JP4419880B2 - グロープラグの通電制御方法及び装置 - Google Patents
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Description
しかし、このようなマイクロコンピュータを備えるグロープラグ通電制御装置を用いてグロープラグの通電制御を行った場合、例えば、以下のような状況において問題が生じることがある。即ち、操作者がキースイッチをオンしてグロープラグに通電している最中にキースイッチをオフし、更にその後短時間のうちに、再びキースイッチをオンしてグロープラグに通電させるような場合である(以下、このような再通電を短時間再通電という)。この場合には、再びグロープラグ通電制御装置が制御を始める段階では、先の通電でグロープラグが昇温しているため、短時間のオフではグロープラグが十分降温していない。このため、グロープラグがまだある程度の高温状態から、再び通電が開始されることになり、マイクロコンピュータは、グロープラグの初期の状態に通電される初期通電期間と同じ実行電圧,同じ通電時間で、印加され続け、その後、保持通電を行う。このため、グロープラグが過昇温となる。
(数式)
また、請求項3に記載の発明のように、前記マイクロコンピュータは、前記グロープラグが前記目標温度(T1)に到達する前に前記キースイッチがオフした場合に、前記第2の所要時間をts2、前記初期通電時間をtp、前記初期通電時間(tp)の間にキースイッチがオンしていた時間をtonとしたとき、前記グロープラグの温度が、前記初期温度(T2)へ下降するまでの第1の所要時間(ts1)を下記数式により算出すると、エンジン温度に応じて最適な第1の所要時間(ts1)を算出することが出来る。
(数式)
また、請求項4に記載の発明のように、前記マイクロコンピュータは、前記グロープラグが前記目標温度(T1)に到達する前に前記キースイッチがオフした後に再び前記キースイッチがオンした場合に、前記初期通電時間をtp、前記キースイッチがオフしてから再びオンするまでの時間をtoff、前記第1の所要時間をts1としたとき、第1の再通電時間(tpr1)を下記数式により算出すると、エンジン温度に応じて最適な第1の再通電時間(tpr1)を算出することが出来る。
(数式)
第2の本発明においては、エンジンに設置されたグロープラグへの通電および遮断を制御する制御方法において、
前記グロープラグが目標温度(T1)に到達するまでの初期通電時間(tp)をエンジン温度毎に定義した第1のマップを記憶装置に予め記憶し、キースイッチがオンされた場合に、エンジンの温度のパラメータを取得し、前記第1のマップに基づいて、前記エンジンの温度のパラメータに応じた初期通電時間(tp)を取得し、前記初期通電時間(tp)の間前記グロープラグに電圧を印加し、初期通電時間(tp)の経過後、所定時間(ta)の間前記グロープラグの温度を保つステップ1と、前記グロープラグに前記第1のマップに基づいて決定される初期通電時間(tp)の間通電しても前記グロープラグが過昇温とならない温度を初期温度(T2)としたとき、グロープラグの温度が、前記目標温度(T1)から前記初期温度(T2)へ下降するまでの第2の所要時間(ts2)を記憶装置に予め記憶し、前記ステップ1の実行中において、前記初期通電時間(tp)の経過後に前記キースイッチがオフした場合に、第2の所要時間(ts2)を呼出し、前記グロープラグへの通電を遮断し、前記第2の所要時間(ts2)の間だけ前記キースイッチが再びオンするのを待つステップ2と、前記ステップ2の実行中において、前記キースイッチが再びオンした場合に、前記キースイッチがオフしてから再びオンするまでの時間(toff)に応じた第2の再通電時間(tpr2)を算出し、前記第2の再通電時間(tpr2)の間前記グロープラグに電圧を印加し、前記第2の再通電時間(tpr2)の経過後、所定時間(ta)の間前記グロープラグの温度を保つステップ3とを備えるグロープラグ通電制御方法を提供する。
(数式)
また、請求項7に記載の発明のように、前記ステップ1の実行中において、前記初期通電時間(tp)の経過する前に前記キースイッチがオフした場合に、エンジンの温度のパラメータを取得し、前記グロープラグの温度が、前記初期温度(T2)へ下降するまでの第1の所要時間(ts1)を算出し、前記第1の所要時間(ts1)の間だけ前記キースイッチが再びオンするのを待つステップ5と、前記ステップ5の実行中において、前記キースイッチが再びオンした場合に、前記初期通電時間(tp)の間にキースイッチがオンしていた時間(ton)に応じた第1の再通電時間(tpr1)を算出し、前記第1の再通電時間(tpr1)の間前記グロープラグに電圧を印加し、第1の