。
筐体10は、図1に示すように、底板12と、天板13と、二枚の側板14、及び裏板15から成る方形の箱であり、プラスチックなどの合成樹脂により一体成形されている。そして、天板13、側板14の表面には、強度を保持するために、縦横にわたって立設され方形の枠を形成する複数のリブ16が設けられている。なお、筐体10としては、図3に示すように、開口部11を上下に仕切る仕切部材としての中板を有していてもよい。
ここで、筐体10は、前述したように合成樹脂により形成されているため、弾性変形し易い。そこで、島に固定する際、天板13の上面と上枠3の下面との間に隙間がある場合には、スペーサ20を噛ませることによりこの隙間を埋めることができるようになっている。なお、本実施の形態において「天板13の上面」という場合は「リブ16の上面」を指すものとする。
(スペーサ20)
スペーサ20は、図2及び図4に示すように、平面視長方形の平板である上面板21と、この上面板21の四辺から鉛直方向に立設された側面板22を有する箱形部材である。
前記上面板21には、上下に貫通する貫通孔23と、釘打ち用開口29が形成されている。前記貫通孔23は、スペーサ20を天板13の収納部17に収納したとき、天板13に設けられた固定用ネジ孔18と合致するように設けられている。前記釘打ち用開口29も同様に、スペーサ20を天板13の収納部17に収納したとき、天板13に設けられた釘打ち孔19が当該開口部内に位置するよう形成されている。なお、本実施の形態では、スペーサ20を上枠3に固定する固定部として釘打ち用開口29を設けたが、固定部としては開口部に限られず、例えばネジ孔や、釘やネジが貫通可能な薄肉部としてもよい。
さらに、上面板21の裏面中央部には、図5に示すように、底部が開口する円筒形のスプリング押さえ26が設けられている。このスプリング押さえ26の内部にはスプリング28が設置される。
次に、上記構成を有するスペーサ20の作用を説明する。
スペーサ20は、筐体10の搬送時においては、図4(B)に示すように、天板13の収納部17に収納された状態で、ネジ24により筐体10に固定されている。このとき、上面板21の裏面から垂下し釘打ち用開口29の周囲を囲むスリーブ27が天板13の釘打ち孔19に挿入されており、側面板22の底面は収納部17の床面(天板13のリブ16が形成されている面)に当接している。また、スペーサ20の上面は、リブ16の上面とほぼ面一である。そして、スプリング28は、スプリング押さえ26の筒内部で、上面板21の裏面と収納部17の床面との間で圧縮状態になっている。
一方、天板13と島の上枠3との間に隙間がある場合には、筐体10を島に設置する前に、スペーサ20と筐体10とを固定しているネジ24を緩めて取り外す。ネジ24の固定がなくなると、スペーサ20は圧縮されていたスプリング28の反発力によって、収納部17から上方に押し上げられ、フック25が係止突起131と係合する高さまで上方に移動する(図6参照)。このとき、スペーサ20の側面板22の底面は天板13のリブ16の上面よりも下側に位置し、スペーサ20の裏面から突設されているスリーブ27の下端部は釘打ち孔19の上端部と係合している状態である。すなわち、スペーサ20が上方移動可能な最大高さまで収納部17から突出した場合でも、リブ16及び釘打ち孔19によって収納部17内に保持され、前後方向及び左右方向から力が加えられても収納部17から抜け出てしまうことがないようになっている。
なお、天板13の裏面に、収納部17に収納したスペーサ20のフック25が係合可能な係止部を設け、ネジ24を外してもスペーサ20が収納部17内に保持されるように形成してもよい。この場合には、ネジ24を外した後、筐体10を定位置に設置し、筐体10の内部からフック25と係止部との係合を外せば、スペーサ20が上方に押し上げられて上枠3の位置まで移動する。前記係止部は、角穴130の端部がフック25と係合するように形成したものや、特に図示しないが、角穴130の端部や天板13の裏面に設けられた突起とすることができる。そして係止部と係合しているフック25を反係止部側に引っ張れば、フック25が弾性変形により撓んで係止部との係合を外すことができるものである。このように形成すれば、筐体10を島に設置する際にスペーサ20を手で押さえていなくてもよいので、より効率的に設置作業を行うことができる。
なお、本実施の形態においては、スペーサ20の外形形状は、方形枠状の収納部17に内装されるよう平面視長方形状に形成してあったが、リブ16の態様によっては、収納部17の平面形状が異なるので、スペーサ20もこれに合わせて形成される。例えばリブ16が斜め方向に形成されている場合には菱形の収納部17に内装可能なスペーサ20を用い、リブ16が円形に形成されている場合には円形の収納部17に内装可能なスペーサ20を用いればよい。さらに、スペーサ20の外形形状は、収納部17の平面形状と必ずしも完全に一致していなくともよい。要は、スペーサ20が収納部17の内部に収納可能であり、かつ収納部17から上方に最大突出可能高さまで突出したときに、側面板22の下端部がリブ16の上端よりも下側にあり、スペーサ20の前後左右の移動が規制されるように形成されていればよい。
3 上枠(筐体固定部)
10 筐体 11 開口部
12 底板 13 天板
14 側板 15 裏板
16 リブ 17 収納部
18 固定用ネジ孔 19 釘打ち孔
20 スペーサ 21 上面板(当接部)
22 側面板(立面部) 23 貫通孔
24 ネジ 25 フック(保持部材)
26 スプリング押さえ 27 スリーブ
28 スプリング 29 釘打ち用開口
30 前扉 40 リールユニット
50 釘
130 角穴 131 係止突起(保持部材)
Claims (1)
- 上方に向かって突出するリブを形成した天板を備える合成樹脂製の遊技機用筐体において、
前記天板は、前記リブにより囲まれたスペーサ収納部を有し、
このスペーサ収納部には、遊技機設置設備の筐体固定部と前記天板の間の隙間を埋めるためのスペーサが上下方向に移動自在に取り付けられ、
前記スペーサは、前記スペーサ収納部に収納された状態で筐体設置時に前記筐体固定部の下面と当接する当接部と、前記スペーサ収納部の側壁に摺接する立面部とを少なくとも備え、
前記スペーサと前記天板の間には、前記スペーサを上方に付勢するスプリングと、このスプリングにより上方に付勢されているスペーサを、前記立面部の下端が前記スペーサ収納部を形成するリブの上端から露出しない高さ位置で保持する保持部材とが設けられ、
筐体の遊技設置設備への設置前においては、前記スペーサは、前記スプリングを圧縮した状態で前記天板に固定可能であり、筐体の遊技設置設備への設置時には、前記スペーサと前記天板との固定を解除し、前記当接部を前記筐体固定部の下面に当接させて前記スペーサを筐体固定部に固定することにより、前記天板が筐体固定部に対して移動不能に係止されることを特徴とする遊技機用筐体。
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