再通電時間(tpr1)の経過後、所定時間(ta)の間前記グロープラグの温度を保つステップ6とを備えると良く、特に、請求項8に記載の発明のように、定数として得られる第2の所要時間をts2、前記第1のマップに基づき得られる初期通電時間をtp、前記初期通電時間(tp)の間にキースイッチがオンしていた時間をtonとしたとき、前記グロープラグの温度が、前記初期温度(T2)へ下降するまでの前記第1の所要時間(ts1)を下記数式により算出すると良く、また、請求項9に記載の発明のように、前記第1のマップに基づき得られる初期通電時間をtp、前記キースイッチがオフしてから再びオンするまでの時間をtoff、前記第1の所要時間をts1としたとき、前記第1の再通電時間(tpr1)を下記数式により算出すると良い。
(数式)
(数式)
また、請求項10に記載の発明においては、キースイッチがオンした場合に、前記初期通電時間(tp)又は前記第2の再通電時間(tpr2)又は前記第1の再通電時間(tpr1)の間前記グロープラグに電圧を印加し、前記所定時間(ta)の間前記グロープラグの温度を保つステップを含むグロープラグ通電制御方法において、前記グロープラグに前記第1のマップに基づいて決定される初期通電時間(tp)の間通電しても前記グロープラグが過昇温とならない温度を初期温度(T2)としたとき、グロープラグの温度が、前記目標温度(T1)から前記初期温度(T2)へ下降するまでの第2の所要時間(ts2)を記憶装置に予め記憶し、前記所定時間(ta)の経過後もキースイッチがオンし続けていた場合に、第2の所要時間(ts2)を呼出し、第2の所要時間(ts2)を取得後から前記第2の所要時間(ts2)が経過するまでの間だけ前記キースイッチがオフするのを待つステップ7と、前記ステップ7の実行中において、前記キースイッチがオフした場合に、前記ステップ7に引続き、前記第2の所要時間(ts2)が経過するまでの間だけ前記キースイッチが再びオンするのを待つステップ8と、前記ステップ8の実行中において、前記キースイッチが再びオンした場合に、前記キースイッチがオフしてから再びオンするまでの時間(toff)に応じた第2の再通電時間(tpr2)を算出し、前記第2の再通電時間(tpr2)の間前記グロープラグに電圧を印加するステップ9とを備えることを特徴とする請求項5乃至9のいずれか1項に記載のグロープラグ通電制御方法を提供する。
(数式)
S208では、経過時間の判定に用いるカウンタ変数(t)を初期化(0を代入)する。S209では、バッテリー電圧が所定電圧、例えば、14.5V(定格電圧が12Vのバッテリーの場合)以下であるか否かを判断し、バッテリー電圧が14.5V以下である場合は、S210へ進み、バッテリー電圧が14.5V以上の場合は、電源系統に異常があるため、グロープラグへの通電をオフし制御を終了する。S210では、エンジン水温が40℃以下であるか否かを判断し、エンジン水温が40℃以下である場合は、S211へ進み、エンジン水温が40℃以上の場合は、エンジンが温まっていてグロープラグへの通電の必要がないため、グロープラグへの通電をオフし制御を終了する。S211では、通電の要否を判断する。即ちカウンタ変数(t)が、S207にて求めた通電時間である再通電時間(tpr2)+保持通電(ta)より小さい場合は、S213へ進み、大きい場合は、S212へ進む。S212では、エンジンが稼動中か否かを判断し、稼動中の場合は、グロープラグへの通電の必要がないため、グロープラグへの通電をオフし制御を終了する。一方、稼動中でない場合は、後述する第4の制御S4へ進み、バッテリー電源の消費電力を抑制する為グロープラグへの通電を一時中断する。S213では、初期通電の要否を判断する。即ちカウンタ変数(t)が、S207にて求めた通電時間である再通電時間(tpr2)より小さい場合は、S214へ進み、大きい場合は、S215へ進む。S214では、バッテリーからグロープラグへ初期通電(例えば実行電圧11V)を印加する。S215では、グロープラグへ保持通電(例えば実行電圧7V)を行い目標温度(T1)を維持する。S216では、通電時間がサイクルタイム(例えば1秒)を経過したら、カウンタ変数(t)に1を加算する。S217では、操作者がキースイッチをオンしているか否かを判断し、オンしている場合はS209へ戻り、オフしている場合は、S218へ進む。S218では、グロープラグの温度を判断する。カウンタ変数(t)が、S207にて求めた通電時間である再通電時間(tpr2)より大きい場合、即ち、グロープラグの温度が目標温度(T1)に到達している場合には、S201へ戻り、再通電時間(tpr2)より小さい場合、即ち、グロープラグの温度が目標温度(T1)に到達していない場合には、後述する第3の制御S3へ進む。
(数式)
S302では、経過時間の判定に用いるカウンタ変数(t)を初期化(0を代入)する。S303では、グロープラグ通電スイッチをオフし、グロープラグへの通電を遮断する。S304では、カウンタ変数(t)がS301にて決定した所要時間(ts1)より小さいか否かを判断する。即ち、グロープラグへの通電が遮断されている時間を調べている。カウンタ変数(t)が所要時間(ts1)より小さい場合は、S305へ進み、カウンタ変数(t)が所要時間(ts1)より大きい場合、即ち、グロープラグの温度が十分下がっており、再通電処理の必要がなくなった場合には、グロープラグへの通電制御を終了する。S305では、操作者がキースイッチをオンしているか否かを判断し、オンしている場合はS307へ進み、オフしている場合は、S306へ進む。S306では、通電時間がサイクルタイム(例えば1秒)を経過したら、カウンタ変数(t)に1を加算し、S303へ戻る。S307では、再通電時間(tpr1)を下記数式より算出する。また、目標温度を維持するため、保持通電時間(ta)マップに基づいて、エンジン水温に応じた保持通電時間(ta)を決定する。ここでtpはS103にて得られる初期通電時間であり、toffはキースイッチがオフしてから再びオンするまでの時間、即ち、カウンタ変数(t)の値であり、ts1はS301にて得られる所要時間である。
(数式)
S308では、経過時間の判定に用いるカウンタ変数(t)を初期化(0を代入)する。S309では、バッテリー電圧が所定電圧、例えば、14.5V(定格電圧が12Vのバッテリーの場合)以下であるか否かを判断し、バッテリー電圧が14.5V以下である場合は、S310へ進み、バッテリー電圧が14.5V以上の場合は、電源系統に異常があるため、グロープラグへの通電をオフし制御を終了する。S310では、エンジン水温が40℃以下であるか否かを判断し、エンジン水温が40℃以下である場合は、S311へ進み、エンジン水温が40℃以上の場合は、エンジンが温まっていてグロープラグへの通電の必要がないため、グロープラグへの通電をオフし制御を終了する。S311では、通電の要否を判断する。即ちカウンタ変数(t)が、S307にて求めた通電時間である再通電時間(tpr1)+保持通電時間(ta)より小さい場合は、S313へ進み、大きい場合は、S312へ進む。S312では、エンジンが稼動中か否かを判断し、稼動中の場合は、グロープラグへの通電の必要がないため、グロープラグへの通電をオフし制御を終了する。一方、稼動中でない場合は、後述する第4の制御S4へ進み、バッテリー電源の消費電力を抑制する為グロープラグへの通電を一時中断する。S313では、初期通電の要否を判断する。即ち、カウンタ変数(t)が、S307にて求めた通電時間である再通電時間(tpr1)より小さい場合は、S314へ進み、大きい場合は、S315へ進む。S314では、バッテリーからグロープラグへ初期通電(例えば実行電圧11V)を印加する。S315では、グロープラグへ保持通電(例えば実行電圧7V)を行い目標温度(T1)を維持する。S316では、通電時間がサイクルタイム(例えば1秒)を経過したら、カウンタ変数(t)に1を加算する。S317では、操作者がキースイッチをオンしているか否かを判断し、オンしている場合はS309へ戻り、オフしている場合は、S318へ進む。S318では、グロープラグの温度を判断する。カウンタ変数(t)が、S307にて求めた通電時間である再通電時間(tpr1)より大きい場合、即ち、グロープラグの温度が目標温度(T1)に到達している場合には、第2の制御S2へ戻り、再通電時間(tpr1)より小さい場合、即ち、グロープラグの温度が目標温度(T1)に到達していない場合には、S301へ戻る。
2 エンジン
3 バッテリー
4 エンジンECU
5 グロープラグ通電スイッチ
6 グロープラグ
Claims (10)
- エンジンに設置されたグロープラグと、
前記グロープラグに電圧を印加するバッテリーと、
前記バッテリーから前記グロープラグへの通電および遮断を制御する制御手段と、
前記制御手段に制御開始を促すキースイッチとを備えるグロープラグ通電制御装置であって、
前記制御手段は、マイクロコンピュータを備えており、
前記マイクロコンピュータは、前記キースイッチがオフしてから再びオンするまでの時間及びエンジンの温度のパラメータを取得し、前記キースイッチがオフしてから再びオンするまでの時間及び前記エンジンの温度のパラメータに応じて、前記バッテリーから前記グロープラグへの通電量を制御するものであり、
前記マイクロコンピュータの記憶装置は、前記グロープラグが目標温度(T1)に到達するまでの初期通電時間(tp)をエンジン温度毎に定義した第1のマップを有しており、
前記マイクロコンピュータの記憶装置は、さらに、前記初期通電時間(tp)の間通電しても前記グロープラグが過昇温とならない温度を初期温度(T2)としたとき、前記グロープラグの温度が、前記目標温度(T1)から前記初期温度(T2)へ下降するまでの第2の所要時間(ts 2 )を定数として有しており、
前記マイクロコンピュータは、前記グロープラグが前記目標温度(T1)に到達したと判断した以降に前記キースイッチがオフした場合に、前記第2の所要時間(ts 2 )の間だけ前記キースイッチが再びオンするのを待つことを特徴とするグロープラグ通電制御装置。 - エンジンに設置されたグロープラグへの通電および遮断を制御する制御方法において、
前記グロープラグが目標温度(T1)に到達するまでの初期通電時間(tp)をエンジン温度毎に定義した第1のマップを記憶装置に予め記憶し、キースイッチがオンされた場合に、エンジンの温度のパラメータを取得し、前記第1のマップに基づいて、前記エンジンの温度のパラメータに応じた初期通電時間(tp)を取得し、前記初期通電時間(tp)の間前記グロープラグに電圧を印加し、初期通電時間(tp)の経過後、所定時間(ta)の間前記グロープラグの温度を保つステップ1と、
前記グロープラグに前記第1のマップに基づいて決定される初期通電時間(tp)の間通電しても前記グロープラグが過昇温とならない温度を初期温度(T2)としたとき、グロープラグの温度が、前記目標温度(T1)から前記初期温度(T2)へ下降するまでの第2の所要時間(ts2)を記憶装置に予め定数として記憶し、前記ステップ1の実行中において、前記初期通電時間(tp)の経過後に前記キースイッチがオフした場合に、前記グロープラグへの通電を遮断し、前記第2の所要時間(ts2)の間だけ前記キースイッチが再びオンするのを待つステップ2と、
前記ステップ2の実行中において、前記キースイッチが再びオンした場合に、前記キースイッチがオフしてから再びオンするまでの時間(toff)に応じた第2の再通電時間(tpr2)を算出し、前記第2の再通電時間(tpr2)の間前記グロープラグに電圧を印加し、前記第2の再通電時間(tpr2)の経過後、所定時間(ta)の間前記グロープラグの温度を保つステップ3とを備えるグロープラグ通電制御方法。 - 前記ステップ1の実行中において、前記初期通電時間(tp)の経過する前に前記キースイッチがオフした場合に、エンジンの温度のパラメータを取得し、前記グロープラグの温度が、前記初期温度(T2)へ下降するまでの第1の所要時間(ts1)を算出し、前記第1の所要時間(ts1)の間だけ前記キースイッチが再びオンするのを待つステップ5と、
前記ステップ5の実行中において、前記キースイッチが再びオンした場合に、前記初期通電時間(tp)の間にキースイッチがオンしていた時間(ton)に応じた第1の再通電時間(tpr1)を算出し、前記第1の再通電時間(tpr1)の間前記グロープラグに電圧を印加し、第1の再通電時間(tpr1)の経過後、所定時間(ta)の間前記グロープラグの温度を保つステップ6とを備える請求項5又は6に記載のグロープラグ通電制御方法。 - キースイッチがオンした場合に、前記初期通電時間(tp)又は前記第2の再通電時間(tpr2)又は前記第1の再通電時間(tpr1)の間前記グロープラグに電圧を印加し、前記所定時間(ta)の間前記グロープラグの温度を保つステップを含むグロープラグ通電制御方法において、
前記グロープラグに前記第1のマップに基づいて決定される初期通電時間(tp)の間通電しても前記グロープラグが過昇温とならない温度を初期温度(T2)としたとき、グロープラグの温度が、前記目標温度(T1)から前記初期温度(T2)へ下降するまでの第2の所要時間(ts2)を記憶装置に予め記憶し、前記所定時間(ta)の経過後もキースイッチがオンし続けていた場合に、前記第2の所要時間(ts2)が経過するまでの間だけ前記キースイッチがオフするのを待つステップ7と、
前記ステップ7の実行中において、前記キースイッチがオフした場合に、前記ステップ7に引続き、前記第2の所要時間(ts2)が経過するまでの間だけ前記キースイッチが再びオンするのを待つステップ8と、
前記ステップ8の実行中において、前記キースイッチが再びオンした場合に、前記キースイッチがオフしてから再びオンするまでの時間(toff)に応じた第2の再通電時間(tpr2)を算出し、前記第2の再通電時間(tpr2)の間前記グロープラグに電圧を印加するステップ9とを備えることを特徴とする請求項5乃至9のいずれか1項に記載のグロープラグ通電制御方法。
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